JP2012088709A - シート再利用判定装置、画像処理装置、シート再利用判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートの消去状態の確認作業を行う必要がなくなり、もってユーザの利便性を向上させる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】シート再利用判定装置は、消色性着色剤により画像形成されたシートの消色処理後の再利用可否判定を行うシート再利用判定装置であって、画像データ取得部11と、濃度情報取得部12と、判定部13とを有する。画像データ取得部は、判定の対象となるシートから読み取られる画像データを取得する。濃度情報取得部は、画像データ取得部にて取得される画像データを、それぞれ均等な面積を有するマス目に区分し、それぞれのマス目の領域内に存在する各画素の値に基づき、マス目を単位とした濃度レベルの値をマス目ごとに取得する。判定部は、濃度情報取得部にて取得されるマス目ごとの濃度レベルの値に基づき、シートの再利用可否の判定を行う。
【選択図】図2
【解決手段】シート再利用判定装置は、消色性着色剤により画像形成されたシートの消色処理後の再利用可否判定を行うシート再利用判定装置であって、画像データ取得部11と、濃度情報取得部12と、判定部13とを有する。画像データ取得部は、判定の対象となるシートから読み取られる画像データを取得する。濃度情報取得部は、画像データ取得部にて取得される画像データを、それぞれ均等な面積を有するマス目に区分し、それぞれのマス目の領域内に存在する各画素の値に基づき、マス目を単位とした濃度レベルの値をマス目ごとに取得する。判定部は、濃度情報取得部にて取得されるマス目ごとの濃度レベルの値に基づき、シートの再利用可否の判定を行う。
【選択図】図2
Description
この明細書に記載の実施形態は、シートに形成される像を消去してシートを再利用する技術に関する。
省エネや地球環境CO2の削減の観点で、シートの再利用が重要になってきている。
その中で、熱処理によって消去可能なトナーやインクを用いて印刷処理した後のシートに対し、像を消去して再度印刷可能なシートに変える技術がある。
消去可能な回数には限界があり、印刷状態により再生回数が変わってくる。たとえば一面を黒で印刷したシートを熱処理で像を消すことを繰り返す場合は再生回数が少なくなり、一方シートの一部しか使わず、印刷密度が小さいシートは再生回数が増える。消去処理後のシートに残像があるか否かを判定する場合、従来技術では上記観点での処理はなされていない。
本実施形態は上述した問題点を解決するためになされたものであり、消去処理後のシート状態(残存トナーの濃度値やシート上の位置等)を判定し、再利用可能か否かを判定することができる技術を提供することを目的とする。
シート再利用判定装置は、消色性着色剤により画像形成されたシートの消色処理後の再利用可否判定を行うシート再利用判定装置であって、画像データ取得部と、濃度情報取得部と、判定部とを有する。画像データ取得部は、判定の対象となるシートから読み取られる画像データを取得する。濃度情報取得部は、画像データ取得部にて取得される画像データを、それぞれ均等な面積を有するマス目に区分し、それぞれのマス目の領域内に存在する各画素の値に基づき、マス目を単位とした濃度レベルの値をマス目ごとに取得する。判定部は、濃度情報取得部にて取得されるマス目ごとの濃度レベルの値に基づき、シートの再利用可否の判定を行う。
本実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、所定の定着温度(約80〜130℃の範囲内の温度)でシートに定着し、また定着温度よりも高い温度で加熱すると無色になる消去用トナー(消色性着色剤)を用いる。また本実施形態では、モノトーン調のシートに対し消去処理を行うものとして説明するが、カラー色にも適用可能である。
図1は、本実施形態の画像処理装置を示す図である。画像処理装置100は、制御ボード1(シート再利用判定装置)、熱処理部2、スキャン部3、搬送経路切替え部4を有し、また再利用トレイ5A、廃棄トレイ5B、印刷部6、パネル部7、給紙トレイTS、排出トレイTEを有する。また図1の矢印線は、シートの搬送順路を示している。
制御ボード1は、画像処理装置100のハードウェアを統括制御するユニットであり、演算処理装置(たとえばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit))であるプロセッサ51、揮発性、不揮発性の記憶装置で構成されるメモリ52(記憶部、記憶装置)を有する。プロセッサ51は、画像処理装置100の各種処理を行う役割を有しており、またメモリ52に格納されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。メモリ52は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)、HDD(Hard disk drive)等から構成されることができ、画像処理装置100で利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。またメモリ52は、不揮発性に記憶させておく必要のあるデータやプログラムを記憶する。これらプロセッサ51、メモリ52を用いて実現される機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)による実装で実現されてもよい。本実施形態では、制御ボード1でシート再利用の可否判定が行われる(詳細は後述)。
熱処理部2は、加熱ローラや加圧ローラのローラ対を有する構成であり、給紙トレイTSより給紙される、印刷済みのシートに対して加熱処理を行うことで、シート上に形成されている像の消去処理を実施する。スキャン部3は、ラインスキャナを有する構成であり、熱処理部2で消去処理が行われた後のシートをスキャンし、当該シート上に形成されている残像の画像データを作成してメモリ52に記憶させる。
搬送経路切替え部4は、制御ボード1により動作制御される経路切替え用フラッパを有する構成であり、当該フラッパにより、消去処理やスキャン処理されたシートを再利用トレイ5Aまたは廃棄トレイ5Bのいずれに排出するかの経路切替えを行う。再利用トレイ5Aには、制御ボード1により再利用可能と判定されたシートが搬送され、廃棄トレイ5Bには、再利用不可と判定されたシートが搬送され、そのまま蓄積される。
印刷部6は、給紙ローラ等の搬送ローラやCCDラインセンサ、感光体ドラム、定着装置等を有する構成であり、再利用トレイ5Aに搬送されたシートを取得して、CCDラインセンサで読み取られた原稿像や外部より送信されるデータを当該シート上に形成する。印刷部6の印刷処理後のシートは、排出トレイTEに排出される。
パネル部7は、タッチパネルディスプレイやキーボードを有する構成であり、ユーザからのパラメータの指定や処理の実行指示を受け付け、またユーザに処理の進行状況や画像処理装置100の状態を表示する。また本実施形態では、「再利用ボタン」がユーザにより押下される場合に、給紙トレイTSに設置された印刷済みシートが画像処理装置1の本体部に給紙される。
制御ボード1は、スキャン部3でスキャンされた画像データ、すなわち熱処理部2により消去処理が行われた後の画像データを縦横の格子状のマスに分割して、各々のマスごとに残像の濃度レベルを示すポイントを算出し、判定する。この判定で、規定値を超えている場合は再利用不可能なシートとし、そうでなければ再利用可能なシートとする。図2は、この動作を実現するための制御ボード1の構成例を示すブロック図である。制御ボード1は、画像データ取得部11、濃度情報取得部12、判定部13、切替え制御部14の各ユニットを有する。これら各ユニットは、予めメモリ52に記憶されているプログラムをプロセッサ51が演算実行することで実現される。尚、上述の通りASICでの実装でもよい。
画像データ取得部11は、再利用可否判定の対象となるシートから読み取られる画像データをメモリ52から取得する。この画像データは、消去処理された後のシートがスキャン部3によりスキャンされたデータである。濃度情報取得部12は、画像データ取得部11によって取得される画像データを、それぞれ均等な面積を有するマス目に区分し、それぞれのマス目の領域内に存在する各画素の値に基づき、マス目を単位とした濃度レベル値(以下、黒ポイントと称す)を取得する。この際、黒ポイントはマス目ごとに取得される。
判定部13は、濃度情報取得部12によって取得されるマス目を単位とした黒ポイントに基づき、シートの再利用可否の判定を行う。切替え制御部14は、当該シートを再利用トレイ5Aまたは廃棄トレイ5Bのいずれに搬送するかの制御信号を、判定部13での再利用可否判定の結果に応じて搬送経路切替え部4に出力する。
ここで、濃度情報取得部12が用いる格子状のマスのパターンを図3に示す。本実施形態では、マスそれぞれが均等な面積を有する格子パターンを用い、30×30(図3(A))、10×10(図3(B))、5×5(図3(C))の3つの格子パターンを用いる。これら格子パターンの情報は予めメモリ52に記憶されている。このように、マス目のサイズの異なる複数の格子パターンを用いることで、複合的な判断が可能となる。すなわち、マスを大きくすることで単位面積当たりのトナー残存の度合いを把握することができ、マスを小さくすることで局所的なトナー残存の度合いを把握することができる。また、マスの形は長方形でもよく、正方形でもよい。マスの数はこれに拘わらず、1つのマスでもよい。
また本実施形態では、マス内の黒色の度合い、すなわち白色から黒色までの階調値を段階的にレベル分けして区分し、この区分ごとに黒ポイントを設ける。この黒ポイントの一例を図4に示す。本実施形態では、白色に近い程低いポイント値(最小値が0)となり、黒色になるにつれて高いポイント値(最大値が5)となる。レベル数はこれに限らず、また例えば黒ポイント2の階調範囲を広く、黒ポイント5の階調範囲を狭く等、レベルごとに重み付けを行ってもよい。この階調値の範囲と黒ポイントとの対応は、メモリ52に事前に記憶されている。
濃度情報取得部12は、黒ポイントをマス目ごとに算出する。黒ポイントは以下のように算出される。
1.マス目単位で画素値(0〜255の階調値)を集計し、マス目内の面積(マス目内の画素の数)で集計値を除算して、マス目ごとの平均値を算出する。
2.平均値に相応する黒ポイントを導出する。
1.マス目単位で画素値(0〜255の階調値)を集計し、マス目内の面積(マス目内の画素の数)で集計値を除算して、マス目ごとの平均値を算出する。
2.平均値に相応する黒ポイントを導出する。
次に判定部13が用いる判定基準値(所定の閾値)について、図5を参照しつつ説明する。本実施形態では、上記黒ポイントを利用して、30×30、10×10、5×5の格子パターンごとに判定基準値を事前に設け、メモリ52に記憶させる。30×30の格子パターンについての判定基準値の一例を図5(A)に示し、10×10の格子パターンについての判定基準値を図5(B)、5×5の格子パターンについての判定基準値を図5(C)に示す。各図のA〜Eで示す基準値は、以下を意味する。
A:黒ポイント(上記参照)。
B:マスの最大個数 :黒ポイントごとの最大マス個数。
C:シートの黒ポイント :「A:黒ポイント」と「B:マスの最大個数」を掛け合わせた値。
D:再利用可能シート最大黒ポイント:利用可能と判断するための指標値であり、本実施形態では、上記Cの最小値とする。
E:隣り合うマスの最大黒ポイント:黒ポイントのマスが隣り合って存在するとき、そのマスの塊の黒ポイントの最大値。
A:黒ポイント(上記参照)。
B:マスの最大個数 :黒ポイントごとの最大マス個数。
C:シートの黒ポイント :「A:黒ポイント」と「B:マスの最大個数」を掛け合わせた値。
D:再利用可能シート最大黒ポイント:利用可能と判断するための指標値であり、本実施形態では、上記Cの最小値とする。
E:隣り合うマスの最大黒ポイント:黒ポイントのマスが隣り合って存在するとき、そのマスの塊の黒ポイントの最大値。
判定部13は少なくとも「D:再利用可能シート最大黒ポイント」を判定の基準値(所定の閾値)として処理し、マス目ごとに算出された黒ポイントを全て集計し、集計値と「D:再利用可能シート最大黒ポイント」の基準値とを比較することで当該シートの再利用の可否を判定する。
また消去不良の残像が複数のマス目にまたがっている場合、またがるマス目の個数が多いと後に印字する内容の識別性に影響を与える可能性が高いため、本実施形態では重み付け(補正)を行う。残像が複数のマス目をまたいでいる場合、高めの黒ポイントが互いに隣接することとなる。この場合、本実施形態では両者の黒ポイントについてはさらに補正値を加える実装とする。図6(A)は30×30、図6(B)は10×10、図6(C)は5×5の格子パターンの補正値(カッコ内に示されている数値)について示した図であり、互いに隣接している黒ポイントの値を縦軸および横軸に示した図である。
一例として、図6(A)の30×30の格子パターンを用いた補正処理について説明する。30×30の格子パターンにおいて、例えば黒ポイントの値が4であるマスに隣接するマスの黒ポイントが3である場合、本来、この2マス分の集計値は7(3+4=7)となるが、本実施形態では、補正値(+0.5)がさらに加算されて7.5となる。同様に、黒ポイントが5のマスと黒ポイントが4のマスとが隣接している場合、2マス分の集計値9にさらに補正値(+2)が加わって11となる。このように、隣接しているマス目の黒ポイントの合計が、規定値(図6(A)の例では6)を超えて7〜9である場合、当該2つのマスの黒ポイントについてはさらに補正値を加算する。
また粗いマス目の格子パターンと細かいマス目の格子パターンの双方で同じ黒ポイントの場合でも、粗いマス目は面積が広い分濃度にムラがある可能性が高いが、細かいマス目はマス目内の領域全体がベタである可能性が高く、消し残しと認識されやすいと考えられる。このことから、粗いマス目の格子パターンになるほど重み付けの影響を少なくする。本実施形態では、30×30の細かいマス目の格子パターンついては、隣接する黒ポイントの集計値が7以上となる場合から補正値を加え(図6(A)参照)、10×10の格子パターンについては、集計値が8以上となる場合から補正値を加えるようにする(図6(B)参照)。また5×5の粗いマス目の格子パターンについては、図6(C)に示すように補正値を加算しない。
また判定部13は、残像のシート上位置に応じた補正処理も行う。この実装例を図7を参照しつつ説明する。
FAX送付状の書式や帳票の書式等では、送付先や送付元の情報等、必要な情報がシートの左上部、右上部に形成される場合が多く、一方、シートの左下部や右下部は余白になる可能性が高い。またドキュメントの場合、上部から下部へ記述されていくため、左下部や右下部は余白になる可能性が高い。以上より判定部13は、形成されるシート(印刷部6で印刷されるシート)において、左下部、右下部に位置するマス目の黒ポイントは、図7に示すように数値が減になるように補正を行う。本実施形態では、30×30の格子パターンでは、シートの左下部領域に含まれるマス目の黒ポイントの合計値が30以上である場合は、合計値から10減算し、シートの右下部領域に含まれるマス目の黒ポイントの合計値が30以上である場合は、合計値から15減算する。10×10、5×5の格子パターンでも同様に、シートの左下部領域、右下部領域に含まれるマス目の黒ポイントについては、その合計値に対し図7で示す値で減算する。
図8〜図10は、シート上に「テスト」という消去不良の像が依然として形成されている場合の例である。尚、図面上明確に示されていないが、図8〜図10に示す「テスト」の残像において、「テ」の領域は消去しきれておらず、「ト」の領域に向かうにつれ、像が比較的消去されているものとする。図8(A)は、再利用可否判定の対象シートに30×30のマス目を設けた図であり、図8(B)は、30×30のマス目での黒ポイントの算出値を示した図である。尚、数値のないマス目は、値が0となっている。図9(A)、図9(B)も同様に、対象シートに10×10のマス目を設けた図、および黒ポイントの値を示す図であり、図10(A)、図10(B)は、対象シートに5×5のマス目を設けた図、および黒ポイントの値を示す図である。また図8(A)、図9(A)、図10(A)では、図7で説明した領域の一例を太い破線で示している。
30×30のマスでは、図6の補正を考慮しない素の黒ポイント合計値は128となる。また一方、「テスト」の文字の「テ」の部分については、図6に示す補正により、
・4行目:5と4とが隣接しており、2加算
・6行目:5と4とが隣接しており、2加算
(6行目では4と4も隣接しているが、マス目が重複する場合、本実施形態では黒ポイントの大きい方を優先的に処理する。)
・9行目の5とA行目の2とが隣接しており、0.5加算
となり、補正値として4.5が加算される。よって、図6の補正を考慮した黒ポイントの合計値は132.5(=128+4.5)となる。この値は図5(A)の「D:再利用可能シート最大黒ポイント」の値(=250)以下となる。また10×10のマスでは黒ポイントの合計値は8となり(各黒ポイントの値が低いため図6の補正の対象とならない)、「D:再利用可能シート最大黒ポイント」の値(=40)以下となる。5×5のマスでは黒ポイントの合計値は1となり「D:再利用可能シート最大ポイント」の値(=5)以下となる。また本例では、シートのエリア別黒補正(図7で説明した補正)は行われない。これら全ての条件が満たされているため、当該シートは再利用可能と判断され、再利用トレイ5Aに搬送される。
・4行目:5と4とが隣接しており、2加算
・6行目:5と4とが隣接しており、2加算
(6行目では4と4も隣接しているが、マス目が重複する場合、本実施形態では黒ポイントの大きい方を優先的に処理する。)
・9行目の5とA行目の2とが隣接しており、0.5加算
となり、補正値として4.5が加算される。よって、図6の補正を考慮した黒ポイントの合計値は132.5(=128+4.5)となる。この値は図5(A)の「D:再利用可能シート最大黒ポイント」の値(=250)以下となる。また10×10のマスでは黒ポイントの合計値は8となり(各黒ポイントの値が低いため図6の補正の対象とならない)、「D:再利用可能シート最大黒ポイント」の値(=40)以下となる。5×5のマスでは黒ポイントの合計値は1となり「D:再利用可能シート最大ポイント」の値(=5)以下となる。また本例では、シートのエリア別黒補正(図7で説明した補正)は行われない。これら全ての条件が満たされているため、当該シートは再利用可能と判断され、再利用トレイ5Aに搬送される。
次に画像処理装置100の動作例を図11のフローチャートに示す。まずユーザは、画像形成装置100の給紙トレイTSに印刷済みのシートをセットして、パネル部7の再利用ボタンを押下する。このボタンの押下をトリガとして、給紙トレイTSに搭載された印刷済みのシートは画像処理装置100の本体部に給紙される(ACT1)。熱処理部2は、給紙されたシートを加熱することで、シート上に形成されている像の消去処理を行う(ACT2)。スキャン部3は、熱処理部2により消去処理された後のシートをスキャンし、画像データを制御ボード1のメモリ52に記憶させる(ACT3)。
制御ボード1の画像データ取得部11は、スキャン部3によってスキャンされた画像データをメモリ52から取得し、濃度情報取得部12は、画像データ取得部11により取得される画像データを、図3で示す30×30マス、10×10マス、5×5マスに区分し、マス目の領域内に存在する各画素の値に基づき、マス目を単位とした黒ポイントをマス目ごとに取得する(ACT4)。本実施形態では、上記通り、マス目の領域内の画素値を合算させ、それを領域面積に均した平均値を算出して、この平均値に応じた区分値を当該マスの黒ポイントとする。尚、この手法以外にも様々な態様が考えられる。
判定部13は、濃度情報取得部12により取得されるマス目ごとの黒ポイントに基づき、消色処理の成否判定を行う(ACT5)。切替え制御部14は、判定部13による判定結果に応じた制御信号を、搬送経路切替え部4に出力する。すなわち切替え制御部14は、判定部14によって再利用可能と判定される場合、シートが再利用トレイ5Aに搬送されるように搬送経路切替え部4に制御信号を出力し、再利用不可と判定される場合、シートが廃棄トレイ5Bに搬送されるように搬送経路切替え部4に制御信号を出力する。この制御信号に基づき、搬送経路切替え部4は、フラッパの方向を切替えて、再利用トレイ5Aまたは廃棄トレイ5Bのいずれかのトレイへシートを搬送する(ACT6)。
印刷部6は、原稿データを取得して、再利用トレイ5Aに搬送されるシートに原稿データの像を形成する(ACT7)。原稿データは、外部機器(例えばパーソナルコンピュータ)から送信されるデータでもよいし、また印刷用ガラス板に配置された原稿シートをスキャンしたデータでもよい。またFAX通信を介して取得するデータでもよい。
印刷部6により印刷されたシートは、排出トレイTEに排出される(ACT8)。
ACT5での判定処理について、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。各格子パターンでの黒ポイントが算出された後(図11のACT4)、判定部13は、格子パターンごとに黒ポイントを集計する(ACT11)。このとき判定部13は、図6、図7で説明した補正処理も行う。判定部13は、この集計値(補正含む)が最大黒ポイント(図5の「D:再利用可能シート最大黒ポイント」)以下であるかを判定する(ACT12)。例えば30×30マスの場合、黒ポイントの集計値(補正含む)が250以下であるかが判定される。最大黒ポイントを超えている場合(ACT12、No)、判定部13は、当該シートを再利用不可シートと判定する(ACT15)。
一方、最大黒ポイント以下である場合(ACT12、Yes)、判定部13は、隣接した最大の黒ポイント(図5の「E:隣り合う黒格子の最大黒ポイント」)以下であるかを判定する(ACT13)。例えば30×30マスの場合、黒ポイントの集計値(補正含む)が250以下であるかが判定される。隣接した最大の黒ポイントを超えている場合(ACT13、No)、判定部13は、当該シートを再利用不可シートと判定する(ACT15)。一方、隣接した最大の黒ポイント以下である場合(ACT13、Yes)、当該シートを再利用可能シートと判定する(ACT14)。
上記例で、判定部13は30×30マス、10×10マス、5×5マスの格子パターンそれぞれについて、ACT12、ACT13の判定処理を実行する。また判定部13は、否判定の格子パターンが1つでもあれば、再利用不可シートと判定するものとする。尚、マス目が細かい場合は高い処理負荷となるため、シートに対し全ての格子パターンを用いて判定処理を行うと、オーバースペックとなる可能性がある。よって、まずは粗い格子パターン、本例では5×5マスのパターンを用いて判定を行い、当該判定が否判定である場合に10×10マスの格子パターンを用いて判定を行い、同様に、10×10マスで否判定の場合は細かい格子パターンである30×30マスを用いて判定を行う実装でもよい。このように、ゆるい判定から厳しい判定に段階的に移行させることで、処理負荷を軽減できる。
本実施形態では、判定部13は少なくとも「D:再利用可能シート最大黒ポイント」を判定の基準値(所定の閾値)として処理しているが、これ以外の実装でもよい。ここでは一例として「B:マスの最大個数」を判定基準として処理する実装について説明する。30×30マスの場合(図5(A)参照)、判定部13は、黒ポイントの値が1となるマスが1シート内700個を超えている場合に再利用不可と判定し、また例えば黒ポイントの値が4となるマスが1シート内70個を超えている場合に再利用不可と判定する。このように、各黒ポイント個数のうち、いずれか1つでも判定基準値を超えている場合、判定部13は再利用不可と判定し、全ての黒ポイント個数が判定基準値以下である場合は再利用可能と判定する。
また本実施形態では、30×30マス、10×10マス、5×5マスの3つの格子パターンそれぞれを用いて区分し、格子パターンごとに、マスごとの黒ポイントを算出しているが、態様を限定するものではなく、1つの格子パターンのみを用い、当該格子パターンのみの黒ポイントを算出する実装でもよい。
また図12のACT13の処理では、他の実装も適用させることができる。例えば隣接している2マスの黒ポイントの合計値が規定値を超える場合、判定部13は、そのマスの数をカウントする。そのカウント値が「E:隣り合うマスの最大黒ポイント」を超える場合(ACT13、No)、判定部13は再利用不可シートとして判定し(ACT15)、「E:隣り合うマスの最大黒ポイント」以下の場合(ACT13、Yes)、再利用可能シートと判定する(ACT14)。
尚、切替え部は、切替え制御部14および搬送経路切替え部4に対応する。
本実施形態のように、消去処理後のシート上に消去不良の残像があるかをマス目に区切ってチェックすることで、シートの再利用の可否を判定することができる。
以上に詳述したように、この明細書に記載の技術によれば、消去状態の確認作業を行う必要がなくなり、もってユーザの利便性を向上させる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
1 制御ボード、2 熱処理部、3 スキャン部、4 搬送経路切替え部、5A 再利用トレイ、5B 廃棄トレイ、6 印刷部、7 パネル部、11 画像データ取得部、12 濃度情報取得部、13 判定部、14 切替え制御部、100 画像処理装置、TS 給紙トレイ、TE 排出トレイ。
Claims (8)
- 消色性着色剤により画像形成されたシートの消色処理後の再利用可否判定を行うシート再利用判定装置であって、
前記判定の対象となるシートから読み取られる画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部にて取得される画像データを、それぞれ均等な面積を有するマス目に区分し、それぞれのマス目の領域内に存在する各画素の値に基づき、マス目を単位とした濃度レベルの値を前記マス目ごとに取得する濃度情報取得部と、
前記濃度情報取得部にて取得されるマス目ごとの濃度レベルの値に基づき、前記シートの再利用可否の判定を行う判定部と、
を備えるシート再利用判定装置。 - 請求項1に記載のシート再利用判定装置において、
前記判定部は、マス目ごとの濃度レベルの値を合算し、該合算値と所定の閾値とを比較することで再利用可否の判定を行うシート再利用判定装置。 - 請求項1または2に記載のシート再利用判定装置において、
前記マス目の細かさは複数種類のパターンがあり、
前記濃度情報取得部は、前記複数種類のパターンごとに、マス目を単位とした濃度レベルの値を取得し、
前記判定部は、前記マス目を単位とした濃度レベルの値を、前記複数種類のパターンごとに取得して再利用可否の判定を行うシート再利用判定装置。 - 請求項1または2に記載のシート再利用判定装置において、
前記マス目の細かさは複数種類のパターンがあり、
前記濃度情報取得部は、前記判定部による粗いマス目を用いた成否判定が否である場合、前記粗いマス目よりも細かいマス目のパターンを用いて、マス目を単位とした濃度レベルの値を取得し、
前記判定部は、前記濃度情報取得部にて取得される細かいマス目ごとの濃度レベルの値に基づき、再利用可否の判定を行うシート再利用判定装置。 - 請求項2に記載のシート再利用判定装置において、
前記判定部は、隣接している2つのマス目の濃度レベル値の合計が、規定値を超えている場合、該2つのマス目についてはさらに補正値を加算して、前記合算値を算出するシート再利用判定装置。 - 請求項2に記載のシート再利用判定装置において、
前記判定部は、前記シート上のマス目の位置に応じて、該マス目の濃度レベル値を補正して該補正後の濃度レベルの値を合算し、該合算値と所定の閾値とを比較するシート再利用判定装置。 - 記憶部と、
消色性着色剤により画像が形成されたシートに対し加熱処理することで、前記画像の消去処理を行う熱処理部と、
前記熱処理部による処理が行われた後のシートを読み取り、該シートの画像データを作成して前記記憶部に記憶させるスキャン部と、
前記スキャン部で作成された画像データを前記記憶部から取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部にて取得される画像データを、それぞれ均等な面積を有するマス目に区分し、それぞれのマス目の領域内に存在する各画素の値に基づき、マス目を単位とした濃度レベルの値を前記マス目ごとに取得する濃度情報取得部と、
前記濃度情報取得部にて取得されるマス目ごとの濃度レベルの値に基づき、前記シートの再利用可否の判定を行う判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、排出先を切り替える切替え部と、
を有する画像処理装置。 - 消色性着色剤により画像形成されたシートの消色処理後の再利用可否判定を行う装置のシート再利用判定方法であって、
前記判定の対象となるシートから読み取られる画像データを、記憶装置から取得し、
前記記憶装置から取得される前記画像データを、それぞれ均等な面積を有するマス目に区分し、それぞれのマス目の領域内に存在する各画素の値に基づき、マス目を単位とした濃度レベルの値を前記マス目ごとに取得し、
取得される前記マス目ごとの濃度レベルの値に基づき、前記シートの再利用可否の判定を行う
シート再利用判定方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US39454910A | 2010-10-19 | 2010-10-19 | |
US61/394,549 | 2010-10-19 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012088709A true JP2012088709A (ja) | 2012-05-10 |
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ID=46260332
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2011226779A Pending JP2012088709A (ja) | 2010-10-19 | 2011-10-14 | シート再利用判定装置、画像処理装置、シート再利用判定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012088709A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014137555A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-28 | Toshiba Corp | 画像消去装置 |
-
2011
- 2011-10-14 JP JP2011226779A patent/JP2012088709A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014137555A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-28 | Toshiba Corp | 画像消去装置 |
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