JP2014125105A - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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正俊 袰谷
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Abstract

【課題】ポンプによってブレーキ液圧を昇圧させるときの応答性を確保しつつ、ブレーキ操作子の無効ストロークを小さくする車両用ブレーキ液圧制御装置を提供する。
【解決手段】基体100と、リザーバ5と、ポンプと、吸入弁4と、中間ピストン60と、を備える車両用ブレーキ液圧制御装置Uであって、リザーバ5は、リザーバ穴10と、リザーバピストン51とを備え、吸入弁4は、弁体収容穴30と、弁体41とを備え、基体100には、リザーバ穴10に開口したポンプ吸引穴20と、弁体収容穴30およびポンプ吸引穴20に開口している連通液路43aと、が形成され、中間ピストン60は、連通液路43aを通じて弁体41に当接し、中間ピストン60とリザーバピストン51との間に第二弾性部材65が介設され、中間ピストン60およびリザーバピストン51にブレーキ液圧が作用したときに、中間ピストン60がリザーバピストン51側に移動する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
車両用ブレーキ液圧制御装置としては、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続するための液路が形成された基体と、ホイールシリンダに作用するブレーキ液圧を増圧する状態、減圧する状態および保持する状態に切り替える制御手段と、制御手段から逃がされたブレーキ液を貯溜するリザーバと、リザーバに貯溜されたブレーキ液を吸引するポンプと、マスタシリンダと制御手段とを連通させる出力液路に通じる吸入液路に設けられた吸入弁と、を備えているものがある。
前記した車両用ブレーキ液圧制御装置では、ブレーキ操作子が操作されたときには、吸入弁を閉弁させ、マスタシリンダから制御手段を介してホイールシリンダにブレーキ液圧を伝達させることで、通常のブレーキ制御やアンチロックブレーキ制御を実行する。また、挙動安定化制御を実行する場合には、吸入弁を開弁させ、吸入液路のブレーキ液をポンプに吸引させて、ホイールシリンダ側に流入させる。
前記した車両用ブレーキ液圧制御装置に用いられる吸入弁としては、図8に示すように、リザーバ5のリザーバピストン51に連動して開閉する常開型の吸入弁4がある。この吸入弁4では、リザーバピストン51に突設された当接部材66が、連通液路43aを通じて、弁体収容穴30内に収容された弁体41に当接している(例えば、特許文献1参照)。
そして、ブレーキ操作子の操作に伴って、吸入液路Cの上流液路C1およびリザーバ室12に伝達されたブレーキ液圧によって、リザーバピストン51がリザーバ穴10の開口部10a側に移動するとともに、弁体41がリザーバ穴10側に移動し、弁体41が連通液路43aを封止することで、吸入弁4が閉弁状態となる。
特開平6−8810号公報
図8に示す吸入弁4では、ブレーキ操作子の操作が開始されてから、弁体41が連通液路43aを封止するまでは、弁体41と連通液路43aとの間を通じて、上流液路C1からリザーバ室12にブレーキ液が流入するため、ブレーキ操作子に無効ストロークが生じることになる。
なお、ブレーキ操作子が操作されていない状態において、弁体41が連通液路43aの近傍に配置されるように構成し、閉弁するときの弁体41の移動量を小さくすることで、ブレーキ操作子の無効ストロークを小さくすることができる。
しかしながら、挙動安定化制御において、ポンプによってブレーキ液圧を昇圧させるときに、弁体41と連通液路43aとの間隔が小さいと、その間隔がブレーキ液の抵抗となるため、ポンプによってブレーキ液圧を昇圧させるときの応答性が低下するという問題がある。
本発明は、ポンプによってブレーキ液圧を昇圧させるときの応答性を確保しつつ、ブレーキ操作子の無効ストロークを小さくすることができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続するための液路が形成された基体と、前記ホイールシリンダに作用するブレーキ液圧を少なくとも増圧する状態および減圧する状態に切り替える制御手段と、前記制御手段から逃がされたブレーキ液を貯溜するリザーバと、前記リザーバに貯溜されたブレーキ液を吸引するポンプと、前記マスタシリンダと前記制御手段とを連通させる出力液路に通じる吸入液路に設けられた吸入弁と、前記吸入弁を開閉させるための中間ピストンと、を備える車両用ブレーキ液圧制御装置である。
前記リザーバは、前記基体に形成された有底のリザーバ穴と、前記リザーバ穴内に移動自在に収容されたリザーバピストンと、前記リザーバピストンを前記リザーバ穴の底面側に付勢するリザーバピストン用の弾性部材と、を備えている。
前記吸入弁は、前記基体に形成された弁体収容穴と、前記弁体収容穴内に収容された弁体と、を備えている。
前記基体には、前記リザーバ穴の底面に開口し、前記リザーバ穴よりも流路断面積が小さく形成されているとともに、前記ポンプに連通している有底のポンプ吸引穴と、一端が前記弁体収容穴の弁座面に開口し、他端が前記ポンプ吸引穴の底面に開口している連通液路と、が形成されている。
前記中間ピストンは、前記ポンプ吸引穴内に収容され、前記連通液路を通じて、前記弁体に当接しており、前記中間ピストンと前記リザーバピストンとの間には、前記中間ピストンを前記吸入弁側に付勢する中間ピストン用の弾性部材が介設されている。
そして、ブレーキ操作子の操作に伴って、前記中間ピストンおよび前記リザーバピストンにブレーキ液圧が作用したときに、前記中間ピストンが前記リザーバピストン側に移動するように構成されている。
この構成では、ポンプ吸引穴はリザーバ穴の底面に開口しており、ポンプ吸引穴はリザーバ穴よりも縮径されている。そして、ブレーキ操作子が操作されると、ポンプ吸引穴内で中間ピストンがリザーバピストン側に移動し、弁体が閉弁方向に移動する。中間ピストンが移動するときに、ポンプ吸引穴に流入するブレーキ液量は、リザーバピストンが同じ距離をリザーバ穴内で移動する場合(中間ピストンが存在しない場合)に、リザーバ穴内に流入するブレーキ液量に比べて小さくなるため、ブレーキ操作子の無効ストロークを小さくすることができる。
また、弁体と弁座面との間隔を大きくすれば、ポンプによってブレーキ液圧を昇圧させるときの応答性を確保することができる。そして、本発明では、弁体と弁座面との間隔を大きくした場合であっても、弁体が移動したときのポンプ吸引穴およびリザーバ穴へのブレーキ液の流入を少なくすることができるため、ブレーキ操作子の無効ストロークを小さくすることができる。
なお、前記中間ピストン用の弾性部材のばね定数を、前記リザーバピストン用の弾性部材のばね定数よりも小さく設定すると、ブレーキ操作子が操作されたときに、中間ピストンのストローク量がリザーバピストンのストローク量よりも大きくなるので、ブレーキ操作子の無効ストロークをより小さくすることができる。
前記した車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記中間ピストンが前記リザーバ側にフルストロークする前に、前記弁体が前記連通液路を封止するように構成した場合には、リザーバピストンが大きく移動する前に、吸入弁を迅速に閉弁させることができる。
前記した車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記中間ピストンに、前記リザーバ側から前記吸入弁側へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁を設けた場合には、中間ピストンのリザーバ側から吸入弁側に一方向弁を通じてブレーキ液が流入するため、中間ピストンをスムーズに移動させることができる。また、中間ピストンに一方向弁を設けることで、車両用ブレーキ液圧制御装置を小型化することができる。
前記した車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記リザーバピストンに、前記中間ピストンの前記吸入弁側へのストローク量を規制する第一規制部を設けた場合には、中間ピストンが吸入弁側に移動し過ぎるのを防ぐことができる。
前記した車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記ポンプ吸引穴に、前記中間ピストンの前記リザーバ側へのストローク量を規制する第二規制部を設けた場合には、中間ピストンがリザーバ側に移動し過ぎるのを防ぐことができる。
本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置では、ブレーキ操作子が操作され、ポンプ吸引穴内で中間ピストンがリザーバピストン側に移動するときに、ポンプ吸引穴に流入するブレーキ液量が小さくなるため、ポンプによってブレーキ液圧を昇圧させるときの応答性を確保しつつ、ブレーキ操作子の無効ストロークを小さくすることができる。
本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置の液圧回路図である。 本実施形態の吸入弁、中間ピストンおよびリザーバを示した図で、吸入弁を開弁させた状態の断面図である。 本実施形態の吸入弁、中間ピストンおよびリザーバを示した図で、中間ピストンがリザーバ側に移動した状態の断面図である。 本実施形態の吸入弁、中間ピストンおよびリザーバを示した図で、吸入弁を閉弁させた状態の断面図である。 本実施形態の吸入弁、中間ピストンおよびリザーバを示した図で、挙動安定化制御において、ポンプ吸引室のブレーキ液が減少した状態の断面図である。 本実施形態の吸入弁、中間ピストンおよびリザーバを示した図で、リザーバ室にブレーキ液が流入した状態の断面図である。 本実施形態の吸入弁、中間ピストンおよびリザーバを示した図で、アンチロックブレーキ制御において、ポンプ吸引室のブレーキ液が減少した状態の断面図である。 従来の吸入弁およびリザーバを示した断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置は、四輪自動車等に用いられるものであり、車輪ブレーキのホイールシリンダに付与するブレーキ液圧を適宜制御することで、アンチロックブレーキ制御や挙動安定化制御等の各種液圧制御が可能になっている。
車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、図1に示す液圧回路を具現化したものであり、四つの車輪ブレーキのうちの二つの車輪ブレーキを制動するためのブレーキ出力系統K1と、その他の二つの車輪ブレーキを制動するためのブレーキ出力系統K2と、を備えている。
車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、液圧源であるマスタシリンダMと各ホイールシリンダWとを接続するための液路が形成された基体100を有している。基体100は、略直方体の金属部品であり、電磁弁、リザーバ5、中間ピストン60、ポンプ6、ダンパ7、モータ200および制御装置(図示せず)などが取り付けられる。
マスタシリンダMは、タンデム型であって、ブレーキ操作子であるブレーキペダルBPが接続されている。すなわち、一つのブレーキペダルBPに踏力を加えることで、四つの車輪ブレーキを制動することができる。
ブレーキ出力系統K1には、レギュレータ弁としてのレギュレータR、制御弁手段V、吸入弁4、リザーバ5、中間ピストン60、ポンプ6、オリフィス6a、ダンパ7、液圧源側の液圧センサ8が設けられている。
なお、ブレーキ出力系統K2は、ブレーキ出力系統K1と同一の構成であるので、以下の説明では、ブレーキ出力系統K1について詳細に説明し、適宜、ブレーキ出力系統K2について説明する。
以下の説明では、入口ポートからレギュレータRに至る液路を「出力液路A」と称し、レギュレータRから出口ポートに至る液路を「車輪液路B」と称する。また、出力液路Aからポンプ6に至る液路を「吸入液路C」と称し、ポンプ6から車輪液路Bに至る液路を「吐出液路D」と称する。さらに、車輪液路Bから吸入液路Cに至る液路を「開放路E」と称する。
レギュレータRは、出力液路Aにおけるブレーキ液の通流を許容する状態および遮断する状態を切り替える機能と、出力液路Aにおけるブレーキ液の通流が遮断されているときに車輪液路Bのブレーキ液圧を所定値以下に調節する機能とを有しており、カット弁1およびチェック弁1aを備えている。
カット弁1は、出力液路Aと車輪液路Bとの間に介設された常開型のリニアソレノイド弁であり、出力液路Aから車輪液路Bへのブレーキ液の通流を許容する状態および遮断する状態を切り替えるものである。カット弁1は、ソレノイドへの通電を制御することによって開弁圧を調節することが可能な構成となっている。
チェック弁1aは、カット弁1に並列に接続されており、出力液路Aから車輪液路Bへのブレーキ液の流れを許容する一方向弁である。
制御弁手段Vは、車輪液路Bを開放しつつ開放路Eを遮断する状態、車輪液路Bを遮断しつつ開放路Eを開放する状態および車輪液路Bおよび開放路Eを遮断する状態を切り替える機能を有しており、入口弁2、チェック弁2aおよび出口弁3を備えている。
入口弁2は、車輪液路Bに設けられた常開型の電磁弁であり、開弁状態にあるときにマスタシリンダM側からホイールシリンダW側へのブレーキ液の流入を許容し、閉弁状態にあるときに遮断する。
チェック弁2aは、ホイールシリンダW側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁であり、入口弁2と並列に接続されている。
出口弁3は、車輪液路Bと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁からなり、閉弁状態にあるときにホイールシリンダW側からリザーバ5側へのブレーキ液の流入を遮断し、開弁状態にあるときに許容する。
リザーバ5は、吸入液路Cに設けられており、出口弁3が開放されることで、開放路Eに逃がされたブレーキ液を、一時的に貯溜する機能を有している。
吸入弁4は、吸入液路Cに設けられた常開型の機械式弁であり、吸入液路Cを開放する状態および遮断する状態を切り替えるものである。
吸入弁4とリザーバ5との間に設けられた中間ピストン60に連動して、吸入弁4が開閉するように構成されている。
ポンプ6は、吸入液路Cと吐出液路Dとの間に介設されており、モータ200の回転力によって駆動するプランジャポンプである。ポンプ6は、リザーバ5に貯溜されたブレーキ液を吸引して吐出液路Dに吐出する。
また、カット弁1が閉弁し、吸入弁4が開弁しているときには、ポンプ6は、マスタシリンダM、出力液路A、吸入液路Cおよびリザーバ5に貯溜されているブレーキ液を吸引して吐出液路Dに吐出する。
ダンパ7およびオリフィス6aは、その協働作用によってポンプ6から吐出されたブレーキ液の脈動を減衰するものである。
液圧源側の液圧センサ8は、出力液路Aのブレーキ液圧、すなわち、マスタシリンダMにおけるブレーキ液圧の大きさを計測するものである。液圧センサ8で計測されたブレーキ液圧の値は、図示しない制御装置に随時取り込まれる。
モータ200は、ブレーキ出力系統K1のポンプ6およびブレーキ出力系統K2のポンプ6の共通の動力源である。
制御装置は、液圧センサ8および図示しない車輪速度センサからの出力に基づいて、カット弁1、入口弁2、出口弁3および吸入弁4の開閉、並びにモータ200の作動を制御する。
次に、制御装置によって実現される通常のブレーキ制御、アンチロックブレーキ制御および挙動安定化制御について説明する。
通常のブレーキ制御時には、カット弁1と入口弁2とが開弁し、出口弁3と吸入弁4とが閉弁している。このような状態のときに、運転者がブレーキペダルBPを踏み込むと、その踏力に起因して発生したブレーキ液圧は、そのままホイールシリンダWに伝達される。このとき、吸入弁4は、ブレーキペダルBPを踏み込むことで発生したブレーキ液圧によって閉弁状態となる。
アンチロックブレーキ制御は、ブレーキペダルBPを踏み込んでいる最中に、車輪がロック状態に陥りそうになったときに実行されるものであり、ホイールシリンダWに作用するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持する状態を適宜選択することで実現される。
なお、減圧、増圧および保持のいずれを選択するかは、図示しない車輪速度センサから得られた車輪速度に基づいて、制御装置によって判断される。
制御装置によって、ホイールシリンダWに作用するブレーキ液圧を減圧すべきであると判断された場合には、入口弁2を閉弁するとともに、出口弁3を開弁する。吸入弁4は、ブレーキペダルBPを踏み込むことで発生したブレーキ液圧によって閉弁状態となる。これにより、ホイールシリンダWに通じる車輪液路Bのブレーキ液がリザーバ5に流入し、ホイールシリンダWに作用していたブレーキ液圧が減圧される。
なお、アンチロックブレーキ制御を実行する場合には、モータ200を駆動させてポンプ6を作動させ、リザーバ5に貯溜されたブレーキ液を、吐出液路Dを介して車輪液路Bに還流する。
また、制御装置によって、ホイールシリンダWに作用するブレーキ液圧を一定に保持すべきであると判断された場合は、入口弁2と出口弁3とを閉弁する。これにより、ホイールシリンダW、入口弁2および出口弁3で閉じられた液路内にブレーキ液が閉じ込められ、ホイールシリンダWに作用していたブレーキ液圧が一定に保持される。
さらに、制御装置によって、ホイールシリンダWに作用するブレーキ液圧を増圧すべきであると判断された場合には、入口弁2を開弁するとともに、出口弁3を閉弁する。これにより、ブレーキペダルBPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧がホイールシリンダWに直接作用し、ホイールシリンダWに作用するブレーキ液圧が増圧される。
挙動安定化制御は、走行状況等の変化によって起こる車両の挙動の乱れを防止するためのものであり、車両の状態に応じて、制御装置によって、横滑り制御やトラクション制御などの挙動安定化制御が開始される。
ブレーキペダルBPを踏み込んでいない状態において、制御装置によって所定の車輪を制動すべきと判断された場合には、カット弁1を閉弁するとともに、所定のホイールシリンダWに対応する制御弁手段V以外の制御弁手段Vにおいて入口弁2を閉弁する。このとき、吸入弁4は開弁状態となっている。さらに、モータ200を作動させてポンプ6を駆動させる。
これにより、マスタシリンダM、出力液路Aおよび吸入液路Cに貯溜されているブレーキ液が、ポンプ6と吐出液路Dとを経由して、所定のホイールシリンダWに通じる車輪液路Bのみに流入し、所定のホイールシリンダWにブレーキ液圧が作用する。
次に、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置Uにおける吸入弁4、リザーバ5および中間ピストン60の構造を詳細に説明する。
リザーバ5は、図2に示すように、基体100に形成されたリザーバ穴10と、リザーバ穴10内に移動自在に収容されたリザーバピストン51と、リザーバピストン51をリザーバ穴10の底面11側に付勢するリザーバピストン51用の第一弾性部材52と、を備えている。
リザーバ穴10は、基体100の表面100aに開口している有底円筒状の穴である。リザーバ穴10の開口部10aは、基体100の表面100aに取り付けられた板状の蓋部材110によって閉塞されている。また、蓋部材110の内面には、リザーバ穴10の中心部に対応する位置にばね支持部110aが突設されている。
また、リザーバ穴10の底面11の中心部には、後記するポンプ吸引穴20が開口し、リザーバ穴10の内周面の上部(底面11の近傍)には、開放路Eが開口している。
リザーバピストン51は、リザーバ穴10の中心軸と同心に配置された円形断面の金属部品であり、リザーバピストン51の外径は、リザーバ穴10の内径よりも小さく形成されている。リザーバピストン51と後記する中間ピストン60との間には、リザーバ室12が区画されている。
リザーバピストン51には、無端状のゴム部品であるシール部材51eが外嵌されている。シール部材51eの内周部は、リザーバピストン51の外周面に形成されたシール溝51fに嵌め込まれている。
シール部材51eの外周部がリザーバ穴10の内周面に接することで、リザーバピストン51の外周面とリザーバ穴10の内周面との間が液密にシールされている。また、リザーバピストン51は、リザーバ穴10の内周面に対して軸方向に摺動自在となっている。
リザーバピストン51の先端面51a(図2の上側の面)の中心部には、円筒状のストッパ53(特許請求の範囲における「第一規制部」)が設けられている。
ストッパ53は、リザーバピストン51に対する中間ピストン60のストローク量を規制する部材である。ストッパ53の下端縁部には、外側に突出したフランジ部53bが形成されており、フランジ部53bがリザーバピストン51の先端面51aに当接している。
なお、ストッパ53の周壁部には、リザーバ室12とストッパ53の内部空間とを連通させる開口部(図示せず)が形成されている。
ストッパ53の上端開口縁部には、内側に突出した係合部53aが全周に亘って形成されている。
リザーバピストン51の先端面51aにおいて、ストッパ53の外側には、リザーバ穴10の底面11側に突出した突出部51gが形成されている。この突出部51gが底面11に当接することで、先端面51aが底面11に密着するのを防ぐことができる。これにより、リザーバピストン51が最も底面11側に移動した状態においても、先端面51aと底面11との間に隙間が形成され、開放路Eとリザーバ室12とが連通した状態となる。
リザーバピストン51の基端面51b(図2の下側の面)の中心部には、円筒状の凹部であるばね受け部51cが形成されている。
第一弾性部材52は、リザーバピストン51と蓋部材110との間に介設されたコイルばねである。
第一弾性部材52の先端部52aは、ばね受け部51cの底面51dに当接し、基端部52bは、蓋部材110の内面に当接している。第一弾性部材52は、リザーバピストン51の突出部51gがリザーバ穴10の底面11に当接した状態でも圧縮されており、リザーバピストン51をF5の弾発力で底面11側に付勢している。
第一弾性部材52の基端開口部には、蓋部材110のばね支持部110aが入り込んでおり、第一弾性部材52がリザーバ穴10の中心部に位置決めされている。
ポンプ吸引穴20は、リザーバ穴10の底面11に開口している有底円筒状の穴であり、リザーバ穴10よりも縮径され、リザーバ穴10よりも流路断面積が小さく形成されている。ポンプ吸引穴20の中心軸線と、リザーバ穴10の中心軸線とは同一軸線上に配置されている。
ポンプ吸引穴20の底面21の中心部には、後記する連通液路43aが開口し、ポンプ吸引穴20の内周面の上部(底面21の近傍)には、吸入液路Cの下流液路C2が開口している。
ポンプ吸引穴20の内周面において、リザーバ穴10の底面11側の部位には、Cクリップ23(特許請求の範囲における「第二規制部」)が内嵌されている。Cクリップ23の外周部は、ポンプ吸引穴20の内周面に形成された取付溝21a内に嵌め込まれている。
中間ピストン60は、リザーバピストン51の中心軸と同心に配置された円形断面の金属部品であり、ポンプ吸引穴20内に収容されている。
中間ピストン60において、軸方向の中間部よりもリザーバ穴10側(図2の下側)には大径部61が形成され、大径部61よりもリザーバ穴10側(図2の下側)には小径部62が形成されている。
大径部61の外径は、ポンプ吸引穴20の内径よりも小さく形成されている。中間ピストン60とポンプ吸引穴20の底面21との間には、ポンプ吸引室22が区画されている。
大径部61には、無端状のゴム部品であるシール部材63が外嵌されている。シール部材63の内周縁部は、大径部61の外周面に形成されたシール溝61aに嵌め込まれている。
シール部材63の外周部がポンプ吸引穴20の内周面に接することで、中間ピストン60の外周面とポンプ吸引穴20の内周面との間が液密にシールされている。
中間ピストン60は、ポンプ吸引穴20の内周面に対して軸方向に摺動自在となっている。中間ピストン60がリザーバ穴10側に移動したときには、大径部61の基端側(図2の下側)の外周縁部がCクリップ23に当接することで、中間ピストン60のリザーバ穴10側へのストローク量L1が規制される(図4参照)。
小径部62は、ストッパ53の係合部53aの内径よりも小径に形成されており、基端部(図2の下側の端部)がストッパ53内に挿入されている。
小径部62の基端部の外周面には、外側に突出した係合部62aが全周に亘って形成されている。小径部62の係合部62aは、ストッパ53の係合部53aよりもリザーバピストン51側(図2の下側)に配置されている。小径部62の係合部62aの外径は、ストッパ53の係合部53aよりも大径に形成されており、ストッパ53の係合部53aに対して、リザーバピストン51側から当接する。
したがって、中間ピストン60は、リザーバピストン51の先端面51aからストッパ53の係合部53aまでの軸方向の距離の中で、リザーバピストン51に対して移動自在となっている。このように、中間ピストン60は、ストッパ53によって、リザーバピストン51に対する軸方向のストローク量が規制される(図4参照)。
中間ピストン60の中心部には、リザーバ室12側(ストッパ53の内部空間側)からポンプ吸引室22側へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁64が設けられている。
一方向弁64は、中間ピストン60を軸方向に貫通している貫通穴64aと、貫通穴64a内に収容された弁体64bと、弁体64bをリザーバ室12側に付勢する弾性部材64cと、を備えている。
貫通穴64aは、中間ピストン60の中心部を軸方向に貫通している円筒状の穴であり、中間ピストン60の先端面60a(図2の上側の面)および基端面60b(図2の下側の面)に開口している。
貫通穴64aの先端面60a側は、基端面60b側よりも拡径されており、貫通穴64aの軸方向の略中間部には、先端面60a側に向かうに従って漏斗状に拡径した弁座面64dが形成されている。
弁体64bは、貫通穴64a内に収容された球状の金属部品である。弁体64bの直径は、弁座面64dの開口部の内径よりも大きく形成されている。そして、弁体64bが弁座面64dに当接することで、貫通穴64aが封止される。
弾性部材64cは、貫通穴64aにおいて弁体64bよりも先端面60a側に収容されたコイルばねである。
弾性部材64cは、弁体64bをリザーバ室12側に付勢して弁座面64dに当接させる機能を有している。
このような一方向弁64では、リザーバ室12側のブレーキ液圧からポンプ吸引室22側のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、開弁圧(弾性部材64cの付勢力)以上になったときに、弾性部材64cの付勢力に抗して、弁体64bが弁座面64dから離間して開弁する。
中間ピストン60とリザーバピストン51との間には、中間ピストン60をポンプ吸引穴20の底面21側に付勢する中間ピストン60用の第二弾性部材65が介設されている。
第二弾性部材65は、中間ピストン60の小径部62およびストッパ53を囲繞しており、リザーバ穴10およびポンプ吸引穴20の中心部に位置決めされている。
第二弾性部材65の先端部65aは、中間ピストン60の大径部61の基端面(図2の下側の面)に当接している。また、第二弾性部材65の基端部65bは、ストッパ53のフランジ部53bに当接している。
第二弾性部材65は、リザーバピストン51と中間ピストン60との離間距離が最大となった状態(図2の状態)でも圧縮されており、中間ピストン60をF4の弾発力でポンプ吸引穴20の底面21側に付勢している。
中間ピストン60の先端面60aの中心部には、棒状の金属部品である当接部材66が突設されている。当接部材66の先端部66aはポンプ吸引穴20の底面21に開口した弁体収容穴30に挿入されている。
吸入弁4は、基体100に形成された弁体収容穴30と、弁体収容穴30内に収容された弁体41と、弁体41をポンプ吸引穴20側に付勢する弁体41用の第三弾性部材42と、を備えている。
弁体収容穴30は、ポンプ吸引穴20の底面21に開口している有底円筒状の穴である。弁体収容穴30の中心軸線と、ポンプ吸引穴20の中心軸線とは同一軸線上に配置されている。
また、弁体収容穴30の底面31の中心部には、吸入液路Cの上流液路C1が開口している。
弁体収容穴30において、ポンプ吸引穴20の底面21側の端部には、円筒部材43が内嵌されている。
円筒部材43は、連通液路43aが軸方向に貫通している金属部品である。連通液路43aによって、弁体収容穴30とポンプ吸引室22とが連通している。
円筒部材43の先端面(図2の上側の面)には、弁体収容穴30の底面31側に向かうに従って漏斗状に拡径した弁座面43bが形成されており、弁座面43bの中心部に連通液路43aが開口している。
弁体41は、弁体収容穴30内に収容された球状の金属部品である。弁体41の直径は、連通液路43aの内径よりも大きく形成されている。そして、弁体41が弁座面43bに当接することで、連通液路43aの開口部が封止され、吸入弁4が閉弁状態となる(図4参照)。
連通液路43aには、当接部材66が挿通されており、ブレーキペダルBP(図1参照)が踏み込まれていない状態(図2の状態)において、当接部材66の先端部66aは弁体41に当接し、弁体41を弁座面43bから離間させている。
第三弾性部材42は、弁体収容穴30の底面31と弁体41との間に介設されたコイルばねである。
第三弾性部材42は、弁体41をポンプ吸引穴20側に付勢して弁座面43bに当接させる機能を有している。また、第三弾性部材42は、弁体41を弁体収容穴30の中心部に安定させる機能を有しており、特に、弁座面43bに当接していない弁体41を安定させることができる。
本実施形態の吸入弁4、中間ピストン60およびリザーバ5では、第二弾性部材65のばね定数が、第三弾性部材42のばね定数よりも大きく設定されるとともに、第一弾性部材52のばね定数よりも小さく設定されている。また、第一弾性部材52のばね定数は、第三弾性部材42のばね定数よりも大きく設定されている。
したがって、図2に示すように、ブレーキペダルBP(図1参照)が踏み込まれていない状態では、第一弾性部材52の弾発力(F5)が、第三弾性部材42の弾発力(F2)よりも大きいとともに、第二弾性部材65の弾発力(F4)が、第三弾性部材42の弾発力(F2)よりも大きいため、リザーバピストン51がリザーバ穴10の底面11側に押し込まれるとともに、中間ピストン60がポンプ吸引穴20の底面21側に押し込まれ、第三弾性部材42が最も圧縮された状態となる。
この状態では、吸入弁4の弁体41が弁座面43bから大きく離間して開弁する。また、リザーバピストン51の突出部51gがリザーバ穴10の底面11に当接し、リザーバピストン51と中間ピストン60との離間距離が最大となる。
また、ストッパ53の係合部53aに中間ピストン60の係合部62aが係合することで、中間ピストン60のポンプ吸引穴20の底面21側への移動が規制され、ポンプ吸引室22の容積が最小となる。
また、吸入弁4は開弁しているため、上流液路C1は弁体収容穴30およびポンプ吸引室22を介して下流液路C2に通じている。
図3に示すように、ブレーキペダルBP(図1参照)の操作に伴って、弁体収容穴30およびポンプ吸引室22にブレーキ液圧が伝達され、中間ピストン60およびリザーバピストン51をリザーバ穴10の開口部10a側に押し出す力(F8)と、第三弾性部材42の弾発力(F2)と、を合算した力(F2+F8)が、第二弾性部材65の弾発力(F4)と中間ピストン60の摺動抵抗を合算した力よりも大きくなると、中間ピストン60がリザーバピストン51側に移動する。
このとき、第二弾性部材65のばね定数は、第一弾性部材52のばね定数よりも非常に小さいため、リザーバピストン51のストローク量は実質的にゼロであり、中間ピストン60がリザーバピストン51よりも先行してリザーバピストン51側に移動する。
中間ピストン60がリザーバピストン51に近づくと、リザーバ室12の容積が小さくなるため、リザーバ室12内のブレーキ液圧が大きくなる。そして、リザーバ室12側のブレーキ液圧からポンプ吸引室22側のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、一方向弁64の開弁圧以上になると一方向弁64が開弁し、リザーバ室12内のブレーキ液が一方向弁64を通じてポンプ吸引室22内に流入する。また、リザーバ室12側のブレーキ液圧からポンプ吸引室22側のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、一方向弁64の開弁圧以下になると一方向弁64が閉弁する。このように、中間ピストン60がリザーバピストン51側に移動するときには、一方向弁64が開弁と閉弁を繰り返すことになる。
図4に示すように、中間ピストン60がリザーバ穴10の開口部10a側に移動すると、当接部材66もリザーバ穴10の開口部10a側に移動するので、弁体41が連通液路43a側に移動し、弁体41が弁座面43bに当接して連通液路43aが封止される。
なお、図2に示すように、中間ピストン60がポンプ吸引穴20のCクリップ23に当接するまでのストローク量L1は、吸入弁4の弁体41が弁座面43bに当接するまでのストローク量L2よりも大きく設定されている。したがって、図4に示すように、中間ピストン60がリザーバ穴10の開口部10a側にフルストロークする前に、弁体41が連通液路43aを封止する。
また、弁体41が連通液路43aを封止した状態において、ブレーキペダルBP(図1参照)の操作に伴って弁体収容穴30に伝達されたブレーキ液圧が弁体41を連通液路43a側に押す力(F1)と、ポンプ吸引室22のブレーキ液圧が中間ピストン60およびリザーバピストン51をリザーバ穴10の開口部10a側に押し出す力(F8)と、第三弾性部材42の弾発力(F2)と、を合算した力(F1+F2+F8)が、第二弾性部材65の弾発力(F4)から中間ピストン60の摺動抵抗を差し引いた力(F4´)と、ポンプ吸引室22のブレーキ液圧が弁体41を弁体収容穴30の底面31側に押す力(F7)と、を合算した力(F4´+F7)よりも大きい場合には、弁体41が連通液路43aを封止した状態が維持される。
また、図5に示すように、弁体41が連通液路43aを封止した状態において、ポンプ吸引室22のブレーキ液が減少して、ポンプ吸引室22内が負圧になったときに、第二弾性部材65の弾発力(F4)から中間ピストン60の摺動抵抗を差し引いた力(F4´)と、負圧によって中間ピストン60がポンプ吸引穴20の底面21側に引き寄せられる力(F3)と、を合算した力(F3+F4´)が、弁体収容穴30内のブレーキ液圧(F1)と、第三弾性部材42の弾発力(F2)と、負圧によって弁体41が弁座面43bに押し付けられる力(F6)と、を合算した力(F1+F2+F6)よりも大きくなるように、第二弾性部材65および第三弾性部材42のばね定数が設定されている。
このように、第二弾性部材65および第三弾性部材42のばね定数が設定されているため、吸入弁4が閉弁した状態でポンプ吸引室22が負圧になったときに、中間ピストン60がポンプ吸引穴20の底面21側に移動し、弁体41が当接部材66に押されて弁座面43bから離間する。
また、図6に示すように、弁体41が連通液路43aを封止した状態において、開放路Eからリザーバ室12にブレーキ液が流入し、リザーバ室12のブレーキ液圧がリザーバピストン51をリザーバ穴10の開口部10a側に押し出す力(F9)が、第一弾性部材52の弾発力(F5)とリザーバピストン51の摺動抵抗とを合算した力よりも大きくなると、リザーバピストン51がリザーバ穴10の開口部10a側に移動する。なお、ポンプ吸引室22のブレーキ液圧はリザーバ室12のブレーキ液圧よりも大きくなっている。
また、図7に示すように、弁体41が連通液路43aを封止し、リザーバ室12にブレーキ液が貯溜された状態において、ポンプ吸引室22のブレーキ液が減少し、リザーバ室12側のブレーキ液圧からポンプ吸引室22側のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、一方向弁64の開弁圧以上になると、一方向弁64が開弁し、リザーバ室12内のブレーキ液が一方向弁64を通じてポンプ吸引室22内に流入する。そして、リザーバ室12内のブレーキ液圧が低下し、第一弾性部材52の弾発力(F5)が、リザーバ室12のブレーキ液圧がリザーバピストン51をリザーバ穴10の開口部10a側に押し出す力(F9)と、リザーバピストン51の摺動抵抗と、を合算した力よりも大きくなると、リザーバピストン51が底面11側に移動する。
また、ブレーキペダルBPの操作をやめると、第一弾性部材52および第二弾性部材65の弾発力(F5,F4)を合算した力(F5+F4)からリザーバピストン51および中間ピストン60の摺動抵抗を差し引いた力(F5´+F4´)によって、リザーバピストン51および中間ピストン60が底面11,21側に移動し、弁体41が当接部材66に押されて弁座面43bから離間する。
次に、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置Uにおいて、通常のブレーキ制御、アンチロックブレーキ制御および挙動安定化制御が実行されたときの吸入弁4、中間ピストン60およびリザーバ5の動作について説明する。
(通常のブレーキ制御)
図2に示すように、吸入弁4が開弁した状態において、ブレーキペダルBP(図1参照)が踏み込まれ、ポンプ吸引室22に発生したブレーキ液圧が、中間ピストン60およびリザーバピストン51に作用すると、図3に示すように、中間ピストン60がリザーバピストン51側に移動し、弁体41が連通液路43aを封止することで、吸入弁4が閉弁状態となる。
(アンチロックブレーキ制御)
ブレーキペダルBP(図1参照)が踏み込まれ、図6に示すように、吸入弁4が閉弁した状態において、アンチロックブレーキ制御が実行され、図1に示すホイールシリンダWに作用するブレーキ液圧を減圧するときには、車輪液路Bのブレーキ液が開放路Eから図6に示すリザーバ室12に流入する。これにより、リザーバピストン51がリザーバ穴10の開口部10a側に移動し、リザーバ室12内にブレーキ液が貯溜される。
また、アンチロックブレーキ制御においては、図1に示すポンプ6が作動して、図7に示すように、ポンプ吸引室22から下流液路C2にブレーキ液が吐出される。これにより、ポンプ吸引室22のブレーキ液圧が低下すると、一方向弁64が開弁し、リザーバ室12からポンプ吸引室22にブレーキ液が流入する。
(挙動安定化制御)
図2に示すように、吸入弁4が開弁した状態において、挙動安定化制御が実行され、ポンプ6(図1参照)が作動すると、上流液路C1内のブレーキ液が吸入弁4を介してリザーバ室12に吸引されるとともに、ポンプ吸引室22および下流液路C2のブレーキ液がポンプ6に吸引され、ポンプ6から吐出液路D(図1参照)にブレーキ液が吐出される。
また、ブレーキペダルBP(図1参照)が踏み込まれ、図5に示すように、吸入弁4が閉弁した状態において、挙動安定化制御が実行され、ポンプ6(図1参照)が作動すると、ポンプ吸引室22および下流液路C2のブレーキ液がポンプ6に吸引される。ポンプ吸引室22のブレーキ液が減少すると、中間ピストン60がポンプ吸引穴20の底面21側に移動し、弁体41が当接部材66に押されて弁座面43bから離間して、吸入弁4が開弁状態となる。
これにより、上流液路C1のブレーキ液が吸入弁4を介してポンプ吸引室22に吸引され、ポンプ吸引室22からブレーキ液がポンプ6に吸引され、さらに、ポンプ6から吐出液路D(図1参照)にブレーキ液が吐出される。
以上のような車両用ブレーキ液圧制御装置Uでは、図3に示すように、ブレーキペダルBP(図1参照)が操作されると、ポンプ吸引穴20内で中間ピストン60がリザーバピストン51側に移動し、弁体41が閉弁方向に移動する。なお、中間ピストン60用の第二弾性部材65のばね定数は、リザーバピストン51用の第一弾性部材52のばね定数よりも小さく設定されているため、ブレーキペダルBP(図1参照)が操作されたときに、中間ピストン60のストローク量がリザーバピストン51のストローク量よりも大きくなる。
そして、ポンプ吸引穴20はリザーバ穴10よりも縮径されているため、中間ピストン60が移動するときに、ポンプ吸引穴20に流入するブレーキ液量は、リザーバピストン51が同じ距離をリザーバ穴10内で移動する場合(中間ピストン60が存在しない場合)に、リザーバ穴10内に流入するブレーキ液量に比べて小さくなる。したがって、ブレーキペダルBP(図1参照)の操作が開始されてから、弁体41が連通液路43aを封止するまでの間に生じるブレーキペダルBP(図1参照)の無効ストロークを小さくすることができる。
また、弁体41と弁座面43bとの間隔を大きくした場合であっても、弁体41が移動したときのポンプ吸引穴20およびリザーバ穴10へのブレーキ液の流入を少なくすることができるため、ブレーキペダルBP(図1参照)の無効ストロークを小さくすることができる。
また、図4に示すように、中間ピストン60がリザーバ5側にフルストロークする前に、弁体41が連通液路43aを封止するため、リザーバピストン51が大きく移動する前に、吸入弁4を迅速に閉弁させることができる。
また、図3に示すように、中間ピストン60をリザーバ5側に移動させたときに、中間ピストン60のリザーバ5側から吸入弁4側に一方向弁64を通じてブレーキ液が流入するため、中間ピストン60をスムーズに移動させることができる。また、中間ピストン60に一方向弁64を設けることで、車両用ブレーキ液圧制御装置Uを小型化することができる。
また、図2に示すように、リザーバピストン51に、中間ピストン60の吸入弁4側へのストローク量を規制するストッパ53が設けられているため、中間ピストン60が吸入弁4側に移動し過ぎるのを防ぐことができる。
また、図4に示すように、ポンプ吸引穴20に、中間ピストン60のリザーバ5側へのストローク量を規制するCクリップ23が設けられているため、中間ピストン60がリザーバ5側に移動し過ぎるのを防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、本実施形態では、図4に示すように、中間ピストン60がリザーバ穴10の開口部10a側にフルストロークする前に、弁体41が連通液路43aを封止しているが、中間ピストン60がリザーバ5側にフルストロークした後に、中間ピストン60およびリザーバピストン51がリザーバ穴10の開口部10a側に移動して、弁体41が連通液路43aを封止するように構成してもよい。
また、本実施形態では、各弾性部材52,65,42をコイルばねによって構成しているが、その構成は限定されるものではなく、例えば、板ばねや皿ばねを用いてもよい。
また、本実施形態では、中間ピストン60およびリザーバピストン51を金属によって形成しているが、その構成は限定されるものではなく、例えば、樹脂を用いてもよい。
1 カット弁
2 入口弁
3 出口弁
4 吸入弁
5 リザーバ
6 ポンプ
7 ダンパ
10 リザーバ穴
10a 開口部
12 リザーバ室
20 ポンプ吸引穴
22 ポンプ吸引室
23 Cクリップ(第二規制部)
30 弁体収容穴
41 弁体
42 第三弾性部材
43 円筒部材
43a 連通液路
43b 弁座面
51 リザーバピストン
51g 突出部
52 第一弾性部材
53 ストッパ(第一規制部)
53a 係合部
60 中間ピストン
61 大径部
62 小径部
62a 係合部
64 一方向弁
64a 貫通穴
64b 弁体
64c 弾性部材
64d 弁座面
65 第二弾性部材
66 当接部材
100 基体
200 モータ
A 出力液路
B 車輪液路
BP ブレーキペダル
C 吸入液路
C1 上流液路
C2 下流液路
D 吐出液路
E 開放路
K1,K2 ブレーキ出力系統
M マスタシリンダ
R レギュレータ
U 車両用ブレーキ液圧制御装置
V 制御弁手段
W ホイールシリンダ

Claims (6)

  1. マスタシリンダとホイールシリンダとを接続するための液路が形成された基体と、
    前記ホイールシリンダに作用するブレーキ液圧を少なくとも増圧する状態および減圧する状態に切り替える制御手段と、
    前記制御手段から逃がされたブレーキ液を貯溜するリザーバと、
    前記リザーバに貯溜されたブレーキ液を吸引するポンプと、
    前記マスタシリンダと前記制御手段とを連通させる出力液路に通じる吸入液路に設けられた吸入弁と、
    前記吸入弁を開閉させるための中間ピストンと、を備える車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記リザーバは、
    前記基体に形成された有底のリザーバ穴と、
    前記リザーバ穴内に移動自在に収容されたリザーバピストンと、
    前記リザーバピストンを前記リザーバ穴の底面側に付勢するリザーバピストン用の弾性部材と、を備え、
    前記吸入弁は、
    前記基体に形成された弁体収容穴と、
    前記弁体収容穴内に収容された弁体と、を備え、
    前記基体には、
    前記リザーバ穴の底面に開口し、前記リザーバ穴よりも流路断面積が小さく形成されているとともに、前記ポンプに連通している有底のポンプ吸引穴と、
    一端が前記弁体収容穴の弁座面に開口し、他端が前記ポンプ吸引穴の底面に開口している連通液路と、が形成され、
    前記中間ピストンは、前記ポンプ吸引穴内に収容され、前記連通液路を通じて、前記弁体に当接しており、
    前記中間ピストンと前記リザーバピストンとの間には、前記中間ピストンを前記吸入弁側に付勢する中間ピストン用の弾性部材が介設されており、
    ブレーキ操作子の操作に伴って、前記中間ピストンおよび前記リザーバピストンにブレーキ液圧が作用したときに、前記中間ピストンが前記リザーバピストン側に移動するように構成されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記中間ピストン用の弾性部材のばね定数が、前記リザーバピストン用の弾性部材のばね定数よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置。
  3. 前記中間ピストンが前記リザーバ側にフルストロークする前に、前記弁体が前記連通液路を封止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  4. 前記中間ピストンには、前記リザーバ側から前記吸入弁側へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  5. 前記リザーバピストンには、前記中間ピストンの前記吸入弁側へのストローク量を規制する第一規制部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  6. 前記ポンプ吸引穴には、前記中間ピストンの前記リザーバ側へのストローク量を規制する第二規制部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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