JP2021053595A - 半透膜支持体 - Google Patents

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貴仁 落合
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Abstract

【課題】本発明の課題は、半透膜を設ける際に、脱塩率の低下に繋がるピンホールの発生を抑えることができる半透膜支持体を提供することにある。【解決手段】半透膜を設けて用いる半透膜支持体において、該半透膜支持体の半透膜を設ける面に、着色したN,N−ジメチルホルムアミドを滴下した際、濡れ跡の最長方向の長さが、最短方向の長さの1.3倍以下であることを特徴とする半透膜支持体。【選択図】なし

Description

本発明は、半透膜支持体に関する。
海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で、半透膜が広く用いられている。半透膜の分離機能層としては、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂等の多孔質性樹脂で構成されている。しかし、これら多孔質性樹脂単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布などの繊維基材からなる半透膜支持体の片面に半透膜が設けられた複合体の形態である「濾過膜」が使用されている。半透膜支持体において、半透膜が設けられる面を「塗布面」と称し、半透膜が設けられない面を「非塗布面」と称する。
半透膜支持体に半透膜が設けられた形態である「濾過膜」は、上述したポリスルホン系樹脂等の合成樹脂を有機溶媒に溶解し、半透膜溶液を調製した後、この半透膜溶液を半透膜支持体上に塗布する方法が広く用いられている。また、濾過膜はモジュール化されて使用される。シート状の濾過膜における代表的なモジュールは、スパイラル型モジュールと平膜型モジュールである。管状の濾過膜における代表的なモジュールは、管型/チューブラー型モジュールである(例えば、非特許文献1参照)。スパイラル型モジュールは、原水供給側流路材(以下、「原水供給側流路材」を「原水スペーサー」と称する場合がある)と濾過膜と処理水透過側流路材(以下、「処理水透過側流路材」を「透過水スペーサー」と称する場合がある)とを一緒に巻き上げた構造を有している(例えば、特許文献1参照)。また、平膜型モジュールでは、ポリプロピレンやアクリロニトリル(Acrylonitrile)・ブタジエン(Butadiene)・スチレン(Styrene)共重合合成樹脂(ABS樹脂)等の樹脂からなるフレーム材に、濾過膜を接着・固定して用いられる。フレーム材への接着・固定には加熱融着処理、超音波融着処理等が行われるのが一般的である。
半透膜支持体としては、一般に、パルプ繊維を抄紙して得られる紙、ポリエステル繊維やポリプロピレン繊維から形成した不織布が用いられる(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
近年、より高い濾過膜性能が求められており、特に脱塩率においては99.9%以上を求められる場合もある。よって、脱塩率の低下に繋がる濾過膜の欠陥であるピンホールは忌避されており、よりピンホールの少ない濾過膜が求められている。
特開2001−252543号公報 特開昭56−152705号公報 特開2002−95937号公報
下水道膜処理技術会議編、「下水道への膜処理技術導入のためのガイドライン」、第2版、[online]、平成23年3月、[平成28年1月6日検索]、インターネット<URL:http://www.mlit.go.jp/common/000146906.pdf>
本発明の課題は、塗布工程を経て半透膜を設ける際に、脱塩率の低下に繋がるピンホールの発生を抑えることができる半透膜支持体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記発明を見出した。
半透膜を設けて用いる半透膜支持体において、該半透膜支持体の半透膜を設ける面に着色したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を滴下した際、濡れ跡の最長方向の長さが最短方向の長さの1.3倍以下であることを特徴とする半透膜支持体。
本発明では、塗布工程を経て半透膜を設ける際に、脱塩率の低下に繋がるピンホールの発生を抑えることができる半透膜支持体を得ることができる。
熱圧加工で使用されるロールの組み合わせ及び配置並びにシートの通紙状態を表した概略図である。 熱圧加工で使用されるロールの組み合わせ及び配置並びにシートの通紙状態を表した概略図である。
本発明の半透膜支持体は、主体合成繊維とバインダー合成繊維とを少なくとも含有してなる湿式不織布であることが好ましい。本発明の半透膜支持体は、半透膜を設ける面に着色したN,N−ジメチルホルムアミドを滴下した際、濡れ跡の最長方向の長さが最短方向の長さの1.3倍以下であることを特徴とする。
本発明の検討の結果、該濡れ跡の最長方向の長さが最短方向の長さの1.3倍以下であることにより、塗布工程を経て半透膜を形成し使用する際に、塗液の濡れ広がり(以下「浸透性」と記載する場合がある)が均一となり、半透膜の脱塩率の低下に繋がるピンホールの発生を抑制することができる。最長方向の長さが最短方向の長さの1.3倍より大きい場合、塗液の浸透性が不均一となり、歪が生じやすく、ピンホール発生を誘起する。
本発明の半透膜支持体は、主体繊維及びバインダー繊維を含有してなることが好ましい。主体繊維は、半透膜支持体の骨格を形成する繊維である。主体繊維としては、主として合成繊維を用いる。例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ベンゾエート系、ポリクラール系、フェノール系等の繊維が挙げられ、特に限定されないが、耐熱性の高いポリエステル系の繊維がより好ましく使用される。また、半合成繊維のアセテート、トリアセテート、プロミックスや、再生繊維のレーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等を併用しても良い。
バインダー繊維としては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維等の複合繊維、未延伸繊維等が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、半透膜支持体の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。より具体的には、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ、ポリエステル等の未延伸繊維が挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、半透膜支持体の乾燥工程で皮膜を形成しやすいが、特性を阻害しない範囲で使用することができる。本発明においては、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ、ポリエステルの未延伸繊維を好ましく用いることができる。
本発明の半透膜支持体において、主体繊維とバインダー繊維の比率は特に限定されるものではないが、DMFの均一な浸透性を得るためには、主体繊維50〜75質量%、バインダー繊維25〜50質量%が好ましく、より好ましくは主体繊維70〜75質量%、バインダー繊維25〜30質量%である。バインダー繊維が50質量%を超えると、半透膜支持体の製造における加熱工程でバインダー繊維が過剰に溶融し、フィルム化し易くなるため、DMFの浸透性が不均一になり易くなる。また、バインダー繊維が25質量%を下回ると、半透膜支持体の製造過程で半透膜支持体の強度が低下し、安定生産がし難くなる場合がある。
本発明の半透膜支持体は、主体繊維として、繊維径の異なる2種類以上の繊維を併用しても良く、これらの平均繊維径は特に限定されない。繊維径の異なる2種類以上の主体繊維を任意に併用することで、繊維ネットワークに変化を与えることができ、DMFの浸透性を調整することができる。
本発明の半透膜支持体で使用される繊維の繊維径、繊維長は特に限定されないが、不織布強度と製造性等から、繊維径は、1μm以上30μm以下が好ましく、より好ましくは3μm以上25μm以下であり、特に好ましくは5μm以上20μm以下である。繊維長は、1mm以上20mm以下が好ましく、より好ましくは1mm以上12mm以下であり、特に好ましくは3mm以上10mm以下である。繊維の断面形状は円形が好ましいが、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も、裏抜け防止、表面平滑性のために、繊維分散性等の他の特性を阻害しない範囲内で含有できる。また、分割性複合繊維を水流交絡やリファイナーにより細分化して使用することもできる。
本発明の半透膜支持体の通気度は、好ましくは0.5〜30.0cc/cm・secであり、より好ましくは1.0〜25.0cc/cm・secであり、更に好ましくは1.5〜20.0cc/cm・secであり、特に好ましくは2.0〜16.0cc/cm・secである。この範囲である場合、半透膜と半透膜支持体との接着性が良くなり、また、半透膜溶液を塗布した際に裏抜けが発生し難く、塗布面の平滑性も良好になり易い。
本発明の半透膜支持体は、2層以上を積層した多層不織布でもよい。2層以上の構成は同一配合であってもよいし、異なる配合であってもよい。
本発明の半透膜支持体は、湿式抄造法によりシート化された後に、熱ロールによって熱圧加工処理されることが好ましい。
湿式抄造法では、まず、繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調製されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網が単独で設置されている抄紙機、同種又は異種の2種以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。本発明の半透膜支持体が多層不織布である場合、その製造方法としては、各抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する「抄き合わせ法」や、先に形成した一層上に繊維を分散したスラリーを流延して、他の層を形成して積層していく「流延法」等が挙げられる。流延法において、先に形成した一層は湿紙状態であっても良いし、乾燥状態であっても良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層不織布とすることもできる。
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより、シートを得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃が更に好ましい。熱ロールの表面温度が100℃を下回る場合、抄紙機で製造された湿紙の水分が十分に蒸発せず、熱ロールの表面温度が180℃を超える場合、抄紙機で製造された湿紙が熱ロールに貼り付いて、シートの地合が悪くなり、且つ湿紙に含まれる熱溶融成分が過剰に溶融しフィルム化を生じることで、DMFの浸透性が不均一になり易くなる。圧力は、好ましくは5〜100kN/mであり、より好ましくは10〜80kN/mである。圧力が5kN/mを下回る場合、抄紙機で製造された湿紙の水分が十分に抜けず、シートの厚み均一性が悪くなり、100kN/mを超える場合、抄紙機で製造された湿紙が熱ロールに貼り付いて、シートの地合が悪くなり、且つ半透膜支持体内に含まれる熱溶融成分が過剰に溶融しフィルム化を生じることで、DMFの浸透性が不均一になる場合がある。
本発明の半透膜支持体は、熱圧加工処理装置のロール間をニップしながら、湿式抄紙法で製造されたシートを通過させて熱圧加工を行う。ロールの組み合わせとしては、2本の金属ロール、金属ロールと樹脂ロール、金属ロールとコットンロール等が挙げられ、一方あるいは両方のロールを加熱する。更に、必要に応じて、シートの表裏を逆にして、ニップへの通過回数を2回以上にしても良い。
図1及び図2は、本発明において、熱圧加工で使用されるロールの組み合わせ及び配置並びにシートの通紙状態を表した概略図である。図1及び図2は、一例であり、これらに限定されるものではない。図1及び図2において、金属ロールは横縞模様、コットン又は弾性ロールは点模様である。金属ロール、弾性ロール、コットンロールのいずれも熱ロールとして使用できるが、好ましくは、金属ロール、弾性ロールを熱ロールとして使用する。より好ましくは、金属ロールを熱ロールとして使用する。
熱圧加工処理に用いるロールの表面温度は、示差熱分析によって測定した繊維の融点又は軟化点に対して−50℃〜+10℃であることが好ましく、−30℃〜±0℃がより好ましい。ロール温度の表面温度を、シートに含まれる繊維の融点又は軟化温度より50℃を超えて低くすると、毛羽立ちが発生しやすくなる場合があり、均一な厚みの半透膜が得難くなる。一方、ロールの表面温度を、10℃を超えて高くすると、金属ロールに繊維の溶融分が付着して、半透膜支持体が不均一になる場合があり、均一な厚みの半透膜が得難くなると共に、半透膜支持体内に含まれる熱溶融成分が過剰に溶融しフィルム化を生じることで、DMFの浸透性が不均一になる場合がある。
熱圧加工処理に用いる熱ロールのニップ圧力は、好ましくは50〜250kN/mであり、より好ましくは70〜180kN/mである。加工速度は、好ましくは5〜100m/minであり、より好ましくは10〜50m/minである。
ロールニップを構成する2本のロールの半径は同一でも、異なっていても良い。ロール半径は50〜2000mmが好ましく、より好ましくは100〜1500mmである。ロール半径が50mm未満の場合、所望の厚みが得られにくくなり、一方、ロール半径が2000mmを超えると、表面温度のコントロールが困難になる。
ロールの弾性率は、4kN/cm〜22000kN/cmが好ましく、200kN/cm〜21000kN/cmがより好ましい。ロールの弾性率が4kN/cm未満だと、ロール表面が変形して所望の厚みが得られ難くなる。一方、弾性率が22000kN/cmを超えると、ロール表面が硬すぎてシートに皺が発生し易くなる場合がある。
本発明におけるDMFの浸透性は、繊維配合に加え、各寄与割合は定かではないものの、該湿紙の抄造条件、該湿紙の乾燥条件、該熱圧加工処理条件を適宜調整することで、滴下した際の濡れ跡の最長方向の長さを、最短方向の長さの1.3倍以下の範囲に調整することができる。
本発明の半透膜支持体が多層不織布であって、湿式抄造法によって多層不織布を製造する場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、シートの地合が良くなり、その結果、塗布面の平滑性や均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。更に、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上する。
本発明の半透膜支持体において、1枚当たりの不織布(単層又は多層)の坪量は、好ましくは20〜150g/mであり、より好ましくは30〜110g/mであり、更に好ましくは40〜90g/mである。20g/m未満の場合は、十分な引張強度が得られず、また半透膜溶液が裏抜けしてしまい、半透膜の接着性が弱くなる場合がある。また、150g/mを超えた場合、製造工程で乾燥負荷が大きくなり、製造安定性が低下し易くなる。
本発明の半透膜支持体は、2枚以上の不織布を該熱加工処理と同様の方法を用いて張り合わせてなる多層不織布であっても良い。各不織布の坪量は同一であっても良いし、異なっていても良い。この場合、製造工程での乾燥負荷を抑えつつ、坪量が150〜300g/mの半透膜支持体を得ることができる。300g/mを超えた場合、張り合わせる工程での負荷が大きくなり、製造安定性が低下し易くなる。
半透膜支持体の厚みは、好ましくは40〜300μmであり、より好ましくは60〜200μmであり、更に好ましくは、80〜150μmである。半透膜支持体の厚みが300μmを超えると、ユニットに組み込める濾過膜の面積が小さくなる場合やユニットに組み込める濾過膜の枚数が少なくなってしまう場合があり、結果として、濾過膜のライフが短くなってしまうことがある。一方、40μm未満の場合、十分な引張強度が得られない場合や通液性が低くなって、濾過膜のライフが短くなる場合がある。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。以下、特にことわりの無いかぎり、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
(実施例1)
主体繊維として、繊維径7.7μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を50%、バインダー繊維として、繊維径10.9μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維50%を、パルパーの水中で離解、分散させ、撹拌することで均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを傾斜ワイヤーと円網とのコンビネーションマシンを用いて、60m/minの抄造速度で、乾燥質量で各層とも37.5g/mの抄き合わせ湿紙を形成した後、塗布面を表面温度128℃のヤンキードライヤーに接触させ、タッチロールの圧力を80kN/mで熱圧乾燥し、抄き合わせ坪量75g/mのシートを得た。
得られたシートを、図1に示すような、1本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)と1本の弾性ロールからなる第一ロールニップ及び1本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)と1本の弾性ロールからなる第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、熱圧加工を施し、半透膜支持体を得た。
第一ロールニップ
金属ロールの表面温度 230℃
ニップ圧力 80kN/m
第二ロールニップ
金属ロールの表面温度 235℃
ニップ圧力 80kN/m
加工速度 60m/min
(実施例2)
実施例1において、繊維配合を主体繊維70%、バインダー繊維30%に変更し、ヤンキードライヤーの表面温度を130℃に変更し、タッチロールの圧力を100kN/mに変更し、熱圧加工における第一ロールニップの金属ロールの表面温度を235℃、ニップ圧力を90kN/m、第二ロールニップの金属ロールの表面温度を240℃、ニップ圧力を90kN/mに変更した以外は同様に、抄き合わせ坪量75g/mの半透膜支持体を得た。
(実施例3)
実施例2において、繊維配合を主体繊維75%、バインダー繊維25%に変更し、熱圧加工における第一ロールニップのニップ圧力を100kN/m、第二ロールニップのニップ圧力を100kN/mに変更した以外は同様に、抄き合わせ坪量75g/mの半透膜支持体を得た。
(実施例4)
実施例3において、図2に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一ロールニップ及び1本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)と1本の弾性ロールからなる第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて熱圧加工を施した以外は同様に、抄き合わせ坪量75g/mの半透膜支持体を得た。
熱圧加工の条件
第一ロールニップ
2本の金属ロールの表面温度 220℃
ニップ圧力 100kN/m
第二ロールニップ
金属ロールの表面温度 150℃
ニップ圧力 100kN/m
加工速度 50m/min
(実施例5)
実施例3において、主体繊維の繊維配合を、繊維径7.7μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維45%、繊維径12.1μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維30%に変更し、熱圧加工における第一ロールニップのニップ圧力を120kN/m、第二ロールニップのニップ圧力を120kN/mに変更した以外は同様に、抄き合わせ坪量75g/mの半透膜支持体を得た。
(比較例1)
実施例1において、繊維配合を主体繊維45%、バインダー繊維55%に変更した以外は同様に、抄き合わせ坪量75g/mの半透膜支持体を得た。
(比較例2)
実施例2において得られたシートに、実施例4と同様の熱圧加工を施し、抄き合わせ坪量75g/mの半透膜支持体を得た。
(比較例3)
実施例4において、熱圧加工における第一ロールニップの2本の金属ロールの表面温度を225℃、第二ロールニップの金属ロールの表面温度を170℃に変更した以外は同様に、抄き合わせ坪量75g/mの半透膜支持体を得た。
(比較例4)
実施例4において、主体繊維の繊維配合を、繊維径7.7μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維20%、繊維径12.1μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維20%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維20%に変更し、バインダー繊維を40%に変更し、熱圧加工における第一ロールニップのニップ圧力を110kN/m、第二ロールニップのニップ圧力を110kN/mに変更した以外は同様に、抄き合わせ坪量75g/mの半透膜支持体を得た。
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体に対して、以下の測定及び評価を行い、結果を表1に示した。
測定1(坪量)
JIS P8124:2011に準拠して、坪量を測定した。
測定2(厚さ)
JIS P8118:2014に準じ、厚さを測定した。
測定3(通気度)
通気性試験機(カトーテック株式会社製、商品名:KES−F8−AP1)を使用して、JIS L1096:2010に示す方法で測定した。
測定4(N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)浸透性)
半透膜支持体の塗布面に、N,N−ジメチルホルムアミド(富士フイルム和光純薬株式会社製、純度:質量分率99.5%以上)200mlに対し、染色液(寺西化学工業株式会社製、商品名:マジック補充インキ 黒色)5mlを混合した評価用液を200μl滴下し、30秒後の浸透跡の最短方向の長さに対する最長方向の長さの比率(倍)を算出した。なお、滴下時の高さが1cm以下になるようにした。該測定を、1回/100cmの頻度で無作為に10回行い、その平均値をDMF浸透性とした。
評価1(半透膜のピンホール)
一定のクリアランスを有するコンマコーターを用いて、半透膜支持体の塗布面にポリスルホン樹脂(SOLVAY社製、Udel(登録商標)P−3500 LCD MB3、分子量 78000〜84000 g/mol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(濃度:16%)を塗布し、水洗、乾燥を行い、半透膜支持体の表面にポリスルホン膜を形成させて半透膜を作製した。
得られたポリスルホン膜上に、m−フェニレンジアミン2.0%及びラウリル硫酸ナトリウム0.15%を含有した水溶液を塗布し、ポリスルホン膜と該水溶液を数秒間接触させた後、余分な該水溶液を除去することで、ポリスルホン膜上に該水溶液の被覆層を形成した。
得られた該被覆層上に、トリメシン酸クロライド0.10%及びアセトン2%を含有したヘキサン溶液を塗布し、該被覆層と該ヘキサン溶液を数秒間接触させた後、該ヘキサン溶液を除去、その後空気中で10分間保持することで、ポリスルホン膜上にポリアミド層を形成させることで、半透膜を得た。
得られた該半透膜を透過光で観察し、15cm×15cmの範囲に存在するピンホールを以下の基準で評価した。
○:目視可能なピンホール数が0〜5個以内であり、高い脱塩率が期待できるレベル。
△:目視可能なピンホール数が6〜30個以内であり、脱塩率の低下を引き起こし易く、実用上、下限レベル。
×:目視可能なピンホール数が31個以上であり、脱塩率の低下が大きくなる可能性が高く、実用不可レベル。
Figure 2021053595
実施例1〜5の半透膜支持体は、N,N−ジメチルホルムアミドの浸透性を示す、浸透跡の最短方向の長さに対する最長方向の長さの比率が1.3倍以下であることを特徴とする半透膜支持体であり、ピンホールの評価において、実用上使用可能なレベルを達成した。
これに対して、比較例1〜4の半透膜支持体は、浸透跡の最短方向の長さに対する最長方向の長さの比率が1.3倍より大きい半透膜支持体であり、ピンホールのレベルが実用不可レベルであった。
本発明の半透膜支持体は、海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で利用することができる。

Claims (1)

  1. 半透膜を設けて用いる半透膜支持体において、該半透膜支持体の半透膜を設ける面に着色したN,N−ジメチルホルムアミドを滴下した際、濡れ跡の最長方向の長さが最短方向の長さの1.3倍以下であることを特徴とする半透膜支持体。
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