JP2014121531A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】封印シールに痕跡を残すことなく基板ケースが開封される可能性を限りなく小さくできる遊技機を提供する。
【解決手段】甲ケース体36と乙ケース体37とで開閉可能に構成された基板ケース23と、両ケース体36,37に跨って設けられ且つ封印シールが貼付されるシール貼付面42と、封印シールの表面を覆うシールカバー44とを備えた遊技機で、シール貼付面42と交差しない状態で基板ケース23上に装着されるシールカッター45を備え、シールカバー44とシールカッター45とは、それらが共に基板ケース23上に装着されたときに互いに外部からの解除操作不能に係合し、シールカバー44が基板ケース23から取り外される際にその動作と連動してシールカッター45が封印シールを損壊するように構成されているものである。
【選択図】図7

Description

本発明は、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
パチンコ機、スロットマシン等の遊技機では、各種制御基板等が基板ケースに格納された状態で本体裏側等に装着されている。一般的な基板ケースは、甲ケース体と乙ケース体とを開閉可能に組み合わせることにより略箱形となるように構成されている。
また、遊技機の基板ケースには、内部の制御基板に対する不正行為を防止するため、ICタグシール等の封印シールを甲ケース体と乙ケース体とに跨るように貼付する等の対策が施される場合がある(例えば特許文献1)。
特開2008−259750号公報
封印シールには、多数の細かい切り込みを設けるなど、剥がそうとするとその痕跡が残るように各種の加工が施されているが、あくまでも粘着剤によって貼付されているだけであるため、特殊な道具や薬剤等を用いて痕跡を残すことなく剥がされ、再度貼付される可能性を完全に否定することはできない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、封印シールに痕跡を残すことなく基板ケースが開封される可能性を限りなく小さくできる遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、互いに嵌め合わせ可能な甲ケース体36と乙ケース体37とで開閉可能に構成され且つ内部に基板22を格納可能な基板ケース23と、前記甲ケース体36と前記乙ケース体37とに跨って設けられ且つ封印シール43が貼付されるシール貼付面42と、前記基板ケース23に着脱自在に装着され且つ前記シール貼付面42に貼付された前記封印シール43の表面を覆うシールカバー44とを備えた遊技機において、前記シールカバー44を前記基板ケース23に装着した状態で、前記シールカバー44と前記基板ケース23とを外部からの解除操作不能に結合するシールカバー封止手段148と、前記シール貼付面42と交差しない状態で前記基板ケース23上に装着されるシールカッター45とを備え、前記基板ケース23側と前記シールカバー44側との少なくとも一方に設けられた封止解除用損壊部149を損壊することにより前記シールカバー封止手段148による前記シールカバー44と前記基板ケース23との結合状態を解除可能であり、前記シールカバー44と前記シールカッター45とは、それらが共に前記基板ケース23上に装着されたときに互いに外部からの解除操作不能に係合し、前記シールカバー44が前記基板ケース23から取り外される際に、そのシールカバー44の取り外し動作と連動して前記シールカッター45が前記シール貼付面42に貼付された前記封印シール43を損壊するように構成されているものである。
また、前記シールカバー44と前記シールカッター45とが、前記シール貼付面42の互いに対向する一対の縁部の外側を経てそれぞれ互いに係合するように構成してもよい。
また、前記甲ケース体36と前記乙ケース体37とは、互いに嵌め合わせた状態が保持されるロック状態と保持されないアンロック状態との間で相対的にスライド可能に構成されており、前記シールカバー44は、前記ロック状態の前記基板ケース23に装着されることによって前記アンロック状態側へのスライドを阻止するように構成してもよい。
また、前記基板ケース23上の前記シール貼付面42の近傍に溝部129,137a,137bを設け、前記シールカバー44を前記基板ケース23に装着したとき、前記シールカバー44の外縁の少なくとも一部が前記溝部129,137a,137b内に収容されるように構成してもよい。
また、前記シールカバー44の外縁の少なくとも一部に、前記基板ケース23の外面に沿って前記シール貼付面42の外側に向けて延設された延設部146を、その他の部分に比べて強度が低い低強度部147を介して一体に設けてもよい。
本発明によれば、基板ケース23を開封すべくシールカバー44を取り外すと自動的に封印シール43の少なくとも一部が切断される。従って、封印シール43に痕跡を残すことなく基板ケース23が開封される可能性を限りなく小さくすることができる。
本発明の一実施形態を示すパチンコ機の全体正面図である。 同パチンコ機における遊技盤の背面図である。 同パチンコ機における集球ケース及び主基板ケースの分解斜視図である。 同パチンコ機における主基板ケースの封止手段及びその近傍の要部分解斜視図である。 同パチンコ機における主基板ケースの封止手段及びその近傍の要部分解斜視図である。 同パチンコ機における主基板ケースのシール貼付面及びその近傍の要部分解斜視図である。 同パチンコ機における主基板ケース、シールカッター及びシールカバーの分解斜視図である。 同パチンコ機における主基板ケースの背面図及び底面図である。 同パチンコ機における主基板ケースのA−A断面図及びB−B断面図である。 同パチンコ機における主基板ケースのC−C断面図である。 同パチンコ機における主基板ケースの1回目の封止手順を示す説明図である。 同パチンコ機における主基板ケースの1回目の封止手順を示す説明図である。 同パチンコ機における主基板ケースへのシールカッター、ICタグシール及びシールカバーの装着手順を示す説明図である。 同パチンコ機における主基板ケースに対するシールカバーによる封止の解除手順を示す説明図である。 同パチンコ機における主基板ケースからのシールカバーの取り外し手順を示す説明図である。 同パチンコ機における主基板ケースの1回目の開封手順を示す説明図である。 同パチンコ機における主基板ケースの2回目の封止手順を示す説明図である。 同パチンコ機における主基板ケースの2回目の開封手順を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図18は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。なお、以下の説明における上下左右の方向については、特に基準を示さない限り遊技機本体を前側から見た場合の上下左右をいうものとする。
図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジにより前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿8、発射手段を作動させるための発射ハンドル9等が設けられている。
遊技盤5の前側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール10が環状に装着されると共に、そのガイドレール10内の遊技領域11には、画像表示手段12を備えたセンターケース13の他、通過ゲート14、開閉式入賞手段15、大入賞手段16、普通入賞手段17等の各種遊技部品が装着されている。
また、遊技盤5の裏側には、図2に示すように、センターケース13等の遊技部品を後側から覆う裏カバー20と集球ケース21とが上下に配置され、例えば集球ケース21の背面側に主制御基板(基板)22が格納された主基板ケース(基板ケース)23が、裏カバー20の背面側に演出制御基板24が格納された演出基板ケース25、液晶制御基板26が格納された液晶基板ケース27が夫々着脱自在に装着されている。集球ケース21は、開閉式入賞手段15、大入賞手段16、普通入賞手段17等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口28から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、図3に示すように上面側と前面側とが開放した略箱形に形成されており、裏カバー20の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
集球ケース21の背面側には、例えばその略中央に主基板ケース23を着脱自在に装着可能な主基板ケース装着部30が設けられ、また例えばその主基板ケース装着部30の一側には、遊技盤5を前枠3に装着したときに前枠3側のコネクタ(図示省略)に直接結合される遊技盤側コネクタ31が複数配置されている。主基板ケース装着部30は、集球ケース21の背面側に設けられた装着開口部32と、その装着開口部32の上下両縁側に沿って配置される装着レール33と、主基板ケース23の一端側、例えば左端側を保持する第1保持手段34と、この第1保持手段34により一端側が保持された主基板ケース23の他端側を解除可能に保持する締結つまみ等よりなる第2保持手段35とを備えている。
この主基板ケース装着部30に装着される主基板ケース23は、例えば透明な合成樹脂製で、図3に示すように、互いに嵌め合わせ可能な裏ケース体(甲ケース体)36と表ケース体(乙ケース体)37とで開閉可能に構成されている。裏ケース体36と表ケース体37とは、互いに嵌め合わせた状態が保持されるロック状態と、保持されないアンロック状態との間で所定方向に相対的にスライド可能に構成されている。
本実施形態では、裏ケース体36に対して表ケース体37を左方向にスライドさせることにより、裏ケース体36側の第1係合部38が表ケース体37側の第2係合部39と係合してロック状態となり(図11(b)→(c))、そのロック状態から逆に表ケース体37を右方向にスライドさせることにより、両係合部38,39の係合が解除されてアンロック状態となるように構成されている。
なお以下の説明では、主基板ケース23に関して、ロック状態とアンロック状態との間のスライドの方向(図11における左右方向)を「スライド方向」、そのスライド方向に直交し且つ主制御基板22に平行な方向(図11における紙面に垂直な方向)を「スライド幅方向」というものとする。
また、主基板ケース23上には、スライド方向の一端側、例えば左端側に、両ケース体36,37をロック状態で封止する封止手段41が配置されており、また例えば下辺側に、両ケース体36,37に跨がるシール貼付面42が設けられ、このシール貼付面42にICタグシール(封印シール)43が貼付されると共に、そのICタグシール43を保護するシールカバー44と、このシールカバー44が取り外される際にICタグシール43を破損させるためのシールカッター45とが装着されている。
主基板ケース23内に格納される主制御基板22は例えば略矩形状で、その一面側には、外縁部近傍に複数のコネクタ46が配置されると共に、それよりも中央寄りの部分にCPU,ROM,RAM等の多数の電子部品47が配置されている。
また、シール貼付面42に貼付されるICタグシール43は、図3に示すように、片面側に粘着面が形成された略矩形状のベースシート43aと、このベースシート43a上の所定位置、例えば略中心部に配置されるICチップ43bと、ベースシート43aに沿って配置され且つ読み取り機からの磁場を受けたときの電磁誘導作用による起電力をICチップ43bに供給するアンテナ43cとで構成されている。ICチップ43bには、当該パチンコ機の機種、制御基板の製造番号等の管理情報が記録されており、またベースシート43aの表面には例えばその管理情報に対応する識別番号その他の識別情報が表示されている。
表ケース体37は、主制御基板22の電子部品装着面22a側を覆うもので、図3に示すように電子部品装着面22aから離間する方向への膨出状に形成されており、電子部品47に対応する主膨出部51と、コネクタ46に対応する段部52〜54とを一体に備え、主制御基板22の裏面22b側の略全面が開放されて開口55を形成している。
主膨出部51は、主制御基板22上の電子部品47との間に十分な距離が確保される程度の略一定の膨出高さに形成され、例えば電子部品装着面22aに対向する対向壁56上には多数の通気孔が形成されている。段部52〜54は、それぞれ例えば主制御基板22の上縁部、右縁部及び下縁部に沿って設けられ、主膨出部51に対してそれよりも膨出高さが低い段差状に形成されており、電子部品装着面22aに対向する対向壁57上にはコネクタ46に対応して一又は複数のコネクタ挿通孔58が形成されている。主制御基板22は、コネクタ46をコネクタ挿通孔58に挿通させつつ開口55側から表ケース体37内にはめ込まれ、電子部品装着面22aにおけるコネクタ46の周辺部が段部52〜54の対向壁57に内側から当接した状態でねじ止め等により表ケース体37に固定されている。
また、表ケース体37上の例えば封止手段41とは反対側の縁部、即ち右縁部には、例えば段部53の対向壁57が外向き、即ち右向きに延設された延長壁59と、その延長壁59の三方の縁部に沿って例えば電子部品装着面22aから離間する方向に突設された背面視略コの字型の囲い壁60とが一体に設けられている。
また、表ケース体37上には、裏ケース体36側の第1係合部38と係合する第2係合部39が、例えばスライド方向の両端部近傍を含む複数箇所に配置されている。即ち、表ケース体37の上下の周壁61,62(図4〜図6参照)上には、外向き突出状の係合部63が、スライド方向に所定距離をおいて一又は複数組、例えばスライド方向の略中央及びそれよりも延長壁59寄りの位置に各1組設けられ、延長壁59の上下の囲い壁60a,60b上にも、同様の係合部64が例えば一組設けられている。また、上縁側における封止手段41側端部近傍には、上周壁61とその外側に平行に一体形成された覆い壁65とに跨がる係合部66が設けられ、下縁側における封止手段41側端部近傍には、例えば段部54の対向壁57に沿ってスライド方向に凹入する係合溝67が設けられている。更に、延長壁59の縦囲い壁60c上には、例えば裏ケース体36側に突出する突出片68が設けられ、その突出片68上にスライド方向の係合孔69が形成されている。これら係合部63,64,66,係合溝67及び係合孔69が、裏ケース体36側の第1係合部38と係合する第2係合部39を構成している。
また、例えば表ケース体37の左端面は、封止手段41が設けられる内封止壁70となっており、更に例えば表ケース体37の下縁側には、段部53,54間にシール貼付台71が、例えば主膨出部51と連続する膨出状に形成されている。このシール貼付台71には、シール貼付面42のうちの表ケース側貼付面42bが設けられている。
裏ケース体36は、主制御基板22の裏面22b側を覆うもので、表ケース体37の開口55に対応する底壁72と、この底壁72のスライド方向に平行な縁部、即ち上下両縁に沿って表ケース体37側に立設される一対のスライド案内壁73,74と、底壁72のスライド方向一端側の縁部、即ち左縁部に沿って表ケース体37側に立設される外封止壁75と、底壁72のスライド方向他端側の縁部に沿って表ケース体37側に立設される閉鎖壁76とを一体に備えている。
上下一対のスライド案内壁73,74は、表ケース体37をアンロック状態とロック状態との間でスライド方向に案内するもので、裏ケース体36と表ケース体37とをアンロック状態に嵌め合わせたとき、表ケース体37側の上下の周壁61,62が当該スライド案内壁73,74の内側に摺動自在に嵌合するようになっている。外封止壁75は、表ケース体37側の内封止壁70とスライド方向に対応するもので、アンロック状態では内封止壁70の右側に所定距離離間し、ロック状態に移行したときに内封止壁70の右側に当接又は近接するようになっており、それら内外の封止壁70,75上に封止手段41が設けられている。また、閉鎖壁76は当該主基板ケース23の右端側を閉鎖するもので、アンロック状態のときに表ケース体37側の段部53の右縁部に沿って延長壁59の裏側に略当接し、そのアンロック状態からロック状態に移行する際に、延長壁59の裏側をその左端部までスライド移動するようになっている。
また、例えば上下一対のスライド案内壁73,74上には、表ケース体37側の係合部63,64,66に対応する係止部77,78,79が、外封止壁75上には表ケース体37側の係合溝67に対応する係合リブ80が、閉鎖壁76上には表ケース体37側の係合孔69に対応する係合突起81がそれぞれ一体に設けられており、裏ケース体36と表ケース体37とをアンロック状態からロック状態まで相対的にスライドさせたとき、表ケース体37側の係合部63,64,66,係合溝67及び係合孔69が、係止部77,78,79、係合リブ80及び係合突起81とそれぞれ係合して、各係合位置において裏ケース体36と表ケース体37との分離方向への相対移動を阻止するようになっている。これら係止部77,78,79,係合リブ80及び係合突起81が、表ケース体37側の第2係合部39と係合する第1係合部38を構成している。
また、裏ケース体36の例えば下縁側には、シール貼付面42の一部を構成する裏ケース側貼付面42aが設けられるシール貼付板83が、例えば表ケース体37側のシール貼付台71の下面側に対応して設けられており、更に裏ケース体36の外周部には、主基板ケース装着部30の第2保持手段35が係脱自在に係合する被係合部35aが外向きに一体形成されている。
封止手段41は、主基板ケース23を1又は複数回(ここでは2回)封止可能に構成されており、図4,図5等に示すように、裏ケース体36側の外封止壁75上に一体に設けられる第1,第2結合部91,92と、表ケース体37側の内封止壁70上に一体に設けられる第1,第2被結合部93,94と、例えば表ケース体37側に着脱自在に装着される封止アダプタ95とを備えている。そして、第1結合部91及び第1被結合部93が、1回目の封止に用いられる第1封止手段41aを構成し、第2結合部92、第2被結合部94及び封止アダプタ95が、1回目の封止が解除された後の2回目の封止に用いられる第2封止手段41bを構成している。
第1,第2結合部91,92は、ベース部96と結合ピン97とを一体に備え、外封止壁75上に形成された第1,第2収容部98,99内に配置されており、1又は複数,例えば各4つの連結部100a〜100dによって外封止壁75に一体に連結されている。第1,第2収容部98,99は、スライド幅方向に一定距離をおいて外封止壁75上に配置されており、例えば外封止壁75の表ケース体37側の縁部から底壁72側に凹入する矩形切り欠き状に形成されている。なお、外封止壁75上には、第1,第2収容部98,99の縁部を含む外縁部に沿って補強リブ101が例えば略一定幅で外向きに突設されている。
第1,第2結合部91,92のベース部96は、例えばスライド方向と直交する矩形板状のベース板96aと、このベース板96aの外周から例えば一定幅で外向きに突設された周壁部96bとを一体に備え、例えばその外周側に略一定の隙間102を空けた状態で第1,第2収容部98,99内に収容され、連結部100a〜100dによって支持されている。
連結部100a〜100dは、隙間102を横切ってベース部96の外周側と第1,第2収容部98,99の縁部とを連結するもので、例えばベース部96の4つの角部に対応して設けられており、ニッパー等の切断工具を用いて容易に切断可能な程度の太さで、例えばスライド方向外向きに突出するU字状に形成されている。
ベース板96a上には、例えばスライド幅方向に一定距離をおいて一対の結合ピン97が設けられている。この一対の結合ピン97は、ベース板96aからスライド方向の内向きに突設されるピン軸部97aと、このピン軸部97aの先端に形成される係合爪97bとで構成されている。ピン軸部97aは、例えば断面矩形状に形成され、スライド幅方向に弾性変形可能となっている。また係合爪97bは、例えばピン軸部97aに対してスライド幅方向外側に拡幅する略三角形状に形成されている。なお、外封止壁75上には、例えば第1,第2収容部98,99のスライド幅方向両側に、スライド方向内向きに突出する嵌合リブ103が一体に設けられている。
第1,第2被結合部93,94は、表ケース体37の内封止壁70上に形成されたスライド方向の貫通孔93a,94aと、この貫通孔93a,94aの縁部に沿ってスライド方向内向きに突設された筒状部93b,94bとで構成され、それぞれ外封止壁75上の第1,第2結合部91,92に対してスライド方向に対応する位置に設けられている。
第1被結合部93は、貫通孔93aのスライド幅方向寸法が、第1結合部91の一対のピン軸部97aにおけるスライド幅方向の寸法と略一致し、且つ筒状部93bのスライド方向の寸法が、第1結合部91の一対のピン軸部97aにおけるスライド方向の寸法と略一致しており、裏ケース体36と表ケース体37とがアンロック状態からロック状態に移行する際、第1結合部91の結合ピン97が弾性変形しつつ貫通孔93aを通過して、結合ピン97の係合爪97bが筒状部93bの縁部に係合するようになっている(図12参照)。
また、第1被結合部93に対するスライド方向内側には、結合ピン97の係合部分を略覆う結合部カバー104が、例えば主膨出部51の対向壁56の内面側に内封止壁70と平行に立設されている。なお、この結合部カバー104の裏ケース体36側の縁部104aには、当該表ケース体37に装着される主制御基板22の電子部品装着面22aが略当接するようになっている(図9(b),図10参照)。
一方の第2被結合部94は、貫通孔94aのスライド幅方向寸法が、第2結合部92の一対の係合爪97bにおけるスライド幅方向の寸法と同じかそれよりも大きく、且つ筒状部94bのスライド方向の寸法が、第2結合部92の一対のピン軸部97aにおけるスライド方向の寸法よりも、後述する封止アダプタ95の本体部107の厚さ分だけ小さく形成されており、裏ケース体36と表ケース体37とがアンロック状態からロック状態に移行する際、第2結合部92の結合ピン97が弾性変形することなく貫通孔94aを通過し、筒状部94bの縁部には係合しないようになっている(図12参照)。また、第2被結合部94に対するスライド方向内側には、封止アダプタ95を装着可能な封止アダプタ装着部105が設けられている。なお、封止アダプタ95は、この封止アダプタ装着部105に対して、内封止壁70に沿って主膨出部51の対向壁56側に向けて装着可能となっている。
封止アダプタ95は、第2被結合部94を、第1被結合部93と同様に第2結合部92の結合ピン97が係合可能な形状に変換するためのもので、図4,図5等に示すように、貫通孔106が形成された例えば矩形板状の本体部107と、この本体部107の装着方向後端側に設けられた着脱操作部108と、例えば着脱操作部108上に設けられた固定部109とを一体に備えている。本体部107に形成された貫通孔106は貫通孔94aよりも小さく、貫通孔93aと同様、スライド幅方向寸法が、第2結合部92の一対のピン軸部97aにおけるスライド幅方向の寸法と略一致している。着脱操作部108は、例えば本体部107の装着方向後縁部からスライド方向の両側に延設された板状部分で、例えばその着脱操作部108のスライド方向外側端部に、例えば主膨出部51の対向壁56側に向けて固定部109が突設されている。
封止アダプタ装着部105は、筒状部94bに対するスライド方向内側に対応して例えば主膨出部51の対向壁56上に設けられ且つ封止アダプタ95の本体部107の装着方向先端部が嵌合可能な先端保持部111と、例えば筒状部94bの外周面上に設けられ且つ封止アダプタ95の固定部109が嵌合可能な後端保持部112とを備え、それら先端保持部111と後端保持部112とにより、本体部107が筒状部94bのスライド方向内側に略当接し、その本体部107上の貫通孔106が第2被結合部94側の貫通孔94aに対するスライド方向内側に略一致するように封止アダプタ95を着脱自在に保持するようになっている。なお、封止アダプタ装着部105に装着された封止アダプタ95は、その装着方向後端側の少なくとも一部に主制御基板22の電子部品装着面22aが略当接することにより、封止アダプタ装着部105からの脱落が阻止されるようになっている。
封止アダプタ装着部105に封止アダプタ95が装着された状態では、裏ケース体36と表ケース体37とがアンロック状態からロック状態に移行する際、第2結合部92の結合ピン97が弾性変形しつつ封止アダプタ95上の貫通孔106を通過して、結合ピン97の係合爪97bが封止アダプタ95の本体部107の縁部に係合するようになっている(図17参照)。
また、内封止壁70の内側には、例えば第1,第2被結合部93,94の一側に、使用前の封止アダプタ95を保管するための封止アダプタ保管部113が設けられている。この封止アダプタ保管部113は、例えば封止アダプタ装着部105と同様、主膨出部51の対向壁56上に設けられ且つ封止アダプタ95の本体部107の装着方向先端部が嵌合可能な先端保持部114と、封止アダプタ95の固定部109が嵌合可能な後端保持部115とを備え、それら先端保持部114と後端保持部115とで封止アダプタ95を着脱自在に保持するように構成され、またこの封止アダプタ保管部113に装着された封止アダプタ95は、その装着方向後端側の少なくとも一部に主制御基板22の電子部品装着面22aが略当接することにより、封止アダプタ保管部113からの脱落が阻止されるようになっている(図10参照)。もちろん、内封止壁70には、この封止アダプタ保管部113に対応する貫通孔は形成されていない。
また、内封止壁70上には、外封止壁75側の嵌合リブ103に対応する嵌合溝116が、例えば第1,第2被結合部93,94のスライド幅方向両側でスライド方向内向きの凹入状に形成されており、裏ケース体36と表ケース体37とがアンロック状態からロック状態に移行する際に、嵌合リブ103が嵌合溝116にそれぞれ嵌合するようになっている。なお、結合部カバー104は、第2被結合部94の両側の嵌合溝116,116間を接続するように配置されており、主制御基板22は、その電子部品装着面22aが結合部カバー104の縁部104aに略当接すると共にその当接部の両端側の縁部が嵌合溝116に略当接するようになっている。これにより、主基板ケース23内の空間を、主制御基板22、結合部カバー104及び嵌合溝116によって、第1封止手段41a側の空間とそれ以外の空間とに完全に区分することができ、例えば主膨出部51の通気孔から針金等を挿入して結合ピン97の係合を解除する等の不正行為を確実に防止できる。
シール貼付面42は、図6,図7等に示すように、裏ケース体36側のシール貼付板83上に設けられる裏ケース側貼付面42aと、表ケース体37側のシール貼付台71上に設けられる表ケース側貼付面42bとで構成されている。
シール貼付板83は、裏ケース体36の下側のスライド案内壁74に沿って底壁72から略垂直に立設されている。このシール貼付板83には、例えばその左右の両縁部に沿って外面側に保護リブ121が突設されており、シール貼付板83の外面側における保護リブ121の内側が裏ケース側貼付面42aとなっている。
シール貼付台71は、表ケース体37の段部53,54の間で主膨出部51に隣接して設けられ、主膨出部51の対向壁56と略平行な対向壁122と、表ケース体37の下周壁62と略同一平面をなす中央側壁123と、スライド方向と略直交する左右一対の側壁124とを備えており、裏ケース体36と表ケース体37とがロック状態のとき、裏ケース体36側のシール貼付板83が中央側壁123の外面側に略重なるようになっている(図7,図11(c)参照)。
シール貼付台71の対向壁122は、中央側壁123側の縁部が、シール貼付板83の端面に被さるように中央側壁123よりも外側まで延設され(図10)、シール貼付板83側を除く3つの縁部に沿って保護リブ126が突設されており、その保護リブ126の内側が表ケース側貼付面42bとなっている。そして、略直交する裏ケース側貼付面42aと表ケース側貼付面42bとは、例えば表ケース側貼付面42b側に設けられた屈曲部127を介して滑らかに連結されている。なお、シールカバー44は、主基板ケース23に対して主制御基板22に垂直な方向に着脱可能となっており、以下、その着脱方向をシールカバー着脱方向という。
また、シール貼付台71の対向壁122上には、シールカバー44側の係合突条128に対応する係合溝(溝部)129と、シールカッター45を装着するためのカッター装着溝130とが設けられている。係合溝129は、例えば表ケース側貼付面42bの主膨出部51側の縁部に沿ってその外側に形成されている。
カッター装着溝130は、例えば表ケース側貼付面42bをスライド方向に横切るように形成されており、その両端側は側壁124においてスライド方向に開放している。また、カッター装着溝130内には、例えば片側の内側面上で且つ長手方向の中央から外れた位置に、シールカバー着脱方向に沿って位置決め溝130aが形成され、更に底面上には一又は複数の係合部130b(図9(b)参照)が例えば突起状に形成されている。
また、シール貼付台71の左右の側壁124上には、シールカバー44側の封止係合部132が係合可能な封止被係合部133と、シールカバー44側の封止係合部132をシールカバー着脱方向に案内する第1係合案内部134と、シールカバー44側のカッター係合部135をシールカバー着脱方向に案内する第2係合案内部136とが設けられている。
封止被係合部133は、図9(a)に示すように一対の側壁124上に設けられた突起部で、例えばカッター装着溝130とシール貼付板83との間で表ケース側貼付面42bから所定距離の位置に配置されている。第1係合案内部134は、封止係合部132に対して、シールカバー着脱方向に直交する方向(ここではスライド幅方向)の両側に設けられた一対の突起部で、一対の側壁124上にそれぞれ設けられている。第2係合案内部136は、カッター装着溝130に対して、シールカバー着脱方向に直交する方向(ここではスライド幅方向)の両側に設けられた一対の突起部で、一対の側壁124上にそれぞれ設けられている。
また、裏ケース体36上及び表ケース体37上には、シールカバー44の装着方向先端側の縁部が挿入される挿入溝(溝部)137a,137bが設けられている。裏ケース体36側の挿入溝137aは、シール貼付板83の外面側、即ち裏ケース側貼付面42aに沿って設けられており、シール貼付板83に略垂直な溝底壁138a、シール貼付板83に平行な溝対向壁138b、シール貼付板83に対するスライド方向両側に設けられた一対の溝側壁138cは裏ケース体36に一体に形成されている。
また、表ケース体37側の挿入溝137bは、シール貼付台71の左右の側壁124の外面側に設けられており、その溝底壁139aは段部53,54の対向壁57の一部により構成され、側壁124に対向する溝対向壁139bは段部53,54の対向壁57上に立設されている。
シールカッター45は、例えば不透明な合成樹脂製で、図7,図9(b)等に示すように、シール貼付面42と交差しない状態、即ちシール貼付面42の外側に突出しない状態でカッター装着溝130内に収容可能な細長板状に形成されており、カッター装着溝130の外側、即ち表ケース側貼付面42b側の縁部には例えば鋸歯状の刃部141が形成され、また長手方向の両端部には、シールカバー44側のカッター係合部135が係合可能な被係合部142が、例えばシール貼付台71の側壁124よりも外側に突出する突起状に形成されている。
またシールカッター45の一面側には、カッター装着溝130側の位置決め溝130aに対応する位置決め突起45aが設けられており、この位置決め突起45aを位置決め溝130aに合わせつつシールカッター45を装着することにより、必ず正しい向きでカッター装着溝130内に収容されるようになっている。また、シールカッター45の縁部には、カッター装着溝130側の係合部130bに対応する例えば切り欠き状の被係合部45bが形成されており、シールカッター45をカッター装着溝130に装着したとき、被係合部45bが係合部130bに係合することにより、シールカッター45のスライド方向のずれを阻止するようになっている。
シールカバー44は、透明な合成樹脂製で、図7〜図10等に示すように、裏ケース側貼付面42aに対応する第1シールカバー部143と、表ケース側貼付面42bに対応する第2シールカバー部144と、封止係合部132と、カッター係合部135と、シール貼付台71の側壁124に対応する側面カバー部145とを一体に備えている。
第1シールカバー部143及び第2シールカバー部144は、それぞれ裏ケース側貼付面42a、表ケース側貼付面42bの全体を覆う板状で、裏ケース側貼付面42a及び表ケース側貼付面42bの外周に設けられた保護リブ121,126に当接することにより、その内側のシール貼付面42に貼付されたICタグシール43の表面に対して僅かな隙間を空けて近接するようになっている。
また、例えば第2シールカバー部144の縁部には、シール貼付台71側の係合溝129に係合する係合突条128が一体に設けられており、更にその外側には、表ケース体37の外面に沿って延設された延設部146が、その他の部分に比べて強度が低い低強度部147を介して一体に設けられている。この低強度部147は、図7,図10に示すように例えば断面略三角形状の切り込みにより形成されており、延設部146に面外方向の力が加えられた場合には容易に破断するようになっている。
封止係合部132は、主基板ケース23側の封止被係合部133と共に、当該シールカバー44を主基板ケース23に装着した状態で両者を外部からの解除操作が不可能な状態に結合するシールカバー封止手段148を構成するもので、例えば第2シールカバー部144上に設けられた封止解除用損壊部149の内面側から表ケース側貼付面42bの外側を経てシール貼付台71の左右の側壁124に沿ってシールカバー着脱方向に突設されており、その先端部に、封止被係合部133に係合可能な係合爪132aが一体に設けられている。
封止解除用損壊部149は、シールカバー封止手段148による封止を解除するためのもので、例えば第2シールカバー部144の一部に形成された外向きの膨出部により構成されており、この封止解除用損壊部149をニッパー等の工具を用いて損壊することにより、封止係合部132がシールカバー44から分離し、それによってシールカバー44と主基板ケース23との結合状態が解除されるようになっている。
カッター係合部135は、カッター装着溝130内に装着されたシールカッター45の被係合部142に係合することにより当該シールカバー44とシールカッター45とを連動させるもので、例えば第2シールカバー部144の内面側から表ケース側貼付面42bの外側を経てカッター装着溝130の両端側に沿ってシールカバー着脱方向に突設されており、その先端部に、シールカッター45の被係合部142に係合可能な係合爪135aが一体に設けられている。即ち、シールカバー44とシールカッター45とは、シール貼付面42の互いに対向する一対の縁部の外側を経てそれぞれ互いに係合するように構成されている。なお、カッター係合部135の第2シールカバー部144上での配置位置は封止解除用損壊部149から外れており、封止解除用損壊部149を損壊してもカッター係合部135についてはシールカバー44から分離しないようになっている。
側面カバー部145は、シール貼付台71の側壁124に略平行な板状で、封止係合部132及びカッター係合部135の外側で第1シールカバー部143及び第2シールカバー部144の縁部同士を一体に連結している。なお、この側面カバー部145と封止係合部132及びカッター係合部135との間には、図9に示すように、封止係合部132及びカッター係合部135がそれぞれ封止被係合部133、被係合部142に係合する際の弾性変形を許容する程度の隙間が形成されている。
以上のような主基板ケース23を組み立てる際には、まず表ケース体37の内側に主制御基板22を装着・固定し、また封止アダプタ95を表ケース体37の封止アダプタ保管部113に装着する。そして、その表ケース体37と裏ケース体36とを、表ケース体37側の上下の周壁61,62が裏ケース体36側のスライド案内壁73,74の内側に嵌合するようにアンロック状態に嵌め合わせる(図11(a)→(b))。このとき、表ケース体37側の内封止壁70と裏ケース体36側の外封止壁75とはスライド方向に離間し(図12(a))、また表ケース体37側のシール貼付台71と裏ケース体36側のシール貼付板83とはスライド方向にずれた状態となる(図11(b))。
次に、裏ケース体36と表ケース体37とを互いに相対的にスライドさせて、表ケース体37側の係合部63,64,66、係合溝67及び係合孔69を、裏ケース体36側の係止部77,78,79、係合リブ80及び係合突起81にそれぞれ係合させ、裏ケース体36と表ケース体37とを結合状態でロックする(図11(b)→(c))。
このとき、表ケース体37側の内封止壁70と裏ケース体36側の外封止壁75とが互いに接近し、第1結合部91の結合ピン97が弾性変形しつつ貫通孔93aを通過して、結合ピン97の係合爪97bが筒状部93bの縁部に係合する(図12(a)→(b))。これにより、アンロック状態側へのスライドが阻止され、裏ケース体36と表ケース体37とはロック状態で封止された状態となる。なおこのとき、封止アダプタ95は封止アダプタ保管部113に装着されているため、第2結合部92の結合ピン97は、弾性変形することなく貫通孔94aを通過し、筒状部94bの縁部には係合しない。
またこのロック状態では、裏ケース体36側のシール貼付板83と表ケース体37側のシール貼付台71とがスライド方向に一致し(図11(c))、裏ケース側貼付面42aと表ケース側貼付面42bとが繋がって一つのシール貼付面42が形成された状態となる(図7)。
続いて、シールカッター45をカッター装着溝130内に装着し、そのカッター装着溝130を覆うようにシール貼付面42にICタグシール43を貼付し、更にシール貼付台71とシール貼付板83とを抱き込むようにシールカバー44を装着する(図13(a)→(b))。即ち、シールカバー44の両側の封止係合部132及びカッター係合部135を、それぞれシール貼付台71の両側の第1係合案内部134及び第2係合案内部136に沿ってシールカバー装着方向にスライドさせ、封止係合部132を封止被係合部133に、カッター係合部135をシールカッター45の被係合部142にそれぞれ係合させる(図9(a),(b))。これにより、シールカバー44は表ケース体37に装着された状態で封止され、またシールカバー44とシールカッター45とがICタグシール43をその両面側から挟み込んだ状態で互いに解除不能に係合すると共に、ICタグシール43の全面がシールカバー44の第1シールカバー部143と第2シールカバー部144とで覆われた状態となる。
またこのとき、シールカバー44は、係合突条128が表ケース体37側の係合溝129に係合し、第1シールカバー部143及び側面カバー部145の装着方向先端側の縁部が裏ケース体36側の挿入溝137a及び表ケース体37側の挿入溝137bにそれぞれ挿入されるため(図9,図10,図13(b))、例えばカッターナイフ等の薄板状の刃物をICタグシール43とシール貼付面42との間の粘着層に挿入してICタグシール43をきれいに剥がし取るような不正行為は不可能である。また、例えばシールカバー44と主基板ケース23との隙間をこじ開けようとシールカバー44の延設部146に大きな力を加えた場合には、延設部146の付け根の低強度部147が破断してその痕跡が残ってしまう。
なお、シールカバー44はシール貼付台71とシール貼付板83とを抱き込むように装着されており、裏ケース体36側のシール貼付板83と表ケース体37側のシール貼付台71とが共にシールカバー44上の一対の側面カバー部145に挟まれてスライド方向への相対移動が規制される。即ち、このシールカバー44は主基板ケース23の封止手段としても機能している。
以上のような手順で組み立てられた主基板ケース23を検査等のために開封する場合には、例えばまずシールカバー44を取り外す。即ち、シールカバー44の封止解除用損壊部149をニッパー等で切断し、封止係合部132をシールカバー44から切り離すことにより、シールカバー44と主基板ケース23との係合状態を解除し(図14)、シールカバー44を、表ケース側貼付面42bから離れる方向にスライドさせて主基板ケース23から取り外す(図15(a),(b))。
このとき、シールカバー44と係合しているシールカッター45もそのシールカバー44の取り外し動作と連動してカッター装着溝130の外側に引き出され、裏ケース側貼付面42aを面外方向に通過するため、ICタグシール43は、図15(b)に示すようにシールカッター45の刃部141によって切断される。このように、シールカバー44を取り外す際には自動的にICタグシール43が切断されるため、主基板ケース23から痕跡を残すことなくICタグシール43を剥がし取り、再利用することは不可能である。
シールカバー44を取り外すことによってシールカバー44による封止状態及びICタグシール43による封印状態が解除されると、続いて第1封止手段41aによる主基板ケース23の封止を解除する。即ち、第1結合部91を外封止壁75に連結している4つの連結部100a〜100dをニッパー等の切断工具を用いて切断し、第1結合部91を外封止壁75、即ち裏ケース体36から切り離す。これによって主基板ケース23の封止が解除されるため、表ケース体37を裏ケース体36に対してアンロック状態側にスライドさせることにより主基板ケース23を開封することができる(図16)。なお、シールカバー44を取り外す前に、第1封止手段41aによる主基板ケース23の封止を解除してもよい。
本実施形態の主基板ケース23では、一度開封された後、その痕跡を残した状態でもう一度封止を行うことができるようになっている。以下、その2回目の封止・開封手順について簡単に説明する。なお、シールカバー44は1回目の開封時に損壊させたため、2回目の封止時にこれを再び装着することはできない。
2回目の封止を行う際には、表ケース体37の封止アダプタ保管部113に装着されていた封止アダプタ95を取り外し、第2被結合部94の封止アダプタ装着部105に装着する(図17(a))。そして、1回目の封止時と同じように、表ケース体37と裏ケース体36とを嵌め合わせ、互いに相対的にスライドさせてロック状態とする。
このとき、表ケース体37側の内封止壁70と裏ケース体36側の外封止壁75とが互いに接近し、第2結合部92の結合ピン97が弾性変形しつつ封止アダプタ95の貫通孔106を通過して、結合ピン97の係合爪97bが封止アダプタ95の本体部107に係合する(図17(a)→(b))。これにより、アンロック状態側へのスライドが阻止され、裏ケース体36と表ケース体37とはロック状態で封止された状態となる。
この2回目の封止を解除する際には、第2結合部92を外封止壁75に連結している4つの連結部100a〜100dをニッパー等の切断工具を用いて切断すればよい。これによって主基板ケース23の封止が解除されるため、1回目の開封時と同様、表ケース体37を裏ケース体36に対してアンロック状態側にスライドさせることにより主基板ケース23を開封することができる(図18)。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、シール貼付面42と交差しない状態で主基板ケース23上に装着されるシールカッター45を備え、シールカバー44とシールカッター45とは、それらが共に主基板ケース23上に装着されたときに互いに外部からの解除操作不能に係合し、シールカバー44が主基板ケース23から取り外される際に、そのシールカバー44の取り外し動作と連動してシールカッター45がシール貼付面42に貼付されたICタグシール43を切断するように構成されているため、主基板ケース23を開封すべくシールカバー44を取り外すと自動的にICタグシール43が切断される。従って、ICタグシール43に痕跡を残すことなく主基板ケース23が開封される可能性を限りなく小さくすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、シールカッター45とシールカバー44とを共にICタグシール43の貼付後に主基板ケース23に装着可能に構成してもよい。
また実施形態では、シールカバー44が主基板ケース23から取り外される際に、そのシールカバー44の取り外し動作と連動してシールカッター45がシール貼付面42上のICタグシール43を完全に分断するように構成したが、例えばシールカッター45によってICタグシール43の一部を損壊するように構成してもよい。この場合、例えばシールカバー44の取り外し動作の途中でシールカッター45との係合状態が解除されるように構成してもよい。
シールカッター45は、細長状の刃部を備えたものに限られるものではなく、例えば錐状の刃部によってICタグシール43に穿孔するもの等であってもよい。また、シールカッター45とシールカバー44とは一体的に動作する必要はなく、両動作が連動していればよい。例えば、シールカバー44の取り外し動作と連動してシールカッター45が所定軸回りに揺動し、ICタグシール43の一部を損壊するように構成してもよい。
主基板ケース23を封止する封止手段41の構成は任意であり、例えば裏ケース体36と表ケース体37とをロック状態からアンロック状態側への相対移動を阻止できるものであればどのような構成を採用してもよい。また、主基板ケース23は実施形態のようなスライドロック式のものに限られるものではなく、例えば裏ケース体36と表ケース体37の一端側を互いに係合させ、封止手段41によって他端側の開方向への移動を阻止するように構成してもよい。封止手段41は1回のみ又は3回以上の封止が可能な構成としてもよい。
本発明は主基板ケース23以外の基板ケース、例えば演出制御基板24を格納する演出基板ケース25、払い出し制御基板を格納する払い出し基板ケース等に適用してもよい。更に、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。
22 主制御基板(基板)
23 主基板ケース(基板ケース)
36 裏ケース体(甲ケース体)
37 表ケース体(乙ケース体)
42 シール貼付面
43 ICタグシール(封印シール)
44 シールカバー
45 シールカッター
129 係合溝(溝部)
137a 挿入溝(溝部)
137b 挿入溝(溝部)
146 延設部
147 低強度部
148 シールカバー封止手段
149 封止解除用損壊部
本発明は、互いに嵌め合わせ可能な甲ケース体36と乙ケース体37とで開閉可能に構成され且つ内部に基板22を格納可能な基板ケース23と、前記甲ケース体36と前記乙ケース体37とに跨って設けられ且つ封印シール43が貼付されるシール貼付面42と、前記基板ケース23に着脱自在に装着され且つ前記シール貼付面42に貼付された前記封印シール43の表面を覆うシールカバー44とを備えた遊技機において、前記シールカバー44を前記基板ケース23に装着した状態で、前記シールカバー44と前記基板ケース23とを結合するシールカバー封止手段148と、前記シール貼付面42と交差しない状態で前記基板ケース23に装着されるシールカッター45とを備え、前記基板ケース23は、前記甲ケース体36と前記乙ケース体37とを互いに嵌め合わせた状態が保持されるロック状態と保持されないアンロック状態とに切り換え可能であり、前記シールカバー44は、前記ロック状態の前記基板ケース23に装着されることによって前記アンロック状態側への切り換えを阻止するように構成され、前記基板ケース23側と前記シールカバー44側との少なくとも一方に設けられた封止解除用損壊部149を損壊することにより前記シールカバー封止手段148による前記シールカバー44と前記基板ケース23との結合状態を解除可能であり、前記シールカバー44と前記シールカッター45とは、それらが共に前記基板ケース23に装着されたときに互いに外部からの解除操作不能に係合し、前記シールカバー44が前記基板ケース23から取り外される際に、そのシールカバー44の取り外し動作と連動して前記シールカッター45が前記シール貼付面42に貼付された前記封印シール43を損壊するように構成されているものである。

Claims (1)

  1. 互いに嵌め合わせ可能な甲ケース体と乙ケース体とで開閉可能に構成され且つ内部に基板を格納可能な基板ケースと、
    前記甲ケース体と前記乙ケース体とに跨って設けられ且つ封印シールが貼付されるシール貼付面と、
    前記基板ケースに着脱自在に装着され且つ前記シール貼付面に貼付された前記封印シールの表面を覆うシールカバーとを備えた
    遊技機において、
    前記シールカバーを前記基板ケースに装着した状態で、前記シールカバーと前記基板ケースとを外部からの解除操作不能に結合するシールカバー封止手段と、
    前記シール貼付面と交差しない状態で前記基板ケース上に装着されるシールカッターとを備え、
    前記基板ケース側と前記シールカバー側との少なくとも一方に設けられた封止解除用損壊部を損壊することにより前記シールカバー封止手段による前記シールカバーと前記基板ケースとの結合状態を解除可能であり、
    前記シールカバーと前記シールカッターとは、それらが共に前記基板ケース上に装着されたときに互いに外部からの解除操作不能に係合し、前記シールカバーが前記基板ケースから取り外される際に、そのシールカバーの取り外し動作と連動して前記シールカッターが前記シール貼付面に貼付された前記封印シールを損壊するように構成されている
    ことを特徴とする遊技機。
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JP2010167124A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Kyoraku Sangyo Kk 基板保護ケースの封印構造、及び遊技機
JP2011212325A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Okumura Yu-Ki Co Ltd 基板ケース
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