JP2014123435A - 点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中心電極10と略有底筒状の中心誘電体11と、放電ギャップ130を隔てて同軸に配設した略筒状の接地電極12と、所定の周波数の高電圧を印加する高エネルギ電源3とを具備する点火装置において、効果的にエネルギを利用して安定した着火を実現可能とする。
【解決手段】内燃機関5の燃焼室51に開口する略環状の接地電極先端部120から、誘電体先端底部110と誘電体先端筒状部111とによって覆われた中心電極放電部100の一部を燃焼室51内に突出せしめると共に、接地電極先端部120から突出する誘電体先端筒状部111の一部を先端に向かって径小となるよう縮径した誘電体径変部201と、その先端側の肉厚T200を薄くした誘電体薄肉部200とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟着火性の内燃機関の点火を行う点火装置に関する。
近年、燃費向上、CO2低減を目的として、小型、高出力及び低NOを達成する高効率エンジンの開発が進められている。高効率エンジンは高過給、高圧縮に加え混合気の燃料濃度が希薄な場合もあり、火花点火では着火しにくい環境である。
このような難着火性の内燃機関を高効率で燃焼させるには、燃焼速度が早く着火性に優れた点火装置が望まれている。
特許文献1には、第1電極と第1電極を囲む第2電極と、第1電極と第2電極との間に形成され開放部を介して燃焼室と連通する点火室と、を有し、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより点火室内に活性種を生成する活性種生成手段と、活性種生成手段の作動時期を可変にし制御し得る制御手段とを備える筒内直接噴射式内燃機関において、活性種が点火室内から筒内へ引き出されるように燃料噴射弁及び活性種生成手段を配置した筒内直接噴射式内燃機関が開示されている。
特開2010−37949号公報
ところが、特許文献1にあるような活性種生成手段では、心電極の先端が点火室の開口端と一致した状態で開口部が内燃機関のシリンダヘッドの内壁と面一となるように配設され、燃焼室内に流れる気流を利用して点火室(放電空間)内に生成された活性種を燃焼室内に引き出す構造となっている。
このため、点火室内で発生した体積着火が火炎伝播により燃焼室内の混合気の点火が可能となるまで火炎成長する前に、燃焼室内に引き出されるため、希薄な混合気の点火が困難となったり、点火室がシリンダヘッドの内側に引き込んだ構造であるため、シリンダヘッドへのエネルギの拡散が大きく、投入したエネルギが効率的に点火に利用されておらず、実際の車両など電源の限られた内燃機関において空燃比を一定以上に高くできないことが判明した。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、内燃機関に設けられ、誘電体で覆われた中心電極と接地電極との間に所定の周波数以下の交流電圧を印加して、上記誘電体によって区画した放電空間内に発生させた非平衡プラズマと燃焼室内の混合気との直接的な反応により、初期火炎を生成して内燃機関の点火を行う点火装置において、中心電極を覆う誘電体の特定の位置を薄肉に形成して、表面電位を高くし、燃焼室内との境界部に集中的にストリーマ放電を発生させることによりエネルギを効率的に利用して、着火性の向上を図ることのできる内燃機関用の点火装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明では、内燃機関(5)に設けられ、略軸状の中心電極(10)と該中心電極(10)を覆う略有底筒状の中心誘電体(11)と、該中心誘電体(11)と所定の放電ギャップ(130)を隔てて同軸に配設した略筒状の接地電極(12)と、上記中心電極(10)と上記接地電極(12)との間に、所定の周波数の高電圧を印加する高エネルギ電源(3)とを具備して、上記内燃機関(5)の点火を行う点火装置であって、上記中心誘電体(11)の誘電体先端筒状部(111)の外周表面の一部と、上記誘電体先端筒状部(111)の基端側を拡径して設けた基端側基底部(112)と、上記接地電極(12)の接地電極筒状部(121)の内周面と、によって略筒状の放電空間(130)を区画し、上記接地電極(12)の先端において上記内燃機関(5)の燃焼室(51)に開口する略環状の接地電極先端部(120)から、上記誘電体(11)の底部を構成する誘電体先端底部(110)と上記誘電体先端筒状部(111)とによって覆われた上記中心電極(10)の中心電極放電部(100)の一部を上記内燃機関(5)の燃焼室(51)内に突出せしめると共に、上記接地電極先端部(120)から上記燃焼室(51)内に突出する上記誘電体先端筒状部(111)の一部を先端に向かって径小となるよう縮径した誘電体径変部(201)と、その先端側の肉厚(T200)を薄くした誘電体薄肉部(200)とを設けたことを特徴とする。
請求項2の発明では、上記基端側底部(112)の内側底面を基準として、上記中心電極放電部(100)の先端までの長さを中心電極放電部長さL100とし、上記放電空間(130)の先端までの長さを放電空間長さL130とし、上記誘電体径変部(201)までの長さを薄肉端位置長さL200としたとき、
130<L200<L100の関係が成り立つ。
より望ましくは、請求項3の発明のように、3mm≦L200≦10mmの関係が成り立つ。
請求項4の発明では、上記誘電体先端筒状部(111)の外径をφD111とし、その肉厚をT111とし、上記誘電体薄肉部(200)の外径をφD200とし、その肉厚をT200としたとき、
200<D111、かつ、
0.2T111<T200<0.9T111の関係が成り立つ。
より望ましくは、請求項5の発明のように、0.4mm≦T200≦1.8mmの関係が成り立つ。
請求項6の発明では、上記高エネルギ電源(3)から供給される交流電圧の周波数(f)が80kHz以上850kHz以下である。
請求項7の発明では、上記放電空間(130)の容積が300mm以下である。
本発明によれば、中心電極放電部(100)の先端を接地電極先端部(120)よりも燃焼室(51)の内側に配設すると共に、上記誘電体薄肉部(200)を設けることによって、局所的に表面電位が高くなり、接地電極先端部(120)の先端側で燃焼室(51)の内側に突出した上記誘電体薄肉部(200)と接地電極先端部(120)との間にストリーマ放電(STR)を高密度で発生させ易くなり、比較的低い周波数の電源でも、高いリーン限界空燃比の混合気を安定して着火できることが判明した。
本発明の第1の実施形態における点火装置1の全体概要を示す一部断面図 本発明に用いられる高周波電源の一例を示す特性図 本発明の第1の実施形態における点火装置1の高電圧印加時の様子を模式的に示す要部断面図 本発明の第1の実施形態における点火装置1の効果を示し図3Aに続いて起こる体積点火の様子を模式的に示す要部断面図 比較例1として示す従来の点火装置1zの高電圧印加時の様子を模式的に示す要部断面図 比較例1の効果を示し図4Aに続いて起こる体積点火の様子を模式的に示す要部断面図 比較例2として示す従来の他の点火装置1yの高電圧印加時の様子を模式的に示す要部断面図 比較例2の効果を示し図5Aに続いて起こる体積点火の様子を模式的に示す要部断面図 本発明の第1の実施形態における点火装置1の構成部分の設定条件を変更した場合に本発明の効果を発揮し得ない臨界条件を比較例3から6として示す要部断面図 比較例と共に本発明のリーン限界A/F向上に対する効果を示す特性図 比較例と共に本発明の薄肉端位置長さL200を変化させたときの効果を示す特性図 比較例と共に本発明の薄肉端部外径D200を変化させたときの効果を示す特性図 本発明の他の実施形態の効果を示す特性図 本発明の第2の実施形態における点火装置1aの概要を示す要部断面図 本発明の第3の実施形態における点火装置1bの概要を示す要部断面図 本発明の第4の実施形態における点火装置1cの概要を示す要部断面図 本発明の第6の実施形態における点火装置1dの概要を示す要部断面図 本発明の第7の実施形態における点火装置1eの概要を示す要部断面図
図1を参照して、本発明の第1の実施形態における点火装置1の概要について説明する。点火装置1は、内燃機関5に設けられ、略軸状の中心電極10と中心電極10を覆う略有底筒状の中心誘電体11と、中心誘電体11と所定の放電ギャップ130を隔てて同軸に配設した略筒状の接地電極12と、中心電極10と接地電極12との間に、所定の周波数(80kHz以上850kHz)の交流高電圧(例えば、±20kV〜50kV)を印加する高エネルギ電源3とを具備して、内燃機関5の点火を行う点火装置でる。
中心誘電体11の誘電体先端筒状部111の外周表面の一部と、誘電体先端筒状部111の基端側を拡径して設けた基端側基底部112と、接地電極12の接地電極筒状部121の内周面とによって略筒状の放電空間130が設けられている。
さらに、接地電極12の先端において内燃機関5の燃焼室51に開口する略環状の接地電極先端部120と、中心誘電体11の底部を構成する誘電体先端底部110と誘電体先端筒状部111とによって覆われた中心電極10の中心電極放電部100の一部を接地電極先端部120から内燃機関5の燃焼室51内に突出せしめてある。
加えて、接地電極先端部120から燃焼室51内に突出する誘電体先端筒状部111の一部を先端に向かって径小となるよう縮径した誘電体径変部201と、その先端側の肉厚T200を薄くした誘電体薄肉部200とを設けたことを特徴とする。
中心電極10は、長軸状に形成された良導電性材料からなり、中心電極放電部100と、中心電極結合部101と、中心電極ステム部102と、中心電極端子部103とによって構成されている。
中心電極10には、導電性が高く、耐熱性に優れたニッケル合金や、これに銅等の高電導性材料を合わせたもの等を用いることができる。
なお、成形容易にすべく中心電極放電部100と中心電極ステム部102とは別体で設けられ、中心電極結合部101を介して電気的導通が図られている。
さらに、中心電極放電部100に斜線を施した部分が中心誘電体側面部111、中心誘電体底部110を介して接地電極先端部120及び接地電極筒状部121との間で放電を起こし得る範囲であり、この範囲を中心電極放電部100と称しているが、その基端側の斜線を施していない部分と別体のものではなく中心電極結合部101迄は一体に形成されているものである。
中心電極端子部103は、外部に設けた高エネルギ電源3に接続されている。
高エネルギ電源3は、交流高電圧電源31と内燃機関5の運転状態を制御する電子制御装置30とによって構成され、内燃機関5の運転状況に応じた所定のタイミングで所定の周波数(例えば、80kHz以上850kHz以下、発生電圧±20kV〜50kV)の交流電圧を印加する。
中心誘電体11は、アルミナ、ジルコニア等の高耐熱性の誘電材料を用いて略有底筒状に形成されており、中心誘電体11は、先端側底部110、誘電体先端筒状部111、放電空間基底部112、電極保持部113、拡径部114、頭部115、中心電極挿通孔116、118、電極係止面117によって構成され、先端筒状部111の一部に本発明の要部である誘電体径変部201及び誘電体薄肉部200が設けられている。
拡径部114は、外径方向に径大となるように拡径されており、略環状に形成した封止部材を介して、上下方向からハウジング12を加締めて固定されている。
封止部材160、161は、略環状に形成した金属シール、タルク等を略筒状に形成した粉末成形体等の公知の封止部材を用いて、気密性を確保している。
ハウジング12の基端側に露出する頭部115は、中心電極端子部103とハウジング12との間で放電が起こらないよう絶縁性を確保している。
頭部115の基端側には、必要に応じて、凹凸面が交互に並んだコルゲート状に形成して絶縁距離を長くし、電極端子部103とハウジング12との間でより一層沿面放電が起こり難くするようにしても良い。
中心電極挿通孔116、118内に長軸状の中心電極10が挿入され電極係止面117で中心電極10の結合部101が係止固定されている。
ハウジング12は、鉄、ニッケル、ステンレス等の公知の金属材料を用いて、略筒状に形成されており、シリンダヘッド50の内壁から燃焼室51内に所定の高さL120だけ露出する略環状の接地電極先端露出部120、中心誘電体11との間に放電空間130を区画する接地電極筒状部121、シリンダヘッド50に固定するためのネジ部122、中心誘電体11の拡径部114を保持する係止部123、封止部材160、161を介して拡径部114を加締め固定する加締め部124、ネジ部122を螺締めするための六角部125等によって構成されている。
ハウジング12はシリンダヘッド50に接地状態となっており接地電極を兼用している。
なお、本発明の点火装置1では、放電時に熱プラズマを発生しないので、本質的に電極の消耗が起こり難いので、接地電極先端露出部120や、中心電極先端部100等に、必ずしも、イリジウム等の耐熱性に優れた特別な材料を用いる必要はなく、一般的な点火プラグに用いられている材料を適宜選択できる。
本発明においては、中心誘電体11の放電空間130を区画する基端側底部112の内側底面を基準として、中心電極放電部100の先端までの長さを中心電極放電部長さL100とし、放電空間130の先端までの長さを放電空間長さL130とし、誘電体径変部201までの長さを薄肉端位置長さL200としたとき、L130<L200<L100の関係が成り立っている。なお、本発明者等の鋭意試験により、肉端位置長さL200を3mm≦L200≦10mmの関係が成り立つように設定するのが望ましいことが判明した。
なお、薄肉端位置長さL200の値、及び後述する肉厚T200の値、放電空間130の容積、高周波電源3の周波数等の臨界的意義は、後述する試験において、比較例2と同程度のリーン限界A/Fしか達成できない場合には、効果なしと判断して設定したものである。
また、比較例4、5のリーン限界A/Fを超え、安定して一定のリーン限界A/F(例えば、21)を超える条件をより望ましい値と判断したものである。
さらに、誘電体先端筒状部111の外径をφD111とし、その肉厚をT111とし、誘電体薄肉部200の外径をφD200とし、その肉厚をT200としたとき、
200<D111、かつ、0.2T111<T200<0.9T111の関係が成り立つ。
より望ましくは、0.4mm≦T200≦1.8mmの関係が成り立つように設定するのが望ましいことが判明した。
さらに、放電空間130の容積が300mm以下であることが望ましいことが判明した。
本発明の適用される内燃機関5について極簡単に説明する。内燃機関5は、本実施例においては、いわゆる4サイクルエンジンを例としてある。
内燃機関5は、図略の筒状のシリンダと、その上面を覆うシリンダヘッド50と、シリンダの内側で昇降可能に保持されたピストン52の頂面とで、燃焼室51を区画し、シリンダヘッド50に設けた吸気筒501と、これを開閉する吸気バルブ502と、シリンダヘッド50に設けた排気筒503と、これを開閉する排気バルブ504等によって構成されている。
ECU30は、内燃機関5の運転状況に応じて、図略の燃料噴射装置から燃料を噴射させ所定のタイミングで点火装置1に高周波電源31から所定の交流電圧を印加して、放電空間130、及び燃焼室51との境界部分に非平衡プラズマを発生させ、燃焼室52内の混合気に点火する。
なお、本発明において、内燃機関5を特に限定するものではなく、ガソリン、ディーゼル、気体燃料等の種々の燃料系に適用可能である。
図2を参照して本発明に用いられる高周波電源3の一例について説明する。
本発明に用いられる高エネルギ電源3から供給される交流高電圧は、高周波f(例えば、周波数80kHz〜850kHz)で、最大電圧VPP(例えば、±20kV〜50kV)交流の高電圧電源31から1周期当たり一定量(例えば、1mJ)のエネルギが供給される。
交流高電圧電源31の周波数fに同期して、ストリーマ放電が完結的に放電される。当然のことながら、電源周波数が高いほど単位時間当たりの放電回数が増加し、点火エネルギも増える。
図3A、図3Bを参照して、本発明の第1の実施形態における点火装置1の効果について説明する。
本図に示すように、高エネルギ電源3から、例えば、300kHzの比較的低い周波数で、300mJのエネルギを1.0ms印加すると、接地電極12の接地電極先端部120及び接地電極筒状部121と中心誘電体11の先端筒状部111、誘電体径変部201及び誘電体薄肉部200との間でストリーマ放電STRが同時多発的に発生する。
このとき、接地電極先端部120よりも燃焼室51側の位置に誘電体薄肉部200が設けられているので、その表面電位は、誘電体薄肉部200を形成していない場合より高くなっており、接地電極先端部120が燃焼室51に向かって開口する部分の周辺に電界集中が起って、接地電極先端部120と誘電体薄肉部200との間のエネルギ密度が高くなる。
すると、燃焼室51への火炎伝播が起こり易い位置で放電空間130内、及び、エネルギ密度が高くなった接地電極先端部120の先端側に初期火炎核FLKが発生し、これが速やかに燃焼室内の混合気に燃え広がり安定した着火を実現できる。
このとき、放電空間130が300mm以下の比較的小さい容積で形成されているので、放電空間130内に発生した火炎が閉じ込められ、無駄にシリンダヘッド50に放出されることがない。
また、接地電極先端部120が燃焼室51内に突出しており、これが筒内気流を適度に制限し、放電空間130内に発生した火炎核を吹き消すことなく、また、放電空間130内に新気を取り込んでより一層の火炎成長を促進することになる。
また、誘電体径変部201が接地電極先端部120よりも、燃焼側の位置に設けられているので、放電空間130内に発生した火炎核FLKが膨張する際の障壁ともなりにくくなっているため、より一相火炎成長速度が早くなり、着火安定性が向上するものと推察される。
図4A、図4Bを参照して比較例1として示す従来の点火装置1zの問題点について説明する。なお、本発明との違いを分かり易くするため、上記実施形態と同じ構成については同一の符号を付し、相違する部分に枝番としてzの符号を付した。後述する比較例及び実施例においても同様にそれぞれ特徴的な部分に、対応するアルファベットで枝番を付してある。
図4Aに示すように、点火装置1zでは、接地電極12zとして、中心誘電体底部110の先端に至る範囲を覆うように略筒状に伸びる接地電極先端部120zが形成され、さらに、接地電極先端部120zは、その先端が、シリンダヘッド50から露出しないように、シリンダヘッド50の内周面に対して、略面一に設けられており、放電空間130zの容積は、実施例1の2倍程度となっている。
点火装置1zに、上記実施例1と同じ条件で高電圧を印加したとき、放電空間130z内で多発的にストリーマ放電STRが発生するが、図4Bに示すように、放電空間130z内で火炎核が発生しても、放電空間130zの容積が大きいので、燃焼室51内への火炎の伝播速度が遅くなる。
このため、接地電極筒状部121を介してシリンダヘッド50へのエネルギ放出が大きくなり、失火に至ったり、中心誘電体11zの先端筒状部111zの過剰に加熱してプレイグニションを引き起こしたりして、安定した着火を維持することが困難であった。
図5A、図5Bを参照して比較例2として示す従来の点火装置1yの問題点について説明する。
点火装置1yでは、点火装置1zと同様、接地電極12yとして、中心誘電体底部110の先端に至る範囲を覆うように略筒状に伸びる接地電極先端部120yが形成されているが、その一部がシリンダヘッド50から露出するように構成されている。
点火装置1yに上述の条件と同じ条件で高電圧を印加すると、図5Aに示すように、比較例1と同様、放電空間130yの内部に多発的にストリーマ放電STRが発生する。
点火装置1yでは、接地電極先端部120yの一部がシリンダヘッド50から露出しており、燃焼室51内の気流がその露出部によって制限され、放電空間130y内で発生した火炎核と燃焼室51内の混合気とを適度に撹拌混合するため、内燃機関5の点火を実現でき、比較例1の問題点であったプレイグニションの抑制を図ることが可能となった。
しかし、後述する試験結果に示すように、比較例2では、混合気の空燃比を高くした場合には、安定した着火が実現できないおそれがあることが判明した。
図6を参照して本発明の第1の実施形態における点火装置1の構成部分の設定条件を変更した場合に本発明の効果を発揮し得ない臨界条件について説明する。
比較例3〜6として、実施例1と同様の構成において、薄肉端位置長さL200及び薄肉端部外径D200を本発明の効果を発揮しなくなる限界まで変化させた点火装置1x、1w、1v、1uを用意した。
比較例3として示す点火装置1xでは、薄肉端位置長さL200xを放電空間長さL130よりも短く(具体的には、例えば、2.0mm)、接地電極先端部120よりも基端側に設定し誘電体薄肉部200xの肉厚T200を実施例1と同じ(具体的には、例えば、1.6mm)に設定した。
比較例4として示す点火装置1wでは、薄肉端位置長さL200は実施例1と同じに設定し、誘電体薄肉部200wの肉厚T200wを誘電体筒状先端部111の肉厚T111の20%に設定した(具体的には、例えば、0.4mm)。
比較例5として示す点火装置1vでは、薄肉端位置長さL200は実施例1と同じに設定し、誘電体薄肉部200vの肉厚T200vを誘電体筒状先端部111の肉厚T111の90%に設定した(具体的には、例えば、1.8mm)。
比較例6として示す点火装置1uでは、薄肉端位置長さL200uを放電空間長さL130よりも長く、中心電極放電部長さL100と等しく(具体的には、例えば、7.0mm)設定し、誘電体薄肉部200uの肉厚T200を実施例1と同じ(具体的には、例えば、1.6mm)に設定した。
図6、図7、図8、図9を参照して本発明の効果について説明する。投入エネルギとして、周波数f:300kHz、印加電圧Vpp:50kVの交流電圧を1ms印加し、エンジン条件として、回転数:2000rpm、図示平均有効圧Pmi:300kPaで、上述の点火装置1、1z、1y、1x、1w、1v、1uを用いたときのリーン限界A/Fを調査した。
その結果、比較例1として示した点火装置1zでは、体積着火が生じてもA/F>19の条件では火炎成長せず内燃機関5の点火に至らなかった。
比較例2として示した点火装置1yでは、内燃機関5の点火が可能となったものの、図7に示すようにリーン限界A/Fは最も低い値であった。
また、比較例3として示した点火装置1xでは、誘電体薄肉部200xの接地電極先端部120と対向する位置で、絶縁破壊を招き、中心電極放電部100と接地電極先端部120との間にアーク放電ARKが発生した。アーク放電が発生すると接地電極120の消耗を伴い、点火装置1xの耐久性が著しく低下する。
比較例4として示した点火装置1wでは、誘電体薄肉部200wの最基端位置で絶縁破壊を招き、中心電極放電部100と接地電極先端部120の先端位置との間でアーク放電ARKが発生した。
比較例5として示した点火装置1vでは、比較例2に比べて僅かにリーン限界A/Fが高くなったが、これ以上誘電体薄肉部200vの肉厚T200vを厚くすると、本発明の効果が得られず比較例2と同様の値となることが判明した。
比較例6として示した点火装置1uでは、比較例2に比べて僅かにリーン限界A/Fが高くなったが、これ以上L200を長くすると、本発明の効果が得られず比較例2と同様の値となることが判明した。
以上により、本発明の第1の実施形態における点火装置1において、薄肉端位置長さL200としたとき、L130<L200<L100の関係が成り立つように、誘電体径変部201を設けることにより、比較的低い周波数の高電圧交流電源を用いても、従来より高いリーン限界A/Fで安定した着火を実現できることが判明した。
より望ましくは、3mm≦L200≦10mmの関係が成り立つように、誘電体径変部201を設けることにより、高いリーン限界A/Fを維持できることが判明した。
さらに、誘電体先端筒状部111の外径をφD111とし、その肉厚をT111とし、誘電体薄肉部200の外径をφD200とし、その肉厚をT200としたとき、
200<D111、かつ、0.2T111<T200<0.9T111の関係が成り立つように、誘電体薄肉部200の肉厚T200を設定したとき、比較的低い周波数の高電圧交流電源を用いても、従来より高いリーン限界A/Fで安定した着火を実現できることが判明した。
また、より望ましくは、0.4mm≦T200≦1.8mmの関係が成り立つ範囲で誘電体肉薄部200の肉厚T200を設定することにより、比較的低い周波数の高電圧交流電源を用いても、高いリーン限界A/Fを維持できることが判明した。
図10を参照して、図11A〜図11Dに示す本発明の他の実施形態の効果について説明する。
上述の試験と同様の試験を行った結果、いずれの実施形態においても比較例よりも高いリーン限界A/Fにおいて安定した着火を実現できることが判明した。
特に、実施例3、4においてリーン限界A/Fの向上が見られた。接地電極先端部120の一部を内側に向かって突出させることで、より一層電解集中を起こし、燃焼室51との境界付近のエネルギ密度を向上させることが可能となるためと推察される。
図11A、11B、11C、11D、11Eを参照して、本発明の他の実施形態について簡単に説明する。これらの実施形態においては、上記第1の実施形態を基本構成とするものであり、以下に示す特徴を有するものである。
図11Aに示す本発明の第2の実施形態における点火装置1aでは、接地電極先端部120aの先端を軸方向に対して径大となるような略円錐状のテーパ面を形成し先細り形状とすることによって、接地電極先端部120aに電界集中を引き起こして、燃焼室51との境界付近におけるエネルギ密度のさらなる向上を図ると共に、テーパ面によって放電空間130内に発生した火炎核がより一層燃焼室51内に広がり易くするようにしたものである。
図11Bに示す本発明の第3の実施形態における点火装置1bでは、接地電極先端部120aの内周面の一部を中心誘電体11に向かって略環状に突出するように形成することによって、接地電極先端部120bに電界集中を引き起こして、燃焼室51との境界付近におけるエネルギ密度のさらなる向上を図ったものである。
図11Cに示す本発明の第4の実施形態における点火装置1cでは、図11Aの構成と図11Bの構成を組み合わせて、接地電極先端部120cにおいて、内側に向かって略環状に突出する部分と先端に向かって拡径するテーパ面とを形成してさらなる電界集中によるエネルギ密度の向上を図ったものである。
図11Dに示す本発明の第6の実施形態における点火装置1dでは、点火装置1のように、徐々に縮径するテーパ面状ではなく、急峻に縮径する階段状の誘電体径変部201dを設けてある。このような形状とすることによって、誘電体径変部201dの角状の外周縁がより一層電界集中し易くなり、その周辺のエネルギ密度の向上を図ったものである。
図11Eに示す本発明の第7の実施形態における点火装置1eでは、誘電体薄肉部200eとして、内側に凸となる湾曲面によって形成してある。
このような形状とすることによって、点火装置1と同様の効果に加え、中心誘電体11eの機械的強度を高めることにより耐久性の向上を図ることも期待できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、中心誘電体の一部を接地電極の先端から露出させると共に、その肉厚を薄肉に形成した誘電体薄肉部を形成することにより、その表面電位を高くし、その周辺のエネルギ密度を高くすることによって、従来よりも低い周波数の交流電圧を用いて、比較的低いエネルギで、ストリーマ放電を発生させ効率的に体積着火を引き起こす本発明の趣旨に反しない限りにおいて、適宜変更可能である。
例えば、接地電極先端部を軸方向に向かって段階的に内径が拡径するように径変させることで、接地電極側の電界集中箇所を複数設けることにより、接地電極側のストリーマ放電の発生範囲を径方向に広げることにより、さらなる着火性の向上が期待できる。
1 点火装置
10 中心電極
100 中心電極放電部
11 中心誘電体
110 先端側底部
111 誘電体先端筒状部
112 放電空間基底部
12 ハウジング(接地電極)
120 接地電極先端部
121 接地電極筒状部
130 放電空間
200 誘電体薄肉部
201 誘電体径変部
3 高エネルギ電源
31 交流高電圧電源
30 電子制御装置(ECU)
5 内燃機関
100 中心電極放電部長
130 放電空間長
120 接地電極先端露出長
200 薄肉部端位置長
111 誘電体筒状部肉厚
200 誘電体薄肉部肉厚
111 誘電体筒状部外径
200 誘電体薄肉部外径
本発明の第1の実施形態における点火装置1の全体概要を示す一部断面図 本発明に用いられる高周波電源の一例を示す特性図 本発明の第1の実施形態における点火装置1の高電圧印加時の様子を模式的に示す要部断面図 本発明の第1の実施形態における点火装置1の効果を示し図3Aに続いて起こる体積点火の様子を模式的に示す要部断面図 比較例1として示す従来の点火装置1zの高電圧印加時の様子を模式的に示す要部断面図 比較例1の効果を示し図4Aに続いて起こる体積点火の様子を模式的に示す要部断面図 比較例2として示す従来の他の点火装置1yの高電圧印加時の様子を模式的に示す要部断面図 比較例2の効果を示し図5Aに続いて起こる体積点火の様子を模式的に示す要部断面図 本発明の第1の実施形態における点火装置1の構成部分の設定条件を変更した場合に本発明の効果を発揮し得ない臨界条件を比較例3から6として示す要部断面図 比較例と共に本発明のリーン限界A/F向上に対する効果を示す特性図 比較例と共に本発明の薄肉端位置長さL200を変化させたときの効果を示す特性図 比較例と共に本発明の薄肉端部外径D200を変化させたときの効果を示す特性図 本発明の他の実施形態の効果を示す特性図 本発明の第2の実施形態における点火装置1aの概要を示す要部断面図 本発明の第3の実施形態における点火装置1bの概要を示す要部断面図 本発明の第4の実施形態における点火装置1cの概要を示す要部断面図 本発明の第の実施形態における点火装置1dの概要を示す要部断面図 本発明の第の実施形態における点火装置1eの概要を示す要部断面図
中心電極10は、長軸状に形成された良導電性材料からなり、中心電極放電部100と、中心電極結合部101と、中心電極ステム部102と、中心電極端子部103とによって構成されている。
中心電極10には、導電性が高く、耐熱性に優れたニッケル合金や、これに銅等の高電導性材料を合わせたもの等を用いることができる。
なお、成形容易にすべく中心電極放電部100と中心電極ステム部102とは別体で設けられ、中心電極結合部101を介して電気的導通が図られている。
さらに、中心電極放電部100に斜線を施した部分が誘電体先端筒状部111、誘電体先端底部110を介して接地電極先端部120及び接地電極筒状部121との間で放電を起こし得る範囲であり、この範囲を中心電極放電部100と称しているが、その基端側の斜線を施していない部分と別体のものではなく中心電極結合部101迄は一体に形成されているものである。
中心電極端子部103は、外部に設けた高エネルギ電源3に接続されている。
高エネルギ電源3は、交流高電圧電源31と内燃機関5の運転状態を制御する電子制御装置30とによって構成され、内燃機関5の運転状況に応じた所定のタイミングで所定の周波数(例えば、80kHz以上850kHz以下、発生電圧±20kV〜50kV)の交流電圧を印加する。
中心誘電体11は、アルミナ、ジルコニア等の高耐熱性の誘電材料を用いて略有底筒状に形成されており、中心誘電体11は、誘電体先端底部110、誘電体先端筒状部111、放電空間基底部112、電極保持部113、拡径部114、頭部115、中心電極挿通孔116、118、電極係止面117によって構成され、先端筒状部111の一部に本発明の要部である誘電体径変部201及び誘電体薄肉部200が設けられている。
拡径部114は、外径方向に径大となるように拡径されており、略環状に形成した封止部材を介して、上下方向からハウジング12を加締めて固定されている。
封止部材160、161は、略環状に形成した金属シール、タルク等を略筒状に形成した粉末成形体等の公知の封止部材を用いて、気密性を確保している。ハウジング12の基端側に露出する頭部115は、中心電極端子部103とハウジング12との間で放電が起こらないよう絶縁性を確保している。
ハウジング12は、鉄、ニッケル、ステンレス等の公知の金属材料を用いて、略筒状に形成されており、シリンダヘッド50の内壁から燃焼室51内に所定の高さL120だけ露出する略環状の接地電極先端部120、中心誘電体11との間に放電空間130を区画する接地電極筒状部121、シリンダヘッド50に固定するためのネジ部122、中心誘電体11の拡径部114を保持する係止部123、封止部材160、161を介して拡径部114を加締め固定する加締め部124、ネジ部122を螺締めするための六角部125等によって構成されている。
ハウジング12はシリンダヘッド50に接地状態となっており接地電極を兼用している。
なお、本発明の点火装置1では、放電時に熱プラズマを発生しないので、本質的に電極の消耗が起こり難いので、接地電極先端部120や、中心電極放電部100等に、必ずしも、イリジウム等の耐熱性に優れた特別な材料を用いる必要はなく、一般的な点火プラグに用いられている材料を適宜選択できる。
本発明の適用される内燃機関5について極簡単に説明する。内燃機関5は、本実施例においては、いわゆる4サイクルエンジンを例としてある。
内燃機関5は、図略の筒状のシリンダと、その上面を覆うシリンダヘッド50と、シリンダの内側で昇降可能に保持されたピストン52の頂面とで、燃焼室51を区画し、シリンダヘッド50に設けた吸気筒501と、これを開閉する吸気バルブ502と、シリンダヘッド50に設けた排気筒503と、これを開閉する排気バルブ504等によって構成されている。
ECU30は、内燃機関5の運転状況に応じて、図略の燃料噴射装置から燃料を噴射させ所定のタイミングで点火装置1に高周波電源31から所定の交流電圧を印加して、放電空間130、及び燃焼室51との境界部分に非平衡プラズマを発生させ、燃焼室51内の混合気に点火する。
なお、本発明において、内燃機関5を特に限定するものではなく、ガソリン、ディーゼル、気体燃料等の種々の燃料系に適用可能である。
図2を参照して本発明に用いられる高周波電源3の一例について説明する。
本発明に用いられる高エネルギ電源3から供給される交流高電圧は、高周波f(例えば、周波数80kHz〜850kHz)で、最大電圧VPP(例えば、±20kV〜50kV)交流の高電圧電源31から1周期当たり一定量(例えば、1mJ)のエネルギが供給される。
交流高電圧電源31の周波数fに同期して、ストリーマ放電が間欠的に放電される。当然のことながら、電源周波数が高いほど単位時間当たりの放電回数が増加し、点火エネルギも増える。
図4A、図4Bを参照して比較例1として示す従来の点火装置1zの問題点について説明する。なお、本発明との違いを分かり易くするため、上記実施形態と同じ構成については同一の符号を付し、相違する部分に枝番としてzの符号を付した。後述する比較例及び実施例においても同様にそれぞれ特徴的な部分に、対応するアルファベットで枝番を付してある。
図4Aに示すように、点火装置1zでは、接地電極12zとして、誘電体先端底部110の先端に至る範囲を覆うように略筒状に伸びる接地電極先端部120zが形成され、さらに、接地電極先端部120zは、その先端が、シリンダヘッド50から露出しないように、シリンダヘッド50の内周面に対して、略面一に設けられており、放電空間130zの容積は、実施例1の2倍程度となっている。
点火装置1zに、上記実施例1と同じ条件で高電圧を印加したとき、放電空間130z内で多発的にストリーマ放電STRが発生するが、図4Bに示すように、放電空間130z内で火炎核が発生しても、放電空間130zの容積が大きいので、燃焼室51内への火炎の伝播速度が遅くなる。
このため、接地電極筒状部121を介してシリンダヘッド50へのエネルギ放出が大きくなり、失火に至ったり、中心誘電体11zの先端筒状部111zの過剰に加熱してプレイグニションを引き起こしたりして、安定した着火を維持することが困難であった。
図5A、図5Bを参照して比較例2として示す従来の点火装置1yの問題点について説明する。
点火装置1yでは、点火装置1zと同様、接地電極12yとして、誘電体先端底部110の先端に至る範囲を覆うように略筒状に伸びる接地電極先端部120yが形成されているが、その一部がシリンダヘッド50から露出するように構成されている。
点火装置1yに上述の条件と同じ条件で高電圧を印加すると、図5Aに示すように、比較例1と同様、放電空間130yの内部に多発的にストリーマ放電STRが発生する。
点火装置1yでは、接地電極先端部120yの一部がシリンダヘッド50から露出しており、燃焼室51内の気流がその露出部によって制限され、放電空間130y内で発生した火炎核と燃焼室51内の混合気とを適度に撹拌混合するため、内燃機関5の点火を実現でき、比較例1の問題点であったプレイグニションの抑制を図ることが可能となった。
しかし、後述する試験結果に示すように、比較例2では、混合気の空燃比を高くした場合には、安定した着火が実現できないおそれがあることが判明した。
図6を参照して本発明の第1の実施形態における点火装置1の構成部分の設定条件を変更した場合に本発明の効果を発揮し得ない臨界条件について説明する。
比較例3〜6として、実施例1と同様の構成において、薄肉端位置長さL200及び薄肉端部外径D200を本発明の効果を発揮しなくなる限界まで変化させた点火装置1x、1w、1v、1uを用意した。
比較例3として示す点火装置1xでは、薄肉端位置長さL200xを放電空間長さL130よりも短く(具体的には、例えば、2.0mm)、接地電極先端部120よりも基端側に設定し誘電体薄肉部200xの肉厚T200を実施例1と同じ(具体的には、例えば、1.6mm)に設定した。
比較例4として示す点火装置1wでは、薄肉端位置長さL200は実施例1と同じに設定し、誘電体薄肉部200wの肉厚T200wを誘電体先端筒状部111の肉厚T111の20%に設定した(具体的には、例えば、0.4mm)。
比較例5として示す点火装置1vでは、薄肉端位置長さL200は実施例1と同じに設定し、誘電体薄肉部200vの肉厚T200vを誘電体先端筒状部111の肉厚T111の90%に設定した(具体的には、例えば、1.8mm)。
比較例6として示す点火装置1uでは、薄肉端位置長さL200uを放電空間長さL130よりも長く、中心電極放電部長さL100と等しく(具体的には、例えば、7.0mm)設定し、誘電体薄肉部200uの肉厚T200を実施例1と同じ(具体的には、例えば、1.6mm)に設定した。
図11A、11B、11C、11D、11Eを参照して、本発明の他の実施形態について簡単に説明する。これらの実施形態においては、上記第1の実施形態を基本構成とするものであり、以下に示す特徴を有するものである。
図11Aに示す本発明の第2の実施形態における点火装置1aでは、接地電極先端部120aの先端を軸方向に対して径大となるような略円錐状のテーパ面を形成し先細り形状とすることによって、接地電極先端部120aに電界集中を引き起こして、燃焼室51との境界付近におけるエネルギ密度のさらなる向上を図ると共に、テーパ面によって放電空間130内に発生した火炎核がより一層燃焼室51内に広がり易くするようにしたものである。
図11Bに示す本発明の第3の実施形態における点火装置1bでは、接地電極先端部120aの内周面の一部を中心誘電体11に向かって略環状に突出するように形成することによって、接地電極先端部120bに電界集中を引き起こして、燃焼室51との境界付近におけるエネルギ密度のさらなる向上を図ったものである。
図11Cに示す本発明の第4の実施形態における点火装置1cでは、図11Aの構成と図11Bの構成を組み合わせて、接地電極先端部120cにおいて、内側に向かって略環状に突出する部分と先端に向かって拡径するテーパ面とを形成してさらなる電界集中によるエネルギ密度の向上を図ったものである。
図11Dに示す本発明の第5の実施形態における点火装置1dでは、点火装置1のように、徐々に縮径するテーパ面状ではなく、急峻に縮径する階段状の誘電体径変部201dを設けてある。このような形状とすることによって、誘電体径変部201dの角状の外周縁がより一層電界集中し易くなり、その周辺のエネルギ密度の向上を図ったものである。
図11Eに示す本発明の第6の実施形態における点火装置1eでは、誘電体薄肉部200eとして、内側に凸となる湾曲面によって形成してある。
このような形状とすることによって、点火装置1と同様の効果に加え、中心誘電体11eの機械的強度を高めることにより耐久性の向上を図ることも期待できる。
1 点火装置
10 中心電極
100 中心電極放電部
11 中心誘電体
110 誘電体先端底部
111 誘電体先端筒状部
112 放電空間基底部
12 ハウジング(接地電極)
120 接地電極先端部
121 接地電極筒状部
130 放電空間
200 誘電体薄肉部
201 誘電体径変部
3 高エネルギ電源
31 交流高電圧電源
30 電子制御装置(ECU)
5 内燃機関
100 中心電極放電部長
130 放電空間長
120 接地電極先端露出長
200 薄肉部端位置長
111 誘電体筒状部肉厚
200 誘電体薄肉部肉厚
111 誘電体筒状部外径
200 誘電体薄肉部外径

Claims (7)

  1. 内燃機関(5)に設けられ、略軸状の中心電極(10)と該中心電極(10)を覆う略有底筒状の中心誘電体(11)と、該中心誘電体(11)と所定の放電ギャップ(130)を隔てて同軸に配設した略筒状の接地電極(12)と、上記中心電極(10)と上記接地電極(12)との間に、所定の周波数の高電圧を印加する高エネルギ電源(3)とを具備して、上記内燃機関(5)の点火を行う点火装置であって、
    上記中心誘電体(11)の誘電体先端筒状部(111)の外周表面の一部と、上記誘電体先端筒状部(111)の基端側を拡径して設けた基端側基底部(112)と、上記接地電極(12)の接地電極筒状部(121)の内周面と、によって略筒状の放電空間(130)を区画し、
    上記接地電極(12)の先端において上記内燃機関(5)の燃焼室(51)に開口する略環状の接地電極先端部(120)から、上記誘電体(11)の底部を構成する誘電体先端底部(110)と上記誘電体先端筒状部(111)とによって覆われた上記中心電極(10)の中心電極放電部(100)の一部を上記内燃機関(5)の燃焼室(51)内に突出せしめると共に、
    上記接地電極先端部(120)から上記燃焼室(51)内に突出する上記誘電体先端筒状部(111)の一部を先端に向かって径小となるよう縮径した誘電体径変部(201)と、その先端側の肉厚(T200)を薄くした誘電体薄肉部(200)とを設けたことを特徴とする点火装置。
  2. 上記基端側底部(112)の内側底面を基準として、上記中心電極放電部(100)の先端までの長さを中心電極放電部長さL100とし、上記放電空間(130)の先端までの長さを放電空間長さL130とし、上記誘電体径変部(201)までの長さを薄肉端位置長さL200としたとき、
    130<L200<L100の関係が成り立つ請求項1に記載の点火装置。
  3. 上記基端側底部(112)の内側底面を基準として、上記中心電極放電部(100)の先端までの長さを中心電極放電部長さL100とし、上記放電空間(130)の先端までの長さを放電空間長さL130とし、上記誘電体径変部(201)までの長さを薄肉端位置長さL200としたとき、
    3mm≦L200≦10mmの関係が成り立つ請求項1、又は、2に記載の点火装置。
  4. 上記誘電体先端筒状部(111)の外径をφD111とし、その肉厚をT111とし、上記誘電体薄肉部(200)の外径をφD200とし、その肉厚をT200としたとき、
    200<D111、かつ、
    0.2T111<T200<0.9T111の関係が成り立つ請求項1ないし3のいずれかに記載の点火装置。
  5. 上記誘電体先端筒状部(111)の外径をφD111とし、その肉厚をT111とし、上記誘電体薄肉部(200)の外径をφD200とし、その肉厚をT200としたとき、
    0.4mm≦T200≦1.8mmの関係が成り立つ請求項1ないし4のいずれかに記載の点火装置。
  6. 上記高エネルギ電源(3)から供給される交流電圧の周波数(f)が80kHz以上850kHz以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の点火装置。
  7. 上記放電空間(130)の容積が300mm以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の点火装置。
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