JP2014132523A - 有機el表示装置の製造方法及び移送具 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機EL表示装置の製造工程において、移送具を用いて素子基板を搬送するとともに、当該素子基板の少なくとも一部において、素子基板に固着した異物を除去しやすくする。
【解決手段】有機EL表示装置の製造方法において、移送具に粘着シート240を備え、その粘着面を素子基板110の少なくとも一部に粘着させる粘着工程と、所定の位置にて、前記粘着シート240を前記素子基板110に粘着させた状態で当該素子基板110から前記移送具を分離する分離工程と、別途、前記素子基板110から前記粘着シート240を剥離する剥離工程と、を有し、前記剥離工程は、前記素子基板110から前記粘着シート240を剥離させることで、当該粘着シート240に粘着した異物を除去する。
【選択図】図4
【解決手段】有機EL表示装置の製造方法において、移送具に粘着シート240を備え、その粘着面を素子基板110の少なくとも一部に粘着させる粘着工程と、所定の位置にて、前記粘着シート240を前記素子基板110に粘着させた状態で当該素子基板110から前記移送具を分離する分離工程と、別途、前記素子基板110から前記粘着シート240を剥離する剥離工程と、を有し、前記剥離工程は、前記素子基板110から前記粘着シート240を剥離させることで、当該粘着シート240に粘着した異物を除去する。
【選択図】図4
Description
本発明は、有機EL表示装置の製造方法及び移送具に関する。
液晶表示装置、有機EL表示装置等の薄型表示装置(フラットパネルディスプレイ)を製造する製造工程において、素子基板などの基板を製造工程内で搬送する作業が存在する。そこで、素子基板の搬送では、素子基板の取付け取外しが容易となる真空ピンセットが移送具として広く使われている。特許文献1には、真空ピンセットの中心部を空洞にすることで、素子基板の成膜される面に触れることなく搬送作業を行えることが開示されている。
素子基板などの基板を搬送している間に、基板上に埃等の異物が付着または固着することがある。このような異物が付着または固着したまま製造された表示装置には、画像表示における不具合が発生する恐れがある。特許文献1に記載の真空ピンセットは、真空引きを利用して基板上に付着した異物の除去を行うことは容易であるが、基板上に固着した異物までは除去できない場合がある。
本発明は、上記実情を鑑みて為されたものであり、有機EL表示装置の製造工程において、移送具を用いて素子基板を搬送するとともに、当該素子基板の少なくとも一部において、素子基板に固着した異物を除去しやすくしたものである。
(1)本発明は、有機EL表示装置の製造方法であって、移送具に粘着シートを備え、その粘着面を素子基板の少なくとも一部に粘着させる粘着工程と、所定の位置にて、前記粘着シートを前記素子基板に粘着させた状態で当該素子基板から前記移送具を分離する分離工程と、別途、前記素子基板から前記粘着シートを剥離する剥離工程と、を有し、前記剥離工程は、前記素子基板から前記粘着シートを剥離させることで、当該粘着シートに粘着した異物を除去する、こととしたものである。
(2)他の本発明は、上記(1)に記載の有機EL表示装置の製造方法において、前記粘着シートは、複数枚の粘着シートが積層されている粘着シート積層体であり、前記分離工程は、素子基板に粘着している粘着シートを、当該素子基板に粘着させた状態で粘着シート積層体から分離させることで、前記移送具から粘着シートを分離する、こととしたものである。
(3)さらに他の本発明は、有機EL表示装置の製造方法において、移送具に粘着シートを備え、その粘着面を素子基板の少なくとも一部に粘着させる粘着工程と、所定の位置にて前記素子基板から前記粘着シートとともに前記移送具を分離する分離工程と、を有し、前記分離工程は、前記素子基板から前記移送具とともに前記粘着シートを分離させることで、当該粘着シートに粘着した異物を除去する、こととしたものである。
(4)別の本発明は、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の有機EL表示装置の製造方法において、前記移送具は、粘着力の異なる2以上の領域が存在する粘着シートを備える、こととしたものである。
(5)さらに別の本発明は、上記(1)または(2)に記載の有機EL表示装置の製造方法において、前記分離工程は、前記移送具とともに一部の前記粘着シートを前記素子基板から分離する、こととしたものである。
(6)本発明に係る移送具は、複数枚の粘着シートが積層されている粘着シート積層体を備え、移送元で当該粘着シートの粘着面を素子基板に粘着し、移送先で前記素子基板に粘着させた状態で当該粘着シートを粘着シート積層体から分離させることで素子基板を移送する、ものである。
本発明によれば、有機EL表示装置の製造工程において、移送具を用いて素子基板を搬送するとともに、当該素子基板の少なくとも一部において、素子基板に固着した異物を除去しやすくなる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づき詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づき詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、第1実施形態に係る有機EL表示装置100の断面構造を概略的に示す図である。図1に示すように、第1実施形態に係る有機EL表示装置100は、素子基板110、画素領域120、封止基板130、端子部140、フレキシブル基板150、上フレーム160、及び下フレーム170、を含んで構成されている。
素子基板110は、ガラス基板等の絶縁基板であり、その表面には薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動回路及び配線が形成されている。画素領域120は、有機EL素子等が形成される領域であり、素子基板110上に下部電極、バンク層、有機膜、上部電極などが積層されている。封止基板130は、画素領域120の形成が終了した後に表示領域の防湿等を目的として画素領域120上に貼り付けられる。端子部140は、有機EL表示装置100の表示領域とならない素子基板110の縁部に形成され、フレキシブル基板150と接続されている。外部回路と接続されるフレキシブル基板150から端子部140を介して素子基板110上の電極に電流や信号が供給される。そして、上フレーム160及び下フレーム170により、素子基板110等が保持される。
図1に示すような有機EL表示装置100の製造方法は、具体的には、例えば、アルミニウム等の導電膜や、半導体膜、絶縁膜の積層やパターニング等の処理を繰り返して、走査信号線、映像信号線、薄膜トランジスタ等を含む素子基板110を形成する。次に、素子基板110上に薄膜トランジスタと電気的に接続される下部電極を形成する。そして、下部電極の形成後、各画素領域を格子状に区画するようにバンク層が設けられ、下部電極上に各画素の発光色に対応した有機膜が形成される。その後、有機膜上に各色共通の膜厚かつ材料によって表示領域の全域にわたって上部電極が形成され、その上部に封止基板130が貼り付けられる。また、素子基板110上の縁部には端子が形成され、その上部にフレキシブル基板150等が圧着される。
上述したように、有機EL表示装置の製造は、素子基板110上に電極、有機膜等を積層する工程を複数経て実施され、各工程で施される処理は、各工程の処理に対応する異なる装置で行われる。したがって、有機EL表示装置の製造工程では、ある工程での処理が終了すると、素子基板110を装置から取り出し、搬送し、次の装置へ装着するという作業が繰り返される。
第1実施形態では、携帯情報端末等に用いられる小型の有機EL表示装置の製造工程を対象とし、素子基板110を装置から取り出し、搬送し、次の装置へ装着する素子基板110の搬送工程は、移送具を用いて作業者により行われることとする。
図2は、第1実施形態に係る移送具200の一例を示す図である。図2に示すように、第1実施形態に係る移送具200は、例えば、フレーム220、粘着シート240などを有して形成されている。
フレーム220は、粘着シート240の形状を保持するための保持体であり、作業者が把持するための把持部230を有して形成されている。フレーム240は、金属などの材質で形成されており、作業者が把持部を把持して持ち上げることが可能な程度の重量及び素子基板110の移送が可能となる強度を有している。
粘着シート240は、素子基板110に粘着するための粘着材を備えたフィルム状シートであり、基材と、基材の片面に塗付した粘着材からなる粘着層と、で形成されている。粘着層を有さない面は、粘着材等を介してフレーム220に貼り付けられている。粘着層は素子基板110に粘着する面であり、素子基板110を粘着保持することができ、かつ、その素子基板110を容易に剥離できる弱粘着性の粘着材が用いられている。
第1実施形態では、素子基板110は矩形の主面を有し、その主面上に画素領域120等が成形されることとする。そして、フレーム220及び粘着シート240は、素子基板110の主面と同じ面積の矩形の面を有することとする。
ここで、移送具200を用いた素子基板110の搬送工程の流れの一例を、図3に例示するフロー図を参照しながら説明する。
まず、有機EL表示装置の製造工程のうちの、1つの工程が終了すると(S101)、作業者が把持部230を把持して移送具200に備えられている粘着シート240を素子基板110に粘着させる(S102)。次に、作業者が把持部230を把持して移送具200を移動させることで、素子基板110は装置から取り出される(S103)。そして、粘着シート240を素子基板110に粘着させたまま、移送具200を素子基板110から取り外す(S104)。つまり、フレーム220に貼り付けられている粘着シート240がフレーム220から分離される。この時、粘着シート240は素子基板110に粘着されたままになるため、粘着シート240により素子基板110は保護される。
図4はS102〜S106の流れを模式的に示した素子基板110及び移送具200の断面図である。図4(a)に示すように、S101において、工程終了後、素子基板110は装置内にあり、移送具200は素子基板110を搬送する準備段階にある。図4(b)に示すように、S102において、画素領域120及び端子部140を含む素子基板110の全域を覆うように、移送具200が粘着シート240を介して素子基板110に粘着される。そして、図4(c)に示すように、S103において、作業者が把持部230を把持して移送具200を移動させると、素子基板110が粘着シート240に粘着した状態で装置から取り出される。そして、装置から取り出された素子基板110が移送具200から分離される際は、図4(d)に示すように、粘着シート240は、素子基板110に粘着された状態で、フレーム220から分離される。そうすることで、素子基板110は粘着シート240により保護された状態で次の装置まで搬送されるため、素子基板110に埃等の異物が付着することを防ぐことができる。
次に、S104にて移送具200から分離された素子基板110は粘着シート240に粘着された状態で次の工程が行われる装置まで搬送される(S105)。ここで、素子基板110の搬送方法としては、例えば、回転コロ上に素子基板110を乗せて移動させるコロ搬送、移動するベルト上に素子基板110を乗せて移動させるベルト搬送、ロボットアームにて素子基板110を移動させるロボット搬送などが用いられる。なお、作業者の手により次の工程が行われる装置まで搬送されてもよい。そして、次の工程の処理が開始される直前に、図4(e)に示すように、素子基板110に粘着している粘着シート240は、素子基板110から剥離される(S106)。ここで、粘着シート240は、作業者によりピンセット等で素子基板110から剥離されることとしてもよいし、装置の処理において素子基板110から剥離されることとしてもよい。この時、粘着シート240が素子基板110から剥離されると同時に、素子基板110に付着または固着していた異物が粘着シート240に粘着して除去される。そして、粘着シート240が剥離された素子基板110に対して、次の工程の処理が開始される(S107)。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図5は第2実施形態に係る移送具200の一例を示す断面図である。図5に示すように、第2実施形態に係る移送具200は、第1実施形態における粘着シート240を複数枚の粘着シートが積層された粘着シート積層体260としたものである。
次に第2実施形態について説明する。図5は第2実施形態に係る移送具200の一例を示す断面図である。図5に示すように、第2実施形態に係る移送具200は、第1実施形態における粘着シート240を複数枚の粘着シートが積層された粘着シート積層体260としたものである。
第2実施形態における粘着シート積層体260を構成する各粘着シート240Aは、第1実施形態における粘着シート240と同等の性質を有しており、粘着シート積層体260は、その粘着層を有さない背面を、接着剤等を介してフレーム220に貼り付けられている。第2実施形態における各粘着シート240Aは1枚ずつ粘着対象に粘着して分離されるようになっており、1枚の粘着シート240Aが粘着シート積層体260から分離されることで表出する面が新たな粘着面となり、第2実施形態に係る移送具200は繰り返し使用することが可能となる。
第2実施形態に係る移送具200を用いた素子基板110の搬送工程の流れの一例を図3に例示するフロー図を参照しながら説明する。図6は第2実施形態におけるS102〜S104の流れを模式的に示した移送具200及び素子基板110の断面図である。図6(a)に示すように、S101において、工程終了後、素子基板110は装置内にあり、移送具200は素子基板110を搬送する準備段階にある。図6(b)に示すように、S102において、画素領域120及び端子部140を含む素子基板110の全域を覆うように、移送具200が粘着シート積層体260を介して素子基板110に粘着される。そして、図6(c)に示すように、S103において、作業者が把持部230を把持して移送具200を移動させると、素子基板110が粘着シート積層体260に粘着した状態で装置から取り出される。そして、装置から取り出された素子基板110が移送具200から分離される際は、図6(d)に示すように、粘着シート積層体260のうち素子基板110に粘着した1枚の粘着シート240Aが、素子基板110に粘着された状態で、粘着シート積層体260から分離される。そうすることで、素子基板110は粘着シート240Aにより保護された状態で次の装置まで搬送されるため、素子基板110に埃等の異物が付着することを防ぐことができる。そして、移送具200は、粘着シート積層体260から1枚分離したことで表出した面が新たな粘着面となるため、そのまま繰り返し使用することができる。なお、S105以下の処理は第1実施形態における処理と同じであるから、この説明については重複するためここでは省略する。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態では第1実施形態に係る移送具200を用いて、移送具200と粘着シート240とを同時に分離することとしたものである。第4実施形態に係る移送具200を用いた素子基板110の搬送工程の流れの一例を図7に例示する移送具200及び素子基板110の断面図を参照しながら説明する。図7(a)〜図7(c)に示す処理は、第1実施形態に係る図4(a)〜図4(c)の処理と同様であるから、この説明については重複するためここでは省略する。
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態では第1実施形態に係る移送具200を用いて、移送具200と粘着シート240とを同時に分離することとしたものである。第4実施形態に係る移送具200を用いた素子基板110の搬送工程の流れの一例を図7に例示する移送具200及び素子基板110の断面図を参照しながら説明する。図7(a)〜図7(c)に示す処理は、第1実施形態に係る図4(a)〜図4(c)の処理と同様であるから、この説明については重複するためここでは省略する。
移送具200に粘着されて装置から取り出された素子基板110は次の装置まで搬送される。ここで、素子基板110の搬送方法としては、上記第1実施形態で述べたものと同様の方法を用いることができる。そして、図7(d)に示すように、次の工程における処理が行われる直前に、素子基板110に粘着している移送具200を素子基板110から分離する。ここでは、粘着シート240はフレーム220に貼り付けたまま、粘着シート240を素子基板110から剥離することで、移送具200を素子基板110から分離する。そして、移送具200が分離された素子基板110に対して、次の工程の処理が開始される。こうすることで、移送具200を取り外す工程と、粘着シートを剥離する工程を同時に実施することとなり、素子基板110の搬送工程を短縮することが可能となる。
[第4実施形態]
次に第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態における粘着シート240を粘着力の異なる2つの領域が存在する粘着シート280としたものである。有機EL表示装置の製造工程において、端子部140に電極265が配置された後に、電極の上部に封止膜270を形成する工程と、その後に当該封止膜270を剥離する端子出し工程が存在する。従来、この端子出し工程は、セロハンテープ等の粘着材を用いて手作業で実施されている。そこで、第4実施形態では、移送具200を用いて、素子基板110を搬送するとともに、端子部140の封止膜270を剥離する端子出し工程を短縮する手法を提示する。
次に第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態における粘着シート240を粘着力の異なる2つの領域が存在する粘着シート280としたものである。有機EL表示装置の製造工程において、端子部140に電極265が配置された後に、電極の上部に封止膜270を形成する工程と、その後に当該封止膜270を剥離する端子出し工程が存在する。従来、この端子出し工程は、セロハンテープ等の粘着材を用いて手作業で実施されている。そこで、第4実施形態では、移送具200を用いて、素子基板110を搬送するとともに、端子部140の封止膜270を剥離する端子出し工程を短縮する手法を提示する。
図8は第4実施形態に係る移送具200及び素子基板110の一例を示す断面図である。図8に示すように、第4実施形態に係る移送具200は、粘着力の異なる2つの領域が存在する粘着シート280を有して形成されている。当該2つの領域のうちの一方は粘着力の強い強粘着領域282で、端子部140を保護可能な大きさの領域である。他方は、粘着力の弱い弱粘着領域284で、画素領域120を保護可能な大きさの領域である。そして、第4実施形態では、図8に示すように、端子部140に電極265が配置された後に電極の上部に封止膜270を形成する工程において、端子部140の電極265上に有機膜などの剥離促進作用のある剥離促進膜290を形成した後に封止膜270を形成することとする。
ここで、第4実施形態に係る移送具200を用いた素子基板110の搬送工程の流れの一例を図3に例示するフロー図を参照しながら説明する。図9は第4実施形態におけるS102〜S106の流れを模式的に示した移送具200及び素子基板110の断面図である。図9(a)に示すように、S101において、工程終了後、画素領域120、端子部140、電極265、封止膜270、及び剥離促進膜290を有する素子基板110は装置内にあり、移送具200は素子基板110を搬送する準備段階にある。図9(b)に示すように、S102において、素子基板110の全域を覆うように、移送具200が粘着シート280を介して素子基板110に粘着される。この時、粘着シート280は、領域282が端子部140、封止膜270、及び剥離促進膜290を覆う位置に、領域284が画素領域120を覆う位置になるように粘着している。そして、図9(c)に示すように、S103において、作業者が把持部230を把持して移送具200を移動させると、素子基板110が粘着シート280に粘着した状態で装置から取り出される。そして、装置から取り出された素子基板110が移送具200から分離される際は、図9(d)に示すように、粘着シート280は、素子基板110に粘着された状態で、フレーム220から分離される。そうすることで、素子基板110は粘着シート280により保護された状態で次の装置まで搬送されるため、素子基板110に埃等の異物が付着することを防ぐことができる。
次に、S104にて移送具200から分離された素子基板110は粘着シート280に粘着された状態で次の工程が行われる装置まで搬送される(S105)。そして、次の工程の処理が開始される直前に、素子基板110に粘着している粘着シート280は、素子基板110から剥離される(S106)。この時、図9(e)に示すように、剥離促進膜290と領域282の強粘着材とが作用し、領域282に封止膜270及び剥離促進膜290が粘着されて素子基板110から剥離される。そして、粘着シート280が剥離された素子基板110に対して、次の工程の処理が開始される(S107)。そうすることで、素子基板110を搬送するとともに、端子出し工程を実施することができ、当該端子出し工程を短縮することが可能となる。
なお、第2実施形態における粘着シート積層体260を粘着力の異なる2つの領域が存在する粘着シート積層体としてもよい。
[第5実施形態]
次に第5実施形態について説明する。第5実施形態では、第1実施形態におけるS104にて素子基板110から移送具200を分離する際に、粘着シート240の一部を移送具200とともに素子基板110から分離させることとする。具体的には、例えば、素子基板110の画素領域120にのみ粘着シート240を残し、画素領域120を含まない縁部等の領域の粘着シート240は移送具とともに分離させる。つまり、異物付着することで影響が出る画素領域120を粘着シート240で保護し、画素領域120とならない縁部などは保護しないこととなる。そして、縁部等の領域の粘着シートは交換することなく繰り返し使用できるようにする。そうすることで、粘着シートの使用量を削減することが可能となる。
次に第5実施形態について説明する。第5実施形態では、第1実施形態におけるS104にて素子基板110から移送具200を分離する際に、粘着シート240の一部を移送具200とともに素子基板110から分離させることとする。具体的には、例えば、素子基板110の画素領域120にのみ粘着シート240を残し、画素領域120を含まない縁部等の領域の粘着シート240は移送具とともに分離させる。つまり、異物付着することで影響が出る画素領域120を粘着シート240で保護し、画素領域120とならない縁部などは保護しないこととなる。そして、縁部等の領域の粘着シートは交換することなく繰り返し使用できるようにする。そうすることで、粘着シートの使用量を削減することが可能となる。
なお、第5実施形態の粘着シート240の一部を移送具200とともに素子基板110から分離させる構成は、第2実施形態における粘着シート積層体260に適用させてもよい。具体的には、例えば、移送具200は、画素領域120に相当する領域は粘着シート積層体260を用い、画素領域120が含まれない縁部等の領域は1層の粘着シートを用いて形成される。この場合、画素領域120と縁部とで粘着シートの厚み差が出ることで、移送具200を素子基板110に粘着させる際に、縁部の粘着シートが素子基板110に粘着されないことが起きないよう粘着シート積層体260は厚み方向の伸縮性に優れた材質を用いることとする。
[第6実施形態]
次に第6実施形態について説明する。上述の実施形態では、移送具200を用いた素子基板110の搬送工程は作業者により行われることとしたが、第6実施形態では、移送具200を用いた素子基板110の搬送工程を自動化することとする。図10は第6実施形態に係る移送具200、素子基板110、及び基板トレイ300の斜視図を示している。図10に示すように、第6実施形態における移送具200はフレーム220、粘着シート240、ブラケット320、及びセンサ340を備えて形成されている。そして第6実施形態における基板トレイ300は、素子基板110を収納し得る大きさの溝と、位置マーク360を備えて形成されている。ブラケット320は、フレーム220と同様の材質で形成されており、ロボットアーム等の自動制御される装置に取り付ける支持具である。センサ340は、位置マーク360を検出し、移送具200が素子基板110に正確に粘着する位置に位置補正をするために用いられる。基板トレイ300は、装置で用いられるトレイであり、基板トレイ300に収納された素子基板110に対して処理が施される。
次に第6実施形態について説明する。上述の実施形態では、移送具200を用いた素子基板110の搬送工程は作業者により行われることとしたが、第6実施形態では、移送具200を用いた素子基板110の搬送工程を自動化することとする。図10は第6実施形態に係る移送具200、素子基板110、及び基板トレイ300の斜視図を示している。図10に示すように、第6実施形態における移送具200はフレーム220、粘着シート240、ブラケット320、及びセンサ340を備えて形成されている。そして第6実施形態における基板トレイ300は、素子基板110を収納し得る大きさの溝と、位置マーク360を備えて形成されている。ブラケット320は、フレーム220と同様の材質で形成されており、ロボットアーム等の自動制御される装置に取り付ける支持具である。センサ340は、位置マーク360を検出し、移送具200が素子基板110に正確に粘着する位置に位置補正をするために用いられる。基板トレイ300は、装置で用いられるトレイであり、基板トレイ300に収納された素子基板110に対して処理が施される。
第6実施形態では、1つの工程が終了すると、移送具200を取り付けたロボットアーム等が稼働し、素子基板110を移送具200に粘着させて、基板トレイ300から取り出し、次の装置まで搬送し、次の装置に装着する。そして、次の装置に装着させた後に移送具200を素子基板110から分離させる。このような自動制御される装置を用いることで、大型の有機EL表示装置の製造工程にも適応させることが可能となる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、基板トレイ、素子基板、フレーム、ハンドル、及び粘着シートの形状は上述の例に限定されるものではない。例えば、フレームまたは粘着シートの大きさは素子基板の大きさと一致しなくてもよい。つまり、画素領域120の大きさに相当する形状でもよいし、素子基板の縁部を型取る形状でもよい。また、第2実施形態における粘着シート積層体260の各粘着シート240Aの枚数も限定されない。
また、第4実施形態において、画素領域120に相当する領域に弱粘着力の粘着シートを、端子部140に相当する領域に強粘着力の粘着シートを粘着させることとしたが、粘着力の異なる領域を2以上設けてもよいし、画素領域120または端子部140を含まない部分に粘着力の異なる領域を設けてもよい。
第6実施形態において基板トレイ300は、素子基板110を収納し得る大きさの溝を備えて成形されているが、基板トレイ300は、素子基板110の出し入れを容易にするために、矩形の溝の角部に重なるよう円柱状の溝をさらに備えてもよい。
また、粘着シート240は、素子基板110を粘着保持するためのフィルム状シートであり、基材と基材の両面に貼り付けた粘着層C及び粘着層Dを有して形成されていてもよい。この場合、粘着層Cは、フレーム220に粘着し、粘着層Dは素子基板110に粘着する。そして、フレーム220から粘着シート240が分離する際は、粘着層Cがフレーム220から分離する。なお、フレーム220に粘着層Cが形成されていてもよい。この場合は、フレーム220から粘着シート240が分離する際は、粘着層Cが粘着シート240から分離する。
100 有機EL表示装置、110 素子基板、120 画素領域、130封止基板、140 端子部、150 フレキシブル基板、160 上フレーム、170 下フレーム、200 移送具、220 フレーム、230 把持部、240,240A 粘着シート、260 粘着シート積層体、265 電極、270 封止膜、280 粘着シート、282 強粘着領域、284 弱粘着領域、290 剥離促進膜、300 基板トレイ、320 ブラケット、340 センサ、360 位置マーク。
Claims (6)
- 移送具に粘着シートを備え、その粘着面を素子基板の少なくとも一部に粘着させる粘着工程と、
所定の位置にて、前記粘着シートを前記素子基板に粘着させた状態で当該素子基板から前記移送具を分離する分離工程と、
別途、前記素子基板から前記粘着シートを剥離する剥離工程と、
を有し、
前記剥離工程は、前記素子基板から前記粘着シートを剥離させることで、当該粘着シートに粘着した異物を除去する、
ことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。 - 前記粘着シートは、複数枚の粘着シートが積層されている粘着シート積層体であり、
前記分離工程は、素子基板に粘着している粘着シートを、当該素子基板に粘着させた状態で粘着シート積層体から分離させることで、前記移送具から粘着シートを分離する、
ことを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置の製造方法。 - 移送具に粘着シートを備え、その粘着面を素子基板の少なくとも一部に粘着させる粘着工程と、
所定の位置にて前記素子基板から前記粘着シートとともに前記移送具を分離する分離工程と、
を有し、
前記分離工程は、前記素子基板から前記移送具とともに前記粘着シートを分離させることで、当該粘着シートに粘着した異物を除去する、
ことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。 - 前記移送具は、粘着力の異なる2以上の領域が存在する粘着シートを備える、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の製造方法。 - 前記分離工程は、前記移送具とともに一部の前記粘着シートを前記素子基板から分離する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL表示装置の製造方法。 - 複数枚の粘着シートが積層されている粘着シート積層体を備え、移送元で当該粘着シートの粘着面を素子基板に粘着し、移送先で前記素子基板に粘着させた状態で当該粘着シートを粘着シート積層体から分離させることで素子基板を移送する移送具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013000133A JP2014132523A (ja) | 2013-01-04 | 2013-01-04 | 有機el表示装置の製造方法及び移送具 |
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ID=51411512
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JP2013000133A Pending JP2014132523A (ja) | 2013-01-04 | 2013-01-04 | 有機el表示装置の製造方法及び移送具 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020113390A (ja) * | 2019-01-09 | 2020-07-27 | 株式会社東海理化電機製作所 | 有機el素子の製造方法及び有機el装置 |
-
2013
- 2013-01-04 JP JP2013000133A patent/JP2014132523A/ja active Pending
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JP7216955B2 (ja) | 2019-01-09 | 2023-02-02 | 株式会社東海理化電機製作所 | 有機el素子の製造方法及び有機el装置 |
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