JP2020113390A - 有機el素子の製造方法及び有機el装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物と異物の除去とに起因するダークスポットや発光ムラの発生を抑制する有機EL素子の製造方法及び有機EL装置を提供する。【解決手段】有機EL素子1の製造方法は、透明電極3が形成されたフィルム基材2を準備し、透明電極3上に粘着体41を貼り付け、貼り付けた粘着体41を透明電極3から剥がすことによって透明電極3に付着した異物9を除去する、ことを含んでいる。そして有機EL素子1の製造方法は、異物9を除去した後、電磁波8を照射することによって透明電極3上に残った粘着体41を除去する、ことを含んでいる。【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL素子の製造方法及び有機EL装置に関する。
従来の技術として、ITO(スズドープ酸化インジウム:Indium Tin Oxide)層を30℃以上60℃以下の温度を有する温水で洗浄する工程を含む電気光学装置の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この電気光学装置として有機EL装置を製造する場合、異物がITO層上に付着した状態で有機発光層を形成すると、表示されない領域(ダークスポット)が発生する可能性がある。そこでこの電気光学装置の製造方法では、ITO層上を温水で洗浄することにより、ITO層を形成する際に副次的に生じる異物を選択的に除去することができる。
特開2009−295461号公報
しかし従来の電気光学装置の製造方法によって製造された有機EL装置は、温水による洗浄後、水分がITO層上や雰囲気中に残った場合、残った水分が原因となってダークスポットが発生する可能性がある。
従って本発明の目的は、異物と異物の除去とに起因するダークスポットや発光ムラの発生を抑制する有機EL素子の製造方法及び有機EL装置を提供することにある。
本発明の一態様は、透明電極が形成された基材を準備し、透明電極上に粘着体を貼り付け、貼り付けた粘着体を透明電極から剥がすことによって透明電極に付着した異物を除去する、有機EL素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、異物と異物の除去とに起因するダークスポットや発光ムラの発生を抑制することができる。
図1(a)〜図1(e)は、実施の形態に係る有機EL素子の製造方法の一例を示す概略図である。 図2(a)は、実施例1において使用した粘着シートの基本構成の一例を示す概略図であり、図2(b)は、実施例2において使用した粘着ローラーの基本構成の一例を示す概略図である。 図3は、実施例1において評価した粘着シートの仕様を示す表である。 図4(a)〜図4(c)は、実施例1において疑似異物としてシリカゲルを散布した状態を撮像した写真である。 図5(a)〜図5(e)は、実施例1において粘着シートを剥離した後の状態を撮像した透明電極部分の写真である。 図6(a)は、実施例1における接触角θの測定について説明するための概略図であり、図6(b)は、アクリル系とシリコーン系の粘着体のUVO洗浄時間(min)と接触角θ(°)との関係を示すグラフである。 図7は、実施例1における第1のデバイス評価に使用した粘着シートや洗浄時間などの条件を示した表である。 図8(a)は、逆バイアスを印加した際にリーク電流が流れない有機EL素子の一例を示し、図8(b)は、リーク電流が流れる場合の有機EL素子の一例を示している。 図9は、実施例1の第1のデバイス評価における図7の基板No.1〜基板No.9のリーク電流を測定した結果のグラフである。 図10(a)は、実施例1の第1のデバイス評価におけるI−V特性を測定した結果を示すグラフであり、図10(b)は、L−I特性を測定した結果を示すグラフである。 図11(a)は、実施例1の第1のデバイス評価におけるEQE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、図11(b)は、PE−L特性を測定した結果を示すグラフである。 図12(a)〜図12(e)は、実施例1の第1のデバイス評価において使用したデバイスを点灯させて撮像した写真である。 図13は、実施例1の第2のデバイス評価に使用した粘着シートや洗浄時間などの条件を示した表である。 図14は、実施例1の第2のデバイス評価における図13の基板No.1〜基板No.9のリーク電流を測定した結果のグラフである。 図15(a)は、実施例1の第2のデバイス評価におけるI−V特性を測定した結果を示すグラフであり、図15(b)は、L−I特性を測定した結果を示すグラフである。 図16(a)は、実施例1の第2のデバイス評価におけるEQE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、図16(b)は、PE−L特性を測定した結果を示すグラフである。 図17(a)〜図17(e)は、実施例1の第2のデバイス評価において使用したデバイスを点灯させて撮像した写真である。 図18は、実施例2において評価した粘着ローラーの仕様を示す表である。 図19(a)〜図19(f)は、実施例2において粘着ローラーを移動させて異物の除去を行った後の状態を撮像した透明電極部分の写真である。 図20は、実施例2におけるフッ素系ゴムとブチル系合成ゴムを粘着体に用いた場合のUVO洗浄時間(min)と接触角θ(°)との関係を示すグラフである。 図21は、実施例2におけるシリコーンを粘着体に用いた場合のUVO洗浄時間(min)と接触角θ(°)との関係を示すグラフである。 図22は、実施例2の第1のデバイス評価に使用した粘着ローラーや洗浄時間などの条件を示した表である。 図23は、実施例2の第1のデバイス評価における図22の基板No.1〜基板No.9のリーク電流を測定した結果のグラフである。 図24(a)は、実施例2の第1のデバイス評価におけるI−V特性を測定した結果を示すグラフであり、図24(b)は、L−I特性を測定した結果を示すグラフである。 図25(a)は、実施例2の第1のデバイス評価におけるEQE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、図25(b)は、PE−L特性を測定した結果を示すグラフである。 図26(a)〜図26(f)は、実施例2の第1のデバイス評価において使用したデバイスを点灯させて撮像した写真である。 図27は、実施例2の第2のデバイス評価に使用した粘着ローラー、粘着シート及び洗浄時間などの条件を示した表である。 図28は、実施例2の第2のデバイス評価における図27の基板No.1〜基板No.9のリーク電流を測定した結果のグラフである。 図29(a)は、実施例2の第2のデバイス評価におけるI−V特性を測定した結果を示すグラフであり、図29(b)は、L−I特性を測定した結果を示すグラフである。 図30(a)は、実施例2の第2のデバイス評価におけるEQE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、図30(b)は、PE−L特性を測定した結果を示すグラフである。 図31(a)〜図31(f)は、実施例2の第2のデバイス評価における図27の基板No.3〜基板No.8の点灯時の写真である。 図32(a)は、実施例3の有機EL素子の構成の一例を示す概略図であり、図32(b)は、HILの膜厚が90nmの際のシリカゲル粒径とリーク電流の関係を示す図である。 図33(a)及び図33(b)は、実施例3における散布したシリカゲルの粒径がφ1μmの際の基板の断面図であり、図33(c)及び図33(d)は、シリカゲルの粒径がφ5μmの際の基板の断面図である。
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る有機EL素子の製造方法は、透明電極が形成された基材を準備し、透明電極上に粘着体を貼り付け、貼り付けた粘着体を透明電極から剥がすことによって透明電極に付着した異物を除去する、ことを含んでいる。
この有機EL素子の製造方法では、粘着体により透明電極上の異物を除去するので、水によって透明電極上を洗浄する場合と比べて、水分の残留によるダークスポットの発生を抑制することができる。従って有機EL素子の製造方法は、異物と異物の除去とに起因するダークスポットや発光ムラの発生を抑制することができる。
[実施の形態]
(有機EL素子1の概要)
図1(a)〜図1(e)は、有機EL素子の製造方法の一例を示す概略図である。なお以下に記載する実施の形態や実施例に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また数値範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下の意味で用いるものとする。
有機EL素子1は、例えば、図1(e)に示すように、基材としてのフィルム基材2と、透明電極3と、有機発光層5と、上部電極6と、を備えて概略構成されている。なお基材は、フィルム基材などのフィルム状の基材であるフレキシブル基材に限定されず、ガラス基材などのリジッド基材やリジッドフレキシブル基材であっても良い。
この有機EL素子1の製造方法は、例えば、図1(a)〜図1(c)に示すように、透明電極3が形成された基材(フィルム基材2)を準備し、透明電極3上に粘着体41を貼り付け、貼り付けた粘着体41を透明電極3から剥がすことによって透明電極3に付着した異物9を除去する、ことを含んでいる。
そして有機EL素子1の製造方法は、例えば、図1(d)に示すように、異物9を除去した後、電磁波8を照射することによって透明電極3上に残った粘着体41を除去する、ことを含んでいる。この透明電極3上に残った粘着体41とは、例えば、図1(c)及び図1(d)に示す残渣410である。
この異物9は、例えば、透明電極3が形成されたフィルム基材2の保管や搬送中に付着する雰囲気中の塵や機械から出た物体などである。有機EL素子1は、異物9が透明電極3の表面30に付着すると発光ムラが生じたり、異物9が原因で透明電極3と上部電極6とが短絡して発光しなくなったりする可能性がある。
従って有機EL素子1の製造時には、透明電極3上を洗浄する必要があるが、水分が残ると非発光領域、つまりダークスポットが発生するので、水による洗浄が困難となる。本実施の形態では、水を用いることなく透明電極3上の洗浄を可能とする製造方法を提供するものである。
(フィルム基材2の構成)
フィルム基材2は、例えば、外部からの液体や気体の侵入を抑制するガスバリア性を有するように構成されている。そしてフィルム基材2は、柔軟性に富んでいるので、有機EL素子1が高い柔軟性を有している。フィルム基材2は、有機発光層5から出力された光を透過する透明材料を用いて形成されている。
フィルム基材2は、例えば、芯材フィルムと、芯材フィルムに設けられたガスバリア層と、を有している。芯材フィルムは、一例として、PET(polyethyleneterephtalate)やPEN(polyethylene naphthalate)などを用いてフィルム状に形成されている。ガスバリア層は、例えば、無機材料と有機材料とを交互に積層して形成されている。無機材料は、一例として、SiやAlの酸化物や窒化物、ZnやSnの酸化物などが用いられる。また有機材料は、一例として、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂材料が用いられる。
なお芯材フィルムやガスバリア層の厚みは、任意である。また有機EL素子1は、例えば、上部電極6側にもガスバリア性を有するフィルムを有し、当該フィルムとフィルム基材2とにより透明電極3、有機発光層5及び上部電極6を挟むように概略構成されている。
(透明電極3及び上部電極6の構成)
透明電極3及び上部電極6は、一方が陽極であり、他方が陰極である。本実施の形態では、透明電極3が陽極、上部電極6が陰極であるものとする。透明電極3が光を透過するため、有機発光層5によって生成された光は、図1(e)の紙面下側、つまり透明電極3及びフィルム基材2を介して外に出力される。陽極は、有機発光層5に正孔を注入するためのものである。また陰極は、有機発光層5に電子を注入するためのものである。
透明電極3は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法などにより、有機発光層5から出力される光を透過するITOなどにより形成される。
上部電極6は、有機発光層5から出力される光の取り出し効率を高めるため、当該光を反射する材料で形成される。上部電極6は、例えば、真空蒸着法などにより、Al、AgやMgなどの金属材料やその合金材料を用いて形成される。この上部電極6は、例えば、透明電極であるITOであっても良い。
なお透明電極3及び上部電極6の厚みは、任意である。
(有機発光層5の構成)
有機発光層5は、例えば、陽極(透明電極3)側から順に少なくとも正孔輸送層、発光層及び電子輸送層が積層される。正孔輸送層は、例えば、α−NPD(ジフェニルナフチルジアミン)やTPD(Triphenyl Diamine)などを用いて形成される。発光層は、例えば、アルミキノリノール錯体(Alq)やベリリウムキノリノール錯体(BeBq)などを用いて形成される。電子輸送層は、例えば、アルミキノリノール錯体などを用いて形成される。
この有機発光層5は、例えば、塗布法や印刷法などによって形成される。この有機発光層5の厚みは、任意である。
(粘着シート4の構成)
粘着シート4は、例えば、図1(b)〜図1(d)に示すように、電磁波8の照射によってオゾン酸化されるアクリル系の粘着体41を備える概略構成されている。この粘着体41は、例えば、フィルム状の基体40に貼り付けられている。この粘着体41の厚みは、厚い方が良い。具体的には、粘着体41は、一例として、7μm以上である方が好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また粘着体41は、粘着力が高い方が良い。
図1(c)及び図1(d)では、粘着シート4の剥離の際に、透明電極3の表面30に残った粘着体41を残渣410として図示している。電磁波8の照射によるオゾン酸化とは、大気中の酸素が185nmの紫外線を吸収しオゾンを生成し、このオゾンが254nmの紫外線を吸収してO+(活性酸素)を発生し、この発生した活性酸素が有機物(粘着体41)と結びついてHO、CO、NOなどの気体90として酸化分解されることである。
この照射される電磁波8は、一例として、200〜380nmの近紫外線である。
なお粘着体41は、シート状に限定されず、ロール状であっても良い。
以下に実施の形態の有機EL素子1の製造方法の一例について図1(a)〜図1(e)に従って説明する。
(有機EL素子1の製造方法)
図1(a)に示すように、透明電極3が形成されたフィルム基材2を準備する。具体的には、まず真空蒸着法によってフィルム基材2上に透明電極3の前駆体膜を形成する。そしてフォトリソグラフィ法によって前駆体膜を所望の形状に加工し、透明電極3を形成する。なお透明電極3は、フィルム基材2の耐熱可能温度域内でアニールにより結晶化されていても良い。
次に図1(b)に示すように、透明電極3上の異物9が付着するように透明電極3上に粘着体41を貼り付ける。なおこの際、粘着シート4を貼り付けた状態で数十時間から百数十時間保管しても良い。
次に図1(c)に示すように、粘着シート4を透明電極3から剥離して異物9を除去する。ここでは、一例として、透明電極3上に粘着体41の一部が残って残渣410となっている。
次に図1(d)に示すように、電磁波8を照射することによって透明電極3上に残った粘着シート4の粘着体41の一部である残渣410を除去する。この残渣410の除去は、電磁波8を平均照度0.15mW/cmで20分間照射することにより行われた。照射した電磁波8の換算波長は、365nmである。
次に図1(e)に示すように、少なくとも有機発光層5及び上部電極6を形成するなどの工程を経て有機EL素子1を得る。
ここで変形例としての有機EL素子の製造方法は、透明電極が形成された基材を準備し、
透明電極上にロール状の粘着体を貼り付け、
貼り付けた粘着体を透明電極から剥がすことによって透明電極に付着した異物を除去し、
さらにシート状の粘着体を用いて異物を除去し、
電磁波を照射することによって透明電極上に残った粘着体を除去する、
ことを含む。
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る有機EL素子1の製造方法は、異物9と異物9の除去とに起因するダークスポットの発生を抑制することができる。具体的には、有機EL素子1の製造方法では、水を用いて異物を除去するのではなく、粘着体41を用いて異物9を除去する。そして有機EL素子1の製造方法では、さらに電磁波8を照射することにより、透明電極3上に残った粘着体41の一部である残渣410を除去する。従って有機EL素子1の製造方法は、この方法を採用しない場合と比べて、異物9を除去した後に残渣410が透明電極3上に残ったとしても除去できるので、異物9と異物9の除去とに起因するダークスポットの発生を抑制することができる。
有機EL素子1の製造方法では、水を使用しないので、乾燥工程がなく、製造に必要な時間が短縮される。
有機EL素子1の製造方法では、異物9が除去されるので、歩留まりが向上する。
以下では、実施例1〜実施例3について記載する。この実施例1〜実施例3では、有機EL素子の製造方法に関する以下の項目について実験を通して説明する。
・有機EL素子の製造方法は、粘着体がロール状及びシート状の少なくとも一方であることを含む。
・有機EL素子の製造方法は、粘着体がアクリル系であることを含む。
・有機EL素子の製造方法は、粘着体の厚みが7μm以上であることを含む。
・有機EL素子の製造方法は、ロール状の粘着体を用いて異物を除去した後、さらにシート状の粘着体を用いて異物を除去することを含む。
・有機EL素子の製造方法は、ロール状の粘着体がシリコーン系であり、シート状の粘着体がアクリル系であることを含む。
・有機EL素子の製造方法は、異物を除去した後、電磁波を照射することによって透明電極上に残った粘着体を除去することを含む。
・有機EL素子の製造方法は、積算光量が180mJ/cmとなる電磁波を照射することを含む。
・有機EL素子の製造方法は、異物を除去した後、透明電極上に塗布膜を生成することを含む。
・有機EL素子の製造方法は、想定される異物の粒径の10倍以上であることを含む。
[実施例1]
実施例1では、シート状の粘着体の素材と異物の除去能力との関係について説明する。図2(a)は、異物の除去能力の評価に使用した粘着シートの基本構成の一例を示す概略図である。図2(a)に示す粘着シート4aは、例えば、シート状の基体40aと、シート状の基体40aに貼り付けられたシート状の粘着体41aと、を備えて概略構成されている。この実施例1では、粘着体41aの種類を変えて異物の除去能力を調べた。
図3は、評価に使用した粘着シートの種類を示す表である。粘着シートは、図3に示すように、5種類のものを使用した。以下に、種類、メーカー、片面/両面(粘着体が設けられた面)、粘着体種類、粘着力、粘着体厚みの順で記載する。
・NT50 PANAC社 片面 アクリル系 0.09N/cm 7μm
・ET25A PANAC社 片面 アクリル系 0.039N/cm 5μm
・9030W 寺岡製作所社 両面(弱粘着/強粘着) シリコーン系 0.032N/cm(強粘着側) 32μm
・DT−2200SE−25 日立化成社 片面 アクリル系 0.016N/cm 7μm
・ET38T25 PANAC社 片面 アクリル系 0.06N/cm 25μm
なお粘着力は、9030Wのみがガラスに対しての粘着力であり、その他がPETに対する粘着力である。また上記の粘着シートは、基体40aがPETフィルムである。
(a)シリカゲル除去評価(粘着シート)
図4(a)〜図4(c)は、基板に形成された透明電極とガラス部上に疑似異物としてシリカゲルを散布した状態を撮像した写真である。図4(a)は、基板の左上側の写真である。図4(b)は、基板中央の写真である。図4(c)は、基板の右下側の写真である。なおガラス部3bとは、透明電極3aが形成されてない部分である。
実験は、シリカゲル9aを散布して粘着シートを貼り付けて保管した後、粘着シートを剥離することによって行った。このシリカゲル9aは、粒径が2〜25μmの球体である。
図5(a)〜図5(e)は、粘着シートを剥離した後の状態を撮像した透明電極部分の写真である。図5(a)は、使用した粘着シートがPNAC社製NT50である。図5(b)は、使用した粘着シートがPNAC社製ET25Aである。図5(c)は、使用した粘着シートが寺岡製作所社製9030Wである。図5(d)は、使用した粘着シートが日立化成社製DT−2200SE−25である。図5(e)は、使用した粘着シートがPNAC社製ET38T25である。
散布したシリカゲルは、図5(b)及び図5(d)に示すように、PNAC社製ET25A(粘着力0.039N/cm 粘着体厚み5μm)、及び日立化成社製DT−2200SE−25(粘着力0.016N/cm 粘着体厚み7μm)を使用した場合、他と比べて多く残った。
なおPANAC社製NT50(粘着力0.09N/cm 粘着体厚み7μm)は、日立化成社製DT−2200SE−25と同じ粘着体厚みを有するものの粘着力がおよそ5.6倍となっており、図5(a)に示すように、良好な除去能力を有している。
上記の実験の結果、異物の除去は、粘着体が厚く、粘着力が高い方が高い除去能力を示すことが分かる。粘着体の厚みは、例えば、7μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。
(b)接触角評価(粘着シート)
図6(a)は、接触角θの測定について説明するための概略図である。図6(b)は、アクリル系とシリコーン系の粘着体のUVO洗浄時間(min)と接触角θ(°)との関係を示すグラフである。図6(b)は、横軸がUVO洗浄時間であり、縦軸が接触角θである。
次に、粘着シートを用いて異物を除去した後、電磁波を照射することによって透明電極3a上に残った粘着体41aを除去するUVO洗浄(UVオゾン洗浄)を行った。
このUVO洗浄は、ハイマックス社製UVOCLEANER 144AX−220を用いて行った。平均照度は、0.15mW/cmであり、電磁波の波長は、換算値で365nmである(近紫外線:UV)。また洗浄結果の評価は、例えば、図6(a)に示すように、洗浄後、基板2a上の透明電極3aに水10を滴下し、その接触角θを測定することによって行った。
図6(b)に示すように、20分間、UVO洗浄を行うと、いずれの粘着体であっても接触角がおよそ2〜4°程度となり、水で洗浄した場合と同等の接触角θとなった。なお粘着シートの貼り付け時間は、NT50(20h)、ET25A(168h)、9030W(24or720h)、DT−220SE−25(168h)、ET38T25(168h)であった。
この実験の結果、接触角θは、平均照度0.15mW/cmで20分間、つまり積算光量が180mJ/cm(365nm換算)となる電磁波を照射することで、水による洗浄と同等となることが分かった。なお異物の除去は、積算光量が大きいほど、言い換えるなら電磁波を照射する時間が長いほど効果が高い。
(c)第1のデバイス評価(粘着シート)
図7は、第1のデバイス評価に使用した粘着シートや洗浄時間などの条件を示した表である。散布に使用したシリカゲルは、粒径が0.2〜5.0μmである。また粘着シートを張り付けた時間を示す粘着シート貼付保管時間は、24hである。また洗浄時間は、20minである。またHIL塗布膜厚は、90nmである。このHILとは、有機EL素子1の有機発光層5が5層構造の場合、陽電極(透明電極3)の上に形成される正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)である。素子構成とは、青1段である。この青1段とは、青色に発光する素子のみの構成を有することを示している。
この第1のデバイス評価では、PANAC社製NT50(アクリル系)、PANAC社製ET25A(アクリル系)、寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)を用いて評価した。
・基板No.1は、シリカゲルの散布や粘着シートの貼り付けなどを行わずに形成された正常なデバイス(Reference)である。
・基板No.2及び基板No.3は、シリカゲルを散布した基板を用いて形成されたデバイスである。
・基板No.4及び基板No.5は、粘着シートとしてPANAC社製NT50(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、4.1°であった。
・基板No.6及び基板No.7は、粘着シートとしてPANAC社製ET25A(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.4°であった。
・基板No.8及び基板No.9は、粘着シートとして寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.1°であった。
図8(a)は、逆バイアスを印加した際にリーク電流が流れない有機EL素子の一例を示し、図8(b)は、リーク電流が流れる場合の有機EL素子の一例を示している。
この有機EL素子1aは、図8(a)及び図8(b)に示すように、基板2aと、透明電極3aと、有機発光層5aと、上部電極6aと、を備えて概略構成されている。なお有機発光層5aは、厚みが100〜200nmである。
図8(a)に示す有機EL素子1aは、透明電極3a上の異物9が有機発光層5aに覆われ、上部電極6aと透明電極3aとが接触しないようになっている。従って有機EL素子1aは、逆バイアスを印加してもリーク電流が流れない。
一方図8(b)に示す有機EL素子1aは、異物9のために透明電極3aが露出し、上部電極6aと透明電極3aとが短絡している。従ってこの有機EL素子1aは、逆バイアスを印可するとリーク電流が流れる。
このように、異物の除去能力は、リーク電流を測定することによっても評価することができる。図9は、図7の基板No.1〜基板No.9のリーク電流を測定した結果のグラフである。横軸が電圧(Voltage)[V]であり、縦軸が電流密度(current density)[mA/cm]である。
・「Ref#1(Avg.)」は、基板No.1を示している。
・「粒散布のみ#1(Avg.)」は、基板No.2を示している。
・「粒散布のみ#2(Avg.)」は、基板No.3を示している。
・「粒散布/NT50#1(Avg.)」は、基板No.4を示している。
・「粒散布/NT50#2(Avg.)」は、基板No.5を示している。
・「粒散布/ET25A#1(Avg.)」は、基板No.6を示している。
・「粒散布/ET25A#2(Avg.)」は、基板No.7を示している。
・「粒散布/9030W#1(Avg.)」は、基板No.8を示している。
・「粒散布/9030W#2(Avg.)」は、基板No.9を示している。
なお「粒散布」とは、シリカゲルの散布を示している。またリーク電流の測定は、4回(n=4)行った。図9は、その平均をグラフにしたものである。
基板No.1は、シリカゲルの散布が行われていない正常なデバイスなので、リーク電流の高低を判定する参考(reference)となる。そして異物の除去能力は、リーク電流が低いほど高い。この実験の結果、粘着シートとしてNT50と9030Wを使用した場合、リーク電流が基板No.1より低い値となった。なおET25Aは、図9に示すように、基板No.1より若干高いリーク電流が流れた。
図10(a)は、I−V特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が電圧(Voltage)[V]であり、縦軸が電流密度(current density)[mA/cm]である。図10(b)は、L−I特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が電流密度(current density)[mA/cm]であり、縦軸が輝度(luminance)[cd/m]である。図11(a)は、EQE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が輝度(luminance)[cd/m]であり、縦軸が外部量子収率(external quantum yield:external quantum efficiency)[%]である。図11(b)は、PE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が輝度(luminance)[cd/m]であり、縦軸が電力効率(power efficiency)[lm/W]である。
・「Ref#1-5」は、粒(シリカゲル)の散布が行われていない正常なデバイスを示している。
・「粒散布のみ#1-1」は、粒の散布が行われた状態で形成されたデバイスを示している。
・「粒散布/NT50#1-1」は、散布された粒を粘着シート(NT50)で除去した後、形成されたデバイスを示している。
・「粒散布/ET25A#1-1」は、散布された粒を粘着シート(ET25A)で除去した後、形成されたデバイスを示している。
・「粒散布/9030W#1-1」は、散布された粒を粘着シート(9030W)で除去した後、形成されたデバイスを示している。
なおこれらのグラフは、1回(n=1)行った測定を平均してグラフ化されている。
粘着シートによる異物が除去されたデバイスは、図10(a)〜図11(b)に示すように、リファレンス(正常なデバイス)とほぼ同等の特性が得られた。なお図10(a)に示すように、シリコーン系の粘着シート(寺岡製作所社製9030W)がI−V特性において高電圧化が発生していた。
つまりアクリル系の粘着シートを用いて異物の除去がなされた状態で形成された有機EL素子は、リファレンスと同一の挙動が確認され、異物の除去が有機EL素子の作成において負の影響がないことが分かった。
図12(a)は、シリカゲルを散布していない正常なデバイス(Reference)の点灯時の写真である。図12(b)は、シリカゲルを散布して除去を行っていないデバイスの点灯時の写真である。図12(c)は、PANAC社製NT50(アクリル系)を用いて散布したシリカゲルの除去を行ったデバイスの点灯時の写真である。図12(d)は、PANAC社製ET25A(アクリル系)を用いて散布したシリカゲルの除去を行ったデバイスの点灯時の写真である。図12(e)は、寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)を用いて散布したシリカゲルの除去を行ったデバイスの点灯時の写真である。図12(a)〜図12(e)のデバイスの横方向の幅は、2nmである。
この図12(a)〜図12(e)に示すように、アクリル系の粘着体を有する粘着シート(NT50及びET25A)の方がシリコーン系の粘着体を有する粘着シート(9030W)よりもより多くの異物を除去していることが分かった。
(d)第2のデバイス評価(粘着シート)
図13は、第2のデバイス評価に使用した粘着シートや洗浄時間などの条件を示した表である。散布に使用したシリカゲルは、粒径が0.2〜5.0μmである。また粘着シートを張り付けた時間を示す粘着シート貼付保管時間は、120hである。またHIL塗布膜厚は、90nmである。素子構成は、青1段である。
この第2のデバイス評価では、日立化成社製DT−2200SE−25(アクリル系)、寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)を用い、洗浄時間を変えるなどして評価した。
・基板No.1は、シリカゲルの散布や粘着シートの貼り付けなどを行わずに形成された正常なデバイス(Reference)である。
・基板No.2〜基板No.5は、粘着シートとして日立化成社製DT−2200SE−25(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去し、時間(0min、5min、10min、20min)を変えてUVO洗浄を行った後、形成されたデバイスである。測定された接触角θは、85.0°、14.0°、10.1°、3.1°であった。
・基板No.6〜基板No.9は、粘着シートとして寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)を用いてシリカゲルを除去し、時間(0min、5min、10min、20min)を変えてUVO洗浄を行った後、形成されたデバイスである。測定された接触角θは、80.6°、43.4°、2.2°、2.1°であった。
図14は、図13の基板No.1〜基板No.9のリーク電流を測定した結果のグラフである。横軸が電圧(Voltage)[V]であり、縦軸が電流密度(current density)[mA/cm]である。
・「Ref#1(Avg.)」は、基板No.1を示している。
・「DT-2200SE-25/UVOなし#1(Avg.)」は、基板No.2を示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 5min#2(Avg.)」は、基板No.3を示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 10min#1(Avg.)」は、基板No.4を示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 20min#2(Avg.)」は、基板No.5を示している。
・「9030W/UVOなし#1(Avg.)」は、基板No.6を示している。
・「9030W/UVO 5min #2(Avg.)」は、基板No.7を示している。
・「9030W/UVO 10min#1(Avg.)」は、基板No.8を示している。
・「9030W/UVO 20min#2(Avg.)」は、基板No.9を示している。
リーク電流の測定は、4回(n=4)行った。図14は、その平均をグラフにしたものである。なお基板No.6は、8回の測定の平均をグラフにしている。
この実験の結果、日立化成社製DT−2200SE−25(アクリル系)は、UVO洗浄の有無や洗浄時間に関わらず、リファレンスである基板No.1よりもリーク電流が低い値となった。
また寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)は、UVO洗浄しない場合、リファレンスである基板No.1よりもリーク電流が高い値となった。しかし寺岡製作所社製9030W(シリコーン系)は、UVO洗浄を行うことによってリファレンスである基板No.1よりもリーク電流が低い値となった。
図15(a)は、I−V特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が電圧[V]であり、縦軸が電流密度[mA/cm]である。図15(b)は、L−I特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が電流密度[mA/cm]であり、縦軸が輝度[cd/m]である。図16(a)は、EQE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が輝度[cd/m]であり、縦軸が外部量子収率[%]である。図16(b)は、PE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が輝度[cd/m]であり、縦軸が電力効率[lm/W]である。
・「Ref Avg」は、粒(シリカゲル)の散布が行われていない正常なデバイスを示している。
・「DT-2200SE-25/UVOなし Avg」は、散布された粒を粘着シート(DT−2200SE−25)で除去した後、形成されたデバイスを示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 5min Avg」は、散布された粒を粘着シート(DT−2200SE−25)で除去してUVO洗浄を5分間した後、形成されたデバイスを示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 10min Avg」は、散布された粒を粘着シート(DT−2200SE−25)で除去してUVO洗浄を10分間した後、形成されたデバイスを示している。
・「DT-2200SE-25/UVO 20min Avg」は、散布された粒を粘着シート(DT−2200SE−25)で除去してUVO洗浄を20分間した後、形成されたデバイスを示している。
なおこれらのグラフは、2回(n=2)行った測定を平均してグラフ化されている。
粘着シートによる異物が除去されたデバイスは、図15(a)〜図16(b)に示すように、リファレンス(正常なデバイス)とほぼ同等の特性が得られた。
つまり上記の粘着シートを使用した異物の除去がなされた状態で形成された有機EL素子は、リファレンスと同一の挙動が確認され、異物の除去が有機EL素子の作成において負の影響がないことが分かった。
図17(a)は、シリカゲルを散布していない正常なデバイス(Reference)の点灯時の写真である。図17(b)は、シリカゲルを散布して日立化成社製DT−2200SE−25(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去した後、UVO洗浄を行っていないデバイスの点灯時の写真である。図17(c)は、シリカゲルを散布して日立化成社製DT−2200SE−25(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去した後、UVO洗浄を5min行ったデバイスの点灯時の写真である。図17(d)は、シリカゲルを散布して日立化成社製DT−2200SE−25(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去した後、UVO洗浄を10min行ったデバイスの点灯時の写真である。図17(e)は、シリカゲルを散布して日立化成社製DT−2200SE−25(アクリル系)を用いてシリカゲルを除去した後、UVO洗浄を20min行ったデバイスの点灯時の写真である。図17(a)〜図17(e)のデバイスの横方向の幅は、2nmである。また粘着体の厚みは、いずれも7μmである。
この図17(a)〜図17(e)からも明らかなように、アクリル系の粘着体を用いた粘着シートは、シリコーン系の粘着体を用いた場合と比べて、UVO洗浄の有無や時間に関係なく良好な異物の除去効果が得られた。
(e)まとめ
実施例1では、粘着体がシリコーン系よりアクリル系の方が異物の除去能力が高いことが分かった。粘着体がシリコーン系の場合、UVO洗浄後の接触角θが小さく、またリーク電流が低いものの点灯時のダークスポットや発光ムラが多い結果となった。一方アクリル系の粘着体を用いた異物の除去は、UVO洗浄後の接触角θが小さいと共にリーク電流が低く、さらに点灯時のダークスポットや発光ムラが少ない結果となった。またアクリル系の粘着体を用いて異物を除去したデバイスは、IVL特性などが異物を散布していないリファレンスと同等であり、異物の除去が素子性能に負の影響を与えていないことが分かった。
実施例1では、粘着体の粘着力が高く、厚みが厚い方が異物の除去能力が高いことが分かった。具体的には、厚みが7μmで粘着力が異なる粘着体を用いて異物を除去した場合、粘着力が高い粘着体を用いた方が異物の除去能力が高いことが分かった。
実施例1では、異物を除去した後、電磁波(積算光量:180mJ/cm)を照射することで異物の除去能力が高くなることが分かった。なお異物の除去は、積算光量が大きいほど、言い換えるなら電磁波を照射する時間が長いほど効果が高い。
[実施例2]
実施例2では、ロール状の粘着体の素材と異物の除去能力の関係について説明する。図2(b)は、異物の除去能力の評価に使用した粘着ローラーの基本構成の一例を示す概略図である。図2(b)に示す粘着ローラー4bは、例えば、円柱形状の芯材40bと、芯材40bに取り付けられたロール状の粘着体41bと、を備えて概略構成されている。また粘着ローラー4bは、例えば、ホルダ46によって芯材40bが保持され、回転中心47を中心に芯材40bと粘着体41bが回転するように構成されている。ホルダ46には、取手45が設けられている。異物の除去は、粘着ローラー4bを基板の上で移動させて行われた。この実施例2では、粘着体41bの種類を変えて異物の除去能力を調べた。
図18は、評価した粘着ローラーの仕様を示す表である。粘着ローラーは、図18に示すように、7種類のものを使用した。以下に、種類、メーカー、粘着体種類、特性、粘着ローラークリーニング方法の順で記載する。
・HC−715FE audio−technica社 フッ素系ゴム 耐溶剤性耐摩耗性 クリーニング液(エタノール)使用
・HC−715/30 audio−technica社 ブチル系合成ゴム 粘着力:弱 クリーニング液(TC−320C)使用
・HC−715/110 audio−technica社 ブチル系合成ゴム 粘着力:中 クリーニング液(TC−320C)使用
・HC−715/450 audio−technica社 ブチル系合成ゴム 粘着力:強 クリーニング液(TC−320C)使用
・DCH−6H2LS オサダコーポレーション社 シリコーン ダブルハード(密着力:微弱) 粘着パッド(アクリル系粘着体)使用
・DCH−6HLS オサダコーポレーション社 シリコーン ハード(密着力:弱) 粘着パッド(アクリル系粘着体)使用
・DCH−6S オサダコーポレーション社 シリコーン ソフト(密着力:強) 粘着パッド(アクリル系粘着体)使用
エタノールは、市販品である。クリーニング液のTC−320Cは、メーカー純正品である。DCH−6H2LS、DCH−6HLS及びDCH−6Sは、PL処理(マット面状処理)及び帯電防止処理がなされている。
(a)シリカゲル除去評価(粘着ローラー)
実験は、例えば、図4(a)〜図4(c)と同様に、シリカゲル9aを散布した基板の上を、粘着ローラーを移動させて行った。このシリカゲル9aは、粒径が2〜25μmの球体である。
図19(a)〜図19(f)は、粘着ローラーを移動させて異物の除去を行った後の状態を撮像した透明電極部分の写真である。図19(a)は、使用した粘着ローラーがaudio−technica社製HC−715FEである。図19(b)は、使用した粘着ローラーがaudio−technica社製HC−715/30である。図19(c)は、使用した粘着ローラーがaudio−technica社製HC−715/110である。図19(d)は、使用した粘着ローラーがaudio−technica社製HC−715/450である。図19(e)は、使用した粘着ローラーがオサダコーポレーション社製DCH−6H2LSである。図19(f)は、使用した粘着ローラーがオサダコーポレーション社製DCH−6HLSである。
なお異物の除去は、シリカゲルを散布した基板に対し、粘着ローラーを手動で5往復させて行った。
粘着ローラーは、図19(a)〜図19(f)に示すように、実施例1の粘着シートと比べて、概ね良好な異物の除去能力を示した。また粘着体がシリコーンである方がフッ素系ゴムやブチル系合成ゴムと比べて、概ね良好な異物の除去能力を示した。
(b)接触角評価(粘着ローラー)
図20は、フッ素系ゴムとブチル系合成ゴムを粘着体に用いた場合のUVO洗浄時間(min)と接触角θ(°)との関係を示すグラフである。図20は、横軸がUVO洗浄時間であり、縦軸が接触角θである。
次に、粘着ローラーを用いて異物を除去した後、電磁波を照射することによって透明電極上に残った粘着体を除去するUVO洗浄を行った。
このUVO洗浄は、粘着シートと同様に、ハイマックス社製UVOCLEANER 144AX−220を用いて行った。平均照度は、0.15mW/cmであり、電磁波の波長は、換算値で365nmである。また洗浄結果の評価は、粘着シートにおける接触角θの測定と同様の方法で行われた。なお異物の除去は、積算光量が大きいほど、言い換えるなら電磁波を照射する時間が長いほど効果が高い。
図20に示すように、20分間、UVO洗浄を行うと、ブチル系合成ゴムの粘着体の接触角がおよそ3〜6°程度となり、良好な接触角θとなった。しかしフッ素系ゴムの粘着体は、20分間、UVO洗浄を行っても接触角θが小さくならなかった。
この実験の結果、粘着ローラーの粘着体は、フッ素系ゴムよりもブチル系合成ゴムの方が良いことが分かった。
図21は、シリコーンを粘着体に用いた場合のUVO洗浄時間(min)と接触角θ(°)との関係を示すグラフである。図21は、横軸がUVO洗浄時間であり、縦軸が接触角θである。
図21に示すように、20分間、UVO洗浄を行うと、いずれの粘着体であっても接触角がおよそ2〜3°程度となり、水で洗浄した場合と同等の接触角θとなった。
この実験の結果、粘着ローラーの粘着体がシリコーンである場合、接触角θは、平均照度0.15mW/cmで20分間、電磁波を照射するで、水による洗浄と同等となることが分かった。なお異物の除去は、積算光量が大きいほど、言い換えるなら電磁波を照射する時間が長いほど効果が高い。
(c)第1のデバイス評価(粘着ローラー)
図22は、第1のデバイス評価に使用した粘着ローラーや洗浄時間などの条件を示した表である。散布に使用したシリカゲルは、粒径が2〜25μmである。また洗浄時間は、20minである。またHIL塗布膜厚は、90nmである。素子構成とは、青1段である。
この第1のデバイス評価では、ロール状の粘着体を用いて異物を除去した後、さらにシート状の粘着体を用いて異物を除去し、UVO洗浄を行って接触角θを測定した。また比較として、第1のデバイス評価では、ロール状の粘着体のみで異物を除去した後、UVO洗浄を行って接触角θを測定した。
第1のデバイス評価では、粘着ローラーとして、オサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(シリコーン)、audio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)を用いた。また第2のデバイス評価では、粘着シートとして、PANAC社製ET25A(アクリル系:粘着体厚み5μm)、PNAC社製ET38T25(アクリル系:粘着体厚み25μm)を用いた。
・基板No.1は、シリカゲルの散布やシリカゲルの除去を行わずに形成された正常なデバイス(Reference)である。
・基板No.2は、粘着シートとしてPANAC社製ET25A(アクリル系:粘着体厚み5μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.4°であった。
・基板No.3は、粘着シートとしてPNAC社製ET38T25(アクリル系:粘着体厚み25μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.9°であった。
・基板No.4は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(シリコーン)、粘着シートとしてPANAC社製ET25A(アクリル系:粘着体厚み5μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.0°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.4°であった。
・基板No.5は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(シリコーン)、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25(アクリル系:粘着体厚み25μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.0°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.6は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)、粘着シートとしてPANAC社製ET25A(アクリル系:粘着体厚み5μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで26.1°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.4°であった。
・基板No.7は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25(アクリル系:粘着体厚み25μm)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで26.1°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.8は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(シリコーン)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、3.0°であった。
・基板No.9は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、26.1°であった。
図23は、図22の基板No.1〜基板No.9のリーク電流を測定した結果のグラフである。横軸が電圧(Voltage)[V]であり、縦軸が電流密度(current density)[mA/cm]である。
・「Ref#1(Avg.)」は、基板No.1を示している。
・「シートET25A#1(Avg.)」は、基板No.2を示している。
・「シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.3を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET25A#1(Avg.)」は、基板No.4を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.5を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET25A#1(Avg.)」は、基板No.6を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.7を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS#1(Avg.)」は、基板No.8を示している。
・「ローラーHC-715FE#1(Avg.)」は、基板No.9を示している。
リーク電流の測定は、4回(n=4)行った。図23は、その平均をグラフにしたものである。
基板No.1は、シリカゲルの散布が行われていない正常なデバイスなので、リーク電流の高低を判定する参考(reference)となる。この実験の結果、粘着体がPANAC社製ET25A(アクリル系:粘着体厚み5μm)の粘着シートのみでシリカゲルを除去した場合(基板No.2)、リファレンスよりも高いリーク電流が測定された。また粘着体がPANAC社製ET38T25(アクリル系:粘着体厚み25μm)の粘着シートのみでシリカゲルを除去した場合(基板No.3)、リファレンスよりも若干高いリーク電流が測定された。さらに粘着体がaudio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)の粘着ローラーのみでシリカゲルを除去した場合(基板No.9)、リファレンスよりも若干高いリーク電流が測定された。
基板No.4〜基板No.8は、リファレンスよりもリーク電流が低い値だった。
図24(a)は、I−V特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が電圧[V]であり、縦軸が電流密度[mA/cm]である。図24(b)は、L−I特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が電流密度[mA/cm]であり、縦軸が輝度[cd/m]である。図25(a)は、EQE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が輝度[cd/m]であり、縦軸が外部量子収率[%]である。図25(b)は、PE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が輝度[cd/m]であり、縦軸が電力効率[lm/W]である。
・「RefAvg.」は、基板No.1を示している。
・「シートET25AAvg.」は、基板No.2を示している。
・「シートET38T25Avg.」は、基板No.3を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET25AAvg.」は、基板No.4を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET38T25Avg.」は、基板No.5を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET25AAvg.」は、基板No.6を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET38T25Avg.」は、基板No.7を示している。
・「ローラーDCH-6H2LSAvg.」は、基板No.8を示している。
・「ローラーHC-715FEAvg.」は、基板No.9を示している。
なおこれらのグラフは、2回(n=2)行った測定を平均してグラフ化されている。
基板No.2〜基板No.9は、図24(a)〜図25(b)に示すように、リファレンス(正常なデバイス)とほぼ同等の特性が得られた。
図26(a)は、シリカゲルを散布していない正常なデバイス(Reference)の点灯時の写真である。図26(b)は、PANAC社製ET25A(粘着体厚み5μm)を用いて散布したシリカゲルの除去を行ったデバイスの点灯時の写真である。図26(c)は、PANAC社製ET38T25(粘着体厚み25μm)を用いて散布したシリカゲルの除去を行ったデバイスの点灯時の写真である。図26(d)は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(粘着力:微弱)、粘着シートとしてET25A(粘着体厚み5μm)を用いて散布したシリカゲルの除去を行ったデバイスの点灯時の写真である。図26(e)は、粘着ローラーとしてDCH−6H2LS、粘着シートとしてET38T25(粘着体厚み25μm)を用いて散布したシリカゲルの除去を行ったデバイスの点灯時の写真である。図26(f)は、粘着ローラーとしてDCH−6H2LSを用いて散布したシリカゲルの除去を行ったデバイスの点灯時の写真である。図26(a)〜図26(f)のデバイスの横方向の幅は、2nmである。
この図26(a)〜図26(e)に示すように、異物の除去能力は、粘着体がシリコーンである粘着ローラーで異物を除去した後、さらに粘着体がアクリル系である粘着シートで異物を除去した方が、粘着体がアクリル系である粘着シートのみで除去する場合と比べて、高いことが分かった。
(d)第2のデバイス評価(粘着ローラー)
図27は、第2のデバイス評価に使用した粘着ローラー、粘着シート及び洗浄時間などの条件を示した表である。散布に使用したシリカゲルは、粒径が2〜25μmである。またHIL塗布膜厚は、90nmである。素子構成は、青1段である。
この第2のデバイス評価では、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25(アクリル系:粘着力0.06N/cm:粘着体厚み25μm)を使用した。また第2のデバイス評価では、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS(シリコーン:密着力微弱)、オサダコーポレーション社製DCH−6HLS(シリコーン:密着力弱)、audio−technica社製HC−715FE(フッ素系ゴム)、audio−technica社製HC−715/30(ブチル系合成ゴム:粘着力弱)、audio−technica社製HC−715/110(ブチル系合成ゴム:粘着力中)及びaudio−technica社製HC−715/450(ブチル系合成ゴム:粘着力強)を用いた。
第2のデバイス評価では、粘着シートには同じものを使用し、粘着ローラーを変えて接触角θを測定して評価した。
・基板No.1は、シリカゲルの散布やシリカゲルの除去を行わずに形成された正常なデバイス(Reference)である。
・基板No.2は、シリカゲルの散布が行われた状態で形成されたデバイスである。測定された接触角θは、2.4°であった。
・基板No.3は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6H2LS、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.0°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.4は、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6HLS、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.4°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.5は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715FE、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで55.6°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.6は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715/30、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで7.1°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.7は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715/110、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで5.5°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.8は、粘着ローラーとしてaudio−technica社製HC−715/450、粘着シートとしてPANAC社製ET38T25を用いてシリカゲルを除去した基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、粘着ローラーのみで3.3°、粘着ローラーと粘着シートの組み合わせで2.9°であった。
・基板No.9は、シリカゲルの散布を行わない状態で、粘着ローラーとしてオサダコーポレーション社製DCH−6HLSによる異物の除去を行った基板を用いて形成されたデバイスである。測定された接触角θは、3.4°であった。
図28は、図27の基板No.1〜基板No.9のリーク電流を測定した結果のグラフである。横軸が電圧(Voltage)[V]であり、縦軸が電流密度(current density)[mA/cm]である。
・「Ref#1(Avg.)」は、基板No.1を示している。
・「シリカゲル散布のみ#1(Avg.)」は、基板No.2を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.3を示している。
・「ローラーDCH-6HLS+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.4を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.5を示している。
・「ローラーHC-715/30+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.6を示している。
・「ローラーHC-715/110+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.7を示している。
・「ローラーHC-715/450+シートET38T25#1(Avg.)」は、基板No.8を示している。
・「シリカゲル散布なし+ローラーDCH-6HLS#1(Avg.)」は、基板No.9を示している。
リーク電流の測定は、4回(n=4)行った。図28は、その平均をグラフにしたものである。
この実験の結果、粘着体がフッ素系ゴムであるHC−715FE(基板No.5)、ブチル系合成ゴムであるHC−715/30(基板No.6)及びHC−715/110(基板No.7)は、リファレンスである基板No.1よりリーク電流が高い値となった。
図29(a)は、I−V特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が電圧[V]であり、縦軸が電流密度[mA/cm]である。図29(b)は、L−I特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が電流密度[mA/cm]であり、縦軸が輝度[cd/m]である。図30(a)は、EQE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が輝度[cd/m]であり、縦軸が外部量子収率[%]である。図30(b)は、PE−L特性を測定した結果を示すグラフであり、横軸が輝度[cd/m]であり、縦軸が電力効率[lm/W]である。
・「Ref Avg.」は、基板No.1を示している。
・「2〜25μm粒散布のみ Avg.」は、基板No.2を示している。
・「ローラーDCH-6H2LS+シートET38T25 Avg.」は、基板No.3を示している。
・「ローラーDCH-6HLS+シートET38T25 Avg.」は、基板No.4を示している。
・「ローラーHC-715FE+シートET38T25 Avg.」は、基板No.5を示している。
・「ローラーHC-715/30+シートET38T25 Avg.」は、基板No.6を示している。
・「ローラーHC-715/110+シートET38T25 Avg.」は、基板No.7を示している。
・「ローラーHC-715/450+シートET38T25 Avg.」は、基板No.8を示している。
・「2〜25μm粒散布なし/ローラーDCH-6HLS Avg.」は、基板No.9を示している。
なおこれらのグラフは、2回(n=2)行った測定を平均してグラフ化されている。
少なくとも粘着ローラーを用いてシリカゲルなどの異物が除去されたデバイスは、図29(a)〜図30(b)に示すように、リファレンス(正常なデバイス)とほぼ同等の特性が得られた。
つまり少なくとも粘着ローラーを使用して異物の除去がなされた状態で形成された有機EL素子は、リファレンスと同様の挙動が確認され、異物の除去が有機EL素子の作成において負の影響がないことが分かった。
図31(a)〜図31(f)は、基板No.3〜基板No.8の点灯時の写真である。図31(a)〜図31(f)のデバイスの横方向の幅は、2nmである。
この図31(a)〜図31(f)に示すように、粘着体がフッ素系ゴムであるHC−715FE(基板No.5)、ブチル系合成ゴムであるHC−715/30(基板No.6)及びHC−715/110(基板No.7)は、点灯時にダークスポットが他のものと比べて多くみられる。以上より、粘着ローラーの粘着体は、シリコーンが好ましい。
(e)まとめ
実施例2では、粘着ローラーを単独で使用しても異物の除去能力が高いことが分かった。しかし粘着体がフッ素系ゴムの場合、UVO洗浄を行っても接触角θが下がらないことが分かった。一方粘着体がシリコーンゴム(粘着パッドの粘着体:アクリル系)の場合、UVO洗浄によって接触角θが下がることが分かった。
実施例2では、ロール状の粘着体を用いて異物を除去した後、さらにシート状の粘着体を用いて異物を除去することにより異物の除去能力がさらに高まることが分かった。このロール状とシート状の粘着体の組み合わせは、ロール状の粘着体がシリコーン系であり、シート状の粘着体がアクリル系である組み合わせが良いことが分かった。この組み合わせの異物の除去は、UVO洗浄後の接触角θが小さいと共にリーク電流が低く、さらに点灯時のダークスポットや発光ムラが少ない結果となった。またこの組み合わせで異物を除去したデバイスは、IVL特性などが異物を散布していないリファレンスと同等であり、異物の除去が素子性能に負の影響を与えていないことが分かった。
[実施例3]
実施例3では、透明電極上に形成された塗布膜の膜厚とその膜厚で覆うことができる異物の粒径の関係について説明する。図32(a)は、有機EL素子の基本構成の一例を説明する概略図である。図32(b)は、散布したシリカゲルの粒径とリーク電流の関係を示す図である。図32(b)は、横軸が散布したシリカゲル9aの粒径(μm)であり、縦軸がリーク電流(μA)である。本実施例におけるHILの膜厚は、90nmである。図中の(×)と(+)は、HILの膜厚を90nmとして作成した2つの有機EL素子を示している。
図32(a)に示す有機EL素子1bは、基板2bと、透明電極3cと、有機発光層5bと、上部電極6bと、を備えて概略構成されている。この有機発光層5bは、例えば、透明電極3c側から塗布膜としての正孔注入層(HIL50)、正孔輸送層(HTL51)、発光層(EML52)、電子輸送層(ETL53)及び電子注入層(EIL54)が積層されて形成されている。本実施例では、アミン系ポリマートルエン溶液を用いてHIL50を形成した。なお塗布膜は、HIL50に限定されず、有機発光層5bの構造によって他の膜であっても良い。実施例3では、塗布によって形成した。
図32(b)に示すように、リーク電流は、シリカゲル9aの粒径が3μmを超えると増加している。そこでHIL50の膜厚とその膜厚で覆うことができる異物の粒径を調べるため、粒径が1μmと5μmとなるシリカゲル9aを散布した後、透明電極3c、HIL50及びその断面SEM観察を行った。
なお収束イオンビーム(FIB)を使用して切断するにあたり、保護のため、HIL50上にFIB用の保護膜7を作成した。
図33(a)〜図33(d)は、基板の断面写真である。図33(a)は、シリカゲル9aの粒径がφ1μmであり、HIL50の膜厚が90nmである場合の断面写真である。図33(b)は、図33(a)におけるシリカゲル9aの周辺の拡大図である。図33(c)は、シリカゲル9aの粒径がφ5μmであり、HIL50の膜厚が90nmである場合の断面写真である。図33(d)は、図33(c)におけるシリカゲル9aの周辺の拡大図である。
図33(c)及び図33(d)に示すように、散布されたシリカゲル9aの粒径がφ5μmの場合、HIL50は、シリカゲル9aの周辺で切れて透明電極3cが露出している。従ってシリカゲル9aの粒径がφ5μmの場合、膜厚が90nmでは、例えば、図8(b)に示すように、異物を塗布膜で覆うことができないので、シリカゲルが散布されないリファレンスに比べて、リーク電流が高い値となる。
一方図33(a)及び図33(b)に示すように、散布されたシリカゲル9aの粒径がφ1μmの場合、HIL50は、シリカゲル9aの周辺で切れずに繋がり、透明電極3cが露出しない。従ってシリカゲル9aの粒径がφ1μmの場合、膜厚が90nmでは、例えば、図8(a)に示すように、異物を塗布膜で覆うことができているので、シリカゲルが散布されないリファレンスに比べて、リーク電流が低い値となる。
以上より、塗布膜の膜厚は、シリカゲル9aの粒径の10倍以上であれば良いことが分かる。つまり塗布膜の膜厚は、想定される異物の粒径の10倍以上であれば良い。例えば、想定される異物の平均粒径が0.6〜1.2μmである場合、塗布膜の膜厚は、60〜120nmとなる。
実施例3では、異物を除去した後、透明電極上に塗布膜を生成することで異物を覆ってリーク電流を低い値とすることができることが分かった。また実施例3では、塗布膜の膜厚が想定される異物の粒径(平均粒径)の10倍以上の膜厚であれば良いことが分かった。
上述の実施の形態、実施例1〜実施例3に記載の有機EL素子の製造方法によって製造された有機EL素子を用いた有機EL装置は、異物と異物の除去とに起因するダークスポットや発光ムラの発生が抑制される。この有機EL装置は、例えば、有機EL照明、有機EL表示器、車両用照明装置などに使用されると共に、これらを用いた車両用表示器、車両用インターフェース機器などに広く適用可能である。
以上、本発明の実施の形態、及び実施例1〜実施例3について説明したが、この実施の形態、及び実施例1〜実施例3は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。この新規な実施の形態、及び実施例1〜実施例3は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、この実施の形態、及び実施例1〜実施例3の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、この実施の形態、及び実施例1〜実施例3は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,1a,1b…有機EL素子、2…フィルム基材、2a,2b…基板、3,3a,3c…透明電極、3b…ガラス部、4,4a…粘着シート、4b…粘着ローラー、5,5a,5b…有機発光層、6,6a,6b…上部電極、7…保護膜、8…電磁波、9…異物、9a…シリカゲル、10…水、30…表面、40,40a…基体、40b…芯材、41,41a,41b…粘着体、45…取手、46…ホルダ、47…回転中心、90…気体、410…残渣

Claims (12)

  1. 透明電極が形成された基材を準備し、
    前記透明電極上に粘着体を貼り付け、
    貼り付けた前記粘着体を前記透明電極から剥がすことによって前記透明電極に付着した異物を除去する、
    有機EL素子の製造方法。
  2. 前記粘着体がロール状及びシート状の少なくとも一方である、
    請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記粘着体がアクリル系である、
    請求項1又は2に記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記粘着体の厚みが7μm以上である、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  5. ロール状の前記粘着体を用いて前記異物を除去した後、さらにシート状の前記粘着体を用いて前記異物を除去する、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  6. 前記ロール状の前記粘着体がシリコーン系であり、前記シート状の前記粘着体がアクリル系である、
    請求項5に記載の有機EL素子の製造方法。
  7. 前記異物を除去した後、電磁波を照射することによって前記透明電極上に残った前記粘着体を除去する、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  8. 積算光量が180mJ/cmとなる前記電磁波を照射する、
    請求項7に記載の有機EL素子の製造方法。
  9. 前記異物を除去した後、前記透明電極上に塗布膜を生成する、
    請求項1乃至8のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  10. 前記塗布膜の膜厚が想定される前記異物の粒径の10倍以上である、
    請求項9に記載の有機EL素子の製造方法。
  11. 前記基材がフィルム基材である、
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法を用いて製造された有機EL装置。
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