JP2014133371A - 射出成形方法および射出成形装置 - Google Patents

射出成形方法および射出成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金型の型開き後に、ベースフィルムを破らずに第1型の凹部から離すことができ、ベースフィルムの破片による異物不良の発生防止と、フィルムの位置決め精度向上と、成形品の外観品位向上を図ることができる射出成形方法を提供する。
【解決手段】張力を作用させたフィルム10の表面が第1型31のパーティング面31aに対して傾斜するように、第1型31と第2型との間でフィルム10を走行させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形品を射出成形するときに、成形品の成形と同時に、その成形品の表面に加飾膜や機能性膜等の転写膜を転写する射出成形方法および射出成形装置に関する。
従来より、成形品の成形と同時に、その成形品の表面に加飾膜や機能性膜等の転写膜を転写する射出成形が行われている。このような射出成形は、一般的に、下記の手順で行う。
まず、ベースフィルム上に加飾膜や機能性膜の転写膜が積層されてなるフィルムを、金型(成形型)を構成する第1型と第2型との間に、金型の上手側から送って配置する。このとき、第1型のパーティング面(金型パーティング面)と、張力を作用させたフィルムの表面(平面)とが平行になるようにする。
次に、第1型のパーティング面に、クランプ治具によってフィルムを固定した後、第1型の凹部の内側の面(成形面)へフィルムを吸着して、第1型の成形面にフィルムができるだけ沿うようにする。
次に、第2型を第1型へ向けて移動させて、第1型と第2型からなる金型を型締めする。このとき、第1型と第2型とクランプ治具が密着して、所定形状のキャビティが形成される。
次に、型締めされた金型に形成された所定形状のキャビティ内に溶融樹脂を所定量だけ射出した後、その射出された溶融樹脂を冷却して固化する。これにより、所定形状の成形品が成形される。また同時に、ベースフィルムに積層されていた転写膜が成形品の表面に転写される。
その後、一定時間の冷却期間が経過した後に、第2型を第1型から離して、第1型と第2型からなる金型を型開きし、成形品を取り出す。そして、クランプ治具を第1型のパーティング面から離し、フィルムを金型の下手側へ送ることにより、第1型の凹部からベースフィルムを離す。
フィルムは、金型の上手側に配置されたフィルム巻き出し装置内の軸にロール状に巻回されており、そのロール状に巻回されたフィルムが、金型の下手側に配置されたフィルム巻き取り装置内の軸に掛け渡されている。ロール状に巻回されたフィルムをフィルム巻き出し装置から送り出し、フィルム巻き取り装置で巻き取るときには、フィルムに所定の張力がかかるように、フィルム巻き出し装置内の軸とフィルム巻き取り装置内の軸を個別のモータにより回転させる。
以上のように、樹脂材料を射出成形するための成形型を構成する第1型と第2型との間に、ベースフィルム上に加飾膜や機能性膜が積層されてなるフィルムを入れた後に、成形型を型締めして、成形型内に封入されたフィルム上に溶融樹脂を射出することで、高精度な射出成形品を成形すると同時に、加飾膜や機能性膜を成形品上に転写させることができる。
以上説明した射出成形の一例が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、成形品を射出成形するときに、絵柄が印刷された加飾膜がベースフィルム上に積層されてなるフィルムを用いて、成形品の成形と同時に、その成形品の表面に加飾膜(絵柄)を転写する射出成形方法および射出成形装置が記載されている。図10は、特許文献1に記載された射出成形装置の断面図である。
図10に示す射出成形装置は、まず、絵柄が印刷された加飾膜がベースフィルム上に積層されてなるフィルム100を第1型201と第2型202との間で走行させて、第1型201と第2型202との間において絵柄を位置決めする。
次に、図10に示す射出成形装置は、第1型201のパーティング面に、クランプ治具203によってフィルム100を固定した後、第1型201の凹部の内側の面(成形面)へフィルム100を吸着して、第1型201の成形面にフィルム100ができるだけ沿うようにする。
次に、図10に示す射出成形装置は、第1型201と第2型202からなる金型を型締めし、型締めされた金型に形成されたキャビティ204内に溶融樹脂を射出した後、その射出された溶融樹脂を冷却して固化する。これにより、成形品300が成形されると同時に、その成形品300の表面に絵柄が転写される。
その後、図10に示す射出成形装置は、第1型201と第2型202からなる金型を型開きして、成形品300を取り出す。次に、図10に示す射出成形装置は、クランプ治具203を第1型201のパーティング面から離した後、図示しないフィルム巻き取り装置内の軸にフィルム100を巻き取ることにより、第1型201の凹部からベースフィルムを離して、フィルム100を金型の下手側へ送る。
図10に示す射出成形装置も、第1型201と第2型202との間でフィルム100を走行させるとき、張力を作用させたフィルム100の表面(平面)が、第1型201のパーティング面(金型パーティング面)と平行になるようにしている。
以上のように、フィルムは、溶融樹脂の射出前に、第1型のパーティング面にクランプ治具で固定され、吸着によって第1型の凹部内へ引っ張られるのが一般的である。このため、フィルムは部分的に引き伸ばされる。
特開平7−60791号公報
しかしながら、上記した従来の射出成形では、成形品が深絞り形状の場合、ベースフィルムは、吸着により第1型の凹部形状に沿うように引き伸ばされた後、さらに樹脂の射出圧により、第1型の凹部形状に追従して第1型の凹部の内側の面に密着するように引き伸ばされるため、弾性限界を超えて伸ばされて、局所的に薄くなり過ぎることがある。この場合、金型の型開き後、第1型の凹部からベースフィルムを取り出す際に、フィルムに急激に力を加えると、ベースフィルムの薄くなり過ぎた部分に加わる力(衝撃力)が限界応力を超えて、ベースフィルムが破れ(破断し)、破片が金型内に飛散して、その破片が次ぎ以降の射出成形時に異物不良を引き起こすことがある。さらに、金型の型開き後、第1型の凹部からベースフィルムを剥がすときに、第1型とベースフィルムとの間の静電気による密着力に起因して、ベースフィルムの薄くなった部分に加わる応力が限界応力を超えて、ベースフィルムが破れることもある。異物不良としては、例えば、ベースフィルムの破片が成形品に異物として混入する不良等がある。
以上のように、第1型の凹部形状に追従するようにベースフィルムを引き伸ばすことは、異物不良の原因となっていた。また、ベースフィルムの破れ(破断)は、フィルムの送り時(巻き取り時)にフィルム内で張力のバラツキを生じさせるため、フィルムの巻きズレや絵柄等の位置ズレを引き起こし、フィルムの位置決め精度を悪化させる。よって、ベースフィルムの破れは、成形品の外観品位が損なわれる原因ともなる。なお、転写膜が加飾膜(絵柄)でなくとも、転写膜がベースフィルム上に部分的(断続的)に積層されている場合には、ベースフィルム上の各転写膜を、射出成形ごとに、第1型と第2型との間で適切な位置に配置する必要があり、高精度なフィルムの位置決めが要求される。
本発明は、金型の型開き後に、ベースフィルムを破らずに第1型の凹部から離すことができ、ベースフィルムの破片による異物不良の発生防止と、フィルムの位置決め精度向上と、成形品の外観品位向上を図ることができる射出成形方法および射出成形装置を提供することを目的とする。
本発明の射出成形方法の一側面は、ベースフィルム上に転写膜が積層されてなるフィルムを、第1型と第2型との間で走行させて、前記第1型と前記第2型との間において前記フィルムを位置決めした後、前記第1型と前記第2型を型締めし、前記フィルムを挟み込んだ前記第1型と前記第2型とにより形成されるキャビティ内に樹脂を射出して、前記転写膜が転写された成形品を成形した後、前記第1型と前記第2型を型開きし、その後、前記ベースフィルムを前記第1型から離す射出成形方法において、張力を作用させた前記フィルムの表面が前記第1型のパーティング面に対して傾斜するように前記第1型と前記第2型との間で前記フィルムを走行させることである。
また、本発明の射出成形方法の他の側面の一つは、前記フィルムに張力を作用させて、前記ベースフィルムを前記第1型から離すことである。
また、本発明の射出成形方法の他の側面の一つは、前記フィルムに作用させる張力を多段階で強くして、前記ベースフィルムを前記第1型から離すことである。
また、本発明の射出成形方法の他の側面の一つは、前記フィルムを微小移動させて、前記ベースフィルムを前記第1型から離すことである。
また、本発明の射出成形方法の他の側面の一つは、前記フィルムに張力を作用させ、その張力から前記フィルムを解放する動作を繰り返して、前記ベースフィルムを前記第1型から離すことである。
本発明の射出成形装置の一側面は、ベースフィルム上に転写膜が積層されてなるフィルムを送り出す送り出し部と、前記送り出し部から送られた前記フィルムを巻き取る巻き取り部と、第1型と第2型を有し、前記送り出し部から送り出され、前記巻き取り部により巻き取られる前記フィルムが前記第1型と前記第2型との間で走行するように配置され、前記第1型と前記第2型との間において前記フィルムが位置決めされると前記第1型と前記第2型を型締めし、前記フィルムを挟み込んだ前記第1型と前記第2型とにより形成されるキャビティ内に樹脂を射出して、前記転写膜が転写された成形品を成形した後、前記第1型と前記第2型を型開きする成形部と、を備え、前記第1型と前記第2型が型開きした後、前記ベースフィルムを前記第1型から離す射出成形装置において、前記第1型と前記第2型との間で前記フィルムが走行するとき、前記送り出し部と前記巻き取り部により張力を作用させた前記フィルムの表面が前記第1型のパーティング面に対して傾斜することである。
また、本発明の射出成形装置の他の側面の一つは、前記送り出し部が、前記フィルムの送り出し量を決める送り出し軸と、前記送り出し軸の回転に前記フィルムが追従するように前記フィルムを前記送り出し軸に押さえつけることが可能な送り出しピンチローラと、を備え、前記巻き取り部が、前記フィルムに作用させる張力を決める引き込み軸と、前記引き込み軸の回転に前記フィルムが追従するように前記フィルムを前記引き込み軸に押さえつけることが可能な引き込みピンチローラと、を備えることである。
本発明によれば、金型の型開き後に、ベースフィルムを破らずに第1型の凹部から離すことができ、ベースフィルムの破片による異物不良の発生防止と、フィルムの位置決め精度向上と、成形品の外観品位向上を図ることができる。
本発明の実施の形態における射出成形装置の構成の概略を示す斜視図 本発明の実施の形態における射出成形装置の前半の動作の一例を側面から見た概略断面図 本発明の実施の形態における射出成形装置の後半の動作の一例を側面から見た概略断面図 本発明の実施の形態における射出成形装置の前半の動作の一例を第1型の天面から見た概略断面図 本発明の実施の形態における射出成形装置の後半の動作の一例を第1型の天面から見た概略断面図 本発明における実施の形態における射出成形後のベースフィルムの形状の一例を説明するための図 本発明の実施の形態における射出成形後のベースフィルムの動作の一例を説明するための概略断面図 本発明の実施の形態における射出成形後のベースフィルムの動作の他の一例を説明するための概略断面図 本発明の実施の形態における射出成形後のベースフィルムの動作の他の一例を説明するための概略断面図 特許文献1に記載された射出成形装置の断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。また図示された各構成要素の厚み、長さ等は、図面作成の都合上から、実際とは異なる。また図示された各構成要素の形状は一例であって特に限定されるものではない。また、以下の実施の形態で示す張力等の数値は一例であって特に限定されるものではない。
図1は本発明の実施の形態における射出成形装置の構成の概略を示す斜視図である。図1に示すように、この実施の形態の射出成形装置は、フィルム10を送り出すフィルム巻き出し部20と、成形部30と、フィルム10を巻き取るフィルム巻き取り部40を備える。成形部30は、第1型31と第2型(図示せず)からなる金型(成形型)を備え、フィルム巻き出し部20から送り出されたフィルム10を、第1型31と図示しない第2型との間に挟み込み、その挟み込まれたフィルム10上に溶融樹脂を射出して、射出成形により成形品を成形すると同時に、その成形品の表面にフィルム10の一部を転写する。フィルム巻き出し部20は、フィルム10がロール状に巻回された巻き出し軸21を備える。その巻き出し軸21に巻回されているフィルム10は、成形部30を通って、フィルム巻き取り部40が備える巻き取り軸41に掛け渡されている。
この実施の形態では、絵柄が印刷された加飾膜がベースフィルム上に積層されてなるフィルム10を用いて、射出成形により成形した成形品の表面に、その成形品の成形と同時に絵柄(加飾膜)を転写する射出成形方法および射出成形装置について説明する。但し、射出成形により成形した成形品の表面に、その成形品の成形と同時に機能性膜等の加飾膜以外の転写膜を転写する射出成形方法および射出成形装置にも、本発明を適用することは可能である。
フィルム巻き出し部20は、フィルム10を巻き出す巻き出し軸21の他に、フィルム10の送り出し量を決める送り出し軸22と、その送り出し軸22の回転にフィルム10が追従するようにフィルム10を送り出し軸22に押さえつけることが可能な送り出しピンチローラ23を備える。
送り出し軸22は図示しないモータによって回転駆動される。送り出し軸22を回転させるモータには、回転量を制御可能なモータが使用される。送り出し軸22は、送り出し軸22と送り出しピンチローラ23に挟まれたフィルム10を所定の回転量で送り出す。これにより、フィルム10は、送り出し軸22の回転により所定の送り出し量でフィルム巻き出し部20から送り出される。
巻き出し軸21も、図示しないモータによって回転駆動される。フィルム10がフィルム巻き出し部20から送り出されて、フィルム巻き取り部40で巻き取られるとき、巻き出し軸21を回転させるモータは、送り出し軸22によって決定される送り出し量でフィルム10が送り出されるように巻き出し軸21を回転させて、巻き出し軸21に巻回されているフィルム10を巻き出す。
送り出しピンチローラ23は、送り出し軸22から遠ざかったり、送り出し軸22に近づいたりできる。フィルム10がフィルム巻き出し部20から送り出されて、フィルム巻き取り部40で巻き取られるときには、送り出しピンチローラ23は、送り出し軸22に接近して、送り出し軸22と共にフィルム10を挟む。送り出しピンチローラ23が送り出し軸22から離れる動作と、送り出しピンチローラ23が送り出し軸22へ接近する動作は、例えばモータとカムからなる機構によって実現できる。
フィルム巻き取り部40は、フィルム10を巻き取る巻き取り軸41の他に、フィルム10に作用する張力を決める引き込み軸42と、その引き込み軸42の回転にフィルム10が追従するようにフィルム10を引き込み軸42に押さえつけることが可能な引き込みピンチローラ43を備える。
引き込み軸42は図示しないモータによって回転駆動される。その引き込み軸42を回転させるモータには、トルクの制御が可能なモータが使用される。引き込み軸42は、引き込み軸42と引き込みピンチローラ43に挟まれたフィルム10を所定のトルクで引き込む。したがって、この引き込み軸42の回転によって所定の張力を作用させたフィルム10が、フィルム巻き取り部40に引き込まれる。
巻き取り軸41も、図示しないモータによって回転駆動される。フィルム10がフィルム巻き出し部20から送り出されて、フィルム巻き取り部40で巻き取られるとき、巻き取り軸41を回転させるモータは、送り出し軸22によって決定される送り出し量でフィルム10が送り出されるように巻き取り軸41を回転させて、巻き取り軸41にフィルム10を巻き取る。
引き込みピンチローラ43は、引き込み軸42から遠ざかったり、引き込み軸42に近づいたりできる。フィルム10がフィルム巻き出し部20から送り出されて、フィルム巻き取り部40で巻き取られるときには、引き込みピンチローラ43は、引き込み軸42に接近して、引き込み軸42と共にフィルム10を挟む。引き込みピンチローラ43が引き込み軸42から離れる動作と、引き込みピンチローラ43が引き込み軸42へ接近する動作は、例えばモータとカムからなる機構によって実現できる。
なお、図示しないが、射出成形装置は、フィルム10の加飾膜に印刷された絵柄を、印刷時の絵柄の形状およびサイズで成形品の表面に復元するために、フィルム10に作用する張力を測定する張力測定装置と、その張力測定装置の出力をフィルム巻き取り部40にフィードバックさせ、フィルム10に所定の張力が作用するように、張力測定装置により測定された張力に基づいて、引き込み軸42を回転させるモータの出力(トルク)を調整するフィードバック回路と、を備えてもよい。これにより、第1型31と図示しない第2型との間で絵柄を位置決めする際にフィルム10に所定の張力を作用させて、フィルム10の加飾膜に印刷された絵柄を、しわなく、かつ、印刷時の絵柄の形状およびサイズに維持して成形品の表面に転写することが可能となる。
成形部30は、第1型31と図示しない第2型とからなる金型(成形型)を備える。また成形部30は、フィルム巻き出し部20から送り出されたフィルム10を第1型31のパーティング面31aに固定するクランプ治具32と、クランプ治具32で固定されたフィルム10を、第1金型31に形成されている凹部31bの内側の面(成形面)に吸着する吸着機構(図示せず)と、を備える。
成形部30は、クランプ治具32と図示しない吸着機構によってフィルム10が第1型31に固定されると、図示しない第2型を第1型31へ向けて移動させて、第1型31と第2型との間にフィルム10を挟み込み、第1型31と第2型からなる金型を型締めする。このとき、第1型31と第2型とクランプ治具32が密着して、金型内に所定形状のキャビティが形成される。金型の型締め後、成形部30は、型締めされた金型に形成された所定形状のキャビティ内に溶融樹脂を所定量だけ射出し、その射出された溶融樹脂を冷却して固化する。これにより、所定形状の成形品が成形される。また同時に、加飾膜(絵柄)が成形品の表面に転写される。
続いて、この実施の形態における射出成形装置の射出成形時の動作について詳しく述べる。図2および図3は、この実施の形態における射出成形装置の動作の一例を示す概略断面図であり、射出成形装置の主要部を成形部30の側面から見ている。また、図4および図5は、この実施の形態における射出成形装置の動作の一例を示す概略断面図であり、図2および図3と同じ動作を、フィルム10の走行方向(第1型31の天面)から見ている。
図2(a)および図4(a)の工程では、第1型31とクランプ治具32との間を通ってフィルム巻き出し部20からフィルム巻き取り部40に掛け渡された長尺のフィルム10が、送り出し軸22と送り出しピンチローラ23に挟まれて、フィルム巻き出し部20から送り出され、フィルム巻き取り部40において、引き込み軸42と引き込みピンチローラ43に挟まれて、巻き取り軸41に巻き取られる。このとき、フィルム10が送り出し軸22によって所定量だけ送り出されて、所定の絵柄が第1型31の凹部31b上部の所定位置に供給され、位置決めされる。またこのとき、フィルム10には、引き込み軸42を駆動するモータの出力(トルク)により、所定の張力が作用している。さらにこのとき、フィルム10は、図4(a)に示すように、第1型31のパーティング面31aに対してフィルム10の表面(平面)が傾斜した状態で走行する。
この実施の形態では、第1型31の凹部31bの底面がフィルム10の走行方向(第1型31の天面)から見て傾斜している。この場合、第1型31の凹部31bの深さ(成形品の深さ)が深い側で、第1型31のパーティング面31aとフィルム10との間の距離が近くなり、第1型31の凹部31bの深さ(成形品の深さ)が浅い側で、第1型31のパーティング面31aとフィルム10との間の距離が遠くなるようにフィルム10を傾斜させるのが好適である。なお、本発明は、このように成形品の深さが一定でない場合だけではなく、成形品深さが一定の場合にも適用することができる。この実施の形態では、最も深い箇所が深さ1mm以上の深絞り形状の成形品を射出成形する。
次に、図2(b)および図4(b)の工程では、送り出しピンチローラ23を送り出し軸22から離し、かつ引き込みピンチローラ43を引き込み軸42から離すと共に、引き込み軸42を駆動する図示しないモータの動作を停止することにより、引き込み軸42による張力からフィルム10を解放する。
次に、図2(c)および図4(c)の工程では、クランプ治具32によりフィルム10を第1型31のパーティング面31aに押さえつける。なお、クランプ治具32によりフィルム10を第1型31のパーティング面31aに押さえつけた後に、引き込み軸42による張力からフィルム10を解放してもよい。
次に、図2(d)および図4(d)の工程では、第1型31の凹部31bの底面に開口する図示しない吸着口にフィルム10を真空吸着して、第1型31の凹部31bにフィルム10を吸着固定する。このとき、フィルム10は、クランプ治具32により第1型31のパーティング面31aに押さえつけられているので、クランプ治具32の枠内で局所的に伸ばされて、第1型31の凹部31bに密着ないしは略密着する。なお、フィルム10を真空吸引して、第1型31に吸着固定する際に、クランプ治具32が第1型31のパーティング面31aにフィルム10を押さえつける力を部分的に低下させて、第1型31の凹部31bへのフィルム10の引き込みを局所的に許容してもよい。こうすることで、フィルム10が伸びて薄くなることによるフィルム10の破れを起こり難くすることができる。例えば、クランプ治具32の枠のうち、フィルム10の送り方向に直交する辺のパーティング面31a側の面に、クランプ治具32よりも弾性率が小さい材質からなる、段差を持つ弾性体を、より薄い部分を凹部31b側にして配置してもよい。このようにすれば、弾性体の段差部分に対応する位置で、第1型31のパーティング面31aにフィルム10を押さえつける力が低下する。
次に、図3(a)および図5(a)の工程では、第2型33を閉じて、第1型31と第2型33からなる金型を型締めした後、型締めされた金型内に形成されたキャビティ内に所定量の溶融樹脂50aを射出し、保圧プロセスや冷却プロセス等からなる成形工程を実施する。
次に、図3(b)および図5(b)の工程では、成形工程終了後に第2型33を開いて、成形品50を金型から取り出す。この取り出された成形品50の表面には、加飾膜(絵柄)11が転写している。
次に、図3(c)および図5(c)の工程では、クランプ治具32が第1型31のパーティング面31aから離れるとともに、送り出しピンチローラ23が送り出し軸22に接近して、送り出し軸22と送り出しピンチローラ23がフィルム10を挟み、かつ引き込みピンチローラ43が引き込み軸42に接近して、引き込み軸42と引き込みピンチローラ43がフィルム10を挟み、さらに図示しないモータが引き込み軸42を駆動することにより、フィルム10に張力を作用させ、その張力により第1型31の凹部31bからベースフィルム12を離す。
その後、図2(a)および図4(a)の工程に戻り、フィルム巻き取り部40の巻き取り軸41にフィルム10を巻き取ると同時に、第1型31とクランプ治具32との間でフィルム10を走行させて、次の射出成形で用いられる所定の絵柄を第1型31の凹部31bの上部の所定位置に位置決めする。
次に、図6を用いて、ベースフィルム12の局所的な伸びについて説明する。図6は第1型31の凹部31bに沿って伸ばされたベースフィルム12の形状を説明するための図である。詳しくは、図6(a)は第1型31の概略断面図であり、第1型31をフィルム10の走行方向(第1型31の天面)から見ている。図6(b)は射出成形後に第1型31の凹部31bからベースフィルム12が離れる際の様子を示す概略断面図であり、第1型31をフィルム10の走行方向(第1型31の天面)から見ている。図6(c)は図6(b)に示す部分Cの拡大図である。図6(d)は射出成形後に第1型31の凹部31bから離されたベースフィルム12を示す図である。
成形品が深絞り形状の場合、第1型の凹部に沿って伸ばされたベースフィルムは、その凹部の深い位置で屈曲している部分に対応する箇所で、特に伸びて薄くなる。この実施の形態では、図6に示すように、成形品50は深絞り形状で、かつ、成形品50の表面に、傾斜が緩やかな部分51と傾斜が急な部分52がある。このため、ベースフィルム12は、傾斜が緩やかな部分51と傾斜が急な部分52とを繋ぐ部分53に対応する箇所で、特に伸びて薄くなる。また、図6に示すように、成形品50の表面に、シボ形状等の微小な凸凹形状54がある場合、ベースフィルム12は、その微小な凸凹形状54に対応する箇所で、特に伸びて薄くなる。このように第1型31の凹部31bに沿って伸ばされたベースフィルム12に、薄くなり過ぎた部分が存在する場合、金型(成形型)の型開き後、第1型31の凹部31bからベースフィルム12を取り出す際に、ベースフィルム12に急激に力が加わると、ベースフィルム12の薄くなり過ぎた部分に加わる力(衝撃力)が限界応力を超えて、ベースフィルム12が破れることがある。なお、ベースフィルム12は、成形品の表面(第1型31の凹部31b)に対応する箇所では弾性限界を超えて伸ばされるため、図6(d)に示すように、射出成形後に第1型31の凹部31bから離された後も、第1型31の凹部31bに対応する箇所では、元の平面形状に戻ることはできない。
続いて、図7を用いて、射出成形後に第1型31からベースフィルム12を離す際の射出成形装置の動作を説明する。図7は、この実施の形態における射出成形後のベースフィルムの動作の一例を説明するための概略断面図であり、フィルム10の走行方向(第1型31の天面)から第1型31を見ている。また、図7には、仮想線10aにて、フィルム10がフィルム巻き出し部20から送り出され、フィルム巻き取り部40で巻き取られて、第1型31とクランプ治具32との間を走行するときのフィルム10の位置(フィルム走行位置)を示している。上述したように、フィルム10は、第1型31のパーティング面31aに対してフィルム10の表面(平面)が傾斜した状態で走行する。
図7(a)は、金型から成形品を取り出し、クランプ治具を第1型31のパーティング面31aから離した後のベースフィルム12を示している。このとき、ベースフィルム12は第1型31の凹部31bに密着している。
射出成形装置が、クランプ治具を第1型31のパーティング面31aから離した後に、フィルム10に張力をかけ始めると、図7(b)に示すように、ベースフィルム12は、第1型31のパーティング面31aとフィルム走行位置10aとの間の距離が遠い側から、第1型31の凹部31bと離れ始めて、フィルム走行位置10aに戻ろうとする。このとき、フィルム10には、0.1kN〜1kN程度の弱い張力を作用させる。
その後、ベースフィルム12は、第1型31のパーティング面31aとフィルム走行位置10aとの間の距離が近い側まで徐々に第1型31の凹部31bから離れていく。図7(c)は、第1型31の凹部31bの最も深い箇所まで第1型31の凹部31bから離れたベースフィルム12を示している。
第1型31の凹部31bに密着したベースフィルム12を第1型31の凹部31bから剥がすとき、第1型31の凹部31bの内側の面(成形面)とベースフィルム12との間では静電気による固着が起こっているが、この実施の形態によれば、第1型31の凹部31bの端を起点にベースフィルム12が剥がれるので、第1型31の凹部31bの端においてベースフィルム12を弱い力で剥がすことができる。そして、第1型31の凹部31bの端においてベースフィルム12が剥がれて、第1型31の凹部31bとベースフィルム12との間に隙間が生じると、その端において、凹部31bの内側の面とベースフィルム12とが静電気によって互いに引き合っている力が弱まる。したがって、これ以降も、凹部31bの内側の面とベースフィルム12とが固着している界面の端を起点として、ベースフィルム12を弱い力で剥がすことができる。よって、静電気に起因して起こるベースフィルム12の破れを回避しながら、第1型31の凹部31bの端から徐々に(連続して)、たとえば0.1kN〜1kN程度の弱い張力でベースフィルム12を離すことができるようになる。
また、第1型31の凹部31bの端から徐々にベースフィルム12が離れていくので、ベースフィルム12は第1型31の凹部31bからゆっくり剥がれる。したがって、図6を用いて説明したようにベースフィルム12に局所的に薄い部分が存在しても、その薄い部分に加わる衝撃力は限界応力に至らず、ベースフィルム12の破れは発生しない。また、0.1kN〜1kN程度の弱い張力でベースフィルム12を第1型31の凹部31bから離すことにより、ベースフィルム12がより破れ難くなる。
次に、射出成形装置は、フィルム10に作用させる張力を、1kN〜3kN程度に増加させて、図7(d)に示すように、ベースフィルム12を第1型31の凹部31bから完全に離す。これにより、ベースフィルム12が第1型31の凹部31bから離れるための時間を短縮化できる。
最後に、射出成形装置は、フィルム10に作用させる張力を、第1型31とクランプ治具32との間を走行するときのフィルム10に作用させる張力、例えば3kN〜8kN程度に戻す。これにより、フィルム10はフィルム走行位置10aに戻り、第1型31とクランプ治具32との間を走行する。
以上のように、第1型31のパーティング面31aに対してフィルム10の表面(平面)が傾斜した状態で、第1型31とクランプ治具32との間をフィルム10が走行するように、フィルム巻き出し部20の軸21および22、成形部30の第1型31、クランプ治具32および第2型33、並びにフィルム巻き取り部40の軸41および42を配置することにより、ベースフィルム12を破らずに第1型31から離すことが可能となる。よって、射出成形後にフィルム10を走行させるときに、フィルム10内で張力のバラツキが生じず、フィルムの巻きズレや、次の絵柄の位置ズレを防止できる。また、ベースフィルム12の破れを防止できることから、異物の発生を抑制することができ、成形品への異物の混入などの異物不良の発生を抑制することができる。また、射出成形後にベースフィルム12を第1型31の凹部31bから離す際に、フィルム10に作用させる張力を多段階で徐々に増加させることにより、ベースフィルム12がより破れ難くなる。
なお、射出成形後にベースフィルム12を第1型31の凹部31bから離す際にフィルム10に作用させる張力を、第1型31とクランプ治具32との間を走行するときのフィルム10に作用させる張力(例えば、3kN〜8kN程度)まで一気に強くしてもよい。このようにしても、第1型31とクランプ治具32との間を走行するときのフィルム10の表面(平面)が、第1型31のパーティング面31aに対して傾斜していることにより、第1型31の凹部31bの端から徐々にベースフィルム12が離れていくので、ベースフィルム12が第1型31の凹部31bから離れる際にベースフィルム12に加わる応力(衝撃力)を緩和して、ベースフィルム12の破れを抑制することが可能となる。但し、フィルム10に作用させる張力を多段階で徐々に強くする方が、ベースフィルム12に加わる衝撃力をより弱めることができ、ベースフィルム12の破れをより防ぐことができ、より安定してフィルム10(ベースフィルム12)をフィルム走行位置10aに復帰させることができる。
続いて、この実施の形態の他例について、図8を用いて説明する。図8は、この実施の形態における射出成形後のベースフィルムの動作の他の一例を説明するための概略断面図であり、フィルム10の走行方向(第1型31の天面)から第1型31を見ている。詳しくは、図8は、フィルム10に張力をかけ始めたときのベースフィルム12の動作を示しており、図8(a)は図7(b)と同じである。
図8(b)に示すように、フィルム10に張力(例えば、0.1kN〜1kN程度の弱い張力)をかけ始めたときに、フィルム10をその幅方向に1mm程度の微小量で往復移動させる。上記したように、第1型31の凹部31bに密着したベースフィルム12を第1型31の凹部31bから剥がすとき、第1型31の凹部31bの内側の面(成形面)とベースフィルム12との間では静電気による固着が起こっているが、フィルム10の幅方向にフィルム10を往復移動させることにより、静電気による固着からベースフィルム12が解放されるので、ベースフィルム12が第1型31の凹部31bから離れ易くなる。フィルム10の幅方向へのフィルム10の往復移動は、第1型31の凹部31bの最も深い箇所までベースフィルム12が第1型31の凹部31bから離れるまで続けてもよい。
なお、一般的に、フィルムをその幅方向で位置決めするための移動機構を持つフィルム巻き出し装置およびフィルム巻き取り装置が知られている。したがって、フィルム10の幅方向へのフィルム10の往復移動は、フィルムをその幅方向で位置決めするための移動機構を持つ一般的に知られたフィルム巻き出し装置およびフィルム巻き取り装置によって実現できる。
続いて、ベースフィルム12を第1型31の凹部31bから離れ易くする他の例について、図9を用いて説明する。図9は、この実施の形態における射出成形後のベースフィルムの動作の他の一例を説明するための概略断面図であり、フィルム10の走行方向(第1型31の天面)から第1型31を見ている。詳しくは、図9は、フィルム10に張力をかけ始めたときのベースフィルム12の動作を示しており、図9(a)は図7(b)と同じである。
図1に示すように、フィルム巻き出し部20とフィルム巻き取り部40は送り出しピンチローラ23と引き込みピンチローラ43を備えている。図9(b)に示すように、フィルム10に張力(例えば、0.1kN〜1kN程度の弱い張力)をかけ始めたときに、送り出しピンチローラ23が送り出し軸22から離れる動作と、送り出しピンチローラ23が送り出し軸22へ接近して、送り出し軸22と共にフィルム10を挟む動作を繰り返すとともに、引き込みピンチローラ43が引き込み軸42から離れる動作と、引き込みピンチローラ43が引き込み軸42へ接近して、引き込み軸42と共にフィルム10を挟む動作を繰り返すことにより、フィルム10に張力を作用させ、その張力からフィルム10を解放する動作を繰り返して、フィルム10をその表面と垂直な方向に振動させることができる。これにより、フィルム10をその幅方向に往復移動させる場合と同様に、ベースフィルム12が第1型31の凹部31bから離れ易くなる。
なお、フィルム10の表面と垂直な方向におけるフィルム10の振動は、第1型31の凹部31bの最も深い箇所までベースフィルム12が第1型31の凹部31bから離れるまで続けてもよい。また、送り出しピンチローラ23の動作は、引き込みピンチローラ43の動作と同時でもよいし、時間的にズレていてもよい。さらに、フィルム10の表面と垂直な方向へフィルム10を振動させているときに、上記したように、フィルム10の幅方向へフィルム10を往復移動させてもよい。
以上のように、この実施の形態によれば、第1型31のパーティング面31aに対してフィルム10の表面(平面)を傾斜させることにより、成形品50が深絞り形状であるためにベースフィルム12が薄くなって破れ易くなっていても、ベースフィルム12が第1型31の凹部31bから離れる際にベースフィルム12に加わる応力(衝撃力)を緩和して、ベースフィルム12の破れの発生を抑制することが可能となる。また、第1型31のパーティング面31aに対してフィルム10の表面(平面)を傾斜させることにより、静電気による第1型31とベースフィルム12との間の固着からベースフィルム12を解放して、ベースフィルム12の破れの発生を抑制することが可能となる。さらに、ベースフィルム12が第1型31の凹部31bから離れる際に、フィルム10に作用させる応力を多段階で変化させたり、フィルム10をその幅方向で微小移動させたり、フィルム10をその表面と垂直な方向に振動させたりすることにより、ベースフィルム12の破れをより発生し難くすることができる。したがって、この実施の形態によれば、ベースフィルムの破片による異物不良の発生防止と、フィルムの位置決め精度向上と、成形品の外観品位向上を図ることができる。
本発明にかかる射出成形方法および射出成形装置によれば、金型の型開き後に、ベースフィルムを破らずに第1型の凹部から離すことができ、ベースフィルムの破片による異物不良の発生防止と、フィルムの位置決め精度向上と、成形品の外観品位向上を図ることができ、特に、深絞り形状の成形品を射出成形すると同時に、その成形品の表面に絵柄を転写するインモールドに有用である。
10 フィルム
10a フィルム走行位置
11 加飾膜
12 ベースフィルム
20 フィルム巻き出し部
21 巻き出し軸
22 送り出し軸
23 送り出しピンチローラ
30 成形部
31 第1型
31a パーティング面
31b 凹部
32 クランプ治具
33 第2型
40 フィルム巻き取り部
41 巻き取り軸
42 引き込み軸
43 引き込みピンチローラ
50 成形品
50a 溶融樹脂
54 凸凹形状
100 フィルム
201 第1型
202 第2型
203 クランプ治具
204 キャビティ
300 成形品

Claims (7)

  1. ベースフィルム上に転写膜が積層されてなるフィルムを、第1型と第2型との間で走行させて、前記第1型と前記第2型との間において前記フィルムを位置決めした後、前記第1型と前記第2型を型締めし、前記フィルムを挟み込んだ前記第1型と前記第2型とにより形成されるキャビティ内に樹脂を射出して、前記転写膜が転写された成形品を成形した後、前記第1型と前記第2型を型開きし、その後、前記ベースフィルムを前記第1型から離す射出成形方法において、
    張力を作用させた前記フィルムの表面が前記第1型のパーティング面に対して傾斜するように前記第1型と前記第2型との間で前記フィルムを走行させる
    ことを特徴とする射出成形方法。
  2. 請求項1記載の射出成形方法において、前記フィルムに張力を作用させて、前記ベースフィルムを前記第1型から離すことを特徴とする射出成形方法。
  3. 請求項1または2に記載の射出成形方法において、前記フィルムに作用させる張力を多段階で強くして、前記ベースフィルムを前記第1型から離すことを特徴とする射出成形方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の射出成形方法において、前記フィルムを微小移動させて、前記ベースフィルムを前記第1型から離すことを特徴とする射出成形方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の射出成形方法において、前記フィルムに張力を作用させ、その張力から前記フィルムを解放する動作を繰り返して、前記ベースフィルムを前記第1型から離すことを特徴とする射出成形方法。
  6. ベースフィルム上に転写膜が積層されてなるフィルムを送り出す送り出し部と、
    前記送り出し部から送られた前記フィルムを巻き取る巻き取り部と、
    第1型と第2型を有し、前記送り出し部から送り出され、前記巻き取り部により巻き取られる前記フィルムが前記第1型と前記第2型との間で走行するように配置され、前記第1型と前記第2型との間において前記フィルムが位置決めされると前記第1型と前記第2型を型締めし、前記フィルムを挟み込んだ前記第1型と前記第2型とにより形成されるキャビティ内に樹脂を射出して、前記転写膜が転写された成形品を成形した後、前記第1型と前記第2型を型開きする成形部と、
    を備え、前記第1型と前記第2型が型開きした後、前記ベースフィルムを前記第1型から離す射出成形装置において、
    前記第1型と前記第2型との間で前記フィルムが走行するとき、前記送り出し部と前記巻き取り部により張力を作用させた前記フィルムの表面が前記第1型のパーティング面に対して傾斜する
    ことを特徴とする射出成形装置。
  7. 請求項6記載の射出成形装置において、
    前記送り出し部は、前記フィルムの送り出し量を決める送り出し軸と、前記送り出し軸の回転に前記フィルムが追従するように前記フィルムを前記送り出し軸に押さえつけることが可能な送り出しピンチローラと、を備え、
    前記巻き取り部は、前記フィルムに作用させる張力を決める引き込み軸と、前記引き込み軸の回転に前記フィルムが追従するように前記フィルムを前記引き込み軸に押さえつけることが可能な引き込みピンチローラと、を備える
    ことを特徴とする射出成形装置。
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