JP2014128887A - 積層体およびその製造方法ならびにガス分離膜 - Google Patents

積層体およびその製造方法ならびにガス分離膜 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス分離性能が高く、かつ、ガス透過流束が大きい積層体の提供。
【解決手段】膜厚が0.5nm〜10nmである液晶層1と、同じ種類のガスで比較したとき該液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層2とを含む積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層体およびその製造方法ならびにガス分離膜に関する。より詳しくは、水素、ヘリウム、一酸化炭素、二酸化炭素、硫化水素、酸素、窒素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、メタン、エタンなどの炭化水素、プロピレンなどの不飽和炭化水素、テトラフルオロエタンなどのパーフルオロ化合物などのガスを含有する気体混合物から特定の気体を効率よく分離し得る新規なガス分離膜として用いることができる積層体に関し、特に二酸化炭素を含む気体混合物から二酸化炭素を選択分離するガス分離膜として用いることができる積層体に関する。また、前記ガス分離膜として用いることができる積層体の製造方法に関する。また、本発明は前記積層体を含むガス分離膜にも関し、特に酸性ガスと非酸性ガスのガス混合物から少なくとも1種の酸性ガスを分離できるガス分離膜に関する。
従来より、高分子素材には、その素材に特有の気体透過性があるため、高分子素材から構成された高分子膜によって、気体成分を分離できることが知られていた。近年の地球環境温暖化における問題と関連して、火力発電所やセメントプラント、製鉄所高炉等の大規模な二酸化炭素発生源から二酸化炭素を省エネルギーで分離回収することの出来る可能性のある手段として高分子膜によって、気体成分を分離することが着目されている。天然ガスやバイオガス(生物の排泄物、有機質肥料、生分解性物質、汚水、ゴミ、エネルギー作物などの発酵、嫌気性消化により発生するガス)は主としてメタンと二酸化炭素の混合ガスであり、水素は一般的に天然ガスの水蒸気改質、水性ガスシフトを経て製造されており、その製造過程で、組成の約40%が二酸化炭素、約60%が水素の気体混合物が得られる。濃度の低い不純物である二酸化炭素を選択透過、除去させることができれば分離精製方法として経済的により優れているといえ、不純物を除去する手段として膜分離方法が検討されてきた(特許文献1、特許文献2)。
ところで、高分子膜における気体の透過性(透過係数)は気体の高分子膜への溶解度係数(溶解性)と拡散係数(拡散性)との積で表される(非特許文献1)。それゆえに、二酸化炭素の透過性(透過係数)を分離対象ガスに対して選択的に向上させるためには、二酸化炭素の高分子膜に対する溶解度係数(溶解性)及び/又は拡散係数(拡散性)を選択的に向上させればよいことになるが、一般的な高分子膜は選択性を上げると透過性が減少するというトレードオフの関係が知られており、問題となっていた。
従来、ガス分離膜は、主に支持機能を果たす多孔質層と主に分離機能を果たす緻密層とからなる非対称構造の積層体にし、且つガスの透過抵抗が生じる緻密層をガス透過速度が小さくならないように薄くして用いられている。特許文献3には、多孔質ポリアクリロニトリル構造支持体と、架橋したフェニル含有極性オルガノポリシロキサンを含むガター層と、特定のフッ素原子含有ポリイミドからなる極薄の選択膜層とを積層した複合ガス分離膜が開示されている。特許文献4には、脂肪族系の多孔質ポリイミド支持層と、フッ素原子含有ポリイミドからなる薄膜とを積層した気体用複合分離膜が開示されている。
特開2007−297605号公報 特開2006−297335号公報 特開平6−269650号公報 特開平8−52332号公報
永井一清監修 シーエムシー出版、「気体分離膜・透過膜・バリア膜の最新技術」、52−59頁
このような特許文献3および4に記載の複合膜では多孔質層の上に均一な薄膜を積層する必要があるが、本発明者が検討したところ多孔質層の上に均一な薄膜を形成するのは容易ではなく、これらの文献で示された方法によって高性能ガス分離膜を得るのは容易ではないことがわかった。すなわち、ガス分離性能が高く、かつ、ガス透過流束が大きい積層体は従来知られていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、ガス分離性能が高く、かつ、ガス透過流束が大きい積層体を提供することである。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討した結果、特定範囲の超薄膜の液晶層を緻密層として用い、該液晶層の上に任意の多孔質層などの高ガス透過性層を積層することにより、超薄膜な緻密層を用いることでガス透過流束を大きくすることができ、さらにガス分離性能も高くなることを見出し、本発明に至った。気体の透過流束は気体の透過性(透過係数)/膜厚で表され、膜厚を薄くすることで気体の透過性は向上させることはできないが、透過流束を向上させることができる。トレードオフの関係を克服することはできないが、超薄膜化によって気体の透過流束と、高分離選択性を両立することができる。
本発明が解決しようとする課題を解決するための具体的手段である本発明は、以下の構成である。
[1] 膜厚が0.5nm〜10nmである液晶層と、同じ種類のガスで比較したとき該液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層とを含むことを特徴とする積層体。
[2] 基板と、膜厚が0.5nm〜10nmである液晶層と、同じ種類のガスで比較したとき該液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層とをこの順で含むことを特徴とする積層体。
[3] [1]または[2]に記載の積層体は、前記液晶層が、重合性液晶化合物の配向状態を固定してなる光学異方性層であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の積層体は、前記高ガス透過性層が、架橋ポリマーを含有することが好ましい。
[5] [4]に記載の積層体は、前記架橋ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリイミドおよびポリアリルアミンから選択される少なくとも1種のポリマーを構成する繰り返し単位を有することが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の積層体は、前記基板がポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の積層体は、前記液晶層の平均粗さRaが1nm以下であることが好ましい。
[8] 基板上に、(A)重合性液晶化合物、(B)光重合開始剤および(C)有機溶媒を含む重合性液晶組成物を基板に0.5〜10nmの膜厚で塗布する塗布工程と、熱を加えて前記重合性液晶化合物を配向させる配向工程と、前記重合性液晶組成物に活性放射線を照射して液晶相を固定して液晶層を得る照射工程と、前記液晶層の上に、同じ種類のガスで比較したとき前記液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層を積層する工程と、含むことを特徴とする積層体の製造方法。
[9] [8]に記載の積層体の製造方法は、前記基板と、前記液晶層と、前記高ガス透過性層とをこの順で含む積層体から、前記基板を剥離することが好ましい。
[10] [8]または[9]に記載の積層体の製造方法は、前記基板がポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
[11] [8]〜[10]のいずれか一項に記載の積層体の製造方法で製造されたことを特徴とする積層体。
[12] [1]〜[7]および[11]のいずれか一項に記載の積層体を含むことを特徴とするガス分離膜。
[13] [12]に記載のガス分離膜は、酸性ガスと非酸性ガスのガス混合物から少なくとも1種の酸性ガスを分離できることが好ましい。
本発明によれば、ガス分離性能が高く、かつ、ガス透過流束が大きい積層体を提供することができる。
図1は、本発明の積層体の一例を示す断面概略図である。 図2は、本発明の積層体の他の一例を示す断面概略図である。
以下において、本発明の積層体や積層体の製造方法などについて詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[積層体、ガス分離膜]
<構成>
本発明の積層体は、膜厚が0.5nm〜10nmである液晶層と、同じ種類のガスで比較したとき該液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層とを含むことを特徴とする。また、本発明のガス分離膜は、本発明の積層体を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、ガス分離性能が高く、かつ、ガス透過流束が大きい高性能ガス分離膜として用いることができる。いかなる理論に拘泥するものでもないが、液晶層の膜厚を分子サイズのレベルに近い程度に制御することで、厚膜時とは異なる分子配列をすることにより、非常に緻密な液晶層が得られたものと考えられる。
図1にこのような構成の本発明の積層体の一例の断面概略図を示す。本発明の積層体4は、液晶層1と、高ガス透過性層2を有する。前記液晶層1と、高ガス透過性層2は、隣接していることが好ましい。
なお、本発明の積層体は、単独でガス分離膜として用いることができる。ただし、本発明のガス分離膜は、本発明の積層体であってもよく、あるいは、本発明の積層体に加えてその他のガス分離膜の一般的構成として公知な他の部材を含んでいてもよい。
また、本発明の積層体はさらに任意に剥離可能な基材を有する態様であってもよく、具体的には本発明の積層体は、基板と、膜厚が0.5nm〜10nmである液晶層と、同じ種類のガスで比較したとき該液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層とをこの順で含むことを特徴とする構成であってもよい。基板はガス非透過性であってもよく、このままの構成ではガス分離膜として使用できないこともあるが、超薄膜の緻密層である前記液晶層と、前記高ガス透過性層(例えば多孔質層)の積層体を剥離することで、ガス分離膜として用いることができる。
図2にこのような構成の本発明の積層体の一例の断面概略図を示す。本発明の積層体4は、基板3と、液晶層1と、高ガス透過性層2をこの順で有する。前記基板3および前記液晶層1、ならびに、前記液晶層1および高ガス透過性層2は、それぞれ隣接していることが好ましい。
<特性:ガス分離性能>
本発明の積層体およびガス分離膜は、酸性ガスと非酸性ガスのガス混合物から、少なくとも1種の酸性ガスを分離するためのガス分離膜であることが好ましい。
本発明の積層体は、前記酸性ガスと非酸性ガスの分離比(酸性ガスの透過流束/非酸性ガスの透過流束)が18以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、22以上であることが特に好ましい。前記酸性ガスと非酸性ガスの分離比の上限値については特に制限はない。
酸性ガスとしては、二酸化炭素、硫化水素、硫化カルボニル、硫黄酸化物(SOx)、及び窒素酸化物(NOx)が挙げられ、二酸化炭素、硫化水素、硫化カルボニル、硫黄酸化物(SOx)、及び窒素酸化物(NOx)から選択される少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくは二酸化炭素、硫化水素又は硫黄酸化物(SOx)であり、特に好ましくは二酸化炭素である。
本発明の積層体は、前記酸性ガスから選ばれる少なくとも1種の酸性ガスに対する透過流束が、40GPU以上であることが好ましく、50GPU以上であることがより好ましく、100GPU以上であることが特に好ましく、120GPU以上であることがより特に好ましい。前記酸性ガスの透過流束の上限値については特に制限はないが、例えば10000GPU以下とすることができ、5000GPU以下としてもよい。
なお、1GPU=1×10-6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)を表す。
前記非酸性ガスとしては水素、メタン、窒素、及び一酸化炭素から選択される少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくはメタン、水素であり、特に好ましくはメタンである。
<用途>
(ガス混合物の分離方法)
本発明の積層体は、少なくとも1種の酸性ガスと少なくとも1種の非酸性ガスを含む混合ガスから少なくとも1種の酸性ガスを分離する方法であって、酸性ガスが二酸化炭素、硫化水素、硫化カルボニル、硫黄酸化物(SOx)、及び窒素酸化物(NOx)から選択される少なくとも1種であり、非酸性ガスが水素、メタン、窒素、及び一酸化炭素から選択される少なくとも1種であり、ガス分離膜として本発明の積層体を用いたガス混合物の分離方法に用いることができる。
本発明の積層体を用いる気体の分離方法において、原料の気体混合物の成分は原料産地や用途又は使用環境などによって影響されるものであり、特に規定されるものではないが、ガス混合物の主成分が二酸化炭素及びメタン又は二酸化炭素及び水素であることが好ましい。すなわち、ガス混合物における二酸化炭素及びメタン又は二酸化炭素及び水素の占める割合が、二酸化炭素の割合として5〜50%であることが好ましく、更に好ましくは10〜40%である。ガス混合物が二酸化炭素や硫化水素のような酸性ガス共存下である場合、本発明の積層体を用いる気体の分離方法は特に優れた性能を発揮し、好ましくは二酸化炭素とメタン等の炭化水素、二酸化炭素と窒素、二酸化炭素と水素の分離において優れた性能を発揮する。
(ガス分離膜モジュール・気体分離装置)
本発明の積層体は、更にはこれを用いたガス分離膜モジュールとすることが好ましい。また、本発明の積層体又はガス分離膜モジュールを用いて、ガスを分離回収又は分離精製させるための手段を有する装置とすることができる。
本発明の積層体はモジュール化して好適に用いることができる。モジュールの例としては、スパイラル型、中空糸型、プリーツ型、管状型、プレート&フレーム型などが挙げられる。また本発明の積層体は、例えば、特開2007−297605号に記載のような吸収液と併用した膜・吸収ハイブリッド法としての気体分離回収装置に適用してもよい。
上記の優れた特性を有する本発明の積層体は、ガス分離回収法、ガス分離精製法に好適に用いることができる。
<基板>
本発明の積層体を構成することができる各層について、以下説明する。
本発明の積層体は、基板を有していても有していなくてもよい。
前記基板としては特に制限はなく、ガス非透過性であっても、ガス透過性であってもよいが、ガス非透過性であることが好ましい。
さらに、前記基板は表面が平滑な非多孔質膜であることが、非多孔質膜上で、均一な超薄膜として前記液晶層を形成することができる観点から好ましい。
(材料)
前記基板に用いられる材料としては特に制限はないが、高分子フィルムやガラスなどの固体であることが好ましい。さらに、高分子フィルムやガラスなどの固体上に、必要に応じて配向膜を形成してもよい。
前記基板として用いることができる高分子フィルムとしては、表面が平滑な非多孔質膜であることが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリイミド、トリアセチルセルロース(TAC)、などを主成分とするフィルムを挙げることができ、その中でも本発明では、前記基板がポリエチレンテレフタレートフィルムであることが、特に表面が平滑な非多孔質膜を得られ、結果として前記液晶層の表面粗さRaを小さくできる観点から、好ましい。
<液晶層>
本発明の積層体は、膜厚が0.5nm〜10nmである液晶層を有する。
(膜厚)
前記液晶層は膜厚が0.5〜10nmであり、また、膜厚を分子サイズのレベル(数〜数十Å)程度に制御することで、厚膜時とは異なる分子配列をすることにより、さらなる高分離選択性を得ることができる。前記液晶層の膜厚は0.5〜8nmであることが好ましく、0.5〜6nmであることがより好ましい。酸性ガスの透過流束を分離比よりも優先するときは前記液晶層の膜厚は0.5〜5nmであることが特に好ましい。
(平均粗さRa)
本発明の積層体は、前記液晶層の平均粗さRaが1nm以下であることが好ましく、0.6nm以下であることがより好ましく、0.5nm以下であることが特に好ましい。
(材料)
また、前記液晶層の材料としては特に制限はなく、公知の液晶化合物を用いることができる。本発明では、超薄層な前記液晶層が重合性液晶化合物の配向状態を固定してなる光学異方性層であることが、さらに均一な緻密層を形成することができる観点から好ましい。
前記液晶層に好ましく用いることができる重合性液晶化合物やその他の材料については、後述の本発明の積層体の製造方法において説明する。
<高ガス透過性層>
本発明の積層体は、同じ種類のガスで比較したとき前記液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層を含む。前記高ガス透過性層のガス透過流速は、前記液晶層のガス透過流束の1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることがさらに好ましい。
(膜厚)
前記高ガス透過性層は膜厚が0.1〜1000μmであることが好ましく、1〜200μmであることがより好ましく、1〜100μmであることが特に好ましい。
前記高ガス透過性層と、前記液晶層の厚みの比率は、特に規定されるものではないが、前記液晶層は透過性、分離選択性を発現する限りにおいてできる限り薄いことが望ましい。前記液晶層は膜厚に換算すると前記高ガス透過性層に対して0.001〜5%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1%であり、より好ましくは0.05〜0.5%である。
前記高ガス透過性層は、対象とする酸性ガスを吸収した際の耐可塑性、耐熱性、耐圧性及び機械強度付与などの観点から、架橋構造を有することが好ましく、アルデヒド基、エポキシド基、イソシアネート基、カルボジイミド基又はオキサゾリン基由来の架橋構造を有するポリマーを含むことが好ましい。
(材料:架橋ポリマー)
前記高ガス透過性層の材料としては特に制限はなく、公知の多孔質層などを用いることができる。公知の多孔質層としては、特開2011−161387号公報に記載のものを用いることができる。
本発明の積層体は、前記高ガス透過性層が、架橋ポリマーを含有することが好ましい。前記架橋ポリマーとしては特に限定されるものではないが、少なくとも1種のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリイミドおよびポリアリルアミンから選択される少なくとも1種のポリマーを構成する繰り返し単位を有していることが好ましい。これにより安定した架橋膜を作製できる、という効果がある。
(1)ポリイミドを構成する繰り返し単位
その中でも、前記架橋ポリマーが、ポリイミドを構成する繰り返し単位を有していることがより好ましい。前記ポリイミドとしては、(5,5’−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン−ビス−1,3−イソベンゾフランジオン(6FDA)タイプのポリイミドを好ましく用いることができ、特開平8−52332号公報、特開平6−269650号公報に記載のものをより好ましく用いることができる。
前記ポリイミドを構成する繰り返し単位を有している架橋ポリマーの重量平均分子量は、5000〜5000000であることが好ましく、8000〜3000000であることがより好ましく、10000〜2000000であることが特に好ましい。
前記架橋ポリマーが、ポリイミドを構成する繰り返し単位を有している場合、1,4−フェニレンおよびその誘導体の繰り返し単位、あるいは、1,3−フェニレンおよびその誘導体の繰り返し単位をさらに有することも好ましい。前記1,4−フェニレンおよびその誘導体の繰り返し単位としては、2,3,5,6−トリメチル−1,4−フェニレンを挙げることができる。前記1,3−フェニレンおよびその誘導体の繰り返し単位としては、5−カルボキシ−1,3−フェニレンを挙げることができる。
前記一般式(3)中、ポリイミドを構成する繰り返し単位に対する1,4−フェニレンおよびその誘導体の繰り返し単位の共重合比の好ましい範囲は、50〜90モル%であることが好ましく、70〜90モル%であることがより好ましい。
前記一般式(3)中、ポリイミドを構成する繰り返し単位に対する1,3−フェニレンおよびその誘導体の繰り返し単位の共重合比の好ましい範囲は、10〜50モル%であることが好ましく、10〜30モル%であることがより好ましい。
前記架橋ポリマーが、ポリイミドを構成する繰り返し単位を有している場合、下記一般式(3)で表されるポリマーが好ましい。
Figure 2014128887
前記一般式(3)中、ポリイミドを構成する繰り返し単位に対する2,3,5,6−トリメチル−1,4−フェニレン繰り返し単位の共重合比Xの好ましい範囲は、50〜90モル%であることが好ましく、70〜90モル%であることがより好ましい。
前記一般式(3)中、ポリイミドを構成する繰り返し単位に対する5−カルボキシ−1,3−フェニレン繰り返し単位の共重合比Yの好ましい範囲は、50〜90モル%であることが好ましく、70〜90モル%であることがより好ましい。
(2)ポリイミド以外の架橋ポリマー
ポリイミド以外の架橋ポリマーを用いてもよく、ポリイミド以外の架橋ポリマーとしてより好ましくは、少なくとも1種の下記一般式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)又は一般式(III)で表される繰り返し単位とを含む共重合体(以下架橋ポリマー(A1)と称する場合がある)を含むことが好ましい。
一般式(I)はポリビニルアルコールの繰り返し単位を表す。
Figure 2014128887
一般式(II)について説明する。
Figure 2014128887
(一般式(II)中、R1は水素原子又は置換基を表す。J1は−CO−、−COO−、−CONR2−、−OCO−、メチレン基、フェニレン基、又は−C64CO−基を表し、R2は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。W1は2価の連結基を表す。Aは解離性基を表す。)
一般式(II)中、R1は各々独立に水素原子又は置換基を表す。その置換基としては下記に示される置換基群Zより選ばれるいずれか1つを用いることができる。
置換基群Z:
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基であり、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環オキシ基であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環チオ基であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくはフッ素原子が挙げられる。)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、オキソ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリル基であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリルオキシ基であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は、更に上記置換基群Zより選択されるいずれか1つ以上の置換基により置換されてもよい。
1は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
1は−CO−、−COO−、−CONR2−、−OCO−、メチレン基、フェニレン基、又は−C64CO−基を表す。R2は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、その好ましい範囲は置換基Zで説明したアルキル基、アリール基の好ましい範囲と同義である。これらのうち、J1としては−CO−、−COO−又は−OCO−が好ましく、−COO−が特に好ましい。
1は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、オクチレン、デシレンなどが挙げられる。)、アルキレンオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキレンオキシ基であり、例えばメチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、へキシレンオキシ、オクチレンオキシ、デシレンオキシなどが挙げられる。)、アラルキレン基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜13のアラルキレン基であり、例えばベンジリデン、シンナミリデンなどが挙げられる。)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜15のアリーレン基であり、例えば、フェニレン、クメニレン、メシチレン、トリレン、キシリレンなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。更なる置換基としてはアルキル基、アルキレン基、アルコキシ基、シリル基、又はシリルオキシ基が挙げられ、アルキル基又はシリルオキシ基が好ましい。また、分子内にエーテル結合を有していることも好ましい。
1は、アルキレン基、アルキレンオキシ基又はシリルオキシ基が好ましい。
Aは解離性基を表し、好ましくは水中でのpKaが5以下の解離性基であり、具体的な例としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、−CONHSO2−R9、−SO2NHCO−R10又はSO2NHSO2−R11より選択される。R9、R10及びR11は置換基(好ましくはアルキル基又はアリール基であり、より好ましくはアルキル基)を表す。Aはより好ましくはカルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基であり、更に好ましくはカルボキシル基又はスルホン酸基である。
一般式(III)について説明する。
Figure 2014128887
(一般式(III)中、R3は水素原子又はアルキル基を表す。)
一般式(III)中、R3は水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基の場合、その好ましい範囲は前記置換基群Zで説明したアルキル基で挙げた好ましい範囲と同義であり、その中でも好ましくはメチル基である。
本発明の積層体において、架橋ポリマーが少なくとも1種の下記一般式(IV)で表される繰り返し単位を含有することが好ましく、少なくとも1種の一般式(IV)と少なくとも1種の一般式(V)で表される繰り返し単位とを含むポリマー(以下架橋ポリマー(A2)と称する場合がある)であることが更に好ましい。
架橋ポリマー(A2)は、−W2−Raにより一般式(IV)の繰り返し単位同士又は一般式(V)の繰り返し単位同士が連結されることで架橋構造を有する。
一般式(IV)について詳しく説明する。
Figure 2014128887
(一般式(IV)中、R4は各々独立に水素原子又は置換基を表す。L1はn価の連結基を表す。nは2以上の正の整数を表す。J2は−CO−、−COO−、−CONR5−、−OCO−、メチレン基、フェニレン基、又は−C64CO−基を表す。R5は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。W2は単結合又は2価の連結基を表す。Raはアルキレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を表す。複数存在するJ2、W2、R4及びRaは同一でも異なっていてもよい。)
一般式(IV)中、R4は各々独立に水素原子又は置換基を表す。その置換基の例としては前記置換基群Zで挙げた基より選択される。R4は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
1はn価の連結基を表し、その具体的な例としては下記の(L−1)〜(L−35)で表される構造単位又はこれらを組み合わせて構成される連結基を挙げることができる。
Figure 2014128887
前記(L−1)〜(L−35)より選択される基より構成されるL1はアルキレン基、アルキレンオキシ基又はアリーレン基が好ましく、アルキレン基、又はアルキレンオキシ基であることがより好ましく、分子内にエーテル結合を有していることが更に好ましい。このような架橋構造は多官能アルデヒド、多官能エポキシド、多官能イソシアネート又は多官能カルボジイミドといった架橋剤を用いることが好ましい。
2は−CO−、−COO−、−CONR5−、−OCO−、メチレン基、フェニレン基、又は−C64CO−基を表す。R5は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、その好ましい範囲は置換基Zで説明したアルキル基、アリール基の好ましい範囲と同義である。これらのうち、J2としては−CO−、−COO−又は−OCO−が好ましく、−COO−が特に好ましい。
2は単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、オクチレン、デシレンなどが挙げられる。)、アルキレンオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキレンオキシ基であり、例えばメチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、へキシレンオキシ、オクチレンオキシ、デシレンオキシなどが挙げられる。)、アラルキレン基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜13のアラルキレン基であり、例えばベンジリデン、シンナミリデンなどが挙げられる。)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜15のアリーレン基であり、例えば、フェニレン、クメニレン、メシチレン、トリレン、キシリレンなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。更なる置換基としてはヒドロキシ基又はハロゲン原子が好ましく、ヒドロキシ基又はフッ素原子がより好ましく、フッ素原子が特に好ましい。また、分子内にエーテル結合を有していることが好ましい。
2は、単結合、アルキレン基又はアルキレンオキシ基が好ましく、単結合であることが好ましい。
aはアルキレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を表す。アルキレングリコール残基又はプロピレングリコール残基の分子量は、好ましくは500〜1,000,000であり、より好ましくは500〜500,000であり、更に好ましくは1,000〜300,000である。
複数存在するJ2、W2、R4及びRaは同一でも異なっていてもよい。
nは2以上の正の整数を表し、2〜100が好ましく、2〜50がより好ましく、更に好ましくは2〜10である。
また一般式(IV)は下記の一般式(IVa)で表される化合物を重合させて形成されることが好ましい。
Figure 2014128887
(一般式(IVa)中、R4は各々独立に水素原子又は置換基を表す。L1はn価の連結基を表す。nは2以上の正の整数を表す。J2は−CO−、−COO−、−CONR5−、−OCO−、メチレン基、フェニレン基、又は−C64CO−基を表す。R5は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。W2は単結合又は2価の連結基を表す。Raはアルキレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を表す。複数存在するJ2、W2、R4及びRaは同一でも異なっていてもよい。)
一般式(IVa)中、R4、J2、W2、Ra、L1及びnは、前記一般式(IV)におけるR4、J2、W2、Ra、L1及びnと同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(V)について詳しく説明する。
Figure 2014128887
(一般式(V)中、R6は水素原子又は置換基を表す。J3は−CO−、−COO−、−CONR8−、−OCO−、メチレン基、フェニレン基、又は−C64CO−基を表す。R8は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。W3は単結合又は2価の連結基を表す。複数存在するJ3、W3、Rb、R6、R7は同一でも異なっていてもよい。Rbはアルキレングリコール残基、プロピレングリコール残基を表し、R7は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
一般式(V)中、R6は水素原子又は置換基を表す。その置換基の例としては前記置換基群Zで挙げた基より選択される。R6は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい
3は−CO−、−COO−、−CONR8−、−OCO−、メチレン基、フェニレン基、又は−C64CO−基を表す。R8は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、その好ましい範囲は置換基Zで説明したアルキル基、アリール基の好ましい範囲と同義である。これらのうち、J3としては−CO−、−COO−又は−OCO−が好ましく、−COO−が特に好ましい。
3は単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、オクチレン、デシレンなどが挙げられる。)、アルキレンオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキレンオキシ基であり、例えばメチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、へキシレンオキシ、オクチレンオキシ、デシレンオキシなどが挙げられる。)、アラルキレン基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜13のアラルキレン基であり、例えばベンジリデン、シンナミリデンなどが挙げられる。)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜15のアリーレン基であり、例えば、フェニレン、クメニレン、メシチレン、トリレン、キシリレンなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。更なる置換基としてはヒドロキシ基又はハロゲン原子が好ましく、ヒドロキシ基又はフッ素原子がより好ましく、フッ素原子が特に好ましい。また、分子内にエーテル結合を有していることが好ましい。
3は、単結合、アルキレン基又はアルキレンオキシ基が好ましく、単結合であることが好ましい。
bはアルキレングリコール残基、プロピレングリコール残基を表す。アルキレングリコール残基又はプロピレングリコール残基の分子量は、好ましくは500〜1,000,000であり、より好ましくは500〜500,000であり、更に好ましくは1,000〜300,000である。R7は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、好ましくはアルキル基である。
一般式(V)は1種の下記一般式(Va)で表される化合物を重合させて形成されることが好ましい。
Figure 2014128887
(一般式(Va)中、R6は水素原子又は置換基を表す。J3は−CO−、−COO−、−CONR8−、−OCO−、メチレン基、フェニレン基、又は−C64CO−基を表す。R8は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。W3は単結合又は2価の連結基を表す。Rbはアルキレングリコール残基、プロピレングリコール残基を表し、R7は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
一般式(Va)中、R6、R7、Rb、J3及びW3は、前記一般式(V)におけるR6、R7、Rb、J3及びW3と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
本発明の積層体において、架橋ポリマーが、主鎖構造が一般式(VI)で表されるポリエチレングリコール、一般式(VII)又は一般式(VIII)で表されるポリプロピレングリコール、又は一般式(IX)で表されるポリジメチルシロキサンより選択される繰り返し単位を有するポリマーであることも好ましい。
前記一般式(VII)〜(IX)で表される繰り返し単位が主鎖である場合、架橋ポリマー中の重量比として全体の30〜99%を占めていることが好ましく、より好ましくは40〜99%であり、更に好ましくは50〜99%を占めている場合である。主鎖部位の分子量は、分子鎖の絡み合いによる製膜性を付与する観点である程度の高分子量体であることが望ましく、好ましくは500〜1,000,000であり、より好ましくは500〜500,000であり、更に好ましくは1,000〜300,000である。
Figure 2014128887
〔一般式(X)で表される繰り返し単位〕
前記一般式(IV)で表される繰り返し単位が下記一般式(X)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2014128887
(一般式(X)中、W2及びW4は単結合又は2価の連結基を表す。R4及びR12は各々独立に水素原子又は置換基を表す。Raはアルキレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を表す。x及びzは1以上の正の整数を表す。)
一般式(X)中、W2、R4及びRaは前記一般式(IV)におけるW2、R4及びRaと同義である。W4はW2と同義である。R12はR4と同義であり、その好ましい範囲も同様である。x及びzは1以上の正の整数を表す。
前記一般式(X)で表される化合物が下記一般式(Xa)で表される化合物を重合させて形成されることが好ましい。
Figure 2014128887
(一般式(Xa)中、W2及びW4は単結合又は2価の連結基を表す。R4及びR12は各々独立に水素原子又は置換基を表す。Raはアルキレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を表す。)
一般式(Xa)中、R4、R12、W2、W4及びRaは、前記一般式(X)におけるR4、R12、W2、W4及びRaと同義であり、その好ましい範囲も同様である。
前記一般式(V)で表される繰り返し単位が下記一般式(XI)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2014128887
(一般式(XI)中、R6は水素原子又は置換基を表す。Rbはアルキレングリコール残基、プロピレングリコール残基を表し、R7は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。複数存在するR6、Rb、R7は同一でも異なっていてもよい。)
一般式(XI)中、R6、R7及びRbは、前記一般式(V)におけるR6、R7及びRbと同義であり、その好ましい範囲も同様である。
前記一般式(XI)で表される化合物が下記一般式(XIa)で表される化合物を重合させて形成されることが好ましい。
Figure 2014128887
(一般式(XIa)中、R6は水素原子又は置換基を表す。Rbはアルキレングリコール残基、プロピレングリコール残基を表し、R7は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
一般式(XIa)中、R6、R7及びRbは、前記一般式(XI)におけるR6、R7及びRb同義であり、その好ましい範囲も同様である
一般式(I)で表される繰り返し単位と、一般式(II)又は一般式(III)で表される繰り返し単位とを含む共重合体は、例えば、一般式(I)として酢酸ビニルを原料とし、一般式(II)及び一般式(III)として、例えば下記のモノマー(M−1〜M−20)を原料の例として共重合することにより得ることができるが、本発明はこれらに限るものではない。
Figure 2014128887
架橋ポリマー(A1)における一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量は、架橋ポリマー(A1)を構成する全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは25〜70モル%である。
架橋ポリマー(A1)における一般式(II)又は一般式(III)で表される繰り返し単位の含有量は、架橋ポリマー(A1)を構成する全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは25〜70モル%である。
一般式(II)又は一般式(III)で表される繰り返し単位は、一般式(I)で表される繰り返し単位に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは25〜70モル%である。
前記一般式(IV)〜一般式(V)で表される繰り返し単位は、それぞれの繰り返し単位に対応するモノマーを共重合させることにより得ることができる。そのモノマーとして好ましい具体例(例示モノマーM−21〜M−50)を以下に挙げるが、本発明はこれらに限るものではない。また具体例におけるp、q及びrは任意の正の整数を表す。
Figure 2014128887
Figure 2014128887
架橋ポリマー(A2)における一般式(IV)で表される繰り返し単位の含有量は、架橋ポリマー(A2)を構成する全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは25〜70モル%である。
架橋ポリマー(A2)における一般式(V)で表される繰り返し単位の含有量は、架橋ポリマー(A2)を構成する全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは25〜70モル%である。
一般式(IV)で表される繰り返し単位は、一般式(V)で表される繰り返し単位に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは25〜70モル%である。
本発明の積層体に用いることができる架橋ポリマーは、三次元架橋構造であるため、分子量としては特に規定できるものではないが、架橋構造部分を除く主鎖又は側鎖としての重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜100,000であり、より好ましくは1,000〜50,000であり、更に好ましくは2,000〜15,000である。
同様にして、架橋ポリマーの分散度は、全体としては特に規定できるものではないが、主鎖又は側鎖としては、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることが更に好ましい。この範囲であれば、より優れた製膜性、機械強度を達成することが可能となる。
架橋ポリマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋ポリマーの含有量は、分離活性膜を形成する組成物中の全固形分を基準として、0.1〜90質量%であることが好ましく、1〜70質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることが更に好ましい。
一般式(II)〜一般式(V)の繰り返し単位を含むポリマーを合成するための前記各化合物は、市販されているものを使っても良く、また容易に合成することもできる。
架橋ポリマーは、他のモノマーとの共重合体であってもよい。用いられる他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーも挙げられる。このようなモノマー類を共重合させることで、製膜性、膜強度、親水性、疎水性、溶解性、反応性、安定性等の諸物性を改善することができる。
モノマーの合成法としては、例えば丸善株式会社 日本化学会編の「第5版 実験科学講座16 有機化合物の合成(IV)」におけるエステル合成の項目や「第5版 実験科学講座26 高分子化学」におけるモノマーの取り扱い、精製の項目などを参考とすることができる。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は、基板上に、(A)重合性液晶化合物、(B)光重合開始剤および(C)有機溶媒を含む重合性液晶組成物を基板に0.5〜10nmの膜厚で塗布する塗布工程と、熱を加えて前記重合性液晶化合物を配向させる配向工程と、前記重合性液晶組成物に活性放射線を照射して液晶相を固定して液晶層を得る照射工程と、前記液晶層の上に、同じ種類のガスで比較したとき前記液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層を積層する工程と、含むことを特徴とする。
さらに、本発明の積層体の製造方法は、前記基板と、前記液晶層と、前記高ガス透過性層とをこの順で含む積層体から、前記基板を剥離することが、ガス分離膜として用いられる前記液晶層と前記高ガス透過性層の積層体を得る観点から好ましい。
本発明の積層体は、高分子フィルムやガラスなどの基板上に、必要に応じて配向膜を形成し、その表面に後述の(A)重合性液晶化合物、(B)光重合開始剤および(C)有機溶媒を含有した液晶性組成物塗布液を塗布、乾燥、配向させ固定化して液晶層を形成し、さらにその表面に後述の溶媒を含有した架橋ポリマーを含有したポリマー塗布液を塗布、乾燥させて高ガス透過性層を形成することがより好ましい。
本発明の積層体の製造方法の詳細について以下に述べる。
<重合性液晶組成物の塗布工程>
本発明の積層体の製造方法は、基板上に、(A)重合性液晶化合物、(B)光重合開始剤および(C)有機溶媒を含む重合性液晶組成物を基板に0.5〜10nmの膜厚で塗布する塗布工程を含む。
前記基板としては、本発明の積層体の説明で挙げたものを用いることができる。その中でも、表面が平滑な非多孔質膜である基板上に超薄膜の緻密層である液晶層を形成し、その上層に支持機能を果たす多孔質層を設けることが、多孔質膜状に液晶層を形成するよりも、非多孔質膜上に超薄膜である液晶層を形成する方が均一な超薄膜が得られるやすくなる観点から、好ましい。
本発明の積層体の製造方法は、前記基板が、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。
前記重合性液晶組成物の前記基板への塗布は、前記重合性液晶組成物である塗布液を公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、インクジェット装置を用いて吐出して形成してもよい。
<配向工程、照射工程>
本発明の積層体の製造方法は、熱を加えて前記重合性液晶化合物を配向させる配向工程を含む。
さらに本発明の積層体の製造方法は、前記重合性液晶組成物に活性放射線を照射して液晶相を固定して液晶層を得る照射工程を含む。
前記液晶層の作製方法における配向工程および照射工程の詳細を記述する。
液晶層の液晶相を「固定化」したという状態は、液晶層に含まれる液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該光学異方性膜に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を指すものである。
本発明において配向状態を固定化する方法としては、前記重合性液晶組成物を一旦、液晶相形成温度まで加熱し、次にその配向状態を維持したまま冷却することにより、その液晶状態における配向形態を損なうことなく固定化することで形成できる。また、重合開始剤を添加した前記重合性液晶組成物を液晶相形成温度まで加熱し配向した後、重合することによって液晶状態の配向状態を固定化することで形成できる。後者の重合反応により行うことが好ましい。なお、本発明においては、液晶層が最終的に形成された際に、そのガス透過性が保持されていれば液晶化合物はもはや液晶性である必要はない。例えば、低分子の液晶性化合物が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合又は架橋し、高分子量化して液晶性を失ってもよい。
前記重合性液晶組成物塗布液は重合性ネマチック液晶性化合物と重合開始剤と溶媒とを混合することにより得られる。液晶性化合物は単独又は複数使用してもよい。例えば、重合性の液晶化合物と非重合性の液晶化合物との併用が可能である。また、低分子液晶化合物と高分子液晶化合物との併用も可能である。更に、配向の均一性や塗布適性、膜強度を向上させるために水平配向剤やムラ防止剤、ハジキ防止剤、重合性モノマーなどを添加しても良い。液晶性組成物塗布液は、必要に応じてさらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を光学的性能を低下させない範囲で添加できる。
前記ポリマー層の作製方法を記述する。ポリマー塗布液は架橋ポリマーと溶媒を混合することにより得られる。これを塗布、乾燥することでポリマー層は形成される。
(液晶化合物)
液晶化合物としては、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物などがある。
前記棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特願2001−64627号などに記載の化合物を用いることができる。また、重合性棒状液晶化合物として好ましくは、下記一般式(1)にて表される重合性棒状液晶化合物である。
一般式(1) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−L4−Q2
(一般式(1)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1、2または3である。)
以下にさらに一般式(1)で表される重合性棒状液晶化合物について説明する。
一般式(1)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2014128887
一般式(1)中、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基である。L1およびL4はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−C=N−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子である。Rは、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが上げられる。
二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義および例と同様である。
一般式(1)中、L2またはL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L2およびL3はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−C=N−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基または単結合であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。二価の鎖状基、および二価の環状基についてはL1およびL4の定義と同義である。
2またはL3として好ましい二価の連結基としては、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−OCONR−、−COS−、−SCO−、−CONR−、−NRCO−、−CH2CH2−、−C=C−COO−、−C=N−、−C=N−N=C−、等が挙げられる。
一般式(1)において、nは0、1、2または3である。nが2または3の場合、二つのL3は同じであっても異なっていても良く、二つのCy2も同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
一般式(1)において、Cy1、Cy2およびCy3は、それぞれ独立に、二価の環状基である。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1、4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1、5−ジイルおよびナフタレン−2、6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1、4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2、5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2、5−ジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルホ゛ニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアシルアミノ基が含まれる。
以下に、一般式(1)で表される重合性棒状液晶化合物の例を示す。本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014128887
Figure 2014128887
Figure 2014128887
Figure 2014128887
また、前記棒状液晶化合物としては、前記一般式(1)で表される重合性棒状液晶化合物に加え、少なくとも一種の下記一般式(2)で表される化合物を併用することが好ましい。
一般式(2)
1−(L1)p−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−(L4)q−M2
(一般式(2)中、M1およびM2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ハロゲン、−SCN、−CF3、ニトロ基、または、Q1を表すが、M1およびM2の少なくとも一つは、Q1以外の基を表す。
ただし、Q1、L1、L2、L3、L4、Cy1、Cy2、Cy3およびnは前記一般式(1)で表される基と同義である。また、pおよびqは0、または1である。)
1およびM2がQ1を表さない場合、M1およびM2は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは、フェニル基であり、pおよびqは0であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と、一般式(2)で表される化合物の混合物中における、一般式(2)で表される化合物の好ましい混合比率としては、0.1%〜40%であり、より好ましくは、1%〜30%であり、更に好ましくは、5%〜20%である。
以下に、一般式(2)で表される化合物の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014128887
Figure 2014128887
前記円盤状液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。円盤状液晶性化合物の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。円盤状液晶性化合物を重合により固定するためには、円盤状液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。即ち、光硬化型円盤状液晶性化合物は、下記式(II)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(II)
D(−L−P)n
(一般式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。)
前記式(II)中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)および重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。
((B)光重合開始剤)
前記重合性液晶組成物は、硬化性組成物であるのが好ましく、そのためには、光重合開始剤を含有しているのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応と電子線照射による重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、液晶組成物(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。液晶化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、50mJ/cm2〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。
重合の反応率は光学異方性膜の機械的強度の保持や未反応物が液晶層等に流出するのを抑える等の観点から、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがよりさらに好ましい。重合反応率を向上させるためには照射する紫外線の照射量を増大する方法や窒素雰囲気下あるいは加熱条件下での重合が効果的である。また、一旦重合させた後に、重合温度よりも高温状態で保持して熱重合反応によって反応をさらに推し進める方法や、再度紫外線を照射する方法も用いることができる。重合反応率の測定は重合反応性の結合基の赤外振動スペクトルの吸収強度を重合前後で比較することによって行うことができる。
((C)有機溶媒)
本発明の積層体の製造方法では、前記重合性液晶組成物の溶媒としては、(C)有機溶媒が用いられる。前記有機溶媒としては特に制限はなく、公知の溶剤を用いることができる。例えば、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示できる。
本発明の積層体の製造方法では、前記重合性液晶組成物中に1種又は2種以上の有機溶媒を用いることができ、2種以上の有機溶媒を用いることが好ましい。
塗膜形成性や生産効率などの観点で、前記重合性液晶組成物中における有機溶媒の添加量は、50質量%〜90質量%であることが好ましく、40質量%〜85質量%であることがさらに好ましい。
(配向制御剤)
前記液晶性組成物中に、含フッ素アクリレートもしくは下記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の少なくとも一種を含有させることで、空気界面において液晶性化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶性化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が出にくいため可視光領域での透明性が高くなり、また赤外領域での反射率が増大する。一方、液晶性化合物のチルト角が大きい場合には、コレステリックの螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生しヘイズの増大や回折性を示すため好ましくない。
以下、下記一般式(X1)〜(X3)について、順に説明する。
Figure 2014128887
(一般式(X1)中、R1、R2及びR3は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、X1、X2及びX3は単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(X1)中、R1〜R3で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基又はフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。
1、X2及びX3で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、―NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−及び−SO2−からなる群より選ばれる二価の連結基又は該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
Figure 2014128887
(一般式(X2)中、Rは置換基を表し、mは0〜5の整数を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRは同一でも異なっていてもよい。)
一般式(X2)中、Rとして好ましい置換基は、R1、R2及びR3で表される置換基の好ましい範囲として挙げてものと同じである。
mは、好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは2又は3である。
Figure 2014128887
(一般式(X3)中、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立して、水素原子又は置換基を表す。R4、R5、R6、R7、R8及びR9でそれぞれ表される置換基は、好ましくは一般式(X1)におけるR1、R2及びR3で表される置換基の好ましいものとして挙げたものである。
本発明に用いられる水平配向剤については、特願2003−331269号明細書(特開2005−099258号公報)に記載の化合物を用いることができ、それら化合物の合成法も該明細書に記載されている。
前記一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される化合物の添加量としては、液晶性化合物の質量の0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。なお、前記一般式(X1)〜(X3)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
<高ガス透過性層を積層する工程>
本発明の積層体の製造方法は、前記液晶層の上に、同じ種類のガスで比較したとき前記液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層を積層する工程を含む。
前記高ガス透過性層を前記液晶層の上に積層する方法としては特に制限はなく、例えば塗布により積層することができる。
前記高ガス透過性層を形成する方法としては、前記架橋性ポリマーを有する架橋性ポリマー含有組成物を前記液晶層の上に塗布することが好ましい。前記架橋性ポリマー含有組成物の前記液晶層への塗布方法としては、前記重合性液晶組成物の塗布方法として挙げた方法を挙げることができる。
前記架橋性ポリマー含有組成物の溶媒としては、有機溶媒が用いられる。前記有機溶媒としては特に制限はなく、前記重合性液晶組成物の有機溶媒として挙げた有機溶媒を挙げることができる。その他、特開2011−161387号公報に記載の溶媒を用いることができる。
前記架橋性ポリマー含有組成物には、その他の添加剤を添加してもよく、添加剤としては、特開2011−161387号公報などに記載のものを用いることができる。
前記高ガス透過性層は前記架橋性ポリマー含有組成物を硬化して形成されてなることが好ましい。光硬化の場合、公知の光重合開始剤を前記架橋性ポリマー含有組成物に添加することが好ましい。熱硬化の場合、40℃〜250℃で加熱することが好ましく、40℃〜180℃で加熱することがより好ましい。加熱時間は使用する膜素材、濃度、開始剤又は架橋剤の添加量によって影響を及ぼされるため、膜を形成するのに十分な温度と時間により決まるものであるが一般的には10分〜24時間が好ましく、1時間〜12時間がより好ましい。加熱は各種オーブン、ホットプレート、送風機などを用いることにより行うことができる。
<基材を剥離する工程>
本発明の積層体の製造方法は、前記基板と、前記液晶層と、前記高ガス透過性層とをこの順で含む積層体から、前記基板を剥離することが好ましい。この工程により、前記基板を含まず、前記液晶層と前記高ガス透過性層を含み、かつ、ガス分離膜として好適に用いられる本発明の積層体を容易に製造することができる。
前記基板と、前記液晶層と、前記高ガス透過性層とをこの順で含む積層体から、前記基板を剥離する方法としては、特に制限はなく、例えば、粘着テープを用いて剥離することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1〜6、比較例1〜3]
<液晶層形成>
下記表1および2に示す塗布液(A)、(B)の処方に調製した塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが1〜4000nmになるように、富士フイルム製PET(膜厚75μm)、またはPET不織布上にPDMSエマルジョン(45%(w/v)、Toray Dow Corning Silicone製)を塗布し、16時間乾燥させた多孔質PDMSフィルム(膜厚150μm)上に、室温にて塗布した。
室温にて30秒間乾燥させた後、125℃の雰囲気で2分間加熱し、その後95℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を作製した。
塗布液(A)
Figure 2014128887
塗布液(B)
Figure 2014128887
Figure 2014128887
Figure 2014128887
Figure 2014128887
上記にて得られた液晶層の膜厚はFE3000(大塚電子)で、0.5mm間隔で200点(100mm幅)測定した。
上記にて得られた液晶層のRaは同じくFE3000(大塚電子)で測定した結果より算出した。
得られた各実施例および比較例の積層体作製用の液晶層の膜厚およびRaの測定結果を、下記表4に記載した。
<高ガス透過性層形成>
下記表3に示す塗布液(C)の処方に調製した塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが1.3〜1.6μmになるように、上記で作製した液晶層上に、室温にて塗布した(比較例3の多孔質PDMS下地は除く)。
室温にて30秒間乾燥させた後、70℃の雰囲気で120分間加熱し、高ガス透過性層を作製した。
Figure 2014128887
Figure 2014128887
X=80、Y=20
重量平均分子量MW=93000。
<基板の剥離>
上記液晶層、高ガス透過性層の積層体を下地として用いた基材から、粘着テープを用いて剥離し(比較例3の多孔質PDMS下地は液晶層を下地から剥離せず)た。このようにして、液晶層および高ガス透過性層が積層された各実施例および比較例の積層体を作製した(ただし、比較例3の多孔質PDMS下地は高ガス透過性層なし)。
<評価>
(ガス透過性能の測定および計算)
上記にて得られた各実施例および比較例の積層体について、GTR−11A(GTRテック製)を用いて、圧力200kPa、温度40℃の条件でCO2の透過係数と、CH4の透過係数を測定した。
CO2透過流束と、CH4の透過流束は透過係数を膜厚で割って計算した。
分離比は、CO2の透過流束をCH4の透過流束で割って計算した。
また、参考例4〜10に下記の式1により、実施例1の液晶層のみの透過流束を算出し、記載した。
Figure 2014128887
(Q:各層のガス透過流束を表す。)
得られた結果を下記表4に記載した。
Figure 2014128887
上記表4より、本発明の積層体はCO2とCH4の分離比が良好であり、CO2ガス透過流束が大きい高性能ガス分離膜であることがわかった。
一方、液晶層の膜厚を本発明で規定する上限値を超える範囲とした比較例1および2の積層体は、CO2とCH4の分離比が悪いことがわかった。
また、高ガス透過性層を積層しなかった比較例3の積層体は、膜になっていない部分があり、ガス透過性能やガス分離比は測定不能であった。
1 液晶層
2 高ガス透過性層
3 基板
4 積層体

Claims (13)

  1. 膜厚が0.5nm〜10nmである液晶層と、同じ種類のガスで比較したとき該液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層とを含むことを特徴とする積層体。
  2. 基板と、膜厚が0.5nm〜10nmである液晶層と、同じ種類のガスで比較したとき該液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層とをこの順で含むことを特徴とする積層体。
  3. 前記液晶層が、重合性液晶化合物の配向状態を固定してなる光学異方性層であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記高ガス透過性層が、架橋ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記架橋ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリイミドおよびポリアリルアミンから選択される少なくとも1種のポリマーを構成する繰り返し単位を有することを特徴とする請求項4に記載の積層体。
  6. 前記基板がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記液晶層の平均粗さRaが1nm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 基板上に、(A)重合性液晶化合物、(B)光重合開始剤および(C)有機溶媒を含む重合性液晶組成物を基板に0.5〜10nmの膜厚で塗布する塗布工程と、
    熱を加えて前記重合性液晶化合物を配向させる配向工程と、
    前記重合性液晶組成物に活性放射線を照射して液晶相を固定して液晶層を得る照射工程と、
    前記液晶層の上に、同じ種類のガスで比較したとき前記液晶層に対してガス透過流束が1.0倍以上である高ガス透過性層を積層する工程と、
    を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
  9. 前記基板と、前記液晶層と、前記高ガス透過性層とをこの順で含む積層体から、前記基板を剥離することを特徴とする請求項8に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記基板がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項8または9に記載の積層体の製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の積層体の製造方法で製造されたことを特徴とする積層体。
  12. 請求項1〜7および11のいずれか一項に記載の積層体を含むことを特徴とするガス分離膜。
  13. 酸性ガスと非酸性ガスのガス混合物から少なくとも1種の酸性ガスを分離できることを特徴とする請求項12に記載のガス分離膜。
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