JP2014130238A - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
で表されるユニットを有し、該トナー粒子のTHF不溶分の29Si−NMRの測定で得られるチャートにおいて、該有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する下記式(Q3)
Rf−SiO3/2 (Q3)
(式(Q3)中のRfは、下記式(i)〜(iv)
からなる群より選択される少なくとも一つの構造である。)
の構造に帰属されるピーク面積の割合SQ3が、下記式(3)
SQ3≧0.40 (3)
を満たすことを特徴とするトナーに関する。
で表されるユニットを有し、該トナー粒子のTHF不溶分の29Si−NMRの測定で得られるチャートにおいて、該有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する下記式(Q3)
Rf−SiO3/2 (Q3)
(式(Q3)中のRfは、下記式(i)〜(iv)
SQ3≧0.40 (3)
を満たすことを特徴とする。
トナー粒子は、式(1)または(2)で表されるユニットを有する有機ケイ素重合体を含有する表層を有することにより、トナー粒子の表面の疎水性を向上することができ、環境安定性に優れたトナーを得ることができる。また、式(1)または(2)のようなユニットはユニット中における有機構造とケイ原子との結合エネルギーが強いため、そのような有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナー粒子は、良好な現像耐久性を有することが可能となる。
Rf−SiO3/2 (Q3)
(式(Q3)中、Rfは、下記式(i)〜(iv)
SQ3≧0.40 (3)
を満たすことで、トナー粒子表面の表面自由エネルギーを低くすることができるため、環境安定性に優れる。また、トナー粒子は該有機ケイ素重合体を含有する表層を有するため、離型剤や樹脂成分のブリードが抑えられ、保存安定性、環境安定性及び現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。SQ3はモノマー種、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
(SQ3/SQ2)≧1.00 (4)
を満たすことが好ましい。
本発明のトナーは、トナー粒子の表面のX線光電子分光分析(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いた測定において、ケイ素元素の濃度dSiと酸素元素の濃度dOと炭素元素の濃度dCの合計(dSi+dO+dC)に対するケイ素元素の濃度DSiが2.5atomic%以上であることが好ましく、より好ましくは5.0atomic%以上であり、さらに好ましくは10.0atomic%以上である。ESCAは数nmの最表面の元素分析を行うものであり、トナー粒子の最表層にケイ素元素の濃度が2.5atomic%以上あることで最表層の表面自由エネルギーを小さくすることができる。ケイ素元素の濃度を2.5atomic%以上に調整することによって、流動性がさらに向上し、部材汚染やカブリの発生をより抑制することができる。
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断面の観察によって測定される前記有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子の表層の平均厚みDav.が5.0nm以上150.0nm以下であることが好ましい。これにより、離型剤や樹脂成分によるブリードの発生が抑えられ、保存安定性、環境安定性及び現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。保存安定性の観点から、トナー粒子の表層の平均厚みDav.は10.0nm以上150.0nm以下であることがより好ましく、さら好ましくは10.0nm以上125.0nm以下であり、特に好ましくは15.0nm以上100.0nm以下である。
本発明の有機ケイ素重合体の代表的な製造例としては、ゾルゲル法と呼ばれる製造方法が挙げられる。ゾルゲル法は、金属アルコキシドM(OR)n(M:金属、O:酸素、R:炭化水素、n:金属の酸化数)を出発原料に用いて、溶媒中で加水分解及び縮合重合させ、ゾル状態を経て、ゲル化する方法であり、ガラス、セラミックス、有機−無機ハイブリット、ナノコンポジットの合成に用いられる。この製造方法によれば、表層、繊維、バルク体、微粒子といった種々の形状の機能性材料を液相から低温で作製することができる。
有機チタン化合物としては、以下のものが挙げられる。
次に、トナー粒子の製造方法について説明する。
水、メタノール、エタノール及びプロパノールの如きアルコール類、並びに、これらの混合溶媒。
上記低分子量樹脂として、本発明の効果に影響を与えない範囲で、以下の樹脂を用いることができる。
上記樹脂は単独或いは混合して使用できる。
上記極性樹脂としては、飽和又は不飽和のポリエステル系樹脂が好ましい。
上記離型剤としては、以下のものが挙げられる。
上記懸濁重合法における重合性単量体として、上記式(Z)で表わされる構造を有する化合物の他に、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。
重合性単量体の重合に際して、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
トナー粒子を構成する結着樹脂はビニル系樹脂であることが好ましい。ビニル系樹脂は前述したビニル系重合性単量体の重合により生成される。ビニル系樹脂は、環境安定性に優れている。また、ビニル系樹脂は、前記式(Z)で表わされる構造を有する化合物を含む重合性単量体を重合して得られる有機ケイ素重合体をトナー粒子表面への析出性、表面均一性に優れているため、好ましい。
上記重合性単量体の重合の際に用いられる媒体が水系媒体の場合には、重合性単量体組成物の粒子の分散安定剤として以下のものを使用することができる。
トナーに用いられる着色剤としては、特に限定されず、以下に示す公知のものを使用することが出来る。
トナーは、荷電制御剤を有していてもよい。前記荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩の如きによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
これら荷電制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムが好ましい。最も好ましい荷電制御剤としては、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物である。
本発明のトナーは、各種特性付与を目的として、トナー粒子に各種有機微粉体又は無機微粉体を外添し、トナーとすることができる。該有機微粉体又は無機微粉体は、トナー粒子に添加した時の耐久性から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック及びフッ化カーボン。
(2)研磨剤:チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロムの如き金属酸化物、窒化ケイ素の如き窒化物、炭化ケイ素の如き炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き金属塩。
(3)滑剤:フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンの如きフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩。
(4)荷電制御性粒子:酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナの如き金属酸化物、カーボンブラック。
以下に、トナーの物性について説明する。
トナーの、定荷重押し出し方式の細管式レオメータにより測定された80℃粘度は、1,000Pa・s以上40,000Pa・s以下であることが好ましい。この80℃粘度が1,000乃至40,000Pa・sであることで、トナーは低温定着性に優れる。80℃粘度は、より好ましくは2,000Pa・s乃至20,000Pa・sである。なお、本発明において、上記80℃粘度は、低分子量樹脂の添加量や結着樹脂製造時の単量体種、開始剤量、反応温度及び反応時間により調整することができる。
・サンプル :約1.0gのトナーを秤量し、これを100kg/cm2の荷重で1分間加圧成型器を用いて成型してサンプルとする。
・ダイ穴径 :1.0mm
・ダイ長さ :1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×105(Pa)
・測定モード :昇温法
・昇温速度 :4.0℃/min
上記の方法により、30乃至200℃におけるトナーの粘度(Pa・s)を測定し、80℃の粘度(Pa・s)を求める。当該値をトナーの定荷重押し出し方式の細管式レオメータにより測定された80℃粘度とする。
トナーの重量平均粒径(D4)は、4.0乃至9.0μmであることが好ましく、より好ましくは5.0乃至8.0μmであり、さらに好ましくは5.0乃至7.0μmである。
トナーのガラス転移温度(Tg)は35乃至100℃であることが好ましく、より好ましくは40乃至80℃であり、さらに好ましくは45乃至70℃である。ガラス転移温度が上記範囲であることによって、耐ブロッキング性、耐低温オフッセット性、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムの透過画像の透明性をさらに向上させることができる。
トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分の含有量は、トナーの着色剤及び無機微粉体以外のトナー成分に対して50.0質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.0質量%以上45.0質量%未満であり、さらに好ましくは5.0質量%以上40.0質量%未満である。THF不溶分の含有量を50.0質量%未満とすることによって、低温定着性を向上させることができる。
THF不溶分の含有量(質量%)={(W1−(W3+W2))/(W1−W3)}×100
(重量平均分子量(Mw)、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))
本発明において、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された重量平均分子量(Mw)(以下、トナーの重量平均分子量ともいう)は、5,000乃至50,000であることが好ましい。トナーの重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であることによって、耐ブロッキング性及び現像耐久性と、低温定着性及び画像の高グロスを成立させることができる。なお、本発明において、トナーの重量平均分子量(Mw)は、低分子樹脂の添加量及び重量平均分子量(Mw)やトナー製造時の反応温度、反応時間、開始剤量、連鎖移動剤量及び架橋剤量により調整することができる。
本発明のトナー粒子またはトナーの物性の測定方法及び評価方法について以下に説明する。
{トナー粒子のTHF不溶分の調整法}
本発明のトナー粒子のテトラヒドロフラン(THF)不溶分は、以下のように調整した。
式(1)及び式(2)で表わされるユニットの存在の確認方法は、式(1)のケイ素原子に結合しているメチン基(>CH−Si)の有無または式(2)のケイ素原子に結合しているメチレン基(−CH2−Si)の有無を13C−NMRにより確認した。
「13C−NMR(固体)の測定条件」
装置:BRUKER製 AVANCEIII 500
プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れる。
測定核周波数:125.77MHz
基準物質:Glycine(外部標準:176.03ppm)
観測幅:37.88kHz
測定法:CP/MAS
コンタクト時間:1.75ms
繰り返し時間:4s
積算回数:2048回
LB値:50Hz
式(1)で表わされるユニットの場合、式(1)のケイ素原子に結合しているメチン基(>CH−Si)に起因するシグナルの有無により、式(1)で表わされるユニットの存在を確認した。
トナー粒子中のQ1〜Q4構造の存在は、29Si−NMRにより確認した。
〔Q1構造〕
(式(i)〜(iv)中の*は、ケイ素原子との結合部、式(ii)及び(iv)中のLは、それぞれ独立してメチレン基、エチレン基またはフェニレン基を表わす。)からなる群より選択される少なくとも一つの構造である。)
装置:BRUKER製 AVANCEIII 500
プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れる。
測定核周波数:99.36MHz
基準物質:DSS(外部標準:1.534ppm)
観測幅:29.76kHz
測定法:DD/MAS、CP/MAS
29Si 90° パルス幅:4.00μs@−1dB
コンタクト時間:1.75ms〜10ms
繰り返し時間:30s(DD/MASS)、10s(CP/MAS)
積算回数:2048回
LB値:50Hz
このようにして、Q1〜Q4構造のそれぞれの面積を求めた。
なお、本発明では化学シフト値でシランモノマーを特定して、トナー粒子の29Si−NMRの測定において全ピーク面積から未反応のモノマー成分を取り除いたQ1構造の面積とQ2構造の面積とQ3構造の面積とQ4構造の面積の合計を重合体の全ピーク面積にした。
SQ1=Q1構造の面積/(Q1構造の面積+Q2構造の面積+Q3構造の面積+Q4構造の面積)
SQ2=Q2構造の面積/(Q1構造の面積+Q2構造の面積+Q3構造の面積+Q4構造の面積)
SQ3=Q3構造の面積/(Q1構造の面積+Q2構造の面積+Q3構造の面積+Q4構造の面積)
SQ4=Q4構造の面積/(Q1構造の面積+Q2構造の面積+Q3構造の面積+Q4構造の面積)
上記Q1〜Q4構造のうち、Ri、Rj、Rk、Rg、Rh及びRfの構造を特定した場合のケイ素の化学シフト値の例を以下に示す。
Q2構造(Rg=−OCH3、Rh=−CH−CH2−):−71ppm
Q3構造(Rf=−CH−CH2−):−81ppm
また、Q4構造がある場合のケイ素の化学シフト値を以下に示す。
Q4構造:−108ppm
なお、式(1)及び(2)で表わされるユニットの構造をさらに詳細に確認する必要がある場合、上記13C−NMR及び29Si−NMRの測定結果と共に1H−NMRの測定結果によって同定してもよい。
本発明のトナー粒子の断面の観察は以下の方法により行うことができる。
TEMの顕微鏡写真より得られるトナーの断面積から求めた円相当径Dtemav.は後述する方法で求めた。
Dtem=(RA1+RA2+RA3+RA4+RA5+RA6+RA7+RA8+RA9+RA10+RA11+RA12+RA13+RA14+RA15+RA16+RA17+RA18+RA19+RA20+RA21+RA22+RA23+RA24+RA25+RA26+RA27+RA28+RA29+RA30+RA31+RA32)/16
この測定及び計算をトナー粒子10個に対して行う。得られた円相当径のトナー粒子1個あたりの平均値を計算したものを、トナー粒子の断面積から求めた円相当径をDtemav.とする。
トナー粒子表層の平均厚みDav.は以下の方法で求めた。
まず、1つのトナー粒子の表層の平均厚みD(n)を以下の方法で求めた。
D(n)=軸上の32箇所の表層厚みの合計/32
この計算をトナー粒子10個に対して行った。得られたトナー粒子の表層の平均厚みD(n)(n=1乃至10)から、トナー粒子1個あたりの平均値を下記式に従って計算し、トナー粒子の表層の平均厚みDav.を求めた。
Dav.={D(1)+D(2)+D(3)+D(4)+D(5)+D(6)+D(7)+D(8)+D(9)+D(10)}/10
表層の厚みFRAnのうち、厚みが5.0nm以下である表層の割合は以下の方法で求めた。
まず、1つのトナー粒子に対して、以下の式に基づいて厚みが5.0nm以下である表層の割合を求めた。
(厚みが5.0nm以下である表層の割合)=((表面の厚みFRAnが5.0nm以下の数)/32)×100
この計算をトナー粒子10個に対して行った。トナー粒子10個について得られた計算結果の平均値を求め、それをトナー粒子の表層の厚みFRAnのうち、厚みが5.0nm以下である表層の割合とした。
本発明におけるトナー粒子表面に存在する炭素元素濃度dC、酸素元素濃度dO、ケイ素元素濃度dSiの合計(dC+dO+dSi)に対するケイ素元素の濃度(atomic%)及び炭素元素の濃度(atomic%)は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行い算出した。
使用装置:ULVAC−PHI社製 Quantum2000
X線光電子分光装置測定条件: X線源 Al Kα
X線:100μm 25W 15kV
ラスター:300μm×200μm
PassEnergy:58.70eV StepSize:0.125eV
中和電子銃:20μA、1V Arイオン銃:7mA、10V
Sweep数:Si 15回、C 10回
(トナー及び各種樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びメインピーク分子量(Mp)の測定方法)
トナー及び各種樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びメインピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件により測定される。
・カラム(昭和電工株式会社製):Shodex GPC KF−801、KF−802、KF−803、KF−804、KF−805、KF−806、KF−807(直径8.0mm、長さ30cm)の7連
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・温度:40℃
・流速:0.6ml/min
・検出器:RI
・試料濃度及び量:0.1質量%の試料を10μl
測定対象(トナー、各種樹脂)0.04gをテトラヒドロフラン20mlに分散、溶解後、24時間静置し、0.2μmフィルター[マイショリディスクH−25−2(東ソー社製)]で濾過し、その濾液を試料として用いる。
トナー及び各種樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)M−DSC(商品名:Q2000、TA−インストルメンツ社製)を用いて、下記手順にて測定する。測定する試料(トナー、各種樹脂)3mgを精秤する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲20乃至200℃の間で、昇温速度1℃/分、常温常湿下で測定を行う。このときのモジュレーション振幅±0.5℃、周波数1/minで測定する。得られるリバーシングヒートフロー曲線からガラス転移温度(Tg:℃)を計算する。Tgは、吸熱前後のベースラインと吸熱による曲線の接線との交点の中心値をTg(℃)として求めたものである。
(トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定方法)
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールターカウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
トナーの平均円形度の測定には、フロー式粒子像分析装置である「FPIA−3000型」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定・解析条件で測定する。
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置及び減圧装置を備えた反応容器に、溶媒としてメタノール250質量部、2−ブタノン150質量部及び2−プロパノール100質量部、単量体としてスチレン88質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル6.0質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸6.0質量部を添加して撹拌しながら常圧の還流下で加熱した。重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。更に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、更に常圧の還流下で5時間撹拌して重合を終了した。
・テレフタル酸 :11.0mol
・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA):10.9mol
上記単量体をエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置をオートクレーブに装着し、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って210℃でTgが68℃になるまで反応を行い、ポリエステル系樹脂1を得た。重量平均分子量(Mw)は7,400、数平均分子量(Mn)は3,020であった。
(イソシアネート基含有プレポリマーの合成)
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 725質量部
フタル酸 290質量部
ジブチルチタンオキサイド 3.0質量部
220℃にて攪拌して7時間反応し、更に減圧下で5時間反応させた後、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート190質量部と2時間反応し、イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を得た。イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を25質量部とイソホロンジアミン1質量部を50℃で2時間反応させ、ウレア基を含有するポリエステルを主成分とするポリエステル系樹脂(2)を得た。得られたポリエステル系樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は22300、数平均分子量(Mn)は2980、ピーク分子量は7200であった。
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液1000質量部と1.0モルリットルのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
スチレン 70.0質量部
n−ブチルアクリレート 30.0質量部
ジビニルベンゼン 0.1質量部
ビニルトリエトキシシラン 15.0質量部
銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3(P.B.15:3))6.5質量部
ポリエステル系樹脂(1) 4.0質量部
荷電制御剤1 (3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
0.5質量部
荷電制御樹脂1 0.5質量部
離型剤〔べヘン酸ベヘニル、吸熱メインピーク温度72.1℃〕 10.0質量部
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにアリルトリエトキシシラン 15.0質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子2を得た。トナー粒子2の処方及び条件を表1に示し、物性を表13に示した。トナー粒子2のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリメトキシシラン 15.0質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子3を得た。トナー粒子3の処方及び条件を表1に示し、物性を表13に示した。トナー粒子3のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリイソプロポキシシシラン 15.0質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子4を得た。トナー粒子4の処方及び条件を表1に示し、物性を表13に示した。トナー粒子4のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルジエトキシクロロシラン 15.0質量部に変更し、1.0N−NaOH水溶液を2.0質量部でpHを5.1に調整した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子5を得た。トナー粒子5の処方及び条件を表1に示し、物性を表13に示した。トナー粒子5のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 30.0質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子6を得た。トナー粒子6の処方及び条件を表1に示し、物性を表13に示した。トナー粒子6のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 10.5質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子7を得た。トナー粒子7の処方及び条件を表1に示し、物性を表13に示した。トナー粒子7のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 9.5質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子8を得た。トナー粒子8の処方及び条件を表2に示し、物性を表14に示した。トナー粒子8のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 5.0質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子9を得た。トナー粒子9の処方及び条件を表2に示し、物性を表14に示した。トナー粒子9のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 4.0質量部に変更した以外は、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子10を得た。トナー粒子10の処方及び条件を表2に示し、物性を表14に示した。トナー粒子10のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例において、10%塩酸 1.0質量部とイオン交換水50質量部の溶液を加えてpHを4.1に変更し、反応2終了後に塩酸を加えなかった以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子11を得た。トナー粒子11の処方及び条件を表2に示し、物性を表14に示した。トナー粒子11のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例において、1.0N−NaOH 10.0質量部加えてpH 8.0にしたところの1.0N−NaOH 10.0質量部を、1.0N−NaOH 20.0質量部に変更することでpH10.2に変更し、さらに反応2の終了後に塩酸を加えてpHを5.1に調整した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子12を得た。トナー粒子12の処方及び条件を表2に示し、物性を表14に示した。トナー粒子12のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例において、1.0N−NaOH 10.0質量部加えてpH 8.0にしたところの1.0N−NaOH 10.0質量部を、1.0N−NaOH 15.0質量部に変更することでpH9.0に変更し、反応2の終了後に塩酸を加えてpHを5.1に調整した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子13を得た。トナー粒子13の処方及び条件を表2に示し、物性を表14に示した。トナー粒子13のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例において、ビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 7.5質量部とテトラエトキシシラン7.5質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子14を得た。トナー粒子14の処方及び条件を表2に示し、物性を表14に示した。トナー粒子14のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 12.5質量部とジメチルジエトキシシラン2.5質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子15を得た。トナー粒子15の処方及び条件を表3に示し、物性を表14に示した。トナー粒子15のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例において、温度90℃に昇温して7.5時間維持したところを温度95℃に昇温して10時間維持したに変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子16を得た。トナー粒子16の処方及び条件を表3に示し、物性を表15に示した。トナー粒子16のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例において、温度90℃に昇温して7.5時間維持したところを温度100℃に昇温して10時間維持したに変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子17を得た。トナー粒子17の処方及び条件を表3に示し、物性を表15に示した。トナー粒子17のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
[トナー母体18の製造]
ポリエステル系樹脂(1) 60.0質量部
ポリエステル系樹脂(2) 40.0質量部
銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
荷電性制御剤1 (3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
0.5質量部
荷電制御樹脂1 0.5質量部
離型剤〔べヘン酸ベヘニル〕 10.0質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後、135℃で二軸混練押出機によって溶融混練を行い、混練物を冷却後、カッターミルで粗粉砕、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕して、更に風力分級機を用いて分級することによって、重量平均粒径5.5μmのトナー母体18を得た。
リービッヒ還流管を備え付けた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液1000質量部と1.0モルリットルのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
ポリエステル系樹脂(1) 60.0質量部
ポリエステル系樹脂(2) 40.0質量部
銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
荷電性制御剤1 (3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
0.5質量部
荷電制御樹脂1 0.5質量部
ビニルトリエトキシシラン 15.0質量部
離型剤〔べヘン酸ベヘニル〕 10.0質量部
上記材料を、トルエン400質量部に溶解して、溶解液を得た。
リービッヒ還流管を備え付けた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液1000質量部と1.0モルリットルのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
「非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成」
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:10mol%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:94mol%
・テレフタル酸:50mol%
・フマル酸:30mol%
・ドデセニルコハク酸:25mol%
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間で195℃まで上げて、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50mol%
(両末端換算2モル付加物)
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50mol%
(両末端換算2モル付加物)
・テレフタル酸:65mol%
・ドデセニルコハク酸:30mol%
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記のモノマーを投入し、1時間で195℃まで上げて、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。
・非晶性ポリエステル樹脂(1):100質量部
・メチルエチルケトン:50質量部
・イソプロピルアルコール:20質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記樹脂を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させて非晶性ポリエステル樹脂(1)溶解液を得た。この非晶性ポリエステル溶解液の入った容器を65℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらにエバポレータで減圧して脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子分散液(1)を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、140nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
・非晶性ポリエステル樹脂(2):100質量部
・メチルエチルケトン:50質量部
・イソプロピルアルコール:20質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記材料を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させて非晶性ポリエステル樹脂(2)溶解液を得た。この非晶性ポリエステル樹脂(2)溶解液の入った容器を40℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で3.5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらに減圧して脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂(2)の樹脂粒子分散液(2)を得た。樹脂粒子の体積平均粒径は、160nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
樹脂粒子分散液(1) 100質量部(固形分20.0質量部)にビニルトリエトキシシラン20.0質量部を加えて撹拌しながら70℃1時間保持した後、昇温速度20℃/1hで80℃で3時間保持をした。その後冷却して樹脂微粒子がゾルゲルで被覆された樹脂粒子分散液(1)のゾルゲル溶液を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、220nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。樹脂粒子分散液(1)のゾルゲル溶液は撹拌しながら10℃以下で保存し、調整後48時間以内に使用した。粒子表面は粘性の高いゾルまたはゲル状態である方が粒子同士の接着性が良好になるため好ましい。
・銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:3):45質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):5質量部
・イオン交換水:190質量部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:(株)スギノマシン製)を用い圧力250MPaで20分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が130nmで、固形分量が20%の着色剤粒子分散液1を得た。
・オレフィンワックス(融点:84℃):60質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):2.0質量部
・イオン交換水:240質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで115℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径160nm、固形分量20%の離型剤粒子分散液を得た。
・樹脂粒子分散液(1):100質量部
・樹脂粒子分散液(2):300質量部
・樹脂粒子分散液(1)のゾルゲル溶液:300質量部
・着色剤粒子分散液1:50質量部
・離型剤粒子分散液:50質量部
フラスコ中にイオン性界面活性剤ネオゲンRKを2.2質量部加えた後、以上の材料を撹拌した。次いで、1Nの硝酸水溶液を滴下してpH3.7にした後、これにポリ硫酸アルミニウム0.35質量部を加え、ウルトラタラックスで分散を行った。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら50℃まで加熱した。50℃で40分保持した後、ここに樹脂粒子分散液(1)のゾルゲル溶液300質量部の混合液を緩やかに追加した。
トナー母体19 100.0質量部をヘンシェルミキサーで高速攪拌機中に攪拌しながら、トルエン10.0質量部とエタノール5.0質量部と水5.0質量部とビニルトリエトキシシラン 15.0質量部を90℃で5時間反応させた有機ケイ素重合体溶解液を3.5質量部噴霧して均一に混合した。
同様に有機ケイ素重合体溶解液の噴霧と乾燥を合計10回繰り返してトナー粒子21を得た。トナー粒子の物性を表15に示した。トナー粒子21のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例において、銅フタロシアニン 6.5質量部をカーボンブラック 10.0質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子22を得た。トナー粒子27の処方及び条件を表4に示し、物性を表15に示した。トナー粒子22のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたスチレン 70.0質量部を60.0質量部、n−ブチルアクリレート 30.0質量部を40.0質量部に変更し、チタンテトラノルマルブトキシド 1.0質量部を加えた以外は、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子23を得た。トナー粒子23の処方及び条件を表4に示し、物性を表16に示した。トナー粒子23のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いた銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:3)6.5質量部をピグメントレッド122(P.R.122) 8.0質量部に変更した以外は、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子24を得た。トナー粒子24の処方及び条件を表4に示し、物性を表16に示した。トナー粒子24のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いた銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:3)6.5質量部をピグメントイエロー155(P.Y.155)6.0質量部に変更した以外は、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子25を得た。トナー粒子25の処方及び条件を表4に示し、物性を表16に示した。トナー粒子25のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたn−ブチルアクリレート 30.0質量部をn−ブチルメタクリレート 29.0質量部に変更し、ジビニルベンゼン0.1質量部を0.0質量部に変更し、アクリレート 1.0質量部を加えた以外は、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子26を得た。トナー粒子26の処方及び条件を表4に示し、物性を表16に示した。トナー粒子26のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたn−ブチルアクリレート 30.0質量部を20.0質量部に変更し、ベヘニルアクリレート 10.0質量部を加えた以外は、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子27を得た。トナー粒子27の処方及び条件を表4に示し、物性を表16に示した。トナー粒子27のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 2.0質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子1を得た。比較トナー粒子1の処方及び条件を表5に示し、物性を表17に示した。比較トナー粒子1のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 2.0質量部の代わりにテトラエトキシシラン 15.0質量部に変更した以外は比較トナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子2を得た。比較トナー粒子2の処方及び条件を表5に示し、物性を表17に示した。比較トナー粒子2のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一ではないがケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 2.0質量部の代わりに3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 15.0質量部に変更した以外は比較トナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子3を得た。比較トナー粒子3の処方及び条件を表5に示し、物性を表17に示した。比較トナー粒子3のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 2.0質量部の代わりに3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 15.0質量部に変更し、容器内を温度85℃に昇温して5時間維持したところの温度90℃を70℃に変更し、7.5時間のところを10.0時間に変更し、反応3を行わなかった以外はトナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子4を得た。比較トナー粒子4の処方及び条件を表5に示し、物性を表17に示した。比較トナー粒子4のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 2.0質量部の代わりに3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 15.0質量部に変更し、内温を70℃に昇温したところの内温を80℃に変更し、容器内を温度90℃に昇温して7.5時間維持したところの温度90℃を80℃に変更し、7.5時間のところを10時間に変更し、反応3を行わなかった以外は比較トナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子5を得た。比較トナー粒子5の処方及び条件を表5に示し、物性を表17に示した。比較トナー粒子5のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 2.0質量部の代わりに3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 3.1質量部に変更した以外は比較トナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子6を得た。比較トナー粒子6の処方及び条件を表6に示し、物性を表18に示した。比較トナー粒子6のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層にケイ素原子が少し存在することを確認した。
比較トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 2.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 3.0質量部に変更した以外は比較トナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子7を得た。比較トナー粒子7の処方及び条件を表6に示し、物性を表18に示した。比較トナー粒子7のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子4の製造例で用いた3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 15.0質量部の代わりにビニルトリエトキシシラン 3.0質量部に変更した以外は比較トナー粒子4の製造例と同様にして比較トナー粒子8を得た。比較トナー粒子8の処方及び条件を表6に示し、物性を表18に示した。比較トナー粒子8のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 2.0質量部の代わりにアミノプロピルトリメトキシシラン11.0質量部に変更した以外は比較トナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子9を得た。比較トナー粒子9の処方及び条件を表6に示し、物性を表18に示した。比較トナー粒子9のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子1の製造例で用いたビニルトリエトキシシラン 2.0質量部を0.0質量部に変更した以外はトナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー粒子10を得た。比較トナー粒子10の処方及び条件を表6に示し、物性を表18に示した。比較トナー粒子10のTEM観察においてケイ素マッピングを行ったが、表層にケイ素原子は存在しなかった。
高速攪拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口フラスコ中に、イオン交換水900質量部とポリビニルアルコール95質量部を添加し、回転数1300rpmにて攪拌しながら、55℃に加熱して水系分散媒とした。
スチレン 70.0質量部
n−ブチルアクリレート 30.0質量部
カーボンブラック 10.0質量部
サリチル酸シラン化合物 1.0質量部
離型剤(べヘン酸ベヘニル) 10.0質量部
上記材料をアトライターで3時間分散させた後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート 14.0質量部を添加してモノマー分散液を調製した。
トナー粒子1 100質量部に対し、BET法による比表面積が200m2/g、ヘキサメチルジシラザン4.0質量%、100cpsのシリコーンオイル3質量%で表面を疎水化処理された疎水性シリカ0.4質量部とBET法による比表面積が50m2/gの酸化アルミニウム0.2質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合して得られたトナーをトナー1とする。トナー1の物性を表7に示した。
トナー1の製造例においてトナー粒子1をトナー粒子2乃至27に変更した以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー2乃至27を得た。トナー2乃至27の物性を表7乃至10に示した。
トナー1の製造例においてトナー粒子1を比較トナー粒子1乃至11に変更した以外は比較トナー粒子1の製造例と同様にして比較トナー1乃至11を得た。比較トナー1乃至11の物性を表11及び12に示した。
トナー1を1.0質量部、イオン交換水 100質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.01質量部の混合液を5分間超音波分散して、遠心分離を行った。ろ過物の上部20%を採取した。得られたろ過物を乾燥して洗浄後のトナー1の物性を測定したところ、トナー粒子1の物性の結果(表7)と同じであった。
トナー1を用いて以下の評価を行った。評価結果を表19に示した。
図4に記載した構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP9600Cのトナーカートリッジにトナー1を240g装填した。そして、そのトナーカートリッジを低温低湿L/L(10℃/15%RH)、常温常湿N/N(25℃/50%RH)、高温高湿H/H(32.5℃/85%RH)の各環境下で24時間放置した。各環境下で24時間放置後のトナーカートリッジを上記LBP9600Cに取り付け、初期のベタ画像(トナー載り量0.40mg/cm2)を印刷する。その後、1.0%の印字比率の画像をA4用紙横方向で15,000枚まで印刷する。15,000枚印刷を行った後に再度ベタ画像を出力し、初期と15,000枚印刷後のベタ画像の濃度とカブリ、15,000枚印刷後の部材汚染の評価を行った。
SPI補助フィルターを装着した、マクベス濃度計(RD−914;マクベス社製)を用いて、初期のベタ画像及び15,000枚印刷後のベタ画像の定着画像部の画像濃度を測定した。なお、画像濃度の評価基準は下記のとおりである。
A:1.45以上
B:1.40以上、1.45未満
C:1.35以上、1.30未満
D:1.30以上、1.25未満
E:1.25以上、1.20未満
F:1.20以下
初期の0%の印字比率の画像及び15,000枚印刷後の0%の印字比率の画像において、「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定した印刷画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出した。また、そのカブリ濃度の結果を下記の基準に基づいて画像カブリを評価した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上、1.5%未満
C:1.5%以上、2.0%未満
D:2.0%以上、2.5%未満
E:2.5%以上、3.0%未満
F:3.0%以上
部材汚染は15,000枚印刷後に、印刷の前半部分がハーフトーン画像(トナー載り量0.25mg/cm2)で印刷の後半部分がベタ画像(トナー載り量0.40mg/cm2)である画像を印刷し、下記基準に従い評価した。
A:現像ローラ上にも、ハーフトーン部、ベタ部の画像上にも排紙方向の縦スジは見られない。
B:現像ローラの両端に周方向の細いスジが1乃至2本あるものの、ハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジは見られない。
C:現像ローラの両端に周方向の細いスジが3乃至5本あるものの、ハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジがほんの少し見られる。しかし、画像処理で消せるレベル。
D:現像ローラの両端に周方向の細いスジが6乃至20本あり、ハーフトーン部、ベタ部の画像上にも細かいスジが数本見られる。画像処理でも消せない。
E:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に21本以上のスジが見られ、画像処理でも消せない。
トナーの摩擦帯電量は、以下に示す方法によって求めた。まず、トナーと負帯電極性トナー用標準キャリア(商品名:N−01、日本画像学会製)を以下の環境下でそれぞれ所定時間放置する。
(1)低温低湿(10℃/15%RH)、常温常湿(25℃/50%RH)、及び、高温高湿(32.5℃/85%RH)では24時間放置する。
(2)過酷環境(40℃/90%)で168時間放置する。その後、さらに超高温高湿(35.0℃/85%RH)で24時間放置する。
Q=(A × B)/(W1−W2)
Q(C/kg):荷電制御樹脂及びトナーの摩擦帯電量
A(μF):コンデンサの容量
B(V):コンデンサに蓄積された電位差
W1−W2(g):吸引前後の質量差
キヤノン製レーザービームプリンタLBP9600Cの定着ユニットを定着温度が調整できるように改造した。この改造後のLBP9600Cを用いて、プロセススピ−ド230mm/secで、トナー載り量が0.4mg/cm2の未定着トナー画像を受像紙にオイルレスで加熱加圧し、受像紙に定着画像を形成した。
(保存性の評価)
10gのトナーを100mlガラス瓶にいれ、温度55℃、湿度20%で15日間放置した後に目視で判定した。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:ほぐれにくい凝集体が発生
D:流動性なし
E:明白なケーキング
10gのトナーを100mlガラス瓶にいれ、温度45℃、湿度95%で3カ月間放置した後に目視で判定した。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:ほぐれにくい凝集物が発生
D:流動性なし
E:明白なケーキングが発生
実施例1のトナー1をトナー2乃至27に変更した以外は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表19乃至22に示した。
実施例1のトナー1を比較トナー1乃至11に変更した以外は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表23及び24に示した。
実施例1のトナー1をトナー粒子1に変更した以外は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表22に示した。
2 現像ローラ
3 トナー供給ローラ
4 トナー
5 規制ブレード
6 現像装置
7 レーザー光
8 帯電装置
9 クリーニング装置
10 クリーニング用帯電装置
11 撹拌羽根
12 駆動ローラ
13 転写ローラ
14 バイアス電源
15 テンションローラー
16 転写搬送ベルト
17 従動ローラ
18 紙
19 給紙ローラ
20 吸着ローラ
21 定着装置
Claims (6)
- 有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナー粒子を有するトナーであり、
該有機ケイ素重合体は、下記式(1)または(2)
(式(2)中のLはメチレン基、エチレン基またはフェニレン基を表わす。)
で表わされるユニットを有し、
該トナー粒子のTHF不溶分の29Si−NMRの測定で得られるチャートにおいて、該有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する下記式(Q3)
(式(Q3)中、Rfは、下記式(i)〜(iv)
(式(i)〜(iv)中の*は、ケイ素原子との結合部、式(ii)及び(iv)中のLは、それぞれ独立してメチレン基、エチレン基またはフェニレン基を表わす。)
からなる群より選択される少なくとも一つの構造である)
の構造に帰属されるピーク面積の割合SQ3が、下記式(3)
SQ3≧0.40 (3)
を満たすことを特徴とするトナー。 - 前記式(Z)中のR1はビニル基またはアリル基であることを特徴とする請求項3に記載のトナー。
- 前記式(Z)中のR2、R3及びR4は、それぞれ独立してアルコキシ基であることを特徴とする請求項3または4に記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、着色剤及び前記重合性単量体を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、前記重合性単量体を重合することによって製造されたものであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
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