以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。第1実施形態の作業車として高所作業車1を図2に示している。この高所作業車1は車体2の前後左右に前後輪3a,3bを有して走行可能であり、車体2の前部に運転キャブ2aを有したトラック車両T1をベースに構成される。このトラック車両T1の車体2の上に旋回モータ51により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台4が配設されている。この旋回台4に基端部が枢結されてブーム5が取り付けられており、このブーム5は起伏シリンダ52により起伏動されるようになっている。ブーム5は、基端ブーム5a、中間ブーム5bおよび先端ブーム5cを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ53によりブーム5全体が長手軸方向に伸縮動可能に構成される。
先端ブーム5cは先端にブームヘッド5dを有し、このブームヘッド5dに枢結されて垂直ポスト部材6が上下に揺動可能に取り付けられている。この垂直ポスト部材6は、先端ブーム5c先端あるいはブームヘッド5dと垂直ポスト部材6との間に配設された図示しないレベリングシリンダにより垂直ポスト部材6の揺動制御が行われ、ブーム5の起伏の如何に拘らず垂直ポスト部材6が常に垂直に延びて位置するように垂直ポスト部材6が揺動制御される。このように常時垂直に保持される垂直ポスト部材6に、首振モータ54により水平旋回自在(首振り自在)に作業台7が取り付けられており、作業台7はブーム5の起伏に拘らず常に水平に保持される。
また、作業台7にはブーム5を作動(起伏、伸縮動)させ、旋回台4を旋回動させるための操作と、作業台7を旋回動(首振動)させる操作を行うためのブーム操作レバー12を備えた上部操作装置11が配設されており、作業台7に搭乗する作業者は上部操作装置11のブーム操作レバー12を操作することによってブーム5を自由に起伏動、伸縮動させ、旋回台4(ブーム5)を旋回動させ、さらには、作業台7を旋回動させて、作業台7を所望もしくは任意の高所位置に移動させることができるように構成されている。このように、旋回台4と、ブーム5と、作業台7とを主体に高所作業装置K1が構成され、車体2の後部に架装される。
車体2の前後左右の四カ所には、車体2の左右方向外側への拡幅および車体2の下方に伸縮自在なジャッキ8が設けられており、高所作業を行うときには、ジャッキ8を車体2の左右に張出および下方に伸長させて車体2を安定に支持できるようになっている。このジャッキ8は、車体2の後端部において上方に突出して配設された下部操作装置14のジャッキ操作レバー15を操作することで上記のような作動をさせることができるようになっている。車体2の中央部には、全縮状態に倒伏したブーム5の下面に当接してブーム5を格納支持するブーム受け9が上方に突出して配設されている。
車体2の下部には、後輪3bを駆動するエンジン21と、変速機22と、油圧ポンプ23と、パワーテイクオフ機構24と、バッテリー25とが設けられる。変速機22は、エンジン21の回転駆動力を後輪3bに伝達する。パワーテイクオフ機構24は、エンジン21の回転駆動力の一部を取り出して油圧ポンプ23を駆動する。
旋回モータ51、起伏シリンダ52、伸縮シリンダ53、および首振モータ54等のブームアクチュエータ50(図1を参照)は、油圧を利用して作動する。また、ジャッキ8を伸縮動等させるジャッキアクチュエータ55もまた、油圧を利用して作動する。油圧ポンプ23は、油圧制御バルブ42(図1を参照)を介してブームアクチュエータ50およびジャッキアクチュエータ55に作動油を供給する。バッテリー25は、エンジン21およびコントローラ41(図1を参照)等に電力を供給する。
運転キャブ2aの内部に運転席31が設けられ、運転席31の周りには、アクセルおよびブレーキペダル(図示せず)、ハンドル(図示せず)、変速レバー32等の走行操作装置が配設される。なお、変速レバー32は、変速機22の切替作動を行うための操作が行われる。変速レバー32には、変速レバー32の操作位置がニュートラル位置またはパーキング位置に位置する状態を検出する変速状態検出器33が設けられる。また、運転席31には、運転席31に座ったドライバーがシートベルト(図示せず)を装着した状態を検出するシートベルト検出器34が設けられる。また、運転席31の近傍には、パワーテイクオフ機構24をオン・オフ作動させる操作が行われるパワーテイクオフスイッチ36が設けられる。
運転キャブ2aの各部(例えば、運転キャブ2aの上部)には、トラック車両T1の位置情報を検出する位置情報検出器38や、外部の管理サーバーSV(図1を参照)と無線通信を行うための通信モジュール39が設けられる。位置情報検出器38は、GPS(Global Positioning System)受信機等から構成され、GPS衛星からの電波を受信して現在位置を測定し、位置情報検出器38が搭載されたトラック車両T1の位置情報を求める。通信モジュール39は、通信モデム等から構成され、図1に示すように、携帯電話通信網NTを利用して外部の管理サーバーSVと情報の送受信が可能に構成されている。
次に、高所作業車1の制御装置について、図1を参照しながら説明する。高所作業車1の制御装置は、車体2の内部に設置されたコントローラ41を主体に構成される。コントローラ41には、上部操作装置11と、下部操作装置14と、変速状態検出器33と、シートベルト検出器34と、パワーテイクオフスイッチ36と、位置情報検出器38と、通信モジュール39とが電気的に接続される。また、コントローラ41には、油圧制御バルブ42と、記憶装置43とが電気的に接続される。
上部操作装置11は、上部操作装置11に設けられたブーム操作レバー12の操作に応じたブーム操作信号をコントローラ41に出力する。コントローラ41は、上部操作装置11から入力されたブーム操作信号に基づいて、ブームアクチュエータ50に対応する油圧制御バルブ42のスプールを電磁駆動する。
下部操作装置14は、下部操作装置14に設けられたジャッキ操作レバー15の操作に応じたジャッキ操作信号をコントローラ41に出力する。コントローラ41は、下部操作装置14から入力されたジャッキ操作信号に基づいて、ジャッキアクチュエータ55に対応する油圧制御バルブ42のスプールを電磁駆動する。
変速状態検出器33は、変速レバー32の操作位置がニュートラル位置またはパーキング位置に位置すると、ニュートラル信号をコントローラ41に出力し、変速レバー32の操作位置がニュートラル位置またはパーキング位置以外に位置すると、非ニュートラル信号をコントローラ41に出力する。シートベルト検出器34は、運転席31に座ったドライバーがシートベルト(図示せず)を装着すると、シートベルト検出信号をコントローラ41に出力し、シートベルトが装着されないときには非装着状態信号をコントローラ41に出力する。パワーテイクオフスイッチ36は、パワーテイクオフスイッチ36がオン操作されると、PTO作動信号をコントローラ41に出力し、パワーテイクオフスイッチ36がオフ操作されると、非作動状態信号をコントローラ41に出力する。位置情報検出器38は、トラック車両T1の位置情報をコントローラ41に出力する。
パワーテイクオフスイッチ36から非作動状態信号が入力され、且つシートベルト検出器34からシートベルト検出信号が入力されたとき、コントローラ41は、高所作業車1がトラック車両T1による走行可能な状態(以下、走行可能状態と称する)と判定する。コントローラ41は、走行可能状態と判定したとき、変速状態検出器33からニュートラル信号が入力されると、トラック車両T1が停車状態と判定する。この場合、コントローラ41は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、高所作業車1が走行可能状態でトラック車両T1が停車状態となる時間情報を、位置情報検出器38から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ41は、高所作業車1が走行可能状態でトラック車両T1が停車状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置43に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ41は、高所作業車1が走行可能状態でトラック車両T1が停車状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール39に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、高所作業車1が走行可能状態でトラック車両T1が停車状態となる時間情報および位置情報が、高所作業車1の記憶装置43および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
また、コントローラ41は、走行可能状態と判定したとき、変速状態検出器33から非ニュートラル信号が入力されると、トラック車両T1が走行状態と判定する。この場合、コントローラ41は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、高所作業車1が走行可能状態でトラック車両T1が走行状態となる時間情報を、位置情報検出器38から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ41は、高所作業車1が走行可能状態でトラック車両T1が走行状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置43に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ41は、高所作業車1が走行可能状態でトラック車両T1が走行状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール39に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、高所作業車1が走行可能状態でトラック車両T1が走行状態となる時間情報および位置情報が、高所作業車1の記憶装置43および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
一方、パワーテイクオフスイッチ36からPTO作動信号が入力されたとき、コントローラ41は、高所作業車1が高所作業装置K1による作業可能な状態(以下、作業可能状態と称する)と判定する。コントローラ41は、作業可能状態と判定したとき、上部操作装置11からブーム操作信号が入力されていないと、高所作業装置K1が停止状態と判定する。この場合、コントローラ41は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、高所作業車1が作業可能状態で高所作業装置K1が停止状態となる時間情報を、位置情報検出器38から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ41は、高所作業車1が作業可能状態で高所作業装置K1が停止状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置43に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ41は、高所作業車1が作業可能状態で高所作業装置K1が停止状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール39に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、高所作業車1が作業可能状態で高所作業装置K1が停止状態となる時間情報および位置情報が、高所作業車1の記憶装置43および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
また、コントローラ41は、作業可能状態と判定したとき、上部操作装置11からブーム操作信号が入力されると、高所作業装置K1が作業状態と判定する。この場合、コントローラ41は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、高所作業車1が作業可能状態で高所作業装置K1が作業状態となる時間情報を、位置情報検出器38から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ41は、高所作業車1が作業可能状態で高所作業装置K1が作業状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置43に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ41は、高所作業車1が作業可能状態で高所作業装置K1が作業状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール39に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、高所作業車1が作業可能状態で高所作業装置K1が作業状態となる時間情報および位置情報が、高所作業車1の記憶装置43および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
図3に、時間情報および位置情報の一例を模式的に示す。走行可能状態若しくは作業可能状態となる時間情報の例としては、高所作業車1が走行可能状態となる開始時刻および終了時刻(図3を参照)、高所作業車1が走行可能状態若しくは作業可能状態となる積算時間等がある。走行可能状態若しくは作業可能状態となる位置情報の例としては、高所作業車1が走行可能状態となる開始位置および終了位置等がある。また、車両位置の例としては、緯度経度、住所、地図情報に基づいた表示等がある。
なお図3には、見やすくするため、高所作業車1が走行可能状態若しくは作業可能状態となる時間情報および位置情報のみを示しているが、走行可能状態においてトラック車両T1が走行状態若しくは停車状態となる時間情報および位置情報、並びに、作業可能状態において高所作業装置K1が作業状態若しくは停止状態となる時間情報および位置情報を記録して表示可能なことはいうまでもない。走行状態若しくは停車状態となる時間情報の例としては、トラック車両T1の走行開始時刻および停車時刻等がある。作業状態若しくは停止状態となる時間情報の例としては、高所作業装置K1の作業開始時刻および停止時刻等がある。位置情報の例としては、トラック車両T1の走行開始位置および停車位置等がある。
管理サーバーSVは、例えば、高所作業車1の製造メーカーにおいて設置・管理が行われる。この場合、高所作業車1のユーザーが通信機器を利用して携帯電話通信網NTを介して管理サーバーSVにアクセスすることで、管理サーバーSVに記憶された時間情報および位置情報を参照することが可能である。また、高所作業車1のユーザー自身が管理サーバーSVを設けることも可能である。
このように、第1実施形態によれば、パワーテイクオフスイッチ36によりパワーテイクオフ機構24が非作動状態であることが検出され、且つシートベルト検出器34により走行操作装置がトラック車両T1を走行させることが可能な操作状態であることが検出されたときに、走行可能状態と判定して走行可能状態の時間情報を求め、パワーテイクオフスイッチ36によりパワーテイクオフ機構24が作動状態であることが検出されたときに、作業可能状態と判定して作業可能状態の時間情報を求めるコントローラ41が設けられている。これにより、コントローラ41が求めた走行可能状態および作業可能状態の時間情報を利用することで、トラック車両T1による走行状態と高所作業装置K1による作業状態とを判別して管理することができる。例えば、走行可能状態と作業可能状態の時間情報を求めることができるので、高所作業装置K1の時間毎の稼働率が明確になる。
また、コントローラ41が、走行可能状態の時間情報と作業可能状態の時間情報とを、位置情報検出器38により検出されたトラック車両T1の位置情報と関連付けて求めることで、走行可能状態および作業可能状態の時間情報にトラック車両T1の位置情報が付加されるため、トラック車両T1の位置を把握しながら、トラック車両T1による走行状態と高所作業装置K1による作業状態とを判別して管理することができる。
また、コントローラ41が、走行可能状態と判定したときに、トラック車両T1が走行状態であるか若しくは停車状態であるかを判定し、走行可能状態におけるトラック車両T1の走行状態若しくは停車状態の時間情報を求めることで、走行可能状態のときにトラック車両T1が走行状態であるか停車状態であるかを判別することができ、トラック車両T1による走行状態と高所作業装置K1による作業状態とをより詳細に判別して管理することができる。
また、コントローラ41が、作業可能状態と判定したときに、高所作業装置K1が作業状態であるか若しくは停止状態であるかを判定し、作業可能状態における高所作業装置K1の作業状態若しくは停止状態の時間情報を求めることで、作業可能状態のときに高所作業装置K1が作業状態であるか停止状態であるかを判別することができ、トラック車両T1による走行状態と高所作業装置K1による作業状態とをより詳細に判別して管理することができる。
また、走行可能状態の時間情報および作業可能状態の時間情報を記憶することが可能な記憶装置43と、外部の管理サーバーSVに送信して記憶させることが可能な通信モジュール39とを備えることで、一度求めた走行可能状態および作業可能状態の時間情報を繰り返し用いることができ、トラック車両T1による走行状態と高所作業装置K1による作業状態とを判別して容易に管理することができる。例えば、外部の管理サーバーSVに情報が記憶されるので、高所作業車1から離れた場所で高所作業車1の稼働状況を確認することができる。また、管理サーバーSVに送信された情報に基づいて高所作業車1による作業報告書を自動的に作成するソフトを、管理サーバーSVにインストールすることも可能である。
上述の第1実施形態において、コントローラ41は、走行可能状態の時間情報と作業可能状態の時間情報とを、位置情報検出器38により検出されたトラック車両T1の位置情報と関連付けて求めているが、これに限られるものではない。例えば、コントローラ41は、走行可能状態の時間情報のみを、位置情報検出器38により検出された位置情報と関連付けて求めるようにしてもよく、走行可能状態の時間情報と作業可能状態の時間情報との少なくとも一方を、位置情報検出器38により検出された位置情報と関連付けて求めることが可能である。
上述の第1実施形態において、高所作業車1は、走行可能状態の時間情報および作業可能状態の時間情報を記憶することが可能な記憶装置43と、外部の管理サーバーSVに送信して記憶させることが可能な通信モジュール39とを備えているが、これに限られるものではない。例えば、高所作業車1は、通信モジュール39のみを備えるようにしてもよく、記憶装置43と通信モジュール39との少なくとも一方を備えることが可能である。
上述の第1実施形態において、コントローラ41は、走行可能状態と判定したときに、変速レバー32の操作位置がニュートラル位置またはパーキング位置に位置すると(変速状態検出器33からニュートラル信号が入力されると)、トラック車両T1が停車状態と判定しているが、これに限られるものではない。例えば、変速機22が手動変速機である場合、コントローラ41は、変速レバー32の操作位置がニュートラル位置に位置すると、トラック車両T1が停車状態とする。また、変速レバー32の操作位置に限らず、駐車ブレーキレバー(図示せず)の制動操作に応じて、トラック車両T1が走行状態であるか若しくは停車状態であるかを判定してもよい。
上述の第1実施形態において、コントローラ41は、作業可能状態と判定したとき、上部操作装置11の操作に応じて、高所作業装置K1が作業状態であるか若しくは停止状態であるかを判定しているが、これに限られるものではない。例えば、ブーム受け9にブーム5が格納状態であることを検出する格納検出器9a(図2の二点鎖線を参照)を設け、格納検出器9aから出力される検出信号に応じて、高所作業装置K1が作業状態であるか若しくは停止状態であるかを判定してもよい。
上述の第1実施形態において、走行操作装置の操作状態を検出する運転検出器としてシートベルト検出器34を用いているが、これに限られるものではない。例えば、駐車ブレーキ(図示せず)の制動作動状態を検出する駐車ブレーキ検出器74(図1の二点鎖線を参照)を設け、この駐車ブレーキ検出器74を運転検出器として用いるようにしてよい。この場合、コントローラ41は、パワーテイクオフスイッチ36から非作動状態信号が入力され、且つ駐車ブレーキ検出器74から駐車ブレーキが非制動作動状態であることを検出する非作動検出信号(例えばオフ信号)が入力されたとき、走行可能状態と判定することができる。
上述の第1実施形態において、ブーム5を用いた高所作業装置K1が車体2の上部に搭載されているが、これに限られるものではなく、作業装置として、シザース式、ポスト式等の垂直昇降式の高所作業装置や、クレーン装置等が、車体2の上部に搭載されてもよい。
次に、本願の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る作業車として軌陸作業車101を図4に示している。軌陸作業車101は、車体102に設けられた運転キャブ102aを有するトラック車両T2をベースとして構成されており、車体102の前後に取り付けられたタイヤ車輪(道路走行用車輪)103a,103bによって道路上を走行することができる。さらに、車体102の前側に、軌道を走行するための左右の前鉄輪161を備えた前側軌道走行装置160が配設されるとともに、車体102の後側に、軌道を走行するための左右の後鉄輪171を備えた後側軌道走行装置170が配設されている。
車体102の下部中央には、軌陸作業車101をレールR上へ乗せ換え移動するための転車台106が取り付けられている。転車台106は、転車台張出格納シリンダ(図示せず)の伸縮作動により下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっており、さらに車体旋回モータ(図示せず)により車体102を転車台106に対して水平旋回することができるようになっている。なお、手動(人力)により車体102を転車台106に対して水平旋回できるように構成してもよい。
車体102の上部には作業装置として高所作業装置K2が搭載される。高所作業装置K2は、車体102に対して水平旋回自在に取り付けられた旋回台111と、旋回台111の上部に起伏自在に取り付けられたブーム112と、ブーム112の先端に取り付けられた作業者搭乗用の作業台114とを主体に構成される。旋回台111は、車体102上部の略中央部に取り付けられ、旋回モータ115により駆動されて旋回動可能に構成される。旋回台111の上部にブーム112の基部が枢結され、起伏シリンダ116の伸縮作動によりブーム112が略鉛直面内で起伏動可能に構成される。ブーム112は、基端ブーム112a、中間ブーム112b、および先端ブーム112cを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ117により伸縮動可能に構成される。
先端ブーム112cの先端部に、ブーム112の起伏面と同一面内で揺動可能な作業台支持ブラケット113が枢結され、この作業台支持ブラケット113の上部に、作業台114が旋回可能(首振り可能)に支持される。作業台支持ブラケット113は、内蔵のレベリングシリンダ118によって、ブーム112の起伏角度に拘らず作業台114の床面が常に地上に対して水平を保つように揺動される。作業台114は、内蔵の首振りモータ119により旋回動可能に構成される。作業台114には所定の操作が行われる上部操作装置114aが設けられる。
車体102の前後左右の4カ所に下方に伸縮自在なジャッキ107が設けられており、高所作業を行うときには、このジャッキ107を下方に張り出して車体102を持ち上げ支持できるようになっている。なお、ジャッキ107の操作は、車体102に設けられた下部操作装置107a(図5を参照)により行われる。
車体102の下部には、第1実施形態と同様に、後輪側のタイヤ車輪103bを駆動するエンジン221と、変速機222と、油圧ポンプ223(図5を参照)と、パワーテイクオフ機構224と、バッテリー(図示せず)とが設けられる。旋回モータ115、起伏シリンダ116、伸縮シリンダ117、および首振りモータ119等のブームアクチュエータ150(図5を参照)は、油圧を利用して作動する。また、ジャッキ107を伸縮動等させるジャッキアクチュエータ155(図5を参照)もまた、油圧を利用して作動する。さらに、前鉄輪161を回転駆動する鉄輪駆動モータ165もまた、油圧を利用して作動する。油圧ポンプ123は、油圧制御バルブ142(図5を参照)を介して、ブームアクチュエータ150、ジャッキアクチュエータ155、および鉄輪駆動モータ165に作動油を供給する。
運転キャブ102aの内部に運転席131が設けられ、運転席131の周りには、アクセルおよびブレーキペダル(図示せず)、ハンドル(図示せず)、変速レバー132等の道路走行操作装置が配設される。変速レバー132は、第1実施形態の変速レバー32と同様の構成であり、詳細な説明を省略する。変速レバー132には、第1実施形態と同様に、変速状態検出器133が設けられる。また、運転席131には、第1実施形態と同様に、シートベルト検出器134が設けられる。また、運転席131の近傍には、パワーテイクオフ機構124をオン・オフ作動させる操作が行われるパワーテイクオフスイッチ136や、軌道走行操作装置137が設けられる。
運転キャブ102aの各部(例えば、運転キャブ102aの上部)には、トラック車両T2の位置情報を検出する位置情報検出器138や、外部の管理サーバーSV(図5を参照)と無線通信を行うための通信モジュール139が設けられる。位置情報検出器138および通信モジュール139は、第1実施形態の位置情報検出器38および通信モジュール39と同様の構成であり、詳細な説明を省略する。
以上のように構成される軌陸作業車101は、前鉄輪161および後鉄輪171を車体102に格納して前後のタイヤ車輪103a,103bにより道路上を走行可能とする道路走行可能状態と、左右の前鉄輪161および後鉄輪171を下方に張り出して各鉄輪によりレール(軌道)R上を走行可能とする軌道走行可能状態とに切換設定可能に構成される。道路走行可能状態に設定するには、前側軌道走行装置160の前鉄輪161を格納位置に変位させるとともに、後側軌道走行装置170の後鉄輪171を格納位置に変位させて、前後のタイヤ車輪103a,103bを接地させる。一方、軌道走行可能状態に設定するには、前側軌道走行装置160の前鉄輪161を張出位置に揺動変位させるとともに、後側軌道走行装置170の後鉄輪171を張出位置に変位させて、左右の前鉄輪161および後鉄輪171を下方に張り出す。
この走行状態の切換、すなわち、道路走行可能状態から軌道走行可能状態への切換もしくは逆の切換を行うときに転車台106が用いられる。例えば、道路走行可能状態から軌道走行可能状態への移行は、まず、軌陸作業車101を道路走行させて作業現場最寄りの踏切まで移動し、軌道を跨ぐようにして軌陸作業車101を停止させる。次に、転車台張出格納シリンダ(図示せず)を作動させて転車台106を下方へ張り出し、車体102を転車台106により持ち上げ支持する。次に、車体旋回モータ(図示せず)を作動させて転車台106を水平回転させ、車体102の方向がレールの方向に一致するまで車体102を約90度旋回させる。次に、上述のように左右の前鉄輪161および後鉄輪171を下方に張り出して、転車台張出格納シリンダにより転車台106を上方に格納しながら、レールR上に載置させる。これにより、軌陸作業車101は道路上からレールR上に載せ換え移動された状態となる。
レールR上に載せ換え移動された軌陸作業車101は、鉄輪駆動モータ165により前鉄輪161を回転駆動させてレールR上を軌道走行することができる。軌陸作業車101を軌道走行させて作業現場まで移動すると、作業者は高所作業装置K2を用いて高所作業を行うことができる。作業が終わると、軌陸作業車101を軌道走行させて踏切上まで移動し、転車台106により車体102を支持・旋回する。このとき、左右の前鉄輪161および後鉄輪171は、上述のようにレールRから上方に離れて車体102に格納される。そして、転車台106を格納作動して車体102を道路上に降ろした後、後輪側のタイヤ車輪103bを駆動して道路上を走行し、別の場所へ移動する。
次に、軌陸作業車101の制御装置について、図5を参照しながら説明する。軌陸作業車101の制御装置は、車体102の内部に設置されたコントローラ141を主体に構成される。コントローラ141には、上部操作装置114aと、下部操作装置107aと、軌道走行操作装置137と、変速状態検出器133と、シートベルト検出器134と、パワーテイクオフスイッチ136と、位置情報検出器138と、通信モジュール139とが電気的に接続される。また、コントローラ141には、油圧制御バルブ142と、記憶装置143とが電気的に接続される。
上部操作装置114aは、上部操作装置114aに設けられたブーム操作レバー(図示せず)の操作に応じたブーム操作信号をコントローラ141に出力する。コントローラ141は、上部操作装置114aから入力されたブーム操作信号に基づいて、ブームアクチュエータ150に対応する油圧制御バルブ142のスプールを電磁駆動する。
下部操作装置107aは、下部操作装置107aに設けられたジャッキ操作レバー(図示せず)の操作に応じたジャッキ操作信号をコントローラ141に出力する。コントローラ141は、下部操作装置107aから入力されたジャッキ操作信号に基づいて、ジャッキアクチュエータ155に対応する油圧制御バルブ142のスプールを電磁駆動する。
軌道走行操作装置137は、軌道走行操作装置137に設けられた走行操作レバー(図示せず)の操作に応じた走行操作信号をコントローラ141に出力する。コントローラ141は、軌道走行操作装置137から入力された走行操作信号に基づいて、鉄輪駆動モータ165に対応する油圧制御バルブ142のスプールを電磁駆動する。
変速状態検出器133は、変速レバー132の操作位置がニュートラル位置またはパーキング位置に位置すると、ニュートラル信号をコントローラ141に出力し、変速レバー132の操作位置がニュートラル位置またはパーキング位置以外に位置すると、非ニュートラル信号をコントローラ141に出力する。シートベルト検出器134は、運転席131に座ったドライバーがシートベルト(図示せず)を装着すると、シートベルト検出信号をコントローラ141に出力し、シートベルトが装着されないときには非装着状態信号をコントローラ141に出力する。パワーテイクオフスイッチ136は、パワーテイクオフスイッチ136がオン操作されると、PTO作動信号をコントローラ141に出力し、パワーテイクオフスイッチ136がオフ操作されると、非作動状態信号をコントローラ141に出力する。位置情報検出器138は、トラック車両T2の位置情報をコントローラ141に出力する。
パワーテイクオフスイッチ136から非作動状態信号が入力され、且つシートベルト検出器134からシートベルト検出信号が入力されたとき、コントローラ141は、軌陸作業車101が道路走行可能状態と判定する。コントローラ141は、道路走行可能状態と判定したとき、変速状態検出器133からニュートラル信号が入力されると、トラック車両T2が停車状態と判定する。この場合、コントローラ141は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、軌陸作業車101が道路走行可能状態でトラック車両T2が停車状態となる時間情報を、位置情報検出器138から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ141は、軌陸作業車101が道路走行可能状態でトラック車両T2が停車状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置143に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ141は、軌陸作業車101が道路走行可能状態でトラック車両T2が停車状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール139に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、軌陸作業車101が道路走行可能状態でトラック車両T2が停車状態となる時間情報および位置情報が、軌陸作業車101の記憶装置143および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
また、コントローラ141は、道路走行可能状態と判定したとき、変速状態検出器133から非ニュートラル信号が入力されると、トラック車両T2が走行状態と判定する。この場合、コントローラ141は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、軌陸作業車101が道路走行可能状態でトラック車両T2が走行状態となる時間情報を、位置情報検出器138から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ141は、軌陸作業車101が道路走行可能状態でトラック車両T2が走行状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置143に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ141は、軌陸作業車101が道路走行可能状態でトラック車両T2が走行状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール139に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、軌陸作業車101が道路走行可能状態でトラック車両T2が走行状態となる時間情報および位置情報が、軌陸作業車101の記憶装置143および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
パワーテイクオフスイッチ136からPTO作動信号が入力され、且つシートベルト検出器134から非装着状態信号が入力されたとき、コントローラ141は、軌陸作業車101が作業可能状態と判定する。コントローラ141は、作業可能状態と判定したとき、上部操作装置114aからブーム操作信号が入力されていないと、高所作業装置K2が停止状態と判定する。この場合、コントローラ141は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、軌陸作業車101が作業可能状態で高所作業装置K2が停止状態となる時間情報を、位置情報検出器138から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ141は、軌陸作業車101が作業可能状態で高所作業装置K2が停止状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置143に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ141は、軌陸作業車101が作業可能状態で高所作業装置K2が停止状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール139に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、軌陸作業車101が作業可能状態で高所作業装置K2が停止状態となる時間情報および位置情報が、軌陸作業車101の記憶装置143および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
また、コントローラ141は、作業可能状態と判定したとき、上部操作装置114aからブーム操作信号が入力されると、高所作業装置K2が作業状態と判定する。この場合、コントローラ141は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、軌陸作業車101が作業可能状態で高所作業装置K2が作業状態となる時間情報を、位置情報検出器138から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ141は、軌陸作業車101が作業可能状態で高所作業装置K2が作業状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置143に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ141は、軌陸作業車101が作業可能状態で高所作業装置K2が作業状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール139に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、軌陸作業車101が作業可能状態で高所作業装置K2が作業状態となる時間情報および位置情報が、軌陸作業車101の記憶装置143および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
パワーテイクオフスイッチ136からPTO作動信号が入力され、且つシートベルト検出器134からシートベルト検出信号が入力されたとき、コントローラ141は、軌陸作業車101が軌道走行可能状態と判定する。コントローラ141は、軌道走行可能状態と判定したとき、軌道走行操作装置137から走行操作信号が入力されていないと、トラック車両T2が停車状態と判定する。この場合、コントローラ141は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、軌陸作業車101が軌道走行可能状態でトラック車両T2が停車状態となる時間情報を、位置情報検出器138から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ141は、軌陸作業車101が軌道走行可能状態でトラック車両T2が停車状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置143に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ141は、軌陸作業車101が軌道走行可能状態でトラック車両T2が停車状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール139に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、軌陸作業車101が軌道走行可能状態でトラック車両T2が停車状態となる時間情報および位置情報が、軌陸作業車101の記憶装置143および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
また、コントローラ141は、軌道走行可能状態と判定したとき、軌道走行操作装置137から走行操作信号が入力されると、トラック車両T2が走行状態と判定する。この場合、コントローラ141は、内蔵されたタイマー(図示せず)を利用して、軌陸作業車101が軌道走行可能状態でトラック車両T2が走行状態となる時間情報を、位置情報検出器138から入力された位置情報と関連付けて求める。そして、コントローラ141は、軌陸作業車101が軌道走行可能状態でトラック車両T2が走行状態となる時間情報および位置情報を、記憶装置143に出力して記憶させる制御を行う。また、コントローラ141は、軌陸作業車101が軌道走行可能状態でトラック車両T2が走行状態となる時間情報および位置情報を、通信モジュール139に出力して管理サーバーSVへ送信させる制御を行う。これにより、軌陸作業車101が軌道走行可能状態でトラック車両T2が走行状態となる時間情報および位置情報が、軌陸作業車101の記憶装置143および管理サーバーSVの記憶部(図示せず)に記憶される。
時間情報および位置情報については、第1実施形態と同様に設定することができる。管理サーバーSVは、例えば、軌陸作業車101の製造メーカーにおいて設置・管理が行われる。この場合、軌陸作業車101のユーザーが通信機器を利用して携帯電話通信網NTを介して管理サーバーSVにアクセスすることで、管理サーバーSVに記憶された時間情報および位置情報を参照することが可能である。また、軌陸作業車101のユーザー自身が管理サーバーSVを設けることも可能である。
このように、第2実施形態によれば、パワーテイクオフスイッチ136によりパワーテイクオフ機構124が非作動状態であることが検出され、且つシートベルト検出器134により道路走行操作装置がトラック車両T2を道路走行させることが可能な操作状態であることが検出されたときに、道路走行可能状態と判定して道路走行可能状態の時間情報を求め、パワーテイクオフスイッチ136によりパワーテイクオフ機構124が作動状態であることが検出され、且つシートベルト検出器134により道路走行操作装置が前記車両を停止させる操作状態であることが検出されたときに、作業可能状態と判定して作業可能状態の時間情報を求め、パワーテイクオフスイッチ136によりパワーテイクオフ機構124が作動状態であることが検出され、且つシートベルト検出器134により軌道走行操作装置137がトラック車両T2を軌道走行させることが可能な操作状態であることが検出されたときに、軌道走行可能状態と判定して軌道走行可能状態の時間情報を求めるコントローラ141が設けられている。これにより、軌陸作業車101が道路走行可能状態であるか軌道走行可能状態であるかを判別することができ、トラック車両T2による走行状態と高所作業装置K2による作業状態とをより詳細に判別して管理することができる。
また、コントローラ141が、道路走行可能状態の時間情報、作業可能状態の時間情報、および軌道走行可能状態の時間情報を、位置情報検出器138により検出されたトラック車両T2の位置情報と関連付けて求めることで、道路走行可能状態、作業可能状態、および軌道走行可能状態の時間情報に、トラック車両T2の位置情報が付加されるため、トラック車両T2の位置を把握しながら、トラック車両T2による走行状態と高所作業装置K2による作業状態とをより詳細に判別して管理することができる。
また、コントローラ141が、道路走行可能状態または軌道走行可能状態と判定したときに、トラック車両T2が走行状態であるか若しくは停車状態であるかを判定し、道路走行可能状態または軌道走行可能状態におけるトラック車両T2の走行状態若しくは停車状態の時間情報を求めることで、道路走行可能状態または軌道走行可能状態のときにトラック車両T2が走行状態であるか停車状態であるかを判別することができ、トラック車両T2による走行状態と高所作業装置K2による作業状態とをより詳細に判別して管理することができる。
また、コントローラ141が、作業可能状態と判定したときに、高所作業装置K2が作業状態であるか若しくは停止状態であるかを判定し、作業可能状態における高所作業装置K2の作業状態若しくは停止状態の時間情報を求めることで、作業可能状態のときに高所作業装置K2が作業状態であるか停止状態であるかを判別することができ、トラック車両T2による走行状態と高所作業装置K2による作業状態とをより詳細に判別して管理することができる。
また、道路走行可能状態の時間情報、作業可能状態の時間情報、および軌道走行可能状態の時間情報を記憶することが可能な記憶装置143と、外部の管理サーバーSVに送信して記憶させることが可能な通信モジュール139とを備えることで、一度求めた道路走行可能状態、作業可能状態、および軌道走行可能状態の時間情報を繰り返し用いることができ、トラック車両T2による走行状態と高所作業装置K2による作業状態とをより詳細に判別して容易に管理することができる。例えば、外部の管理サーバーSVに情報が記憶されるので、軌陸作業車101から離れた場所で軌陸作業車101の稼働状況を確認することができる。また、管理サーバーSVに送信された情報に基づいて軌陸作業車101による作業報告書を自動的に作成するソフトを、管理サーバーSVにインストールすることも可能である。
上述の第2実施形態において、コントローラ141は、道路走行可能状態の時間情報、作業可能状態の時間情報、および軌道走行可能状態の時間情報を、位置情報検出器138により検出されたトラック車両T2の位置情報と関連付けて求めているが、これに限られるものではない。例えば、コントローラ141は、道路走行可能状態の時間情報および軌道走行可能状態の時間情報のみを、位置情報検出器138により検出された位置情報と関連付けて求めるようにしてもよく、道路走行可能状態の時間情報、作業可能状態の時間情報、および軌道走行可能状態の時間情報のうち少なくともいずれかを、位置情報検出器138により検出された位置情報と関連付けて求めることが可能である。
上述の第2実施形態において、軌陸作業車101は、道路走行可能状態の時間情報、作業可能状態の時間情報、および軌道走行可能状態の時間情報を記憶することが可能な記憶装置143と、外部の管理サーバーSVに送信して記憶させることが可能な通信モジュール139とを備えているが、これに限られるものではない。例えば、軌陸作業車101は、通信モジュール139のみを備えるようにしてもよく、記憶装置143と通信モジュール139との少なくとも一方を備えることが可能である。
上述の第2実施形態において、コントローラ141は、道路走行可能状態と判定したときに、変速レバー132の操作位置がニュートラル位置またはパーキング位置に位置すると(変速状態検出器133からニュートラル信号が入力されると)、トラック車両T2が停車状態と判定しているが、これに限られるものではない。例えば、変速機122が手動変速機である場合、コントローラ141は、変速レバー132の操作位置がニュートラル位置に位置すると、トラック車両T2が停車状態と判定する。また、変速レバー132の操作位置に限らず、駐車ブレーキレバー(図示せず)の制動操作に応じて、トラック車両T2が走行状態であるか若しくは停車状態であるかを判定してもよい。
上述の第2実施形態において、コントローラ141は、作業可能状態と判定したとき、上部操作装置114aの操作に応じて、高所作業装置K2が作業状態であるか若しくは停止状態であるかを判定しているが、これに限られるものではない。例えば、車体102にブーム112が格納状態であることを検出する格納検出器(図示せず)を設け、格納検出器から出力される検出信号に応じて、高所作業装置K2が作業状態であるか若しくは停止状態であるかを判定してもよい。
上述の第2実施形態において、走行操作装置の操作状態を検出する運転検出器としてシートベルト検出器134を用いているが、これに限られるものではない。例えば、駐車ブレーキ(図示せず)の制動作動状態を検出する駐車ブレーキ検出器174(図5の二点鎖線を参照)を設け、この駐車ブレーキ検出器174を運転検出器として用いるようにしてよい。この場合、コントローラ141は、パワーテイクオフスイッチ136から非作動状態信号が入力され、且つ駐車ブレーキ検出器174から駐車ブレーキが非制動作動状態であることを検出する非作動検出信号(例えばオフ信号)が入力されたとき、軌陸作業車101が道路走行可能状態と判定することができる。また、コントローラ141は、パワーテイクオフスイッチ136からPTO作動信号が入力され、且つ駐車ブレーキ検出器174から駐車ブレーキの非作動検出信号が入力されたとき、軌陸作業車101が軌道走行可能状態と判定することができる。
上述の第2実施形態において、ブーム112を用いた高所作業装置K2が車体102の上部に搭載されているが、これに限られるものではなく、作業装置として、シザース式、ポスト式等の垂直昇降式の高所作業装置や、クレーン装置等が、車体102の上部に搭載されてもよい。