JP2014129860A - 油圧回路用ストレーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡易な構成でありながら、吸口からの空気の進入を効果的に阻止するようにした油圧回路用ストレーナを提供する。
【解決手段】作動油を貯留するリザーバに配置されると共に、内部にフィルタ102を備え、吸口96aから作動油を導入してフィルタ102で濾過させつつ油圧ポンプの吸込口に接続される出口から排出させ、よって油圧ポンプを介して車両に搭載される回転機械(変速機T)に作動用/潤滑用として供給可能とする油圧回路用ストレーナ96において、吸口96aの付近に、車両1の走行に応じて車両の長軸線に平行な方向1aまたは長軸線と直交する方向1bにスライドして吸口96aの開口面積を縮小可能なプレート104を設ける。
【選択図】図5

Description

この発明は油圧回路用ストレーナに関する。
作動油を貯留するリザーバに配置されると共に、内部にフィルタを備え、吸口から作動油を導入してフィルタで濾過させつつ油圧ポンプの吸込口に接続される出口から排出させ、よって油圧ポンプを介して車両に搭載される変速機や内燃機関などの回転機械に作動用/潤滑用として供給可能とする油圧回路用ストレーナにおいては、車両の走行に応じてリザーバに貯留される作動油の液面が動き、液中に浸漬されていた吸口が中空に浮いて空気を吸込んでしまう(空気に曝される)不都合が生じる。
そのため、一般に吸口の開口面積を小さくしたり、油量を多くしたりすることで対処しているが、その結果、油圧ポンプ100の吸込み負荷や作動油の攪拌抵抗が増加したり、油量が増加された際に攪拌によって飛散した作動油が空気孔(ブリーザ)から外部に漏れたりしたりする不都合があると共に、油量の増加で重量やコストも増大する。
そこで、下記の特許文献1記載の技術において、ストレーナを回転可能な円盤状の部材から構成すると共に、車両の走行による慣性力でスライドして吸口の開口面積を縮小するように動作する錘を設け、それによって吸口からの空気の進入を阻止することが提案されている。
また、特許文献1の別の実施例で、吸口の下部にパイプを接続してその先端を作動油の中に浸漬させると共に、そのパイプを回転可能に構成することで空気の進入を阻止することが提案されている。
特許文献1においてはさらに、車両の長軸線に沿ってストレーナの前後の壁面を開口させて2個の吸口を穿設すると共に、長軸線に沿って移動するロッドの両端に吸口を遮蔽可能なプラグを設けることで、同様に吸口からの空気の進入を阻止することが提案されている。
特許第3620904号公報
特許文献1記載の技術において、回転構造を備えたストレーナの場合、回転用のベアリング、オイルシール、錘などを必要として構造が複雑となると共に、重量や製造コストの増加を招く不都合がある。また、両端にプラグを備えたロッドを使用する移動構造を備えたストレーナの場合、同様に構造が複雑となる不都合を有すると共に、車両の長軸線に平行な前後方向の傾きにしか対応することができない。
この発明の目的は上記した課題を解決し、比較的簡易な構成でありながら、吸口からの空気の進入を効果的に阻止するようにした油圧回路用ストレーナを提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、作動油を貯留するリザーバに配置されると共に、内部にフィルタを備え、吸口から作動油を導入して前記フィルタで濾過させつつ油圧ポンプの吸込口に接続される出口から排出させ、よって前記油圧ポンプを介して車両に搭載される回転機械に作動用/潤滑用として供給可能とする油圧回路用ストレーナにおいて、前記吸口の付近に、前記車両の走行に応じて前記車両の長軸線に平行な方向または前記長軸線と直交する方向にスライドして前記吸口の開口面積を縮小可能なプレートを設ける如く構成した。
請求項2に係る油圧回路用ストレーナにあっては、前記プレートが、前記車両の長軸線に平行な方向にスライド可能な第1のプレートと前記長軸線と直交する方向にスライド可能な第2のプレートとからなる少なくとも2個のプレートからなる如く構成した。
請求項3に係る油圧回路用ストレーナにあっては、前記第1、第2のプレートがそれぞれ、前記吸口をはさんで対峙する2個のプレートからなる如く構成した。
請求項4に係る油圧回路用ストレーナにあっては、前記吸口をはさんで対峙する2個のプレートが相互に切り離されている如く構成した。
請求項5に係る油圧回路用ストレーナにあっては、前記吸口をはさんで対峙する2個のプレートが相互に接続されている如く構成した。
請求項6に係る油圧回路用ストレーナにあっては、前記プレートが前記フィルタと前記吸口の間に配置される如く構成した。
請求項7に係る油圧回路用ストレーナにあっては、前記プレートが、付勢手段を介してスライドする前の初期位置に付勢される如く構成した。
請求項1に係る油圧回路用ストレーナにあっては、吸口の付近に、車両の走行に応じて車両の長軸線に平行な方向または長軸線と直交する方向にスライドして吸口の開口面積を縮小可能なプレートを設ける如く構成したので、比較的簡易な構成でありながら、車両の走行に応じてリザーバに貯留される作動油の液面が動くときも、吸口からの空気の進入を効果的に阻止することができる。
請求項2に係る油圧回路用ストレーナにあっては、プレートが、車両の長軸線に平行な方向にスライド可能な第1のプレートと長軸線と直交する方向にスライド可能な第2のプレートとからなる少なくとも2個のプレートからなる如く構成したので、比較的簡易な構成でありながら、車両の長軸線に平行な方向あるいは長軸線と直交する方向への走行に応じてリザーバに貯留される作動油の液面が動くときも、吸口からの空気の進入を一層効果的に阻止することができる。
請求項3に係る油圧回路用ストレーナにあっては、第1、第2のプレートがそれぞれ、吸口をはさんで対峙する2個のプレートからなる如く構成したので、車両の走行に応じて吸口の開口面積を確実に縮小することができ、吸口からの空気の進入を一層効果的に阻止することができる。
請求項4に係る油圧回路用ストレーナにあっては、吸口をはさんで対峙する2個のプレートが相互に切り離されている如く構成したので、車両の走行に応じて吸口の開口面積を一層確実に縮小することができ、吸口からの空気の進入を一層効果的に阻止することができる。
請求項5に係る油圧回路用ストレーナにあっては、吸口をはさんで対峙する2個のプレートが相互に接続されている如く構成したので、車両の走行に応じて吸口の開口面積を確実に縮小して吸口からの空気の進入を一層効果的に阻止することができると共に、プレートの構成を簡易にすることができる。
請求項6に係る油圧回路用ストレーナにあっては、プレートがフィルタと吸口の間に配置される如く構成したので、上記した効果に加え、プレートの設置スペースを節約することができる。
請求項7に係る油圧回路用ストレーナにあっては、プレートが、付勢手段を介してスライドする前の初期位置に付勢される如く構成したので、上記した効果に加え、プレートがスライドするときの誤作動を防止することができる。
この発明の実施例に係る油圧回路用ストレーナが使用される油圧供給装置(油圧回路)を備えた自動変速機を全体的に示す概略図である。 図1に示す自動変速機などが収容される変速機ケースのケース上蓋を外した状態の説明側面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図3などに示す変速機ケースに形成されるリザーバに配置される油圧回路用ストレーナの拡大底面図である。 図4のV−V線断面図である。 図5などに示すプレートの動作を説明する説明図である。 この発明の第2実施例に係る油圧回路用ストレーナのプレートの構造を示す、図6と同様の説明図である。
以下、添付図面を参照してこの発明に係る油圧回路用ストレーナを実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の実施例に係る油圧回路用ストレーナが使用される油圧供給装置(油圧回路)を備えた自動変速機を全体的に示す概略図である。
以下説明すると、符号Tは自動変速機(回転機械。以下「変速機」という)を示す。変速機Tは車両1に搭載される、前進8速で後進1速の変速段を有するツインクラッチ型の自動変速機からなると共に、P,R,N,Dのレンジを有する。
変速機Tは、エンジン(原動機。回転機械)10のクランクシャフトに接続される駆動軸10aにトルクコンバータ12を介して接続される、2,4,6,8速の偶数段入力軸14を備えると共に、偶数段入力軸14と平行して1,3,5,7速の奇数段入力軸16を備える。エンジン10は例えばガソリンを燃料とする火花点火式の内燃機関からなる。
トルクコンバータ12はエンジン10の駆動軸10aに直結されるドライブプレート12aに固定されるポンプインペラ12bと、偶数段入力軸14に固定されるタービンランナ12cと、ロックアップクラッチ12dを有し、よってエンジン10の駆動力(回転)はトルクコンバータ12を介して偶数段入力軸14に伝達される。
偶数段入力軸14と奇数段入力軸16と平行にアイドル軸18が設けられる。偶数段入力軸14はギヤ14a,18aを介してアイドル軸18に接続されると共に、奇数段入力軸16はギヤ16a,ギヤ18aを介してアイドル軸18と接続され、よって偶数段入力軸14と奇数段入力軸16とアイドル軸18はエンジン10の回転につれて回転する。
また、第1副入力軸20と第2副入力軸22とが奇数段入力軸16と偶数段入力軸14の外周にそれぞれ同軸かつ相対回転可能に配置される。
奇数段入力軸16と第1副入力軸20は第1クラッチ24を介して接続されると共に、偶数段入力軸14と第2副入力軸22も第2クラッチ26を介して接続される。第1、第2クラッチ24,26は共に油圧作動の湿式多板クラッチからなる。第1、第2クラッチ24,26に油圧が供給されるとき、第1、第2副入力軸20,22を奇数段、偶数段入力軸16,14に締結(係合)する。
偶数段入力軸14と奇数段入力軸16の間には、偶数段入力軸14と奇数段入力軸16と平行に出力軸28が配置される。偶数段入力軸14と奇数段入力軸16とアイドル軸18と出力軸28はベアリング30で回転可能に支承される。
奇数段側の第1副入力軸20には1速ドライブギヤ32と、3速ドライブギヤ34と、5速ドライブギヤ36と、7速ドライブギヤ38が固定されると共に、偶数段側の第2副入力軸22には2速ドライブギヤ40と4速ドライブギヤ42と6速ドライブギヤ44と8速ドライブギヤ46が固定される。
出力軸28には1速ドライブギヤ32と2速ドライブギヤ40に噛合する1速−2速ドリブンギヤ48と、3速ドライブギヤ34と4速ドライブギヤ42に噛合する3速−4速ドリブンギヤ50と、5速ドライブギヤ36と6速ドライブギヤ44と噛合する5速−6速ドリブンギヤ52と、7速ドライブギヤ38と8速ドライブギヤ46と噛合する7速−8速ドリブンギヤ54が固定される。
アイドル軸18には、出力軸28に固定される1速−2速ドリブンギヤ48と噛合するRVS(後進)アイドルギヤ56が回転可能に支持される。アイドル軸18とRVSアイドルギヤ56はRVSクラッチ58を介して接続される。RVSクラッチ58は、第1、第2クラッチ24,26と同様、油圧作動の湿式多板クラッチからなるが、第1、第2クラッチ24,26に比して小径で摩擦材枚数も少なく構成される。
奇数段入力軸16には1速ドライブギヤ32と3速ドライブギヤ34を選択的に第1副入力軸20に締結(固定)する1−3速ギヤ締結機構60と、5速ドライブギヤ36と7速ドライブギヤ38を選択的に第1副入力軸20に締結(固定)する5−7速ギヤ締結機構62が配置される。
偶数段入力軸14には2速ドライブギヤ40と4速ドライブギヤ42を選択的に第2副入力軸22に締結(固定)する2−4速ギヤ締結機構64と、6速ドライブギヤ44と8速ドライブギヤ46を選択的に第2副入力軸22に締結(固定)する6−8速ギヤ締結機構66が配置される。
エンジン10の駆動力は、第1クラッチ24あるいは第2クラッチ26が締結(係合)されるとき、奇数段入力軸16から第1副入力軸20あるいは偶数段入力軸14から第2副入力軸22に伝達され、さらに上記したドライブギヤとドリブンギヤを介して出力軸28に伝達される。
尚、後進時には、エンジン10の駆動力は、偶数段入力軸14、ギヤ14a、ギヤ18a、RVSクラッチ58、アイドル軸18、RVSアイドルギヤ56、1速−2速ドリブンギヤ48を介して出力軸28に伝達される。出力軸28はギヤ28a,70を介してディファレンシャル機構72に接続され、ディファレンシャル機構72はドライブシャフト74を介して車輪76に接続される。車両1を車輪76などで示す。
ギヤ締結機構60,62,64,66は全て油圧(シフト力)を供給されて動作する。これらギヤ締結機構と第1、第2クラッチ24,26とRVSクラッチ58に油圧(シフト力)を供給するため、油圧供給装置(油圧回路)80が設けられる。
変速機Tはシフトコントローラ84を備える。シフトコントローラ84は、マイクロコンピュータを備えた電子制御ユニット(ECU)として構成される。また、エンジン10の動作を制御するために同様にマイクロコンピュータを備えた電子制御ユニットから構成されるエンジンコントローラ86が設けられる。
シフトコントローラ84はエンジンコントローラ86と通信可能に構成され、エンジンコントローラ86からエンジン回転数、スロットル開度、AP開度などの情報を取得する。シフトコントローラ84は、エンジンコントローラ86と通信して得られる情報と図示しないセンサから得られる情報に基づき、油圧供給機構(油圧回路)80の種々の電磁ソレノイドバルブを励磁・消磁して第1、第2クラッチ24,26とギヤ締結機構60から66の動作を制御して変速機Tの動作を制御する。
図2は、図1に示す変速機が収容される変速機ケースのケース上蓋を外した状態の説明側面図、図3は図2に示す変速機ケースのIII−III線断面図、図4は図3などに示す変速機ケースに形成されるリザーバに配置される油圧回路用ストレーナの拡大底面図、図5は図4のV−V線断面図である
図2を参照して説明すると、変速機Tは変速機ケース90に収容される。変速機ケース90は大略矩形状を呈し、車両1に搭載される。図2において変速機ケース90はドライブシャフト74が紙面に直交、換言すれば車両1の長軸線に直交するように車両1に搭載される。尚、図2で車両1は模式的に表現されているが、符号1aが車両1の(前席から後席を超えて延びる)長軸線に平行な方向を示す。
図2と図3に示す如く、変速機ケース90は、車両1に搭載されるとき、重力方向において下方位置にリザーバ(オイルパン。油溜り)92が形成され、リザーバ92に作動油(Automatic Transmission Fluid)が貯留される。
図2において符号94aは車両1が平坦な地に位置するときの作動油の液面を、94bは車両1が加速して前傾した作動油の液面、94cは車両1が減速して後傾した作動油の液面を示す。また、図3において符号94dは車両1が左旋回して右傾した作動油の液面、94eは車両1が右旋回して左傾したときの液面を示す。
図2から明らかな如く、作動油は(車両1が平坦な地に位置するとき)変速機ケース90の1/4程度の深さまで貯留される。また、リザーバ92には、ストレーナ(油圧回路用ストレーナ)96が、貯留される作動油の油中に浸漬するように配置される。図2でストレーナ96は模式的に示す。
図5に良く示す如く、ストレーナ96は下方に吸口96aを備えると共に、上方に出口96bを備える。ストレーナ96の出口96bの上方には油圧ポンプ100(図2で図示省略)が配置される。
油圧ポンプ100はギヤ(図示せず)を介してトルクコンバータ12のポンプインペラ12bに連結される。ポンプインペラ12bはエンジン10の駆動軸10aに接続されて駆動されることから、油圧ポンプ100はエンジン10に駆動されて回転する。
図5に示す如く、ストレーナ96の吸口96aはストレーナ96の底面の面積に対して比較的大きい開口面積を有するように構成され、油圧ポンプ100の吸込み負荷を低減するように構成される。
ストレーナ96は内部にフィルタ(エレメント)102を備え、下方の吸口96aから作動油を導入してフィルタ102で作動油中のゴミなどの固形分を濾過作用によって濾過させつつ油圧ポンプ100の吸込口100aに接続される出口96bから排出させ、よって油圧ポンプ100を介して車両1に搭載される変速機(回転機械)Tに作動用/潤滑用として供給可能なように構成される。
この実施例において特徴的なことは、ストレーナ96に、車両1の走行に応じて車両1の長軸線に平行な方向1aと、長軸線と直交する方向1bとにスライドして吸口96aの開口面積を縮小可能なプレート104を設けるように構成したことである。
プレート104は、車両の長軸線に平行な方向1aにスライド可能な2個のプレート104a,104b(第1のプレート)と、長軸線と直交する方向1bにスライド可能な2個のプレート104c,104d(第2のプレート)とからなる少なくとも2個、より具体的には4個のプレートからなる。
4個のプレート104は全て矩形状を呈すると共に、車両1の走行によって発生する加速度あるいは遠心力の作用を受けて車両1の長軸線に平行な方向1aと長軸線と直交する方向1bとにスライドして吸口96aの開口面積を縮小可能な適宜な質量を備え、プラスチックなどの素材から製作される。
4個のプレート104のうち、プレート104a,104b(第1のプレート)は車両1の長軸線に平行な方向1aにおいて吸口96aをはさんで対峙する一方、プレート104c,104d(第2のプレート)は車両1の長軸線と直交する方向1bにおいて吸口96aをはさんで対峙すると共に、相互に切り離されて独立して動作するように構成される。
4個のプレート104a,104b,104c,104dは、図5に部分的に示す如く、ストレーナ96においてフィルタ102と吸口96aの間、より具体的にはフィルタ102と(吸口96aに連続する)ストレーナ96の底面との間に形成される空間に配置されると共に、それぞれ、図4に良く示す如く、スプリング(付勢手段)106を介してスライドする前の初期位置(図4においてプレート104c,104dなどの位置)に付勢されて誤動作が防止される。
次いで、ストレーナ96に配置されたプレート104の動作を説明する。
図2と図3に示す如く、車両1が加減速や旋回すると、作動油の液面94が傾き、その結果ストレーナ96の吸口96aが空気に曝されるため、一般に吸口96aの開口面積を小さくしたり、油量を多くしたりすることで対処しているが、その結果、油圧ポンプ100の吸込み負荷や作動油の攪拌抵抗が増加するなどの不都合を生じる。また、特許文献1記載の技術のように複雑な回転構造を備えるようにすると、重量や製造コストの増加を招く。
図6を参照して説明すると、この実施例においては同図(a)に示す如く、ストレーナ96の吸口96aの開口面積を(同図に破線で示すような通常設定され得る開口面積96a1に比して)拡大するように製作すると共に、同図(b)から(f)に示す如く、車両1の走行に応じてスライドして吸口96aの開口面積を縮小可能なプレート104を設けるようにした。尚、図示の簡略化のため、図6ではプレート104の大きさを図4に比して小さく示す。変速機ケース1が図2に示すように車両1に搭載されたときの車両1の長軸線に平行な方向1aとそれに直交する方向1bを図6にも示す。
即ち、車両1が水平状態(b)から加速状態(c)に移行すると、プレート104a,104bが車両1の長軸線に平行な方向1aにスライドする結果、作動油の液面94cのように前傾してもプレート104a,104bが吸口96aの前傾側の開口面積を縮小(閉鎖)するようにスライドするため、図2に示すように吸口96aが空気に曝されるのを防止することができる。
この場合、スプリング106の付勢力を適宜設定することで、作動油の液面94aが水平状態にあるときはプレート104a,104bがスライドしない初期位置にあると共に、車両1が加速するときは加速によって生じる液面の傾きに応じる量だけスライドして吸口96aの開口面積を縮小することができ、吸口96aが空気に曝されるのを防止することができる。車両1が水平状態(b)から減速状態(d)に移行した場合も同様である。
また、車両1が水平状態(b)から右旋回状態(e)に移行すると、プレート104c,104dが車両1の長軸線に直交する方向1bにスライドする結果、作動油の液面94dのように左傾してもプレート104c,104cが吸口96aの左傾側の開口面積を縮小(閉鎖)するようにスライドするため、図3に示すように吸口96aが空気に曝されるのを防止することができる。
この場合、スプリング106の付勢力を適宜設定することで、作動油の液面94aが水平状態にあるときはプレート104c,104cがスライドしない初期位置にあると共に、車両1が右旋回するときは遠心力の作用によって生じる液面の傾きに応じる量だけスライドして吸口96aが空気に曝されるのを防止することができる。車両1が水平状態(b)から左旋回状態(f)に移行した場合も同様である。
図7はこの実施例の変形例を示す、図6と同様の説明図である。
図7に示す変形例においては、プレート1040は、車両の長軸線に平行な方向1aにスライド可能な2個のプレート1040a,1040b(第1のプレート)と、長軸線と直交する方向1bにスライド可能な2個のプレート1040c,1040d(第2のプレート)とからなる少なくとも2個、より具体的には4個のプレートからなると共に、片側においてバー100で相互に接続されるように構成した。尚、バー100はプレート1040の両側に設けても良い。
これにより、長軸線に平行な方向1aと長軸線と直交する方向1bに2個のプレート1040を一緒にスライドさせることができ、車両1の走行に応じて加速度あるいは遠心力に比例する量だけプレート1040を、誤動作することなく、スライドさせることができる。
上記した如く、この実施例にあっては、作動油を貯留するリザーバ92に配置されると共に、内部にフィルタ102を備え、吸口96aから作動油を導入して前記フィルタ102で濾過させつつ油圧ポンプ100の吸込口100aに接続される出口96bから排出させ、よって前記油圧ポンプ100を介して車両1に搭載される回転機械(変速機T(エンジン10))に作動用/潤滑用として供給可能とする油圧回路用ストレーナ96において、前記吸口96aの付近に、前記車両1の走行に応じて前記車両の長軸線に平行な方向1aまたは前記長軸線と直交する方向1bにスライドして前記吸口96aの開口面積を縮小可能なプレート104(1040)を設ける如く構成したので、比較的簡易な構成でありながら、車両1の走行に応じてリザーバ96に貯留される作動油の液面が動くときも、吸口96aからの空気の進入を効果的に阻止することができる。
また、前記プレート104(1040)が、前記車両の長軸線に平行な方向1aにスライド可能な第1のプレート104a,104b(1040a,1040b)と前記長軸線と直交する方向1bにスライド可能な第2のプレート104c,104d(1040c,1040d)とからなる少なくとも2個、より具体的には4個のプレートからなる如く構成したので、比較的簡易な構成でありながら、車両1の長軸線に平行な方向1aあるいは長軸線と直交する方向1bへの走行に応じてリザーバ96に貯留される作動油の液面が動くときも、吸口96aからの空気の進入を一層効果的に阻止することができる。
また、前記第1、第2のプレート104aと104b(1040aと1040b)あるいは104cと104d(1040cと1040d)がそれぞれ、前記吸口96aをはさんで対峙する2個のプレートからなる如く構成したので、車両1の走行に応じて吸口96aの開口面積を確実に縮小することができ、吸口96aからの空気の進入を一層効果的に阻止することができる。
また、前記吸口96aをはさんで対峙する2個のプレート104aと104bあるいは104cと104dが相互に切り離されている如く構成したので、車両1の走行に応じて吸口96aの開口面積を一層確実に縮小することができ、吸口96aからの空気の進入を一層効果的に阻止することができる。
また、前記吸口96aをはさんで対峙する2個のプレート1040aと1040bあるいは1040cと1040dが相互に接続されている如く構成したので、車両1の走行に応じて吸口96aの開口面積を一層確実に縮小することができ、吸口からの空気の進入を一層効果的に阻止することができる。
また、前記プレート104(1040)が前記フィルタ102と前記吸口96aの間、より具体的にはフィルタ102と(吸口96aに連続する)ストレーナ96の底面との間に形成される空間に配置される如く構成したので、上記した効果に加え、ストレーナ96の設置スペースを節約することができる。
また、前記プレート104(1040)が、付勢手段(スプリング)106を介してスライドする前の初期位置に付勢される如く構成したので、上記した効果に加え、プレート104(1040)がスライドするときの誤作動を防止することができる。
尚、上記において回転機械として変速機Tを例示したが、それに止まるものではなく、車両に搭載されて作動油を作動用/潤滑用として必要とする限り、エンジン10でも良く、あるいはエンジン10と電動機でも良く、さらには電動機であっても良い。
また、上記において変速機Tとしてツインクラッチ型の自動変速機を説明したが、ツインクラッチ型の自動変速機は例示した構成に止まるものではなく、変速機Tはどのような構成であっても良い。
T 変速機(自動変速機。回転機械)、1 車両、10 エンジン(原動機。回転機械)、12 トルクコンバータ、12d ロックアップクラッチ、14 偶数段入力軸、16 奇数段入力軸、18 アイドル軸、20 第1副入力軸、22 第2副入力軸、24 第1クラッチ、26 第2クラッチ、28 出力軸、32,34,36,38,40,42,44,46 ドライブギヤ、48,50,52,54 ドリブンギヤ、56 RVSアイドルギヤ、58 RVSクラッチ、60,62,64,66 ギヤ締結機構、60g,62g,64g,66g スリーブ、76 車輪、80 油圧供給装置(油圧回路)、84 シフトコントローラ、86 エンジンコントローラ、90 変速機ケース、94 作動油の液面、96 ストレーナ(油圧回路用ストレーナ)、100 油圧ポンプ、102 フィルタ、104,104a,104b,104c,104d,1040,1040a,1040b,1040c,1040d プレート、106 スプリング(付勢手段)、110 バー

Claims (7)

  1. 作動油を貯留するリザーバに配置されると共に、内部にフィルタを備え、吸口から作動油を導入して前記フィルタで濾過させつつ油圧ポンプの吸込口に接続される出口から排出させ、よって前記油圧ポンプを介して車両に搭載される回転機械に作動用/潤滑用として供給可能とする油圧回路用のストレーナにおいて、前記吸口の付近に、前記車両の走行に応じて前記車両の長軸線に平行な方向または前記長軸線と直交する方向にスライドして前記吸口の開口面積を縮小可能なプレートを設けたことを特徴とする油圧回路用ストレーナ。
  2. 前記プレートが、前記車両の長軸線に平行な方向にスライド可能な第1のプレートと前記長軸線と直交する方向にスライド可能な第2のプレートとからなる少なくとも2個のプレートからなることを特徴とする請求項1記載の油圧回路用ストレーナ。
  3. 前記第1、第2のプレートがそれぞれ、前記吸口をはさんで対峙する2個のプレートからなることを特徴とする請求項1または2記載の油圧回路用ストレーナ。
  4. 前記吸口をはさんで対峙する2個のプレートが相互に切り離されていることを特徴とする請求項3記載の油圧回路用ストレーナ。
  5. 前記吸口をはさんで対峙する2個のプレートが相互に接続されていることを特徴とする請求項3記載の油圧回路用ストレーナ。
  6. 前記プレートが前記フィルタと前記吸口の間に配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の油圧回路用ストレーナ。
  7. 前記プレートが、付勢手段を介してスライドする前の初期位置に付勢されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の油圧回路用ストレーナ。
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