JP2006059059A - 動態管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 作業担当者の負荷を軽減し、作業車両における作業進捗等の動態情報を自動的に認識して管理する動態管理システムを提供する。
【解決手段】 作業車両2の運転走行を支援及び誘導するための情報を運転者に提供するカーナビゲーション装置4と、カーナビゲーション装置4から作業車両2の走行に関する走行データを逐次取得し、該走行データに基づき、作業車両2を識別可能な形式での動態情報を生成し、動態情報を外部の動態管理装置10に送信する制御を行う車載コンピュータ端末3を、作業車両2内に備えてなり、車載コンピュータ端末3が、少なくとも作業案件に対する所定の作業進捗状態を含む作業車両状態を、該走行データに基づき検知し、検知した作業車両状態を動態情報として生成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コンピュータシステムを応用して複数の作業車両の作業状態や位置情報等の動態情報を自動的に認識して管理する動態管理システムに関する。
この種の動態管理システムとしては、複数の作業車両の作業状態や作業場所の位置情報を所定の地図画面上に表示する表示装置を備え、その情報に基づいてどの作業車両をどの作業現場に出動させるかという作業車両管理者の判断を的確にならしめるよう支援するものがある。尚、ここでいう作業車両とは、一般公道を走行する自動車であって、特定の作業用途に構成されたものである。例えば、ガス供給事業者の保安部門において、ガス漏洩等の緊急通報を受けて、そのガス漏洩を処置すべく当該発生場所へ急行する緊急車両等が該当する。
従来の動態管理システムは、出動先の絶対座標を有する作業指示データを複数格納してなる作業指示データベースと、作業指示データに作業指示内容を入力して作業指示データベースに登録する作業指示端末と、作業者との通信を媒介する通信回線と接続する接続装置とを所定のネットワーク上に備え、作業車両の作業状態と作業場所の位置情報を所定の地図画面上に表示する車両情報表示手段を、作業指示端末、ネットワーク上またはその両方に設けてなり、車両情報表示手段が、作業車両の作業状態と作業場所の位置情報とを作業車両に対応する作業指示データの作業進捗状況及び出動先の絶対座標に基づいて地図画面上に表示するように構成されたものがある(例えば、下記の特許文献1参照)。
また、別の従来の作業車両管理システムは、作業車両にGPS(Global PositioningSystem)等の絶対位置検知装置を備え、通信により伝達されたその車両の位置や作業内容に基づいて、作業車両管理者側の地図画面上で車両の位置を管理することが行われている(例えば、下記の特許文献2参照)。
特開2002−24341号公報
特開2003−148981号公報
ところで、従来の動態管理システムでは、各作業車両の位置情報は、各作業車両に搭載されたGPS等の位置測定手段によって測定され、各作業車両から、例えば、ガス供給事業者の保安指令センター等に設置された動態管理端末に送信され、当該動態管理端末が各作業車両の位置情報を自動的に取得し、上記車両情報表示手段によって作業車両の位置情報を地図画面上に表示可能に構成されている。
しかしながら、作業車両の位置情報以外の作業状態は、各作業車両の作業担当者が、各作業車両に搭載された携帯型のコンピュータ端末から、受信した作業案件の案件データに作業進捗データを、当該作業の進捗に合わせて入力し、上記動態管理端末に送信する必要があった。或いは、上記動態管理端末の操作が煩雑な場合や、緊急を要する場合は、作業進捗データを上記動態管理端末から送信せずに、携帯電話や車載電話を用いて、直接口頭で作業車両管理者に連絡していた。
従って、緊急案件を受け取り即座に出動した作業車両においては、たとえ2名乗車であっても、運転者は作業車両の運転に専念し、他方の補助員は周辺車両への警告や安全確認に万全を期する必要から、出動後も作業進捗データの上記動態管理端末への送信や作業車両管理者への口頭での連絡が、必ずしもタイムリーに行えているとは言えなかった。仮に、出動と同時に即座に作業進捗データの送信操作を行うとすると、作業担当者への大きな負荷となっていた。更には、作業現場へ到着時に、同様の操作を行うとすると、即座に作業を開始できないという不都合があった。仮に作業の開始を優先した場合、当該作業開始の作業進捗データの更新が遅延することになり、保安指令センター側での管理に支障を来たす可能性がある。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、作業担当者の負荷を軽減し、作業車両における作業進捗等の動態情報を自動的に認識して管理する動態管理システムを提供することにある。
この目的を達成するための本発明に係る動態管理システムの第一の特徴構成は、作業車両の時間的に変動する動態情報を自動的に認識して管理する動態管理システムであって、前記作業車両の運転走行を支援及び誘導するための情報を運転者に提供するカーナビゲーション装置と、前記カーナビゲーション装置から前記作業車両の走行に関する走行データを逐次取得し、前記走行データに基づき、前記作業車両を識別可能な形式での前記動態情報を生成し、前記動態情報を外部の動態管理装置に送信する制御を行う車載コンピュータ端末を、前記作業車両内に備えてなり、前記車載コンピュータ端末が、少なくとも作業案件に対する所定の作業進捗状態を含む作業車両状態を、前記走行データに基づき検知し、検知した前記作業車両状態を前記動態情報として生成する点にある。
上記動態管理システムの第一の特徴構成によれば、カーナビゲーション装置から逐次取得できる走行データに基づき、車載コンピュータ端末が、少なくとも作業案件に対する所定の作業進捗状態、例えば、作業案件に対する出動や作業現場への到着等を含む作業車両状態が動態情報として自動的に検知し、動態管理装置に送信するので、作業担当者は、作業進捗を動態管理装置に送信するために車載コンピュータ端末を操作する手間や、車載電話等により音声で作業進捗を作業車両管理者等に連絡する手間が省け、作業担当者に対する負荷が軽減され、作業担当者は作業案件に対する出動及び現場での作業に集中できる。
また、動態管理装置側から見れば、各作業車両における作業案件に対する作業進捗状態が確実且つ正確に取得できるため、全体的な作業車両管理をより確実に行える。
同第二の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加え、前記車載コンピュータ端末は、前記作業車両状態の変化時に、変化した前記作業車両状態に対応する前記動態情報を前記動態管理装置に送信する制御を行う点にある。
上記動態管理システムの第二の特徴構成によれば、動態情報の送信頻度を低減できるので、通信量を軽減できる。また、動態管理装置は、作業車両状態に対応する動態情報を受信する毎に、作業車両状態の変化を認識でき、新たな作業車両状態に対応する動態情報を受信するまでは、当該作業車両における作業車両状態は同じ状態が維持されていると判断できる。
同第三の特徴構成は、上記第一または第二の特徴構成に加え、前記車載コンピュータ端末は、前記作業車両の位置情報、走行速度、及び、走行方向の内、少なくとも前記位置情報を含む車両走行情報を前記カーナビゲーション装置から定期的に取得し、取得した前記車両走行情報を前記動態情報として定期的に前記動態管理装置に送信する制御を行う点にある。
上記動態管理システムの第三の特徴構成によれば、作業車両の現在位置や走行状態等を逐次更新して、動態管理装置に送信できるので、動態管理装置は各作業車両の現在位置や走行状態等を略リアルタイムに把握することができる。特に、作業車両の位置情報に加えて、走行速度と走行方向の何れか一方の車両走行情報も動態情報として定期的に動態管理装置に送信されると、作業車両の走行状態をより正確に把握することができる。また、動態情報の送信間隔が長くても、動態管理装置側で走行速度と走行方向から送信間隔の中間での状態を予測することも可能である。
同第四の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記走行データが、前記作業車両の位置情報を含む点にある。
上記動態管理システムの第四の特徴構成によれば、車載コンピュータ端末が、カーナビゲーション装置から逐次取得する作業車両の位置情報により、作業車両が停止中か走行中かの判断ができ、更に、作業車両が作業案件の現場付近或いは作業車両の基地付近に居るか否かの判断が可能となる。この結果、例えば、手持ちの作業案件の存在する作業車両であれば、作業案件への出動の開始、作業案件の現場への到着を判断することができる。また、例えば、手持ちの作業案件の存在しない作業車両の場合、作業車両が基地付近で停止している待機状態と作業車両が走行中の巡回状態の判断等が可能である。
同第五の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記走行データが、前記カーナビゲーション装置に対する自動経路誘導開始を示す信号、または、前記カーナビゲーション装置に対する自動経路誘導開始を示す信号と当該自動経路誘導の目的地の位置情報を含む点にある。
上記動態管理システムの第五の特徴構成によれば、車載コンピュータ端末が、カーナビゲーション装置から取得するカーナビゲーション装置に対する自動経路誘導開始を示す信号により、作業車両がある目的地への走行を開始したことが判断できる。この結果、例えば、手持ちの作業案件の存在する作業車両であれば、作業案件への出動の開始と判断することができる。また、手持ちの作業案件の存在しない作業車両の場合、基地への帰方の開始と判断することができる。特に、自動経路誘導開始を示す信号に加えて、自動経路誘導の目的地の位置情報も取得することで、走行の目的地が同定できるため、作業案件が複数ある場合に、どの作業案件への出動かを判断できる。
同第六の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記走行データが、前記カーナビゲーション装置による自動経路誘導の終了を示す信号を含む点にある。
上記動態管理システムの第六の特徴構成によれば、車載コンピュータ端末が、カーナビゲーション装置から取得するカーナビゲーション装置による自動経路誘導の終了を示す信号により、作業車両がある目的地への走行を終了したことが判断できる。この結果、例えば、手持ちの作業案件の存在する作業車両であれば、作業案件の作業現場への到着と判断することができる。
同第七の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記車載コンピュータ端末が、前記作業車両状態を、前記作業車両のキースイッチのオンオフ状態に基づき検知し、検知した前記作業車両状態を前記動態情報として生成する点にある。
上記動態管理システムの第七の特徴構成によれば、カーナビゲーション装置から走行データが得られない場合における作業車両状態の変化を検知できる。また、走行データだけでは判断が困難な作業車両状態の検知が可能となり、よりきめ細かな多様な作業車両状態の検知が可能となり、本発明の実用性が向上する。
同第八の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記動態管理装置は、複数の前記作業車両から各別に受信した前記動態情報の一部または全部を、地図画面表示上の各対応位置に表示する表示装置を備えている点にある。
上記動態管理システムの第八の特徴構成によれば、表示装置の地図画面表示上に、複数の作業車両の各現在位置に、夫々の動態情報が表示されるので、作業車両管理者は、当該表示によって、全ての作業車両の動態情報を把握でき、各作業案件に対する指令業務がより適切に行えるようになる。特に、各作業車両から動態情報が確実且つ適時に送信されてくるので、全ての作業車両の動態情報の表示も確実且つ適時に更新されて表示できることになる。
同第九の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記車載コンピュータ端末が、前記作業案件に関する案件データを外部から受信可能に構成され、手持ちの作業案件が存在する状態で新規作業案件を受信した場合において、前記新規作業案件の案件データに前記新規作業案件が緊急案件である旨のデータが含まれている場合は、前記新規作業案件の出動順位を、他の非緊急案件より高優先順位に設定し、前記新規作業案件の案件データに前記新規作業案件が非緊急案件である旨のデータと訪問予定時刻データが含まれている場合は、前記案件データに前記訪問予定時刻データを含む全ての手持ちの非緊急案件に対して、前記訪問予定時刻データに基づいて、前記各非緊急案件の出動順位を再設定する点にある。
上記動態管理システムの第九の特徴構成によれば、車載コンピュータ端末が、緊急案件を非緊急案件より高優先順位に設定し、非緊急案件同士では、訪問予定時刻データに基づいて出動順位を再設定するので、手持ちの作業案件が複数存在する場合に、訪問予定時刻に即した出動順位が自動的に設定される。この結果、作業者は、当該出動順位に従って作業案件を順番に処理することで、効率的な作業が実行できる。
同第十の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記車載コンピュータ端末が、前記作業案件に関する案件データを外部から受信可能に構成され、手持ちの作業案件の内、非緊急案件が複数存在する場合において、前記カーナビゲーション装置に対して、前記複数の非緊急案件の一部または全部の各作業現場の位置情報を出力し、前記各作業現場を結ぶ最短の経路検索を実行させ、検索された経路に基づいて、前記複数の非緊急案件の出動順位を設定する点にある。
上記動態管理システムの第十の特徴構成によれば、車載コンピュータ端末が、複数の非緊急案件に対して、出動順位に従った出動経路が最短となるように出動順位が設定されるので、手持ちの非緊急案件が複数存在する場合に、常に最短経路で作業案件を処理でき、作業案件間の移動時間を短縮でき、全体的な作業時間の短縮及び効率化が図れる。
本発明に係る動態管理システム(以下、適宜「本発明システム」という。)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。尚、本実施形態では、ガス漏洩やガス出不良等の異常通報や、供給管の削除や一部削除等の現場作業を伴うガス供給停止の依頼等の都市ガス供給に関する電話通報を受信して、その受信した作業車両を手配し出動させる等の指示や管理を行う場合における、各作業車両の動態情報を管理するための動態管理システムを例に説明する。また、本発明システムは、都市ガス事業者のガス供給地域を、例えば、府県別や需要世帯数の規模に応じて複数の担当地区に分割した各地区単位毎に、或いは、全ガス供給地域を一元的に中央で管理するように、所定の保安指令センター内に設けられている。
図1に示すように、本発明システム1は、各作業車両2内に、車載コンピュータ端末3、カーナビゲーション装置4、無線通信インタフェース5、ポートリプリケータ6、車載バッテリ7、プリンタ8を備え、保安指令センター9内に、動態管理装置10、作業指令サーバ装置11、作業案件データベース12、2台の通信サーバ装置13,14、無線通信インタフェース15を備えて構成されている。尚、図1では、説明の便宜上、作業車両2内の構成は1台分だけを示している。
車載コンピュータ端末3は、ノート型パソコン等の小型で車載可能なコンピュータ端末を使用して構成され、外部とのデータ送受信が可能なように、携帯電話等によるパケット通信網を利用したデータ通信用の通信インタフェース3aを装備している。車載コンピュータ端末3は、車載バッテリ7から電源供給を受け無停電で動作可能になっている。また、車載コンピュータ端末3は、ポートリプリケータ6を介して、カーナビゲーション装置4と無線通信インタフェース5と間でデータ送受信可能に構成されている。
車載コンピュータ端末3は、当日に処理すべき作業案件に関する案件データを保存し、表示画面上に表示し、必要に応じてプリンタ8により印刷可能に構成されている。また、車載コンピュータ端末3は、保安指令センター9内の作業指令サーバ装置11から、通信サーバ装置13、公衆回線20、携帯電話中継器21、通信インタフェース3aを介して、新規の作業案件の案件データを受信可能に構成されている。
カーナビゲーション装置4は、一般自動車に搭載可能な市販のカーナビゲーション装置を利用して実現でき、目的地の入力を受け付けて、最短距離或いは最短時間での経路探索が可能で、道路走行中に目的地までの走行を液晶表示画面上に2次元または3次元の道路地図と走行車両と走行経路を重ねて表示して、視覚的或いは音声により走行を誘導する機能を有する装置である。従って、道路地図を含む道路情報、現在位置検知機能、経路探索機能、自動経路誘導機能は、カーナビゲーション装置4が本来の機能として具備している。現在位置検知機能は、GPSを応用して実現される。また、カーナビゲーション装置4は、上記本来機能を発揮するための各種データや信号を出力可能に構成されている。具体的には、走行車両の現在位置の位置座標データ、走行速度データ、走行方向データ、自動経路誘導機能の開始及び終了を示す信号、自動経路誘導時の目的地の位置座標データ等の作業車両2の走行に関する走行データが、車載コンピュータ端末3に対して出力される。車載コンピュータ端末3は、これらのデータ出力を、例えば、15秒間隔で受信する。
無線通信インタフェース5,15は、車載コンピュータ端末3と動態管理装置10間のデータ送受信を、公衆回線20を介さずに無線通信回線22だけを介して行うための通信インタフェース装置で、作業車両2側と保安指令センター9側に設けられている。無線通信回線22としては、例えば、ディジタルMCA(Multi Channnel Access)方式等の移動無線回線を利用する。
ポートリプリケータ6は、作業車両2内での車載コンピュータ端末3とその他の装置類と接続を行う接続端子群で、作業車両2内の信号配線を、ポートリプリケータ6を利用して纏めることで、車載コンピュータ端末3を車外に持ち出す作業や、車内に搭載する作業を簡易化及び効率化できる。
動態管理装置10は、無線通信回線22を介して、各作業車両2から定期的に動態情報を受信し、一元管理するためのコンピュータ端末である。動態管理装置10は、付属の表示装置に、道路地図、住宅地図、ガス導管図等を重ねて、当該表示縮尺可変で表示可能に構成され、当該地図画面表示上に、各作業車両2から受信した動態情報に基づいて、各作業車両2の現在位置をシンボル表示するとともに、各種の動態情報を色分け表示等によって、同地図画面表示上に表示するように構成されている。
作業指令サーバ装置11は、保安指令センター9内に設置された上記電話通報を受信し、受付案件の受付内容や作業指令に関する案件データを作成する複数の受付指令端末16とLAN等のコンピュータネットワーク17を介して接続し、各受付指令端末16から該案件データを受け取り、作業案件データベース12にLAN16上の他の受付指令端末16や管理端末(図示せず)から閲覧検索可能に格納するとともに、該案件データで指定された作業車両2の車載コンピュータ端末3に対して、通信サーバ装置13、公衆回線20、携帯電話中継器21、通信インタフェース3aを介して、当該案件データを送信し、当該受付案件に対する出動指令を行う。また、作業指令サーバ装置11は、車載コンピュータ端末3において該案件データに対して作業進捗、作業内容、作業結果等が追記された作業報告書を、同じ通信経路を介して受信し、作業案件データベース12に格納する。従って、作業指令サーバ装置11は、作業案件データベース12のデータベースサーバとしても機能する。
通信サーバ装置13は、公衆回線20との接続を制御するとともに、車載コンピュータ端末3側から送信されたデータを受信して、作業指令サーバ装置11に転送し、逆に、作業指令サーバ装置11から送信されるデータを受信して、指定された車載コンピュータ端末3側に転送する。
通信サーバ装置14は、無線通信インタフェース15と接続し、車載コンピュータ端末3側から無線通信回線22を介して送信された動態情報のデータを受信して、動態管理装置10に転送する。
保安指令センター9内に設置された動態管理装置10、作業指令サーバ装置11、通信サーバ装置13,14、及び、複数の受付指令端末16は、LAN17を介して相互にデータ送受信可能に接続している。
次に、車載コンピュータ端末3が、カーナビゲーション装置4が出力する作業車両2の走行に関する走行データを受信して、該走行データに基づき作業案件に対する所定の作業進捗状態を含む作業車両状態を検知し、検知した前記作業車両状態を動態情報として生成し、動態管理装置10に送信する処理について説明する。
カーナビゲーション装置4は、作業車両2のキースイッチがオン状態で作動状態になり、キースイッチがオフすると作動を停止するものとする。従って、作業車両2のキースイッチがオン状態において、車載コンピュータ端末3はカーナビゲーション装置4から上記走行データを定期的に受信する。本実施形態では、走行データの受信は、例えば、15秒間隔とするが、当該受信周期は、15秒より短くても、長くても構わない。
本実施形態では、車載コンピュータ端末3が走行データ、または、作業車両2のキースイッチのオンオフ状態に基づき検知する作業車両状態として、1)「開局」、2)「閉局」、3)「巡回」、4)「帰方」、5)「待機A」、6)「待機B」、7)「出動」、8)「到着」、9)「作業中」、10)「完了」の10状態を想定する。
1)〜6)の作業車両状態は、作業案件の作業進捗状態以外の作業車両状態であって、2)の「閉局」と3)の「巡回」は、作業車両2が手持ち作業案件を有しない状態で発生し、それ以外は、作業車両2の手持ち作業案件の有無に関係なく発生する。7)〜10)の作業車両状態は、特定の作業案件に対する作業進捗状態を示す作業車両状態である。
1)の「開局」は、作業車両2の始業を示す。手持ち作業案件の有無に関係なく、容易に出動可能な状態である。作業車両2が「開局」になると、当該作業車両は、本発明システム1上において、受付指令端末16に対して指令可能な有効な作業車両として認識され、動態管理装置10の管理下に入り、作業車両2は動態管理装置10に対して動態情報の送信を開始する。
2)の「閉局」は、作業車両2の終業を示す。作業車両2のキースイッチはオフ状態であり、カーナビゲーション装置4は停止している。作業車両2が「閉局」になると、当該作業車両は、本発明システム1上において、受付指令端末16から認識されなくなり、動態管理装置10の管理外となり、動態管理装置10に対して動態情報の送信を停止する。
3)の「巡回」は、原則として手持ち作業案件が無い状態で発生する。定期的なポイント調査やパトロールが該当する。
4)の「帰方」は、手持ち作業案件が無い状態、或いは、訪問予定時刻まで十分な時間的余裕がある場合における、基地への帰社を意味する。「待機A」、「待機B」または「閉局」を目的とする。
5)の「待機A」は、手持ち作業案件が無い状態、或いは、訪問予定時刻まで十分な時間的余裕がある場合における、現場または基地(事務所)での待機状態で、緊急案件に対して出動可能な状態である。これに対して、6)の「待機B」は、「待機A」と同様の待機状態であるが、食事休憩中等の理由で緊急案件に対して直ぐに出動不可能な状態である。
7)の「出動」は、特定の作業案件の現場(目的地)への出動中或いは訪問中の状態である。8)の「到着」は、当該作業案件の現場(目的地)への到着を意味する。9)の「作業中」は、当該作業案件の作業を開始した状態である。10)の「完了」は、当該作業案件の作業を終了し、作業現場からの移動を開始した状態である。
図2に、説明の容易のために、1)〜10)の各作業車両状態の相互間の状態遷移図を示す。以下、車載コンピュータ端末3による各作業車両状態の判断条件及び手順について、順番に説明する。
図2に示すように、「開局」は必ず「閉局」から発生する。「閉局」では、車載コンピュータ端末3は、カーナビゲーション装置4から上記走行データを受信不可能であるので、車載コンピュータ端末3は、作業車両2のキースイッチがオン状態であることを検知して、「開局」を認識し、作業車両2の動態情報「開局」を動態管理装置10に送信する。但し、車載コンピュータ端末3は、「閉局」状態であることを条件として、「開局」と判断する。つまり、「閉局」以外の状態で、作業車両2のキースイッチがオン状態であることを検知しても、「開局」とは認識しない。図2に示すように、「開局」からは、「巡回」、「待機A」、「待機B」または「出動」に遷移し得る。
車載コンピュータ端末3は、手持ち作業案件が無い状態で、現在時刻(車載コンピュータ端末3のシステム時間)が就業時刻(例えば、17時30分)を超過した状態で、作業車両2のキースイッチがオフ状態であることを検知して、「閉局」を認識し、作業車両2の動態情報「閉局」を動態管理装置10に送信する。但し、図2に示すように、「閉局」への遷移は、「待機A」、「待機B」、及び、「帰方」から可能であるので、車載コンピュータ端末3は、直前に判断した現在の作業車両状態が、「待機A」、「待機B」、及び、「帰方」であることを前提条件として、「閉局」と判断する。
車載コンピュータ端末3は、手持ち作業案件が無い状態で、走行データの位置座標データを逐次(例えば、15秒間隔で)受信し、作業車両2の現在位置の変化(作業車両2の移動)を検知した場合、「巡回」と判断し、作業車両2の動態情報「巡回」を動態管理装置10に送信する。同じ条件で「帰方」の場合も有り得るが、運用として、「帰方」の場合は、必ずカーナビゲーション装置4の自動経路誘導を利用するものとする。即ち、各作業車両2のカーナビゲーション装置4には、基地の位置座標が当然に登録されているものとする。作業車両2の現在位置の変化の検知は、位置座標データからではなく、作業車両2の走行速度データから判断しても構わない。尚、図2に示すように、「巡回」への遷移は、「開局」、「待機A」、「帰方」、及び、「完了」から可能であるので、車載コンピュータ端末3は、直前に判断した現在の作業車両状態が、「開局」、「待機A」、「帰方」、または、「完了」であることを前提条件として、「巡回」と判断する。
カーナビゲーション装置4は、基地を目的地とする自動経路誘導が開始されると、自動経路誘導中を示す状態信号と自動経路誘導の目的地の位置座標データを、自動経路誘導の期間中、定常的に出力する。車載コンピュータ端末3は、基地を目的地とする自動経路誘導が開始されると、当該状態信号を検知して自動経路誘導による作業車両2の走行が開始されたことを認識し、同時に受信する自動経路誘導の目的地の位置座標データより作業車両2の走行目的地を認識することができる。基地の位置座標は、予め車載コンピュータ端末3内に記憶されているので、当該位置座標との比較により、自動経路誘導の目的地が基地であることを認識できる。車載コンピュータ端末3は、基地を目的地とする自動経路誘導の開始を認識すると、「帰方」と判断し、作業車両2の動態情報「帰方」を動態管理装置10に送信する。尚、図2に示すように、「帰方」への遷移は、「開局」、「待機A」、「帰方」、及び、「完了」から可能であるので、車載コンピュータ端末3は、直前に判断した現在の作業車両状態が、「開局」、「待機A」、「帰方」、または、「完了」であることを条件として、「帰方」と判断する。
車載コンピュータ端末3は、手持ち作業案件が無い状態、或いは、手持ち作業案件の訪問予定時刻と現在時刻の差が所定時間以上である状態で、且つ、直前に判断した現在の作業車両状態が、「開局」、「待機B」、「巡回」、「帰方」、または、「完了」である場合に、走行データの位置座標データを逐次(例えば、15秒間隔で)受信し、作業車両2の現在位置が、基地付近(基地の位置座標を中心として、例えば、30m以内)であって現在位置の変化がない状態(作業車両2の停止状態)を検知した場合、或いは、作業車両2のキースイッチがオフ状態であることを検知した場合に、「待機A」と判断し、作業車両2の動態情報「待機A」を動態管理装置10に送信する。但し、現在時刻が当該作業車両2の予定している食事休憩の開始予定時間範囲内(例えば、正午から午後1時の間)であって、直前に判断した現在の作業車両状態が、「開局」、「待機A」、「巡回」、「帰方」、または、「完了」である場合は、「待機B」と判断し、作業車両2の動態情報「待機B」を動態管理装置10に送信する。また、「待機B」と判断してから、所定時間(例えば、1時間)経過しても、「待機B」の状態からの変化がない場合は、自動的に「待機A」に遷移させ、作業車両2の動態情報「待機A」を動態管理装置10に送信する。
車載コンピュータ端末3は、手持ち作業案件が存在する状態で、且つ、直前に判断した現在の作業車両状態が、「開局」、「待機A」、「巡回」、または、「完了」である場合に、走行データの位置座標データを逐次(例えば、15秒間隔で)受信し、作業車両2の現在位置の変化(作業車両2の移動)を検知した場合、或いは、カーナビゲーション装置4から出力される自動経路誘導中を示す状態信号を受信すると、「出動」と判断し、作業車両2の動態情報「出動」を動態管理装置10に送信する。
動態管理装置10は、作業車両2から動態情報「出動」を受信すると、当該作業車両の手持ちの作業案件が1つの場合、或いは、緊急案件がある場合は、「出動」の対象である作業案件が特定可能であるが、当該作業車両の手持ちの作業案件が複数の非緊急案件である場合は、動態情報「出動」の受信だけでは、どの非緊急案件への「出動」であるかを即座には判断できない。しかし、本実施形態では、車載コンピュータ端末3は、自動経路誘導中を示す状態信号を受信して作業車両状態「出動」を検知した場合、同時に受信する自動経路誘導の目的地の位置座標データと手持ちの作業案件の目的地の位置座標データの比較を行い、「出動」の対象である作業案件を特定し、特定した作業案件の案件番号とともに、動態情報「出動」を動態管理装置10に送信するため、動態管理装置10は、動態情報に付属する案件番号から、「出動」の対象である作業案件が特定可能となる。
車載コンピュータ端末3は、手持ち作業案件が存在する状態で、且つ、直前に判断した現在の作業車両状態が「出動」である場合に、走行データの位置座標データと状態信号を逐次(例えば、15秒間隔で)受信し、作業車両2の現在位置が、作業案件の現場付近(現場の位置座標を中心として、例えば、30m以内)であって現在位置の変化がない状態(作業車両2の停止状態)を検知した場合、カーナビゲーション装置4から出力される自動経路誘導中を示す状態信号の受信が停止した場合、或いは、作業車両2のキースイッチがオフ状態であることを検知した場合、「到着」と判断し、作業車両2の動態情報「到着」を動態管理装置10に送信する。
車載コンピュータ端末3は、手持ち作業案件が存在する状態で、且つ、直前に判断した現在の作業車両状態が「到着」である場合に、作業車両状態が「到着」であると判断した後に、所定時間(例えば、5分)が経過すると、作業車両状態が「作業中」であると判断し、作業車両2の動態情報「作業中」を動態管理装置10に送信する。
尚、「作業中」の判断は、動態管理装置10においても可能であるので、「作業中」の判断を動態管理装置10側で行うようにしても構わない。この場合、作業車両2側の作業車両状態から「作業中」を削除し、「到着」から「完了」へ直接遷移する設定とすればよい。
車載コンピュータ端末3は、手持ち作業案件が存在する状態で、且つ、直前に判断した現在の作業車両状態が「作業中」である場合に、作業車両状態が「到着」であると判断した後に、走行データの位置座標データを逐次(例えば、15秒間隔で)受信し、作業車両2の現在位置の変化(作業車両2の移動)が所定距離(例えば、30m)以上となったことを検知した場合、作業車両状態が「完了」であると判断し、作業車両2の動態情報「完了」を動態管理装置10に送信する。
以上のように、車載コンピュータ端末3は、カーナビゲーション装置4から位置座標データや自動経路誘導中を示す状態信号等の走行データを逐次)受信し、作業車両2の作業車両状態の遷移を検知した場合は、遷移後の作業車両状態の動態情報を、自己の作業車両2を識別可能な形式のデータとして生成し、作業車両状態の遷移を検知する毎に、当該作業車両状態に関する動態情報を動態管理装置10に送信する。更に、車載コンピュータ端末3は、カーナビゲーション装置4から位置座標データや走行速度や走行方向等の走行データを逐次(例えば、15秒間隔で)受信し、これらの走行データに、例えば受信時刻のタイムスタンプを付して、定期的に(例えば、1分間隔で)自己の作業車両2を識別可能な形式の動態情報データとして生成し、当該走行状態に関する動態情報を定期的に動態管理装置10に送信する。
次に、車載コンピュータ端末3が、保安指令センター9内に設置された作業指令サーバ装置11から新規に作業案件を受け取った場合の処理について説明する。
車載コンピュータ端末3は、当日に処理すべき作業案件に関する案件データを内蔵の記憶装置の所定の記憶領域に保存するとともに、各作業案件の案件データに基づいて、図3に示すような一覧表を作成する。図3に示す一覧表において、出動順位に従って作業案件が表示されるので、当該一覧表を車載コンピュータ端末3の表示画面上に表示することで、作業担当者は、当該一覧表の表示順に従って、各作業案件を処理することで、効率的に作業処理を行える。
当該一覧表において、通報内容とは、ガス漏洩やガス出不良等の異常通報や、ガス供給停止の依頼等の一般通報等の通報種別である。出動体制は、緊急出動か一般出動かの区別で、作業案件が緊急案件の場合は、緊急出動となり、非緊急案件の場合は、一般出動となる。
訪問時刻は、訪問予定時刻のことであり、ガス漏洩等の緊急案件では、時間指定なしのブランクとなる。また、非緊急案件では、通報受付時の顧客との電話応対で、訪問予定時刻の時間、或いは、時間帯を設定し、案件データとして登録されているものが表示される。時間帯としては、午前(例えば、9時〜12時)、午後(例えば、13時〜17時30分)、夕方(例えば、17時30分以降)、終日の4区分があり、更に、午前は2区分、午後は3区分に分かれている。訪問予定時刻の表示シンボルは、午前がAM1とAMで、午後がPM1とPM2とPMで、夕方がEVE、終日がDAYとなっている。午前のAM1は午前の前半で、AMは午前の全てを意味し、午後のPM1は午後の前半、PM2は午後の後半、PMは午後の全てを意味し、終日は、午前、午後、夕方の何れでも可である場合を意味している。複数の非緊急案件間での出動順位としては、訪問時刻が、ブランク、AM1、AM、PM1、PM2、PM、EVE、DAYの順番に処理される。従って、車載コンピュータ端末3は、各作業案件の案件データの訪問予定時刻に基づいて、出動順位を決定する。
次に、車載コンピュータ端末3による出動順位決定処理につき、図4に示す具体例を参照して説明する。先ず、図4(A)に示すように、非緊急案件B,C,D,Eの4件が手持ちの作業案件として存在する状態で、緊急案件Aの作業指令を作業指令サーバ装置11から受け取ると、図4(B)に示すように、車載コンピュータ端末3は、緊急案件Aの出動体制が緊急で、訪問時刻がブランクとなるので、出動順位は第1位となり高優先順位となる。この場合、現在位置がP地点とすると、出動経路は、図4(C)に示すようになる。ここで、非緊急案件CとDの訪問時刻は何れもPMで同じであるので、車載コンピュータ端末3は、非緊急案件Bの現場位置に近い方の作業案件を高優先順位とする。図4(B)及び(C)の例では、出動順位はA,B,C,D,Eの順となる。訪問時刻が同じ非緊急案件が複数存在する場合の出動順位の決定手法として、図4(B)及び(C)の例では、車載コンピュータ端末3が非緊急案件B,C,D,Eの4件の作業案件の現場位置の位置座標データをカーナビゲーション装置4に出力し、非緊急案件B,C,D,Eの順の経路と、非緊急案件B,D,C,Eの順の経路の経路検索をカーナビゲーション装置4に実行させ、総移動距離の短い方の経路を採用して、非緊急案件CとDの出動順位を決定するようにしても構わない。
次に、車載コンピュータ端末3が、図4(B)に示す状態で、訪問時刻が午前11時に指定された非緊急案件Fの作業指令を受信した場合、訪問時刻が午前の後半に属するので、図4(D)に示すように、非緊急案件Fの出動順位は、非緊急案件Bの次になる。ここで、新規に追加された非緊急案件Fの次の2つの非緊急案件CとDの訪問時刻は何れもPMで同じであるので、車載コンピュータ端末3は、非緊急案件Fの現場位置に近い方の作業案件を高優先順位とし、出動経路は、図4(E)に示すように変更される。この場合も、車載コンピュータ端末3が非緊急案件F,C,D,Eの4件の作業案件の現場位置の位置座標データをカーナビゲーション装置4に出力し、非緊急案件F,C,D,Eの順の経路と、非緊急案件F,D,C,Eの順の経路の経路検索をカーナビゲーション装置4に実行させ、総移動距離の短い方の経路を採用して、非緊急案件CとDの出動順位を決定するようにしても構わない。
次に、車載コンピュータ端末3が、図4(B)に示す状態で、非緊急案件Cの作業指令の中止指令を受信した場合、非緊急案件C以外の作業案件に対する出動順位が再設定され、図4(F)に示すようになり、出動経路は、図4(C)に示すようになる。
上述のように、車載コンピュータ端末3は、新規に作業案件の作業指令を受け取った場合、既存の作業案件の中止指令、或いは、訪問時刻の変更データを受信した場合に、既存の作業案件が複数存在する場合に、その出動順位の見直しを自動的に実行する。
尚、始業時点において、車載コンピュータ端末3に既に複数の非緊急案件が登録されている場合も、上記と同様の処理基準で出動前に予め出動順位の設定が実行される。
以上の要領で、車載コンピュータ端末3が複数の作業案件に対して出動順位の設定を自動的に実行し、作業担当者が、車載コンピュータ端末3が設定した出動順位に従って、出動を開始する運用の場合は、上述の作業車両状態の「出動」の検知時において、車載コンピュータ端末3が作業車両2の現在位置の変化(作業車両2の移動)によって検知した場合でも、「出動」の対象である作業案件を出動順位の第1位の作業案件と判断できる。
次に、動態管理装置10が、各作業車両2から、作業車両状態に関する動態情報を作業車両状態が遷移する毎に受信し、また、走行状態に関する動態情報を定期的に受信した場合の、受信した動態情報に対する処理について、簡単に説明する。
動態管理装置10は、「閉局」状態でない全ての作業車両2から、走行状態に関する動態情報を定期的に受信し、作業車両状態に関する動態情報を作業車両状態が遷移する毎に受信するので、各作業車両2の現在位置と走行状態と作業車両状態を、上述の地図画面表示上に、シンボル表示する。ここで、特定の作業案件を処理中(「出動」、「到着」、「作業中」)の処理作業車両と、それ以外の非処理作業車両で、シンボルの形状を異ならせる。また、処理作業車両についても、緊急案件と非緊急案件で色分け表示するとともに、作業進捗状態(「出動」、「到着」、「作業中」)でも色分け表示して、一瞥して各作業車両の作業車両状態と現在位置が判別可能に表示する。更に、「出動」中の緊急案件については、走行速度が、例えば、50km/hで走行している場合と、それより低速で走行している場合を区別して表示することで、道路の渋滞状況が把握できる。更に、「作業中」の処理作業車両については、「到着」からの経過時間を表示シンボルの中或いは周辺に表示することで、進捗状況がより明確に把握できるようになる。このように、各作業車両2の動態情報を地図画面表示上に、シンボル表示及び色分け表示することにより、全作業車両の正確な情勢を全体的に把握できるとともに、特定の重点監視車両に対する管理強化を図ることができる。
以下に、別の実施形態につき説明する。
〈1〉上記実施形態では、車載コンピュータ端末3の各作業車両状態の走行データに基づく判断条件が複数ある場合に(例えば、「出動」の判断では、作業車両2の現在位置の変化(作業車両2の移動)の検知と、カーナビゲーション装置4から出力される自動経路誘導中を示す状態信号の受信の2つ)、その条件の1つだけが満足すれば当該作業車両状態に遷移したと判断する場合を説明したが、その全て、或いは、所定の組み合わせで、複数の条件が満足された場合に、当該作業状態であると判断するようにしても構わない。
〈2〉また、上記実施形態では、作業車両状態の判断は、カーナビゲーション装置4から出力される走行データまたは作業車両2のキースイッチのオンオフ状態で判断する場合を説明したが、作業担当者が、車載コンピュータ端末3上で、作業案件の案件データに作業進捗情報を追加して、作業指令サーバ装置11に送信する際に、作業車両状態が走行データまたは作業車両2のキースイッチのオンオフ状態によって当該作業進捗状態に変化したと判断されていない場合は、当該作業進捗情報の追加を認識することにより、当該作業進捗状態に変化したと判断して、当該作業車両状態を動態情報として生成し、動態管理装置10に送信するようにしても構わない。つまり、作業車両状態の判断材料として、作業担当者による作業車両状態の更新入力操作を、走行データまたはキースイッチのオンオフ状態に追加するのも好ましい。
〈3〉上記実施形態において、本発明システム1として、図1に示す構成を例に説明したが、本発明システム1の構成は、図1に示す構成例に限定されるものではない。
例えば、作業車両2と保安指令センター9間のデータ送受信の通信経路を、必ずしも、携帯電話等によるパケット通信網を利用したデータ通信回線と、ディジタルMCA方式等の無線通信回線22の2系統に分けて構成しなくても構わない。また、これらの通信経路における通信方式も、上記実施形態の方式に限定されるものではない。
更に、上記実施形態では、保安指令センター9内に、動態管理装置10と作業指令サーバ装置11を個別に構成した場合を例示したが、例えば、動態管理装置10が指令サーバ装置11内に構成されても構わない。
更に、上記実施形態では、動態管理装置10が各作業車両2の動態情報を、動態管理装置10に付属の表示装置に表示する場合を説明したが、別途大型の表示画面を用意して、該大型表示画面上に、各作業車両2の現在位置をシンボル表示するとともに、各種の動態情報を色分け表示等によって、地図画面表示上に表示するようにしても構わない。或いは、同画面表示を、各受付指令端末16の表示画面上に表示可能に構成しても構わない。
〈4〉上記実施形態では、各作業車両2内に設けられる車載コンピュータ端末3とカーナビゲーション装置4として、夫々、市販のノート型パソコンやカーナビゲーション装置を利用する場合を想定したが、車載コンピュータ端末3とカーナビゲーション装置4は、専用に設計された車載コンピュータ端末やカーナビゲーション装置であっても構わず、また、両装置3,4を統合した単体の装置であっても構わない。
〈5〉上記実施形態において例示した、作業車両状態の種類及び図2に例示した状態遷移図は、ガス漏洩やガス出不良等の異常通報や、供給管の削除や一部削除等の現場作業を伴うガス供給停止の依頼等の都市ガス供給に関する電話通報に対する作業車両の出動を想定した場合の一例であって、作業車両状態の種類及び各作業車両状態間の前後関係は、上記実施形態に限定されるものではない。
〈6〉上記実施形態における本発明システム1は、ガス漏洩やガス出不良等の異常通報や、供給管の削除や一部削除等の現場作業を伴うガス供給停止の依頼等の都市ガス供給に関する電話通報に対する作業車両の出動を想定した場合の一例であって、本発明システム1は、通報に対して作業車両を出動或いは派遣する種々の作業車両管理に適用可能である。
1: 本発明システムに係る動態管理システム
2: 作業車両
3: 車載コンピュータ端末
3a: 通信インタフェース
4: カーナビゲーション装置
5,15: 無線通信インタフェース
6: ポートリプリケータ
7: 車載バッテリ
8: プリンタ
9: 保安指令センター
10: 動態管理装置
11: 作業指令サーバ装置
12: 作業案件データベース
13,14: 通信サーバ装置
16: 受付指令端末
17: コンピュータネットワーク(LAN)
20: 公衆回線
21: 携帯電話中継器
22: 無線通信回線
2: 作業車両
3: 車載コンピュータ端末
3a: 通信インタフェース
4: カーナビゲーション装置
5,15: 無線通信インタフェース
6: ポートリプリケータ
7: 車載バッテリ
8: プリンタ
9: 保安指令センター
10: 動態管理装置
11: 作業指令サーバ装置
12: 作業案件データベース
13,14: 通信サーバ装置
16: 受付指令端末
17: コンピュータネットワーク(LAN)
20: 公衆回線
21: 携帯電話中継器
22: 無線通信回線
Claims (10)
- 作業車両の時間的に変動する動態情報を自動的に認識して管理する動態管理システムであって、
前記作業車両の運転走行を支援及び誘導するための情報を運転者に提供するカーナビゲーション装置と、前記カーナビゲーション装置から前記作業車両の走行に関する走行データを逐次取得し、前記走行データに基づき、前記作業車両を識別可能な形式での前記動態情報を生成し、前記動態情報を外部の動態管理装置に送信する制御を行う車載コンピュータ端末を、前記作業車両内に備えてなり、
前記車載コンピュータ端末が、少なくとも作業案件に対する所定の作業進捗状態を含む作業車両状態を、前記走行データに基づき検知し、検知した前記作業車両状態を前記動態情報として生成することを特徴とする動態管理システム。 - 前記車載コンピュータ端末は、前記作業車両状態の変化時に、変化した前記作業車両状態に対応する前記動態情報を前記動態管理装置に送信する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の動態管理システム。
- 前記車載コンピュータ端末は、前記作業車両の位置情報、走行速度、及び、走行方向の内、少なくとも前記位置情報を含む車両走行情報を前記カーナビゲーション装置から定期的に取得し、取得した前記車両走行情報を前記動態情報として定期的に前記動態管理装置に送信する制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の動態管理システム。
- 前記走行データが、前記作業車両の位置情報を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の動態管理システム。
- 前記走行データが、前記カーナビゲーション装置に対する自動経路誘導開始を示す信号、または、前記カーナビゲーション装置に対する自動経路誘導開始を示す信号と当該自動経路誘導の目的地の位置情報を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の動態管理システム。
- 前記走行データが、前記カーナビゲーション装置による自動経路誘導の終了を示す信号を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の動態管理システム。
- 前記車載コンピュータ端末が、前記作業車両状態を、前記作業車両のキースイッチのオンオフ状態に基づき検知し、検知した前記作業車両状態を前記動態情報として生成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の動態管理システム。
- 前記動態管理装置は、複数の前記作業車両から各別に受信した前記動態情報の一部または全部を、地図画面表示上の各対応位置に表示する表示装置を備えていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の動態管理システム。
- 前記車載コンピュータ端末が、前記作業案件に関する案件データを外部から受信可能に構成され、手持ちの作業案件が存在する状態で新規作業案件を受信した場合において、
前記新規作業案件の案件データに前記新規作業案件が緊急案件である旨のデータが含まれている場合は、前記新規作業案件の出動順位を、他の非緊急案件より高優先順位に設定し、
前記新規作業案件の案件データに前記新規作業案件が非緊急案件である旨のデータと訪問予定時刻データが含まれている場合は、前記案件データに前記訪問予定時刻データを含む全ての手持ちの非緊急案件に対して、前記訪問予定時刻データに基づいて、前記各非緊急案件の出動順位を再設定することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の動態管理システム。 - 前記車載コンピュータ端末が、前記作業案件に関する案件データを外部から受信可能に構成され、手持ちの作業案件の内、非緊急案件が複数存在する場合において、
前記カーナビゲーション装置に対して、前記複数の非緊急案件の一部または全部の各作業現場の位置情報を出力し、前記各作業現場を結ぶ最短の経路検索を実行させ、検索された経路に基づいて、前記複数の非緊急案件の出動順位を設定することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の動態管理システム。
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- 2004-08-19 JP JP2004239277A patent/JP2006059059A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071106 |