JP2020113390A - 有機el素子の製造方法及び有機el装置 - Google Patents
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Abstract
Description
実施の形態に係る有機EL素子の製造方法は、透明電極が形成された基材を準備し、透明電極上に粘着体を貼り付け、貼り付けた粘着体を透明電極から剥がすことによって透明電極に付着した異物を除去する、ことを含んでいる。
(有機EL素子1の概要)
図1(a)〜図1(e)は、有機EL素子の製造方法の一例を示す概略図である。なお以下に記載する実施の形態や実施例に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また数値範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下の意味で用いるものとする。
フィルム基材2は、例えば、外部からの液体や気体の侵入を抑制するガスバリア性を有するように構成されている。そしてフィルム基材2は、柔軟性に富んでいるので、有機EL素子1が高い柔軟性を有している。フィルム基材2は、有機発光層5から出力された光を透過する透明材料を用いて形成されている。
透明電極3及び上部電極6は、一方が陽極であり、他方が陰極である。本実施の形態では、透明電極3が陽極、上部電極6が陰極であるものとする。透明電極3が光を透過するため、有機発光層5によって生成された光は、図1(e)の紙面下側、つまり透明電極3及びフィルム基材2を介して外に出力される。陽極は、有機発光層5に正孔を注入するためのものである。また陰極は、有機発光層5に電子を注入するためのものである。
有機発光層5は、例えば、陽極(透明電極3)側から順に少なくとも正孔輸送層、発光層及び電子輸送層が積層される。正孔輸送層は、例えば、α−NPD(ジフェニルナフチルジアミン)やTPD(Triphenyl Diamine)などを用いて形成される。発光層は、例えば、アルミキノリノール錯体(Alq3)やベリリウムキノリノール錯体(BeBq2)などを用いて形成される。電子輸送層は、例えば、アルミキノリノール錯体などを用いて形成される。
粘着シート4は、例えば、図1(b)〜図1(d)に示すように、電磁波8の照射によってオゾン酸化されるアクリル系の粘着体41を備える概略構成されている。この粘着体41は、例えば、フィルム状の基体40に貼り付けられている。この粘着体41の厚みは、厚い方が良い。具体的には、粘着体41は、一例として、7μm以上である方が好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また粘着体41は、粘着力が高い方が良い。
図1(a)に示すように、透明電極3が形成されたフィルム基材2を準備する。具体的には、まず真空蒸着法によってフィルム基材2上に透明電極3の前駆体膜を形成する。そしてフォトリソグラフィ法によって前駆体膜を所望の形状に加工し、透明電極3を形成する。なお透明電極3は、フィルム基材2の耐熱可能温度域内でアニールにより結晶化されていても良い。
透明電極上にロール状の粘着体を貼り付け、
貼り付けた粘着体を透明電極から剥がすことによって透明電極に付着した異物を除去し、
さらにシート状の粘着体を用いて異物を除去し、
電磁波を照射することによって透明電極上に残った粘着体を除去する、
ことを含む。
本実施の形態に係る有機EL素子1の製造方法は、異物9と異物9の除去とに起因するダークスポットの発生を抑制することができる。具体的には、有機EL素子1の製造方法では、水を用いて異物を除去するのではなく、粘着体41を用いて異物9を除去する。そして有機EL素子1の製造方法では、さらに電磁波8を照射することにより、透明電極3上に残った粘着体41の一部である残渣410を除去する。従って有機EL素子1の製造方法は、この方法を採用しない場合と比べて、異物9を除去した後に残渣410が透明電極3上に残ったとしても除去できるので、異物9と異物9の除去とに起因するダークスポットの発生を抑制することができる。
・有機EL素子の製造方法は、粘着体がロール状及びシート状の少なくとも一方であることを含む。
・有機EL素子の製造方法は、粘着体がアクリル系であることを含む。
・有機EL素子の製造方法は、粘着体の厚みが7μm以上であることを含む。
・有機EL素子の製造方法は、ロール状の粘着体を用いて異物を除去した後、さらにシート状の粘着体を用いて異物を除去することを含む。
・有機EL素子の製造方法は、ロール状の粘着体がシリコーン系であり、シート状の粘着体がアクリル系であることを含む。
・有機EL素子の製造方法は、異物を除去した後、電磁波を照射することによって透明電極上に残った粘着体を除去することを含む。
・有機EL素子の製造方法は、積算光量が180mJ/cm2となる電磁波を照射することを含む。
・有機EL素子の製造方法は、異物を除去した後、透明電極上に塗布膜を生成することを含む。
・有機EL素子の製造方法は、想定される異物の粒径の10倍以上であることを含む。
実施例1では、シート状の粘着体の素材と異物の除去能力との関係について説明する。図2(a)は、異物の除去能力の評価に使用した粘着シートの基本構成の一例を示す概略図である。図2(a)に示す粘着シート4aは、例えば、シート状の基体40aと、シート状の基体40aに貼り付けられたシート状の粘着体41aと、を備えて概略構成されている。この実施例1では、粘着体41aの種類を変えて異物の除去能力を調べた。
・NT50 PANAC社 片面 アクリル系 0.09N/cm 7μm
・ET25A PANAC社 片面 アクリル系 0.039N/cm 5μm
・9030W 寺岡製作所社 両面(弱粘着/強粘着) シリコーン系 0.032N/cm(強粘着側) 32μm
・DT−2200SE−25 日立化成社 片面 アクリル系 0.016N/cm 7μm
・ET38T25 PANAC社 片面 アクリル系 0.06N/cm 25μm
なお粘着力は、9030Wのみがガラスに対しての粘着力であり、その他がPETに対する粘着力である。また上記の粘着シートは、基体40aがPETフィルムである。
図4(a)〜図4(c)は、基板に形成された透明電極とガラス部上に疑似異物としてシリカゲルを散布した状態を撮像した写真である。図4(a)は、基板の左上側の写真である。図4(b)は、基板中央の写真である。図4(c)は、基板の右下側の写真である。なおガラス部3bとは、透明電極3aが形成されてない部分である。
図6(a)は、接触角θの測定について説明するための概略図である。図6(b)は、アクリル系とシリコーン系の粘着体のUVO洗浄時間(min)と接触角θ(°)との関係を示すグラフである。図6(b)は、横軸がUVO洗浄時間であり、縦軸が接触角θである。
図7は、第1のデバイス評価に使用した粘着シートや洗浄時間などの条件を示した表である。散布に使用したシリカゲルは、粒径が0.2〜5.0μmである。また粘着シートを張り付けた時間を示す粘着シート貼付保管時間は、24hである。また洗浄時間は、20minである。またHIL塗布膜厚は、90nmである。このHILとは、有機EL素子1の有機発光層5が5層構造の場合、陽電極(透明電極3)の上に形成される正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)である。素子構成とは、青1段である。この青1段とは、青色に発光する素子のみの構成を有することを示している。
・基板No.2及び基板No.3は、シリカゲルを散布した基板を用いて形成されたデバイスである。
・基板No.4及び基板No.5は、粘着シートとしてPANAC社製NT50(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、4.1°であった。
・基板No.6及び基板No.7は、粘着シートとしてPANAC社製ET25A(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.4°であった。
・基板No.8及び基板No.9は、粘着シートとして寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.1°であった。
・「粒散布のみ#1(Avg.)」は、基板No.2を示している。
・「粒散布のみ#2(Avg.)」は、基板No.3を示している。
・「粒散布/NT50#1(Avg.)」は、基板No.4を示している。
・「粒散布/NT50#2(Avg.)」は、基板No.5を示している。
・「粒散布/ET25A#1(Avg.)」は、基板No.6を示している。
・「粒散布/ET25A#2(Avg.)」は、基板No.7を示している。
・「粒散布/9030W#1(Avg.)」は、基板No.8を示している。
・「粒散布/9030W#2(Avg.)」は、基板No.9を示している。
なお「粒散布」とは、シリカゲルの散布を示している。またリーク電流の測定は、4回(n=4)行った。図9は、その平均をグラフにしたものである。
・「粒散布のみ#1-1」は、粒の散布が行われた状態で形成されたデバイスを示している。
・「粒散布/NT50#1-1」は、散布された粒を粘着シート(NT50)で除去した後、形成されたデバイスを示している。
・「粒散布/ET25A#1-1」は、散布された粒を粘着シート(ET25A)で除去した後、形成されたデバイスを示している。
・「粒散布/9030W#1-1」は、散布された粒を粘着シート(9030W)で除去した後、形成されたデバイスを示している。
なおこれらのグラフは、1回(n=1)行った測定を平均してグラフ化されている。
図13は、第2のデバイス評価に使用した粘着シートや洗浄時間などの条件を示した表である。散布に使用したシリカゲルは、粒径が0.2〜5.0μmである。また粘着シートを張り付けた時間を示す粘着シート貼付保管時間は、120hである。またHIL塗布膜厚は、90nmである。素子構成は、青1段である。
・基板No.2〜基板No.5は、粘着シートとして日立化成社製DT−2200SE−25(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去し、時間(0min、5min、10min、20min)を変えてUVO洗浄を行った後、形成されたデバイスである。測定された接触角θは、85.0°、14.0°、10.1°、3.1°であった。
・基板No.6〜基板No.9は、粘着シートとして寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)を用いてシリカゲルを除去し、時間(0min、5min、10min、20min)を変えてUVO洗浄を行った後、形成されたデバイスである。測定された接触角θは、80.6°、43.4°、2.2°、2.1°であった。
・「DT-2200SE-25/UVOなし#1(Avg.)」は、基板No.2を示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 5min#2(Avg.)」は、基板No.3を示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 10min#1(Avg.)」は、基板No.4を示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 20min#2(Avg.)」は、基板No.5を示している。
・「9030W/UVOなし#1(Avg.)」は、基板No.6を示している。
・「9030W/UVO 5min #2(Avg.)」は、基板No.7を示している。
・「9030W/UVO 10min#1(Avg.)」は、基板No.8を示している。
・「9030W/UVO 20min#2(Avg.)」は、基板No.9を示している。
リーク電流の測定は、4回(n=4)行った。図14は、その平均をグラフにしたものである。なお基板No.6は、8回の測定の平均をグラフにしている。
・「DT-2200SE-25/UVOなし Avg」は、散布された粒を粘着シート(DT−2200SE−25)で除去した後、形成されたデバイスを示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 5min Avg」は、散布された粒を粘着シート(DT−2200SE−25)で除去してUVO洗浄を5分間した後、形成されたデバイスを示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 10min Avg」は、散布された粒を粘着シート(DT−2200SE−25)で除去してUVO洗浄を10分間した後、形成されたデバイスを示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 20min Avg」は、散布された粒を粘着シート(DT−2200SE−25)で除去してUVO洗浄を20分間した後、形成されたデバイスを示している。
なおこれらのグラフは、2回(n=2)行った測定を平均してグラフ化されている。
実施例1では、粘着体がシリコーン系よりアクリル系の方が異物の除去能力が高いことが分かった。粘着体がシリコーン系の場合、UVO洗浄後の接触角θが小さく、またリーク電流が低いものの点灯時のダークスポットや発光ムラが多い結果となった。一方アクリル系の粘着体を用いた異物の除去は、UVO洗浄後の接触角θが小さいと共にリーク電流が低く、さらに点灯時のダークスポットや発光ムラが少ない結果となった。またアクリル系の粘着体を用いて異物を除去したデバイスは、IVL特性などが異物を散布していないリファレンスと同等であり、異物の除去が素子性能に負の影響を与えていないことが分かった。
実施例2では、ロール状の粘着体の素材と異物の除去能力の関係について説明する。図2(b)は、異物の除去能力の評価に使用した粘着ローラーの基本構成の一例を示す概略図である。図2(b)に示す粘着ローラー4bは、例えば、円柱形状の芯材40bと、芯材40bに取り付けられたロール状の粘着体41bと、を備えて概略構成されている。また粘着ローラー4bは、例えば、ホルダ46によって芯材40bが保持され、回転中心47を中心に芯材40bと粘着体41bが回転するように構成されている。ホルダ46には、取手45が設けられている。異物の除去は、粘着ローラー4bを基板の上で移動させて行われた。この実施例2では、粘着体41bの種類を変えて異物の除去能力を調べた。
・HC−715FE audio−technica社 フッ素系ゴム 耐溶剤性耐摩耗性 クリーニング液(エタノール)使用
・HC−715/30 audio−technica社 ブチル系合成ゴム 粘着力:弱 クリーニング液(TC−320C)使用
・HC−715/110 audio−technica社 ブチル系合成ゴム 粘着力:中 クリーニング液(TC−320C)使用
・HC−715/450 audio−technica社 ブチル系合成ゴム 粘着力:強 クリーニング液(TC−320C)使用
・DCH−6H2LS オサダコーポレーション社 シリコーン ダブルハード(密着力:微弱) 粘着パッド(アクリル系粘着体)使用
・DCH−6HLS オサダコーポレーション社 シリコーン ハード(密着力:弱) 粘着パッド(アクリル系粘着体)使用
・DCH−6S オサダコーポレーション社 シリコーン ソフト(密着力:強) 粘着パッド(アクリル系粘着体)使用
エタノールは、市販品である。クリーニング液のTC−320Cは、メーカー純正品である。DCH−6H2LS、DCH−6HLS及びDCH−6Sは、PL処理(マット面状処理)及び帯電防止処理がなされている。
実験は、例えば、図4(a)〜図4(c)と同様に、シリカゲル9aを散布した基板の上を、粘着ローラーを移動させて行った。このシリカゲル9aは、粒径が2〜25μmの球体である。
図20は、フッ素系ゴムとブチル系合成ゴムを粘着体に用いた場合のUVO洗浄時間(min)と接触角θ(°)との関係を示すグラフである。図20は、横軸がUVO洗浄時間であり、縦軸が接触角θである。
図22は、第1のデバイス評価に使用した粘着ローラーや洗浄時間などの条件を示した表である。散布に使用したシリカゲルは、粒径が2〜25μmである。また洗浄時間は、20minである。またHIL塗布膜厚は、90nmである。素子構成とは、青1段である。
・基板No.2は、粘着シートとしてPANAC社製ET25A(アクリル系:粘着体厚み5μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.4°であった。
・基板No.3は、粘着シートとしてPNAC社製ET38T25(アクリル系:粘着体厚み25μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.9°であった。
・基板No.4は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(シリコーン)、粘着シートとしてPANAC社製ET25A(アクリル系:粘着体厚み5μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.0°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.4°であった。
・基板No.5は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(シリコーン)、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25(アクリル系:粘着体厚み25μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.0°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.6は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)、粘着シートとしてPANAC社製ET25A(アクリル系:粘着体厚み5μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで26.1°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.4°であった。
・基板No.7は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25(アクリル系:粘着体厚み25μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで26.1°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.8は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(シリコーン)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、3.0°であった。
・基板No.9は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、26.1°であった。
・「シートET25A#1(Avg.)」は、基板No.2を示している。
・「シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.3を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET25A#1(Avg.)」は、基板No.4を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.5を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET25A#1(Avg.)」は、基板No.6を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.7を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS#1(Avg.)」は、基板No.8を示している。
・「ローラーHC-715FE#1(Avg.)」は、基板No.9を示している。
リーク電流の測定は、4回(n=4)行った。図23は、その平均をグラフにしたものである。
・「シートET25AAvg.」は、基板No.2を示している。
・「シートET38T25Avg.」は、基板No.3を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET25AAvg.」は、基板No.4を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET38T25Avg.」は、基板No.5を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET25AAvg.」は、基板No.6を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET38T25Avg.」は、基板No.7を示している。
・「ローラーDCH-6H2LSAvg.」は、基板No.8を示している。
・「ローラーHC-715FEAvg.」は、基板No.9を示している。
なおこれらのグラフは、2回(n=2)行った測定を平均してグラフ化されている。
図27は、第2のデバイス評価に使用した粘着ローラー、粘着シート及び洗浄時間などの条件を示した表である。散布に使用したシリカゲルは、粒径が2〜25μmである。またHIL塗布膜厚は、90nmである。素子構成は、青1段である。
・基板No.2は、シリカゲルの散布が行われた状態で形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.4°であった。
・基板No.3は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.0°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.4は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6HLS、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.4°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.5は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715FE、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで55.6°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.6は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715/30、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで7.1°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.7は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715/110、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで5.5°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.8は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715/450、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.3°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.9は、シリカゲルの散布を行わない状態で、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6HLSによる異物の除去を行った基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、3.4°であった。
・「シリカゲル散布のみ#1(Avg.)」は、基板No.2を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.3を示している。
・「ローラーDCH-6HLS+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.4を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.5を示している。
・「ローラーHC-715/30+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.6を示している。
・「ローラーHC-715/110+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.7を示している。
・「ローラーHC-715/450+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.8を示している。
・「シリカゲル散布なし+ローラーDCH-6HLS#1(Avg.)」は、基板No.9を示している。
リーク電流の測定は、4回(n=4)行った。図28は、その平均をグラフにしたものである。
・「2〜25μm粒散布のみ Avg.」は、基板No.2を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET38T25 Avg.」は、基板No.3を示している。
・「ローラーDCH-6HLS+シートET38T25 Avg.」は、基板No.4を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET38T25 Avg.」は、基板No.5を示している。
・「ローラーHC-715/30+シートET38T25 Avg.」は、基板No.6を示している。
・「ローラーHC-715/110+シートET38T25 Avg.」は、基板No.7を示している。
・「ローラーHC-715/450+シートET38T25 Avg.」は、基板No.8を示している。
・「2〜25μm粒散布なし/ローラーDCH-6HLS Avg.」は、基板No.9を示している。
なおこれらのグラフは、2回(n=2)行った測定を平均してグラフ化されている。
実施例2では、粘着ローラーを単独で使用しても異物の除去能力が高いことが分かった。しかし粘着体がフッ素系ゴムの場合、UVO洗浄を行っても接触角θが下がらないことが分かった。一方粘着体がシリコーンゴム(粘着パッドの粘着体:アクリル系)の場合、UVO洗浄によって接触角θが下がることが分かった。
実施例3では、透明電極上に形成された塗布膜の膜厚とその膜厚で覆うことができる異物の粒径の関係について説明する。図32(a)は、有機EL素子の基本構成の一例を説明する概略図である。図32(b)は、散布したシリカゲルの粒径とリーク電流の関係を示す図である。図32(b)は、横軸が散布したシリカゲル9aの粒径(μm)であり、縦軸がリーク電流(μA)である。本実施例におけるHILの膜厚は、90nmである。図中の(×)と(+)は、HILの膜厚を90nmとして作成した2つの有機EL素子を示している。
Claims (12)
- 透明電極が形成された基材を準備し、
前記透明電極上に粘着体を貼り付け、
貼り付けた前記粘着体を前記透明電極から剥がすことによって前記透明電極に付着した異物を除去する、
有機EL素子の製造方法。 - 前記粘着体がロール状及びシート状の少なくとも一方である、
請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記粘着体がアクリル系である、
請求項1又は2に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記粘着体の厚みが7μm以上である、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。 - ロール状の前記粘着体を用いて前記異物を除去した後、さらにシート状の前記粘着体を用いて前記異物を除去する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記ロール状の前記粘着体がシリコーン系であり、前記シート状の前記粘着体がアクリル系である、
請求項5に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記異物を除去した後、電磁波を照射することによって前記透明電極上に残った前記粘着体を除去する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。 - 積算光量が180mJ/cm2となる前記電磁波を照射する、
請求項7に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記異物を除去した後、前記透明電極上に塗布膜を生成する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記塗布膜の膜厚が想定される前記異物の粒径の10倍以上である、
請求項9に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記基材がフィルム基材である、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。 - 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法を用いて製造された有機EL装置。
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