JP2020146606A - 半透膜支持体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、半透膜塗布後の収縮を抑制し、カールのない均一な半透膜を形成できる半透膜支持体を提供することにある。【解決手段】合成繊維からなる主体繊維とバインダー繊維とを含み、半透膜形成面側の層と非半透膜形成面側の層とからなる2層構造の半透膜支持体において、半透膜形成面側の層において、主体繊維とバインダー繊維の総量に対するバインダー繊維の含有比率が20〜50質量%であり、且つ、非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が、半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率に対して1.1〜1.5倍であることを特徴とする半透膜支持体であり、10cm×10cmに切り出した半透膜支持体を平滑な台上に水平に静置し、23℃50%R.H.の条件にて24時間調湿後、四隅の浮き上がっている高さの平均が5〜20mmの範囲であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、半透膜支持体に関する。
海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で、半透膜が広く用いられている。半透膜は、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等の合成樹脂で構成されている。しかしながら、半透膜単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布等の繊維基材からなる半透膜支持体の片面に半透膜が設けられた形態である「濾過膜」として使用されている。「半透膜支持体の半透膜が設けられる面」を「半透膜形成面」と記載する場合がある。また、「半透膜形成面の反対面」を「非半透膜形成面」と記載する場合がある。
濾過膜の製造方法としては、上述したポリスルホン系樹脂等の合成樹脂を有機溶媒に溶解し、半透膜液を調製した後、この半透膜液を半透膜支持体上に塗布する方法が広く用いられている。そして、効率的に濾過を行うために、スパイラル型の半透膜エレメントが形成され、さらに、半透膜モジュールが組み立てられる(例えば、特許文献1参照)。
高い濾過流束と濾過性能を得るためには、半透膜表面に凹凸が少なく、半透膜形成時の横方向湾曲やシワの発生がなく、半透膜支持体上に半透膜が均一な厚みで設けられる必要がある。半透膜が均一な厚みで設けられるには、半透膜支持体の半透膜形成面に優れた平滑性が必要とされる。そして、良好な濾過性能を得るためには、半透膜と半透膜支持体との接着性にも優れている必要がある。また、半透膜モジュールを組み立てる際に、接着剤を使って、非半透膜形成面同士を貼り合わせる工程があるため、この非半透膜形成面同士の接着性に優れていることも要求されている。さらに、半透膜液が非半透膜形成面にまで裏抜けしないことが要求されている。裏抜けが発生すると、半透膜の厚みが不均一になる、非半透膜形成面同士の接着性が低下するという問題が発生するからである。
半透膜支持体として、引張強度の縦横比の異なる不織布を積層し、支持体を凸状に湾曲させ、半透膜液の収縮カールを抑制する支持体が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法では熱圧接着した際、引張強度の縦横比が異なる層を積層しているため、層同士の繊維結着点が少なくなり、層間強度が低下し、層間剥離を発生させるおそれがあった。また、引張強度の縦横比は繊維配向性に相関しており、繊維配向性は抄紙における水温や繊維を分散したスラリーの粘性に大きく左右され、繊維配向性のコントロールが困難であり、抄造方式によっては安定生産性に難があった。
本発明の課題は、半透膜液塗布後の収縮を抑制し、カールのない均一な半透膜を形成できる半透膜支持体を提供することにある。
上記課題は、下記手段によって解決された。
(1)合成繊維からなる主体繊維とバインダー繊維とを含み、半透膜形成面側の層と非半透膜形成面側の層とからなる2層構造の半透膜支持体において、半透膜形成面側の層において、主体繊維とバインダー繊維の総量に対するバインダー繊維の含有比率が20〜50質量%であり、且つ、非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が、半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率に対して1.1〜1.5倍であることを特徴とする半透膜支持体。
(2)10cm×10cmに切り出した半透膜支持体を、非半透膜形成面側を上にし、平滑な台上に水平に静置し、23℃50%R.H.の条件にて24時間調湿後、四隅の浮き上がっている高さの平均が5〜20mmの範囲である(1)に記載の半透膜支持体。
(2)10cm×10cmに切り出した半透膜支持体を、非半透膜形成面側を上にし、平滑な台上に水平に静置し、23℃50%R.H.の条件にて24時間調湿後、四隅の浮き上がっている高さの平均が5〜20mmの範囲である(1)に記載の半透膜支持体。
本発明の半透膜支持体は、半透膜形成面側の層における主体繊維とバインダー繊維の総量に対するバインダー繊維の含有比率が20〜50質量%であることから、繊維毛羽立ちを抑制させる十分な表面強度を有し、水処理圧に耐えうる高強度な半透膜支持体となる。そして、非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率に対して1.1〜1.5倍であることにより、半透膜支持体を非半透膜形成面側へカールさせ、膜収縮によるカールを抑制する効果がある。また、非半透膜形成面側のバインダー繊維の含有比率が高いことから、非半透膜形成面側が密構造となり、半透膜液の裏抜け抑制効果もある。
本発明の半透膜支持体は、合成繊維からなる主体繊維とバインダー繊維とを含み、半透膜形成面側の層と非半透膜形成面側の層とからなる2層構造の半透膜支持体において、半透膜形成面側の層において、主体繊維とバインダー繊維の総量に対するバインダー繊維の含有比率が20〜50質量%であり、且つ、非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が、半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率に対して1.1〜1.5倍であることを特徴とする。「非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が、半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率」を「バインダー繊維の含有比率(非半透膜形成面/半透膜形成面)」と記載する場合がある。
半透膜形成面側の層において、主体繊維とバインダー繊維の総量に対するバインダー繊維の含有比率は、20〜50質量%であり、25〜45質量%であることがより好ましく、30〜40質量%であることがさらに好ましい。半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が20〜50質量%であることから、繊維毛羽立ちを抑制させる十分な表面強度を有し、水処理圧に耐えうる高強度な半透膜支持体となる。半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が20質量%を下回る場合、繊維同士の結着が不十分となり、繊維脱落の発生による膜性能の低下や機械的強度の低下による破断等の問題が発生する。バインダー繊維の含有比率が50質量%を超えると、半透膜支持体が高密度となり、半透膜液の浸透が少なくなり、十分なアンカー効果が得られず、半透膜支持体上に形成された半透膜が剥がれやすくなる問題が発生する。
本発明において、非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率は、半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率に対して、1.1〜1.5倍であり、1.2〜1.5倍であることがより好ましい。バインダー繊維の含有比率(非半透膜形成面/半透膜形成面)が1.1〜1.5倍であることにより、半透膜支持体を非半透膜形成面側へカールさせ、膜収縮によるカールを抑制する効果がある。また、非半透膜形成面側のバインダー繊維の含有比率が高いことから、非半透膜形成面側が密構造となり、半透膜液の裏抜け抑制効果もある。バインダー繊維の含有比率(非半透膜形成面/半透膜形成面)が1.1倍を下回ると、非半透膜形成面側へのカールが少なくなり、膜収縮によるカールを十分に抑制することができなくなる。バインダー繊維の含有比率(非半透膜形成面/半透膜形成面)が1.5倍を上回ると、非半透膜形成面側へのカールが大きくなり過ぎ、搬送工程や塗布工程において搬送トラブルが発生し、膜製造の生産性が悪化する。
本発明において、10cm×10cmに切り出した半透膜支持体を、非半透膜形成面側を上にし、平滑な台上に水平に静置し、23℃50%R.H.の条件にて24時間調湿後、四隅の浮き上がっている高さの平均(以下、「平均カール高さ」と記載する場合がある)が5〜20mmであることが好ましく、7〜17mmであることがより好ましく、9〜15mmであることがさらに好ましい。平均カール高さが5mmを下回ると、半透膜形成面側へ半透膜を形成した際、半透膜形成面側への膜収縮が十分に抑制できない可能性がある。平均カール高さが20mmより高くなると、非半透膜形成面側へのカールが大きくなり過ぎ、搬送工程や塗布工程において搬送トラブルが発生し、膜製造の生産性が悪化する可能性が高くなる。
平均カール高さを5〜20mmにするためには、非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率を半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率に対して、1.1〜1.5倍にする必要がある。また、熱圧処理工程において、第2ニップ時の加工温度を第1ニップ時の加工温度よりも高くすることが好ましく、その温度差は10℃以内が好ましく、より好ましくは5℃以内である。
本発明の半透膜支持体としては、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、乾式短繊維不織布及び湿式抄造不織布等の不織布、これらの不織布から選ばれる複数の不織布を積層した複合不織布を用いることができる。また、不織布は熱ロールによって熱圧加工処理されることが好ましい。
本発明において、主体繊維とバインダー繊維は合成繊維からなることが好ましい。主体繊維は半透膜支持体の骨格を形成する繊維であり、バインダー繊維が軟化又は溶融する温度でも、主体繊維は軟化又は溶融しにくく、断面形状が変化することはあるものの、繊維としての形状が損なわれない繊維である。主体繊維としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ベンゾエート系、ポリクラール系、フェノール系等の繊維が挙げられるが、耐熱性の高いポリエステル系の繊維がより好ましく使用される。
本発明の半透膜支持体において、主体繊維として、繊維径の異なる2種以上の繊維を含有することが好ましい。繊維径の異なる2種以上の主体繊維が絡み合って形成された繊維ネットワークによって、半透膜形成面に複雑で微細な凹凸が生じるため、半透膜と半透膜支持体との接着性を向上させることができる。また、この繊維ネットワークによって、半透膜形成面の平滑性も向上させることができ、均一な半透膜を得ることができる。
主体繊維の平均繊維径は、特に限定しないが、7〜20μmであることが好ましく、8〜16μmであることがより好ましい。また、少なくとも1種の主体繊維の繊維径が13μm以下の場合、半透膜形成面の平滑性をより高めることができ、膜の厚みが均一な半透膜が得られやすくなる。主体繊維の平均繊維径が7μm未満の場合、半透膜形成面と半透膜との剥離強度が低下する場合や、非半透膜形成面同士の接着性が悪化する場合がある。主体繊維の平均繊維径が20μmを超える場合、半透膜支持体の表面の平滑性が失われて、均一な厚みの半透膜が得難くなるだけでなく、フラジール(FG)通気度が高くなり過ぎて、半透膜液塗工時に裏抜けが発生する場合がある。
主体繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。繊維長が1mm未満の場合、抄紙工程にて繊維の三次元ネットワークが形成されにくく、抄紙ワイヤーからの剥離性が悪化するおそれがある。一方、繊維長が12mmを超える場合、繊維同士の絡まりや縺れの発生により、半透膜支持体の均一性や半透膜の平滑性に悪影響を及ぼすおそれがある。主体繊維の断面形状は円形が好ましいが、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も、裏抜け防止、半透膜形成面の平滑性のために、他の特性を阻害しない範囲内で含有できる。
本発明の半透膜支持体は、バインダー繊維を含有しているが、バインダー繊維が軟化又は溶融する温度付近まで温度を上げる工程を、半透膜支持体の製造工程に組み入れることで、バインダー繊維が半透膜支持体の機械的強度を向上させる。例えば、半透膜支持体を湿式抄造法で製造し、その後の乾燥工程や熱圧加工処理で、バインダー繊維を軟化又は溶融させることができる。
バインダー繊維としては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維等の複合繊維、未延伸繊維等が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、半透膜支持体の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。より具体的には、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組合せ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組合せ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組合せ、ポリエステル等の未延伸繊維が挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、半透膜支持体の乾燥工程で皮膜を形成しやすいが、特性を阻害しない範囲で使用することができる。本発明においては、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組合せ、ポリエステルの未延伸繊維を好ましく用いることができる。
バインダー繊維の繊維径は、主体繊維と異なっていることが好ましいが、特に限定されない。主体繊維とバインダー繊維との繊維径が異なることで、バインダー繊維は半透膜支持体の機械的強度を向上させる役割の他に、主体繊維と共に均一な三次元ネットワークを形成する役割も果たし、さらに、乾燥工程や熱圧加工処理等の、バインダー繊維が軟化又は溶融する温度付近まで温度を上げる工程においては、半透膜形成面の平滑性をも向上させることができる。
バインダー繊維の繊維長は、特に限定されないが、繊維長が20mmを超えた場合、地合が悪化する傾向がある。バインダー繊維の断面形状は円形及びT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も含有することが可能である。
本発明の半透膜支持体は、半合成繊維のアセテート、トリアセテート、プロミックスや、再生繊維のレーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等を、性能を阻害しない範囲で、含むことができる。
本発明の半透膜支持体としては、湿式抄造法で製造された不織布(湿式抄造不織布)が熱ロールによって熱圧加工処理されることによって製造される半透膜支持体であることが好ましい。
湿式抄造法では、まず、主体繊維、バインダー繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調製されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙方式としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー式等を用いることができる。これらの抄紙方式から選ばれる1種の抄紙方式を有する抄紙機を使用しても良いし、同種又は異種の2種以上の抄紙方式がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を使用しても良い。また、半透膜支持体が2層以上の多層構造の場合には、各々の抄紙方式で抄き上げた湿紙を積層する「抄き合わせ法」、一方の層を形成した後に、該層の上に繊維を分散したスラリーを流延する「流延法」等で製造することができる。流延法において、先に形成した一層は湿紙状態であっても良いし、乾燥状態であっても良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造とすることもできる。
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより、湿式抄造不織布を得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることをいう。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜170℃がより好ましく、100〜160℃がさらに好ましい。熱ロールの表面温度が100℃を下回る場合、抄紙機で製造された湿紙の水分が十分に蒸発せず、半透膜支持体の厚み均一性が悪くなる場合があり、熱ロールの表面温度が180℃を超える場合、抄紙機で製造された湿紙が熱ロールに貼り付いて、半透膜支持体の地合が悪くなる場合がある。圧力は、好ましくは5〜100kN/mであり、より好ましくは10〜80kN/mである。圧力が5kN/mを下回る場合、抄紙機で製造された湿紙の水分が十分に抜けず、半透膜支持体の厚み均一性が悪くなる場合があり、100kN/mを超える場合、抄紙機で製造された湿紙が熱ロールに貼り付いて、半透膜支持体の地合が悪くなる場合がある。
熱圧加工処理では、熱圧加工処理装置の熱ロール間をニップしながら、湿式抄造不織布を熱ロール間に通過させる。熱ロールの組合せとしては、2本の金属ロール、金属ロールと樹脂ロール、金属ロールとコットンロール等が挙げられ、一方あるいは両方の熱ロールを加熱する。さらに、必要に応じて、不織布の表裏を逆にして、ニップへの通過回数を2回以上にしても良い。
熱圧加工処理に用いる熱ロールの表面温度は、示差熱分析によって測定した主体繊維の融点より低く、バインダー繊維の融点に対して−70〜−20℃であることが好ましく、−60〜−30℃であることがより好ましい。熱ロール温度の表面温度を、バインダー繊維の融点より70℃を超えて低くすると、毛羽立ちが発生しやすくなる場合があり、均一な厚みの半透膜が得難くなる。一方、熱ロールの表面温度を、融点より20℃低い温度を超えて高くすると、熱ロールに繊維の溶融分が付着して、半透膜支持体が不均一になる場合があり、均一な厚みの半透膜が得難くなる。
本発明の半透膜支持体は、各層の繊維配合が異なる2層構造である。この場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、半透膜支持体の地合が良くなり、その結果、半透膜形成面の平滑性や均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上する。
半透膜支持体の坪量は、特に限定しないが、20〜150g/m2が好ましく、より好ましくは50〜100g/m2である。20g/m2未満の場合は、十分な引張強度が得られない場合がある。また、150g/m2を超えた場合、通液抵抗が高くなる場合や厚みが増してユニットやモジュール内に規定量の半透膜を収納できない場合がある。
また、半透膜支持体の密度は、0.5〜1.2g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.6〜1.0g/cm3である。半透膜支持体の密度が0.5g/cm3未満の場合は、厚みが厚くなるため、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜のライフが短くなってしまうことがある。一方、1.2g/cm3を超える場合は、通液性が低くなることがあり、半透膜のライフが短くなる場合がある。
半透膜支持体の厚みは、60〜150μmであることが好ましく、70〜130μmであることがより好ましく、80〜120μmであることがさらに好ましい。半透膜支持体の厚みが150μmを超えると、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜のライフが短くなってしまうことがある。一方、60μm未満の場合、十分な引張強度が得られない場合や通液性が低くなって、半透膜のライフが短くなる場合がある。
半透膜支持体の通気度は0.5〜5.0cm3/cm2・secであることが好ましく、1.0〜4.5cm3/cm2・secであることがより好ましく、1.5〜4.0cm3/cm2・secであることがさらに好ましい。0.5cm3/cm2・secより小さいと、半透膜と半透膜支持体との接着性に劣る場合がある。5.0cm3/cm2・secより大きいと、半透膜液を塗布した際に裏抜けが発生しやすくなる場合がある。また、半透膜形成面の平滑性が低下する場合がある。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下、特にことわりのないかぎり、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
(実施例1)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維(繊維径8.1μm、繊維長6mm、延伸ポリエステル繊維、以下「主体繊維」と記載する)を70質量%、バインダー繊維(繊維径11.8μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維、以下「バインダー繊維」と記載する)を30質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を60質量%、バインダー繊維を40質量%とし、これらの繊維を水に混合分散したスラリーを、撹拌装置を有する2つのストックタンクに分けて貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機と円網抄紙機とのコンビネーションマシンを用い、半透膜形成面側の層を傾斜ワイヤー抄紙機で、非半透膜形成面側の層を円網抄紙機で、各層35g/m2の抄き合わせ湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて、半透膜形成面側がヤンキードライヤーに接するように熱圧乾燥し、坪量70g/m2の湿式抄造不織布を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維(繊維径8.1μm、繊維長6mm、延伸ポリエステル繊維、以下「主体繊維」と記載する)を70質量%、バインダー繊維(繊維径11.8μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維、以下「バインダー繊維」と記載する)を30質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を60質量%、バインダー繊維を40質量%とし、これらの繊維を水に混合分散したスラリーを、撹拌装置を有する2つのストックタンクに分けて貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機と円網抄紙機とのコンビネーションマシンを用い、半透膜形成面側の層を傾斜ワイヤー抄紙機で、非半透膜形成面側の層を円網抄紙機で、各層35g/m2の抄き合わせ湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて、半透膜形成面側がヤンキードライヤーに接するように熱圧乾燥し、坪量70g/m2の湿式抄造不織布を得た。
得られた湿式抄造不織布を、金属ロール(加熱)と樹脂ロール(非加熱)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一ロールニップ時の金属ロールの表面温度を220℃及び第二ロールニップ時の金属ロールの表面温度を225℃とし、ニップ圧力100kN/m、加工速度20m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。第一ロールニップでは、半透膜形成面が金属ロールに接触し、第二ロールニップでは、非半透膜形成面が金属ロールに接触するように、熱圧加工処理した。
(実施例2)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を50質量%、バインダー繊維を50質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を40質量%、バインダー繊維を60質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を50質量%、バインダー繊維を50質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を40質量%、バインダー繊維を60質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
(実施例3)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を75質量%、バインダー繊維を25質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を70質量%、バインダー繊維を30質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を75質量%、バインダー繊維を25質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を70質量%、バインダー繊維を30質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
(実施例4)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を70質量%、バインダー繊維を30質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を70質量%、バインダー繊維を30質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
(実施例5)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を73質量%、バインダー繊維を27質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を70質量%、バインダー繊維を30質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を73質量%、バインダー繊維を27質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を70質量%、バインダー繊維を30質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
(実施例6)
実施例1と同配合にて、金属ロール(加熱)と樹脂ロール(非加熱)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一ロールニップ時の金属ロールの表面温度を220℃及び第二ロールニップ時の金属ロールの表面温度を220℃とし、ニップ圧力100kN/m、加工速度20m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。
実施例1と同配合にて、金属ロール(加熱)と樹脂ロール(非加熱)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一ロールニップ時の金属ロールの表面温度を220℃及び第二ロールニップ時の金属ロールの表面温度を220℃とし、ニップ圧力100kN/m、加工速度20m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。
(実施例7)
実施例1と同配合にて、金属ロール(加熱)と樹脂ロール(非加熱)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一ロールニップ時の金属ロールの表面温度を220℃及び第二ロールニップ時の金属ロールの表面温度を230℃とし、ニップ圧力100kN/m、加工速度20m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。
実施例1と同配合にて、金属ロール(加熱)と樹脂ロール(非加熱)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一ロールニップ時の金属ロールの表面温度を220℃及び第二ロールニップ時の金属ロールの表面温度を230℃とし、ニップ圧力100kN/m、加工速度20m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。
(比較例1)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
(比較例2)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を50質量%、バインダー繊維を50質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を50質量%、バインダー繊維を50質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を50質量%、バインダー繊維を50質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を50質量%、バインダー繊維を50質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
(比較例3)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を75質量%、バインダー繊維を25質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を75質量%、バインダー繊維を25質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
(比較例4)
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を65質量%、バインダー繊維を35質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を80質量%、バインダー繊維を20質量%とし、非半透膜形成面側の層の配合を、主体繊維を65質量%、バインダー繊維を35質量%にした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。
<半透膜の作製>
一定のクリアランスを有する定速塗工装置(商品名:Automatic FilmApplicator、安田精機社製)を用いて、実施例1〜7及び比較例1〜4の半透膜支持体の半透膜形成面にポリスルホン(SIGMA−ALDRICH Corporation製、質量平均分子量Mw<35,000、数平均分子量Mn<16,000、商品番号428302)のDMF溶液(濃度:18質量%)である半透膜液を塗工し、水洗、乾燥を行い、半透膜支持体の半透膜形成面に厚み50μmのポリスルホンからなる半透膜を形成させて、濾過膜を得た。
一定のクリアランスを有する定速塗工装置(商品名:Automatic FilmApplicator、安田精機社製)を用いて、実施例1〜7及び比較例1〜4の半透膜支持体の半透膜形成面にポリスルホン(SIGMA−ALDRICH Corporation製、質量平均分子量Mw<35,000、数平均分子量Mn<16,000、商品番号428302)のDMF溶液(濃度:18質量%)である半透膜液を塗工し、水洗、乾燥を行い、半透膜支持体の半透膜形成面に厚み50μmのポリスルホンからなる半透膜を形成させて、濾過膜を得た。
測定1(坪量)
JIS P8124:2011に準拠して、坪量を測定した。
JIS P8124:2011に準拠して、坪量を測定した。
測定2(厚さ)
JIS P8118:2014に準拠して、厚さを測定した。
JIS P8118:2014に準拠して、厚さを測定した。
測定3(通気度)
JIS L1096:2010のフラジール形法に準拠して、通気度を測定した。
JIS L1096:2010のフラジール形法に準拠して、通気度を測定した。
測定4(平均カール高さ)
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体から、幅方向10cm×長手方向10cmのサンプルを採取し、非半透膜形成面を上にして、平滑な台上に水平に静置し、23℃、50%R.H.の条件にて24時間調湿後、四隅の浮き上がっている高さを測定し、その値の平均値を「平均カール高さ」とした。
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体から、幅方向10cm×長手方向10cmのサンプルを採取し、非半透膜形成面を上にして、平滑な台上に水平に静置し、23℃、50%R.H.の条件にて24時間調湿後、四隅の浮き上がっている高さを測定し、その値の平均値を「平均カール高さ」とした。
評価(塗工後カール評価)
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体を用いて半透膜を形成させた濾過膜から、幅方向200mm×長手方向300mmのシートサンプルを採取し、半透膜形成面を上にして、平滑な台上に水平に静置し、シートサンプルのカール状態を下記基準で評価した。
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体を用いて半透膜を形成させた濾過膜から、幅方向200mm×長手方向300mmのシートサンプルを採取し、半透膜形成面を上にして、平滑な台上に水平に静置し、シートサンプルのカール状態を下記基準で評価した。
○:カールは見られず、良好。
△:わずかにカールは見られるが、実用上問題ないレベル。
×:シートサンプルが丸まり、実用上不可レベル。
△:わずかにカールは見られるが、実用上問題ないレベル。
×:シートサンプルが丸まり、実用上不可レベル。
実施例1〜7の半透膜支持体は、合成繊維からなる主体繊維とバインダー繊維とを含み、半透膜形成面側の層と非半透膜形成面側の層とからなる2層構造の半透膜支持体であり、半透膜形成面側の層において、主体繊維とバインダー繊維の総量に対するバインダー繊維の含有比率が20〜50質量%であり、且つ、バインダー繊維の含有比率(非半透膜形成面/半透膜形成面)が1.1〜1.5倍であることから、半透膜塗工後のカールも操業上、問題ないレベルとなった。
また、繊維配合が等しい実施例1、6及び7とを比較すると、平均カール高さが5〜20mmの範囲である実施例1の半透膜支持体は、平均カール高さが5mmを下回る実施例6の半透膜支持体及び平均カール高さが20mmを上回る実施例7の半透膜支持体と比較して、実施例6よりも半透膜塗工後のカールが無く、半透膜液の裏抜けが無く、よりフラットな膜であり、実施例7よりも半透膜支持体のカールが少なく、塗工性に優れる結果であった。
比較例1及び2の半透膜支持体は、各層におけるバインダー繊維の含有比率が同じであり、平均カール高さが0mmのフラットな半透膜支持体であるが、半透膜塗工後、半透膜液由来の収縮によりカールし、実用上不可レベルとなった。比較例3の半透膜支持体は、半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率より高いため、静置状態において、半透膜形成面側へカールする結果であり、半透膜塗工後、シートサンプルが丸まり、実用上不可レベルとなった。比較例4の半透膜支持体は、バインダー繊維の含有比率(非半透膜形成面/半透膜形成面)が1.5倍を上回り、非半透膜形成面側へカールするものの、カールが強過ぎて、均一な塗布ができなかった。
本発明の半透膜支持体は、海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で利用することができる。
Claims (2)
- 合成繊維からなる主体繊維とバインダー繊維とを含み、半透膜形成面側の層と非半透膜形成面側の層とからなる2層構造の半透膜支持体において、半透膜形成面側の層において、主体繊維とバインダー繊維の総量に対するバインダー繊維の含有比率が20〜50質量%であり、且つ、非半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率が、半透膜形成面側の層におけるバインダー繊維の含有比率に対して1.1〜1.5倍であることを特徴とする半透膜支持体。
- 10cm×10cmに切り出した半透膜支持体を平滑な台上に水平に静置し、23℃、50%R.H.の条件にて24時間調湿後、四隅の浮き上がっている高さの平均が5〜20mmの範囲である請求項1に記載の半透膜支持体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019044373A JP2020146606A (ja) | 2019-03-12 | 2019-03-12 | 半透膜支持体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019044373A JP2020146606A (ja) | 2019-03-12 | 2019-03-12 | 半透膜支持体 |
Publications (1)
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JP2020146606A true JP2020146606A (ja) | 2020-09-17 |
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ID=72431252
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JP2019044373A Pending JP2020146606A (ja) | 2019-03-12 | 2019-03-12 | 半透膜支持体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020146606A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115006997A (zh) * | 2022-04-29 | 2022-09-06 | 杭州福斯特应用材料股份有限公司 | 一种半透膜复合材料及其制备方法 |
-
2019
- 2019-03-12 JP JP2019044373A patent/JP2020146606A/ja active Pending
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