以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る画像消去装置1の構成例を示す断面図である。
画像消去装置1は、給紙部10、搬送部20、読取部30、消去部40、排紙部50、制御部60及びコントロールパネル70を有する。給紙部10は、用紙を給紙する。搬送部は、画像消去装置1内での用紙を搬送する。読取部は、用紙の状態を読取る。消去部は、用紙に対して画像を消去する処理(消色処理)を施す。排紙部は、用紙を排紙する。制御部は、画像消去装置1内の各部を制御する。コントロールパネル70は、ユーザインターフェースとして機能する。
給紙部10は、給紙トレイ11、給紙ローラ12、搬送ローラR及びセンサSなどを有する。給紙トレイ11は、消色(消去)処理の対象となる用紙を載せる台である。消色処理の対象とする用紙は、消色処理により消色される画像形成材料(色材)で画像が形成された用紙である。給紙ローラ12は、給紙トレイ11から消色前の用紙を取り出す。給紙ローラ12は、取り出した用紙を搬送部20としての搬送路21へ供給する。
搬送部20は、搬送路21〜26を有する。各搬送路21〜26は、画像消去装置1内で用紙を搬送する経路である。各搬送路21〜26は、各所の設けた複数の搬送ローラRにより用紙を搬送する。また、各搬送路21〜26の各所に設けた複数のセンサSは、各所における用紙の有無を検知する。すなわち、画像消去装置1内において、各所の搬送ローラRは、用紙を各搬送路21〜26に沿って搬送し、各所のセンサSは、画像消去装置1内における用紙の位置を検知する。
搬送路21は、給紙部10が給紙した用紙を搬送路22へ導く。搬送路22は、用紙を読取部30へ供給する。搬送路22は、搬送路23および搬送路26に接続する。搬送路23および搬送路26の分岐部には、ゲート22aがある。ゲート22aは、搬送路22が搬送する用紙の搬送経路を搬送路23或いは搬送路26の何れかに切り換える。搬送路26は、用紙を消去部40へ供給する。搬送路26は、再び搬送路22に接続する。搬送路26は、用紙を読取部30手前の搬送路22に供給する。また、搬送路23は、搬送路24および搬送路25に接続する。搬送路24および搬送路25の分岐部には、ゲート23aがある。ゲート23aは、搬送路23が搬送する用紙の搬送経路を搬送路24或いは搬送路25の何れかに切り換える。
読取部30は、用紙の状態を読取る。読取部30は、第1スキャナ31、第2スキャナ32を有する。第1スキャナ31および第2スキャナ32は、搬送路22を搬送される用紙上の画像を読取る。第1スキャナ31と第2スキャナ32とは、用紙の両面(表面及び裏面)を読取る。たとえば、第1スキャナ31は、ある用紙の表面を読取り、第2スキャナ32は当該用紙の裏面を読取る。
第1スキャナ31は、ラインスキャナ31aおよびプラテンローラ31bを有する。ラインスキャナ31aは、搬送路22を搬送される用紙の画像をプラテンローラ31b上で読取る。第2スキャナ32は、ラインスキャナ32aおよびプラテンローラ32bを有する。ラインスキャナ32aは、搬送路22を搬送される用紙の画像をプラテンローラ32b上で読取る。第1スキャナ31および第2スキャナ32は、搬送路22による用紙の搬送方向を副走査方向とし、副走査方向に直交するラインスキャナ31a、32aのスキャン方向を主走査方向として用紙の各面の画像を読取る。
搬送路22は、読取部30を通過した用紙をゲート22aへ導く。ゲート22aは、搬送路22から搬送される用紙(読取部30で状態を読取った用紙)の搬送先の経路を切り替える。制御部60は、読取部30における第1スキャナ31、第2スキャナ32による読取結果に基づいて、用紙を排紙するか消色処理(画像の消去処理)するかを判断する。たとえば、用紙に消色すべき画像がある場合、制御部60は、当該用紙を消色処理する(消去部40へ搬送する)と判断する。用紙を消色処理すると判断した場合、制御部60は、搬送路22から搬送路26へ用紙を導くようにゲート22aをセットする。また、用紙に消色すべき画像がない場合、あるいは、用紙が再利用不可であることを検知した場合、制御部60は、当該用紙を排紙する(排紙部50へ搬送する)と判断する。用紙を排紙すると判断した場合、制御部60は、搬送路22から搬送路23へ用紙を導くようにゲート22aをセットする。
消色部40は、搬送路26を搬送される用紙に対して画像を消去する処理(消色処理)を施す。消色部40は、消色機構41を有する。消色機構41は、サーマルヘッド41a及びプラテンローラ41bを有する。サーマルヘッド41aは、搬送路26を搬送される用紙をプラテンローラ41b上で加熱する。サーマルヘッド41aは、所定のドット単位で用紙を加熱(消色)する。サーマルヘッド41aは、搬送路22による用紙の搬送方向を副走査方向とし、主走査方向に並べたドット単位で用紙上を加熱する。サーマルヘッド41aは、後述する消色用データの生成処理によって生成される消色用データに従って駆動する。また、搬送路26は、消色機構41(消色部40)を通過した用紙を読取部30手前の搬送路22へ再供給する。
なお、本実施形態において、消色機構41のサーマルヘッド41aは、用紙の接触面(例えば表面)の画像を消色するだけでなく、接触面と反対側の面(例えば、裏面)の画像も消色できるものとする。この場合、画像処理部67は、用紙表面の画像と用紙裏面の画像とを合成した画像に対応した1つの消色用データを生成するものとする。ただし、消色機構41には、表面用の消色機構(表面に接触するサーマルヘッド及びプラテンローラ)と裏面用の消色機構(裏面に接触するサーマルヘッド及びプラテンローラ)とを設けても良い。この場合、画像処理部67は、表面用の消色用データと裏面用の消色用データとを生成すればよい。
排紙部50は、搬送路23を搬送される用紙をストッカへ搬送する。排紙部50は、第1ストッカ51および第2ストッカ52を有する。第1ストッカ51は、搬送路24により搬送される用紙を収納する。第2ストッカ52は、搬送路25により搬送される用紙を収納する。制御部60は、第1ストッカ51及び第2ストッカ52に収納する用紙を設定する。たとえば、制御部60は、再利用可能な用紙を第1ストッカ51に収納し、再利用不可な用紙(廃棄する用紙)を第2ストッカ52に収納するように設定する。
搬送路23は、読取部30を通過した後にゲート22aで分岐された用紙をゲート23aへ導く。ゲート23aは、搬送路23により搬送される用紙の搬送先の経路を切り替える。たとえば、再利用可能な用紙を第1ストッカに収納し、再利用不可な用紙(廃棄する用紙)を第2ストッカに収納する設定である場合、制御部60は、用紙が再利用可能か否かによりゲート23aを切り替える。この場合、制御部60は、読取部30による読取結果に基づいて用紙が再利用可能か否かを判断する。用紙が再利用可能であると判断した場合、制御部60は、搬送路23から搬送路24へ用紙を導くようにゲート23aをセットする。また、用紙が再利用不可であると判断した場合、制御部60は、搬送路23から搬送路25へ用紙を導くようにゲート23aをセットする。
次に、実施形態に係る画像消去装置1の制御系の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る画像消去装置1における制御系の構成例を示すブロック図である。
図2に示す構成例において、制御部60は、メインCPU(プロセッサ)61、ROM62、RAM63、記憶部64、搬送制御部65、スキャナ制御部66、画像処理部67、およびサーマルヘッド制御部68などを有する。
メインCPU61は、画像消去装置1全体を統括的に制御する。メインCPU61は、プログラムを実行することにより処理を実現するプロセッサである。ROM62は、プログラムおよび制御データなどを記憶する書換え不可の不揮発性メモリである。RAM63は、揮発性のメモリで構成される。RAM63は、ワーキングメモリ、あるいはバッファメモリとして機能する。記憶部64は、ハードディクスドライブ(HDD)などの大容量の記憶装置である。記憶部64は、画像データなどを記憶する。また、記憶部64は、制御プログラムおよび制御データなどを記憶しても良いし、設定情報などを記憶しても良い。メインCPU61は、RAM63を使用しながらROM62或は記憶部64に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
また、メインCPU61は、システムバスを介して、コントロールパネル70に接続する。コントロールパネル70は、ユーザからの操作を受付ける操作部およびユーザに操作案内などを表示する表示部などを有する。たとえば、コントロールパネル70は、タッチパネル内蔵の表示装置により構成しても良い。メインCPU61は、ユーザが入力した操作指示をコントロールパネル70から受信したり、コントロールパネル70に操作案内などを表示したりする。
搬送制御部65は、画像消去装置1内における用紙搬送を制御する。搬送制御部65は、給紙ローラ12及び搬送ローラRを駆動するモータM、センサS、および、ゲート22a、23aなどの駆動を制御する。たとえば、搬送制御部65は、メインCPU61からの画像消色処理の開始指示に応じて、モータMにより給紙ローラ12を駆動させて用紙を給紙する。また、搬送制御部65は、モータMにより各ローラRを駆動させて各搬送路21〜26により用紙を搬送する。また、搬送制御部65は、各所のセンサSにより用紙の位置を検知しつつ、メインCPU61からの指示に応じてゲート22a、23aを切り替えて用紙の搬送経路を制御する。
スキャナ制御部66は、スキャナ31、32の駆動を制御する。スキャナ制御部66は、メインCPU61からの動作指示に応じて用紙上の画像を読取る。たとえば、スキャナ制御部66は、第1スキャナ31により用紙の表面の画像を読取り、第2スキャナ32により用紙の裏面の画像を読取る。スキャナ制御部66は、第1スキャナ31及び第2スキャナ32が読み取った表面及び裏面の画像データを画像処理部67へ供給する。また、スキャナ制御部66は、第1スキャナ31及び第2スキャナ32が読み取った用紙の表面および裏面の画像データをHDD64に保存するようにしても良い。
画像処理部67は、読取部30が読み取った画像データを処理する。画像処理部67は、画像メモリ67aを有する。画像メモリ67aは、画像処理用のRAMである。画像メモリ67aは、第1スキャナ31および第2スキャナ32が読取った画像データを保存する。画像処理部67は、第1スキャナ31及び第2スキャナ32が読取った画像データに基づいて消色処理に用いる消色用データを生成する。消色用データは、消色機構41(サーマルヘッド41a)を駆動させるためのデータである。消色用データおよび消色用データの生成方法については、後で詳細に説明するものとする。また、画像処理部67は、第1スキャナ31及び第2スキャナ32が読取った画像データに基づいて用紙に消色処理すべき画像があるか(消色処理すべきか)否かを判定するようにしても良い。
サーマルヘッド制御部68は、サーマルヘッド41aの駆動を制御する。サーマルヘッド制御部68は、メインCPU61からの動作指示に応じて用紙に対して消色処理を施す。たとえば、サーマルヘッド制御部68は、第1スキャナ31及び第2スキャナ32による読取画像に基づいて生成された消色用データに従ってサーマルヘッド41aの駆動を制御する。
次に、画像消去装置1における消色用データの生成処理について説明する。
画像消去装置1において、読取部30としての第1、第2スキャナ31、32は、用紙上の画像を読取る。第1、第2スキャナ31、32が読取った画像データは、当該用紙において消色対象となる画素を示す画像データである。画像処理部67は、第1、第2スキャナ31、32が読取った用紙の画像データに基づいて、当該用紙に対する消色用データを生成する消色用データの生成処理を行う。ここでは、第1スキャナ31が読取った用紙の表面の読取画像データと第2スキャナ32が読取った用紙の裏面の読取画像データとを合成した画像データを用紙の読取画像データとして、消色用データの生成処理を行うものとする。ただし、用紙の表面を消色対象とする場合、第1スキャナ31が読取った用紙の表面の画像データを用紙の画像データとして、後述の消色用データの生成処理を実施しても良い。
まず、画像処理部67は、読取部30が読取った用紙の読取画像データから消色対象となる画素(消色対象画素)の位置を求める。画像処理部67は、消色対象画素の位置を基準に消色機構41のサーマルヘッド41aが加熱(消色)する位置(領域)を示す消色用データを生成する。消色用データの生成処理によって生成する消色用データは、サーマルヘッド41aが加熱する位置(消色処理を施す消色位置)を示すデータである。すなわち、画像処理部67は、読取部30から用紙の読取画像データを取得すると、当該用紙における消色対象となる各画素の位置に基づいて消色位置(領域)を決定する。画像処理部67は、用紙における各消色対象画素の位置に基づいて決定した消色位置をまとめたデータを当該用紙全体に対する消色用データとして生成する。本実施形態に係る消色用データの生成処理では、単純に消色対象画素の位置だけを消色位置とするのではなく、消色対象を基準とした複数画素分の領域を消色対象とするような消色用データを生成する。
次に、実施形態に係る画像消去装置1における消色処理の流れについて説明する。
図3は、実施形態に係る画像消去装置1における消色処理の流れを説明するためのフローチャートである。
メインCPU61は、コントロールパネル70におけるスタートボタン(図示しない)への入力を検知すると、消色処理を開始する。また、メインCPU61は、給紙トレイ11に用紙がセットされたことを検知した場合に消色処理を開始するようにしても良い。消色処理を開始する場合、メインCPU61は、搬送制御部65に対して用紙の給紙を指示する。搬送制御部65は、給紙トレイ11上の用紙を給紙ローラ12により給紙する(ACT11)。搬送制御部65は、給紙トレイ11から給紙した用紙を搬送路21から搬送路22へ搬送する。
給紙トレイ11から用紙を給紙すると、メインCPU61は、スキャナ制御部66に用紙面の画像の読取を指示する。スキャナ制御部66は、第1スキャナ31により搬送路22を搬送される用紙の第1面(表面)の画像を読取り、第2スキャナ32により当該用紙の第2面(裏面)の画像を読取る(ACT12)。画像処理部67は、第1スキャナ31及び第2スキャナ32が読取った画像データ(読取画像データ)を画像メモリ67aに記憶する。また、第1スキャナ31及び第2スキャナ32が読取った画像データ(読取画像データ)は、HDD64に保存するようにしても良い。ここでは、第1スキャナ31が読取った画像データと第2スキャナ32が読取った画像データとを合成した画像データを読取部30による用紙の読取画像データとする。
メインCPU61は、読取部30が読取った読取画像データに基づいて当該用紙が消色処理すべき用紙であるか否かを判断する(ACT13)。用紙に対する消色処理が不要であると判断した場合(ACT13、NO)、メインCPU61は、当該用紙が再使用(リユース)可能であるか否かを判断する(ACT16)。メインCPU61は、当該用紙における消色対象となる画素(消色対象画素)の有無、当該用紙の破損度合(折れ、破れ等の度合い)、当該用紙に対する消色処理した回数などにより、消色処理の要否、および、リユースの可否を判断する。
たとえば、当該用紙の破損度合(折れ、破れ等の度合い)は、画像処理部67が読取画像データから検出するようにすれば良い。この場合、メインCPU61は、破損度合いが所定の基準値よりも大きい用紙(破損している用紙)を消色処理が不要なリジェクト用紙であると判断する。
また、消色処理した回数は、搬送路26を搬送させた回数(或いは消色機構41を通過させた回数)をカウントして計数しても良いし、用紙の所定位置に印字される消色処理の回数を画像処理部67が読取画像データから検出するようにしても良い。消色処理の回数を取得すると、メインCPU61は、消色処理の回数が所定の閾値(消色処理の限度回数)に達した用紙を消色処理が不要なリジェクト用紙であると判断する。
また、画像処理部67は、画像メモリ67aに記憶する読取画像データから検出するようにして良い。画像処理部67は、読取画像データにおける消色対象画素の検出結果をメインCPU61へ通知する。読取画像データに消色対象画素が存在しない場合、メインCPU61は、当該用紙に対する消色処理が不要であると判断する。この場合、メインCPU61は、当該用紙における破損状態、或いは、消色処理の限度回数超過などより当該用紙がリユース可能か否かを判断する。また、消色対象画素が存在する場合、メインCPU61は、破損、或いは、消色処理の限度回数の超過などがなければ、当該用紙を消色処理すべきと判断する。
当該用紙が消色処理不要で、かつ、リユース可能であると判断した場合(ACT16、YES)、メインCPU61は、当該用紙をリユース用に設定したカセットに排紙(ACT17)するように、搬送制御部65に指示する。また、当該用紙が消色処理不要で、かつ、リユース不可(リジェクトする)と判断した場合(ACT16、NO)、メインCPU61は、当該用紙をリジェクト用に設定したカセットに排紙(ACT18)するように、搬送制御部65に指示する。搬送制御部65は、メインCPU61からの指示に従って用紙を各カセットへ搬送する。
当該用紙を消色処理すべきと判断した場合(ACT13、YES)、メインCPU61は、当該用紙に対する消色用データを生成する消色用データの生成処理を実行する(ACT14)。また、メインCPU61は、消色用データに基づく当該用紙に対する消色処理を実行する(ACT15)。たとえば、メインCPU61は、画像処理部67により消色用データの生成処理を実行し、サーマルヘッド制御部68および搬送制御部65により消色処理を実行する。
消色用データは、サーマルヘッド41が用紙に対して加熱(消色)する領域を示すデータである。本実施形態において、画像処理部67が画像メモリ67aに格納した読取画像データを、後述する消色用データの生成処理によって消色用データに変換する。
画像処理部67が生成した消色用データは、サーマルヘッド制御部68へ供給される。サーマルヘッド制御部68は、消色用データに従ってサーマルヘッド41を駆動する。これにより、サーマルヘッド41は、搬送路26を搬送される用紙に対して消色用データの消色領域を加熱(消色)する。搬送制御部65は、サーマルヘッド41が消色処理した用紙を搬送し、搬送路22における読取部30(第1スキャナ31及び第2スキャナ32)の手前の位置へ再供給する。搬送路22へ用紙を再供給すると、メインCPU61は、上記ACT12からの処理を再度繰り返す。
次に、消色用データの生成処理の例として、第1、第2、第3の生成処理について説明する。
まず、消色用データの第1の生成処理について説明する。
第1の生成処理では、読取画像データを複数画素からなるブロックに分割し、各ブロックを消色対象あるいは非消色の何れかとし、各ブロックを1つのドットとする消色用データを生成する。第1の生成処理では、画像処理部67は、読取部30(第1スキャナ31及び第2スキャナ32)が用紙をスキャンした画像データ(読取画像データ)の解像度よりも低い解像度の消色用データを生成するものとする。
各ブロックは、読取画像データにおけるn画素×mライン(n、mは、n=m=1以外の自然数)分の複数画素からなる領域(ブロック)である。なお、本実施形態において、読取画像データにおける各画素は、主走査方向を画素数(例えば、n画素)で表し、副走査方向をライン数(例えば、nライン)で表現するものとする。
たとえば、読取画像データの解像度が主走査方向、副走査方向共に400dpiで、消色用データの解像度が主走査方向、副走査方向共に200dpiである場合、画像処理部67は、読取画像データと消色用データとの解像度の比に応じて、6画素×6ラインの読取画像データを、消色用データの解像度に合わせた3画素×3ラインのデータに変換し、変換後のデータに対して消去用データを生成する。
第1の生成処理において、画像処理部67は、読取画像データを構成する画素データを消色用データの解像度となる各ブロックに分ける。各ブロック内の全ての画素が非消色対象画素(例えば、白画素)である場合、当該ブロックは、消色処理(加熱)が不要であるものとする。また、ブロック内に消色可能な画像を形成する画素(消色対象画素(例えば、黒画素))が存在する場合、当該ブロックは、消色処理(加熱)が必要であるものとする。すなわち、画像処理部67は、読取画像データに対して、全ての画素が非消色画素であるブロックを消色対象外とし、消色対象画素を含むブロックを消色対象とした消色用データを生成する。
図4は、画像処理部67による消色用データの生成処理(第1の生成処理例)を説明するための図である。図4(a)は、消色処理の対象となる用紙上の画像の例を示す図である。図4(b)は、図4(a)の用紙面を読取った読取画像データの例である。図4(c)は、図4(b)に対して第1の生成処理で生成した消色用データの例である。
図4(b)は、読取画像データをn画素×mライン単位でブロックに分けた例を示す。図4(c)は、図4(b)に示す各ブロックについて、消色対象画素を含むブロックを消色対象とし、消色対象画素を含まないブロックを消色対象外とした状態を示す。図4(c)は、読取画像データにおけるn画素×mラインからなる各ブロックを1つのトッドとする消色用データを示す。図4(c)に示す消色用データを用いて消色処理すれば、読取画像データにおける全ての消色対象画素を消色処理でき、かつ、全ての消色対象画素の周辺も消色処理できる。なお、消色用データの解像度は、サーマルヘッド41の物理的な解像度(最大解像度)と同じでなくても良く、例えば、サーマルヘッド41の物理的な解像度よりも低い解像度であれば良い。
図4(a)、(b)及び(c)に示すように、第1の生成処理によれば、少なくとも消色対象画素を含む各ブロックを消色領域とする消色用データを作成できる。第1の生成処理で生成した消色用データを用いた消色処理では、消色対象画素だけでなく消色対象画素の周辺(消色対象画素を含むブロック)を加熱し、消色対象画素を含まないブロックを加熱しない。このため、無駄なエネルギー消費を抑えつつ、消色対象画素を確実に消去することができる。
図5は、本実施形態に係る画像消去装置1における消色用データの第1の生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、画像処理部67は、読取部30から用紙の読取画像データを取得する(ACT21)。画像処理部67は、取得した読取画像データを画像メモリ67aに保存する。画像処理部67は、読取画像データを所定の複数画素からなるブロック単位に分割する(ACT22)。各ブロックは、消色用データの解像度に対応する大きさである。たとえば、各ブロックは、読取画像データにおけるn画素×mライン分の画素からなる。ここでは、読取画像データにおけるブロックの総数がa個であるものとする。
読取画像データをブロック単位に分割すると、画像処理部67は、読取画像データにおけるブロックの総数(a個とする)を設定する(ACT23)。読取画像データを所定の複数画素単位で分割したブロックの総数は、消色用データのブロック数(画素データ数)となる。ブロックの総数を特定すると、画像処理部67は、全ブロックのデータを初期値とした画像データを消色用データの初期画像データとして生成する(ACT24)。生成した消色用データの初期画像データは、画像メモリ67aに記憶する。当該消色用データは、各ブロックのデータが消色対象であるか否かを示す値となる。なお、消色用データの初期画像データでは、各ブロックのデータは、初期値として消色対象でないことを示す値が設定される。
また、読取画像データをブロック単位に分割すると、画像処理部67は、変数bを初期化(b=0)する(ACT25)。変数bを初期化した後、画像処理部67は、変数bをインクリメント(b=b+1)する(ACT26)。変数bをインクリメントすると、画像処理部67は、b番目のブロック内に消色対象画素が存在するか否かをチェックする(ACT27)。
b番目のブロックに消色対象画素が存在する場合(ACT27、YES)、画像処理部67は、b番目のブロックを消色対象とする(ACT28)。b番目のブロックを消色対象とする場合、画像処理部67は、画像メモリ67aに格納した消色用データにおいてb番目のブロックに対応するブロックのデータを消色対象であることを示す値に更新する。
また、b番目のブロックに消色対象画素が無い場合(ACT27、NO)、画像処理部67は、当該ブロックを消色対象外(非消色)とする(ACT29)。b番目のブロックを非消色とする場合、画像処理部67は、画像メモリ67aに格納した消色用データにおいてb番目のブロックに対応するブロックのデータを非消色であることを示す値とする。ここでは、各ブロックのデータは、初期値として消色でないことを示す値が設定されるため、b番目のブロックのデータは、初期値のままとすれば良い。
b番目のブロック内のチェックが完了すると、画像処理部67は、変数bがaであるか否かを判断する(ACT30)。変数bがaでない場合(ACT30、NO)、画像処理部67は、上述したACT26〜30の処理を繰り返し実行する。また、変数bがaとなった場合、つまり、全ブロック内における消色対象画素のチェックが完了した場合(ACT30、YES)、画像処理部67は、各ブロック内のチェック結果として得られた画像メモリ67aが記憶するデータを当該用紙に対する消色用データ(読取画像データに対応する消色用データ)とする。当該用紙に対する消色用データを生成すると、画像処理部67は、画像メモリ67aが格納する消色用データをサーマルヘッド制御部68へ出力する(ACT31)。
上記のように、第1の生成処理では、読取部による読取画像データを複数画素からなるブロックに分割し、ブロックごとに消色対象画素の有無をチェックし、ブロックのうち消色対象画素を含むブロックを消色領域とし、それ以外を消色対象外とする消色用データを生成する。第1の生成処理で生成された消色用データを用いて消色処理を行うことにより、無駄なエネルギー消費が少なく、かつ、消色対象画素を確実に消色できる。
次に、消色用データの生成処理としての第2の生成処理について説明する。
第2の生成処理では、読取画像データにおける消色対象画素(あるいは消色対象ブロック)を抽出し、抽出した消色対象画素と消色対象画素を囲む周辺画素(周辺ブロック)とを消色領域とする消色用データを生成する。
図6は、第2の生成処理による消色用データの生成例を示す図である。図6(a)は、読取画像データにおける消色対象画素(あるいは消色対象ブロック)の例を示す図である。図6(b)は、図6(a)に示す消色対象画素(あるいは消色対象ブロック)に対応して消色対象とする周辺画素(あるいは周辺ブロック)の設定例を示す図である。
図6(a)及び(b)に示す例において、消色対象画素(ブロック)に対応して消色対象とする周辺画素(ブロック)は、主走査方向に隣接する画素(1画素前及び1画素後の画素)、副走査方向に隣接する画素(1ライン前及び1ライン後の画素)、主走査方向及び副走査方向に対して斜め後方に近接する画素(1ライン前かつ1画素前の画素、1ライン前かつ1画素後の画素、1ライン後かつ1画素前の画素、1ライン後かつ1画素後の画素)である。
ただし、第2の生成処理として、1つの消色対象画素に対応して消色対象とする周辺画素(ブロック)は、消色対象画素に対して前後1画素分及び前後1ライン分の範囲に限らない。たとえば、消色対象画素を基点として、複数画素分或いは複数ライン分の範囲の画素を消色対象の周辺画素としても良い。
また、第2の生成処理を適用する画像消去装置1は、読取部30による読取画像データの解像度とサーマルヘッドを駆動するための消色用データの解像度とが同じであって良いし、異なっていても良い。
たとえば、読取画像データの解像度と消色用データの解像度とが同じである場合、第2の生成処理において、画像処理部67は、読取画像データから消色対象の画素を抽出し、抽出した消色対象画素と当該消色対象画素の周辺画素とを消色対象とする消色用データを生成する。
また、読取画像データの解像度と消色用データの解像度とが異なる場合、第2の生成処理において、画像処理部67は、読取画像データの解像度を消色用データの解像度の画像データに変換し、消色用データの解像度に変換した画像データから消色対象のブロック(画素)を抽出し、抽出した消色対象のブロックと当該消色対象ブロックの周辺ブロックとを消色対象とする消色用データを生成する。読取画像データの解像度を消色用データの解像度の画像データに変換する方法としては、たとえば、第1の生成処理で生成した方法が適用できる。
また、読取画像データの解像度と消色用データの解像度とが異なる場合、画像処理部67は、上述した処理により読取画像データの解像度で消色対象画素と消色対象画素の周辺画素とを消色画素とする画像データを生成し、その消色画素の画像データの解像度を消色用データの解像度に変更するようにしても良い。たとえば、この場合、画像処理部67は、読取画像データから消色対象画素を抽出し、抽出した消色対象画素と当該消色対象画素の周辺画素とを消色対象とする画素を示す消色画素の画像データを作成し、作成した消色画素の画像データを第1の生成処理などにより消色用データの解像度に変換するようにすれば良い。
次に、消色用データの第2の生成処理の流れを説明する。
図7は、本実施形態に係る画像消去装置1における消色用データの第2の生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここでは、第2の生成処理の一例として、図6に示すように、読取画像データを第1の生成処理により消色用データの解像度に変換した後に消色用データを生成する処理について説明するものとする。
まず、画像処理部67は、読取部30から用紙の読取画像データを取得する(ACT41)。画像処理部67は、取得した読取画像データを画像メモリ67aに保存する。画像処理部67は、読取画像データを所定の複数画素からなるブロック単位に分割する(ACT42)。各ブロックは、消色用データの解像度に対応する大きさである。たとえば、各ブロックは、読取画像データにおけるn画素×mライン分の画素からなる。ここでは、読取画像データにおけるブロックの総数がa個であるものとする。
読取画像データをブロック単位に分割すると、画像処理部67は、読取画像データにおけるブロックの総数(a個とする)を設定する(ACT43)。読取画像データを所定の複数画素単位で分割したブロックの総数は、消色用データのブロック数(画素データ数)となる。さらに、画像処理部67は、全ブロックのデータを初期値とした画像データを消色用データの初期画像データとして生成する(ACT44)。生成した消色用データの初期画像データは、画像メモリ67aに記憶する。当該消色用データにおいて、各ブロックは、消色対象か否かを示す値となる。各ブロックは、初期値として消色対象でないことを示す値が設定される。当該変数bを初期化(b=0)する(ACT45)。変数bを初期化した後、画像処理部67は、変数bをインクリメント(b=b+1)する(ACT46)。
変数bをインクリメントすると、画像処理部67は、読取画像データにおけるb番目のブロックに消色対象画素が存在する消色対象が含まれるか否かをチェックする(ACT47)。画像処理部67は、読取画像データにおける当該ブロック内に消色対象画素が存在する場合には消色用データにおける当該ブロックを消色対象とする。
読取画像データにおけるb番目のブロックに消色対象画素が存在する場合(ACT47、YES)、画像処理部67は、消色用データにおけるb番目のブロックのデータを消色対象であることを示す値にする(ACT48)。また、b番目のブロックに消色対象画素が存在する場合(ACT47、YES)、画像処理部67は、さらに、消色用データにおけるb番目のブロックを囲む周囲の各ブロックのデータを消色対象であることを示す値にする(ACT49)。
また、読取画像データにおけるb番目のブロック内に消色対象画素が無い場合(ACT47、NO)、画像処理部67は、消色用データにおけるb番目のブロックのデータを変更せずに、ACT50へ進む。たとえば、消色用データにおけるb番目のブロックのデータは、周辺のブロックにより消色対象となる場合には消色対象のままとし、周辺ブロックも非消色対象であれば非消色とする。
b番目のブロック内のチェックが完了すると、画像処理部67は、変数bがaであるか否かを判断する(ACT50)。変数bがaでない場合(ACT50、NO)、画像処理部67は、上述したACT46〜50の処理を繰り返し実行する。また、変数bがaとなった場合、つまり、読取画像データにおける全ブロックに対する消色対象画素のチェックが完了した場合(ACT50、YES)、画像処理部67は、画像メモリ67aに格納した各ブロック内におけるチェック結果に基づいて生成された画像メモリ67a内の消色用データをサーマルヘッド制御部68へ出力する(ACT51)。
なお、読取画像データと消色用データの解像度が同じである場合、画像処理部は、図6におけるブロックを画素に置き換えてACT42を省略した処理を実行することにより、第2の生成処理を実施しても良い。また、読取画像データと消色用データの解像度が異なる場合であっても、画像処理部は、第2の生成処理として、図6におけるブロックを画素と置き換えてACT42を省略した処理を実行した後に第1の生成処理を施すことにより所定の解像度の消色用データを生成するようにしても良い。
上記のように、第2の生成処理では、用紙の読取画像データにおける各画素を消色対象画素であるか否かをチェックし、消色対象画素と当該消色対象画素の周辺画素とを消色領域とする消色用データを生成する。また、第2の生成処理では、用紙の読取画像データにおける複数画素を各ブロックに分割し、ブロックごとに消色対象画素の有無をチェックし、ブロックのうち消色対象画素を含むブロックと当該ブロックの周辺ブロックを消色領域とする消色用データを生成する。上記のような第2の生成処理で生成された消色用データを用いて消色処理を行うことにより、無駄なエネルギー消費が少なく、かつ、消色画素を確実に消色できる。
次に、消色用データの生成処理としての第3の生成処理について説明する。
第3の生成処理では、読取画像データを複数画素からなるブロックに分割し、各ブロックにおいて消色対象画素を抽出し、抽出した消色対象画素のブロック内における位置に応じて消色対象とするブロックを決定し、消色対象画素を含むブロックと消色対象画素の位置に応じて消色対象としたブロックとを消色領域とする消色用データを生成する。
第3の生成処理において、画像処理部67は、各ブロック内における消色対象画素の位置に応じて消色対象ブロックを決定する。ブロック内の消色対象画素の位置に対応する消色対象ブロックは、予めROMなどに記憶した設定情報に基づいて判断する。たとえば、ブロック内における消色対象画素の各位置に対する消色対象ブロックを示す情報は、テーブルとしてROMに記憶しておくようにすれば良い。
図8及び図9は、消色対象画素の位置に対する消色対象ブロックの設定例である。図8は、読取画像データにおける3画素×3ライン分の9画素を消色用データのブロックに変換する例である。図9は、読取画像データにおける4画素×4ライン分の16画素を消色用データのブロックに変換する例である。
図8および図9に示す例では、ブロック内の主走査方向における先頭の画素(ブロックの左端の画素)が消色対象画素である場合には当該ブロックの左側のブロックを消色対象ブロックとし、ブロック内の主走査方向における最後尾の画素(ブロックの右端の画素)が消色対象画素である場合には当該ブロックの右側のブロックを消色対象ブロックとする。また、図8及び図9に示す例では、ブロック内の副走査方向における先頭のライン(ブロックの上端)の画素が消色対象画素である合には当該ブロックの上側のブロックを消色対象ブロックとし、ブロック内の副走査方向における最後尾のライン((ブロックの下端)の画素が消色対象画素である場合には当該ブロックの下側のブロックを消色対象ブロックとする。
さらに、図8及び図9に示す例では、ブロックの左上の画素(ブロック内において主走査方向が先頭かつ副走査方向が先頭ラインの画素)が消色対象画素である場合には当該ブロックの左上側のブロックを消色対象ブロックとし、ブロックの右上の画素(主走査方向が最後尾かつ副走査方向が先頭ライン目)が消色対象画素である場合には当該ブロックの右上のブロックを消色対象ブロックとし、ブロックの左下の画素(主走査方向が先頭かつ副走査方向が最後尾ライン)が消色対象画素である場合には当該ブロックの左下側のブロックを消色対象ブロックとし、ブロックの右下の画素(主走査方向が最後尾かつ副走査方向が最後尾ライン)が消色対象画素である場合には当該ブロックの右下側のブロックを消色対象ブロックとする。
たとえば、図8に示す例では、ブロック内の1画素目(ブロックの左端)に消色対象画素が存在する場合には当該ブロックの左側のブロックを消色対象ブロックとし、ブロック内の1画素目(ブロックの右端)に消色対象画素が存在する場合には当該ブロックの右側のブロックを消色対象ブロックとする。また、図8に示す例では、ブロック内の1ライン目(ブロックの上端)に消色対象画素が存在する場合には当該ブロックの上側のブロックを消色対象ブロックとし、ブロック内の3ライン目(ブロックの下端)に消色対象画素が存在する場合には当該ブロックの下側のブロックを消色対象ブロックとする。
さらに、図8に示す例では、ブロック内の1画素目かつ1ライン目(ブロックの左上)に消色対象画素が存在する場合には当該ブロックの左上側のブロックを消色対象ブロックとし、ブロック内の3画素目かつ1ライン目(ブロックの右上)に消色対象画素が存在する場合には当該ブロックの右上のブロックを消色対象ブロックとし、ブロック内の1画素目かつ3ライン目(ブロックの左下)に消色対象画素が存在する場合には当該ブロックの左下側のブロックを消色対象ブロックとし、ブロック内の3画素目かつ3ライン目(ブロックの右下)に消色対象画素が存在する場合には当該ブロックの右下側のブロックを消色対象ブロックとする。
なお、1つのブロック内に消色対象画素が複数存在する場合、画像処理部67は、各消色対象画素に対する消色対象ブロックを決定し、それらを論理和した結果を当該ブロックの周辺の消色対象ブロックとする。また、消色対象ブロックであることが確定したブロックに対応する位置の消色対象画素については、消色対象ブロックを決定する処理を省略しても良い。たとえば、左側のブロックが既に消色対象ブロックであることが確定している場合、左側のブロックのみが消色対象ブロックに設定されている位置の画素については、消色対象ブロックを決定する処理を省略して良い。
次に、消色用データの第3の生成処理の流れを説明する。
図10は、本実施形態に係る画像消去装置1における消色用データの第3の生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、画像処理部67は、読取部30から用紙の読取画像データを取得する(ACT61)。画像処理部67は、取得した読取画像データを画像メモリ67aに保存する。画像処理部67は、読取画像データを所定の複数画素からなるブロック単位に分割する(ACT62)。各ブロックは、消色用データの解像度に対応する大きさである。たとえば、各ブロックは、読取画像データにおけるn画素×mライン分の画素からなる。ここでは、読取画像データにおけるブロックの総数がa個であるものとする。
読取画像データをブロック単位に分割すると、画像処理部67は、読取画像データにおけるブロックの総数(a個とする)を設定する(ACT63)。読取画像データを所定の複数画素単位で分割したブロックの総数は、消色用データのブロック数(画素データ数)となる。さらに、画像処理部67は、全ブロックのデータを初期値とした画像データを消色用データの初期画像データとして生成する(ACT64)。生成した消色用データの初期画像データは、画像メモリ67aに記憶する。当該消色用データにおいて、各ブロックは、消色対象か否かを示す値となる。各ブロックは、初期値として消色対象でないことを示す値が設定される。当該変数bを初期化(b=0)する(ACT65)。変数bを初期化した後、画像処理部67は、変数bをインクリメント(b=b+1)する(ACT66)。
変数bをインクリメントすると、画像処理部67は、読取画像データにおけるb番目のブロックに消色対象画素が存在する消色対象が含まれるか否かをチェックする(ACT67)。画像処理部67は、読取画像データにおける当該ブロック内に消色対象画素が存在する場合には消色用データにおける当該ブロックを消色対象とする。
読取画像データにおけるb番目のブロックに消色対象画素が存在する場合(ACT67、YES)、画像処理部67は、消色用データにおけるb番目のブロックを消色対象とする。画像処理部67は、消色用データにおけるb番目のブロックのデータを消色対象であることを示す値にする(ACT68)。また、b番目のブロックに消色対象画素が存在する場合(ACT67、YES)、画像処理部67は、b番目のブロック内における消色対象画素の位置に応じて周辺で消色対象とするブロック(周辺の消色対象ブロック)を決定する。b番目のブロックに対する周辺の消色対象ブロックを決定すると、画像処理部67は、消色用データにおいて決定した消色対象ブロックのデータを消色対象であることを示す値にする(ACT69)。
また、読取画像データにおけるb番目のブロック内に消色対象画素が無い場合(ACT67、NO)、画像処理部67は、消色用データにおけるb番目のブロックのデータを変更せずに、ACT70へ進む。たとえば、消色用データにおけるb番目のブロックのデータは、周辺のブロックにより消色対象となる場合には消色対象のままとし、周辺ブロックも非消色対象であれば非消色とする。
b番目のブロック内のチェックが完了すると、画像処理部67は、変数bがaであるか否かを判断する(ACT70)。変数bがaでない場合(ACT70、NO)、画像処理部67は、上述したACT66〜70の処理を繰り返し実行する。また、変数bがaとなった場合、つまり、読取画像データにおける全ブロックに対する消色対象画素のチェックが完了した場合(ACT70、YES)、画像処理部67は、画像メモリ67aに格納した各ブロック内におけるチェック結果に基づいて生成された画像メモリ67a内の消色用データをサーマルヘッド制御部68へ出力する(ACT71)。
上記のように、第3の生成処理では、用紙の読取画像データにおける複数画素を各ブロックに分割し、ブロックごとに消色対象画素の有無をチェックする。ブロックのうち消色対象画素を含むブロックについては、当該ブロックにおける消色対象画素の位置に応じて周辺の消色対象ブロックを決定し、消色対象画素を含むブロックと当該ブロック内の消色対象画素の位置に応じて決定した周辺の消色対象ブロックとを消色領域とする消色用データを生成する。上記のような第3の生成処理で生成された消色用データを用いて消色処理を行うことにより、無駄なエネルギー消費が少なく、かつ、消色画素を確実に消色できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。