JP2015058409A - 半透膜支持体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、膜欠点の発生が少ない半透膜支持体を提供することにある。【解決手段】湿式抄造段階において2層以上に積層された半透膜支持体において、透過光により検出されるピンホール最大値が10画素数以下であることを特徴とする半透膜支持体であり、主体繊維の平均繊維径が7〜12μmであること、湿式抄造段階における抄速が30m/min以下であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、半透膜支持体に関する。
海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で、半透膜が広く用いられている。半透膜は、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂等の合成樹脂で構成されている。しかしながら、半透膜単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布などの繊維基材からなる半透膜支持体の片面(以下、「半透膜塗布面」という)に半透膜が設けられた形態(以下「濾過膜」という)で使用されている。
半透膜支持体に半透膜を塗設する方法として、上述したポリスルホン系樹脂等の合成樹脂を有機溶媒に溶解し、半透膜塗布液を調製した後、この半透膜塗布液を半透膜支持体上に塗布する方法が広く用いられ、効率的に濾過を行うために、濾過膜を構成する半透膜支持体の半透膜支持体塗布面とは反対の面同士を接着剤により接着し、その非塗布面を濾過水が流れることにより、濾過を行っている。
この濾過膜の製造方法では(例えば、特許文献1参照)、半透膜塗布液を半透膜支持体以上に塗布された後、低湿度化の雰囲気中にある程度の時間放置された後、水又は温水中に浸漬され微細な孔径を持つ半透膜層が形成される。この場合、半透膜支持体中にある程度の大きさを持つピンホールが存在すると、半透膜塗布液がピンホールから半透膜支持体内部に浸透し、半透膜塗布液の液面に大きな凹みが発生し、水面に衝突する瞬間に半透膜塗布液面が波立ち、半月型の塗布欠陥が発生する場合がある。
このような塗布欠陥を抑制するために、熱可塑性フィラメントより構成される長繊維不織布を熱圧処理時に貼り合わせ、その後、透過高輝度変動係数を1.0〜6.0%とする方法が示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、長繊維不織布を使用すると、半透膜支持体の地合いが悪化しやすく、半透膜塗布量が均一になり難いという問題がある。また、透過光の輝度変動係数は、使用する繊維径が均一に近いほど小さくなる傾向にあり、半透膜支持体のピンホールの最大径を反映しているものとは言い難い。
また、半透膜支持体上に塗布される半透膜塗布液の量を増加させると、半透膜塗布液の凹みが相対的に小さくなり、上記のような月形の膜欠点の発生は抑制される傾向にあるが、塗布量を増加させることは経済的に問題があり、また通水量を低下させる大きな要因となるため、根本的な解決方法となるものではなかった。
本発明の課題は、膜欠点の発生が少ない半透膜支持体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記発明を見出した。
(1)湿式抄造段階において2層以上に積層された半透膜支持体において、透過光により検出されるピンホール最大値が10画素数以下であることを特徴とする半透膜支持体。
(2)主体繊維の平均繊維径が7〜12μmである(1)記載の半透膜支持体。
(3)湿式抄造段階における抄速が30m/min以下である(1)又は(2)記載の半透膜支持体。
(2)主体繊維の平均繊維径が7〜12μmである(1)記載の半透膜支持体。
(3)湿式抄造段階における抄速が30m/min以下である(1)又は(2)記載の半透膜支持体。
本発明によれば、膜欠点の少ない半透膜支持体を得ることが可能になる。
本発明の半透膜支持体は、主体繊維及びバインダー繊維を含有してなる湿式不織布から構成される。地合い及び通気度プロファイルの均一な半透膜支持体を得るためには、湿式抄造法によって得られる湿式不織布を使用する必要がある。
本発明において、使用される湿式抄造法として、例えば、長網式、円網式、短網式、傾斜ワイヤー式等の湿式抄造方式を有する抄紙機を用いることができる。これらの抄造方式から同種又は異種の2種以上の抄造方式を有するコンビネーション抄紙機を使用することもできる。本発明において、半透膜支持体は湿式抄造段階で2層以上に積層されていることが必要である。この場合、各々の湿式抄造方式で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法を使用することが好ましい。また、一方のシートを形成した後に、該シートの上に繊維を分散したスラリーを流延する方法を使用することもできる。
湿式抄造法では、まず、主体繊維、バインダー繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調製されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維を水中に均一に分散させる工程で分散液中に空気が混入し、ポンプで送液されて、傾斜ワイヤー式、長網式の湿式抄造方式では常圧下で、円網式では減圧下でシートが形成されるため、気泡が大きくなり、ピンホールが発生すると思われる。従って、湿式抄造法において、多層構造とすることにより、発生するピンホールの最大径を小さくできると予想される。
本発明において、主体繊維、バインダー繊維を均一に水中に分散させるために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより、シートを得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることをいう。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cm、より好ましくは100〜800N/cmである。
主体繊維は、半透膜支持体の骨格を形成する繊維であり、合成繊維が使用される。例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ベンゾエート系、ポリクラール系、フェノール系などの繊維が挙げられるが、耐熱性の高いポリエステル系の繊維がより好ましい。また、半合成繊維のアセテート、トリアセテート、プロミックスや、再生繊維のレーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等は性能を阻害しない範囲で含有しても良い。
本発明において、主体繊維の平均繊維径は7〜12μmであることが好ましい。主体繊維の平均繊維径が12μmを上回る場合、透過光により検出されるピンホールの大きさを10画素数以下とすることが難しくなる。主体繊維の平均繊維径が7μmを下回る場合、毛羽立ちが発生しやすくなる。
ここで、主体繊維の平均繊維径は以下の方法により求められる。
平均繊維径=(主体繊維1の繊維径(μm)×主体繊維1の質量%+主体繊維2の繊維径(μm)×主体繊維2の質量%+主体繊維3の繊維径(μm)×主体繊維3の質量%)/
(主体繊維1の質量%+主体繊維2の質量%+主体繊維3の質量%)
平均繊維径=(主体繊維1の繊維径(μm)×主体繊維1の質量%+主体繊維2の繊維径(μm)×主体繊維2の質量%+主体繊維3の繊維径(μm)×主体繊維3の質量%)/
(主体繊維1の質量%+主体繊維2の質量%+主体繊維3の質量%)
主体繊維の繊維長は、特に限定しないが、10mm以下であることが好ましい。1〜10mmがより好ましく、3〜6mmがさらに好ましい。主体繊維の繊維長が10mmを超える場合、湿式抄造法において繊維が局在化しやすくなり、均一な通気度を持つ半透膜支持体が得難くなる。また繊維長が1mmを下回る場合、半透膜支持体強度の低下又は毛羽立ちが発生しやすくなるという欠点がある。
主体繊維の断面形状は円形以外に、三角形、四角形あるいは多角形を有する異形断面繊維と呼ばれるものがあるが、この場合は異形断面繊維の断面積を円形近似した場合の繊維径として近似することができる。
本発明において、半透膜支持体には主体繊維と共にバインダー繊維が使用される。
バインダー繊維としては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維などの複合繊維、未延伸繊維等が挙げられる。バインダー繊維は、主体繊維と結着して繊維間の三次元ネットワーク構造を形成し、半透膜支持体の強度を高め、毛羽立ちを抑制するために添加される。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、半透膜支持体の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。より具体的には、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ、ポリエステル等の未延伸繊維が挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、半透膜支持体の乾燥工程で皮膜を形成しやすいが、特性を阻害しない範囲で使用することができる。本発明においては、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ、ポリエステルの未延伸繊維を好ましく用いることができる。
バインダー繊維の繊維径は、特に限定されないが、好ましくは2〜20μmであり、より好ましくは5〜15μmであり、さらに好ましくは7〜12μmである。バインダー繊維は、主体繊維と比較して、繊維中に結晶化していない部分が存在し、熱圧処理時に加温することにより、半透膜支持体の機械的強度を向上させる役割を果たす。その他に、溶融、可塑変形したバインダー繊維は、主体繊維と共に均一な三次元ネットワークを形成する役割も果たす。さらに、バインダー繊維の軟化温度又は溶融温度以上まで温度を上げる工程では、半透膜塗布面の平滑性をも向上させることができ、該工程では加圧が伴っているとより効果的である。そして、バインダー繊維によって、半透膜支持体表面の細孔径を細かくすることもでき、結果として、半透膜支持体表面の毛羽立ちが抑制され、半透膜塗布液の裏抜けがなく、通気性プロファイルの均一な半透膜支持体を得ることが可能となる。
バインダー繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。バインダー繊維の繊維長が1mmを下回る場合、主体繊維と三次元ネットワーク構造形成に寄与し難くなって、半透膜支持体の機械的強度が低下する場合がある。また、バインダー繊維の繊維長が12mmを上回る場合、繊維本数が少なくなり、溶融部分が局在化することで通気度の均一な支持体が得られがたくなる。バインダー繊維の断面形状についても特に限定されず、円形、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も含有できる。
バインダー繊維の融点は示差熱分析により測定することが可能である。本発明の半透膜支持体の製造方法においては、バインダー繊維の融点に対して−50℃〜+10℃の表面温度を有する誘導発熱方式の金属ロールが半透膜塗布面に接触するように、熱圧処理を行う必要がある。より好ましい表面温度は、バインダー繊維の融点に対して−40〜±0℃であり、さらに好ましい表面温度は−30〜±0℃である。
半透膜塗布面の熱圧処理時の温度を、バインダー繊維の融点よりも50℃を超えて低くすると、どのような条件においても、毛羽立ちが発生しやすくなる。また、通気性プロファイルも均一となり難く、結果として、半透膜塗布液の裏抜けが発生しやすくなるため好ましくない。一方、半透膜塗布面の熱圧処理時の温度を、バインダー繊維の融点よりも10℃を超えて高くすると、金属ロールに繊維の溶融分が付着して、通気性が不均一化するために好ましくない。
非塗布面の熱圧処理時の温度は特に限定されない。また、非塗布面に接触する側のロールは、特に限定されず、金属ロール、コットンロール、樹脂ロール、微粗面金属ロール等から適宜選択して使用できる。
熱圧処理を行う場合、カレンダーの表面温度を調整する方式として、金属ロール内部を多重構造とし、その内部に蒸気あるいは加熱されたオイルを循環させる方式、内部に埋設された電熱線により加熱する方式等が挙げられるが、誘導発熱方式により調温する金属ロールを使用した場合、半透膜支持体の幅方向及び流れ方向の通気性プロファイルをさらに均一化できる。
熱圧処理を行う際のロールのニップ圧力は、好ましくは190〜1800N/cmであり、より好ましくは390〜1500N/cmである。加工速度は、好ましくは5〜150m/minであり、より好ましくは10〜80m/minである。
半透膜支持体の坪量は、特に限定しないが、20〜150g/m2が好ましく、より好ましくは70〜90g/m2である。20g/m2未満の場合は、十分な引張強度が得られない場合がある。また、150g/m2を超えた場合、通液抵抗が高くなる場合や厚みが増してユニットやモジュール内に規定量の半透膜を収納できない場合がある。
また、半透膜支持体の密度は、0.5〜1.0g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.6〜0.9g/cm3である。半透膜支持体の密度が0.5g/cm3未満の場合は、厚みが厚くなるため、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜の寿命が短くなってしまうことがある。一方、1.0g/cm3を超える場合は、通液性が低くなることがあり、半透膜の寿命が短くなる場合がある。
半透膜支持体の厚みは、60〜150μmであることが好ましく、70〜130μmであることがより好ましく、80〜120μmであることがさらに好ましい。半透膜支持体の厚みが150μmを超えると、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜の寿命が短くなってしまうことがある。一方、60μm未満の場合、十分な引張強度が得られない場合や通液性が低くなって、半透膜の寿命が短くなる場合がある。
本発明において、透過光により検出されるピンホール最大値が10画素数以下の半透膜支持体を得る方法としては、使用する主体繊維の平均繊維径を細かくすること、湿式抄造時に積層される層を増やすこと、及び抄造時の抄速を遅くすることが挙げられる。ここで、透過光により検出されるピンホール最大値とは、半透膜支持体の厚み方向に貫通するピンホールの大きさを意味しており、この画素数が大きい場合には半透膜支持体中に存在するピンホールが大きく、月形の欠点が発生しやすいことを意味しており、より効果的には主体繊維の平均繊維径が7〜12μmであることにより達成される。
本発明において、湿式抄造段階における抄速を遅くすることでも、透過光により検出されるピンホール最大値が10画素数以下の半透膜支持体を得ることができる。この場合の明確な機構は不明であるが、傾斜ワイヤー式、円網式、長網式の湿式抄造方式において、抄速30m/min以下とすることにより、ピンホールの最大径を10画素数以下とすることができる。
また、湿式抄造段階において、積層する層数を増加させることで、透過光により検出されるピンホール最大値を10画素数以下とすることができる。明確な理由は不明であるものの、積層回数が増えることで、各々の層が有しているピンホールを隠蔽する効果があると考えられる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下、特にことわりのないかぎり、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
(実施例1)
主体繊維として繊維径7.5μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を水に混合分散し、円網で乾燥後の坪量が40g/m2となるように抄速30m/minで湿紙を形成した後、主体繊維として繊維径7.5μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を水に混合分散し、傾斜ワイヤーで乾燥後の坪量が40g/m2となるように抄速30m/minで形成した湿紙を抄き合わせた後、表面温度130℃のヤンキードライヤーに傾斜ワイヤー面が接するように熱圧乾燥し、坪量80g/m2のシートを得た。
主体繊維として繊維径7.5μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を水に混合分散し、円網で乾燥後の坪量が40g/m2となるように抄速30m/minで湿紙を形成した後、主体繊維として繊維径7.5μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を水に混合分散し、傾斜ワイヤーで乾燥後の坪量が40g/m2となるように抄速30m/minで形成した湿紙を抄き合わせた後、表面温度130℃のヤンキードライヤーに傾斜ワイヤー面が接するように熱圧乾燥し、坪量80g/m2のシートを得た。
次に、誘導発熱方式の金属ロールとショアD硬度94度の樹脂ロールの組み合わせを有するカレンダー装置で、誘導発熱方式の金属ロールの表面温度を225℃とし、ヤンキードライヤーに接した面を金属ロールに接するように、ニップ圧力700N/cm、加工速度20m/minの条件で熱圧加工後、もう一度、誘導発熱方式の金属ロールとショアD硬度94度の組み合わせを有するカレンダー装置で、誘導発熱方式の金属ロールの表面温度を225℃とし、ヤンキードライヤーに接した面をショアD硬度94度の樹脂ロールに接するようにニップ圧力700N/cm、加工速度20m/minの条件で熱圧加工し、
主体繊維の平均繊維径が7.5μmである実施例1の半透膜支持体を得た。
主体繊維の平均繊維径が7.5μmである実施例1の半透膜支持体を得た。
(実施例2)
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径7.5μmの延伸ポリエステル系繊維を40質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)、繊維径17.5μmの延伸ポリエステル系繊維を30質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均径が11.7μmである実施例2の半透膜支持体を得た。
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径7.5μmの延伸ポリエステル系繊維を40質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)、繊維径17.5μmの延伸ポリエステル系繊維を30質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均径が11.7μmである実施例2の半透膜支持体を得た。
(実施例3)
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径7.5μmの延伸ポリエステル繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を10質量%、繊維径12.5μmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)30質量%とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均繊維径が11.8μmである実施例3の半透膜支持体を得た。
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径7.5μmの延伸ポリエステル繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を10質量%、繊維径12.5μmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)30質量%とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均繊維径が11.8μmである実施例3の半透膜支持体を得た。
(実施例4)
円網の繊維配合を繊維径7.5μmの延伸ポリエステル繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を10質量%、繊維径12.5μmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)30質量%とし、傾斜ワイヤーの繊維配合を繊維径7.5μmの延伸ポリエステル繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を40質量%、繊維径17.5μmの延伸ポリエステル系繊維を30質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)30質量%とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均繊維径が11.8μmである実施例4の半透膜支持体を得た。
円網の繊維配合を繊維径7.5μmの延伸ポリエステル繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を10質量%、繊維径12.5μmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)30質量%とし、傾斜ワイヤーの繊維配合を繊維径7.5μmの延伸ポリエステル繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を40質量%、繊維径17.5μmの延伸ポリエステル系繊維を30質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)30質量%とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均繊維径が11.8μmである実施例4の半透膜支持体を得た。
(比較例1)
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径12.5μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均径が12.5μmである比較例1の半透膜支持体を得た。
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径12.5μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均径が12.5μmである比較例1の半透膜支持体を得た。
(比較例2)
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径17.5μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均径が17.5μmである比較例2の半透膜支持体を得た。
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径17.5μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TA07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N、帝人株式会社製)とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均径が17.5μmである比較例2の半透膜支持体を得た。
(比較例3)
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径5.3μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TA04TN 帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N 帝人株式会社製)とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均径が5.3μmである比較例3の半透膜支持体を得た。
円網の繊維配合と傾斜ワイヤーの繊維配合を共に、繊維径5.3μmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%(商品名:TA04TN 帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%(商品名:TA04N 帝人株式会社製)とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均径が5.3μmである比較例3の半透膜支持体を得た。
(比較例4)
円網の単層構造で、繊維配合を繊維径7.5μmの延伸ポリエステル繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を10質量%、繊維径12.5μmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)30質量%とし、坪量を80g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均繊維径が11.8μmである比較例4の半透膜支持体を得た
円網の単層構造で、繊維配合を繊維径7.5μmの延伸ポリエステル繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)を10質量%、繊維径12.5μmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%(商品名:TT07N、帝人株式会社製)、バインダー繊維として融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維(商品名:TA04N、帝人株式会社製)30質量%とし、坪量を80g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で主体繊維の平均繊維径が11.8μmである比較例4の半透膜支持体を得た
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体に対して、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
試験1(透過光によるピンホール最大画素の測定)
1m幅で作製した半透膜支持体を幅方向20cm×流れ方向20cm×5枚に断裁し、半透膜塗布面側から逆面側に光を当て、1枚辺り、50mm×50mmの大きさで下記の条件で透過光画像を撮影した。
・フィルムタイプ:ポジフィルム
・画質:8bitグレー、画質優先
・解像度:800dpi
1m幅で作製した半透膜支持体を幅方向20cm×流れ方向20cm×5枚に断裁し、半透膜塗布面側から逆面側に光を当て、1枚辺り、50mm×50mmの大きさで下記の条件で透過光画像を撮影した。
・フィルムタイプ:ポジフィルム
・画質:8bitグレー、画質優先
・解像度:800dpi
ここで撮影されたビットマップ(BMP)画像を、画像処理ソフトJtrimで輝度ヒストグラムを観察し、最も輝度ヒストグラムが多くなる輝度をピークトップの輝度とし、ピークトップの輝度から52輝度高い地点で二値化を実施した。二値化画像から、画像処理ソフトImageJを用いて、最大ピンホール径の測定を実施し、その時に観察された最大ピンホール径をピンホール最大画素数とした。ピンホール最大画素数が10画素以下であれば、実用上問題ないとした。
試験2(膜欠点の観察)
ポリスルホン樹脂(商品名:Udel P3500、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)をジメチルホルムアミド中に20質量%になるように溶解させ、ブルックフィールド型粘度計の60rpmにおける粘度が1.1Pa・sとなるように半透膜塗布液を調整した。幅20cm×流れ25cmに断裁した各半透膜支持体20枚を採取し、総面積が1m2となるようにして、最終的に50μmの厚みとなるようにフィルムアプリケーターにて半透膜塗布液を塗布、10秒間放置後、水面に対して90度の角度で浸漬して、膜欠点が発生するかどうか観察した。発生する膜欠点が1個/m2以下であれば実用上問題なしとした。
ポリスルホン樹脂(商品名:Udel P3500、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)をジメチルホルムアミド中に20質量%になるように溶解させ、ブルックフィールド型粘度計の60rpmにおける粘度が1.1Pa・sとなるように半透膜塗布液を調整した。幅20cm×流れ25cmに断裁した各半透膜支持体20枚を採取し、総面積が1m2となるようにして、最終的に50μmの厚みとなるようにフィルムアプリケーターにて半透膜塗布液を塗布、10秒間放置後、水面に対して90度の角度で浸漬して、膜欠点が発生するかどうか観察した。発生する膜欠点が1個/m2以下であれば実用上問題なしとした。
試験3(半透膜塗布面の毛羽立ち発生量の観察)
1m幅で作製した半透膜支持体を幅方向に5分割し、5分割した中において、任意の場所で幅方向が10cm、流れ方向が5cmに断裁した試験片5枚を作製後、直径が18mmの紙管に半透膜塗布面が外側になるように巻き付け、表面をマイクロスコープで観察し、長さが80μm以上の毛羽立ちを計算した。5本/0.025cm2以下であれば実用上問題なしとした。
1m幅で作製した半透膜支持体を幅方向に5分割し、5分割した中において、任意の場所で幅方向が10cm、流れ方向が5cmに断裁した試験片5枚を作製後、直径が18mmの紙管に半透膜塗布面が外側になるように巻き付け、表面をマイクロスコープで観察し、長さが80μm以上の毛羽立ちを計算した。5本/0.025cm2以下であれば実用上問題なしとした。
湿式抄造段階において積層され、透過光により検出されるピンホール最大値が10画素数以下である実施例1〜4の半透膜支持体は、毛羽立ちが少なく、膜欠点の発生量が少ないという結果であった。また、実施例1〜4は、主体繊維の平均繊維径が7〜12μmであり、湿式抄造段階における抄速が30m/min以下であった。これに対し、湿式抄造段階において単層で構成された比較例4の半透膜支持体、主体繊維の平均繊維径が本発明の好ましい範囲外である比較例1〜3の半透膜支持体は、毛羽立ちが多い、あるいは膜欠点の発生量が多いという結果であった。
本発明の半透膜支持体は、海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で利用することができる。
Claims (3)
- 湿式抄造段階において2層以上に積層された半透膜支持体において、透過光により検出されるピンホール最大値が10画素数以下であることを特徴とする半透膜支持体。
- 主体繊維の平均繊維径が7〜12μmである請求項1記載の半透膜支持体。
- 湿式抄造段階における抄速が30m/min以下である請求項1又は2記載の半透膜支持体。
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JP2019171297A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 三菱製紙株式会社 | 半透膜支持体 |
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CN113272051A (zh) * | 2019-01-09 | 2021-08-17 | 三菱制纸株式会社 | 半透膜支撑体及半透膜支撑体的制造方法 |
-
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- 2013-09-20 JP JP2013194851A patent/JP2015058409A/ja active Pending
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