以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとならなる筐体にて各部を保持する構造である。
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成され、図示しない前面枠閉鎖スイッチ38(図4参照)が前面枠3の閉鎖状態を検出可能に装着されている。また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠6(図2参照)が設けられている。尚、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えない。
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカ10の前面にスピーカ10を保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。
また、意匠枠4bは、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、遊技者が操作可能な遊技ボタン14、CRプリペイドカードユニット7と後述するCRユニット端子板60を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。なお、遊技ボタン14は本願発明における操作ボタンに該当する。
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、図示しない発射停止ボタン19(図4参照)およびタッチ板20が設けられている。前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカ10を備えたスピーカユニット21が設けられている。
続いて、図2にパチンコ機1の裏面図を示し、詳細に説明する。図2に示す通り、遊技盤8を着脱可能に取り付けられる前面枠3が外枠2に収納されるような構成となっている。前面枠3には、上方から球タンク22、タンクレール23および払出装置24が設けられ、遊技盤8に設けられる後述する入賞口に遊技球が入球することに基づいて、払出装置24の払出モータ24aが駆動することによって、球タンク22およびタンクレール23に貯留されている遊技球が、前述した上皿12に払い出されることになる。
また、遊技盤8の裏面側には、主制御装置50、サブ統合装置53、演出図柄ユニット54が設けられ、前面枠3の裏面側には、払出制御装置51、発射制御装置52、電源装置55が各々設けられ、電源装置55には電源スイッチ55aおよびRAMクリアスイッチ55b、図示しないバックアップ用電源が設けられている。尚、発射制御装置52が図示されていないが、払出制御装置51で隠れる位置に配置されている。
さらに、前面枠3には、外部接続端子板61が設けられており、この外部接続端子板61から遊技状態、遊技結果、不正行為等を示す信号がホールコンピュータ70(図4参照)に送られるように構成されている。尚、本実施例では外部接続端子板61を盤用、枠用を兼用する構成としているが、盤用、枠用の外部接続端子板を個々に備えるように構成しても何ら差し支えない。
続いて、図3に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。図3に示す通り、遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有するセンターケース28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図4参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
センターケース28の左には普通図柄作動ゲート42が配置され、窓部28aの上部には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置され、その右側には4個のLEDからなる普通図柄保留記憶表示装置41aが設けられている。
センターケース28の下方には、第1特別図柄始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として配置され、遊技領域26の下方左側に2個の7セグメントLEDにより構成された第1特別図柄表示装置29が、遊技領域26の下方右側に同じく2個の7セグメントLEDにより構成された第2特別図柄表示装置30が配置されている。また、第1特別図柄表示装置29の左には、LED等の4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが、第2特別図柄表示装置30の右には、同様にLED等の4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが配置されている。なお、第1特別図柄表示装置29と第2特別図柄表示装置30とは、本願発明における特別図柄表示手段に該当する。
第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aが配置され、その下方にはアウト口34が設けられている。また、第2始動口32の左右には、ガイドレール25bに沿うように一般入賞口35aを備えた入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に入球すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、第2始動口32への入球が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.3秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では5.0秒(1回)である。
第1始動口31に遊技球が入球(第1特別図柄始動スイッチ31a(図4参照)にて遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2特別図柄始動スイッチ32a(図4参照)にて遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(抽選)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となってはじめて第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。変動表示後に確定表示した第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球が可能となるように構成されている。
続いて、図4に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図4には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
図4に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ31aと第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチとが接続されており、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイドと、普通電動役物31の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイドとが接続されており、図柄表示装置中継端子板を介して第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置とが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置とは払出制御装置51から発射制御装置への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置51に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプと、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカと、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは、主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとは双方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニットの演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチが備えられ、音量調節スイッチの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカへ送信する内容とを判断し、スピーカから出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、本実施形態におけるパチンコ機の作動について説明する。本実施形態のパチンコ機は確率変動機として構成され、通常確率状態と、該通常確率状態に比べて遊技者にとって有利な状態となる確率変動状態 (高確率状態)とが存在する。第1特別図柄及び第2特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常確率状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当たりすれば、該大当たり遊技終了後、確率変動状態に移行する。
同様に通常確率状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常確率状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、該大当たり遊技終了後、通常確率状態に移行する。なお、第1特別図柄と第2特別図柄は、図3を用いて上述した2個の7セグメントLEDに2つの異なるアルファベットの組み合わせで表示される構成であり、どちらの特別図柄も遊技領域26の隅に小さく表示されるため、大当り図柄が確率変動図柄なのか非確率変動図柄なのか、遊技者の判断が困難な構成としている。これにより遊技者は図柄表示装置54bに表示される演出態様によって確率変動状態となるか否かを判断する。
通常確率状態に移行後は、規定回数(100回)だけ第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ第2始動口32である普通電動役物40の開放延長機能が作動する時短状態となる。時短状態では、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮され、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大する。
具体的には、本実施形態の時短状態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置41に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより第2始動口32である普通電動役物40の作動回数も増大する。また、普通電動役物40の開放時間が長くなるように設定されているので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物40入賞による賞球により遊技者の持ち玉が減り難くなり、遊技者に有利な遊技を行うことができる。
尚、確率変動状態では、時短状態と同様に、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、第2始動口32である普通電動役物40開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物40開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確率変動状態は時短状態に加えて第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率が高くなる(大当りし易い)ため、遊技者にとっては時短状態よりも更に有利な遊技状態となる。なお、大当り遊技終了後に移行する時短状態は、本願発明における第1遊技状態に該当し、大当り遊技終了後に移行する確率変動状態は、本願発明における第2遊技状態に該当する。
次に、図5を用いて、主制御装置50が実行するメインルーチンについて説明する。図5に示すフローチャートは、主制御装置50のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2mS毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S75までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80、S85の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S13)、残余処理に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、図6に記載した様々な乱数についての更新処理が行なわれる。まず初期値乱数1の更新処理が実行される(S15)。この処理は、初期値乱数1の値について、この処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数1の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S15の処理後には、初期値乱数2の更新処理が実行される(S20)。この処理はS15の処理と同様に初期値乱数2の値について、実行毎に+1するインクリメント処理である。違いは、初期値乱数1の最大値が「3966」であるのに対して初期値乱数2の最大値が「997」であるということである。よって、この処理を実行する前の初期値乱数2の乱数値が最大値である「997」のときは次回の処理で初期値である「0」に戻る。尚、詳細は後述するが初期値乱数1は大当り判定(特別図柄の抽選)に使用するものであり、初期値乱数2は当り判定(普通図柄の抽選)に使用するものである。
S20に続く大当り判定用乱数の更新処理(S25)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「3966」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数1の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数1の値を初期値とし「0」〜「3966」までの3967個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの整数値とすることは前記初期値乱数1と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、大当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの3967個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「3966」の3967個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
尚、図6に記載するように通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「775」〜「777」、「1775」〜「1777」、「2774」〜「2777」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は100で、値は「775」〜「777」、「1314」〜「1333」、「1758」〜「1777」、「2758」〜「2777」、「3314」〜「3333」である。
S25に続く当り判定用乱数の更新処理(S30)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「996」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数2の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数2の値を初期値とし「0」〜「996」までの997個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの整数値とすることは前記初期値乱数2と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの997個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「996」の997個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。尚、図6に記載するように通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「31」〜「40」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は966で、値は「31」〜「996」である。
大当り図柄決定用乱数の更新処理(S35)は「0」〜「19」の20個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る構成になっており、この20個の乱数値により20種類の大当り図柄より1つの大当り図柄が決定され、第1特別図柄、第2特別図柄共に同じ大当り図柄を使用する構成になっている。
第1特別図柄始動口31に入球したことに起因して行われる大当り抽選(遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かを抽選する)で大当りと判断される確率と第2特別図柄始動口32に入球したことに起因して行われる大当り抽選で大当りと判断される確率は通常遊技状態では1/396.7、高確率遊技状態では1/ 39.67で同じであるが、大当りした際に行われる大当り遊技の内容が第1特別図柄始動口13に入球して大当りになった場合よりも第2特別図柄始動口14に入球して大当りになった場合のほうが、大当り遊技中に多く賞球が得られる大当りになる確率が高くなっている。なお、確変大当りになる確率は第1特別図柄始動口31に入球して抽選が行われた場合と第2特別図柄始動口32に入球して抽選が行われた場合とで変化はない(同じ確率である)。
小当り図柄決定用乱数の更新処理(S40)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1されて最大値を超えると初期値である「0」に戻る。小当りを示す図柄は2種類であり、小当り図柄決定用乱数によって、どちらの小当りを示す図柄を選択するか決定する。尚、小当りを示す図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄とも同じになっている。また、ハズレを示す特別図柄も第1特別図柄、第2特別図柄で同じになっており、ハズレを示す図柄は「−−」の1種類になっているので外れ図柄を決定するための乱数は備えていない。また、普通図柄の当り図柄もハズレ図柄も共に1種類しか存在しないので当り図柄又はハズレ図柄を決定するための乱数は備えていない。
リーチ判定用乱数の更新処理(S45)は「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数の更新処理(S50)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。尚、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は第1特別図柄始動口31又は第2特別図柄始動口32に遊技球が入球することで抽出され、当り判定用乱数は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過することで抽出される。
続く入賞確認処理(S55)では、遊技領域26に設けられた各入賞口へ遊技球が入球したか否か及び普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したか否かを確認する処理である。尚、第1特別図柄始動口31、第2特別図柄始動口32への遊技球の入球の確認については、後述する始動入賞確認処理で説明する。
続いては、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特図当否判定処理(S60)、普通図柄抽選が当りか否かを判定する普図当否判定処理(S65)行う。この特図当否判定処理(S60)、普図当否判定処理(S65)が終了すると、画像出力処理等の各出力処理(S70)が実行される。
各出力処理(S70)では、遊技の進行に応じて主制御装置50は演出図柄制御装置54a、払出制御装置51、発射制御装置54、サブ統合制御装置53、大入賞口ソレノイド等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S55)により遊技盤8上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置51に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置53に出力する処理を、パチンコ機1に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置54aにエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S75)は、一般入賞口に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、異常判断手段は、主制御装置50に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数1の更新処理(S80)、初期値乱数2の更新処理(S85)から構成されるが、各々前述したS15、S20の処理と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで、時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S75までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行(特別遊技の実行)するか否か、特別図柄(第1又は第2)の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数1、初期値乱数2の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数1が大当り判定用乱数と、初期値乱数2が当り判定用乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施形態においては、大当り判定用乱数の更新は初期値乱数1の値により変更され、当り判定用乱数は初期値乱数2の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。
次に図7のフローチャートを用いて、始動入賞確認処理を説明する。始動入賞確認処理が開始されると、第1始動口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。肯定判定であれば(S100:yes)、主制御装置50に既に格納されている第1保留記憶数が最大値(本願発明では4個)未満であるか否か判定する(S105)。肯定判定であれば(S105:yes)、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を抽出し、第1保留記憶として主制御装置50の保留記憶数に応じた記憶領域に記憶する (S110)。
続いて、時短フラグが0であるか否か判定する(S115)。時短フラグとは、主制御装置50にて記憶される値であり、時短フラグが0のときは、前述した時短状態ではないことを、時短フラグが1のときは、時短状態であることを主制御装置50が判断するための値である。本実施例では、始動入賞確認処理において、第1始動口31、第2始動口32への遊技球入球時に取得した各種乱数を当否判定に先駆けて判定(先読み判定)する構成となっており、この先読み判定は、確率変動状態を含む時短状態を除く状態、即ち大当り確率が通常確率状態で時短状態以外で行われる。
S115が肯定判定であれば(S115:yes)、最も新しく記憶された第1保留記憶を読み出し、大当り判定用乱数が通常確率時の大当り判定用テーブルと異なるか否か判定する(S120)。肯定判定(大当り値とは異なる)であれば(S120:yes)、リーチ決定用乱数と変動パターン決定用乱数によって通常時にスーパーリーチとなる値か否か(双方の値が各々特定の値か否か)判定する(S125)。S125が肯定判定(スーパーリーチとなる)か(S125:yes)、S120が否定判定(大当り判定用乱数が大当り値と一致)であれば(S120:no)、先読み演出許可信号をサブ統合制御装置53に送信する(S130)。
続いて、S130の処理の後か、S115の否定判定(S115:no)の後か、S125の否定判定(非スーパーリーチ)(S125:no)の後、第1特別図柄の保留記憶数を示す保留記憶数指示信号をサブ統合制御装置53に送信する(S135)。
S135の処理が終わるか、S100で否定判定(S100:no)か又はS105で否定判定(S105:no)の場合、第2始動口スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S140)。肯定判定であれば(S140:yes)、主制御装置50に既に格納されている第2保留記憶数が最大値(=4個)未満であるか否か判定する(S145)。肯定判定であれば(S145:yes)、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を抽出し第2保留記憶として主制御装置50の保留記憶数応じた記憶領域に記憶する (S150)。
続いて、時短フラグが0であるか否か判定する(S155)。肯定判定であれば(S155:yes)、S120、S125と同じ先読み判定処理を行う(S160)。S160の処理の後か、S155が否定判定(時短状態)の場合(S155:no)、第2特別図柄の保留記憶数を示す保留記憶数指示信号をサブ統合制御装置53に送信する(S165)。S165の処理が終わるか、S140で否定判定(S140:no)か又はS145で否定判定(S145:no)の場合、リターンとなる。
本実施例の遊技仕様では、第2特別図柄の先読み判定結果を基に連続演出は実行されないため、S160の処理で得た結果をサブ統合制御装置53に送信しないが、先読み演出を実施する構成(例えば保留記憶表示で予告演出を行う)とし、先読み判定結果をサブ統合制御装置53に送信する構成も考えられる。また、S120、S125の判定の基となる情報(乱数値)を毎回サブ統合制御装置53に送信し、S120、S125の判定をサブ統合制御装置53で実行する構成も考えられる。また、第2特別図柄でも先読み演出を行う場合には、先読み演出許可信号は第1特別図柄の乱数か第2特別図柄の乱数かを示す内容を含む構成となる。
次に図8、9、10を用いて主制御装置50が行う特図当否判定処理を説明する。この特図当否判定処理は、本願発明における特別遊技抽選手段と遊技状態決定手段とを含む処理となる。図8に示す特図当否判定処理が開始されると、まず条件装置が未作動か否か判定する(S200)。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特別図柄の抽選で当選した場合(取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に成立するフラグである。S200が肯定判定であれば(S200:yes)、特別図柄が変動停止中であるか(S205)、確定図柄が未表示中(非確定表示期間)であるか(S210)の判定を行う。
S205の判定及びS210の判定は、第1特別図柄、第2特別図柄の両方について行われる。つまり、第1特別図柄、第2特別図柄のいずれかでも変動中あるいは確定表示中であれば、このS205、S210のいずれかで否定判定となる。これは、本実施例の構成がどちらか一方の特別図柄が変動中であった場合には他方の特別図柄は変動しない(当否判定を行わない)構成であるためである。
S205、S210ともに肯定判定ならば(S205:yes、S210:yes)、第2特別図柄の保留記憶が存在するか否か(記憶されているか否か)判定し(S215)、否定判定なら(S215:no)、第1特別図柄の保留記憶が存在するか否か(記憶されているか否か)判定する(S220)。S215が肯定判定なら(S215:yes)、第2特別図柄の保留として記憶されている最も古い保留記憶を読み出し、S220が肯定判定なら(S220:yes)、第1特別図柄の保留として記憶されている最も古い保留記憶を読み出し、他に保留記憶が残っている場合は記憶領域のシフト処理を行う(S225)。この処理によって他に保留記憶がある場合はその時点で最も古い保留記憶が、最も古い保留記憶用の記憶領域に格納されることになる。
S225の処理に続いては、確変フラグが0か否かの判定を行う(S230)。確変フラグとは、主制御装置50にて記憶される値であり、確変フラグの値が「0」のときは、大当り確率が通常確率状態中(低確率)であることを、確変フラグの値が「1」のときは、確率変動状態中(高確率)であることを主制御装置50が判断するための値である。
S230が肯定判定なら(S230:yes)、読み出した大当り判定用乱数の値を用いて前述した10個の当り値が設定されている通常確率判定用テーブルにて抽選を行う通常テーブル判定処理を行い(S235)、否定判定なら(S230:no)、読み出した大当り判定用乱数の値を用いて前述した100個の当り値が設定されている高確率判定用テーブルにて抽選を行う確変テーブル判定処理を行う(S240)。なお、S235、S240の処理では、読み出した大当り判定用乱数値が大当りとなる値でなかった場合には、小当りになる値か否かの抽選が行われる(前述した61個の当り値が設定された小当り判定用テーブルで判定)。小当り判定用テーブルは一つしかなく、通常確率遊技状態でも高確率遊技状態でも同じテーブルを使用する。つまり、小当りになる確率は常に一定になっている。なお、通常テーブル判定処理(S235)と確変テーブル判定処理(S240)が本願発明における特別遊技抽選手段に該当する。
続いてS235又はS240の判定処理の結果が大当りか否かを判定する(S245)。S245が肯定判定なら(S245:yes)、読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて、大当り図柄の種類と、大当り遊技の種類(大入賞口33aの開放回数、開放秒数及び各インターバル時間)と、大当り遊技終了後の遊技状態とを決定する(S250)。従って、大当り図柄決定処理(S250)が、本願発明における遊技状態決定手段に該当する。
S250に続いては、上記した当否判定結果と読み出した変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常確率非時短状態)に応じて変動パターン(変動時間)を決定する(S255)。
S245が否定判定なら(S245:no)、S235又はS240の判定処理において小当り判定用の当り値と一致していたか否かを判定する(S260)。S260が肯定判定なら(S260:yes)、読み出した小当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S265)、当否判定結果と読み出した変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常確率非時短状態)に応じて変動パターン(変動時間)を決定する(S255)。S260が否定判定なら(S260:no)、ハズレ図柄を決定し(S270)、読み出したリーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常確率非時短状態)に応じて変動パターン(変動時間)を決定する(S255)。なお、前述したようにハズレ図柄は1種類しかなく、ハズレの場合には必ずその1種類のハズレ図柄が選択される。
S255の処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ(大当り図柄の種類、大当り遊技終了後の遊技状態、小当りの有り無し、ハズレの種類(リーチの有り無し)、変動時間など)を含んだ変動開始コマンド(変動パターン信号)をサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30において特別図柄を変動表示させる処理を行い(S275)、S275の処理後、又はS200、S220が否定判定なら(S200:no、S220:no)、特別遊技処理に移行する。従って、サブ統合制御装置53は変動開始コマンド(変動パターン信号)により、大当り図柄(大当り遊技の種類)、大当り遊技終了後の遊技状態、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
変動開始コマンド(変動パターン信号)を受信したサブ統合装置53は、特別図柄の確定図柄(当り図柄、ハズレ図柄)、変動時間に応じて擬似(演出)図柄の種類、変動演出の種類を決定し、該決定結果を演出図柄制御装置54aに送信し、演出図柄制御装置54aはサブ統合制御装置53の決定に従って演出図柄表示装置54bにて擬似(演出)図柄の変動表示を行う。また、サブ統合制御装置53による変動演出の決定は、主制御装置50から送られてきた変動開始コマンドが示す変動時間と同じ演出時間である複数の演出表示(演出パターン)の中より1つの演出表示(演出パターン)を選択する構成になっている。なお、本実施例ではサブ統合制御装置53が擬似(演出)図柄及び変動演出を決定する構成になっているがサブ統合制御装置53ではなく同じサブ制御装置である演出図柄制御装置54aにて擬似(演出)図柄及び変動演出を決定する構成にしてもよい。
図8に戻り、S205が否定判定ならば(S205:no)、つまり特別図柄が変動中であった場合には、図9のフローチャートに進み、特図変動時間(S255で決定した変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する(S300)。S300が肯定判定なら(S300:yes)、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置53に出力する図柄停止コマンド送信処理を行い、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を制御してS250、S265又はS270にて決定した図柄を確定表示する(S305)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置53は演出図柄制御装置54aに予め決めておいた擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、その信号により演出図柄表示装置54bを制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S305の処理後は、確定表示させた特別図柄が大当りを示すものであるか否かを判定する(S310)。S310が肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S315)、大当りフラグが成立する条件装置作動開始処理を行い(S320)、確変フラグが1か否か(現在が高確率遊技状態であるか否か)を判定する(S325)。S325が肯定判定なら(S325:yes)、確変フラグと時短フラグに0をセットする処理を行う(S330)。S325が否定判定なら(S325:no)、時短フラグが1か否か判定し(S335)、肯定判定なら(S335:yes)時短フラグに0をセットする(S340)。
S330、S340の処理後、又はS300、S335の否定判定(S300:no、S335:no)の後は特別遊技処理に移行する。尚、本実施例では高確率遊技状態であれば必ず時短状態になっている構成であるため、S325の判定が肯定判判定なら確変フラグと時短フラグの両方を落す(0をセットする)構成になっている。また、本実施例では時短フラグが立つことで開放延長機能も作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能も終了する構成となっている。従って、S330及びS340の処理で開放延長機能も終了する。また、本実施例では、大当り中は通常確率状態であると共に特別図柄の変動表示を実施しないため、S330、S340の処理を実施している。
一方、S310が否定判定なら(S310:no)、即ち確定表示した特別図柄が大当りを示すものでなかった場合、確定図柄表示設定処理(確定図柄の表示時間設定)を行い(S345)、時短フラグのみが1か否かを判定し(S350)、肯定判定なら(S345:yes)記憶されている時短回数から−1し(S355)、残りの時短回数が0か否か判定する(S360)。S360が肯定判定なら(S360:yes)、時短フラグに0をセットする。尚、S350の時短フラグのみ立っているか否かの判定は、確変フラグと時短フラグが立っていれば否定判定となり、時短フラグのみ立っていた場合に限り肯定判定となる判定処理である(確変状態であれば次回の大当りまで確変フラグと時短フラグが保持される)。S365の処理後及びS350又はS360が否定判定(S350:no、S360:no)なら、確定表示された特別図柄が小当り図柄を示すものか否かを判定する(S370)。肯定判定なら(S370:yes)、小当り遊技作動役物の作動開始を行う小当り遊技開始処理を行ない(S375)、S375の処理後、S370の否定判定後(S370:no)は特別遊技処理に移行する。
続いて、図8のS210が否定判定なら(S210:NO)、即ち特別図柄が確定表示中であった場合には、図10のフローチャートに進み、S315又はS345で設定された確定表示時間が終了したか否かを判定する(S380)。否定判定なら(S380:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S380:YES)、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置53に指示信号を送信して疑似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行い(S385)、特別遊技処理に進む。
次に主制御装置50が実行する特別遊技処理を、図11、12、13に示すフローチャートを用いて説明する。特別遊技処理は大当り遊技の進行を制御する処理である。図11に示すように特別遊技処理を開始すると、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを判定する(S400)。肯定判定なら(S400:yes)、小当り遊技作動役物が作動中か否かを判定する(S405)。肯定判定なら(S405:yes)、小当り開始演出中であるか否かを判定し(S410)、肯定判定なら(S410:yes)、小当りの開始演出の終了時間か否かを判定し(S415)、肯定判定なら(S415:yes)、大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理を行う(S420)。尚、本実施例での小当り遊技は、大入賞口33aの開放を0.5秒間行う構成になっている。S420の処理後及びS400又は415が否定判定なら(S400:no、S415:no)リターンに抜ける。
S410が否定判定なら(S410:no)、小当り動作中か否か(大入賞口33aが0.5秒の開放を行っているか否か)を判定し(S425)、肯定判定なら(S425:YES)、大入賞口への入賞球数が10個未満か否かを判定し(S430)、肯定判定なら(S430:yes)開放してから0.5秒経過したか否かを判定する(S435)。肯定判定(S435:yes)又はS430が否定判定なら(S430:no)、大入賞口33aを閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行い(S440)、続いて小当り終了演出処理を行う(S445)。S445の後、又はS435が否定判定なら(S435:no)リターンに抜ける。
S425が否定判定、即ち小当り遊技中ではないなら(S425:no)、小当り終了演出が終了する時間か否か判定し(S450)、肯定判定なら(S450:yes)、小当り遊技作動役物を終了させる小当り遊技終了処理を行なう(S455)。S455の処理後、又はS450が否定判定なら(S450:no)リターンに抜ける。
尚、本実施例では、小当り遊技での大入賞口33aの開放動作を1回の構成で説明したが複数回開放する構成としても良い。その場合は、S420(大入賞口開放処理)のところで開放回数を設定し、S440(大入賞口閉鎖処理)のところで設定された開放回数を減算し、0になったらS445(小当り終了演出処理)を行う構成が考えられる。
図11のS400が否定判定なら(S400:no)、即ち大当りフラグが立っていれば、図12のフローチャートに進み、大入賞口33aが閉鎖中か否か判定し(S500)、肯定判定なら(S500:yes)、大当り遊技の開始演出中であるか否か判定する(S505)。肯定判定なら(S505:yes)、大当り遊技の開始演出が終了する時間か否かを判定し(S510)、肯定判定なら(S510:yes)、大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理(S515)を行う。S515の処理後、又はS510が否定判定なら(S510:no)リターンに抜ける。
S505が否定判定なら(S505:NO)、即ち大当り遊技の開始演出中ではないなら、インターバル中か否か判定する(S520)。このインターバルとは、大入賞口33aが閉じている状態から開放されるまでの開放間の時間のことである。S520が肯定判定なら(S520:yes)、インターバルが終了する時間か否かを判定し(S525)、肯定判定なら(S525:yes)、大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理を行う(S530)。S530の処理後、又はS525が否定判定なら(S525:no)リターンに抜ける。
S520が否定判定なら(S520:no)、即ちインターバル中ではないなら、大当り遊技の終了演出中ではないか否かを判定し(S535)、肯定判定なら(S535:yes)、大当りになった図柄を記憶し(S540)、サブ統合装置53に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行う(S545)。この大当り開始コマンドには、大当り図柄の種類を示す情報を含み、サブ統合制御装置53は受信した開始コマンドが示す大当り図柄の種類から、開始する大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態が判断可能となっている。S545の処理後、又はS540が否定判定なら(S540:no)リターンに抜ける。
次にS500が否定判定なら(S500:no)、即ち、大入賞口33aが開放中であった場合には、図13に示したフローチャートに進み大入賞口33aへの遊技球の入球数が規定数(10個)未満か否かを判定し(S550)、肯定判定なら(S550:yes)、大入賞口33aの最大開放時間が経過したか否かを判定し(S555)、否定判定なら(S555:no)リターンに抜ける。なお、主制御装置50は大当り遊技が開始される以前に実行する大当り遊技の種類(S250における設定内容)を把握し、その大当り遊技の種類に応じて大当り遊技の内容(大入賞口33aの開放回数及び開放時間、開始インターバル時間、終了インターバル時間、開放間インターバル時間等)を設定する構成となっている。
S550が否定判定(S550:no)又は、S555が肯定判定なら(S555:yes)大入賞口33aを閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行う(S560)。S560の処理後は、終了したラウンドが最終ラウンドであったか否かを判定し(S565)、否定判定なら(S565:no)、インターバル処理を行なって(S605)リターンに抜ける。
S565が肯定判定なら(S565:yes)、即ち、終了したラウンドが最終ラウンドなら、サブ統合制御装置53に大当り終了演出を指示するコマンドを送信する大当り終了演出処理を行う(S570)。S570の大当り終了演出処理は、S545の大当り開始演出処理と同様に、主制御装置50からサブ統合制御装置53に大当り終了演出指示コマンドを送信することによって、パチンコ機に設けられたランプ、LEDや演出図柄表示装置54bにおいて大当りの終了演出を行うための処理である。
S570に続いて条件装置停止処理を行い(S575)、大当りした図柄(特別図柄)が大当り遊技終了後に高確率遊技状態になる図柄であるか否かを判定し(S580)、肯定判定なら(S580:yes)、確変フラグと時短フラグに1をセットし(開放延長機能も作動する)(S585)、否定判定なら(S580:no)、時短フラグのみに1をセットする(開放延長機能も作動する)(S590)。S590ではあわせて時短回数カウンタの値を100にセットする処理も行われる。S585又はS590の処理後はサブ統合制御装置53に大当り終了コマンドを送信し(S600)、リターンに抜ける。
次にサブ統合制御装置53が実施する処理について説明する。図14に示す保留記憶数指示信号受信処理は、主制御装置50が送信した第1保留記憶数指示信号(図7、S135)と第2保留記憶数指示信号(図7、S165)に基づく処理である。保留球数受信処理を開始すると、主制御装置50から第1保留記憶指示信号又は第2保留記憶指示信号を受信したか否かを判定する(S650)。肯定判定であれば(S650:yes)、第1保留カウンタ又は第2保留カウンタの値に1を加え(S655)、1を加えた値に該当する表示態様を指定する信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S660)。S660の処理の後、又はS650が否定判定なら(S650:no)リターンに抜ける。
保留カウンタは、演出図柄表示装置54bに表示する保留記憶数を示すカウンタであり、新たな変動表示が開始する毎に−1のデクリメント処理が行われる。この処理によって演出図柄表示装置54bには、主制御装置50が備える保留記憶手段が記憶する保留記憶の数を適時に表示することが可能となる。尚、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aが統合された構成の場合はS660(保留球数表示信号送信処理)をそのまま保留球数表示処理とすればよい。
次にサブ統合制御装置53が実行する、変動開始コマンド受信処理を図15に示したフローチャートを用いて説明する。変動開始コマンド受信処理を開始すると、主制御装置50から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S680)、否定判定なら(S680:no)リターンし、肯定判定なら(S680:yes)、演出選択用の振分乱数を抽出し(S685)、主制御装置50から受信した変動開始コマンドの内容(変動時間)と抽出した振分乱数の値に応じて、サブ統合制御装置53が記憶する複数の演出(擬似)図柄の変動態様の中から演出図柄表示装置54bに表示する態様を選択する処理を行い(S690)、選択した演出図柄の変動態様を開始する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信すると共に、保留カウンタのデクリメント処理を行い(S695)リターンする。
次に、サブ統合制御装置53が実行する、大当り開始コマンド受信処理を図16に示すフローチャートを用いて説明する。この大当り開始コマンド受信処理は、主制御装置50から受信した大当り開始コマンドの内容と、受信時の遊技状態と、遊技ボタン14の操作記憶の有無とに応じて、演出図柄表示装置54bに表示する大当り演出の種類をサブ統合制御装置53が記憶する複数の大当り演出の中から選択する処理となり、本願発明における敵キャラクタ選択手段と敵キャラクタ選択確率変更手段とを含む処理となる。
大当り開始コマンド受信処理を開始すると、主制御装置50から大当り開始コマンドを受信したか否か判定し(S700)、否定判定なら(S700:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S700:yes)、大当り演出選択用の振分乱数を抽出し(S705)当該処理時の遊技状態が確率変動状態でも時短状態でもない通常遊技状態(通常確率非時短状態)か否か判定する(S710)。肯定判定なら(S710:yes)、受信した大当たり開始コマンドの内容から判断可能な大当り遊技終了後の遊技状態を参照し(S735)、対戦相手となる敵キャラクタが毎回同一で固定された固定バトル(対戦キャラクタは後述するキャラクタj)を選択すると共に、大当り演出の内容を選択する(S715)。
S710が否定判定、即ち処理時の遊技状態が確率変動状態若しくは通常確率状態でも時短状態であれば、前回の大当り遊技中のバトル演出(固定バトル演出、敵キャラクタ選択バトルの双方を含む)に応じて遊技ボタン14の操作が行われたか否かを判断可能とする、遊技ボタン14の操作記憶があるか否か判定する(S720)。肯定判定なら、即ち前回のバトル演出中に遊技ボタン14の操作が行われていれば(S720:yes)、後述する第1選択確率を選択し(S725)、受信した大当たり開始コマンドから当該大当り遊技終了後の遊技状態を参照し(S735)、S705で抽出した振分乱数と第1選択確率とを用いてバトル演出で対戦する敵キャラクタを選択すると共に大当り演出内容を選択し(S740)、S745に進む。
S720が否定判定なら、即ち前回のバトル演出中に遊技ボタン14の操作が行われていなければ(S720:no)、後述する第2選択確率を選択し(S730)、受信した大当たり開始コマンドから当該大当り遊技終了後の遊技状態を参照し(S735)、S705で抽出した振分乱数と第2選択確率とを用いてバトル演出で対戦する敵キャラクタを選択すると共に大当り演出内容を選択し(S740)、S750に進む。
S715又はS720の肯定判定を経てのS740に続いては、遊技ボタン14の操作記憶を消去する(S745)。S745又はS720の否定判定を経てのS740に続いては、上記処理によって選択された大当り演出を開始する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信して(S750)リターンする。
上記した大当り開始コマンド受信処理が、本願発明における敵キャラクタ選択手段に該当し、S720が本願発明における操作結果記憶手段の記憶内容を基にした判断処理であり、S720、S725、S730の構成が敵キャラクタ選択確率変更手段に該当する。
上記処理によって、通常確率非時短状態以外での大当り時、即ち、1回の大当りの生起を契機として遊技者に有利な遊技状態(時短状態又は確率変動状態)が継続している状態において大当たりが生起すると、前回(直近)の大当り時(勝負演出時)に遊技ボタン14が操作されたか否か(操作した記憶が残っているか否か)に応じて勝負演出で対戦する敵キャラクタの選択確率が変化する構成となっている。
上記構成に加え、通常確率非時短状態から大当りが生起した場合は、固定バトル大当り演出として、対戦する敵キャラクタが毎回同一の演出を実施する。このような構成にすることで、従来なら、不特定多数の遊技者が遊技を行うパチンコ遊技機において、過去の遊技履歴によって遊技状態や遊技演出を変更する構成であると、前の遊技者の遊技の仕方によっては、新たに遊技を行う遊技者は自分の好みのとは合わない状態で遊技を行わなければならない場合が出てくるが、通常確率非時短状態で生起した大当たりは毎回同じ条件である本実施例の構成では、自分が行った行動により、自分がこれから行う遊技状態は変化するが、自分が行った行動により他の人がこれから行う遊技状態には影響を及ぼさない。
また、本実施例では、全ての大当り演出において敵キャラクタとの勝負演出を行い勝負の結果により大当り遊技終了後の遊技状態を示唆したが、全ての大当り演出で勝負演出を行わない構成も考えられる。この場合、例えば、大当り生起時に演出図柄表示装置54bに表示する演出図柄に、大当り遊技終了後の遊技状態が判断可能な態様と判断不可能な態様を備え、判断不可能な態様の場合に勝負演出を実施して大当り遊技終了後の遊技状態を示唆する構成が考えられる。
本実施例においては、大当り開始コマンドの受信を契機に大当り遊技中の演出内容を選択する構成としたが、主制御装置50が送信する大当りを指示する変動開始コマンド(図8、S275)の受信を契機に大当り遊技中の演出内容を選択する構成も考えられる。この場合の変動開始コマンドは、大当り図柄の種類を示す情報を含むため、サブ統合制御装置53が大当り遊技終了後の遊技状態を判断することが可能となる。
次に、サブ統合制御装置53が実行する、操作信号受信処理を図17に示すフローチャートを用いて説明する。この操作信号受信処理は、大当り遊技中の所定ラウンドで行われる勝負演出時の遊技ボタン14の操作有効期間において、遊技ボタン14の操作に応じて演出図柄表示装置54bに表示中の勝負演出の表示態様を変化させる処理となり、本願発明における操作結果記憶手段を含む処理となる。
操作信号受信処理を開始すると、遊技ボタン14の操作期間か否か判定し(S800)、否定判定なら(S800:no)リターンする。肯定判定なら(S800:yes)、操作期間が経過したか否か判定し(S805)、否定判定なら(S805:no)、遊技者が遊技ボタン14を操作したことを示す操作信号を受信したか否か判定する(S810)。否定判定なら(S810:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S810:yes)、遊技ボタン14の操作記憶がないか否か判定し(S815)、肯定判定なら(S815:yes)、操作記憶領域に遊技ボタン14の操作を記憶する(S820)。この処理が、本願発明における操作結果記憶手段に該当する。
S820又はS815の否定判定(S815:no)に続いては、操作カウンタの値に+1するインクリメント処理を行う(S825)。操作カウンタは、操作期間中に遊技ボタン14が操作された回数を計数する装置であり、この操作カウンタを本願発明における操作結果記憶手段としてもよい。また、この操作カウンタが計数可能な上限値は、操作期間内において実際に遊技者が遊技ボタン14の操作が可能な回数以上に設定されている(例えばFF(h))。
S825に続いては、操作カウンタの値が4よりも大きいか否か判定する(S830)。本実施例では遊技ボタン14を用いる勝負演出において、5回分の操作に応じた演出変化が行われた場合に、敵キャラクタに勝利する(又は引き分ける)演出を行う設定となっているが(図22A-e、図24A-m参照)、当然この回数に限るわけではなく、乱数を用いて大当り遊技ごとに上限回数を設定する構成も考えられる。
S830が肯定判定なら(S830:yes)、S715又はS740で選択設定した大当り演出の内容を参照し(S835)、当該操作期間が、勝ち又は引分け演出の可能期間か否か判定する(S840)。この判定は、本実施例では遊技ボタン14を用いた勝負演出を3回又は2回実施するため、S835で参照した演出内容に基づいて、処理中の大当りラウンド(当該操作期間)が、大当り終了後の遊技状態を最終的に報知する演出変化を実施するラウンドか否かを判定するものである。否定判定なら(S840:no)、そのままリターンに抜ける。従って、当該操作期間が、勝ち又は引分け演出の可能期間でなければ、操作期間中に遊技ボタン14を5回以上何回操作しても演出に変化は無い。この勝ち又は引分け演出が不可能であるという判定は、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態である場合も含まれる。
S840が肯定判定なら(S840:yes)、確変報知演出を実施する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S845)、操作カウンタの値をクリアし(S860)、遊技ボタン演出期間の終了処理を行い(S865)リターンする。S830が否定判定なら(S830:no)、味方キャラクタの状態目安を変化させる演出を指示する信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S865)リターンし、S805が否定判定なら(S805:no)、味方キャラクタが負ける演出を指示する信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S850)、S860に進む。S850によって負け演出が行われたとしても、全ての勝負演出(報知演出実施ラウンド)が終了していない状態では、時短状態(第1遊技状態)への移行が最終的に報知されたわけではない。また、最終的に勝ち又は引分けなら大当り遊技終了後に確率変動状態(第2遊技状態)に移行する。
以上が操作信号受信処理となる。操作カウンタの値は、状態目安変化の態様の種類に対応しており、操作回数カウンタの上限値は、大当り遊技終了後に確変状態に移行することを報知する状態目安変化の態様に対応する。また、大当り遊技終了後の遊技状態が確率変動状態ではなく時短状態なら、大当り遊技中の勝負演出で味方キャラクタが敵キャラクタに勝つパターンは存在しないため、S840が否定判定となり、遊技ボタン14を何回操作しても味方キャラクタの状態目安は上限まで到達しない。
次に、図18の図表を用いて勝負演出の敵キャラクタ選択時に用いる第1選択確率(S725)と第2選択確率(S730)の設定内容を説明する。直近の勝負演出で遊技ボタン14を操作した場合(S720:yes、操作記憶有り)に用いる第1選択確率では、キャラクタaからキャラクタjまでの10種類の敵キャラクタの中から、S705で抽出した振分乱数の値に応じて勝負演出で表示する敵キャラクタを選択する。また、振分乱数を用いて敵キャラクタを選択する割合は、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態(非確率変動状態)か確率変動状態かによって異なるものとなっている。なお、この場合の時短状態は本願発明における第1遊技状態に該当し、確率変動状態は第2遊技状態に該当する。
具体的な選択率は、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態の場合、キャラクタaが選択される割合は1%。キャラクタb、キャラクタcが選択される割合はそれぞれ2%。キャラクタd、キャラクタeが選択される割合はそれぞれ3%。キャラクタfが選択される割合は4%。キャラクタgが選択される割合は5%。キャラクタhが選択される割合は10%。キャラクタiが選択される割合は15%。キャラクタjが選択される割合は55%となっている。
大当り遊技終了後の遊技状態が確率変動状態の場合、キャラクタaが選択される割合は20%。キャラクタb、キャラクタc、キャラクタd、キャラクタe、キャラクタf、キャラクタgが選択される割合はそれぞれ11%。キャラクタhが選択される割合は8%。キャラクタiが選択される割合は5%。キャラクタjが選択される割合は1%となっている。
また、報知回数の列で示した数は、選択された敵キャラクタ毎に実施される遊技ボタン14を用いた勝負演出、即ち大当り遊技後に確変、時短のどちらの遊技状態に移行するかを示唆する演出を実施する回数であり、本実施例では、必ず特定のラウンド中に行われる。具体的には、敵キャラクタa〜iで報知を3回行う場合は、必ず3ラウンド〜7ラウンドと、10ラウンド〜12ラウンドと、15ラウンドに行い、敵キャラクタa〜iで報知を2回行う場合と敵キャラクタjの場合は、必ず10ラウンド〜12ラウンドと、15ラウンドに行う。このように、報知回数が1回少ない場合には、最初の報知(3ラウンド〜7ラウンド)を行わない。なお、報知回数が2回少ない構成を設定してもよく、その場合、最初の報知(3ラウンド〜7ラウンド)と次の報知(10ラウンド〜12ラウンド)を行わない構成としてもよい。
本実施例では、キャラクタa〜iが選択された場合でも、キャラクタjが選択された場合でも、10ラウンドから15ラウンドまでは同じ表示を行う設定内容となっている。また、キャラクタjが選択された場合には、主人公が敵キャラクタに勝利する演出(確率変動への移行を示唆)を実施する割合が極めて少なくなっている(選択率を0%に設定し、主人公が絶対に負ける構成も考えられる)。さらに、キャラクタjが選択された場合は、上述した報知回数が他のキャラクタよりも少ない設定となっている。
このキャラクタjの設定内容により、キャラクタjが選択された場合は、大当り遊技終了後に時短状態(第1遊技状態)に移行する確率が高くなっているため、遊技者にとってキャラクタjは、出現して欲しくない敵キャラクタとなっている。また、本実施例では、通常遊技状態で大当りした場合には、毎回同じ敵キャラクタが出現する固定バトル大当り演出が実施されるが、この場合に出現する敵キャラクタはキャラクタjであり、必ずキャラクタjとの勝負演出が行われる設定となっている。
直近の勝負演出で遊技ボタン14を操作しなかった場合(S720:no、操作記憶無し)に用いる第2選択確率でも、キャラクタaからキャラクタjまでの10種類の敵キャラクタの中から、S705で抽出した振分乱数の値に応じて勝負演出で表示する敵キャラクタを選択し、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態(非確率変動状態)か確率変動状態かによって選択確率が異なるものとなっている。
第2選択確率における各キャラクタの選択率は、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態の場合は、第1選択確率と同一内容となり、大当り遊技終了後の遊技状態が確率変動状態となる場合に異なる選択率となっている。具体的には、大当り遊技終了後の遊技状態が確率変動状態の場合、キャラクタa、キャラクタb、キャラクタc、キャラクタd、キャラクタe、キャラクタf、キャラクタgが選択される割合はそれぞれ1%。キャラクタhが選択される割合は13%。キャラクタiが選択される割合は20%。キャラクタjが選択される割合は60%となっている。
上記した内容で第1選択確率と第2選択確率を設定することで、キャラクタjが本願発明おける敵キャラクタAに該当する構成となっている。詳しくは、図19に示すように、キャラクタjは、第1選択確率において、確率変動状態へ移行する場合(1%)よりも時短状態に移行する場合(55%)に高い確率で選択される設定とし、第2選択確率において確率変動状態に移行する場合、第1選択確率で確率変動状態に移行する場合に選択される確率(1%)よりも、高い確率(60%)で選択される構成となっている。この構成は請求項1の構成に該当する。なお、請求項1の構成では、キャラクタh及びキャラクタiも敵キャラクタAに該当する。
また、キャラクタjは、第1選択確率において確率変動状態へ移行する場合(1%)よりも時短状態に移行する場合(55%)に高い確率で選択される設定とし、第2選択確率において時短状態に移行する場合(55%)よりも、確率変動状態に移行する場合(60%)の方が選択される確率が高い構成となっている。この構成は請求項2に該当する。
また、キャラクタjは、第1選択確率において時短状態に移行する場合に最も高い確率(55%)で選択される設定とし、第2選択確率においては、確率変動状態に移行する場合に最も高い確率(60%)で選択される構成となっている。この構成は請求項3に該当する。
また、各キャラクタ毎に特別遊技終了後に時短状態(第1遊技状態)か確率変動状態(第2遊技状態)かのどちらの遊技状態に移行するかを示唆する表示(報知)を、特別遊技状態中に何回行うか設定されており、第2選択確率は、時短状態(第1遊技状態)か確率変動状態(第2遊技状態)かのどちらの遊技状態に移行するかを示唆する表示の回数が一番少なく設定されたキャラクタj(敵キャラクタA)の選択率を、遊技状態決定手段によって確率変動状態(第2遊技状態)に移行させると決定された場合における第1選択確率よりも高く設定した構成ともいえる。
また、各キャラクタ毎に特別遊技終了後に時短状態(第1遊技状態)か確率変動状態(第2遊技状態)かのどちらの遊技状態に移行するかを示唆する表示(報知)を、特別遊技状態中に何回行うか設定されており、第1選択確率は、時短状態(第1遊技状態)か確率変動状態(第2遊技状態)かのどちらの遊技状態に移行するかを示唆する表示の回数が一番少なく設定されたキャラクタj(敵キャラクタA)の選択率を、遊技状態決定手段によって確率変動状態(第2遊技状態)に移行させると決定された場合の選択率よりも時短状態(第1遊技状態)に移行させると決定された場合の選択率のほうが高く設定され、第2選択確率は、キャラクタj(敵キャラクタA)の選択率を、遊技状態決定手段によって時短状態(第1遊技状態)に移行させると決定された場合の選択率よりも確率変動状態(第2遊技状態)に移行させると決定された場合の選択率を高く設定した構成ともいえる。
また、特別遊技終了後に時短状態(第1遊技状態)か確率変動状態(第2遊技状態)かのどちらの遊技状態に移行するかを示唆する表示(報知)を、特別遊技状態中に何回行うか設定されており、第1選択確率は、第1選択確率は、時短状態(第1遊技状態)か確率変動状態(第2遊技状態)かのどちらの遊技状態に移行するかを示唆する表示の回数が一番少なく設定されたキャラクタj(敵キャラクタA)の選択率を、遊技状態決定手段によって時短状態(第1遊技状態)に移行させると決定された場合に、複数の敵キャラクタの中で一番高く設定し、第2選択確率は、キャラクタj(敵キャラクタA)の選択率を、遊技状態決定手段によって確率変動状態(第2遊技状態)に移行させると決定された場合に、複数の敵キャラクタの中で一番高く設定した構成となっている。
次に、図20に示したタイミングチャートを用いて、大当り遊技の演出(出現する敵キャラクタ)と、遊技ボタン14の操作の有無と、大当り遊技終了後の遊技状態との関係例を説明する。上段のタイミングチャートで、抽選確率(当否判定確率)が低確率の通常確率非時短状態で大当りが生起すると、大当りの連続回数としては1回目の大当り遊技を実施する。この大当りで演出図柄表示装置54bに表示する大当り遊技演出では、固定バトルが選択され(図16、S715)、勝負演出の敵キャラクタとして必ずキャラクタjが表示される。固定バトルにおけるキャラクタjとの勝負演出中では、遊技ボタン14の操作の有無に拘わらず、味方キャラクタが勝つ演出は無く、大当り遊技終了後の遊技状態が確率変動状態なら引分け演出を行い、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態(非確変)なら負け演出を行う。この勝負演出では負ける演出を行い、大当り遊技終了後に時短状態に移行している。なお、大当り遊技終了後の時短状態(非確変)は、特別図柄が100回の変動を実施するまでの期間となる。
次に、再度同様に低確率の通常遊技状態で大当りが生起すると、新たな連続回数1回目の大当り遊技の演出としてキャラクタjを対戦相手とする勝負演出(固定バトル)を実施する。この大当りでは、勝負演出中に遊技ボタン14が操作され、勝負演出の結果が引分けで大当り遊技終了後に確変状態(確率変動状態)となっている。該確変状態中に連続回数2回目の大当りが生起すると、大当り演出の選択(図16、大当りコマンド選択処理)では、前回の大当り演出中の遊技ボタン14の操作記憶の有無を条件に敵キャラクタ選択時の選択確率を決定するが、この場合、前回の勝負演出中に遊技ボタン14が操作されているため、操作記憶有り(図16、S720:yes)に応じて第1選択確率を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態に応じて敵キャラクタを選択する。この場合、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であるため、キャラクタjが選択される確率は極めて低く(1%)、キャラクタa〜iの中から選択される場合がほとんどとなる。また、この場合、勝負演出中に遊技ボタン14が操作されていないため、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であっても勝負演出の結果が勝ちとはならず、引分けとなっている。この例からも、勝負演出の敵キャラクタとしてキャラクタjが出現しなかった場合は、大当り遊技終了後に確率変動に移行する確率が高いことを遊技者が認識(学習)するようになる。
確率変動中に連続回数3回目の大当りが生起すると、前回の勝負演出中に遊技ボタン14が操作されていないため、操作記憶無し(図16、S720:no)に応じて第2選択確率を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態に応じて敵キャラクタを選択するが、この場合、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であっても、第2選択確率を用いるため(操作記憶が無いため)、60%の確率で遊技者が手強いと感じる(遊技者が出現してほしくないと思っている)キャラクタjが選択される。また、勝負演出中に遊技ボタン14が操作されているが、対戦相手がキャラクタjであるため、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であっても勝負演出の結果は引分けとなっている。
確率変動中に連続回数4回目の大当りが生起すると、前回の勝負演出中に遊技ボタン14が操作されているため操作記憶有り(図16、S720:yes)に応じて第1選択確率を決定する。この場合も、連続回数2回目の大当りと同様に、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態で、且つ、前回の勝負演出中に遊技ボタン14の操作有りの条件を満たしているため、キャラクタjが選択される確率は極めて低く、他の敵キャラクタの出現によって、遊技者は、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態の可能性が高いことを該敵キャラクタ出現時に認識する。この勝負演出中に遊技ボタン14を操作すると、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であり、尚且つ対戦相手がキャラクタj以外であるため、勝負演出の結果は勝ちとなり大当り遊技終了後は確率変動状態に移行する。
確率変動中に連続回数5回目の大当りが生起すると、前回の勝負演出中に遊技ボタン14が操作されているため、操作記憶有りに応じて第1選択確率を決定するが、連続回数2回目及び4回目とは異なり、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態であるため、勝負演出の対戦相手として55%の確率で遊技者が出現を望まないキャラクタjが選択される。但し、図示した例ではキャラクタj以外の敵キャラクタが選択されている。この勝負演出では、対戦相手はキャラクタjではないが大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態であるため遊技ボタン14を操作しても勝負演出の結果は負けとなる。大当り遊技終了後の時短状態が終了すると、通常確率非時短状態となりこの状態で大当りを生起すると、新たに連続回数1回目の大当り遊技を開始する。
図20の下段のタイミングチャートは、上段に示した連続回数5回目の大当り遊技の後の時短状態から、連続回数6回目の大当りが生起する場合の例である。連続回数5回目の大当り遊技が終了すると時短状態に移行するが、この時短状態で大当りが生起すると、該生起時の遊技状態が通常確率非時短状態ではないため(図16、S710:no)、前回(5回目)の遊技ボタン14の操作記憶の有無に応じて敵キャラクタの選択確率を決定する。この場合、遊技ボタン14の操作記憶があるため第1選択確率を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であるためキャラクタjが選択される確率は極めて低く、他の敵キャラクタの出現によって、遊技者は、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態の可能性が高いことを該敵キャラクタ出現時に認識する。この勝負演出中に遊技ボタン14が操作され、勝負演出の結果が勝ちとなり、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態に移行する。
確率変動中に連続回数7回目の大当りが生起すると、前回の勝負演出中に遊技ボタン14が操作されているため、操作記憶有りに応じて第1選択確率を決定するが、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態であるため、勝負演出の対戦相手として55%の確率で遊技者が出現を望まないキャラクタjが選択される。但し、図示した例ではキャラクタj以外の敵キャラクタが選択されている。この勝負演出では、遊技ボタン14が操作されず、勝負演出の結果が負けとなり大当り遊技終了後に時短状態に移行する。
時短状態に連続回数8回目の大当りが生起すると、該生起時の遊技状態が通常確率非時短状態ではないため、前回(7回目)の遊技ボタン14の操作記憶なしに応じて第2選択確率を決定する。但し、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態であるため、敵キャラクタの選択確率は第1選択確率と実質的に同一となり、最も選択率の高いキャラクタjが選択されている。この勝負演出では、遊技ボタン14が操作され、勝負演出の結果が負けとなり大当り遊技終了後に時短状態に移行する。
時短状態が終了し、通常確率非時短状態で大当りが生起すると、新たに1回目の大当り遊技の演出としてキャラクタjを対戦相手とする勝負演出(固定バトル)を実施する。この大当りでは、勝負演出中に遊技ボタン14が操作されず、勝負演出の結果が負けで大当り遊技終了後に時短状態となっている。
該時短状態中に連続回数2回目の大当りが生起すると、該生起時の遊技状態が通常確率非時短状態ではないため、前回(1回目)の遊技ボタン14の操作記憶なしに応じて第2選択確率を決定する。この場合、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であるため、最も選択率の高いキャラクタjが選択されている。また、勝負演出中に遊技ボタン14が操作されていないため、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であっても勝負演出の結果が引分けとなっている。
大当り遊技終了後の確変状態から3回目の大当りが生起すると、該生起時の遊技状態が通常確率非時短状態ではないため、前回(2回目)の遊技ボタン14の操作記憶なしに応じて第2選択確率を決定する。この場合、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態であるため、敵キャラクタの選択確率は第1選択確率と実質的に同一となり、最も選択率の高いキャラクタjが選択されている。この勝負演出では、遊技ボタン14が操作さず、勝負演出の結果が負けとなり大当り遊技終了後に時短状態に移行する。
図21は、本願発明における第1遊技状態が通常確率非時短状態で、第2遊技状態が確率変動状態と時短状態が同時に作動する状態(図20と同一)の場合における、大当り遊技の演出(出現する敵キャラクタ)と、遊技ボタン14の操作の有無と、大当り遊技終了後の遊技状態との関係例を示したタイミングチャートである。図20との相違点は、大当り遊技終了後の遊技状態として第1遊技状態が選択されると、該第1遊技状態は通常確率非時短状態であるため、次回の大当り生起時には必ず固定バトル(キャラクタj)を行う点となる。それ以外は、図20の内容と同一である。
次に、図22から図25に示した大当り演出中に演出図柄表示装置54bに表示する演出例と、図26、図27に示した演出発展経路図を用いて、大当り演出(勝負演出)時の演出表示内容を説明する。図22から図25に記載されているように、本実施例では、1回の大当り遊技中(勝負演出中)に最大で3回遊技ボタン14を操作する演出を実施する。この回数は、図18を用いて説明した報知回数に該当する。
大当り演出が開始されると、図22のA−a又は図25のB-aのように、右側に味方キャラクタを、左側に敵キャラクタを配置した画面を表示する。この時点(大当り演出開始時)で敵キャラクタの種類が分かるため、遊技者は、出現した敵キャラクタの種類により大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態となる可能性が高いか、時短状態となる確率が高いかを想定することが可能となる。
なお、図25のB-aの左側に示したキャラクタが敵キャラクタjとなり、本願発明における敵キャラクタAに該当する。また、大当り演出開始時に図25のB-aが表示された場合、即ち敵キャラクタj(遊技者が一番手強いと感じる敵キャラクタ)が出現した場合は、遊技ボタン14を操作して演出を変化させる期間(報知回数)は、10ラウンドから12ラウンドと、15ラウンドの2回の期間となる。また、敵キャラクタj以外の敵キャラクタa〜i(遊技者が弱いと感じる敵キャラクタ)が大当り開始時に出現した場合は、遊技ボタン14を操作して演出を変化させる期間(報知回数)は、3ラウンドから4ラウンドと、10ラウンドから12ラウンドと、15ラウンドの3回の期間か、10ラウンドから12ラウンドと、15ラウンドの2回の期間となる。
出現した敵キャラクタがa〜iであった場合の具体的な表示内容と演出の流れは、大当り遊技の1ラウンドから2ラウンドまでは上記したA-aの構成の画面を表示する(各キャラクタが表示位置を変えず相手に当らないパンチやキックを出す動き有り)。3ラウンドを開始すると、表示画面がA-bかA-cのいずれかの画面を表示する。この時点での分岐によって、報知を3回実施するか2回実施するかが分かれる(図26の演出発展経路図(1)参照)。
3ラウンドの開始に応じてA-bを表示、即ち敵キャラクタa〜iを表示すると、敵キャラクタが味方キャラクタを攻撃する演出の流れとなり、遊技ボタン14を操作することによって味方キャラクタの状態又は該状態の目安表示を変化させる演出回数(報知回数)が1回減る。この流れ(3ラウンドでA-bを表示)では、5ラウンドが開始するとA-fに示すように敵キャラクタが味方キャラクタを攻撃する演出を行い、7ラウンドではA-i(図23)に示すように味方キャラクタがダウンする演出を表示する。
それに対して、3ラウンドの開始に応じてA-c(図22)を表示、即ち味方キャラクタが表示されると、ほぼ同時に遊技ボタン14の操作を促す態様が表示され、遊技ボタン14を操作することによって味方キャラクタの状態又は該状態の目安表示を変化させる演出(大当り遊技終了後の遊技状態を示唆する演出報知)が実施される。A-cの表示から開始される遊技ボタン14の操作期間は、3ラウンドから4ラウンドで、その間は味方キャラクタの周りに表示されるオーラが遊技ボタン14の操作に応じて徐々に大きくなる演出を実施する。3ラウンドから4ラウンドにかけては、この遊技ボタン14の操作に応じて変化するオーラの大きさが本願発明における「味方キャラクタの状態又は該状態を示す目安表示」となる。当然、オーラが大きくなればなるほど、味方キャラクタが強い状態(大当り遊技終了後に確変状態に移行する可能性が高い)を示している。
遊技ボタン14の操作に応じて、4ラウンドが終了するまでに味方キャラクタ周りのオーラがA-d(図22)に示す大きさまで変化した場合(A-dに示す大きさまでにしかオーラが大きくならなかった場合)、5ラウンドを開始すると味方キャラクタが攻撃を行う演出を行うが、その演出表示態様はA-g又はA-hのどちらかになる。
攻撃時にオーラの無いA-g(図23)が表示されると、7ラウンドでは味方キャラクタが勝つパターン(確変確定報知)と負けるパターンに分岐するが、攻撃時にオーラをともなうA-h(図23)が表示されると、7ラウンドでは必ず味方キャラクタが勝つA-j(図23)(確変報知)を表示する。なお、4ラウンドが終了するまでに遊技ボタン14の操作に応じて味方キャラクタ周りのオーラがA-e(図22)に示す最大限まで大きくなると、5ラウンドが開始されると必ずA-hを表示する。従って、オーラが最大限まで大きくなったA-eの表示態様は大当り遊技終了後の確変確定報知態様といえる。
A-jが表示されると、即ち大当り遊技終了後の遊技状態が確率変動であることを報知すると、それ以降の大当り演出では、画面に出現する全てのキャラクター(味方キャラクタ及び敵キャラクタa〜j)の紹介演出を行う。
5ラウンドでA-gが表示され、味方キャラクタが負ける場合、即ち、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態か、若しくは確変状態であってもこの演出期間では確変状態に移行することを報知しない演出パターンが選択されている場合(図17のS840の判定で否定判定となる場合)は、7ラウンドを開始するとA-i(図23)を表示する。
大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態であるか、若しくは確変ではあるが7ラウンドでの確変報知を行わなかった場合(図26でA-g失敗)、又はA-f(図22)の敵キャラクタの攻撃を経た場合は(図26で、開始からA-b、A-fと経過)、A-i以降にも勝負演出を継続する。その場合、10ラウンドから12ラウンドで遊技ボタン14を操作することによって味方キャラクタの状態又は該状態の目安表示を変化させる演出(大当り遊技終了後の遊技状態を示唆する演出のよる報知)を実施する。この場合の演出内容は、前回の対戦で一度倒れた味方キャラクタの体力を、遊技ボタン14の操作により回復させる演出となる。
具体的な表示態様は、10ラウンドを開始するとA-k(図23)に示すように、倒れた味方キャラクタと遊技ボタン14の操作を促す態様と体力メータとを表示し、12ラウンドが終了するまでに、遊技ボタン14の操作に応じて体力メータのレベルを上げていく演出を行う。この場合、遊技ボタン14の操作に応じて変化する体力メータのレベルが本願発明における「味方キャラクタの状態又は該状態を示す目安表示」に該当する。
大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態に移行することが決定され、尚且つ10〜12ラウンドの期間で確変報知を実施することが可能な大当り演出が選択されている場合は、遊技ボタン14が5回操作された時点(図17のS840の判定が肯定判定となる場合)でA-m(図24)を表示し、大当り遊技終了後に確変状態に移行することを報知する。該報知を実施した後の大当り演出は、A-j以降の演出と同様に各キャラクタの紹介演出を大当り遊技が終了するまで実施する。なお、A-mにおける演出表示は、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦結果が引分けであることで確変状態となることを示している。これは確率変動状態を経た次の大当りで再度対戦が待機していることを示唆する演出ともいえる。
大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態であるか、若しくは確変ではあるが7ラウンドと12ラウンドで確変報知を行わなかった場合(図17のS840の判定が否定判定となる場合)は、図23のA-lを表示し勝負演出を継続する。次の遊技ボタン14を操作する演出は最終ラウンドである15ラウンドを開始すると実施し、図24のA-nを表示して遊技ボタン14の操作が1回だけ可能となるラストチャンス演出を行う。
ラストチャンス演出では、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であれば、遊技ボタン14を操作したか否かに拘らず図24のA-pを表示した後にA-rの復活演出(引分け演出)を表示して確変報知を行い、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態であれば、遊技ボタン14を操作したか否かに拘らず図24のA-oを表示して勝負演出としての味方キャラクタの負けが確定しA-qを表示して時短状態を報知する。従って、15ラウンドよりも前の勝負演出で負け続けてもその時点では時短状態に移行することの報知とはならず、15ラウンドのラストチャンス演出で復活できなかった場合に負けが確定し時短状態へ移行することの報知となる。
次に、大当り開始時の1ラウンド目に図25のB-aが表示され、敵キャラクタがjであった場合には、図27の演出経路図で示すように、3ラウンドにB-bが表示され、5ラウンドにB-c(敵キャラクタjの攻撃)が表示され、7ラウンドにB-d(味方キャラクタがダウン)が表示されることによって、大当り遊技の前半には遊技ボタン14を操作する演出は行わず、演出としては敵キャラクタjの圧倒的な強さを毎回見せ付けられる。なお、10ラウンド以降の勝負演出は、敵キャラクタがa〜iの場合と同一の演出を実施し、必ず10ラウンドから12ラウンドにおいて遊技ボタン14を連打させる演出(体力メータを上げる演出)を行い、体力メータが最大値まで達しなかった場合には、15ラウンドで遊技ボタン14を1回操作する演出(ラストチャンス演出)を行う。
この様に、遊技ボタン14の操作記憶(操作結果記憶手段)を行うラウンドが、選択した敵キャラクタの違い及びキャラクタの表示態様(3ラウンド目にどちらが表示されるか)によって異なるようになっており、どの敵キャラクタが選択されても、敵キャラクタがどのような表示態様になっても、必ず操作記憶の可能な期間が存在する構成となっている。
なお、敵キャラクタがキャラクタa〜iで、3ラウンド目に味方キャラクタが表示された場合には、オーラ演出か体力演出かどちらか一方の演出で遊技ボタン14が操作されれば(操作が記憶されれば)、次回の大当り演出選択時に第1選択率を選択する構成にしてもよいし、攻撃が失敗した場合には、オーラ演出と体力演出との双方で遊技ボタン14が操作されなければ第2選択確率になってしまう構成(どちらか一方だけの操作記憶だけでは、操作記憶なしと判定する構成)にしてもよい。
本実施例では、当否判定時に第2遊技状態(確変状態)に移行することが決定されていても、勝負演出中に遊技者が遊技ボタン14を操作しなかった場合には、味方キャラクタが勝利する演出は表示されないようになっている(第2遊技状態に移行する報知として引き分け演出を表示)。また、当否判定時に第2遊技状態に移行することが決定されており、オーラ演出や体力メータ演出で操作ボタンを所定回数以上操作したからといって、勝負演出の結果が必ず勝ちになるとは限らない(どんなに押しても引き分け演出になるときもある)。図24のA-rの演出表示も引分け演出にあたる。
以上が実施例の説明となる。本実施例では、通常確率非時短状態で大当りが生起した場合は、キャラクタjが対戦する敵キャラクタとなる固定バトルを毎回実施したが、通常確率非時短状態で大当りが生起した場合にも、複数の敵キャラクタの中から一つの敵キャラクタを選択する構成としてもよい。その場合、第1選択確率を用いて敵キャラクタを選択するのが望ましく、具体的には図16の大当り開始コマンド受信処理において、S710の判定が肯定判定(大当り開始コマンド受信時が通常確率非時短状態)なら、S725の処理に進む構成としてもよい。この構成においても、通常確率非時短状態で生起した大当たりは毎回同じ条件となり、自分が行った行動により、自分がこれから行う遊技状態は変化するが、自分が行った行動により自分の遊技後(通常確率非時短状態)に他の人が行う遊技状態には影響を及ぼさない。
上記した構成においても、第1遊技状態が通常確率非時短状態以外の遊技者に有利な遊技状態である場合には、該通常確率非時短状態以外(第2遊技状態又は第1遊技状態)への移行の契機となった大当り遊技時の遊技ボタン14の操作の有無に応じて、第1遊技状態時又は第2遊技状態時に生起した大当り遊技に出現する敵キャラクタの選択確率を、第1選択確率か第2選択確率かに変更し、通常確率非時短状態で大当りが生起した場合には、前回の遊技ボタン14の操作の有無に拘わらず初期の選択確率となる第1選択確率を用いて敵キャラクタを選択する構成となる。
また、第1遊技状態を通常確率非時短状態とする構成の場合には、第2遊技状態への移行の契機となった大当り遊技中の遊技ボタン14の操作の有無によって、第2遊技状態時に生起した大当り遊技で表示する敵キャラクタの選択確率を、第1選択確率か第2選択確率かに変更し、通常確率非時短状態で大当りが生起した場合には、前回の遊技ボタン14の操作の有無に関係なく初期の選択確率となる第1選択確率を用いて敵キャラクタを選択する構成となる。
また、本実施例では、勝負演出中の遊技ボタン14の操作記憶の有無を専用の記憶領域に記憶したが、主制御装置50がフラグを用いて判断する構成としてもよく、勝負演出中に遊技ボタン14が操作されればフラグの初期状態「0」を保持し、遊技ボタン14が操作されなければフラグが成立「1」し、大当り遊技終了後に遊技状態が通常確率非時短状態に移行した時点又は大当りが生起し敵キャラクタを選択した時点でフラグを初期化する構成としてもよい。なお、フラグの成立条件を逆にしてもよい(遊技ボタン14が操作された場合に成立「1」し、操作されない場合はフラグは初期状態「0」)。
また、本実施例では、勝負演出の敵キャラクタ選択時に、遊技ボタン14の操作記憶が有るか無しかに応じて第1選択確率又は第2選択確率を決定したが、操作結果記憶手段に遊技ボタン14の操作回数まで記憶する構成とし、操作回数の違いに応じて選択確率を設定する構成としてもよく、第1選択確率と第2選択確率だけでなく、第3選択確率、第4選択確率等を備えてもよい。
また、遊技ボタン14の操作回数を計数する操作カウンタの計数可能値を大きくし(例えばFF(h))、遊技ボタン14が何回操作できたかによって選択確率を決定する構成も考えられる。この場合、遊技ボタン14の操作回数が多ければ多いほど大当り遊技終了後に確率変動状態に移行する場合はキャラクタjが出現しにくくなる(出現確率が低くなる)等が考えられる。
本実施例においては、遊技者に有利な遊技状態を挟んで大当り遊技が連続する場合、毎回前回の遊技ボタン14の操作記憶を参照して敵キャラクタを選択したが、大当りが遊技者に有利な遊技状態を挟んで継続する場合、途中の大当りで遊技ボタン14が操作されなければ、以降に遊技者に有利な遊技状態を挟んで大当りが連続する場合は、第2選択確率を継続して選択してもよい。
また、本実施例では、第1選択確率と第2選択確率においては図18に示すように大当たり遊技終了後に第1遊技状態に移行する場合は同一内容の選択確率を設定して敵キャラクタを選択したが、遊技ボタン14の操作の有無に応じて、第2遊技状態に移行する場合の各敵キャラクタの選択確率を変化させる場合、第1選択確率で高い割合で選択されるキャラクタを、第2選択確率では低い割合で選択するようにし、第1選択確率で低い割合で選択されるキャラクタを、第2選択確率では高い割合で選択するよう設定するだけでは、遊技ボタン14の操作の有無に応じて敵キャラクタの選択確率が単純に逆転するだけとなり、遊技者がその関係をすぐに察知し易い構成となってしまう。但し、本願発明の様に、第2選択確率において第2遊技状態に移行する場合に高い確率で選択する敵キャラクタが、どちらの選択確率においても第1遊技状態に移行する場合に高い確率で選択される設定に固定されているため、遊技者が単純に選択確率が逆転したものとして判断することが不可能となる。