JP2014120566A - コイル内蔵配線基板 - Google Patents

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【課題】 機械的強度および絶縁信頼性が高いフェライト層を有するコイル内蔵配線基板を提供すること。
【解決手段】
コイル内蔵配線基板1は、フェライト層(112等)と、銀を含んでおりフェライト層の
表面および内部に設けられた配線導体12と、配線導体12と電気的に接続されており、フェライト層の内部に設けられているコイル導体13とを備えており、フェライト層が、酸化鉄を45〜50モル%、酸化亜鉛を10〜30モル%、酸化ニッケルを10〜30モル%、酸化銅を10〜15モル%含有する予備フェライト材料100質量部と、酸化マンガン3〜7質量部とを含む
フェライト材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コイル内蔵配線基板に関するものである。
近年、配線基板の内部にコイルが設けられたコイル内蔵配線基板の開発が進められている。コイル内蔵配線基板は、例えば直流電流の電圧を変換する機能を有するDC−DCコンバータ等に用いられている。例示的なコイル内蔵配線基板は、配線基板を構成する基体の材料としてフェライトが用いられており、コイル導体および配線導体の材料として銀が用いられているコイル内蔵フェライト基板である(例えば、特許文献1を参照)。コイル導体および配線導体の材料として銀が用いられているコイル内蔵フェライト基板は、銀の融点よりも低い温度で焼成されて作製されている。
特開平6−20839号公報
しかしながら、コイル導体および配線導体の材料として銀が用いられているコイル内蔵配線基板となる成形体を銀の融点(962℃)に近い温度で焼成すると、銀の融点よりも低
い温度であっても配線導体から基体中に銀が拡散する。銀が拡散することにより配線導体を含む配線基板内のボイドが増加し、ひいては配線基板の機械的な強度の低下、ボイドから基体内への水分浸入などによる絶縁信頼性の低下の可能性が生じる。このような銀の拡散に対しては、焼成時の雰囲気の酸素含有率を、例えば空気よりも小さく抑えることが有効であるが、酸素含有率を小さく抑えると基体の材料であるフェライトの電気抵抗(体積固有抵抗値)の低下等の電気特性の低下を招く可能性がある。
本発明の一つの態様によるコイル内蔵配線基板は、フェライト層と、銀を含んでおり前記フェライト層の表面および内部に設けられた配線導体と、該配線導体と電気的に接続されており、前記フェライト層の内部に設けられているコイル導体とを備えており、前記フェライト層が、酸化鉄を45〜50モル%、酸化亜鉛を10〜30モル%、酸化ニッケルを10〜30モル%、酸化銅を10〜15モル%含有する予備フェライト材料100質量部と、酸化マンガン
3〜7質量部とを含むフェライト材料からなる。
本発明の一つの態様によるコイル内蔵配線基板は、フェライト層が、酸化鉄を45〜50モル%、酸化亜鉛を10〜30モル%、酸化ニッケルを10〜30モル%、酸化銅を10〜15モル%含有する予備フェライト材料100質量部と、酸化マンガン3〜7質量部とを含むフェライト
材料からなることによって、製造時に、空気よりも酸素含有率が小さい雰囲気での焼成を行ってもフェライト材料の電気特性を損なうことがない。そのため、例えば酸素含有率が空気よりも小さい雰囲気での焼成により、焼成時のフェライト材料への銀の拡散を抑制することができる。その結果、フェライト材料のボイドの増加、ひいては基板強度の低下、水分浸入などによる絶縁信頼性の低下を防ぐことができる。
本発明の実施形態における電子装置の分解斜視図を示している。 図1に示した電子装置のA−A線における縦断面図を示している。
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施形態における電子装置は、図1および図2に示されているように、コイル内蔵配線基板1と、コイル内蔵配線基板1の上面に設けられたIC素子2とを含んでいる。電子装置は、例えば電子部品モジュールを構成する回路基板上に実装される。
コイル内蔵配線基板1は、フェライト層を含んでいる板状の基体部11と、基体部11に埋設されたコイル導体13および配線導体12と、基体部11の上面に設けられた接続電極14と、基体部11の下面に設けられた端子電極15とを含んでいる。図1において、電子装置は仮想のxyz空間におけるxy平面に実装されている。図1および図2において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。
基体部11は、磁性材料を含んでおり、焼成によって一体的に形成されている。例示的な基体部11は、酸化鉄,酸化ニッケル,酸化銅,酸化亜鉛およびガラス成分を含んだフェライト層を有している。
フェライト層は、酸化鉄を45〜50モル%、酸化亜鉛を10〜30モル%、酸化ニッケルを10〜30モル%、酸化銅を10〜15モル%含有する予備フェライト材料100質量部と、酸化マン
ガン3〜7質量部とを含むフェライト材料とからなる。
予備フェライト材料と酸化マンガンとは互いに分離した結晶になっているのではなく、鉄−亜鉛−ニッケル−銅−マンガン(Fe−Zn−Ni−Cu−Mn)フェライト材料(多結晶の焼結体)となっている。
予備フェライト材料において酸化鉄が45モル%未満の場合、仮焼段階におけるフェライトの合成が完全に進まずスピネル結晶ではない、酸化銅、酸化マンガンの未反応成分が残る。そのため、その後の本焼のフェライト層の収縮の際に部分的な収縮挙動のばらつきが発生し、フェライト層内にボイドやクラックが発生する。また、酸化鉄が50モル%を超える場合、フェライト層を銀の融点以下の962℃以下で焼結させることが困難となり、フェ
ライト層のボイドの増加、ひいては配線基板の機械的強度の低下、水分浸入などによる絶縁信頼性の低下が引き起こされる。
コイル内蔵配線基板は、例えばDC−DCコンバータにおいては数100kHzから数10
MHzまでの周波数帯で使用され、その周波数帯で高い透磁率をもつ材料であることが望ましい。予備フェライト材料において酸化亜鉛が10モル%未満、酸化ニッケルが30モル%を超える場合は特に周波数帯での透磁率の低下が著しく、フェライト層の電気特性、特に、インダクタンスが著しく低下しモジュール基板として要求される電気特性を満足しなくなる。また、酸化亜鉛が30モル%を超え、酸化ニッケルが10モル%未満の場合、特に低周波数帯での透磁率の低下が著しく、フェライト層の電気特性、特に、インダクタンスが著しく低下しモジュール基板として要求される電気特性を満足しなくなる。
予備フェライト材料において酸化銅が10モル%未満の場合、フェライト層を銀の融点以下の962℃以下で焼結させることが困難となり、フェライト層のボイドの増加、ひいては
配線基板の機械的強度の低下、水分浸入などによる絶縁信頼性の低下が引き起こされる。また、酸化銅が15モル%を超える場合、透磁率の低下が著しくフェライト層の電気特性、特に、インダクタンスが著しく低下しモジュール基板として要求される電気特性を満足し
なくなる。
フェライト材料において酸化マンガンが3質量部未満の場合、仮焼段階におけるフェライトの合成が完全に進まずスピネル結晶ではない、酸化銅、酸化マンガンの未反応成分が残る。そのため、その後の本焼のフェライト層の収縮の際に部分的な収縮挙動のばらつきが発生し、フェライト層内にボイドやクラックが発生する。また、製造段階で空気よりも酸素含有率が小さい雰囲気での焼成を行った場合には、フェライト層の電気特性、特に、絶縁抵抗値が著しく低下しモジュール基板として要求される電気特性を満足しなくなる。
酸化マンガンが7質量部より大きい場合、フェライト層の電気特性、特に、絶縁抵抗値が著しく低下しモジュール基板として要求される電気特性を満足しなくなる。
基体部11は、板形状を有しており、互いに積層された第1の層111〜第4の層114を含んでいる。図2において、第1の層111〜第4の層114の界面は、仮想の二点鎖線によって示されている。第2の層112は、第1の層111の上に積層されており、第3の層113は、第2
の層112の上に積層されており、第4の層114は第3の層113の上に積層されている。
第1の層111〜第4の層114は、その全部がフェライト層であってもよく、一部のみがフェライト層であってもよい。ただし、少なくともコイル導体13(後述)が設けられている部分はフェライト層である。
配線導体12は、第1の層111〜第4の層114の層間および内部に埋設されている。図1および図2においては、配線導体12の一部を模式的に示している。配線導体12は、第1の層〜第4の層111〜114のいずれか一つの層または複数の層を厚み方向に貫通するビア導体、または側面導体を含んでいてもよい。配線導体12はコイル導体13,接続電極14および端子電極15の間を相互に電気的に接続する。配線導体12の材料は、例えばAg,Ag−Pd合金またはAg−Pt合金等のAgを含む材料を用いることができる。
コイル導体13は、平面透視において基体部11の中心部を囲むような形状を有しており、基体部11に埋設されている。コイル導体13は、第1の層111の上面に形成された第1のコ
イルパターン131と第2の層112の上面に形成された第2のコイルパターン132とを含んで
いる。第1のコイルパターン131および第2のコイルパターン132は、基体部11の第2の層112に設けられたビア導体(図示せず)によって電気的に接続されている。図1において
、第1のコイルパターン131および第2のコイルパターン132の電気的な接続関係が点線によって示されている。コイル導体13の材料は配線導体12と同様の材料を用いることができる。
接続電極14はIC素子2に電気的に接続されるものであり、端子電極15は外部の回路基板に電気的に接続されるものである。接続電極および配線導体の材料は、例えばAg,Au,Pt,Ag−Pd合金またはAg−Pt合金等の材料を用いることができる。
IC素子2は、コイル内蔵配線基板1の基体部11の上面に設けられている。IC素子2は、例えばDC−DCコンバータにおける制御用IC素子である。IC素子2とコイル内蔵配線基板1のトロイダルコイル導体13とは電気的に接続される。
実施形態のコイル内蔵配線基板1において、例えば第1の層111および第4の層114は、フェライト材料を含まないガラスセラミック焼結体からなるものであってもよい。言い換えれば、実施形態のコイル内蔵配線基板1は、フェライト層の上面および下面にガラスセラミック焼結体からなる絶縁層が積層され、この絶縁層の表面および内部に設けられた配線導体12を有するものであってもよい。この場合の第1の層111および第4の層114は、透
磁率が低い絶縁層であり、配線導体における電気信号の伝送等により適したコイル内蔵配線基板になる。
絶縁層を形成するガラスセラミック焼結体としては、SiO,Al,ZnO,CaO,MgOおよびBから選ばれる少なくとも1つのガラス材料を含んだもの、例えば、SiO系,SiO−B系,SiO−Al系,SiO−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す),SiO2−B系−MO系,SiO−M1O−M2O系(但し、M1およびM2はCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示し、M1およびM2は互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい),SiO−B−M1O−M2O系,SiO−M3O系(但し、M3はLi、NaまたはKを示す),SiO−B−M3O系等のガラスが挙げられる。また、上記以外にCo,Cd,Inやその酸化物が含まれていてもよい。また、上記ガラス材料に、フォルステライト(MgSiO)およびガーナイト(ZnAl)などのフィラーが混合されていてもよい。
絶縁層(例えば第1の層111および第4の層114)がガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、フェライト層に対して焼成温度および焼成時の収縮挙動等を近づけることが容易である。そのため、絶縁層とフェライト層との同時焼成が容易である。
また、上記絶縁層としての第1の層111および第4の層114に設けられる配線導体12は、導通抵抗の低減を考慮すれば、銀を主成分とする金属材料からなるものであることが好ましい。
ガラスセラミック焼結体からなる絶縁層としての第1の層111および第4の層114は、例えば第2の層112および第3の層113(フェライト層)との同時焼成で設けることができる。この場合、コイル内蔵配線基板1の焼成が上記のように酸素含有率が低い雰囲気で行われ得るため、絶縁層の部分における銀の拡散も低減できる。
以下、磁性材料としてフェライトを含むコイル内蔵配線基板1の製造方法について説明する。コイル内蔵配線基板1の製造方法は、フェライトを含むスラリーを得る工程と、スラリーを用いてフェライトグリーンシートを得る工程と、コイルパターンおよび配線パターンを含む積層体を得る工程と、積層体を焼成する工程とを含んでいる。
スラリーは、フェライト粉末に適当な有機バインダ、可塑剤および有機溶剤等が混合されて得られる。フェライト粉末は、フェライトグリーンシートの焼結状態において均一化を図るために、仮焼が施されており、粒径の均一化が図られており、球形状に近い形状を有するものがよい。フェライト粉末に部分的に小さい粒径の粒子が含まれている場合、その小さい粒径の粒子の部分のみ結晶粒の成長が低下し、焼結後に得られるフェライト層の透磁率が安定しにくい傾向がある。
フェライトグリーンシートは、スラリーを用いて、ドクターブレード法、圧延法およびカレンダーロール法等によって製造される。積層体は、一部のフェライトグリーンシートにコイルパターンまたは配線パターンが形成されている複数のフェライトグリーンシートを含んでいる。コイルパターンおよび配線パターンは、銀(Ag)または銀合金等の金属粉末に適当な有機バインダおよび溶剤が混練された導体ペーストを、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法等によってフェライトグリーンシートの表面に塗布することによって形成される。
このようにして得た積層体を850℃〜950℃で焼成することによってコイル内臓配線基板1が作製される。
本実施形態におけるコイル内蔵配線基板1は、酸化鉄を45〜50モル%、酸化亜鉛を10〜30モル%、酸化ニッケルを10〜30モル%、酸化銅を10〜15モル%含有する予備フェライト材料100質量部と、酸化マンガン3〜7質量部とを含むフェライト材料からなることによ
り、空気よりも酸素含有率が小さい雰囲気での焼成を行っても電気特性を損なうことがないため、焼成工程での酸素濃度を小さくすることができる。
フェライト層の上下面に絶縁層が積層されてなるコイル内蔵配線基板の場合、例えば上記のようにコイル内蔵配線基板1において第1の層111および第4の層がガラスセラミッ
ク焼結体からなる場合であれば、例えば以下のようにして作製される。
すなわち、ホウケイ酸系ガラスおよび酸化アルミニウム等の粉末を含む原料粉末を有機バインダとともに上記と同様の方法でシート状に成形して複数のセラミックグリーンシートを作製し、次に、これらのセラミックグリーンシートの主面等に配線導体12となる銀または銀合金等の導体ペーストを印刷し、その後、導体ペーストを印刷したセラミックグリーンシートを上記複数のフェライトグリーンシートの最上面および最下面に積層して積層体を作製し、この積層体を焼成する。セラミックグリーンシートとフェライトグリーンとの積層の順番は、所定の層構成にできる範囲であれば特定されない。
この焼成の工程において、上記のように空気よりも酸素含有率が低い低酸素雰囲気での焼成が可能であるため、ガラスセラミック焼結体においても焼成時のボイド発生が効果的に抑制され得る。また、フェライトグリーンシートとセラミックグリーンシートとの間で焼成温度および焼成収縮挙動等が近いため、同時焼成に伴う各種の不具合(反り等の変形等)の発生も効果的に抑制され得る。
また、絶縁層におけるボイドの発生が抑制される結果として、例えば、銀を主成分とする配線導体12同士の間、および配線導体12とコイル導体13との間等においてイオンマイグレーションが発生する可能性も低減される。これは、もしボイドが存在すると、そのボイド部分を通って銀イオンが移動しやすいのに対して、そのようなボイドの発生が低減されていることによる。そのため、イオンマイグレーション等に起因した配線導体12同士の間等の電気絶縁性の低下も抑制され得る。
上記の実施形態におけるコイル内蔵配線基板1の実施例を以下に詳細に説明する。
まず、フェライト粉末としてFe(酸化鉄),CuO(酸化銅),NiO(酸化ニッケル),ZnO(酸化亜鉛),MnO(酸化マグネシウム)粉末を表1の試料番号1〜9で示した調合比で秤量した混合粉末に、純水4000cmをジルコニアボールとともに容量が7000cmのポットに入れて、ポットを回転させることによるボールミルにて24時間かけて混合した後、乾燥した混合粉末をジルコニアるつぼに入れて大気中800℃で1時
間加熱することによって、強磁性フェライト粉末を作製した。
この強磁性フェライト粉末を有機バインダとともに成形して作製したフェライトグリーンシートに、金型による打ち抜き加工によって貫通導体用の直径150μmの貫通孔を形成
した。この貫通孔に、貫通導体ペーストをスクリーン印刷法によって充填し、70℃で30分乾燥して貫通導体となる貫通導体組成物を形成した。貫通導体ペーストとしては、Ag粉末100質量部と、焼結助剤としてのガラス粉末10質量部に、アクリル樹脂12質量部と有機
溶剤としてのα−テルピネオール2質量部とを加え、攪拌脱泡機により十分に混合した後に3本ロールにて十分に混練したものを用いた。
続いて、このフェライトグリーンシートにそれぞれ導体ペーストをスクリーン印刷法によって30μmの厚みに塗布し、70℃で30分乾燥して、コイル導体パターン、配線導体パターン、接続電極パターンまたは外部端子パターンを形成した。導体ペーストとしては、Ag(銀)粉末100質量部に、アクリル樹脂10質量部と有機溶剤としてのα−テルピネオー
ル1質量部とを加え、攪拌脱泡機により十分に混合したものを用いた。
次に、コイル導体パターンが形成されたフェライトグリーンシートを2枚重ね、その上下にそれぞれ1枚ずつ、接続電極パターンまたは端子電極パターンと配線導体パターンとが形成されたフェライトグリーンシートを積み重ねて、20MPaの圧力と55℃の温度で加熱圧着して積層体を作製した。
次に、この積層体を、大気中で500℃、3時間の条件で加熱して有機成分を除去した後
、酸素濃度5000ppm未満の雰囲気で900℃、1時間の条件で焼成して実施例のコイル内
蔵配線基板を作製した。
このコイル内蔵配線基板の表面に形成された接続電極および端子電極上には、無電解めっき法を用いてNiめっき皮膜およびAuめっき皮膜を順次形成した。
実施例との比較のための比較例として、Fe,MnOを表1の試料番号10〜19の調合比で秤量し、その他の作製方法は実施例と同一とした試料を作製して、試料の外観確認、絶縁抵抗値の測定絶縁信頼性試験、および比透磁率の測定を行った。
試料の外観確認は、金属顕微鏡×100倍の倍率で観察を行い、試料(基体部等)表面に
クラックが発生したものを不良品として判定した。
絶縁抵抗値は、測定電圧5V、測定温度25℃の条件で行った。絶縁抵抗値が1メガオーム未満であるものを不良品とし、1メガオーム以上であるものを良品と判定した。
絶縁信頼性試験は、実施例および比較例の試料としてのそれぞれのコイル内蔵配線基板内の絶縁された2つの配線導体間に5Vの電圧を印加した状態で、130℃、85%の湿度内
に96Hr放置し、絶縁抵抗の低下の有無の確認を行う試験である。絶縁抵抗値が1メガオーム未満であるものを不良品とし、1メガオーム以上であるものを良品と判定した。
比透磁率は、測定周波数3MHz、測定温度25℃の条件で、インピーダンス測定器(型式「4294Aプレシジョンインピーダンスアナライザ」、測定精度±0.08%、アジレントテクノロジー株式会社製)を用いてインダクタンスを測定した後、測定したインダクタンス値から算出した。比透磁率が100未満であるものを不良品とし、100以上であるものを良品と判定した。
表1に、試料の外観確認、絶縁抵抗値の測定および絶縁信頼性試験結果を示す。なお、表1に示す試験結果で示す数値は、5個中いくつの試料が良品であったかを示し、OKは良品を示し、NGは不良品を示すものである。
Figure 2014120566
表1に示すように、実施例(試料番号1〜9)のコイル内蔵配線基板は、サンプル外観、絶縁抵抗値、絶縁信頼性の全てを満足しているのに対し、比較例(試料番号10〜19)のコイル内蔵配線基板は上記のいずれかの項目で不良品が発生し、コイル内蔵配線基板として使用できないものであった。
以上のことから、上記実施形態において説明した、酸化鉄を45〜50モル%、酸化亜鉛を10〜30モル%、酸化ニッケルを10〜30モル%、酸化銅を10〜15モル%含有する予備フェライト材料100質量部と、酸化マンガン3〜7質量部とを含むコイル内蔵配線基板は、電気
特性を満足し、かつ、絶縁信頼性の高いものであることを確認した。
1・・・コイル内蔵配線基板
11・・・基体部
111〜114・・・第1〜第4の層
12・・・配線導体
13・・・コイル導体
131、132・・・第1および第2のコイルパターン
14・・・接続端子
2・・・IC素子

Claims (3)

  1. フェライト層と、
    銀を含んでおり前記フェライト層の表面および内部に設けられた配線導体と、
    該配線導体と電気的に接続されており、前記フェライト層の内部に設けられているコイル導体とを備えており、
    前記フェライト層が、酸化鉄を45〜50モル%、酸化亜鉛を10〜30モル%、酸化ニッケルを10〜30モル%、酸化銅を10〜15モル%含有する予備フェライト材料100質量部と、酸化マンガン3〜7質量部とを含むフェライト材料からなることを特徴とするコイル内蔵配線基板。
  2. ガラスセラミック焼結体からなり、前記フェライト層の上面および下面に積層された絶縁層と、
    前記絶縁層の表面および内部に設けられた配線導体とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のコイル内蔵配線基板。
  3. 前記配線導体が、銀を主成分とする金属材料からなることを特徴とする請求項2記載のコイル内蔵配線基板。
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