JP2013220382A - 半透膜支持体 - Google Patents

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克明 新井
Kazuhiko Takayama
和彦 高山
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Abstract

【課題】本発明の課題は、高粘度の半透膜溶液を用いた場合でも、半透膜塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けせず、強度に優れ、半透膜と半透膜支持体との接着性が良好であり、半透膜を設けた際の皺や収縮がないため、作業性の良好な半透膜支持体を提供することにある。
【解決手段】合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含む不織布であり、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維の2種以上を含有し、バインダー繊維として芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有し、該不織布の通気度が5.5〜40.0cc/cm/secであることを特徴とする半透膜支持体。バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有すると好ましい。繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維との質量比が90:10〜10:90であると好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、半透膜支持体に関する。
海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で、半透膜が広く用いられている。半透膜は、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂で構成されている。しかしながら、半透膜単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布等の繊維基材からなる半透膜支持体の片面(以下、「半透膜塗布面」という)に半透膜が設けられた形態で使用されている。
半透膜支持体に要求される性能としては、半透膜塗布面の平滑性に優れ、製膜後の半透膜における凹凸が少ないこと、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けしないこと、半透膜と半透膜支持体との接着性が良好であること、半透膜の塗布前後でカールや半透膜支持体の収縮が少ないこと等が挙げられる。
上記問題を解決するために、太さ2〜10デニールの太い繊維を使用した表面粗度の大きな表面層(太い繊維層)と太さ0.05〜2デニールの細い繊維を使用した緻密な構造の裏面層(細い繊維層)との二重構造を基本とした多層構造の不織布よりなる半透膜支持体(例えば、特許文献1参照)が提案されている。また、太い繊維層及び細い繊維層に使用されるバインダー繊維として、1〜5デニールの融点のやや低い共重合繊維、複合繊維、未延伸繊維が開示されていて、半透膜支持体の通気度は0.3cc/cm・秒である。また、特定の複屈折と熱収縮応力とを持つ1.0〜8.0デニールのポリエステル繊維と熱融着性バインダー繊維を70:30〜30:70の質量比で含有する原料を用いて抄造を行って加熱加圧処理を行って製造され、5%伸長時の縦方向(MD)及び横方向(CD)の裂断長の平均値が4.0km以上であり且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm・秒である不織布からなる半透膜支持体(例えば、特許文献2参照)が開示されている。特許文献2では、熱融着性バインダー繊維として、ポリエステル系熱融着性繊維がポリエステル主体繊維との親和性、半透膜支持体の性能等の点から好ましく用いられていて、未延伸ポリエステル繊維、低融点ポリエステル繊維、低融点ポリエステル繊維と通常のポリエステルの複合繊維が例示されている。さらに、0.6〜8.9dtexのポリエステル繊維と0.6〜8.9dtexのポリエステル繊維からなるバインダー繊維とを混合比20/80〜70/30で抄紙し、加熱加圧処理して製造される特定の抄紙流れ方向と幅方向の引張強度比を有し、通気度が0.5〜7.0cc/cm・秒である半透膜支持体(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
半透膜溶液の半透膜支持体非塗布面への裏抜けを防止し、半透膜の欠点の発生を抑えるために、通気度が0.1〜2.0cm/cm・秒の半透膜支持体上に、粘度が1〜10ポアズ、あるいはポリスルホン濃度が10〜20%の半透膜溶液を塗布する方法(例えば、特許文献4参照)が提案されている。こうした方法により目的を達することは可能であるが、半透膜溶液の濃度を高め、溶剤として使用しているN,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶剤の使用量を減らし、環境負荷を抑えたいという要望もある。
しかしながら、特許文献1、3の半透膜支持体では、高濃度、高粘度の半透膜溶液を塗布することは考慮されておらず、このような半透膜溶液を塗布した場合に、半透膜と半透膜支持体との接着性が劣るという問題が生じる。特許文献1では、バインダー繊維として、複合繊維を使用できることは記載されているものの、融点に関する記載はなされていない。特許文献2では、熱融着性バインダー繊維の好ましい態様として、低融点ポリエステル繊維と通常のポリエステルの複合繊維を例示しており、熱融着性バインダー繊維の融点は、120〜210℃が好ましい旨開示されている。しかし、熱融着性バインダー繊維の融点が低すぎると、半透膜溶液を塗布して半透膜を設けた際に、半透膜支持体に皺や収縮が発生するといったトラブルが発生する問題や、反対に融点が高すぎると、湿式抄造法で製造した際の湿紙強度に劣り、取り扱いが煩雑になるという問題が生じる。特許文献2では、こうした課題について記載されていない。
一方、単繊維繊度0.6〜2.2dtexのポリエステル繊維からなる主体繊維と、単繊維繊度0.6〜2.2dtexの芯鞘型ポリエステル複合繊維からなるバインダー繊維とを一定の比率で配合して、地合と強度に優れた半透膜支持体(例えば、特許文献5参照)が提案されている。この半透膜支持体の好ましい通気度範囲として、0.1〜5cc/cm/sであることが開示されている。
また、通気度が5〜50cc/cm/sの低密度層と、通気度が0.1cc/cm/s以上5cc/cm/s未満の高密度層とを積層一体化した二層構造で、未延伸ポリエステル繊維又は複合ポリエステル繊維を含み、全体としての通気度が0.1〜4.5cc/cm/sの不織布である半透膜支持体も開示されている(例えば、特許文献6参照)。
また、5〜40質量%の0.2デニール超1.0デニール未満の主体繊維と0〜60質量%の1.0デニール超3.0デニール未満の主体繊維と15〜50質量%の共重合体/重合体の2成分系の第1のバインダー繊維と1〜10質量%の共重合体/重合体の2成分系の第2のバインダー繊維とからなり、湿式抄紙後に熱カレンダー処理がなされた半透膜支持体、40〜84質量%の0.2〜3.0デニールの主体繊維と16〜60質量%の2成分系のバインダー繊維からなり、湿式抄紙後に熱カレンダー処理がなされた半透膜支持体が開示され、通気度が5〜10cfmであることが記載されている(例えば、特許文献7及び8参照)。また、後者の半透膜支持体では、主体繊維として、0.2デニール超1.0デニール未満の主体繊維と1.0デニール超3.0デニール未満の主体繊維を含むことも記載されている。
しかしながら、特許文献6〜8では、高濃度、高粘度の半透膜溶液を塗布することを考慮しておらず、こうした半透膜溶液を塗布した場合には、半透膜と半透膜支持体との接着性が劣るという問題が生じている。また、特許文献6では、バインダー繊維として用いる複合ポリエステル繊維の低融点成分の融点は120〜220℃のものが好適に使用できると記載されているが、実施例では、低融点成分の融点が198℃であり、かつ、乾式法で製造した半透膜支持体のみが開示されている。乾式法による半透膜支持体はシートの地合、平滑性に劣り、製膜後の半透膜に凹凸が発生しやすく、均一性に劣るという問題が生じている。特許文献7、8では、融点375°F(約191℃)の第一の複合型バインダー繊維、融点225°F(約107℃)の第二の複合型バインダー繊維を用いることが、好ましい態様として開示されている。このような半透膜支持体は、第二の複合型バインダー繊維の融点が低いせいか、半透膜溶液を塗布して半透膜を設けた際に、半透膜支持体に皺や収縮が発生するといったトラブルを生じている。
特開昭60−238103号公報 特許平10−225630号公報 特開2002−95937号公報 特開2002−177749号公報 特開2010−194478号公報 特開昭61−222506号公報 米国特許第5851355号明細書 米国特許第6156680号明細書
本発明の課題は、高粘度の半透膜溶液を用いた場合でも、半透膜塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けせず、強度に優れ、半透膜と半透膜支持体との接着性が良好であり、半透膜を設けた際の皺や収縮がないため、作業性の良好な半透膜支持体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)半透膜支持体の少なくとも一方の面に分離膜を設けて用いる半透膜支持体において、該半透膜支持体が合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含む不織布であり、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維の2種以上を含有し、バインダー繊維として芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有し、該不織布の通気度が5.5〜40.0cc/cm/secであることを特徴とする半透膜支持体、
(2)バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有する半透膜支持体、
(3)主体繊維として、繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維との質量比が90:10〜10:90である半透膜支持体、
を見いだした。
本発明の半透膜支持体は、合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含む不織布であり、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維の2種以上を含有し、バインダー繊維として芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有し、該不織布の通気度が5.5〜40.0cc/cm/secであることを特徴とし、高粘度の半透膜溶液を用いた場合でも、半透膜塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けせず、強度に優れ、半透膜と半透膜支持体との接着性が良好であり、半透膜を設けた際の皺や収縮がないため、作業性の良好な半透膜支持体を生み出すことが可能となった。
本発明は、半透膜支持体が合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含む不織布であり、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維の2種以上を含有し、バインダー繊維として芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする。こうした構成とすることで、不織布の通気度を5.5〜40.0cc/cm/secとすることが容易となり、高粘度の半透膜溶液を用いた場合でも、半透膜塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けせず、強度に優れ、半透膜と半透膜支持体との接着性を良好とすることが可能となった。不織布の通気度が5.5cc/cm/secより小さいと、10ポアズを超えるような高粘度の半透膜溶液を塗布した場合、半透膜溶液の半透膜支持体への浸透が悪く、半透膜と半透膜支持体との接着性が劣る。不織布の通気度が40.0cc/cm/secを超えると、高粘度の半透膜溶液を塗布したとしても、半透膜溶液の裏抜けが発生し、半透膜の欠点が発生しやすく、脱塩性能に劣る。不織布の通気度は7.0〜30.0cc/cm/secであることがより好ましく、さらに好ましくは8.0〜25.0cc/cm/secであり、特に好ましくは10.0〜20.0cc/cm/secである。
主体繊維は、繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と、15.0μm以上25.0μm以下の繊維の2種以上を含有する。繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維だけでは、半透膜支持体の強度を保ったまま、通気度を5.5〜40.0cc/cm/secとすることが困難となる。繊維径15.0μm以上25.0μm以下の繊維だけでは、半透膜支持体の平滑性に劣り、半透膜の欠点が発生しやすく、脱塩性能が劣る。繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維は、より好ましくは6.0μm以上14.0μm未満の繊維であり、特に好ましくは7.0μm以上13.0μm未満の繊維である。繊維径15.0μm以上25.0μm以下の繊維は、より好ましくは16.0μm以上22.0μm以下の繊維であり、特に好ましくは17.0μm以上20.0μm以下の繊維である。
繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維との質量比は90:10〜10:90であると好ましく、より好ましくは80:20〜20:80、特に好ましくは75:25〜25:75である。質量比が90:10より大きいと、半透膜支持体の強度を保ったまま、通気度を5.5〜40.0cc/cm/secとすることが難しくなりやすく、10:90より小さいと、半透膜支持体の平滑性に劣りやすく、半透膜の欠点が発生しやすく、脱塩性能が劣りやすい。
主体繊維としては、例えば、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ナイロン等のポリアミド系、ベンゾエート系、ポリクラール系、フェノール系等の繊維が挙げられる。これらの中で、耐熱性の高いポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維が好ましく、特にポリエステル繊維が好ましい。また、本発明の目的を妨げない範囲で、合成繊維以外に半合成繊維を添加することもできる。半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックスや、再生繊維のレーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等が挙げられる。
主体繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。主体繊維の断面形状は円形が好ましいが、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も、裏抜け防止、表面平滑性のために、繊維分散性等の他の特性を阻害しない範囲内で含有できる。
本発明において、バインダー繊維は水中で膨潤・溶解等すること又は乾燥工程での熱により溶融することで、軽度の接着性を発現し、抄紙工程中で主体繊維との接着に関与し、湿紙強度の向上、次工程の乾燥工程への移行を可能にするために使用される。本発明の半透膜支持体は、バインダー繊維として芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする。該バインダー繊維を用いることで、十分な強度を持ちつつ、不織布の通気度を5.5〜40.0cc/cm/secとすることが可能となる。鞘部の融点が125℃より低いと、半透膜塗工及びそれに続く凝固浴への浸漬時に、半透膜支持体の幅の収縮、皺の発生が起こる。160℃より高いと、湿式抄造法で製造した際の湿紙強度、乾燥後の原布の強度に劣る。鞘部の融点は、135℃以上155℃以下がより好ましく、145℃以上155℃以下が特に好ましい。本発明における融点は、示差走査熱量測定装置にて、昇温速度10.0℃/分の条件で測定した際に得られるDSC曲線において、鞘部に該当する融解ピークのピーク温度を指す。
鞘部の素材は特に限定されず、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物(共重合ポリエステル系ポリマー)、ポリオレフィン系共重合物、ポリビニルアルコール系ポリマー等を挙げることができ、好ましくは非晶性あるいは結晶性の共重合ポリエステル系ポリマー、及びHDPE等のポリオレフィン系ポリマー、中でも結晶性の共重合ポリエステルポリマーが好ましい。芯部はポリエステル繊維の中でも延伸ポリエステル繊維であることが好ましい。芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維の配合量は、10質量%以上50質量%であり、より好ましくは15質量%以上40質量%以下であり、特に好ましくは20質量%以上35質量%以下である。10質量%より少ないと、配合した効果が小さく、十分な強度が得られない。50質量%より多いと、効果が飽和するばかりか、5.5〜40.0cc/cm/secの通気度が得られない。
本発明において、バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有すると好ましい。芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維をバインダー繊維として用いた場合、湿式抄造法で製造した際の湿紙強度及び乾燥後の原布の強度に劣ることがあり、未延伸ポリエステル繊維を併用することにより、これら特性を向上させることができる。未延伸ポリエステル繊維の配合率が多すぎると、熱圧工程を経た後の半透膜支持体の強度が劣りやすい。芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維と未延伸ポリエステル繊維との質量比は100:0〜20:80の範囲が好ましく、より好ましくは95:5〜40:60であり、特に好ましくは90:10〜50:50である。
本発明の目的を妨げない範囲で、芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維、未延伸ポリエステル繊維以外のバインダー繊維を配合することができる。例えば、各種素材からなる芯鞘型(コアシェルタイプ)、並列型(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割型等の複合繊維、未延伸繊維等が挙げられる。
バインダー繊維の繊維径は特に限定されないが、好ましくは5.0〜20.0μmであり、より好ましくは6.0〜15.0μmであり、さらに好ましくは7.0〜12.0μmである。また、主体繊維と異なる繊維径であることが好ましく、特に、主体繊維よりも細い繊維径であることが好ましい。主体繊維と繊維径が異なることで、バインダー繊維は半透膜支持体の機械的強度を向上させる役割の他に、主体繊維と共に均一な三次元ネットワークを形成する役割も果たす。さらに、バインダー繊維の軟化温度又は溶融温度以上まで温度を上げる工程では、半透膜支持体表面の平滑性をも向上させることができ、該工程では加圧が伴っているとより効果的である。
バインダー繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。バインダー繊維の断面形状は円形が好ましいが、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も、裏抜け防止、半透膜塗布面の平滑性のために、他の特性を阻害しない範囲内で含有できる。
主体繊維とバインダー繊維の配合比率は、質量基準で90:10〜40:60であることが好ましく、より好ましくは80:20〜50:50、特に好ましくは75:25〜55:45である。配合比率が90:10より大きいと、強度が不足する恐れがある。40:60より小さいと、不織布そのものが硬くなる恐れがある。
本発明の半透膜支持体は、単層であっても、2層以上を積層した不織布であってもよい。2層以上の構成は同一配合であっても異なる配合であってもよい。2層以上を積層した構成の場合、ある層が主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維のみを含有し、別の層が繊維径15.0μm以上25.0μm以下の繊維のみを含有するといった構成、各層がこれら2種の繊維径の繊維を含有するといった構成、ある層が2つの異なる繊維径のうちの1種のみを含有し、別の層がこれら2種の繊維径の繊維を含有するといった構成、のいずれの構成であってもよい。また、2層以上の構成の場合、少なくとも1層に、芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有している必要がある。好ましくは、各層ともに、層に対して該芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有している場合である。
本発明の半透膜支持体の製造方法について説明する。本発明の半透膜支持体は、乾式法、湿式抄造法によりシート(原布)が製造されるが、地合の均一性、表面の平滑性より、湿式抄造法を用いることが好ましい。
湿式抄造法では、まず、主体繊維、バインダー繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調製されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機を用いることができる。これらの抄紙機は、単独でも使用できるし、同種又は異種の2機以上の抄紙機がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を使用しても良い。2層以上を積層した不織布の場合、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方のシート(原布)を形成した後に、該シート(原布)の上に繊維を分散したスラリーを流延する方法のいずれでも良い。
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより、シート(原布)を得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて乾燥を行う場合、本発明の半透膜支持体の半透膜塗布面を熱ロールと接触させることが、半透膜の平滑性向上、非塗布面の樹脂フレームとの接着性向上の点で好ましい。熱ロールの表面温度は、90〜160℃が好ましく、100〜150℃がより好ましく、110〜145℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cm、より好ましくは100〜800N/cm、特に好ましくは150〜700N/cmである。
本発明の半透膜支持体において、シート(原布)製造後、さらに熱ロールによって熱圧工程を経ることが好ましい。熱圧加工装置(カレンダー装置)のロール間をニップしながら、湿式抄紙法で製造されたシート(原布)を通過させて熱圧加工を行う。ロールの組み合わせとしては、2本の金属ロール、金属ロールと樹脂ロール、金属ロールとコットンロール等が挙げられる。2本のロールは、一方あるいは両方を加熱する。その際に、熱ロールの表面温度、ロール間のニップ圧力、加工速度を制御することによって、所望の半透膜支持体を得る。さらに、必要に応じて、シートの表裏を逆にして、ニップへの通過回数を2回以上にしても良い。3本以上のロールを組み合わせることもでき、また、こうしたロールの組み合わせを多段数設けて、1回のパスで複数回の熱圧加工処理を行うこともできる。
熱圧加工処理に用いるロールの表面温度は、示差熱分析によって測定した主体繊維の融点より低く、バインダー繊維の融点又は軟化点に対して−50℃〜+10℃であることが好ましく、−30℃〜±0℃であることがより好ましい。本発明において、示差熱分析はJIS K7121に準じて、毎分10℃の昇温速度にて実施される。ロール温度の表面温度を、シートに含まれるバインダー繊維の融点又は軟化温度より50℃を超えて低くすると、毛羽立ちが発生しやすくなる場合があり、均一な厚みの半透膜が得難くなる。一方、ロールの表面温度を、10℃を超えて高くすると、金属ロールに繊維の溶融分が付着して、半透膜支持体が不均一になる場合があり、均一な厚みの半透膜が得難くなる。
ロールのニップ圧力は、好ましくは190〜3000N/cmであり、より好ましくは390〜2000N/cmである。加工速度は、好ましくは5〜200m/minであり、より好ましくは10〜100m/min、特に好ましくは15〜70m/minである。
ロールニップを構成する2本のロールの半径は同一でも、異なっていても良い。ロール半径は50〜2000mmが好ましく、より好ましくは100〜1500mmである。ロール半径が50mm未満の場合、所望の厚みが得られにくくなり、一方、ロール半径が2000mmを超えると、表面温度のコントロールが困難になる。
半透膜支持体の坪量は、特に限定しないが、40〜150g/mが好ましく、より好ましくは50〜130g/m、特に好ましくは60〜120g/mである。40g/m未満の場合は、十分な引張強度が得られない場合がある。また、150g/mを超えた場合、通液抵抗が高くなる場合や厚みが増してユニットやモジュール内に規定量の半透膜を収納できない場合がある。
また、半透膜支持体の密度は、0.25〜0.90g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.30〜0.80g/cm、特に好ましくは0.40〜0.70g/cmである。半透膜支持体の密度が0.25g/cm未満の場合は、厚みが厚くなるため、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜の寿命が短くなってしまうことがある。一方、0.90g/cmを超える場合は、通液性が低くなることがあり、半透膜の寿命が短くなる場合がある。
半透膜支持体の厚みは、50〜200μmであることが好ましく、60〜150μmであることがより好ましく、70〜120μmであることがさらに好ましい。半透膜支持体の厚みが200μmを超えると、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜の寿命が短くなってしまうことがある。一方、50μm未満の場合、十分な引張強度が得られない場合や通液性が低くなって、半透膜の寿命が短くなる場合がある。
半透膜溶液の濃度、粘度は特に限定されないが、環境負荷を低減する観点から、溶媒の使用量を減らし、膜成分の濃度を高めることが好ましい。膜成分の濃度が高くなると、半透膜溶液の粘度は高くなる。半透膜溶液の粘度は特に限定されないが、本発明の半透膜支持体を使用する場合、半透膜溶液の粘度は10〜100ポアズであることが好ましく、より好ましくは11〜50ポアズであり、特に好ましくは12〜30ポアズである。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下、特にことわりのないかぎり、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
(実施例1)
主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)を35:35:30の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機を用いて、乾燥質量で75g/mの湿紙を形成した後、半透膜塗布面が表面温度140℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シートを得た。
得られたシートを、2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度149℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、実施例1の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維との質量比(以下、「質量比※1」と記す場合がある)は、50:50である。また、この半透膜支持体の通気度は11.2cc/cm/secであった。なお、通気度は、JIS L1079に従い、通気度計(KES−F8−AP1:カトーテック株式会社製)で測定した。
(実施例2)
実施例1において、バインダー繊維として、延伸ポリエステル(芯)と非晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点127℃)を用い、ヤンキードライヤー温度を110℃に変更して、シートを得た。得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度125℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、実施例2の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、10.5cc/cm/secであった。
(実施例3)
実施例1において、バインダー繊維として、延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点143℃)を用いて、シートを得た。得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度142℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、実施例3の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、10.3cc/cm/secであった。
(実施例4)
実施例1において、バインダー繊維として、延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点147℃)を用いて、シートを得た。得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度146℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、実施例4の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、10.8cc/cm/secであった。
(実施例5)
実施例1において、バインダー繊維として、延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点153℃)を用いて、シートを得た。得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度152℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、実施例5の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、11.5cc/cm/secであった。
(実施例6)
実施例1において、バインダー繊維として、延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点158℃)を用いて、シートを得た。得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度157℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、実施例6の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、12.0cc/cm/secであった。
(実施例7)
主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、バインダー繊維2(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)を30:30:30:10の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機を用いて、乾燥質量で75g/mの湿紙を形成した後、半透膜塗布面が表面温度140℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シートを得た。
得られたシートを、実施例1と同様にカレンダー処理を行い、実施例7の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は11.8cc/cm/secであった。
(実施例8)
半透膜支持体の半透膜塗布面として、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、バインダー繊維2(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)を60:30:10の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。
次いで、非塗布面として、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、バインダー繊維2(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)を60:30:10の配合比率で水に混合分散し、半透膜塗布面用の分散液とは別に、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。
傾斜ワイヤー抄紙機と円網抄紙機とのコンビネーションマシンを用いて、半透膜塗布面を傾斜ワイヤー抄紙機で、非塗布面を円網抄紙機で、乾燥質量で各面とも38g/mの抄き合わせ湿紙を形成した後、半透膜塗布面が表面温度140℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、抄き合わせ坪量75g/mのシートを得た。
得られたシートを、実施例1と同様にカレンダー処理を行い、実施例8の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は12.3cc/cm/secであった。
(実施例9)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)を58部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)2部に変更し、実施例9の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は97:3であり、通気度は5.7cc/cm/secであった。
(実施例10)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)を55部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)5部に変更し、実施例10の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は92:8であり、通気度は6.7cc/cm/secであった。
(実施例11)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)を53部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)7部に変更し、実施例11の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は88:12であり、通気度は7.2cc/cm/secであった。
(実施例12)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)を7部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)53部に変更し、実施例12の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は12:88であり、通気度は29.8cc/cm/secであった。
(実施例13)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)を5部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)55部に変更し、実施例13の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は8:92であり、通気度は30.3cc/cm/secであった。
(実施例14)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)を2部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)58部に変更し、実施例14の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は3:97であり、通気度は39.7cc/cm/secであった。
(実施例15)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径4.2μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)30部に変更し、実施例15の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は5.6cc/cm/secであった。
(実施例16)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径7.2μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)30部に変更し、実施例16の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は9.5cc/cm/secであった。
(実施例17)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径12.7μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)30部に変更し、実施例17の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は19.8cc/cm/secであった。
(実施例18)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径14.7μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)30部に変更し、実施例18の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は20.5cc/cm/secであった。
(実施例19)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径15.3μm、繊維長5mm)30部に変更し、実施例19の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は9.8cc/cm/secであった。
(実施例20)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径19.8μm、繊維長5mm)30部に変更し、実施例20の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は24.7cc/cm/secであった。
(実施例21)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径24.7μm、繊維長5mm)30部に変更し、実施例21の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、半透膜支持体の通気度は39.0cc/cm/secであった。
(実施例22)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、バインダー繊維2(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)の配合比率を34:34:12:20に変更して、実施例22の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は14.1cc/cm/secであった。
(実施例23)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、バインダー繊維2(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)の配合比率を34:34:22:10に変更して、実施例23の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は12.7cc/cm/secであった。
(実施例24)
実施例7において、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、バインダー繊維2(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)の配合比率を24:24:47:5に変更して、実施例24の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は9.7cc/cm/secであった。
(実施例25)
実施例7において、得られたシートを、加熱金属ロールと樹脂ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度150℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で、半透膜塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工した。次いで、同条件で、非塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工し、実施例25の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は14.0cc/cm/secであった。
(比較例1)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)60部に変更し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は100:0であり、通気度は5.2cc/cm/secであった。
(比較例2)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径4.2μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径14.7μm、繊維長5mm)30部に変更し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は100:0であり、通気度は5.1cc/cm/secであった。
(比較例3)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)60部に変更し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は0:100であり、通気度は40.8cc/cm/secであった。
(比較例4)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径15.3μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径24.7μm、繊維長5mm)30部に変更し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は0:100であり、通気度は45.0cc/cm/secであった。
(比較例5)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径25.4μm、繊維長5mm)30部に変更し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は100:0であり、通気度は40.8cc/cm/secであった。
(比較例6)
実施例7において、主体繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径3.7μm、繊維長5mm)30部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)30部に変更し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は0:100であり、通気度は5.3cc/cm/secであった。
(比較例7)
実施例7において、得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度153℃、圧力1500N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、5.3cc/cm/secであった。
(比較例8)
実施例7において、得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度146℃、圧力500N/cm、加工速度20m/minの条件で熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、40.2cc/cm/secであった。
(比較例9)
実施例1において、バインダー繊維として、延伸ポリエステル(芯)と非晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点122℃)を用い、ヤンキードライヤー温度を110℃に変更して、シートを得た。得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度120℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、実施例2の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、11.7cc/cm/secであった。
(比較例10)
実施例1において、バインダー繊維として、延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点163℃)に変更して、シートを得た。得られたシートを2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度162℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は、13.0cc/cm/secであった。
(比較例11)
実施例7において、繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、バインダー繊維2(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)の配合比率を34:34:8:24に変更して、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は16.2cc/cm/secであった。
(比較例12)
実施例7において、繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、バインダー繊維2(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)の配合比率を21:21:53:5に変更して、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は9.4cc/cm/secであった。
(比較例13)
半透膜支持体の半透膜塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径19.2μm、繊維長10mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)を55:45の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵し、円網抄紙機を用いて、乾燥質量で51g/mの湿紙を形成した後、表面温度120℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シート1を得た。
次いで、非塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径11.0μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)を55:45の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵し、円網抄紙機を用いて、乾燥質量で51g/mの湿紙を形成した後、表面温度120℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シート2を得た。
シート1とシート2を1層ずつ重ね合わせ、加熱金属ロールとコットンロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度230℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で表裏とも熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は4.1cc/cm/secであった。
(比較例14)
主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径24.8μm、繊維長10mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)を60:40の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵し、円網抄紙機を用いて、乾燥質量で82g/mの湿紙を形成した後、表面温度120℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シートを得た。このシートを比較例13で用いたカレンダー装置を用い、同条件で熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は0:100であり、通気度は6.4cc/cm/secであった。
(比較例15)
半透膜支持体の半透膜塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径22.6μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)を60:40の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。
次いで、非塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径12.4μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)を60:40の配合比率で水に混合分散し、半透膜塗布面用の分散液とは別に、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。
傾斜ワイヤー抄紙機と円網抄紙機とのコンビネーションマシンを用いて、半透膜塗布面を傾斜ワイヤー抄紙機で乾燥質量50g/m、非塗布面を円網抄紙機で乾燥質量40g/mとなるように抄き合わせ湿紙を形成した後、表面温度120℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、抄き合わせ坪量90g/mのシートを得た。
得られたシートを、加熱金属ロールと樹脂ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度226℃、圧力980N/cm、加工速度30m/minの条件で、半透膜塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工した。次いで、同条件で、非塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は56:44であり、通気度は0.3cc/cm/secであった。
(比較例16)
主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径12.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)を30:30:40の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機を用いて、乾燥質量で68g/mの湿紙を形成した後、表面温度120℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シートを得た。
得られたシートを、加熱金属ロールと樹脂ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度225℃、圧力588N/cm、加工速度25m/minの条件で、半透膜塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工した。次いで、同条件で、非塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は50:50であり、通気度は3.4cc/cm/secであった。
(比較例17)
半透膜支持体の半透膜塗布面として、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径12.5μm、繊維長5mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)を30:30:40の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵し、円網抄紙機を用いて、乾燥質量で34g/mの湿紙を形成した後、表面温度120℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シート1を得た。
次いで、非塗布面として、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)を60:40の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵し、円網抄紙機を用いて、乾燥質量で34g/mの湿紙を形成した後、表面温度120℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シート2を得た。
シート1を加熱金属ロールと樹脂ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度220℃、圧力980N/cm、加工速度50m/minの条件で熱圧加工した。次いで、シート1とシート2を重ね合わせ、シート2が加熱金属ロールに接触するように、加熱金属ロール温度230℃、圧力1274N/cm、加工速度40m/minの条件で熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は25:75であり、通気度は5.0cc/cm/secであった。
(比較例18)
実施例1において、繊維の配合を、主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径7.4μm、繊維長5mm)40部、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径12.5μm、繊維長5mm)40部、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と結晶性低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)20部に変更して、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は100:0であり、通気度は1.6cc/cm/secであった。
(比較例19)
主体繊維1(延伸ポリエステル繊維、繊維径6.7μm、繊維長10mm)、主体繊維2(延伸ポリエステル繊維、繊維径12.4μm、繊維長5mm)、バインダー繊維1(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.1μm、繊維長5mm、鞘部融点191℃)、バインダー繊維2(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径14.3μm、繊維長5mm、鞘部融点107℃)を20.4:40.7:36.6:2.3の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機を用いて、乾燥質量で75g/mの湿紙を形成した後、表面温度120℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、シートを得た。
得られたシートを、2本の加熱金属ロールの組み合わせからなるカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度218℃、圧力785N/cm、加工速度30m/minの条件で熱圧加工し、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の質量比※1は100:0であり、通気度は3.8cc/cm/secであった。
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体に対して、以下の評価を行い、結果を表2に示した。
試験1(厚さ)
JIS P8118に準じ、厚さを測定した。
試験2(引張強さ)
各半透膜支持体の流れ方向について、JIS P8113に準じ、熱圧加工前後の引張強さを測定した。熱圧加工前の引張強さは、0.1kN/m以上が実用上の下限であり、0.5kN/m以上あれば良好である。熱圧加工後の引張強さは、3.0kN/m以上あれば実用上問題なく、5.0kN/m以上あれば良好である。
試験3(半透膜滲み込み)
一定のクリアランスを有するコンマコーターを用いて、半透膜支持体の半透膜塗布面にポリスルホン樹脂のDMF溶液(濃度:23%、B型粘度:12.4ポアズ(20℃))を塗布し、水洗、乾燥を行い、半透膜支持体の表面にポリスルホン膜を形成させ半透膜を作製し、半透膜の断面SEM写真を撮影して、ポリスルホン樹脂の半透膜支持体への滲み込み度合いを評価した。
◎:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の中心付近までしか滲み込んでいない。非常に良好なレベル。
○:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に滲み出ていない。良好なレベル。
△:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に一部滲み出ている。実用上、使用可能レベル。
×:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に滲み出ている。実用上、使用不可レベル。
試験4(半透膜接着性)
試験3で作製した半透膜について、作製1日後、半透膜と半透膜支持体とをその界面で剥がれるようにゆっくりと引き剥がし、剥離するときの抵抗度合いで判断した。
◎:半透膜と半透膜支持体の接着性が非常に高く、剥離できない。非常に良好なレベル。
○:部分的に剥離しやすい所が存在する。良好なレベル。
△:半透膜と半透膜支持体とが接着はしているが、全体的に剥離しやすい。実用上、下限レベル。
×:半透膜塗布後の水洗又は乾燥工程で剥離が発生する。使用不可レベル。
試験5(幅方向の収縮率)
試験3で作製した半透膜が塗布された半透膜支持体の幅方向の収縮率を以下の式により算出した。幅方向の収縮率は、2%以下が実用上問題なく、1%以下であれば良好であり、0.5%以下であれば特に好ましい。
幅方向の収縮率(%)=(1−(半透膜塗布後の幅方向の長さ/半透膜塗布前の幅方向の長さ))×100
試験6(脱塩率、透過水量)
試験3で作製したポリスルホン膜の表面をm−フェニレンジアミン2質量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15質量%を含有した水溶液に30秒間浸漬した後、ポリスルホン膜をゆっくり引き上げ、ポリスルホン膜表面から余分な水溶液を取り除いた。次いで、トリメシン酸クロライド0.1重量%を含有するn−ヘキサン溶液にポリスルホン膜の表面を10秒間接触させて界面重縮合反応を行わせ、ポリスルホン膜上にポリアミド膜(厚み1μm)を形成させ、その後120℃に設定された熱風乾燥機中にて3分間乾燥させることにより複合半透膜を得た。
このようにして得られた複合半透膜について、操作圧力1.5MPa、温度25℃にて、0.15質量%、pH6.5の食塩水を1時間透過させた後、脱塩率、透過流束を測定した。透過液中の塩濃度及び供給液中の塩濃度は、各液の電気伝導度を測定することにより求め、下記式により脱塩率を求めた。脱塩率及び透過水量の数値が大きい方が、性能が優れている。
脱塩率(%)=(1−(透過液中の溶質濃度/供給液中の溶質濃度))×100
実施例1〜25の半透膜支持体は、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維の2種以上を含有し、バインダー繊維として芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有し、該不織布の通気度が5.5〜40.0cc/cm/secであるので、10ポアズを超える高粘度の半透膜溶液を用いた場合でも、半透膜滲み込み、半透膜接着性、強度に優れ、半透膜塗工工程における幅方向の収縮率が小さく、実用上優れた特性を示した。
実施例1〜6の比較より、バインダー繊維である芯鞘型複合繊維の鞘部の融点が145〜155℃である実施例1、4、5は、半透膜塗工後の幅方向の収縮率が小さく、熱圧加工前後の強度が強く、好ましい。実施例1、7の比較より、バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有する実施例7は、熱圧加工前のシートの強度が強く、取り扱い性に優れる。実施例7、22〜24の比較より、バインダー繊維である芯鞘型複合繊維の配合部数が20質量%以上35質量%以下である実施例7、23は、熱圧加工後のシートの強度、半透膜滲み込み、半透膜塗工工程における幅方向の収縮率の全てが小さく、好ましい。
本発明の半透膜支持体は、通気度が5.5〜40.0cc/cm/secであることを特徴とするが、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と、15.0μm以上25.0μm以下の繊維の2種以上を併用することにより、通気度のコントロールを行うことができる。実施例7〜14の比較より、質量比※1が90:10〜10:90である実施例7、8、11、12は、通気度が7.0〜30.0cc/cm/secであり、半透膜滲み込み、半透膜接着性が共に良好であり、好ましい。さらに、実施例7〜21の比較より、半透膜支持体の通気度が10.0〜20.0cc/cm/secである実施例7、8、17は、半透膜滲み込み、半透膜接着性が特に良好であり、好ましい。
これに対し、主体繊維が繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維のみからなる比較例1、2、主体繊維として繊維径4.0μmを下回る繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維を併用した比較例6は、通気度が5.5cc/cm/secを下回り、半透膜接着性に劣る。主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維を併用しているものの、カレンダー条件を強めることで、通気度を5.5cc/cm/secより小さくした比較例7も、半透膜接着性に劣る。
主体繊維が15.0μm以上25.0μm以下の繊維のみからなる比較例3、4、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と25.0μmを上回る繊維を併用した比較例5は、通気度が40.0cc/cm/secを上回り、半透膜滲み込みに劣る。主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維を併用しているものの、カレンダー条件を弱めることで、通気度を40.0cc/cm/secより大きくした比較例8は、カレンダー後のシートの強度に劣り、半透膜接着性に劣る。
芯鞘型複合繊維の鞘部の融点が125℃を下回る比較例9は、半透膜滲み込み、半透膜塗工後の幅方向の収縮率が高く、脱塩率が劣る。芯鞘型複合繊維の鞘部の融点が160℃を上回る比較例10は、熱圧加工前のシートの強度に劣る。鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維の配合部数が10部を下回る比較例11は、カレンダー後のシートの強度に劣り、半透膜接着性に劣る。鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維の配合部数が50部を上回る比較例12は、半透膜溶液を塗布した後におけるシートの幅方向の収縮が大きく、脱塩率に劣る。
比較例13〜17は、バインダー繊維として未延伸ポリエステル繊維のみを用い、主体繊維径を各種変更している。バインダー繊維として未延伸ポリエステル繊維を用いた場合は、本発明に係わる芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を用いた場合に比べ、熱圧加工時にかかる温度が高いせいか、通気度が小さくなる傾向が見られる。比較例13、15〜17は、通気度が5.5cc/cm/secを下回り、半透膜接着性に劣る。比較例14は、主体繊維に繊維径24.8μmの繊維を用い、通気度は5.5cc/cm/secを上回っているが、繊維径が太く、半透膜支持体の表面平滑性に劣るせいか、脱塩率に劣る結果となった。
バインダー繊維として、本発明に係わる芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維、あるいは鞘部の融点が異なる2種類の芯鞘型複合繊維を用いているものの、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維のみを用いた比較例18及び19は、通気度が5.5cc/cm/secを下回り、半透膜接着性に劣る。
本発明の半透膜支持体は、海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造、膜分離活性汚泥処理等の分野で利用することができる。

Claims (3)

  1. 半透膜支持体の少なくとも一方の面に分離膜を設けて用いる半透膜支持体において、該半透膜支持体が合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含む不織布であり、主体繊維として繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維の2種以上を含有し、バインダー繊維として芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が125℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を10質量%以上50質量%以下含有し、該不織布の通気度が5.5〜40.0cc/cm/secであることを特徴とする半透膜支持体。
  2. バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有する請求項1記載の半透膜支持体。
  3. 主体繊維として、繊維径4.0μm以上15.0μm未満の繊維と15.0μm以上25.0μm以下の繊維との質量比が90:10〜10:90である請求項1又は2記載の半透膜支持体。
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