JP2014128769A - 半透膜支持体、半透膜支持体の製造方法及び半透膜 - Google Patents

半透膜支持体、半透膜支持体の製造方法及び半透膜 Download PDF

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Abstract

【課題】耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性に優れた半透膜支持体を提供することを目的とする。
【解決手段】繊維成分としてポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維を含む繊維シートを熱処理してなる半透膜支持体であって、上記ポリオレフィン系バインダー繊維がポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低融点ポリプロピレン系樹脂を鞘材とする第1の芯鞘型複合繊維と、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第2の芯鞘型複合繊維とを含み、平滑度が2秒以上120秒以下であり、通気度が0.2cc/cm・秒以上50.0cc/cm・秒以下であり、5%伸長時の引張強度が1.0kN/m以上であり、坪量が20g/m以上であることを特徴とする半透膜支持体により上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は半透膜支持体、半透膜支持体の製造方法及び半透膜に関する。
現在、半透膜は、一定の大きさの分子又はイオンのみを透過するという特性を利用して、脱塩、透析、排水処理等の分野で幅広く使用されている。また、半透膜は、その機械的強度向上の観点から、半透膜支持体と組み合わせたものが多く用いられている。上記半透膜支持体としては、一般に、パルプ繊維を抄紙して得られる紙のほか、ポリエステル樹脂から形成したシート等が用いられる。しかし、半透膜は様々な条件下で用いられ、半透膜をアルカリ溶液中で用いた場合、上記半透膜支持体はアルカリによって劣化し易く、溶液の裏抜け等の性能低下、破損、損傷等を起こすことがある。
上記のような不都合に対して、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、高密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする芯鞘型複合繊維を含む繊維シートを熱処理してなる耐アルカリ性に優れた半透膜支持体が開発されている(特開2012−106177号公報参照)。しかし、高密度ポリエチレン自体は通常用いられる樹脂と比較して強度が低く、半透膜支持体の強度は不十分な場合が多い。また、高密度ポリエチレンの融点は通常130℃であり、半透膜支持体の製造時の熱処理温度によっては高密度ポリエチレンが熱処理時に十分軟化せず、その結果半透膜支持体表面の平滑性が不十分な場合がある。この場合、半透膜と半透膜支持体との間の接着性は低下し易い。
特開2012−106177号公報
本発明は、上記のような不都合に鑑みてなされたものであり、耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性に優れた半透膜支持体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記不都合を解決するために鋭意検討を重ねた結果、鞘材として低融点ポリプロピレン系樹脂を含有する第1の芯鞘型複合繊維と鞘材として低密度ポリエチレン系樹脂を含有する第2の芯鞘型複合繊維を使用し、熱処理してなる半透膜支持体の平滑度、通気度、5%伸長時の引張強度及び坪量を好適な範囲に設定することで耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性に優れた半透膜支持体を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するためになされた発明は、
繊維成分としてポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維を含む繊維シートを熱処理してなる半透膜支持体であって、
上記ポリオレフィン系バインダー繊維がポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低融点ポリプロピレン系樹脂を鞘材とする第1の芯鞘型複合繊維と、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第2の芯鞘型複合繊維とを含み、
平滑度が2秒以上120秒以下であり、
通気度が0.2cc/cm・秒以上50.0cc/cm・秒以下であり、
5%伸長時の引張強度が1.0kN/m以上であり、
坪量が20g/m以上であることを特徴とする半透膜支持体である。
当該半透膜支持体は繊維成分としてポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維を含むため、当該半透膜支持体は耐アルカリ性に優れる。また、高密度ポリエチレン系樹脂等他の樹脂のものより比較的低い融点を有する低密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする芯鞘型複合繊維と低密度ポリエチレン系樹脂よりもさらに低い軟化点を有する低融点ポリプロピレン系樹脂を鞘材とする芯鞘型複合繊維を含有するため、熱処理時の初期に低温で低融点ポリプロピレン系樹脂でポリオレフィン系主体繊維やポリオレフィン系バインダー繊維を毛羽立ちが生じない程度に弱く接着した後、さらに熱処理が進んだ段階で低密度ポリエチレン系樹脂がポリオレフィン系主体繊維やポリオレフィン系バインダー繊維を接着する2段階の接着が行われることで、上記範囲内の坪量で充分な強度を有し、半透膜支持体の5%伸長時の引張強度を上記範囲内とすることができ、半透膜を高圧下で用いた場合であっても、当該半透膜支持体は十分な強度を有することができる。さらに、半透膜支持体の平滑度、通気度及び坪量を好適な範囲に容易に制御することができ、当該半透膜支持体は十分な嵩高さや空隙を有しつつ、その表面の平滑性を高めることができ、その結果半透膜との接着性を高めることもできる。
上記繊維成分中の上記第1の芯鞘型複合繊維の含有率は10質量%以上50質量%以下であり、第2の芯鞘型複合繊維の含有率は10質量%以上65質量%以下であることが好ましい。含有率を上記範囲内とすることで、熱処理によるシート化が容易に可能となり、半透膜支持体の強度をさらにより高めることができ好ましい。
上記ポリオレフィン系バインダー繊維はポリプロピレン系樹脂を芯材とし、高密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第3の芯鞘型複合繊維をさらに含むことが好ましい。ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、高密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第3の芯鞘型複合繊維は、半透膜支持体の強度をより高めることができ好ましい。
上記繊維成分中の上記第3の芯鞘型複合繊維の含有率は5質量%以上65質量%以下であることが好ましい。含有率を上記範囲内とすることで、透膜支持体の強度をさらにより高めることができ好ましい。
上記ポリオレフィン系主体繊維はポリプロピレン系繊維を含むことが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は耐熱性に優れ、熱処理での繊維の目詰まりを防止し、適度な通気度、平滑性を容易に得ることができ好ましい。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
当該半透膜支持体の製造方法であって、
繊維成分として上記ポリオレフィン系主体繊維及び上記ポリオレフィン系バインダー繊維を含む上記繊維シートを100℃以上130℃以下の温度で熱処理する工程を有する半透膜支持体の製造方法である。比較的低温の熱処理温度であっても、当該半透膜支持体を容易に製造することができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
当該半透膜支持体を備えた半透膜である。当該半透膜支持体は耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性に優れるため、同様の物性を有する半透膜を製造することができる。
本発明によれば、耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性に優れた半透膜支持体を提供することができる。
当該半透膜支持体は、繊維成分としてポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維を含む繊維シートを熱処理してなる半透膜支持体であって、
上記ポリオレフィン系バインダー繊維がポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低融点ポリプロピレン系樹脂を鞘材とする第1の芯鞘型複合繊維と、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第2の芯鞘型複合繊維とを含み、
平滑度が2秒以上120秒以下であり、
通気度が0.2cc/cm・秒以上50.0cc/cm・秒以下であり、
5%伸長時の引張強度が1.0kN/m以上であり、
坪量が20g/m以上であることを特徴とする半透膜支持体である。以下、当該半透膜支持体等について詳説する。
<繊維シート>
当該半透膜支持体は、繊維成分としてポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維を含む繊維シートを熱処理することで得られる。また、繊維シートは、増粘剤、分散剤及、消泡剤等の製紙用薬剤の存在下に製造することもできるため、上記製紙用薬剤を少量含んでいてもよい。
<ポリオレフィン系主体繊維>
上記繊維シートは繊維成分としてポリオレフィン系主体繊維を含む。これらは、熱処理時に溶解せず、半透膜支持体として必要な通気度、平滑度を得る機能を有する。
「ポリオレフィン系主体繊維」とは、半透膜支持体を製造する際の熱処理工程時に熱可塑性を示さない、単量体成分としてオレフィン系単量体を含むポリオレフィン系繊維をいう。ポリオレフィン系主体繊維としては、例えばポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維等が挙げられる。
これらの中では、ポリプロピレン系繊維が好ましい。即ち、上記ポリオレフィン系主体繊維はポリプロピレン系繊維を含むことが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は耐熱性に優れ、半透膜支持体の熱処理での目詰まりを防止し、通気度、平滑度を容易に調整することができ好ましい。
「ポリプロピレン系樹脂」とは、160℃以上170℃以下の融点を有し、単量体成分としてプロピレンを主に含む樹脂をいう。ポリプロピレン系樹脂は、上記範囲の融点を有する限り、ホモポリマーであってよく、コポリマーであってもよい。コポリマーとしては、ブロックコポリマーであってよく、ランダムコポリマーであってもよい。コモノマー成分としては、特に限定されず、例えばエチレン、1−ブテン、スチレン、アクリル系モノマー等が挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂は、イソタクチックであってよく、シンジオタクチックであってもよい。
繊維成分は本発明の効果を損なわない範囲で少量のその他の主体繊維を含むこともできる。その他の主体繊維としては、特に限定されず、例えばポリエステル系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ベンゾエート系、フェノール系等の公知のものが挙げられる。
ポリオレフィン系主体繊維は、通常単一繊維であるが、本発明の効果を損なわない限り、上記その他の主体繊維を少量含む複合繊維であってもよい。複合繊維としては、特に限定されず、例えば芯鞘型、積層型、サイドバイサイド型、偏芯型等が挙げられる。
上記繊維成分中の上記ポリオレフィン系主体繊維の含有率は、特に限定されず、通常5質量%以上40質量%以下、好ましくは10質量%以上35質量%以下である。含有率を上記範囲内とすることで、半透膜支持体の通気度、平滑度を容易に調整できる傾向がある。含有率が上記上限を超えると、熱処理しても通気度が高すぎ、平滑度が低下し、半透膜溶液を塗布した際に裏抜けが発生するおそれや、半透膜塗布面の平滑度が低下するおそれがある。また、含有率が上記下限未満であると、熱処理により通気度が低下し、半透膜と半透膜支持体との接着性が劣るおそれがある。なお、上記繊維シート中に含まれる繊維の合計含有量は100質量%を超えることはない。
上記ポリオレフィン系主体繊維の繊度は、特に限定されず、通常0.2dtex以上2.2dtex以下、好ましくは0.4dtex以上2.0dtex以下である。繊度を上記範囲内とすることで、その表面の平滑性や強度を高められる傾向がある。繊度が上記上限を超えると、繊維同士の絡みが少なくなり、半透膜支持体の強度やその表面の平滑性が低下するおそれがある。繊度が上記下限未満であると、繊維間の空隙が少なくなり、半透膜支持体の通気度が低下するおそれがある。
上記ポリオレフィン系主体繊維の平均繊維長は、特に限定されず、通常3mm以上20mm以下、好ましくは5mm以上18mm以下である。平均繊維長を上記範囲内とすることで、その表面の平滑性を高められる傾向がある。平均繊維長が上記上限を超えると、繊維同士の結束が多く発生するおそれや、半透膜支持体の強度やその表面の平滑性が低下するおそれがある。平均繊維長が上記下限未満であると、繊維同士のからみが少なくなり強度が低下するおそれがある。
<ポリオレフィン系バインダー繊維>
上記繊維シートは繊維成分としてポリオレフィン系バインダー繊維を含むことで、ポリオレフィン系バインダー繊維に含まれるオレフィン系バインダー成分が、熱処理時の軟化や溶解により、ポリオレフィン系主体繊維やバインダー繊維を接着させる。
「ポリオレフィン系バインダー繊維」とは、半透膜支持体を製造する際の熱処理工程時に繊維中に含まれるオレフィン系バインダー成分が熱可塑性を示す、単量体成分としてオレフィン系単量体を含むポリオレフィン系繊維をいう。
オレフィン系バインダー成分としては、例えば低融点ポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
また、ポリオレフィン系バインダー繊維は本発明の効果を損なわない範囲で少量の非オレフィン系バインダー成分を含むこともできる。非オレフィン系バインダー成分としては、特に限定されず、例えばポリエステル系、ポリウレタン系、ポリビニルアルコール系等の公知のものが挙げられる。
上記ポリオレフィン系バインダー繊維の形状は、例えばオレフィン系バインダー成分からなる均一繊維、オレフィン系バインダー成分と上記主体繊維とを含む複合繊維等が挙げられる。複合繊維としては、例えば芯鞘型、積層型、サイドバイサイド型、偏芯型等が挙げられる。
これらの中では、より高い強度が期待できる複合繊維が好ましく、芯鞘型複合繊維がより好ましい。芯鞘型複合繊維の場合、芯材は、熱処理時に溶解せず、骨格繊維として機能し、鞘材は、熱処理時に溶解し、接着成分として機能する。
芯鞘型複合繊維に含まれる芯材としては、特に限定されず、例えば上述のポリオレフィン系主体繊維が挙げられる。芯鞘型複合繊維に含まれる鞘材としても、特に限定されず、例えば上記オレフィン系バインダー成分が挙げられる。
本発明では、上記ポリオレフィン系バインダー繊維がポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低融点ポリプロピレン系樹脂を鞘材とする第1の芯鞘型複合繊維と、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第2の芯鞘型複合繊維とを含む。高密度ポリエチレン系樹脂等他の樹脂のものより比較的低い融点を有する低密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする芯鞘型複合繊維と低密度ポリエチレン系樹脂よりもさらに低い軟化点を有する低融点ポリプロピレン系樹脂を鞘材とする芯鞘型複合繊維を含有するため、熱処理時の初期に低温で低融点ポリプロピレン系樹脂でポリオレフィン系主体繊維やポリオレフィン系バインダー繊維を毛羽立ちが生じない程度に弱く接着した後、さらに熱処理が進んだ段階で低密度ポリエチレン系樹脂がポリオレフィン系主体繊維やポリオレフィン系バインダー繊維を接着することで、熱処理時のシート化を容易にし、半透膜支持体の強度を高めることができ、また、平滑性や通気度を幅広く制御することができる。
「低融点ポリプロピレン系樹脂」とは、125℃以上160℃未満の融点を有するポリプロピレン系樹脂をいう。低融点ポリプロピレン系樹脂は、融点よりも低い90℃以上100℃以下の軟化点を有し、繊維が軟化することにより接着性を有する。ポリエチレン系樹脂は融点近傍の狭い範囲でしか接着性を有さないのに対し、ポリプロピレン系樹脂は上記の特徴を有するため、より低温での接着性を有する。上記融点を有するポリプロピレン系樹脂は、その立体規則性、結晶構造、少量含まれていてもよいコモノマーとの共重合性、分子量、分子量分布等を制御することで得ることができる。上記コモノマーとしては、特に限定されず、例えばエチレン、1−ブテン等が挙げられる。
上記繊維成分中の上記第1の芯鞘型複合繊維の含有率は、特に限定されず、好ましくは10質量%以上50質量%以下、より好ましくは15質量%以上45質量%以下である。含有率を上記範囲内とすることで、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第2の芯鞘型複合繊維との相乗効果により、半透膜支持体の強度を高められる傾向がある。含有率が上記上限を超えると、抄造時の強度が低下するおそれがある。含有率が上記下限未満であると、低密度ポリエチレン樹脂の融点よりも低温での繊維の接着効果が低下し、シート化が困難となるおそれや、半透膜支持体の強度が低下するおそれがある。
上記第1の芯鞘型複合繊維の繊度は、特に限定されず、通常0.5dtex以上3.3dtex以下、好ましくは0.7dtex以上2.2dtex以下である。繊度を上記範囲内とすることで、その表面の平滑性を高められる傾向がある。繊度が上記上限を超えると、繊維同士の絡みが少なくなり、半透膜支持体の強度やその表面の平滑性が低下するおそれがある。繊度が上記下限未満であると、繊維間の空隙が少なくなり、半透膜支持体の通気度が低下するおそれがある。
上記第1の芯鞘型複合繊維の平均繊維長は、特に限定されず、通常3mm以上20mm以下、好ましくは5mm以上18mm以下である。平均繊維長を上記範囲内とすることで、その表面の平滑性を高められる傾向がある。平均繊維長が上記上限を超えると、繊維同士の結束が発生し、半透膜支持体の強度やその表面の平滑性が低下するおそれがある。また、平均繊維長が上記下限未満であると、繊維同士の絡みが少なくなり強度が低下するおそれがある。
「低密度ポリエチレン系樹脂」とは、0.89g/cm以上0.93g/cm未満の密度を有し、単量体成分としてエチレンを主に含む樹脂をいう。具体的には、低密度ポリエチレン系樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。また、低密度ポリエチレン系樹脂は、通常98℃以上130℃未満の融点を有する。
上記繊維成分中の上記第2の芯鞘型複合繊維の含有率は、特に限定されず、好ましくは10質量%以上65質量%以下、より好ましくは25質量%以上60質量%以下である。含有率を上記範囲内とすることで、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低融点ポリプロピレン系樹脂を鞘材とする第1の芯鞘型複合繊維との相乗効果により、シート化を容易とし、半透膜支持体の強度を高められる傾向がある。含有率が上記上限を超えると、熱処理後の通気度が低下し半透膜と半透膜支持体との接着性に劣るおそれがある。含有率が上記下限未満であると、繊維の接着が不足し、半透膜支持体の強度が低下するおそれがある。
上記第2の芯鞘型複合繊維の繊度は、特に限定されず、通常0.5dtex以上3.3dtex以下、好ましくは0.7dtex以上2.2dtex以下である。繊度を上記範囲内とすることで、その表面の平滑性を高められる傾向がある。繊度が上記上限を超えると、繊維同士の絡みが少なくなり、半透膜支持体の強度やその表面の平滑性が低下するおそれがある。繊度が上記下限未満であると、繊維間の空隙が少なくなり、半透膜支持体の通気度が低下するおそれがある。
上記第2の芯鞘型複合繊維の平均繊維長は、特に限定されず、通常3mm以上20mm以下、好ましくは5mm以上18mm以下である。平均繊維長を上記範囲内とすることで、その表面の平滑性を高められる傾向がある。平均繊維長が上記上限を超えると、繊維同士の結束が発生し、半透膜支持体の強度やその表面の平滑性が低下するおそれがある。また、平均繊維長が上記下限未満であると、繊維同士の絡みが少なくなり強度が低下するおそれがある。
また、上記ポリオレフィン系バインダー繊維は、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、高密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第3の芯鞘型複合繊維をさらに含むことが好ましい。上記ポリオレフィン系バインダー繊維はオレフィン系バインダー成分として高密度ポリエチレン系樹脂を含むため半透膜支持体は耐熱性に優れ、半透膜支持体の強度をさらに高めることができ好ましい。
「高密度ポリエチレン系樹脂」とは、0.93g/cm以上0.97g/cm以下の密度を有し、単量体成分としてエチレンを主に含む樹脂をいう。また、高密度ポリエチレン系樹脂は、通常130℃以上138℃以下の融点を有する。
低密度ポリエチレン系樹脂及び高密度ポリエチレン系樹脂は、上記範囲の融点を有する限り、ホモポリマーであってよく、コポリマーであってもよい。コポリマーとしては、ブロックコポリマーであってよく、ランダムコポリマーであってもよい。コモノマー成分としては、特に限定されず、プロピレン、1−ブテン、スチレン、アクリル系モノマー等が挙げられる。
上記繊維成分中の上記第3の芯鞘型複合繊維の含有率は、特に限定されず、好ましくは5質量%以上65質量%以下、より好ましくは15質量%以上50質量%以下である。含有率を上記範囲内とすることで、半透膜支持体の強度を高められる傾向がある。含有率が上記上限を超えると、低温で機能するバインダー繊維が不足し、半透膜支持体の強度が低下するおそれや、通気度が低下し、半透膜と半透膜支持体との接着性が劣るおそれがある。含有率が上記下限未満であると、半透膜支持体の強度向上が見られないおそれがある。
上記第3の芯鞘型複合繊維の繊度は、特に限定されず、通常0.5dtex以上3.3dtex以下、好ましくは0.7dtex以上2.2dtex以下である。繊度を上記範囲内とすることで、その表面の平滑性を高められる傾向がある。繊度が上記上限を超えると、繊維同士の絡みが少なくなり、半透膜支持体の強度やその表面の平滑性が低下するおそれがある。繊度が上記下限未満であると、繊維間の空隙が少なくなり、半透膜支持体の通気度が低下するおそれがある。
上記第3の芯鞘型複合繊維の平均繊維長は、特に限定されず、通常3mm以上20mm以下、好ましくは5mm以上18mm以下である。平均繊維長を上記範囲内とすることで、その表面の平滑性を高められる傾向がある。平均繊維長が上記上限を超えると、繊維同士の結束が発生し、半透膜支持体の強度やその表面の平滑性が低下するおそれがある。また、平均繊維長が上記下限未満であると、繊維同士の絡みが少なくなり強度が低下するおそれがある。
芯鞘型複合繊維中の芯材と鞘材との配合率は、特に限定されず、通常10質量%:90質量%以上90質量%:10質量%以下、好ましくは20質量%:80質量%以上80質量%:20質量%以下である。配合率を上記範囲内とすることで、主体繊維を十分に接着できる傾向がある。配合率が上記上限を超えると、鞘材が不足し、半透膜支持体の強度が低下するおそれがある。配合率が上記下限未満であると、芯材が不足し、半透膜支持体の通気度が低下するおそれがある。
当該半透膜支持体は、繊維成分として、上記ポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維のみを含有することが好ましいが、これら以外の繊維を原料として含有していてもよい。上記繊維としては、ポリエステルの他に、例えばレーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル等の合成繊維や木材パルプ等の天然パルプ繊維を用いることができる。
上記ポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維は、本発明の効果を損なわない限り、樹脂添加剤として、劣化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を少量含むこともできる。
また、上記ポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維は、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<半透膜支持体の製造方法>
当該半透膜支持体は、特に限定されず、例えば公知の不織布の製造方法に従って得ることができる。
一例を挙げれば、当該半透膜支持体の製造方法は、
繊維成分として上記ポリオレフィン系主体繊維及び上記ポリオレフィン系バインダー繊維を含む上記繊維シートを100℃以上130℃以下の温度で熱処理する工程(熱処理工程)を有する。
また、当該半透膜支持体の製造方法は、
上記熱処理工程前に上記ポリオレフィン系主体繊維及び上記ポリオレフィン系バインダー繊維を湿式抄紙する工程(抄紙工程)と、
上記熱処理工程後に上記繊維シートを加熱加圧処理する工程(加熱加圧処理工程)を有することが好ましい。
(抄紙工程)
当該工程では、上記ポリオレフィン系主体繊維及び上記ポリオレフィン系バインダー繊維を湿式抄紙する。上記湿式抄紙により両繊維を略均一に含む繊維シートが得られる。また、繊維成分を湿式抄紙することで、これらの分散性を高めて半透膜支持体の強度を高めることもできる。
湿式抄紙方法としては、特に限定されず、例えば製紙の際に用いられる公知の方法が挙げられる。また、1層抄きであっても、2層以上の多層抄きであってもよい。
湿式抄紙の際に使用する抄紙機としては、特に限定されず、例えば円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機、傾斜短網抄紙機等が挙げられる。
これらの中では、より均一に繊維を分散させることができる傾斜短網抄紙機又は円網抄紙機が好ましい。
抄紙は、本発明の効果を損なわない範囲で、少量の製紙用薬剤の存在下に行うこともできる。製紙用薬剤としては、特に限定されず、例えば界面活性剤、ワックス、サイズ剤、填料、防錆剤、導電剤、消泡剤、分散剤、粘性調整剤、凝集剤、凝結剤、紙力向上成分、歩留まり向上剤、紙粉脱落防止剤、嵩高剤、増粘剤等が挙げられる。
これらの中では、増粘剤、分散剤及び消泡剤のいずれかの存在下に抄紙を行うことが好ましい。
具体的には、増粘剤を使用すると、半透膜支持体の地合を向上させると共に、抄紙時に繊維が横目方向に配向するように繊維原料の粘度を向上させることができる。
増粘剤としては、特に限定されず、例えばセルロース系誘導体、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリアクリル酸誘導体、ポリエチレンオキサイド(ポリエチレングリコール)等が挙げられる。
これらの中では、地合をより高めることができるため、ポリエチレンオキサイド系増粘剤が好ましい。
増粘剤の使用割合は、特に限定されず、通常0.001kg/t以上2kg/t以下、好ましくは0.005kg/t以上1kg/t以下である。使用割合を上記範囲内とすることで、繊維スラリーの粘度を好適に保つことができる傾向がある。使用割合が上記上限を超えると、抄紙効率が低下するおそれがある。使用割合が上記下限未満であると、十分な増粘効果が得られないおそれがある。なお、「kg/t」はパルプ(繊維成分)固形分1tあたりの固形分換算の質量(kg)をいう。
分散剤を使用すると、繊維をスラリー中で十分に分散させることができる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば陰イオン性分散剤(アニオン性分散剤)、陽イオン性分散剤(カチオン性分散剤)、非イオン性分散剤(ノニオン性分散剤)等が挙げられる。
これらの中では、ポリオレフィン系繊維に対する分散力に優れる陽イオン性分散剤が好ましい。
分散剤の使用割合は、特に限定されず、通常0.1kg/t以上15kg/t以下、好ましくは0.5kg/t以上10kg/t以下である。使用割合を上記範囲内とすることで、繊維を十分に分散できる傾向がある。使用割合が上記上限を超えると、スラリーに気泡が発生し、抄紙時に半透膜支持体に孔が発生するおそれがある。使用割合が上記下限未満であると、繊維を十分に分散できないおそれがある。
消泡剤を使用すると、スラリー表面の気泡の発生を抑制することができる。
消泡剤としては、特に限定されず、界面活性剤系消泡剤、シリコン系消泡剤、鉱物油系消泡剤等が挙げられる。
これらの中では、消泡効果のより高い界面活性剤系消泡剤が好ましい。
消泡剤の使用割合は、特に限定されず、通常0.1kg/t以上30kg/t以下、好ましくは0.5kg/t以上20kg/t以下である。使用割合を上記範囲内とすることで、繊維スラリーを十分に脱泡できる傾向がある。使用割合が上記上限を超えると、製造コストの上昇を招くおそれがある。使用割合が上記下限未満であると、繊維スラリーの脱泡が不十分となるおそれがある。
(熱処理工程)
当該工程では、繊維成分として上記ポリオレフィン系主体繊維及び上記ポリオレフィン系バインダー繊維を含む上記繊維シートを100℃以上130℃以下の温度で熱処理する。上記熱処理によって、ポリオレフィン系バインダー繊維中のオレフィン系バインダー成分が接着し、ポリオレフィン系主体繊維を接着させることができる。
熱処理温度を上記範囲内とすることで、比較的低温であるにもかかわらず、半透膜支持体の強度を高められる傾向がある。熱処理温度が上記上限を超えると、繊維が溶解し過ぎてドライヤーに付着し、所望の半透膜支持体を得ることができないおそれがある。熱処理温度が上記下限未満であると、半透膜支持体の強度が低下するおそれがある。また、熱処理温度は、好ましくは115℃以上129℃以下、より好ましくは120℃以上128℃以下である。
熱処理の際に使用するドライヤーとしては、特に限定されず、例えばヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外線方式ドライヤー等が挙げられる。
これらの中では、ヤンキードライヤーが好ましい。タッチロール等でヤンキードライヤー内の熱ロールに湿紙を密着させて乾燥を行うことで、熱ロールに密着させた面の平滑性を向上させることができる傾向がある。
(加熱加圧処理工程)
当該工程では、上記熱処理工程後に上記繊維シートを加熱加圧処理する。上記加熱加圧処理により、上記抄紙工程で得られた繊維シートの繊維間の接着を増強し、半透膜支持体に適度な強度と追従性を付与し、さらに半透膜支持体の厚みを均一にすることができる。
加熱加圧処理設備としては、特に限定されず、例えば金属ロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダー装置、金属ロールと樹脂ロールとを組み合わせたカレンダー装置、金属ロールとコットンロールとを組み合わせたカレンダー装置等が挙げられる。
加熱加圧処理時の加熱温度は、特に限定されず、通常110℃以上160℃以下、好ましくは115℃以上155℃以下である。加熱温度を上記範囲内とすることで、半透膜支持体の厚みを均一に保つことができる傾向がある。加熱温度が上記上限を超えると、バインダー繊維の溶融が進み、通気度が低下し、半透膜と半透膜支持体との接着性が劣るおそれや、平滑度が高くなりすぎるおそれがある。加熱温度が上記下限未満であると、半透膜支持体の十分な強度が得られないおそれや半透膜支持体の表面に凹凸が発生するおそれがある。
加熱加圧処理時の線圧は、特に限定されず、通常30kg/cm以上170kg/cm以下、好ましくは40kg/cm以上160kg/cm以下である。線圧を上記範囲内とすることで、半透膜支持体の厚みを均一に保つことができる傾向がある。線圧が上記上限を超えると、嵩高さが失われてしまうおそれがある。線圧が上記下限未満であると、半透膜支持体の表面に凹凸が発生するおそれがある。
<半透膜支持体>
当該半透膜支持体は以下の特性を示す。このため、当該半透膜支持体は優れた耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性を示すことができる。
当該半透膜支持体の平滑度は、2秒以上120秒以下、好ましくは10秒以上110秒以下、より好ましくは20秒以上100秒以下である。平滑度を上記範囲内とすることで、半透膜支持体表面は十分な平滑性を示す。また、半透膜裏面への溶液の裏抜けを抑制することもできる。平滑度が上記上限を超えると、半透膜支持体の嵩高が不十分となる。平滑度が上記下限未満であると、半透膜支持体表面の平滑性が不十分となり、半透膜との接着性に劣る。なお、当該半透膜支持体の平滑度は、坪量の調整や、原料繊維の種類、繊度、長さ、配合量、カレンダー処理での温度、圧力等の調整により調節することができる。
当該半透膜支持体の通気度は、0.2cc/cm・秒以上50.0cc/cm・秒以下、好ましくは0.4cc/cm・秒以上45.0cc/cm・秒以下、より好ましくは0.5cc/cm・秒以上40.0cc/cm・秒以下である。通気度を上記範囲内とすることで、半透膜支持体表面は十分な嵩高さを有しつつ、所望の強度を有することができる。通気度が上記上限を超えると、半透膜支持体の嵩高さが過剰となり、半透膜支持体の強度が低下する。通気度が上記下限未満であると、半透膜支持体表面の嵩高さが不十分となる。なお、当該半透膜支持体の通気度は、坪量の調整や、原料繊維の種類、繊度、長さ、配合量、カレンダー処理での温度、圧力等の調整により調節することができる。
当該半透膜支持体の5%伸長時の引張強度は、1.0kN/m以上、好ましくは1.0kN/m以上3.0kN/m以下、より好ましくは1.2kN/m以上2.0kN/m以下である。引張強度を上記範囲内とすることで、半透膜支持体表面は十分な強度を有する。引張強度が上記上限を超えると、半透膜支持体のしなやかさや平滑性が失われるおそれがある。引張強度が上記下限未満であると、半透膜支持体の強度が不十分である。引張強度は得られた半透膜支持体の縦目方向の引張強度である。なお、当該半透膜支持体の5%伸長時の強度は、坪量の調整や、原料繊維の種類、繊度、長さ、配合量、カレンダー処理での温度、圧力等の調整により調節することができる。
当該半透膜支持体の坪量は、20g/m以上、好ましくは20g/m以上100g/m以下、より好ましくは25g/m以上90g/m以下である。坪量を上記範囲内とすることで、半透膜支持体表面は十分な嵩高さを有しつつ、所望の強度を有することができる。通気度が上記上限を超えると、半透膜支持体の紙厚が大きくなって、通液抵抗が高くなり、厚さが厚くユニットやモジュール内に規定量の半透膜を収納できなくなるおそれがある。坪量が上記下限未満であると、半透膜支持体の強度が低くなる。
当該透膜支持体は、本発明の効果を損なわない限り、単層であってよく、2層以上を積層させたものであってもよい。
<半透膜>
当該半透膜は上記半透膜支持体に樹脂分を塗布することで得ることができる。上記半透膜支持体は耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性に優れるため、当該半透膜も同様の特性を有する。
半透膜に含まれる樹脂分としては、特に限定されず、例えば再生セルロース(セロファン)、アセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
塗布方法も、特に限定されず、例えば公知の方法に従って行うことができる。なお、半透膜はその少なくとも1面に半透膜支持体を備える。
<その他>
製造工程における温度、圧力、時間、設備等の工程条件は、特に限定されず、使用原料等に従って適宜設定される。製造工程の段階数も、特に限定されず、1段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。原料や生成物の定量、定性は、NMR、IR、元素分析、マススペクトル等の公知の方法に従って行うことができる。また、使用する原料は、単独で用いてもよく、複数種の原料を組み合わせて使用してもよい。
当該半透膜支持体は耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性に優れる。このため、上記半透膜支持体に樹脂分を塗布することで、これらを半透膜として好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(平滑度)
平滑度(単位:秒)はJIS P 8119:1998「紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」に準拠して得られた半透膜支持体の表面について測定した。
(通気度)
通気度(単位:cc/cm・秒)はJIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の8.26.1に記載のフラジール形法に準拠して測定した。
(5%伸長時の引張強度)
5%伸長時の引張強度(単位:kN/m)はJIS P 8113:2006「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法」に準拠して得られた半透膜支持体の縦方向の引張強度を測定し、その5%伸長に対応する引張強度を求めた。
(坪量)
坪量(単位:g/m)はJIS P 8124:2011「紙及び板紙−坪量の測定方法」に準拠して測定した。
(耐アルカリ性)
半透膜支持体を10質量%水酸化ナトリウム溶液中に、60℃で、1週間浸漬した。半透膜支持体を溶液より回収し、水洗、乾燥後、同様に縦方向の引張強度を測定した。得られた値が浸漬前の引張強度と比べて、90%以上の場合、合格「○」と判定し、90%未満の場合、不合格「×」と判定した。
(繊度)
繊度(単位:dtex)はJIS L 1095:2010「一般紡績糸試験方法」に準拠して測定した。
(平均繊維長(数平均繊維長))
平均繊維長(単位:mm)はメッツォオートメーション製「カヤーニFiberLab繊維長測定機」を用いて数平均繊維長を測定した。
実施例1
繊度が0.6dtex、繊維長が5mmのポリプロピレン系主体繊維(ダイワボウポリテック社製、製品名「PZ」、融点165℃)を10質量%、繊度が2.2dtex、繊維長が5mmの第1の芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック社製、製品名「NBF(P−6)」、芯部:融点165℃、鞘部:軟化点95℃)を40質量%、繊度が2.2dtex、繊維長が5mmの第2の芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック社製、製品名「NBF(L)」、芯部:融点165℃、鞘部:融点115℃、密度0.92g/cm)を30質量%、繊度が2.2dtex、繊維長が5mmの第3の芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック社製、製品名「NBF(HC)」、芯部:融点165℃、鞘部:融点130℃、密度0.95g/cm)を20質量%配合した原料(繊維成分)を調製した。
上記原料には増粘剤としてポリエチレンオキサイド(明成化学工業株式会社製)を繊維成分(固形分)100質量部に対して固形分で0.1質量部添加し、分散剤(カチオン性分散剤(竹本油脂株式会社製))を繊維成分(固形分)100質量部に対して固形分で0.05質量部添加し、消泡剤として界面活性剤系消泡剤(伯東株式会社製)を繊維成分(固形分)100質量部に対して固形分で0.1質量部添加した。
上記原料を用いて、傾斜短網抄紙機にて湿式抄紙を行った後(抄紙工程)、ヤンキードライヤー(ドライヤー表面温度125℃)で乾燥(熱処理)した(熱処理工程)。次いで金属ロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダー装置を用い、加熱温度130℃、線圧100kg/cmで熱処理後の繊維シートを加熱加圧処理し(加熱加圧処理工程)、半透膜支持体を得た。
半透膜支持体の平滑度、通気度、5%伸長時の引張強度及び坪量は、それぞれ21秒、0.6cc/cm・秒、2.9kN/m及び60g/mであった。
次いで得られた半透膜支持体に再生セルロースを塗布することで半透膜を得た。
実施例2から実施例17、及び比較例1から比較例4
実施例2から実施例17、比較例1から比較例4は、実施例1の原料等を表1及び表2のようにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
実施例及び比較例の原料、生成物等を表1及び表2に示す。
Figure 2014128769
Figure 2014128769
表1及び表2より実施例で得られた紙は、耐アルカリ性に優れ、比較例のものと比べて強度、通気度、平滑性等に優れることが分かる。
当該半透膜支持体は耐アルカリ性、強度、平滑性及び半透膜との接着性に優れる。このため、上記半透膜支持体に樹脂分を塗布することで、これらを半透膜として好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 繊維成分としてポリオレフィン系主体繊維及びポリオレフィン系バインダー繊維を含む繊維シートを熱処理してなる半透膜支持体であって、
    上記ポリオレフィン系バインダー繊維がポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低融点ポリプロピレン系樹脂を鞘材とする第1の芯鞘型複合繊維と、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、低密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第2の芯鞘型複合繊維とを含み、
    平滑度が2秒以上120秒以下であり、
    通気度が0.2cc/cm・秒以上50.0cc/cm・秒以下であり、
    5%伸長時の引張強度が1.0kN/m以上であり、
    坪量が20g/m以上であることを特徴とする半透膜支持体。
  2. 上記繊維成分中の上記第1の芯鞘型複合繊維の含有率が10質量%以上50質量%以下であり、第2の芯鞘型複合繊維の含有率が10質量%以上65質量%以下である請求項1に記載の半透膜支持体。
  3. 上記ポリオレフィン系バインダー繊維が、ポリプロピレン系樹脂を芯材とし、高密度ポリエチレン系樹脂を鞘材とする第3の芯鞘型複合繊維をさらに含む請求項1又は請求項2に記載の半透膜支持体。
  4. 上記繊維成分中の上記第3の芯鞘型複合繊維の含有率が5質量%以上65質量%以下である請求項3に記載の半透膜支持体。
  5. 上記ポリオレフィン系主体繊維がポリプロピレン系繊維を含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半透膜支持体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半透膜支持体の製造方法であって、
    繊維成分として上記ポリオレフィン系主体繊維及び上記ポリオレフィン系バインダー繊維を含む上記繊維シートを100℃以上130℃以下の温度で熱処理する工程を有する半透膜支持体の製造方法。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半透膜支持体を備えた半透膜。
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