JP2014129092A - 軌陸車 - Google Patents

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Abstract

【課題】軌道走行時の走行安定性を維持しつつ、軌道上で停止したときの車体の支持安定性を向上させた軌陸車を提供する。
【解決手段】車体2の前後に設けられて道路上を走行可能なタイヤ車輪3と、車体の前後に設けられてレールR上を走行可能な左右の鉄輪75,85とを備えて軌陸車が構成される。この軌陸車において、後側の左右の鉄輪75,85が車体の左右方向に延びる揺動アクスル60の左右に回転自在に支持され、揺動アクスル60はその中間部を通って車体の前後方向に延びる揺動軸47を中心として揺動自在である。車体の左右に配置され、車体に対して揺動アクスル60の揺動を規制可能な左右一対の油圧シリンダからなる揺動ロックシリンダ51,52を備え、揺動ロックシリンダは揺動アクスル60の方に向かって伸縮可能であり、揺動ロックシリンダの作動制御を行うロック制御バルブV1を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、道路走行および軌道走行可能な軌陸車に関する。
道路走行および軌道走行可能な車両として軌陸車が知られている(例えば、特許文献1を参照)。軌陸車は、タイヤ車輪等を有して道路走行可能なトラック車体をベースとして構成されており、軌道上(レール上)を走行するための軌道走行装置と、軌道に乗り入れる際に乗り入れ作業を容易化する転車装置とを備えて構成されている。軌道走行装置は、軌陸作業車に対して、下方に張り出して用いられる軌道走行用の鉄輪(軌道走行用車輪)を有して構成される。鉄輪は車体に設けられた鉄輪支持部材に回転自在に支持されるが、この鉄輪支持部材を変位機構により上下方向に変位させることにより、所定の格納位置および張出位置に位置させることができる。転車装置は、車体に対して、下方に張り出しおよび上方に格納が自在な転車台を有しており、転車台を張り出させて車体を持ち上げ支持し、この状態で軌道走行装置の鉄輪を張り出しあるいは格納させ、または車体を軌道の方向や道路の方向にあわせて容易に旋回させることができるように構成されている。
このような軌陸車には、車体後側の左右の鉄輪(後鉄輪)を支持する鉄輪支持部材を車体の前後方向に伸びる軸を中心に揺動させる後鉄輪揺動機構を備えたものがある。このようにすれば、後鉄輪揺動機構による鉄輪支持部材の揺動を伴って左右の鉄輪が上下方向に移動することにより、軌道(レール)上の左右の高低差に左右の鉄輪が追従するため、軌陸車が軌道上を安定走行することができる。後鉄輪揺動機構が設けられた軌陸車の架装物は、車体前側の左右の鉄輪(前鉄輪)と後鉄輪揺動機構の揺動ピンとの3点で支持される。そのため、前後左右の鉄輪からなる4点で架装物が支持される場合と比較すると、軌陸車を軌道上で停止させて所定の作業を行う場合に、車体の支持安定性が劣り、架装物の安定領域(安定作動領域)が狭くなる。例えば、架装物として高所作業装置を架装した場合、3点支持の場合は4点支持の場合に対し作業半径を狭くせざるを得なくなる。
後鉄輪揺動機構の揺動範囲を狭く設定することで、架装物の重心が安定領域外に出ても即座に車体が転倒に至ることはなく、例えば、架装物として高所作業装置を架装した場合の作業半径も極端に狭くなることはない。ところが、架装物の重心が安定領域外に出ると、前鉄輪の左右いずれか一方が軌道上から浮き上がる事象は発生する。架装物の重心が安定領域内に戻るとこの浮き上がりは解消するが、その際、車輪が適切な位置に戻らない事象(例えば、鉄輪のフランジ部がレール踏面に乗り上がるような事象)も起こり得るため、軌陸車が脱線し易くなるおそれがあった。
架装物の安定領域の縮小および脱線リスクの増加を解決する手段として、車体に可動式安定脚(以下、ジャッキと称する)を設けることが考えられる。ところが、ジャッキを使用するには、接地面の状況および作動時の安全を確認するため、軌道上でのジャッキ操作が必要である。また、ジャッキを接地させた形態は、鉄道事業主において設定される車両限界を超えた形態になるため、軌陸車が軌道上を走行するためには、ジャッキを格納する必要がある。例えば、高所作業装置を架装した軌陸車では、通常、作業者はキャブ内もしくは作業台(作業床)にいることが多い。そのため、高所作業と軌道走行を繰り返す現場では、ジャッキ操作を行うために、作業者が軌道上とキャブもしくは作業台との間で乗降を繰り返す必要があり、作業効率の低下につながるおそれがある。
特開2009−173060号公報
このように、軌道走行時の走行安定性を維持しつつ、軌道上で停止したときの車体の支持安定性を向上させるための方策が求められている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、軌道走行時の走行安定性を維持しつつ、軌道上で停止したときの車体の支持安定性を向上させた軌陸車を提供することを目的とする。
このような目的達成のため、本発明は、車体前後に設けられて道路上を走行可能な道路走行用車輪と、前記車体前後に設けられて軌道上を走行可能な左右の軌道走行用車輪とを備えた軌陸車において、前記車体前後の少なくともいずれかの側における前記左右の前記軌道走行用車輪が、前記車体の左右方向に延びる支持部材の左右に回転自在に支持され、前記支持部材は、その中間部を通って前記車体の前後方向に延びる揺動軸を中心として揺動自在であり、前記車体の左右に配置され、前記車体に対して前記支持部材の揺動を規制可能な左右一対の油圧シリンダからなる揺動ロックシリンダを備え、前記揺動ロックシリンダは前記支持部材の方に向かって伸縮可能であり、左右一対の前記揺動ロックシリンダの作動制御を行うロック制御バルブを備える。
上記軌陸車において、好ましくは、前記ロック制御バルブは、前記左右一対の揺動ロックシリンダが伸長作動する伸長側位置と、前記左右一対の揺動ロックシリンダが縮小作動する縮小側位置と、前記左右一対の揺動ロックシリンダが伸縮を停止する中立位置とに切り換え可能である。
上記軌陸車において、好ましくは、前記左右一対の揺動ロックシリンダが、伸長されて前記支持部材に当接して前記支持部材の揺動を規制する揺動規制位置と、縮小されて前記支持部材から離れて前記支持部材の揺動を許容する揺動可能位置とに伸縮可能である。
上記軌陸車において、好ましくは、前記揺動ロックシリンダが前記揺動規制位置もしくは前記揺動可能位置に位置したことを検出するシリンダ位置検出器を備える。
本発明によれば、揺動ロックシリンダにより支持部材の揺動が規制されると、車体が軌道走行用車輪によりしっかりと支持される形態となるので、軌道上で停止したときの車体の支持安定性を向上させることができる。また、揺動ロックシリンダは、車体と支持部材との間に介在するため、周囲の安全確認を要することなく、揺動ロックシリンダを作動させることができる。そのため、キャブ内や作業台からの操作や車両制御システムによる自動化も可能となり、作業効率の改善に寄与できる。
第1実施形態に係る軌陸作業車の側面図である。 左右の前側軌道走行装置を下方から見た斜視図である。 後側軌道走行装置の前面図である。 後側軌道走行装置の側面図である。 後側軌道走行装置の斜視図である。 左軌間固定カラーの分解図である。 第1実施形態に係る軌陸作業車の制御系を示すブロック図である。 第2実施形態に係る軌陸作業車の制御系を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。第1実施形態に係る軌陸車の一例として軌陸作業車1を図1に示している。本実施形態においては、図1の矢印Lで示す方向を左方とする車幅方向を左右方向と称し、図1の矢印Fで示す方向を前方とする車長方向を前後方向と称して説明を行う。軌陸作業車1は、車体2に設けられた運転キャブ2aを有するトラック車両をベースとして構成されており、車体2の前後左右の4箇所に取り付けられたタイヤ車輪(道路走行用車輪)3によって道路上を走行することができる。さらに、車体2の前側左右2箇所に、軌道を走行するための左前側軌道走行装置20および右前側軌道走行装置30が配設されるとともに、車体2の後側に、軌道を走行するための後側軌道走行装置40が配設されている。
車体2の下部中央には、軌陸作業車1をレールR上へ乗せ換え移動するための転車台6が取り付けられている。転車台6は、転車台張出格納シリンダ(図示せず)の伸縮作動により下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっており、さらに車体旋回モータ(図示せず)により車体2を転車台6に対して水平旋回することができるようになっている。なお、手動(人力)により車体2を転車台6に対して水平旋回できるように構成してもよい。
車体2の上部には作業装置として高所作業装置10が搭載される。高所作業装置10は、車体2に対して水平旋回自在に取り付けられた旋回台11と、旋回台11の上部に起伏自在に取り付けられたブーム12と、ブーム12の先端に取り付けられた作業者搭乗用の作業台14とを主体に構成される。旋回台11は、車体2上部の略中央部に取り付けられ、旋回モータ15により駆動されて旋回動可能に構成される。旋回台11の上部にブーム12の基部が枢結され、起伏シリンダ16の伸縮作動によりブーム12が略鉛直面内で起伏動可能に構成される。ブーム12は、基端ブーム12a、中間ブーム12b、および先端ブーム12cを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ17により伸縮動可能に構成される。なお、本実施形態において、ブーム12が3段のブームで構成されているが、2段もしくは4段以上のブームで構成される多段ブーム構成とすることができる。
先端ブーム12cの先端部に、ブーム12の起伏面と同一面内で揺動可能な作業台支持ブラケット13が枢結され、この作業台支持ブラケット13の上部に、作業台14が旋回可能(首振り可能)に支持される。作業台支持ブラケット13は、内蔵のレベリングシリンダ18によって、ブーム12の起伏角度に拘らず作業台14の床面が常に地上に対して水平を保つように揺動される。作業台14は、内蔵の首振りモータ19により旋回動可能に構成される。作業台14には所定の操作が行われる上部操作装置14aが設けられる。なお、車体2には上部操作装置14aと同様の操作が可能な下部操作装置(図示せず)が設けられる。
車体2の前後左右の4カ所に下方に伸縮自在なアウトリガジャッキ7が設けられており、高所作業を行うときには、このアウトリガジャッキ7を下方に張り出して車体2を持ち上げ支持できるようになっている。なお、アウトリガジャッキ7の操作は、車体2に設けられたジャッキ操作装置(図示せず)により行われる。
左前側軌道走行装置20は、図2に示すように、ベースブラケット21と、支持プレート22および支持軸23と、鉄輪保持ブラケット24と、左前鉄輪25と、揺動シリンダ26と、鉄輪駆動モータ27と、駆動力伝達装置28と、ブレーキ装置29とを有して構成される。ベースブラケット21は、車体2の下部における左前側に配設される。左右一対の支持プレート22は、ベースブラケット21の下部に配設され、左右の支持プレート
22に挟まれて左右方向に延びる支持軸23の両端を支持する。鉄輪保持ブラケット24は、支持軸23を介して左右の支持プレート22に支持され、支持軸23を中心に車体2に対して上下に揺動自在に設けられる。左前鉄輪(軌道走行用車輪)25は、フランジ部を有する円盤状に形成され、鉄輪保持ブラケット24により左右に延びる回転軸(図示せず)を中心に回転自在に保持される。揺動シリンダ26は、シリンダチューブ側がベースブラケット21に枢結されるとともに、ロッド側が鉄輪保持ブラケット24に枢結され、鉄輪保持ブラケット24を上下に揺動させる。鉄輪駆動モータ27は、油圧モータ等から構成され、左前鉄輪25を回転駆動する。駆動力伝達装置28は、鉄輪保持ブラケット24の側部に取り付けられ、鉄輪駆動モータ27の回転駆動力を左前鉄輪25に伝達する。ブレーキ装置29は、駆動力伝達装置28の側部に取り付けられた、ブレーキローター29aと、ブレーキキャリパー29bと、駐車ブレーキキャリパー29cとを有して構成され、ブレーキキャリパー29bまたは駐車ブレーキキャリパー29cの作動により左前鉄輪25を制動する。
右前側軌道走行装置30は、左前側軌道走行装置20と同様の構成であり、ベースブラケット31と、支持プレート32および支持軸33と、鉄輪保持ブラケット34と、右前鉄輪35と、揺動シリンダ36と、鉄輪駆動モータ37と、駆動力伝達装置38と、ブレーキ装置39とを有して構成される。なお、ベースブラケット31は、車体2の下部における右前側に配設される。
左前鉄輪25を保持する鉄輪保持ブラケット24は、揺動シリンダ26の伸縮作動により、左前鉄輪25を上方に(車体2に)格納する格納位置と、左前鉄輪25を下方に張り出す張出位置との間で、上下に揺動自在に設けられている。同様に、右前鉄輪35を保持する鉄輪保持ブラケット34は、揺動シリンダ36の伸縮作動により、右前鉄輪35を上方に(車体2に)格納する格納位置と、右前鉄輪35を下方に張り出す張出位置との間で、上下に揺動自在に設けられている。そして、軌陸作業車1は、左前鉄輪25および右前鉄輪35(並びに、後述の左後鉄輪75および右後鉄輪85)を下方に張り出した状態で車体2をレール(軌道)R上(図1を参照)に載置し、左右の鉄輪駆動モータ27,37により左前鉄輪25および右前鉄輪35を回転駆動してレール上を自走可能となっている。なお、左前側軌道走行装置20の鉄輪保持ブラケット24と右前側軌道走行装置30の鉄輪保持ブラケット34との間に、左右に延びる棒状のタイロッド95が取り付けられている。
後側軌道走行装置40は、図3〜図5に示すように、ベースブラケット41と、揺動ブラケット46および揺動シリンダ50を備えた変位機構45と、揺動アクスル60と、左後鉄輪75および右後鉄輪85と、左ブレーキ装置77および右ブレーキ装置87とを有して構成される。ベースブラケット41は、車体2の下部後側に配設される。ベースブラケット41の下部には、車体2の左右方向に延びる左右のヒンジピン42,43を介して揺動ブラケット46が揺動自在に連結される。これにより、揺動ブラケット46は、車体2の下部に車体2の左右方向に延びる軸(左右のヒンジピン42,43)を中心に揺動自在に配設される。揺動ブラケット46の下端部には、揺動軸47を介して揺動アクスル60の中央部が連結され、揺動ブラケット46の揺動先端側において揺動アクスル60が揺動ブラケット46に支持される。
揺動シリンダ50は、シリンダチューブ側がベースブラケット41の後部に設けられたシリンダブラケット44に枢結されるとともに、ロッド側が揺動ブラケット46の上端部に枢結され、油圧力を利用して伸縮可能に構成される。揺動シリンダ50は、車体2の左右方向に延びる軸(左右のヒンジピン42,43)を中心に揺動ブラケット46を揺動させ、左後鉄輪75および右後鉄輪85を支持した揺動アクスル60を、左後鉄輪75および右後鉄輪85を上方に(車体2に)格納する格納位置(図4の二点鎖線を参照)と、左
後鉄輪75および右後鉄輪85を下方に張り出す張出位置(図4の実線を参照)とに変位させる。
揺動軸47は、揺動アクスル60が張出位置に位置した状態で、車体2の前後方向に延びるように配置される。これにより、揺動アクスル60は、変位機構45(揺動ブラケット46および揺動シリンダ50)により張出位置に位置したときに、車体2の前後方向に延びる揺動軸47を中心としてこの揺動軸47と垂直な面内で揺動自在に構成される。
ベースブラケット41の左右側部には、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動を規制する左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52が取り付けられる。左揺動ロックシリンダ51は、油圧力を利用して上下方向に伸縮自在に構成される。左揺動ロックシリンダ51の下部(ロッド側)には、左揺動ロックシリンダ51が所定の揺動可能位置まで縮小したことを検出するシリンダ格納検出器51aが設けられる。なお、所定の揺動可能位置は、張出位置に位置した揺動アクスル60から左揺動ロックシリンダ51の下端部が離れて揺動アクスル60の揺動が可能となる位置に設定される。左揺動ロックシリンダ51の上部(シリンダチューブ側)には、左揺動ロックシリンダ51が伸長して揺動アクスル60の左シャフト支持部62に当接したことを検出するシリンダ張出検出器51bが設けられる。
右揺動ロックシリンダ52は、左揺動ロックシリンダ51と同様の構成であり、右揺動ロックシリンダ52が所定の揺動可能位置まで縮小したことを検出するシリンダ格納検出器52aや、右揺動ロックシリンダ52が伸長して揺動アクスル60の右シャフト支持部67に当接したことを検出するシリンダ張出検出器52bが設けられる。このように、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52はそれぞれ、シリンダ格納検出器51a,52aおよびシリンダ張出検出器51b,52bから出力された検出信号に基づくコントローラ(詳細は後述する)の作動制御により、張出位置に位置した揺動アクスル60に当接して該揺動アクスル60の揺動を規制する揺動規制位置と、張出位置に位置した揺動アクスル60から離れて該揺動アクスル60の揺動を可能にする揺動可能位置との間で伸縮自在に構成される。
揺動アクスル60は、揺動アクスル60の中間部に形成された梁部61と、梁部61の左右両端にそれぞれ形成された左シャフト支持部62および右シャフト支持部67とを有して構成され、左後鉄輪75および右後鉄輪85をそれぞれ回転自在に支持する。梁部61は、車体2の左右方向に延びる棒状に形成され、梁部61の中央部に前述の揺動軸47が連結されて、揺動軸47を中心に揺動自在に構成される。左シャフト支持部62は、左後鉄輪75を囲む門形に形成され、左後鉄輪75を回転自在に支持する。右シャフト支持部67は、右後鉄輪85を囲む門形に形成され、右後鉄輪85を回転自在に支持する。
また、梁部61は、左シャフト支持部62および右シャフト支持部67の(門形の)下端部に繋がって、左後鉄輪75および右後鉄輪85の回転軸部と左右に並んで位置し、左シャフト支持部62および右シャフト支持部67が梁部61よりも上方に突出する。これにより、揺動アクスル60が張出位置に位置した状態で車体2の前後方向から見て略M字状の形状となり、梁部61の上面側に左シャフト支持部62および右シャフト支持部67に挟まれた上方に開口する開口空間Sが形成される。この開口空間Sには、揺動ブラケット46の一部が入り込む。
また、開口空間Sにおける揺動ブラケット46と左シャフト支持部62との間隙部には、左揺動防止バネ56が配設され、開口空間Sにおける揺動ブラケット46と右シャフト支持部67との間隙部には、右揺動防止バネ57が配設される。左揺動防止バネ56は、圧縮コイルバネを主体に構成され、一端が揺動ブラケット46の左側部に取り付けられた
左取り付けアングル48に連結されるとともに、他端が梁部61の左側に当接している。右揺動防止バネ57は、左揺動防止バネ56と同様の構成であり、一端が揺動ブラケット46の右側部に取り付けられた右取り付けアングル49に連結されるとともに、他端が梁部61の右側に当接している。この左右の揺動防止バネ56,57によって、軌道走行時における揺動アクスル60の揺動は可能であるが、揺動アクスル60が格納位置に位置するときや、揺動アクスル60が格納位置(張出位置)から張出位置(格納位置)に変位しているとき等、左後鉄輪75および右後鉄輪85がレール(軌道)R上にないときの揺動アクスル60の不必要な揺動が規制されるようになっている。
左後鉄輪75は、図6に示すように、左鉄輪シャフト71と延伸方向にスライド移動可能に連結される。左鉄輪シャフト71は、車体2の左右方向に延びるスプライン軸状に形成され、左シャフト支持部62により回転自在に両端支持される。これにより、左鉄輪シャフト71とスプライン嵌合した左後鉄輪75は、左シャフト支持部62により回転自在に支持される。左鉄輪シャフト71における左後鉄輪75と左シャフト支持部62との間隙部には、左後鉄輪75と右後鉄輪85との間隔をレール(軌道)Rの幅と合わせるために、左鉄輪シャフト71上における左後鉄輪75の位置を固定する左軌間固定カラー72が取り付けられる。
左軌間固定カラー72は、左鉄輪シャフト71を囲む円筒形状に形成されて、この円筒形状を円周方向に2分割した第1分割部材73および第2分割部材74から構成される。第1分割部材73および第2分割部材74は、それぞれ半円筒状に形成され、4本のネジ部材79a〜79dによって組み立てられる。また、左軌間固定カラー72は、左鉄輪シャフト71の基端側(右側)にスライド移動した左後鉄輪75と左シャフト支持部62との間隙部(図7を参照)および、左鉄輪シャフト71の先端側(左側)にスライド移動した左後鉄輪75と左シャフト支持部62との間隙部のいずれか一方に選択的に取り付け可能に構成される。これにより、左後鉄輪75と右後鉄輪85との間隔を、例えば、標準軌と狭軌の2種類のレール(軌道)Rの幅に合わせることができる。
右後鉄輪85は、左後鉄輪75の場合と同様に、不図示の右鉄輪シャフトと延伸方向にスライド移動可能に連結される。右鉄輪シャフト(図示せず)は、左鉄輪シャフト71と同様の構成であり、右シャフト支持部67により回転自在に両端支持される。これにより、右鉄輪シャフトとスプライン嵌合した右後鉄輪85は、右シャフト支持部67により回転自在に支持される。右鉄輪シャフトにおける右後鉄輪85と右シャフト支持部67との間隙部には、左後鉄輪75と右後鉄輪85との間隔をレール(軌道)Rの幅と合わせるために、右鉄輪シャフト上における右後鉄輪85の位置を固定する右軌間固定カラー82が取り付けられる。右軌間固定カラー82は、左軌間固定カラー72と同様の構成であり、詳細な説明を省略する。
左シャフト支持部62の外側部(左側部)には、左ブレーキ装置77が設けられる。左ブレーキ装置77は、図3〜図5に示すように、左鉄輪シャフト71の先端部に連結されたブレーキローター77aと、左シャフト支持部62の外側部(左側部)に取り付けられたブレーキキャリパー77bおよび駐車ブレーキキャリパー77cとを有して構成され、ブレーキキャリパー77bまたは駐車ブレーキキャリパー77cの作動により左後鉄輪75を制動する。一方、右シャフト支持部67の外側部(右側部)には、右ブレーキ装置87が設けられる。右ブレーキ装置87は、図3に示すように、右鉄輪シャフト(図示せず)の先端部に連結されたブレーキローター87aと、右シャフト支持部67の外側部(右側部)に取り付けられたブレーキキャリパー87bおよび駐車ブレーキキャリパー(図示せず)とを有して構成され、ブレーキキャリパー87bまたは駐車ブレーキキャリパーの作動により右後鉄輪85を制動する。
以上のように構成された軌陸作業車1は、左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を車体2に格納してタイヤ車輪3により道路上を走行可能とする道路走行状態と、左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を下方に張り出して各鉄輪によりレール(軌道)R上を走行可能とする軌道走行状態とに切換設定可能に構成される。道路走行状態に設定するには、左前側軌道走行装置20および右前側軌道走行装置30の揺動シリンダ26,36により、左右の鉄輪保持ブラケット24,34を格納位置に揺動変位させると
ともに、後側軌道走行装置40の変位機構45により揺動アクスル60を格納位置に変位させて、タイヤ車輪3を接地させる。一方、軌道走行状態に設定するには、左前側軌道走行装置20および右前側軌道走行装置30の揺動シリンダ26,36により、左右の鉄輪保持ブラケット24,34を張出位置に揺動変位させるとともに、後側軌道走行装置40
の変位機構45により揺動アクスル60を張出位置に変位させて、左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を下方に張り出す。
この走行状態の切換、すなわち、道路走行状態から軌道走行状態への切換もしくは逆の切換を行うときに転車台6が用いられる。例えば、道路走行状態から軌道走行状態への移行は、まず、軌陸作業車1を道路走行させて作業現場最寄りの踏切まで移動し、軌道を跨ぐようにして軌陸作業車1を停止させる。次に、転車台張出格納シリンダ(図示せず)を作動させて転車台6を下方へ張り出し、車体2を転車台6により持ち上げ支持する。次に、車体旋回モータ(図示せず)を作動させて転車台6を水平回転させ、車体2の方向がレールの方向に一致するまで車体2を約90度旋回させる。次に、上述のように左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を下方に張り出して、転車台張出格納シリンダにより転車台6を上方に格納しながら、レールR上に載置させる。これにより、軌陸作業車1は道路上からレールR上に載せ換え移動された状態となる。
レールR上に載せ換え移動された軌陸作業車1は、左右の鉄輪駆動モータ27,37により左右の前鉄輪25,35を回転駆動させてレールR上を軌道走行することができる。軌陸作業車1を軌道走行させて作業現場まで移動すると、作業者は高所作業装置(図示せず)を用いて高所作業を行うことができる。作業が終わると、軌陸作業車1を軌道走行させて踏切上まで移動し、転車台6により車体2を支持・旋回する。このとき、左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85は、上述のようにレールRから上方に離れて車体2に格納される。そして、転車台6を格納作動して車体2を道路上に降ろした後、タイヤ車輪3を駆動して道路上を走行し、別の場所へ移動する。
軌道走行時、揺動アクスル60の揺動を伴って左右の後鉄輪75,85が上下方向に移動することにより、レール(軌道)R上の左右の高低差に左右の後鉄輪75,85が追従する。このようにして、軌陸作業車1はレール(軌道)R上を安定走行することができる。本実施形態では、張出位置に位置した揺動アクスル60が車体2の前後方向から見て略M字状の形状となる。これにより、揺動アクスル60の梁部61が左右の後鉄輪75,85の軸部と左右に並んで位置するため、梁部61の揺動支点(揺動軸47)の高さが左右の後鉄輪75,85の軸部近傍の高さまで低くなる。そのため、レール(軌道)R上の左右の高低差に左右の後鉄輪75,85が追従するときに、梁部61の揺動に伴う車体2の左右方向への揺れが低減され、軌道走行時の車体2の安定性を向上させることができる。また、梁部61より上方に突出する左右のシャフト支持部62,67が門形に形成されるため、左右の後鉄輪75,85の両端支持を行うことが可能となり、左右の後鉄輪75,85の軸部(左右の鉄輪シャフト)の必要強度を低減させることができる。また、左右の後鉄輪75,85の間の軸線上に略M字状の揺動アクスル60がタイロッドのように形成されるため、横方向の圧力に対する剛性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、左右の後鉄輪75,85の軸部を通る直線上に揺動軸47が配置されるため、梁部61の揺動支点(揺動軸47)の高さが各後鉄輪75,85の軸部の
高さまで低くなる。そのため、レール(軌道)R上の左右の高低差に左右の後鉄輪75,85が追従するときに、梁部61の揺動に伴う車体2の左右方向への揺れがより低減され、軌道走行時の車体2の安定性をより向上させることができる。
また、略M字状の揺動アクスル60に形成された開口空間Sに、左揺動防止バネ56および右揺動防止バネ57が配置されることで、揺動アクスル60の不必要な揺動を防止することができる。
なお、揺動アクスル60を上下方向に変位させる変位機構45は、車体2の左右方向に延びる軸を中心に揺動自在な揺動ブラケット46と、揺動ブラケット46を揺動させる揺動シリンダ50とを有して構成される。これにより、作動範囲の少ないコンパクトな構成で、揺動アクスル60を格納位置と張出位置とに変位させることができる。
また、作業現場で高所作業を行うとき、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52はそれぞれ所定の揺動可能位置から揺動規制位置まで伸長作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67に当接し、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動を規制する。このように、左右の揺動ロックシリンダ51,52により揺動アクスル60の揺動が規制されると、架装物(高所作業装置10)が4点支持される形態となるので、軌道上で停止したときの車体2の支持安定性を向上させることができる。また、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、車体2と揺動アクスル60との間に介在するため、周囲の安全確認を要することなく、左右の揺動ロックシリンダ51,52を作動させることができる。そのため、運転キャブ2a内や作業台14からの操作や車両制御システムによる自動化も可能となり、作業効率の改善に寄与できる。
また、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、揺動アクスル60の揺動を規制する揺動規制位置と、揺動アクスル60の揺動を可能にする揺動可能位置との間で伸縮自在に構成されることで、揺動アクスル60の揺動を規制する状態と揺動アクスル60の揺動を可能にする状態の切換を容易に行うことができる。なお、作業が終了すると、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52はそれぞれ揺動規制位置から揺動可能位置まで縮小作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67から離れ、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動を可能にする。
ここで、左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御について、図7を参照しながら説明する。軌陸作業車1の制御装置は、図7に示すように、車体2の内部に設置されたコントローラ100を主体に構成される。コントローラ100は、バルブ制御部101と、ブーム格納判定部102とを有して構成される。バルブ制御部101は、ブーム格納判定部102と電気的に接続され、ブーム格納判定部102から出力された判定信号が入力される。そして、バルブ制御部101は、ブーム格納判定部102から入力された判定信号に基づいて、左右の揺動ロックシリンダ51,52に対応する第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。
バルブ制御部101は、シリンダ格納検出器51a,52aおよびシリンダ張出検出器51b,52bとそれぞれ電気的に接続され、シリンダ格納検出器51a,52aおよびシリンダ張出検出器51b,52bからそれぞれ出力された検出信号がバルブ制御部101に入力される。バルブ制御部101は、制御停止スイッチ111と電気的に接続され、制御停止スイッチ111から出力された停止操作信号がバルブ制御部101に入力される。制御停止スイッチ111は、運転キャブ2a内に設けられ、作業者により押し操作等が行われると停止操作信号をバルブ制御部101に出力する。
バルブ制御部101は、上部操作装置14aと電気的に接続され、上部操作装置14aから出力されたブーム操作信号がバルブ制御部101に入力される。そして、バルブ制御部101は、上部操作装置14aから入力されたブーム操作信号に基づいて、ブームアクチュエータ120に対応する第2油圧制御バルブV2のスプールを電磁駆動する。ここで、ブームアクチュエータ120とは、旋回モータ15、起伏シリンダ16、伸縮シリンダ17、および首振りモータ19を総称したものである。
バルブ制御部101は、駐車ブレーキレバー112と電気的に接続され、駐車ブレーキレバー112から出力されたブレーキ操作信号がバルブ制御部101に入力される。そして、バルブ制御部101は、駐車ブレーキレバー112から入力されたブレーキ操作信号に基づいて、駐車ブレーキキャリパー130に対応する第3油圧制御バルブV3のスプールを電磁駆動する。ここで、駐車ブレーキキャリパー130とは、左前側軌道走行装置20の駐車ブレーキキャリパー29c、右前側軌道走行装置30の駐車ブレーキキャリパー(図示せず)、後側軌道走行装置40における左ブレーキ装置77の駐車ブレーキキャリパー77cおよび右ブレーキ装置87の駐車ブレーキキャリパー(図示せず)を総称したものである。駐車ブレーキレバー112は、運転キャブ2a内に設けられ、作業者により引き操作等が行われるとブレーキ操作信号をバルブ制御部101に出力する。
バルブ制御部101は、走行操作装置113と電気的に接続され、走行操作装置113から出力された走行操作信号がバルブ制御部101に入力される。そして、バルブ制御部101は、走行操作装置113から入力された走行操作信号に基づいて、左右の鉄輪駆動モータ27,37に対応する第4油圧制御バルブV4のスプールを電磁駆動し、ブレーキキャリパー140に対応する第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動する。ここで、ブレーキキャリパー140とは、左前側軌道走行装置20のブレーキキャリパー29b、右前側軌道走行装置30のブレーキキャリパー(図示せず)、後側軌道走行装置40における左ブレーキ装置77のブレーキキャリパー77bおよび右ブレーキ装置87のブレーキキャリパー87bを総称したものである。走行操作装置113は、運転キャブ2a内に設けられ、作業者等の操作に応じた走行操作信号をバルブ制御部101に出力する。
なお、第1〜第5油圧制御バルブV1〜V5は、油圧ポンプ150から各アクチュエータへの作動油の供給を制御する電磁弁である。車体2の内部に設けられた油圧ポンプ150は、図示しないエンジンや電動モータ等により回転駆動され、第1油圧制御バルブV1を介して左右の揺動ロックシリンダ51,52に作動油を供給し、第2油圧制御バルブV2を介してブームアクチュエータ120に作動油を供給し、第3油圧制御バルブV3を介して駐車ブレーキキャリパー130に作動油を供給し、第4油圧制御バルブV4を介して左右の鉄輪駆動モータ27,37に作動油を供給し、第5油圧制御バルブV5を介してブレーキキャリパー140に作動油を供給する。
ブーム格納判定部102は、ブーム格納検出器114と電気的に接続され、ブーム格納検出器114から出力された検出信号がブーム格納判定部102に入力される。そして、ブーム格納判定部102は、ブーム格納検出器114から入力された検出信号に基づいて、高所作業装置10(ブーム12)が格納状態(図1の実線を参照)であるか非格納状態(図1の二点鎖線を参照)であるかを判定し、判定信号をバルブ制御部101に出力する。ブーム格納検出器114は、車体2上に設けられ、ブーム12が所定の格納位置(図1の実線を参照)に位置したときに、ブーム12の格納検出信号をブーム格納判定部102に出力する。
続いて、軌道走行状態に切換設定された軌陸作業車1がレール(軌道)R上に位置する場合におけるコントローラ100の作動について説明する。まず、高所作業装置10が格
納状態である場合、ブーム格納検出器114からブーム12の格納検出信号が出力され、ブーム格納判定部102に入力される。ブーム格納判定部102は、ブーム格納検出器114から格納検出信号が入力されると、高所作業装置10(ブーム12)が格納状態であると判定し、格納判定信号をバルブ制御部101に出力する。バルブ制御部101は、ブーム格納判定部102から格納判定信号が入力されると、左右のシリンダ格納検出器51a,52aから(左右の揺動ロックシリンダ51,52の)格納検出信号が入力されていない場合に、左右の揺動ロックシリンダ51,52を縮小させる方向に第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第1油圧制御バルブV1を介して左右の揺動ロックシリンダ51,52に作動油が供給され、左右の揺動ロックシリンダ51,52が縮小作動する。左右のシリンダ格納検出器51a,52aから格納検出信号が入力されると、バルブ制御部101は、左右の揺動ロックシリンダ51,52を停止させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを中立に戻す。
これにより、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、前述の揺動可能位置まで縮小作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67から離れるので、張出位置に位置した揺動アクスル60の(揺動軸47を中心とする)揺動が可能となる。そのため、軌陸作業車1はレール(軌道)R上を安定走行することができる。この場合、作業者等により走行操作装置113が操作されると、作業者等の操作に応じた走行操作信号が走行操作装置113からバルブ制御部101に入力される。バルブ制御部101は、走行操作装置113から走行操作信号が入力されると、入力された走行操作信号に応じて、第4油圧制御バルブV4または第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第4油圧制御バルブV4を介して左右の鉄輪駆動モータ27,37に作動油が供給され、左右の鉄輪駆動モータ27,37が左右の前鉄輪25,35を回転駆動し、必要に応じて、油圧ポンプ150から第5油圧制御バルブV5を介してブレーキキャリパー140に作動油が供給され、ブレーキキャリパー140が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。
また、作業現場で高所作業を行うとき、軌陸作業車1がレール(軌道)R上で駐車する際に駐車ブレーキレバー112が操作され、高所作業装置10を作動させるために上部操作装置14aが操作される。バルブ制御部101は、駐車ブレーキレバー112からブレーキ操作信号が入力されると、第3油圧制御バルブV3のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第3油圧制御バルブV3を介して駐車ブレーキキャリパー130に作動油が供給され、駐車ブレーキキャリパー130が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。バルブ制御部101は、上部操作装置14aからブーム操作信号が入力されると、入力されたブーム操作信号に応じて、第2油圧制御バルブV2のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第2油圧制御バルブV2を介してブームアクチュエータ120に作動油が供給され、ブーム12の旋回動、起伏動、伸縮動等が行われる。
このように、高所作業装置10が非格納状態である場合、ブーム格納検出器114からブーム12の非格納検出信号が出力され、ブーム格納判定部102に入力される。ブーム格納判定部102は、ブーム格納検出器114から非格納検出信号が入力されると、高所作業装置10(ブーム12)が非格納状態であると判定し、非格納判定信号をバルブ制御部101に出力する。バルブ制御部101は、ブーム格納判定部102から非格納判定信号が入力されると、左右のシリンダ張出検出器51b,52bから(左右の揺動ロックシリンダ51,52の)張出検出信号が入力されていない場合に、左右の揺動ロックシリンダ51,52を伸長させる方向に第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第1油圧制御バルブV1を介して左右の揺動ロックシリンダ51,52に作動油が供給され、左右の揺動ロックシリンダ51,52が伸長作動する。左右のシリンダ張出検出器51b,52bから張出検出信号が入力されると、バルブ
制御部101は、左右の揺動ロックシリンダ51,52を停止させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを中立に戻す。
これにより、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、前述の揺動規制位置まで伸長作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67に当接し、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動が規制される。そのため、軌道上で停止したときの車体2の支持安定性を向上させることができる。
このように、第1実施形態によれば、コントローラ100は、高所作業装置10が格納状態である場合に、揺動アクスル60の揺動を可能にするように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御し、高所作業装置10が非格納状態である場合に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御する。そのため、高所作業装置10が格納状態である場合に、安定した軌道走行が可能となり、高所作業装置10が非格納状態である場合に、車体2の支持安定性が向上して高所作業装置10の作業範囲を拡げることが可能となる。
なお、制御停止スイッチ111から操作信号が入力された場合、バルブ制御部101は、第1油圧制御バルブV1に制御信号を出力するのを停止する。この場合、手動により左右の揺動ロックシリンダ51,52を作動させることが可能となる。このように、コントローラ100(バルブ制御部101)による左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御を停止させるための操作が行われる制御停止スイッチ111をさらに備えることで、シリンダ格納検出器51a,52aやシリンダ張出検出器51b,52bが故障した場合等において、意図しない揺動ロックシリンダ51,52の作動を防止することができ、軌陸作業車1の安全性を高めることができる。
上述の第1実施形態において、ブーム12を用いた高所作業装置10が車体2の上部に搭載されているが、これに限られるものではなく、作業装置として、シザース式、ポスト式等の垂直昇降式の高所作業装置や、クレーン装置等が、車体2の上部に搭載されてもよい。
次に、本願の第2実施形態について説明する。第2実施形態の軌陸作業車は、制御装置の構成の他は、第1実施形態に係る軌陸作業車1と同様の構成であり、各部に第1実施形態の場合と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第2実施形態の制御装置は、図8に示すように、車体2の内部に設置されたコントローラ200を主体に構成される。コントローラ200は、バルブ制御部201と、ブーム位置判定部202とを有して構成される。バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202と電気的に接続され、ブーム位置判定部202から出力された判定信号が入力される。そして、バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202から入力された判定信号を利用して、左右の揺動ロックシリンダ51,52に対応する第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。
バルブ制御部201は、シリンダ格納検出器51a,52aおよびシリンダ張出検出器51b,52bとそれぞれ電気的に接続され、シリンダ格納検出器51a,52aおよびシリンダ張出検出器51b,52bからそれぞれ出力された検出信号がバルブ制御部201に入力される。バルブ制御部201は、制御停止スイッチ111と電気的に接続され、制御停止スイッチ111から出力された停止操作信号がバルブ制御部201に入力される。
バルブ制御部201は、上部操作装置14aと電気的に接続され、上部操作装置14aから出力されたブーム操作信号がバルブ制御部201に入力される。そして、バルブ制御部201は、上部操作装置14aから入力されたブーム操作信号に基づいて、ブームアク
チュエータ120に対応する第2油圧制御バルブV2のスプールを電磁駆動する。
バルブ制御部201は、駐車ブレーキレバー112と電気的に接続され、駐車ブレーキレバー112から出力されたブレーキ操作信号がバルブ制御部201に入力される。そして、バルブ制御部201は、駐車ブレーキレバー112から入力されたブレーキ操作信号に基づいて、駐車ブレーキキャリパー130に対応する第3油圧制御バルブV3のスプールを電磁駆動する。
バルブ制御部201は、走行操作装置113と電気的に接続され、走行操作装置113から出力された走行操作信号がバルブ制御部101に入力される。そして、バルブ制御部201は、走行操作装置113から入力された走行操作信号に基づいて、左右の鉄輪駆動モータ27,37に対応する第4油圧制御バルブV4のスプールを電磁駆動し、ブレーキキャリパー140に対応する第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動する。また、バルブ制御部201は、上部操作装置14aから入力された走行操作信号に基づいて、左右の鉄輪駆動モータ27,37に対応する第4油圧制御バルブV4のスプールを電磁駆動し、ブレーキキャリパー140に対応する第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動することも可能である。
ブーム位置判定部202は、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117と電気的に接続され、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から出力された検出信号がブーム位置判定部202に入力される。そして、ブーム位置判定部202は、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から入力された検出信号に基づいて、ブーム12の先端位置(すなわち、作業台14の位置)を算出し、算出したブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の内側に位置するか否かを判定して、判定信号をバルブ制御部201に出力する。ブーム起伏角検出器115は、ブーム12に内蔵され、ブーム12の起伏角を検出してその検出信号をブーム位置判定部202に出力する。ブーム旋回角検出器116は、旋回台11に内蔵され、ブーム12(旋回台11)の旋回角を検出してその検出信号をブーム位置判定部202に出力する。ブーム伸長検出器117は、ブーム12に内蔵され、ブーム12の長さを検出してその検出信号をブーム位置判定部202に出力する。
続いて、軌道走行状態に切換設定された軌陸作業車がレール(軌道)R上に位置する場合におけるコントローラ200の作動について説明する。まず、駐車ブレーキレバー112のブレーキ操作が行われていない場合、駐車ブレーキレバー112からブレーキ操作信号が出力されず、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から検出信号が出力され、ブーム位置判定部202に入力される。ブーム位置判定部202は、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から入力された検出信号に基づいて、ブーム12の先端位置(すなわち、作業台14の位置)を算出し、算出したブーム12の先端位置が車体2を囲む所定のブーム作動範囲の内側に位置すると判定した場合には、内側判定信号をバルブ制御部201に出力する。なお、所定のブーム作動範囲は、この範囲内にブーム12の先端位置(作業台14)が位置した状態で軌陸作業車が走行した場合に、作業台14と架線等(軌道の周囲に設けられた軌道設備)とが接触しない範囲として設定され、不図示の内部メモリに記憶される。
バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202から内側判定信号が入力されると、左右のシリンダ格納検出器51a,52aから(左右の揺動ロックシリンダ51,52の)格納検出信号が入力されていない場合に、左右の揺動ロックシリンダ51,52を縮小させる方向に第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ
150から第1油圧制御バルブV1を介して左右の揺動ロックシリンダ51,52に作動油が供給され、左右の揺動ロックシリンダ51,52が縮小作動する。左右のシリンダ格納検出器51a,52aから格納検出信号が入力されると、バルブ制御部101は、左右の揺動ロックシリンダ51,52を停止させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを中立に戻す。
これにより、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、前述の揺動可能位置まで縮小作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67から離れるので、張出位置に位置した揺動アクスル60の(揺動軸47を中心とする)揺動が可能となる。そのため、軌陸作業車はレール(軌道)R上を安定走行することができる。この場合、作業者等により走行操作装置113が操作されると、作業者等の操作に応じた走行操作信号が走行操作装置113からバルブ制御部201に入力される。バルブ制御部201は、走行操作装置113から走行操作信号が入力されると、入力された走行操作信号に応じて、第4油圧制御バルブV4または第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第4油圧制御バルブV4を介して左右の鉄輪駆動モータ27,37に作動油が供給され、左右の鉄輪駆動モータ27,37が左右の前鉄輪25,35を回転駆動し、必要に応じて、油圧ポンプ150から第5油圧制御バルブV5を介してブレーキキャリパー140に作動油が供給され、ブレーキキャリパー140が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。なおこのとき、高所作業装置10が前述の格納状態である場合にのみ、バルブ制御部201が第4油圧制御バルブV4または第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動して、軌陸作業車を軌道走行可能にすることもできる。
また、作業現場で高所作業を行うとき、軌陸作業車1がレール(軌道)R上で駐車する際に駐車ブレーキレバー112が操作され、高所作業装置10を作動させるために上部操作装置14aが操作される。このように、駐車ブレーキレバー112のブレーキ操作が行われた場合、駐車ブレーキレバー112からブレーキ操作信号が出力され、バルブ制御部201に入力される。バルブ制御部201は、駐車ブレーキレバー112からブレーキ操作信号が入力されると、第3油圧制御バルブV3のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第3油圧制御バルブV3を介して駐車ブレーキキャリパー130に作動油が供給され、駐車ブレーキキャリパー130が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。
さらに、バルブ制御部201は、駐車ブレーキレバー112からブレーキ操作信号が入力されると、左右のシリンダ張出検出器51b,52bから(左右の揺動ロックシリンダ51,52の)張出検出信号が入力されていない場合に、左右の揺動ロックシリンダ51,52を伸長させる方向に第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第1油圧制御バルブV1を介して左右の揺動ロックシリンダ51,52に作動油が供給され、左右の揺動ロックシリンダ51,52が伸長作動する。左右のシリンダ張出検出器51b,52bから張出検出信号が入力されると、バルブ制御部101は、左右の揺動ロックシリンダ51,52を停止させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを中立に戻す。
これにより、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、前述の揺動規制位置まで伸長作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67に当接し、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動が規制される。そのため、高所作業装置10(ブーム12等)を作動させる前に、軌道上で停止したときの車体2の支持安定性を向上させることができる。
そして、バルブ制御部201は、上部操作装置14aからブーム操作信号が入力される
と、入力されたブーム操作信号に応じて、第2油圧制御バルブV2のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第2油圧制御バルブV2を介してブームアクチュエータ120に作動油が供給され、ブーム12の旋回動、起伏動、伸縮動等が行われる。このとき、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から検出信号が出力され、ブーム位置判定部202に入力される。ブーム位置判定部202は、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から入力された検出信号に基づいて、ブーム12の先端位置を算出する。ブーム位置判定部202は、算出したブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の内側に位置すると判定した場合、内側判定信号をバルブ制御部201に出力し、算出したブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の外側に位置すると判定した場合、外側判定信号をバルブ制御部201に出力する。
バルブ制御部201は、原則、駐車ブレーキレバー112からブレーキ操作信号が入力されると、ブーム位置判定部202からの判定信号の入力に拘わらず、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動規制位置に伸長させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。但し、バルブ制御部201は、上部操作装置14aから走行操作信号が入力されたとき、駐車ブレーキレバー112からブレーキ操作信号が入力されても、ブーム位置判定部202から内側判定信号が入力された場合には、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動可能位置に縮小させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動し、駐車ブレーキキャリパー130による左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85の制動を解除するように第3油圧制御バルブV3のスプールを電磁駆動する。これにより、高所作業装置10(ブーム12等)が作動した状態で軌陸作業車はレール(軌道)R上を安定走行することができる。そして、バルブ制御部201は、上部操作装置14aから入力された走行操作信号に応じて、第4油圧制御バルブV4または第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第4油圧制御バルブV4を介して左右の鉄輪駆動モータ27,37に作動油が供給され、左右の鉄輪駆動モータ27,37が左右の前鉄輪25,35を回転駆動し、必要に応じて、油圧ポンプ150から第5油圧制御バルブV5を介してブレーキキャリパー140に作動油が供給され、ブレーキキャリパー140が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。
一方、バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202から外側判定信号が入力された場合には、上部操作装置14aや走行操作装置113から走行操作信号が入力されても、駐車ブレーキレバー112からのブレーキ操作信号の入力に拘わらず、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動規制位置に伸長させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。さらにこの場合、バルブ制御部201は、左右の鉄輪駆動モータ27,37に対応した第4油圧制御バルブV4に対する電磁駆動を行わない。これにより、ブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の外側に位置する場合には、揺動アクスル60の揺動が規制されて車体2の支持安定性が維持されるとともに、軌陸作業車の軌道走行が規制される。
このように、第2実施形態によれば、コントローラ200は、ブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の内側に位置する場合に、揺動アクスル60の揺動を可能にするように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御し、ブーム12の位置が所定のブーム作動範囲より外側に位置する場合に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御する。そのため、ブーム12の位置が所定のブーム作動範囲の内側に位置する場合に、この位置でブーム12を固定したまま安定した軌道走行が可能となり、ブーム12の位置が所定のブーム作動範囲より外側に位置する場合に、車体2の支持安定性が向上してブーム12の作動範囲を拡げることが可能となる。
また、コントローラ200は、駐車ブレーキキャリパー130が制動作動している場合に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御することで、軌陸作業車を軌道上で停止させてからブーム12を作動させるまでの間に車体2の支持安定性を向上させることができるため、ブーム12の作動をすぐに開始することができる。
なお、制御停止スイッチ111から操作信号が入力された場合、バルブ制御部201は、第1油圧制御バルブV1に制御信号を出力するのを停止する。この場合、手動により左右の揺動ロックシリンダ51,52を作動させることが可能となる。このように、コントローラ200(バルブ制御部201)による左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御を停止させるための操作が行われる制御停止スイッチ111をさらに備えることで、シリンダ格納検出器51a,52aやシリンダ張出検出器51b,52bが故障した場合等において、意図しない揺動ロックシリンダ51,52の作動を防止することができ、軌陸作業車の安全性を高めることができる。
上述の第2実施形態において、左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御の際、駐車ブレーキキャリパー130の制動作動を判定するために、駐車ブレーキレバー112から出力されたブレーキ操作信号を検出しているが、これに限られるものではなく、駐車ブレーキキャリパー130の制動作動(例えば、第3油圧制御バルブV3の作動状態)を検出してもよい。
上述の第2実施形態において、駐車ブレーキキャリパー130の制動作動に応じて、左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御を行っているが、これに限られるものではなく、軌陸作業車の走行状態に応じて、左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御を行うようにしてもよい。そこで、第2実施形態の変形例について説明する。変形例におけるコントローラ200は、図8の二点鎖線で示すように、バルブ制御部201およびブーム位置判定部202に加え、走行状態判定部203をさらに備えている。
走行状態判定部203は、速度検出器118と電気的に接続され、速度検出器118から出力された速度検出信号がブーム位置判定部202に入力される。そして、走行状態判定部203は、走行状態判定部203から入力された速度検出信号に基づいて、軌陸作業車が走行状態であるか否かを判定し、判定信号をバルブ制御部201に出力する。速度検出器118は、左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85の少なくともいずれかに設けられ、鉄輪の回転数等から軌陸作業車のレール(軌道)R上での走行速度を検出して速度検出信号を走行状態判定部203に出力する。
続いて、変形例におけるコントローラ200の作動について説明する。高所作業装置10が格納状態の軌陸作業車がレール(軌道)R上を走行する場合に、作業者等により走行操作装置113が操作されると、作業者等の操作に応じた走行操作信号が走行操作装置113からバルブ制御部201に入力される。バルブ制御部201は、走行操作装置113から走行操作信号が入力されると、入力された走行操作信号に応じて、第4油圧制御バルブV4または第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第4油圧制御バルブV4を介して左右の鉄輪駆動モータ27,37に作動油が供給され、左右の鉄輪駆動モータ27,37が左右の前鉄輪25,35を回転駆動し、必要に応じて、油圧ポンプ150から第5油圧制御バルブV5を介してブレーキキャリパー140に作動油が供給され、ブレーキキャリパー140が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。
このとき、速度検出器118から出力された速度検出信号が走行状態判定部203に入
力され、軌陸作業車の走行速度が内部の速度メモリ(図示せず)に記憶される。走行状態判定部203は、速度検出器118で検出された(速度メモリに記憶された)走行速度が所定の基準速度を超えた場合に、軌陸作業車が軌道走行状態であると判定し、走行判定信号をバルブ制御部201に出力する。なお、所定の基準速度は、軌陸作業車が軌道走行を開始したことを認識可能な速度に設定され、上述の速度メモリに記憶される。
またこのとき、高所作業装置10が格納状態であるので、ブーム位置判定部202は、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から入力された検出信号に基づいて、ブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の内側に位置すると判定し、内側判定信号をバルブ制御部201に出力する。なお、所定のブーム作動範囲は、この範囲内にブーム12の先端位置(作業台14)が位置した状態で軌陸作業車が走行した場合に、作業台14と架線等(軌道の周囲に設けられた軌道設備)とが接触しない範囲として設定され、不図示の内部メモリに記憶される。
バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202から内側判定信号が入力され、走行状態判定部203から走行判定信号が入力されると、左右のシリンダ格納検出器51a,52aから(左右の揺動ロックシリンダ51,52の)格納検出信号が入力されていない場合に、左右の揺動ロックシリンダ51,52を縮小させる方向に第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第1油圧制御バルブV1を介して左右の揺動ロックシリンダ51,52に作動油が供給され、左右の揺動ロックシリンダ51,52が縮小作動する。左右のシリンダ格納検出器51a,52aから格納検出信号が入力されると、バルブ制御部101は、左右の揺動ロックシリンダ51,52を停止させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを中立に戻す。
これにより、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、前述の揺動可能位置まで縮小作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67から離れるので、張出位置に位置した揺動アクスル60の(揺動軸47を中心とする)揺動が可能となる。そのため、軌陸作業車はレール(軌道)R上を安定走行することができる。なお、作業者等により走行操作装置113が操作されない場合でも、バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202から内側判定信号が入力され、走行状態判定部203から走行判定信号が入力されると、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動可能位置に縮小させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。そのため、軌陸作業車が他の軌道走行車両(図示せず)にけん引される場合でも、軌陸作業車はレール(軌道)R上を安定走行することができる。
レール(軌道)R上を走行していた軌陸作業車が停止した場合、速度検出器118で検出される走行速度は零となる。走行状態判定部203は、速度検出器118で検出された(速度メモリに記憶された)走行速度が所定の基準速度を超えてから零に変化した場合に、軌陸作業車が停止状態であると判定し、停止判定信号をバルブ制御部201に出力する。なお、走行状態判定部203は、タイマー(図示せず)を内蔵しており、速度検出器118で検出された(速度メモリに記憶された)走行速度が所定の基準速度を超えてから零に変化して所定時間経過した後に、停止判定信号をバルブ制御部201に出力する。タイマーの所定時間は、速度検出器118で検出された(速度メモリに記憶された)走行速度が零に変化してから軌陸作業車が確実に停止するものと予測される時間(例えば、4〜5秒)に設定される。
バルブ制御部201は、走行状態判定部203から停止判定信号が入力されると、左右のシリンダ張出検出器51b,52bから(左右の揺動ロックシリンダ51,52の)張出検出信号が入力されていない場合に、左右の揺動ロックシリンダ51,52を伸長させる方向に第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ1
50から第1油圧制御バルブV1を介して左右の揺動ロックシリンダ51,52に作動油が供給され、左右の揺動ロックシリンダ51,52が伸長作動する。左右のシリンダ張出検出器51b,52bから張出検出信号が入力されると、バルブ制御部101は、左右の揺動ロックシリンダ51,52を停止させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを中立に戻す。
これにより、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、前述の揺動規制位置まで伸長作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67に当接し、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動が規制される。そのため、高所作業装置10(ブーム12等)を作動させる前に、軌道上で停止したときの車体2の支持安定性を向上させることができる。
作業現場で高所作業を行うとき、軌陸作業車1がレール(軌道)R上で駐車する際に駐車ブレーキレバー112が操作され、高所作業装置10を作動させるために上部操作装置14aが操作される。バルブ制御部201は、駐車ブレーキレバー112からブレーキ操作信号が入力されると、第3油圧制御バルブV3のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第3油圧制御バルブV3を介して駐車ブレーキキャリパー130に作動油が供給され、駐車ブレーキキャリパー130が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。
そして、バルブ制御部201は、上部操作装置14aからブーム操作信号が入力されると、入力されたブーム操作信号に応じて、第2油圧制御バルブV2のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第2油圧制御バルブV2を介してブームアクチュエータ120に作動油が供給され、ブーム12の旋回動、起伏動、伸縮動等が行われる。このとき、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から検出信号が出力され、ブーム位置判定部202に入力される。ブーム位置判定部202は、ブーム起伏角検出器115、ブーム旋回角検出器116、およびブーム伸長検出器117から入力された検出信号に基づいて、ブーム12の先端位置を算出する。ブーム位置判定部202は、算出したブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の内側に位置すると判定した場合、内側判定信号をバルブ制御部201に出力し、算出したブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の外側に位置すると判定した場合、外側判定信号をバルブ制御部201に出力する。
バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202から外側判定信号が入力された場合には、上部操作装置14a(および走行操作装置113)から走行操作信号が入力されても、左右の鉄輪駆動モータ27,37に対応した第4油圧制御バルブV4に対する電磁駆動を行わない。なおこの場合、バルブ制御部201は、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動規制位置に伸長させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。これにより、ブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の外側に位置する場合には、揺動アクスル60の揺動が規制されて車体2の支持安定性が維持されるとともに、軌陸作業車の軌道走行が規制される。
一方、バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202から内側判定信号が入力され、上部操作装置14aから走行操作信号が入力されると、駐車ブレーキキャリパー130による左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85の制動を解除するように第3油圧制御バルブV3のスプールを電磁駆動し、上部操作装置14aから入力された走行操作信号に応じて、第4油圧制御バルブV4または第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第4油圧制御バルブV4を介して左右の鉄輪駆動モータ27,37に作動油が供給され、左右の鉄輪駆動モータ27,37が左右の前鉄輪25,35を回転駆動し、必要に応じて、油圧ポンプ150から第5油圧制御バルブV
5を介してブレーキキャリパー140に作動油が供給され、ブレーキキャリパー140が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。
このとき、速度検出器118から出力された速度検出信号が走行状態判定部203に入力され、軌陸作業車の走行速度が内部の速度メモリ(図示せず)に記憶される。走行状態判定部203は、速度検出器118で検出された(速度メモリに記憶された)走行速度が所定の基準速度を超えた場合に、軌陸作業車が軌道走行状態であると判定し、走行判定信号をバルブ制御部201に出力する。
バルブ制御部201は、ブーム位置判定部202から内側判定信号が入力され、走行状態判定部203から走行判定信号が入力されると、前述したように、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動可能位置に縮小させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。これにより、高所作業装置10(ブーム12等)が作動した状態で軌陸作業車はレール(軌道)R上を安定走行することができる。
レール(軌道)R上を走行していた軌陸作業車が停止した場合、前述の場合と同様の処理が行われる。すなわち、走行状態判定部203は、速度検出器118で検出された(速度メモリに記憶された)走行速度が所定の基準速度を超えてから零に変化して所定時間経過した後に、停止判定信号をバルブ制御部201に出力する。バルブ制御部201は、走行状態判定部203から停止判定信号が入力されると、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動規制位置に伸長させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。これにより、左揺動ロックシリンダ51および右揺動ロックシリンダ52は、揺動規制位置まで伸長作動して、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67に当接し、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動が規制される。
このように、変形例によれば、コントローラ200は、走行速度が所定の基準速度を超えた場合に、揺動アクスル60の揺動を可能にするように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御し、走行速度が所定の基準速度を超えてから零に変化して所定時間経過した後に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御することで、軌陸作業車がけん引される場合においても、軌道走行時の走行安定性を維持しつつ、軌道上で停止したときの車体の支持安定性を向上させることができる。
また、コントローラ200は、ブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の内側に位置する場合に、揺動アクスル60の揺動を可能にするように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御し、ブーム12の位置が所定のブーム作動範囲より外側に位置する場合に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御する。そのため、ブーム12の位置が所定のブーム作動範囲の内側に位置する場合に、この位置でブーム12を固定したまま安定した軌道走行が可能となり、ブーム12の位置が所定のブーム作動範囲より外側に位置する場合に、車体2の支持安定性が向上してブーム12の作動範囲を拡げることが可能となる。
なお、制御停止スイッチ111から操作信号が入力された場合、バルブ制御部201は、第1油圧制御バルブV1に制御信号を出力するのを停止する。この場合、手動により左右の揺動ロックシリンダ51,52を作動させることが可能となる。このように、コントローラ200(バルブ制御部201)による左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御を停止させるための操作が行われる制御停止スイッチ111をさらに備えることで、シリンダ格納検出器51a,52aやシリンダ張出検出器51b,52bが故障した場合等において、意図しない揺動ロックシリンダ51,52の作動を防止することができ、軌陸作業車の安全性を高めることができる。
なお、上述の第1実施形態において、コントローラ100は、高所作業装置10が非格納状態である場合に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御するが、第1実施形態のコントローラ100に第2実施形態のブーム位置判定部202を設けてもよい。すなわち、バルブ制御部101は、上部操作装置14aから走行操作信号が入力されたとき、ブーム格納判定部102から非格納判定信号が入力されても、ブーム位置判定部202から内側判定信号が入力された場合には、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動可能位置に縮小させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動し、駐車ブレーキキャリパー130による左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85の制動を解除するように第3油圧制御バルブV3のスプールを電磁駆動する。これにより、高所作業装置10(ブーム12等)が作動した状態で軌陸作業車はレール(軌道)R上を安定走行することができる。そして、バルブ制御部201は、上部操作装置14aから入力された走行操作信号に応じて、第4油圧制御バルブV4または第5油圧制御バルブV5のスプールを電磁駆動する。そうすると、油圧ポンプ150から第4油圧制御バルブV4を介して左右の鉄輪駆動モータ27,37に作動油が供給され、左右の鉄輪駆動モータ27,37が左右の前鉄輪25,35を回転駆動し、必要に応じて、油圧ポンプ150から第5油圧制御バルブV5を介してブレーキキャリパー140に作動油が供給され、ブレーキキャリパー140が左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を制動する。
なお一方、バルブ制御部101は、上部操作装置14aから走行操作信号が入力されたとき、ブーム格納判定部102から非格納判定信号が入力され、ブーム位置判定部202から外側判定信号が入力された場合には、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動規制位置に伸長させるように第1油圧制御バルブV1のスプールを電磁駆動する。さらにこの場合、バルブ制御部101は、左右の鉄輪駆動モータ27,37に対応した第4油圧制御バルブV4に対する電磁駆動を行わない。これにより、ブーム12の先端位置が所定のブーム作動範囲の外側に位置する場合には、揺動アクスル60の揺動が規制されて車体2の支持安定性が維持されるとともに、軌陸作業車の軌道走行が規制される。
また、上述の第1実施形態において、コントローラ100は、高所作業装置10が非格納状態である場合に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御するが、さらに、駐車ブレーキキャリパー130の制動作動に応じて、左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御を行うようにしてもよい。すなわち、第1実施形態のコントローラ100は、高所作業装置10が非格納状態である場合だけでなく、駐車ブレーキキャリパー130が制動作動している場合にも、第2実施形態の場合と同様にして、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御するようにしてもよい。
また、上述の第1実施形態において、コントローラ100は、高所作業装置10が非格納状態である場合に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御するが、さらに、軌陸作業車の走行状態に応じて、左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動制御を行うようにしてもよい。すなわち、第1実施形態のコントローラ100は、第2実施形態で述べた走行状態判定部203を有して、高所作業装置10が格納状態のとき、走行速度が所定の基準速度を超えた場合に、揺動アクスル60の揺動を可能にするように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御し、走行速度が所定の基準速度を超えてから零に変化して所定時間経過した後に、揺動アクスル60の揺動を規制するように左右の揺動ロックシリンダ51,52の作動を制御してもよい。
上述の第2実施形態において、ブーム12を用いた高所作業装置10が車体2の上部に
搭載されているが、これに限られるものではなく、ブームを用いたクレーン装置等が車体2の上部に搭載されてもよい。
上述の各実施形態において、軌道走行状態に切換設定された軌陸作業車がレール(軌道)R上に位置する場合に、左右の揺動ロックシリンダ51,52が伸縮作動しているが、これに限られるものではない。例えば、転車台6を用いて軌陸作業車1を道路上からレールR上に載せ換え移動させる際に、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動規制位置に伸長作動させることも可能である。この場合、左右の揺動ロックシリンダ51,52に長さ検出センサ(図示せず)を設けて、左右の揺動ロックシリンダ51,52の伸長量が同じになるように制御する。このようにすれば、車体2の傾斜に拘らず、張出位置に位置した揺動アクスル60および左右の後鉄輪75,85が車体2に対して平行になる。そのため、踏切等の傾斜により、転車台6により持ち上げ支持された車体2が傾斜している場合でも、左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を下方に張り出して、転車台張出格納シリンダ(図示せず)により転車台6を上方に格納しながら、より確実にレールR上に載置させることができる。
また例えば、アウトリガジャッキ7を下方に張り出してレール(軌道)Rの上方で車体2を持ち上げ支持する際に、左右の揺動ロックシリンダ51,52を揺動規制位置に伸長作動させることも可能である。この場合、上述の場合と同様に、左右の揺動ロックシリンダ51,52の伸長量が同じになるように制御する。このようにすれば、車体2の傾斜に拘らず、張出位置に位置した揺動アクスル60および左右の後鉄輪75,85が車体2に対して平行になる。そのため、軌道周辺の傾斜により、アウトリガジャッキ7により持ち上げ支持された車体2が傾斜している場合でも、下方に張り出された左右の前鉄輪25,35および後鉄輪75,85を、アウトリガジャッキ7を縮小させながら、より確実にレールR上に載置させることができる。
上述の各実施形態において、制御停止スイッチ111から操作信号が入力された場合、バルブ制御部101,201は、第1油圧制御バルブV1に制御信号を出力するのを停止するが、これに限られるものではない。例えば、バルブ制御部101,201と第1油圧制御バルブV1との間にスイッチ回路(図示せず)が設けられ、制御停止スイッチ111から操作信号が入力されると、このスイッチ回路がバルブ制御部101,201と第1油圧制御バルブV1との間の回路を断線するようにしてもよい。
上述の各実施形態において、左右の揺動ロックシリンダ51,52が、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動を規制するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、張出位置に位置した揺動アクスル60の揺動を規制する揺動ロック手段として、揺動アクスル60の左シャフト支持部62および右シャフト支持部67にそれぞれ当接可能な左右の揺動ロック部材と、左シャフト支持部62および右シャフト支持部67に当接する揺動規制位置と左シャフト支持部62および右シャフト支持部67から離れる揺動可能位置との間で、左右の揺動ロック部材をそれぞれ回動させるロータリーアクチュエータとが用いられるようにしてもよい。
上述の各実施形態において、略M字状の揺動アクスル60に形成された開口空間Sに、左揺動防止バネ56および右揺動防止バネ57が配置されているが、これに限られるものではなく、例えば、揺動防止シリンダが配置されてもよく、揺動アクスル60の不必要な揺動を防止するように構成されていればよい。
上述の各実施形態において、変位機構45は、車体2の左右方向に延びる軸を中心に揺動自在な揺動ブラケット46と、揺動ブラケット46を揺動させる揺動シリンダ50とを有して構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、揺動アクスル60を上
下方向にスライド移動させるように構成されてもよく、揺動アクスル60を格納位置と張出位置とに変位可能な構成であればよい。
上述の各実施形態において、左右の後鉄輪75,85が揺動アクスル60に支持されているが、これに限られるものではなく、左右の前鉄輪25、35が揺動アクスルに支持されて、揺動アクスルの揺動を伴って左右の前鉄輪25、35が上下方向に移動することにより、レール(軌道)R上の左右の高低差に左右の前鉄輪25、35が追従するように構成されてもよい。
1 軌陸作業車
2 車体
3 タイヤ車輪
10 高所作業装置
12 ブーム
20 左前側軌道走行装置
25 左前鉄輪
30 右前側軌道走行装置
35 右前鉄輪
40 後側軌道走行装置
41 ベースブラケット
42 左ヒンジピン
43 右ヒンジピン
45 変位機構
46 揺動ブラケット
47 揺動軸
50 揺動シリンダ
51 左揺動ロックシリンダ
52 右揺動ロックシリンダ
60 揺動アクスル
75 左後鉄輪
85 右後鉄輪
100 コントローラ(第1実施形態)
111 制御停止スイッチ
114 ブーム格納検出器
115 ブーム起伏角検出器
116 ブーム旋回角検出器
117 ブーム伸長検出器
118 速度検出器
130 駐車ブレーキキャリパー
200 コントローラ(第2実施形態)
R レール

Claims (4)

  1. 車体前後に設けられて道路上を走行可能な道路走行用車輪と、前記車体前後に設けられて軌道上を走行可能な左右の軌道走行用車輪とを備えた軌陸車において、
    前記車体前後の少なくともいずれかの側における前記左右の前記軌道走行用車輪が、前記車体の左右方向に延びる支持部材の左右に回転自在に支持され、
    前記支持部材は、その中間部を通って前記車体の前後方向に延びる揺動軸を中心として揺動自在であり、
    前記車体の左右に配置され、前記車体に対して前記支持部材の揺動を規制可能な左右一対の油圧シリンダからなる揺動ロックシリンダを備え、前記揺動ロックシリンダは前記支持部材の方に向かって伸縮可能であり、
    左右一対の前記揺動ロックシリンダの作動制御を行うロック制御バルブを備えることを特徴とする軌陸車。
  2. 前記ロック制御バルブは、前記左右一対の揺動ロックシリンダが伸長作動する伸長側位置と、前記左右一対の揺動ロックシリンダが縮小作動する縮小側位置と、前記左右一対の揺動ロックシリンダが伸縮を停止する中立位置とに切り換え可能であることを特徴とする請求項1に記載の軌陸車。
  3. 前記左右一対の揺動ロックシリンダが、伸長されて前記支持部材に当接して前記支持部材の揺動を規制する揺動規制位置と、縮小されて前記支持部材から離れて前記支持部材の揺動を許容する揺動可能位置とに伸縮可能であることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の軌陸車。
  4. 前記揺動ロックシリンダが前記揺動規制位置もしくは前記揺動可能位置に位置したことを検出するシリンダ位置検出器を備えることを特徴とする請求項3に記載の軌陸車。
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