JP5790192B2 - 静電荷像現像用キャリア、その製造方法、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 - Google Patents
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Description
<1>芯材粒子、及び前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層を有し、前記被覆層が、側鎖にシリコーン鎖を含有する構成単位を有するアクリル樹脂を含むことを特徴とする静電荷像現像用キャリア、
<2>前記アクリル樹脂が、シクロヘキシルメタクリレート由来の構成単位を更に有する、上記<1>に記載の静電荷像現像用キャリア、
<3>前記アクリル樹脂を含む溶液と芯材粒子とを接触させる工程、前記溶液の溶剤を除去し前記芯材粒子の表面に前記アクリル樹脂の被覆層を形成する工程、及び前記被覆層を焼成する工程、を含むことを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用キャリアの製造方法、
<4>上記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用キャリアと、静電荷像現像用トナーと、を含有することを特徴とする静電荷像現像剤、
<5>上記<4>に記載の静電荷像現像剤を収納すると共に、潜像保持体表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段、潜像保持体、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段、及び、前記潜像保持体表面に残存するトナーを除去するためのクリーニング手段よりなる群から選択される少なくとも一種と、を備え画像形成装置に着脱されることを特徴とするプロセスカートリッジ、
<6>潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記静電荷像を上記<4>に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、現像された前記トナー像を被記録媒体に転写する転写手段と、前記被記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置、
<7>潜像保持体表面を帯電する帯電工程と、前記潜像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記静電荷像を上記<4>に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、現像された前記トナー像を被記録媒体に転写する転写工程と、前記被記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法。
上記<2>に記載の発明によれば、高温高湿環境と低温低湿環境を交互に連続して使用するような状況でも画像濃度の低下が抑制される静電荷像現像用キャリアを提供することができる。
上記<3>に記載の発明によれば、画像濃度の低下が抑制される静電荷像現像用キャリアの製造方法を提供することができる。
上記<4>に記載の発明によれば、画像濃度の低下が抑制される静電荷像現像剤を提供することができる。
上記<5>に記載の発明によれば、画像濃度の低下が抑制されるプロセスカートリッジを提供することができる。
上記<6>に記載の発明によれば、画像濃度の低下が抑制される静電荷像現像剤を用いた画像形成装置を提供することができる。
上記<7>に記載の発明によれば、画像濃度の低下が抑制される静電荷像現像剤を用いた画像形成方法を提供することができる。
本実施形態に係る静電荷像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と称することがある。)は、芯材粒子、及び前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層を有し、前記被覆層が、側鎖にシリコーン鎖を有するアクリル樹脂を含むことを特徴とする静電荷像現像用キャリアである。
前記側鎖にシリコーン鎖を含有する構成単位を有するアクリル樹脂は、例えば(メタ)アクリレート系モノマーとアルコキシシラン化合物又はその重縮合物との反応生成物として得られるが、前記アクリル樹脂中に含まれるアルコキシシラン化合物に由来するシリコーン鎖部分によりキャリアの電荷交換性が向上するためと考えられる。
また、低温低湿環境下と高温高湿環境下で交互に連続して画像出力するようなより苛酷な出力要求では、更に好ましい態様として、前記アクリル樹脂を得る重合反応において、(メタ)アクリル系モノマーとしてシクロヘキシルメタクリレートを用いることで出力画像濃度の低下を抑制することに成功した。この場合、シクロヘキシルメタクリレートに由来する構成単位部分が低吸湿性かつ帯電性に寄与しているためと考えられる。
本実施形態に係るキャリアは、芯材粒子と、この芯材粒子を樹脂で被覆する被覆層と、を有する樹脂コート型キャリアである。ここで使用する芯材粒子としては、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられる。
芯材の体積平均粒子径は、例えば、コールターカウンターTA−II(ベックマン−コールター社製)、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、ベックマン−コールター社製)を用いて測定される。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒子径とする。
本実施形態で使用される被覆層は、側鎖にシリコーン鎖を含有する構成単位を有するアクリル樹脂を含む。
側鎖にシリコーン鎖を含有する構成単位を有するアクリル樹脂(以下、「特定アクリル樹脂」ともいう。)について以下に説明する。
前記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーの重合反応による重合体生成物であることが好ましく、重合体の主鎖部分は(メタ)アクリル系モノマーに由来することが好ましい。前記アクリル樹脂の(メタ)アクリル系モノマーに由来する主鎖に連結する側鎖部分には、アルコキシシラン化合物又はその重縮合物に由来するシリコーン鎖が連結するのが好ましい。
シリコーン鎖は、Si−O−Si結合を持つポリシロキサン部分である。
本実施態様で使用される特定アクリル樹脂は、下記式(A)で表される構成単位を有する樹脂が好ましい。
前記式(A)におけるR2〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基を表すことが好ましく、R2〜R4のいずれかが他の構成単位(A)のR2〜R4のいずれかと連結してSi−O−Si結合を形成してもよく、pは整数を表す。
トリアルコキシシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等及びこれらの部分縮合物が挙げられる。
ジアルコキシシラン化合物具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン及びこれらの部分縮合物が挙げられる。
前記式(B)におけるR6は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数6〜10の複素環基であることが好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はシクロヘキシル基であり、更に好ましくはメチル基又はシクロヘキシル基であり、特に好ましくはシクロヘキシル基である。
前記特定アクリル樹脂において、式(A’)で表される構成単位の含有量は、Si重量換算として、特定アクリル樹脂全重量の20重量%以下であることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましい。
前記特定アクリル樹脂において、式(B’)の含有量は、本実施形態に使用する特定アクリル樹脂全重量の40〜95重量%が好ましく、より好ましくは50〜90重量%である。
前記特定アクリル樹脂において、式(C’)の含有量は、本実施形態に使用する特定アクリル樹脂全重量の10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
また、市販製品からの入手方法として、荒川化学工業(株)製のアクリル系有機−無機ハイブリッドコーティング材料「コンポラセン」シリーズ等から入手することが挙げられる。
式(11):平均膜厚(μm)={[キャリア1個当たりの被覆量(導電粉等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]}/被覆層の平均比重
={[4/3π・(d/2)3・ρ・WC]/[4π・(d/2)2]}/ρC
=(1/6)・(d・ρ・WC/ρC)
キャリアの体積平均粒子径は、芯材の体積平均粒子径と同様の方法で測定される。
前記樹脂粒子の体積平均粒子径は、50〜1,000nmが好ましく、より好ましくは100〜500nmである。
樹脂粒子の含有量は、キャリアの特定アクリル樹脂の全重量に対して、5〜60重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。
樹脂粒子のサイズの測定方法としては、レーザー回析式粒度分布測定装置LA−700((株)堀場製作所製)を用いた樹脂粒子の体積平均粒径D50Vの測定方法が挙げられる。
本実施形態の静電荷像現像用キャリアの製造方法は、特に制限されないが、側鎖にシリコーン鎖を構成単位として有するアクリル樹脂を含む溶液と芯材粒子とを接触させる工程、前記溶液の溶剤を除去し前記芯材粒子の表面に前記樹脂の被覆層を形成する工程、及び前記被覆層を焼成する工程、を含むことが好ましい。以下に静電荷像現像用キャリアの製造方法について説明する。
特定アクリル樹脂溶液の調製に使用する溶剤は、特定アクリル樹脂を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが使用される。
調製された特定アクリル樹脂溶液と芯材とを接触させる方法は、例えば、芯材粒子を特定アクリル樹脂溶液(以下、被覆層形成溶液ともいう。)中に浸漬して被覆する浸漬法、被覆層形成溶液を芯材粒子表面に噴霧するスプレー法、芯材粒子を流動床中に流動化させた状態で被覆層形成溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材粒子と被覆層形成溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが好ましく挙げられるが、その中でもニーダーコーター法が特に好適である。例えば、芯材を除く特定アクリル樹脂と特定アクリル樹脂以外の樹脂粒子及び溶剤をホモミキサーで分散し被覆層形成溶液を調製し、この溶液と芯材を60℃に維持された真空脱気型ニーダーで撹拌した後、5kPaで減圧して溶剤を留去して被覆層を形成させることが好ましく挙げられる。
本実施形態に係る静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」と称することがある。)は、本実施形態に係るキャリアと静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)とを含有する。本実施形態に係る現像剤は、本実施形態に係るキャリア及びトナーを適当な配合割合で混合することにより調製される。静電荷像現像剤におけるキャリアの含有量((キャリア)/(キャリア+トナー)×100)としては、85重量%以上99重量%以下の範囲が好ましく、より好ましくは87重量%以上98重量%以下の範囲、更に好ましくは89重量%以上97重量%以下の範囲である。
以下、本実施形態に係る静電荷像現像剤に用いられるトナーについて説明する。
本実施形態に係る静電荷像現像剤に用いられるトナーは、結着樹脂と着色剤とを主成分として構成されるのが好ましい。使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
挙げられる。
また上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、更に樹脂粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造を持たせる製造方法を行ってもよい。これらの中でも、本実施形態に係るトナーは、乳化凝集法、又は、乳化重合凝集法により得られたトナー(乳化凝集トナー)であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーの平均粒子径は、30μmより小さいことが好ましく、より好ましくは4μm以上20μm以下の範囲である。
トナー粒子の体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定される。
形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡画像を画像解析装置によって解析することによって数値化され、例えば、次のようにして求められる。形状係数SF1の測定は、まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上の粒子について下記式のSF1を計算し、平均値を求めることにより得られる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
ここでMLは粒子の絶対最大長、Aは粒子の投影面積である。
本実施形態に係る画像形成装置は、特に制限はないが、潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記静電荷像を本実施形態に係る静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、現像された前記トナー像を被記録媒体に転写する転写手段と、前記被記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を備えることが好ましい。本実施形態に係る画像形成装置は、必要に応じて潜像保持体表面に残存するトナーを除去するためのクリーニング手段等を含むものであってもよい。
図1は、第一実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。画像形成装置301は、帯電部310と、露光部312と、潜像保持体である電子写真感光体314と、現像部316と、転写部318と、クリーニング部320と、定着部322とを備える。
帯電手段である帯電部310としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性又は半導電性の帯電ロールを用いてもよい。導電性又は半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体314に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部310により、電子写真感光体314との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体314表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1,000V以下に帯電される。また前記の導電性又は半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
潜像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。潜像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体314は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、及び、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
静電荷像形成手段(露光手段)である露光部312としては、特に制限はなく、例えば、潜像保持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光する光学系機器等が挙げられる。
現像手段である現像部316は、潜像保持体上に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択すればよいが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体314に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体314には、通常直流電圧が使用されるが、更に交流電圧を重畳させて使用してもよい。
転写手段である転写部318としては、例えば、図1に示すような被記録媒体324の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被記録媒体324に与え、静電気力によりトナー像を被記録媒体324に転写するもの、あるいは被記録媒体324に直接接触して転写する導電性又は半導電性のロール等を用いた転写ロール及び転写ロール押圧装置を用いればよい。転写ロールには、潜像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定すればよい。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の被記録媒体324に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被記録媒体324に転写する方式でもよい。
クリーニング手段であるクリーニング部320については、潜像保持体上の残留トナー等の異物を清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、選定して差し支えない。
定着手段(画像定着装置)である定着部322としては、被記録媒体324に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
トナー像を転写する被記録媒体324としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性を更に向上させるには、被記録媒体の表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を使用してもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
なお、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像効率、画像粒状性、階調再現性等の観点から、直流成分に交流成分を重畳させたバイアス電位(現像バイアス)を現像剤保持体に付与してもよい。具体的には、現像剤保持体直流印加電圧Vdcを−300V乃至−700Vとしたとき、現像剤保持体交流電圧ピーク幅Vp−pを0.5kV乃至2.0kVの範囲としてもよい。
イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
・フェライト粒子(パウダーテック(株)製、F300、体積平均粒子径50μm)
100部 ・トルエン 15部 ・特定アクリル樹脂1(荒川化学工業(株)製、サンプル名AC601;メタクリル酸メチル含有、構成単位A=8重量%,構成単位B=80重量%) 2.5部 ・樹脂粒子1(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm、日本触媒(株)製エポスターFS) 0.7部 フェライト粒子を除く上記成分をホモミキサーで10分間分散し、特定アクリル樹脂の被覆層を形成する溶液(以下、被覆層形成溶液ともいう。)を調製し、この溶液とフェライト粒子を60℃に維持された真空脱気型ニーダーで30分間撹拌した後、60分間5kPaで減圧してトルエンを留去して被覆層を形成させ、その後120℃で2時間焼成してキャリア1を得た。
各粒子サイズは、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、ベックマン−コールター社製)を用いて測定を行った。
・フェライト粒子(パウダーテック(株)製、F300、体積平均粒子径50μm)
100部 ・トルエン 15部 ・特定アクリル樹脂2(荒川化学工業(株)社製、サンプル名HBAC98;シクロヘキシルメタクリレート含有、構成単位A=5重量%、構成単位B=80重量%) 2.5部 ・樹脂粒子1(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm、日本触媒(株)製エポスターFS) 0.7部 フェライト粒子を除く上記成分をホモミキサーで10分間分散し、被覆層形成溶液を調製し、この溶液とフェライト粒子を60℃に維持された真空脱気型ニーダーで30分間撹拌した後、60分間5kPaで減圧してトルエンを留去して被覆層を形成させ、最後に130℃で1.5時間焼成してキャリア2を得た。
・フェライト粒子(パウダーテック(株)製、F300、体積平均粒子径50μm)
100部 ・トルエン 15部 ・メタクリル酸メチル重合体(綜研化学(株)製、MMAラッカ―) 2.5部 ・樹脂粒子1(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm、日本触媒(株)製エポスターFS) 0.7部 フェライト粒子を除く上記成分をホモミキサーで10分間分散し、被覆層形成溶液を調製し、この溶液とフェライト粒子を60℃に維持された真空脱気型ニーダーで30分間撹拌した後、60分間5kPaで減圧してトルエンを留去して被覆層を形成してキャリア3を得た。
・フェライト粒子(パウダーテック(株)製、F300、体積平均粒子径50μm)
100部 ・トルエン 15部 ・シクロヘキシルメタクリレート重合体(綜研化学(株)製、CHMAラッカ―) 2.5部 ・樹脂粒子1(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm、日本触媒(株)製エポスターFS) 0.7部 フェライト粒子を除く上記成分をホモミキサーで10分間分散し、被覆層形成溶液を調製し、この溶液とフェライト粒子を60℃に維持された真空脱気型ニーダーで30分間撹拌した後、60分間5kPaで減圧してトルエンを留去して被覆層を形成してキャリア4を得た。
(着色剤粒子分散液1の調製)
・シアン顔料:銅フタロシアニン“C.I.ピグメントブルー15:3”(大日精化工業(株)製) 50部 ・アニオン性界面活性剤:ネオゲンSC(第一工業製薬(株)製) 5部 ・イオン交換水 200部 上記を混合し、IKA社製ウルトラタラックス(ホモジナイザー)により5分間、更に超音波バスにより10分間分散し、固形分21%の着色剤粒子分散液1を得た。(株)堀場製作所製粒度測定器LA−700にて体積平均粒子径を測定したところ、160nmであった。
・パラフィンワックス:HNP−9(日本精蝋(株)製) 19部 ・アニオン性界面活性剤:ネオゲンSC(第一工業製薬(株)製) 1部 ・イオン交換水 80部 上記を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分、撹拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力条件のもと、3パス相当の循環運転を行った後、圧力を35MPaに昇圧し、更に3パス相当の循環運転を行った。こうしてできた乳化液を前記耐熱容器中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤粒子分散液1を得た。(株)堀場製作所製粒度測定器LA−700にて体積平均粒子径を測定したところ240nmであった。
<油層>
・スチレン(和光純薬工業(株)製) 30部 ・アクリル酸n−ブチル(和光純薬工業(株)製) 10部 ・β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華(株)製) 1.3部 ・ドデカンチオール(和光純薬工業(株)製) 0.4部 <水層1>
・イオン交換水 17部 ・アニオン性界面活性剤(DOWFAX2A1、ダウケミカル社製) 0.4部 <水層2>
・イオン交換水 40部 ・アニオン性界面活性剤(DOWFAX2A1、ダウケミカル社製) 0.05部 ・ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製) 0.4部 上記の油層成分と水層1の成分をフラスコに入れて撹拌混合し単量体乳化分散液とした。反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で置換し、撹拌をしながらオイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に上記の単量体乳化分散液を3時間かけて徐々に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後更に75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させ、樹脂粒子分散液1を得た。
・樹脂粒子分散液1 150部 ・着色剤粒子分散液1 30部 ・離型剤粒子分散液1 40部 ・ポリ塩化アルミニウム 0.4部 上記の成分をステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスを用い混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに樹脂粒子分散液1を70部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら97℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を1℃/分で冷却し、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これを更に40℃のイオン交換水3,000部を用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を更に5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A濾紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。
上記キャリア1乃至4それぞれ100部と、上記トナー6部を混合し、実施例1乃至2の現像剤、及び、比較例1乃至2の現像剤を調製した。これらの現像剤を用いて、DocuCentre Color400(富士ゼロックス(株)製)の改造機を用いて出力テストを行い、高温高湿(30℃、85%RH)の環境下において、1,000枚画像出力後の画質評価を行った。また、更に低温低湿(10℃、12%RH)の環境下で1,000枚画像出力後に高温高湿(30℃、85%RH)の環境下において、更に1,000枚画像出力後の画質評価も行った。評価画像は、文字部及び写真部を併用した画像を用いた。画像濃度の低下が明らかに目視確認される場合は×、かろうじて目視確認される場合は△、目視確認できない場合は○で評価した。得られた結果を表1に示す。
2Y、2M、2C、2K、108、310 帯電ローラ(帯電部)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、312 露光装置(露光部)
4Y、4M、4C、4K、111、316 現像装置(現像部)
5Y、5M、5C、5K、318 1次転写ローラ(転写部)
6Y、6M、6C、6K、113、320 感光体クリーニング装置(クリーニング部)8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ
28、115、322 定着装置(定着部)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
300、324、P 記録紙(被記録媒体)
301 画像形成装置
Claims (7)
- 芯材粒子、及び
前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層を有し、
前記被覆層が、側鎖にシリコーン鎖を含有する構成単位、及び、シクロヘキシルメタクリレート由来の構成単位を有するアクリル樹脂、並びに、メラミン樹脂粒子を含むことを特徴とする
静電荷像現像用キャリア。 - 前記アクリル樹脂を含む溶液と芯材粒子とを接触させる工程、
前記溶液の溶剤を除去し前記芯材粒子の表面に前記アクリル樹脂の被覆層を形成する工程、及び
前記被覆層を焼成する工程、を含むことを特徴とする
請求項1又は2に記載の静電荷像現像用キャリアの製造方法。 - 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用キャリアと、静電荷像現像用トナーと、を含有することを特徴とする
静電荷像現像剤。 - 請求項4に記載の静電荷像現像剤を収納すると共に、
潜像保持体表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段、潜像保持体、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段、及び、前記潜像保持体表面に残存するトナーを除去するためのクリーニング手段よりなる群から選択される少なくとも一種と、を備え画像形成装置に着脱されることを特徴とする
プロセスカートリッジ。 - 潜像保持体と、
前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、
前記潜像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記静電荷像を請求項4に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
現像された前記トナー像を被記録媒体に転写する転写手段と、
前記被記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を備えることを特徴とする
画像形成装置。 - 潜像保持体表面を帯電する帯電工程と、
前記潜像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
前記静電荷像を請求項4に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
現像された前記トナー像を被記録媒体に転写する転写工程と、
前記被記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着工程と、を含むことを特徴とする
画像形成方法。
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