JP2014132927A - 球発射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハンマーの振動がストッパーに伝わることを防止できる球発射装置を提供すること。
【解決手段】 球発射装置Aに、遊技球Bを発射位置14aに供給する球供給路15と、発射位置14aの遊技球Bを打撃するハンマー21と、球供給路15の上流側から供給される遊技球Bの重さによって回転することにより遊技球Bを通過させるスプロケット25と、往復移動することによりスプロケットの回転を制止したり許容したりするスプロケットストッパー31と、ハンマー21の進退に連動して移動することによりスプロケットストッパー31を往復移動させる連動部40とを設けた。そして、連動部40に、ストッパー側中継アーム46と、ハンマー側中継アーム47と、ストッパー側中継アーム46とハンマー側中継アーム47との間に介在するコイルスプリング48とを含ませた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、遊技機に設けられ、球供給路から発射位置に供給される遊技球をハンマーで打撃する球発射装置に関する。
遊技機、例えばパチンコ機においては、パチンコ機の前面下部に設けられた球供給皿内の遊技球を、球供給路を介して発射レールの下端に設けられた発射位置に送り、発射位置に送られた遊技球を、駆動モータの作動により発射位置に対して進退するハンマーで打撃して発射レールから遊技盤の遊技領域に送り出すことが行われる。このようなパチンコ機の中には、ハンマーの往復移動に連動させてスプロケットを回転させることにより、遊技球を発射位置に送りながらハンマーでその遊技球を打撃するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
このパチンコ機には、複数の球搬送凹部が形成された外周部を球供給路に臨ませて配置され一方に回転することにより遊技球を通過させて発射位置に供給するスプロケットと、スプロケットの回転を制止したり許容したりするストッパーと、ロータリーソレノイドの駆動によって発射位置に対して進退することによって遊技球を打撃するハンマーとが備わっている。ストッパーには、スプロケット側に突出する上側係合部と下側係合部とが備わっており、ストッパーが往復回転することによって、上側係合部と下側係合部とがスプロケットに交互に係合する。そして、上側係合部と下側係合部との係合が切り換わる際に、遊技球の重さによってスプロケットが回転する。
また、ストッパーは、連動機構によってハンマーに連結されハンマーの進退に応じて往復移動するように構成されている。このため、ハンマーが遊技球を打撃するごとに、ストッパーが往復移動し、これによってスプロケットが回転して遊技球を1個ずつ通過させる。また、ハンマーの待機位置には、ハンマーの後退側の位置を規制するゴムからなる停止部が設けられている。
特開2011−224179号公報
前述した従来のパチンコ機では、ハンマーが遊技球を打撃したのちに待機位置に後退する際に、停止部に当接する。その際の衝撃が、ハンマーから連動機構を介してストッパーに伝わるとストッパーが搖動することがあり、ストッパーが搖動することによってスプロケットが回転してしまうことがある。これによると、ハンマーが遊技球を打撃する際に、発射位置に複数個の遊技球が供給されていたり、遊技球がスプロケットの位置で詰まってしまったりすることがある。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、ハンマーの振動がストッパーに伝わることを防止できる球発射装置を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係る球発射装置の構成上の特徴は、遊技球(B)を発射位置(14a)に供給する球供給路(15)と、発射位置に対して進退可能に設けられ前進することにより発射位置に供給される遊技球を打撃するハンマー(21)と、外周部に形成された球搬送凹部(28)を球供給路に臨ませて配置され球供給路の上流側から供給される遊技球の重さによって一方向に回転することにより遊技球を通過させるスプロケット(25)と、スプロケットに係合してスプロケットの一方向への回転を制止する位置とスプロケットとの係合を解除してスプロケットの一方向への回転を許容する位置との間で往復移動可能に設置されたストッパー(31)と、ストッパーに連結されハンマーの進退に連動して移動することによりストッパーを往復移動させる連動部(40)とを備え、連動部に、ストッパー側に配置されたストッパー側中継アーム(46)と、ハンマー側に配置されたハンマー側中継アーム(47)と、ストッパー側中継アームとハンマー側中継アームとを連結する緩衝部材(48)とが備わっていることにある。
本発明に係る球発射装置では、ストッパーに連結されハンマーの進退に連動して移動することによりストッパーを往復移動させる連動部に、ストッパー側中継アームと、ハンマー側中継アームと、ストッパー側中継アームとハンマー側中継アームとを連結する緩衝部材とが備わっている。このため、ハンマーが待機位置に後退して停止する際に、ハンマーに振動が発生しても、その振動は、緩衝部材によって吸収されるようになり、ハンマー側中継アームからストッパー側中継アームに伝わることが防止される。
これによって、ハンマーの振動によってストッパーが搖動しさらにスプロケットが回転して、余分な遊技球がスプロケットを通過したり、スプロケットで詰まったりすることがなくなる。また、連動部全体の振動が少なくなることによって、連動部の摩耗が減少する。なお、本発明における緩衝部材は、ハンマー側中継アームとストッパー側中継アームとの間に介在してハンマー側中継アームからストッパー側中継アームに振動が伝わることを防止できるものであればよい。
本発明に係る球発射装置の他の構成上の特徴は、ストッパー側中継アームとハンマー側中継アームとがそれぞれ同軸上に位置して互いに回転可能になった軸部(46a,47a)を備え、緩衝部材が、両軸部と同軸上に配置され、一方の端部がストッパー側中継アームに係合し、他方の端部がハンマー側中継アームに係合したコイルスプリング(48)で構成されていることにある。本発明によると、簡単な構造で、ストッパー側中継アームとハンマー側中継アームとの間に良好な緩衝部材を設置することができる。
本発明に係る球発射装置のさらに他の構成上の特徴は、ハンマー側中継アームに押圧部(49b)を設けて、ストッパー側中継アームに被押圧部(49a)を設け、ハンマーが発射位置側に前進するときに、押圧部が被押圧部を押圧してハンマー側中継アームとストッパー側中継アームとが一体となって回転し、ハンマーが待機位置側に後退するときに、押圧部による被押圧部の押圧が解除されて、ハンマーの振動によりハンマー側中継アームが振動してもその振動がコイルスプリングに吸収されてストッパー側中継アームに伝わらないようにしたことにある。
本発明では、ハンマーが遊技球を打撃するために、発射位置側に前進する際には、ハンマー側中継アームの押圧部が、ストッパー側中継アームの被押圧部を押圧するため、ハンマー側中継アームとストッパー側中継アームとが一体となって回転するようになる。これによって、ハンマーによる押圧力が連動部を介して確実にストッパーに伝わるようになり、スプロケットは適正な状態で回転して遊技球を通過させるようになる。
また、ハンマーが待機位置側に後退する際には、押圧部による被押圧部の押圧が解除されるため、押圧部と被押圧部とが離れ、ハンマー側中継アームとストッパー側中継アームとはコイルスプリングの弾性力に抗して別々に移動可能な状態、すなわち互いに移動できる幅が生じる。このため、後退するハンマーを待機位置で急停止させて、ハンマーが振動し、その振動がハンマー側中継アームに伝わっても、ハンマー側中継アームの振動はコイルスプリングによって吸収されストッパー側中継アームには伝わらなくなる。この結果、ハンマーの振動がストッパーに伝わってストッパーが不意に移動するといったことがなくなり、スプロケットは適正な状態で回転する。
本発明に係る球発射装置のさらに他の構成上の特徴は、ハンマーが、ロータリーソレノイド(22)の駆動によって回転することにより、発射位置に対して進退するものであり、ハンマーの待機位置にハンマーの後退位置を規制するためのゴムストッパー(23b)が設けられていることにある。球発射装置において、ハンマーをロータリーソレノイドで作動させて、ハンマーの待機位置に後退位置を規制するためのストッパーを設けた場合には、ハンマーがストッパーに衝突することによって、ハンマーに振動が発生しやすくなる。本発明に係る球発射装置は、このようなロータリーソレノイドやストッパーを備えた連動部を用いることで、より大きな効果を奏することができる。
本発明の一実施形態に係る球発射装置を示しており(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 球発射装置を示した斜視図である。 球供給装置を示した分解斜視図である。 内側球送りベースおよび外側球送りベースを除いて球供給装置の内部を示した正面図である。 図4に示した打供給装置の斜視図である。 ラチェット歯車が設けられたスプロケットを示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。 外側球送りベースを除いて球供給装置の内部を示した正面図である。 図7に示した球供給装置の斜視図である。 スプロケットストッパーを示した正面図である。 ラチェットストッパーを示しており、(a)は正面図、(b)は底面図である。 防振部を示しており、(a)は待機側の状態を示した正面図、(b)は打撃側の状態を示した正面図である。 防振部を示した断面図である。 待機時の球供給装置を示した説明図である。 打撃時の球供給装置を示した説明図である。 振動時の球供給装置を示した説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1および図2は、同実施形態に係る球発射装置Aを示しており、図3はそれを分解した状態を示している。この球発射装置Aは、設置用ケース10を介してパチンコ機の本体(図示せず)に組み込まれている。そして、この球発射装置Aは、パチンコ機の表面に設けられた球供給皿の遊技球B(図4,5,13参照)を後述する球供給路15を介して球発射路14の下端に位置する発射位置14aに供給するとともに、その遊技球Bを打撃装置20(図4,5参照)で打撃して遊技盤に向かって発射させる。この球発射装置Aは、設置用ケース10に、打撃装置20と、スプロケット25と、ストッパー30と、打撃装置20に備わっているハンマー21とストッパー30とを連動させる連動部40とを設置して構成されている。以下の説明において、左右、前後および上下の各方向は、図1に基づいて記載する。
設置用ケース10は、図3に示した発射ベース10aと、内側球送りベース10bと、外側球送りベース10cとを組み付けて構成されている。発射ベース10aは、上下よりも左右に長い異形の基板11と、基板11の周縁部の一部を除いた部分から前方に突出する枠状の周壁部11aとで本体が形成されている。そして、基板11の表面における左右方向の中央よりもやや右側下方部分から左上部にかけての部分に球発射路14の天井部を構成する傾斜ガイド壁11bが形成され、基板11の表面における傾斜ガイド壁11bの上端の下方部分から下方のやや右側にかけての部分に周壁部11aに連なる仕切り壁11cが形成されている。
また、基板11の右側上部には、後述するロータリーソレノイド22を取り付けるための取付穴11dが形成され、取付穴11dの周囲にはロータリーソレノイド22を固定するために用いられる複数のねじ挿通穴11eが形成されている。また、基板11の表面における傾斜ガイド壁11bの下方部分には、一対の円筒状の取付用ボス部12a,12bと一対の円筒状の取付用ボス部12c,12dとが間隔を保って形成されている。取付用ボス部12a,12bは傾斜ガイド壁11bの中央部分に対向するように配置され、取付用ボス部12c,12dは傾斜ガイド壁11bの下端部に対向するように配置されており、取付用ボス部12a,12b,12c,12dは傾斜ガイド壁11bと平行する仮想線上に配置されている。
傾斜ガイド壁11bの上端と、取付用ボス部12a,12b,12c,12dが配置された仮想線の延長部分との間には、周壁部11aが設けられておらず、ここに形成される開口で、球発射路14の出口14cが構成される。また、基板11における左右方向の中央よりもやや左側部分の下部と上部および右側部分の上部に、それぞれ前方に突出する円筒状の組付用ボス部12e,12f,12gが形成され、球発射路14の下部を上下から挟むようにして、円筒状の固定用ボス12h,12iが形成されている。さらに、基板11の左縁部の上部には、周壁部11aの外部側に突出する上下に長い板状の固定用片13が突出しており、この固定用片13の上端部に固定用穴13aが形成され、下端部に固定用穴13bが形成されている。
また、発射ベース10aの取付用ボス部12a,12b,12c,12dには、発射レール14bが取り付けられている。発射レール14bは、金属板を折り曲げて断面形状が略M形になるように形成されており、上面には断面がV形の浅い溝が長手方向沿って形成されている。また、発射レール14bの両側部の左右(上下)両端部分はそれぞれ中央部分よりも下方に突出しており、その突出部に、取付用ボス部12a,12b,12c,12dと同じ間隔で、挿通穴14dが形成されている。
なお、発射レール14bの後部側の側部に設けられた挿通穴は、取付用ボス部12a,12b等が挿通できる大きさに形成され、前部側の側部に設けられた挿通穴14dは、それよりも小さく形成されている。発射レール14bは、後部側の側部の各挿通穴に取付用ボス部12a,12b,12c,12dを通し、取付用ボス部12b,12cに対応する前部側の側部の挿通穴14dにねじ14eを通し、そのねじ14eを取付用ボス部12b,12cに螺合させることにより固定されている。
内側球送りベース10bは、発射ベース10aにおける仕切り壁11cよりも左側部分を除いた部分を覆うとともに、左右の中央側の上部が発射ベース10aよりも上方に突出した板状部材で構成されており、発射ベース10aとの間に球発射路14を形成するとともに、外側球送りベース10cとの間に球供給路15を形成するものである。そして、発射ベース10aと内側球送りベース10bとの間における発射レール14bと傾斜ガイド壁11bとで囲まれる空間で球発射路14が形成されている。
内側球送りベース10bは、基板16と、基板16の周縁部から前方に僅かに突出する枠状の周壁部16aとで本体が形成されている。そして、基板16の表面における左右方向の中央に上下に延びる正面視が略S形の球ガイド部15aが形成されている。この球ガイド部15aは、一対の壁部を、遊技球Bを1個ずつ通すことのできる間隔で配置して構成されており、上部に球入口15bが設けられ、下部に球出口15cが設けられている。球入口15bは、前方に突出した正面視がコ字状の壁部で構成され、球出口15cは球ガイド部15aの下端を塞ぐ壁部と、基板16における球ガイド部15aの下端に対応する部分に形成された開口とで構成されている。この開口は、球発射路14の下部側部分に連通しており、球ガイド部15aに送られる遊技球Bを球発射路14に通す。
また、基板16の右側上部と左右中央部分の下部とやや左下部とにはそれぞれ長さの短い円弧状の逃がし穴16b,16c,16dが形成されている。逃がし穴16bは凸側を左上方に向けて配置され、逃がし穴16cは凸側を下方に向けて配置され、逃がし穴16dは凸側を左下方に向けて配置されている。そして、基板16の表面における球ガイド部15aと逃がし穴16c,16dとで囲まれる部分には、互いに間隔を保って支軸17a,17b,17cが形成されている。また、基板16における発射ベース10aの組付用ボス部12e,12f,12gに対向する部分には、それぞれねじ挿通穴17d,17e,17fが形成されている。さらに、基板16の右側部分の上下の中央部分には左右に間隔をあけてボス部17g,17hが形成されている。
外側球送りベース10cは、発射ベース10aの左側部分における固定用片13を除いた部分から内側球送りベース10bの左右の中央部分にかけての部分を覆うカバー部材で構成されており、段違いに形成された基板18と、基板18の周縁部の下部を除いた部分から後方に突出する周壁部18aとで本体が形成されている。基板18における左側部分は他の部分よりも前方に突出しており、その突出部分の上部と左側に位置する周壁部18aは傾斜面で構成されている。また、外側球送りベース10cにおける内側球送りベース10bの球入口15bに対向する部分には、右端が開放された凹部18bが形成されており、これによって球入口15bは、外側球送りベース10cの表面に開口している。
また、基板18の略中央には、前方に突出する長円形の凸部からなる収容部18cが形成され、この収容部の前壁には2つの軸受け穴18d,18eが形成されている。そして、基板18における内側球送りベース10bのねじ挿通穴17d,17eに対向する部分には、それぞれねじ挿通穴18f,18gが形成され、発射ベース10aの固定用ボス12iおよび内側球送りベース10bの逃がし穴16cに対向する部分にはねじ挿通穴18hが形成されている。また、内側球送りベース10bの球ガイド部15aの前部は外側球送りベース10cによって塞がれるが、球ガイド部15aの左側の壁部の中央部分と外側球送りベース10cとの間には、隙間(図示せず)が設けられている。
打撃装置20は、図4および図5(内側球送りベース10bおよび外側球送りベース10cを除いた状態を示している)に示したように、ハンマー21と、ハンマー21を回転駆動させるロータリーソレノイド22と、ハンマー21の打撃側の位置を規制するゴムストッパー23aと、ハンマー21の待機側の位置を規制するゴムストッパー23bとを備えており、ロータリーソレノイド22の内部には、ハンマー21をゴムストッパー23b側に吸引する磁石と電磁石とが設けられている。ハンマー21は、ロータリーソレノイド22に備わっている電磁石に通電されてないときには、磁石と電磁石との吸引力により待機側に付勢され、電磁石に通電すると、磁石と電磁石とが反発して打撃側に移動する。
ハンマー21は、上部から右側にかけての縁部が凸曲部になるように湾曲して延びる板状の金属本体21aと、金属本体21aの凸側の右側縁部を被覆する被膜層21bとからなるレバーで構成されている。そして、ハンマー21の上部側部分(図4,5の上部右側部分)に軸孔21cが形成されており、この軸孔21cに、基板11の裏面に設置されたロータリーソレノイド22の本体から前方に突出する回動軸22aが挿通し、回動軸22aの前端部に形成されたねじにナット22bが螺合することによってハンマー21は回動軸22aに固定されている。ロータリーソレノイド22の前面における四隅には、ねじ穴22cが形成されており、ロータリーソレノイド22は、ねじ挿通穴11eを挿通するねじ24がねじ穴22cに螺合することによって基板11の裏面に固定されている。
また、回動軸22aは、取付穴11dを通って基板11の表面側に延びており、その外周にはハンマーカラー24aが取り付けられている。このハンマーカラー24aによって、ハンマー21は、基板11の表面に押し付けられることが防止される。このように構成したため、ロータリーソレノイド22への通電により回動軸22aが回転し、これによって、ハンマー21が、図4,5の時計周り方向に回転する。このとき、ハンマー21の先端部21dは、発射位置14aまで移動し、発射位置14aに供給される遊技球Bを打撃する。その後、ロータリーソレノイド22への通電が停止すると、ハンマー21は、磁石の吸引力により待機位置に戻る。
スプロケット25は、図6に示したように、前後に延びる軸部26と、軸部26の外周に形成された歯部形成部27とで構成されている。軸部26は、軸方向の長さが短く、前部が後部よりも大径になった段違いの円筒状に形成されている。歯部形成部27は、軸部26の前後方向の中央部分から外周に向かって延びておりその外周縁に5つの同形の球搬送凹部28を円周方向に一定間隔で形成した形状に形成されている。そして、各球搬送凹部28間に位置する突起で、一定間隔に配置された5つの同形の歯部27aが構成されている。また、各球搬送凹部28の縁部は、図6(a)に示したスプロケット25が時計周り方向に回転するときの後方側の縁部が緩やかな凸曲線状になって径方向に延び、前方側の縁部が後方側の縁部に対して直交する方向に延びることにより略L形に形成されている。そして、軸部26の内部には軸穴26aが形成されている。
また、軸部26の前面には前方に突出するラチェット歯車29がスプロケット25と一体に形成されている。このラチェット歯車29は、軸方向が短い筒状体の外周面に5つの同形の係合溝29aを一定間隔で形成した形状に形成されている。そして、各係合溝29a間に位置する突起で、一定間隔に配置された5つの同形の歯部29bが構成されている。各係合溝29aの縁部は、前述した球搬送凹部28の縁部と円周方向に逆の形状をしており、ラチェット歯車29が時計回り方向に回転するときの前方に位置する縁部が径方向に延び、回転方向の後方に位置する縁部が径方向に対して直交する方向に延びる略L形に形成されている。また、ラチェット歯車29の中心には軸穴26aと同径で連続する軸穴29cが形成されている。
このラチェット歯車29が設けられたスプロケット25は、内側球送りベース10bと外側球送りベース10cとの間に位置(図7,8参照)している。ラチェット歯車29が設けられたスプロケット25は、軸穴26a,29cに、支軸17aを通して内側球送りベース10bの表面に設置され、さらに支軸17aを軸受け穴18dに通して外側球送りベース10cを内側球送りベース10bに組み付け、支軸17aの先端にナット25aを螺合させることにより回転可能な状態で設置されている。
また、スプロケット25は、図7,8に示したように、右側の一部が球供給路15内に位置するようにして球ガイド部15aの近傍に配置されている。このスプロケット25の右側の端部と、球ガイド部15aの右側の壁部(角部の部分)との間隔は、球搬送凹部28内に遊技球Bを位置させた状態でスプロケット25を時計周り方向に回転させたときに、遊技球Bが通過でき、スプロケット25が停止状態であるときには、遊技球Bが通過できない長さに設定されている。また、スプロケット25は、球供給路15内を上流から流下してくる遊技球Bが、右側に位置する球搬送凹部28内に入ったときに、遊技球Bの重さによって時計周り方向に回転する。
ストッパー30は、図9に示したスプロケットストッパー31と、図10に示したラチェットストッパー37とからなっている。スプロケットストッパー31は、下縁部が半円状で上縁部が緩やかな山形になり、左端よりも右端を上方に位置させたストッパー本体31aに、凸部32と、上側係合部33と、下側係合部34と、連結軸35とを形成して構成されている。凸部32は、ストッパー本体31aの前面における左右方向の中央の上部から前方に突出しており、後部が前部よりも大径になった2段状の円形段部で構成されている。そして、凸部32の中心には前後に貫通する軸穴32aが形成されている。上側係合部33は、ストッパー本体31aの右上部分(図9の状態での右上)から右側やや下方に延びる正面視が略長方形の延長片33aの先端部の前面に前方に突出する正面視が略正方形の係合突起33bを形成して構成されている。
下側係合部34は、ストッパー本体31aの下部に設けられており、ストッパー本体31aの下部から下方に突出する小さな延長部分(図示せず)と、その延長部分とストッパー本体31aの下部とにかけての部分から前方に突出する突起で構成されている。この下側係合部34の正面視による形状は、ストッパー本体31aの下縁部の略中央部分に沿った短い円弧状の部分と、その円弧状部分の右端で円弧状部分に直交するようにしてストッパー本体31aの内部側から外部側に延びる略T形に形成されている。連結軸35は、ストッパー本体31aにおける左側に形成されており前後に突出する細長い軸体で構成されている。
このように構成されたスプロケットストッパー31は、軸穴32aに、内側球送りベース10bの支軸17bを通し、さらに支軸17bを外側球送りベース10cの軸受け穴18eに通して、支軸17bの先端にナット25aを螺合させることにより内側球送りベース10bと外側球送りベース10cとの間に回転可能に設置されている。なお、連結軸35の後部は、逃がし穴16d内で移動可能になっている。また、スプロケットストッパー31は、ストッパー本体31aをスプロケット25よりも後方に位置させて、スプロケット25の近傍に設置されている。そして、上側係合部33と下側係合部34との前部側部分の前後方向の位置が、スプロケット25と同じ位置になるようにするとともに、上側係合部33と下側係合部34とがスプロケット25の外周側に位置するようにして設置されている。
また、スプロケットストッパー31は、上側係合部33と下側係合部34とでスプロケット25を挟んだ状態で往復回転でき、その回転により上側係合部33と下側係合部34とが交互にスプロケット25の球搬送凹部28内に対して進退するように設置されている。このため、上側係合部33と下側係合部34との少なくとも一方が、スプロケット25の可動範囲よりも外側に位置しているときに、スプロケット25は、歯部27aを上側係合部33や下側係合部34の位置を通過させて回転することができる。このスプロケットストッパー31で本発明に係るストッパーが構成される。
また、ラチェットストッパー37は、支軸17bにおけるスプロケットストッパー31の前部に設置されている。このラチェットストッパー37は、図10に示したように、軸を前後方向に向けた環状の回転基部37aと、回転基部37aの外周上部から右側に延びる棒状の爪部37bとを備えている。また、回転基部37aの中央には軸穴37cが形成され、回転基部37aの下部から爪部37bの左右方向の中央部にかけての部分の前部には三角壁37dが形成されている。
このラチェットストッパー37は、爪部37bの先端をラチェット歯車29に向けて支軸17bに回転可能に取り付けられている。爪部37bの先端はラチェット歯車29の係合溝29aに接触できる位置まで延びており、自重によって下方に付勢されている。このため、ラチェットストッパー37の爪部37bは、ラチェット歯車29が時計周り方向に回転するときには、ラチェット歯車29の外周側に位置し、ラチェット歯車29が反時計周り方向に回転するときには係合溝29aに食い込んで、ラチェット歯車29の回転を制止する。また、ラチェットストッパー37は、収容部18c内に位置しており、収容部18cの周壁部の上部で上方への移動を制限される。このため、ラチェットストッパー37は、ラチェット歯車29との係合が解除された状態からは僅かしか上方に移動できなくなっている。
また、スプロケットストッパー31は、連動部40を介して、打撃装置20のハンマー21に連動するように配置されており、打撃装置20の作動に連動して回転する。連動部40は、球送りレバー41、連結棒42、スプリング43、連結棒44および防振部45を備えている。球送りレバー41は、上下に長く正面視が僅かに屈曲した「へ」の字状に形成されており、後面における屈曲部に後方に突出する軸部41aが形成され、前面における上端に前方に突出する連結軸41bが形成されている。そして、球送りレバー41は、軸部41aを、発射ベース10aのハンマー21の設置位置の右側に設けられた軸受け部(図示せず)に挿入することによって、回転可能に支持されている。
また、球送りレバー41の下部はハンマー21の右側に位置しておりハンマー21が待機位置(反時計回り方向に回転した状態)にあるときに、球送りレバー41はハンマー21に押圧されて軸部41aを中心として反時計回り方向に回転する。球送りレバー41は、発射ベース10aと内側球送りベース10bとの間に配置されているが、連結軸41bは、逃がし穴16bを貫通して内側球送りベース10bの前面側に突出している。この連結軸41bは後部が大径で前部が小径になった段違いの軸部で構成されている。
連結棒42は、細長い棒体で構成されており、その左側部分は下方が凸状になるように緩やかに湾曲している。そして、その湾曲の開始部の凹部側には、上方に延びたのちに屈曲して湾曲先端側に延びるフック42aが形成されている。そして、連結棒42の両端にそれぞれ前後に貫通する軸挿通穴42b,42cが形成されている。軸挿通穴42bには、球送りレバー41の連結軸41bの細径部分が挿通しており、これによって、連結棒42は球送りレバー41の連結軸41bに対して回転可能になっている。スプリング43はコイルばねで構成されており、両端に係止部43aが形成されている。このスプリング43は一方の係止部43aをフック42aに係止させ、他方の係止部43aを内側球送りベース10bのボス部17gに螺合したねじ43bに係止させることにより、連結棒42を右側に付勢している。
連結棒44は、防振部45を介して、連結棒42に連結されるもので、連結棒42よりも短い真っ直ぐな棒体で構成されている。そして、連結棒44の両端にそれぞれ前後に貫通する軸挿通穴44a,44bが形成されており、このうちの軸挿通穴44aに、スプロケットストッパー31の連結軸35が回転可能に挿通している。
防振部45は、図11および図12に示したように、ストッパー側中継アーム46と、ハンマー側中継アーム47と、コイルスプリング48とで構成されている。ストッパー側中継アーム46は、回転軸部46aと、連結片46bと、筒状部46cと、連結用支軸46dとで構成されている。回転軸部46aは、後部よりも前部が小径になり軸方向の長さが短い2段状の円筒状に形成されており中心に軸挿通穴46eが形成されている。また、回転軸部46aの大径部分における小径部分との境界部分には前後に貫通する細径の係止用穴46fが形成されている。
連結片46bは、回転軸部46aの後部の大径部分の外周面における係止用穴46fに対応する部分から回転軸部46aの径方向に対して傾斜して下方に延びる平面視が略長円状の板状に形成されている。この連結片46bの上部における左縁部は、回転軸部46aよりも外周側に突出しており、その上端と回転軸部46aの外周面との間には段部49aが形成されている。この段部49aによって本発明に係る被押圧部が構成される。また、筒状部46cは、連結片46bの先端から後方に延びる円筒体で構成されており、その中心穴に、連結用支軸46dが固定されている。連結用支軸46dは、棒状に形成され、その後部が筒状部46cに固定され前部が前方に突出している。
ハンマー側中継アーム47は、回転軸部46aよりも大きな回転軸部47aと、連結片47bと、筒状部47cと、連結用支軸47dとで構成されている。回転軸部47aは、軸方向の長さが短い円筒部の後部外周側に略半円状のフランジ部を形成した略2段状の円筒状に形成されており、前部中心に、軸挿通穴46eと同径の軸挿通穴47eが形成され、後部中央に回転軸部46aを余裕をもって収容する2段状の凹部47fが形成されている。また、回転軸部47aの凹部47fにおける回転軸部46aの小径部分の外周に対向する部分には、リング状のコイル収容部47gが形成され、その所定部分に、前後に貫通する細径の係止用穴47hが形成されている。
連結片47bは、回転軸部47aの大径部分の後部の外周面から回転軸部47aの径方向に対して傾斜して下方に延びる平面視が略長円状の板状に形成されている。この連結片47bの上端左側と回転軸部47aの外周面(フランジ部の端面に対応する部分)との間には段部49bが形成されている。この段部49bによって本発明に係る押圧部が構成される。筒状部47cは、連結片47bの先端から後方に延びる円筒体で構成されており、その中心穴に、連結用支軸47dが固定されている。連結用支軸47dは、棒状に形成され、その後部が筒状部47cに固定され前部が前方に突出している。また、段部49aと段部49bとは、ストッパー側中継アーム46とハンマー側中継アーム47との位置関係に応じて接触したり離反したりする。
コイルスプリング48は、本発明に係る緩衝部を構成するもので、螺旋状のスプリング本体の両端にそれぞれ軸に平行して外部に延びる先端直線部とを設けて構成されている。そして、コイルスプリング48は、一方の先端直線部を係止用穴46fに挿入して、スプリング本体の後部を回転軸部46aの小径部の外周に位置させ、スプリング本体の前部をコイル収容部47g内に入れて他方の先端直線部を係止用穴47hに挿入することにより、ストッパー側中継アーム46とハンマー側中継アーム47とに組み付けられている。このコイルスプリング48によって、ストッパー側中継アーム46とハンマー側中継アーム47とは、図11(a),(b)にそれぞれ矢印aで示したように、連結片46bと連結片47bとが離れる方向に付勢される。
そして、図11(a)に示したように、矢印bの方向に力が加わって連結片46bと連結片47bとが当接したときには、段部49aと段部49bとはα°の角度で離れ、図11(b)に示したように、矢印cの方向に力が加わって連結片46bと連結片47bとが離れてその角度がα°になったときには、段部49aと段部49bとは当接する。このため、段部49aと段部49b、および、連結片46bと連結片47bは、それぞれ0°からα°の角度で互いに接近したり離れたりする。なお、このα°は、8〜16°に設定することが好ましい。
このように構成された防振部45は、軸挿通穴46e,47eに、支軸17cを通すことによって回転可能に支持されている。そして、連結用支軸46dを、軸挿通穴44bに通すことによって連結棒44に対して回転可能に連結され、連結用支軸47dを、軸挿通穴42cに通すことによって連結棒42に対して回転可能に連結されている。また、筒状部46cと、筒状部47cとの後部は、逃がし穴16c内で移動可能になっている。なお、ハンマー21が待機位置に戻ろうとする力は、スプリング43とコイルスプリング48との合計弾性力よりも大きくなっており、ハンマー21が待機位置にあるときは、スプリング43は伸長し、コイルスプリング48は、段部49aと段部49bとが離れることを許容する。したがって、ハンマー21が打撃位置にあるときは、スプリング43は収縮するようになり、コイルスプリング48は、段部49aと段部49bとを当接させる。
このため、図13に示したように、ハンマー21が待機位置にあり、遊技球Bの重さによってスプロケット25が時計回り方向に付勢され、スプロケット25の歯部27aにスプロケットストッパー31の上側係合部33が係合している状態から、ハンマー21が打撃位置に移動すると、図14に示した状態になる。この場合、球送りレバー41が、ハンマー21の付勢力から解放されるため、スプリング43の付勢力によって、連結棒42が右側に付勢され、防振部45のハンマー側中継アーム47を右方向に引っ張る。これによって、段部49aと段部49bとが当接してストッパー側中継アーム46は反時計回り方向に回転する。
そして、連結棒44が下方に引っ張られて、スプロケットストッパー31を反時計回り方向に回転させ、歯部27aと上側係合部33との係合を解除させる。その結果、遊技球Bの重さによってスプロケット25が時計回り方向に回転して遊技球Bは下方に落下していく。遊技球Bがスプロケット25を通過すると下側係合部34が歯部27aに係合してスプロケット25を停止させる。そして、ハンマー21が待機位置に戻るときに、球送りレバー41がハンマー21に押されて反時計回り方向に回転し、連結棒42は、スプリング43の付勢力に抗して左方向に移動するため、防振部45のハンマー側中継アーム47は左方向に付勢される。
これによって、ストッパー側中継アーム46はコイルスプリング48を介して押圧され時計回り方向に回転する。このストッパー側中継アーム46の回転によって、連結棒44は上方に押し上げられて、スプロケットストッパー31を時計回り方向に回転させる。これによって、歯部27aと上側係合部33とが係合して、図13の状態になる。
また、ハンマー21が待機位置に戻るときに、ゴムストッパー23bに衝突すると、図14に示したように、ハンマー21は振動してゴムストッパー23bとの衝突を繰り返すことがある。このような場合に、段部49aと段部49bは、図13に示した互いに離れた状態から、図15に示した互いに接近した状態になり、その間に、ハンマー21から球送りレバー41および連結棒42を介してハンマー側中継アーム47に伝わる振動は、コイルスプリング48に吸収されてストッパー側中継アーム46には伝わらなくなる。
このため、ハンマー21の振動が、スプロケットストッパー31やスプロケット25の作動に悪影響を及ぼすことはない。このため、ハンマー21の往復移動により、遊技球Bは、順次、良好な状態で発射位置14aに供給されながら打撃される。なお、ハンマー21の打撃側の位置は、ハンマー21の上部がゴムストッパー23aに当接することによって規制される。
このように構成された球発射装置Aが備わったパチンコ機を使用する場合には、まず、球供給皿に所定量の遊技球Bを入れるとその遊技球Bは、順次球入口15bから球供給路15内に入り球供給路15を流下していく。そして、先頭の遊技球Bは、スプロケット25における球供給路15内に位置する球搬送凹部28内(歯部27aと球ガイド部15aの右側の壁部との間)まで進む。この場合、ハンマー21は、図13に示したように、待機位置に後退し、スプロケット25は、スプロケットストッパー31によって時計周り方向への回転を禁止された状態になっている。
その状態で、パチンコ機に設けられたハンドルを回転操作することによって、打撃装置20を作動させる。これによって、ロータリーソレノイド22が作動して、ハンマー21は打撃位置に移動して、図14の状態になる。すなわち、ハンマー21が打撃位置に移動することによって、前述したように、連動部40を介してスプロケットストッパー31が反時計周り方向に回転して上側係合部33が上部側に位置する歯部27aの先端部から離れる。その間に、スプロケット25は、遊技球Bの重さによって時計周り方向に回転し、最初の遊技球Bは、球搬送凹部28内から球供給路15の球出口15cを通過して発射位置14aに向かう。なお、その段階では、最初の遊技球Bは、まだ、発射位置14aに達していないため、ハンマー21は空振りの状態になる。
つぎに、ハンマー21が待機位置に戻る間に、最初の遊技球Bは、発射位置14aに到達し、つぎの遊技球Bが、球搬送凹部28内に入っていく。そして、再度、ハンマー21が打撃位置に移動すると、最初の遊技球Bはハンマー21の先端部21dによって打撃され、パチンコ機本体の表面に設けられた遊技盤に入っていく。その間に、つぎの遊技球Bが、発射位置14aに到達し、さらにつぎの遊技球Bが球搬送凹部28内に入っていく。このような動作が繰り返されることにより、遊技球Bが1個ずつ球供給皿から球供給路15に送られ、球供給路15に配置されたスプロケット25を通過して発射位置14aに供給される。そして、発射位置14aに到達した遊技球Bは、ハンマー21の先端部21dによって打撃される。この間、スプロケット25は、時計周り方向に回転する状態と、上側係合部33または下側係合部34によって、回転を制止された状態を繰り返す。
また、スプロケット25が時計周り方向に回転する際、ラチェットストッパー37は、ラチェット歯車29の回転を妨げることなく、爪部37bの先端がラチェット歯車29の外周上部を乗り越えていく。そして、スプロケット25の球搬送凹部28に遊技球Bが入っていないときなどに、はずみでスプロケット25が反時計周り方向に回転しようとしたときには、爪部37bの先端がラチェット歯車29の係合溝29aに係合して、ラチェット歯車29の反時計周り方向の回転を制止する。
このため、複数の遊技球Bが一度にスプロケット25を通過したり、スプロケット25の歯部27aと球ガイド部15aの右側の壁部との間に、遊技球Bが挟み込まれてスプロケット25が回転不能の状態になったりすることが防止される。さらに、ハンマー21が待機位置に戻るときに、ゴムストッパー23bに衝突して振動した場合には、前述したように、防振部45によってその振動は吸収される。
以上のように、本実施形態に係る球発射装置Aには、ハンマー21の移動に連動することによりスプロケットストッパー31を往復移動させる連動部40に、ストッパー側中継アーム46と、ハンマー側中継アーム47と、ストッパー側中継アーム46とハンマー側中継アーム47との間に介在するコイルスプリング48とが備わっている。このため、ハンマー21が待機位置に後退してゴムストッパー23bに衝突する際に、ハンマー21に振動が発生しても、その振動は、コイルスプリング48によって吸収されるようになり、ハンマー側中継アーム47からストッパー側中継アーム46に伝わることが防止される。これによって、スプロケットストッパー31が搖動しさらにスプロケット25が回転して、余分な遊技球Bがスプロケット25を通過したり、スプロケット25で詰まったりすることがなくなる。
また、球発射装置Aにおいて、ハンマー21をロータリーソレノイド22で作動させて、ハンマー21の待機位置に後退位置を規制するためのゴムストッパー23bを設けた場合には、ハンマー21がゴムストッパー23bに衝突することによって、ハンマー21に振動が発生しやすくなるが、前述した防振部45を備えた連動部40を用いることにより、この振動を効果的に抑制することができる。すなわち、本実施形態に係る防振部45を備えた連動部40は、ロータリーソレノイド22やゴムストッパー23bを備えた球発射装置Aに用いることで、より大きな効果を奏することができる。
また、本発明に係る球発射装置は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更することができる。例えば、前述した実施形態では、防振部45を、ストッパー側中継アーム46、ハンマー側中継アーム47およびコイルスプリング48で構成しているが、これに代えて、例えば、2つの片を二又状に形成した一体からなるゴム部材で防振部を構成することができる。この場合、一方の片に他方の片に対向する突起を設けることにより、一方の片が他方の片側に付勢されると、突起が他方の片に当接して両片が一緒に付勢される。また、2つの片が離れた状態では、ゴム部材が備える弾性の範囲で振動を吸収することができる。
また、前述した実施形態では、ハンマー21を回転可能に取り付けて、ハンマー21を作動させるためにロータリーソレノイド22を設けているが、これに代えて、ハンマーを直線状に進退するプランジャー式のもので構成し、このハンマーを直線状に進退させる駆動モータを用いてもよい。これによっても、スプロケットストッパー31側にハンマーの振動が伝わることを防止できる。また、本発明に係る球発射装置のそれ以外の部分の構成についても本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。
14a…発射位置、15…球供給路、21…ハンマー、22…ロータリーソレノイド、23b…ゴムストッパー、25…スプロケット、28…球搬送凹部、31…スプロケットストッパー、40…連動部、46…ストッパー側中継アーム、46a,47a…回転軸部、47…ハンマー側中継アーム、48…コイルスプリング、49a,49b…段部、A…球発射装置、B…遊技球。

Claims (4)

  1. 遊技球を発射位置に供給する球供給路と、
    前記発射位置に対して進退可能に設けられ前進することにより前記発射位置に供給される遊技球を打撃するハンマーと、
    外周部に形成された球搬送凹部を前記球供給路に臨ませて配置され、前記球供給路の上流側から供給される遊技球の重さによって一方向に回転することにより、前記遊技球を通過させるスプロケットと、
    前記スプロケットに係合して前記スプロケットの一方向への回転を制止する位置と、前記スプロケットとの係合を解除して前記スプロケットの一方向への回転を許容する位置との間で往復移動可能に設置されたストッパーと、
    前記ストッパーに連結され、前記ハンマーの進退に連動して移動することにより前記ストッパーを往復移動させる連動部とを備え、
    前記連動部に、前記ストッパー側に配置されたストッパー側中継アームと、前記ハンマー側に配置されたハンマー側中継アームと、前記ストッパー側中継アームと前記ハンマー側中継アームとを連結する緩衝部材とが備わっていることを特徴とする球発射装置。
  2. 前記ストッパー側中継アームと前記ハンマー側中継アームとが、それぞれ同軸上に位置して互いに回転可能になった軸部を備え、前記緩衝部材が、前記両軸部と同軸上に配置され、一方の端部が前記ストッパー側中継アームに係合し、他方の端部が前記ハンマー側中継アームに係合したコイルスプリングで構成されている請求項1に記載の球発射装置。
  3. 前記ハンマー側中継アームに押圧部を設けて、前記ストッパー側中継アームに被押圧部を設け、前記ハンマーが発射位置側に前進するときに、前記押圧部が前記被押圧部を押圧して前記ハンマー側中継アームと前記ストッパー側中継アームとが一体となって回転し、前記ハンマーが待機位置側に後退するときに、前記押圧部による前記被押圧部の押圧が解除されて、前記ハンマーの振動により前記ハンマー側中継アームが振動してもその振動が前記コイルスプリングに吸収されて前記ストッパー側中継アームに伝わらないようにした請求項2に記載の球発射装置。
  4. 前記ハンマーが、ロータリーソレノイドの駆動によって回転することにより、前記発射位置に対して進退するものであり、前記ハンマーの待機位置に前記ハンマーの後退位置を規制するためのゴムストッパーが設けられている請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の球発射装置。
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