JP2013135087A - 積層コモンモードチョークコイル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Ni−Zn−Cu系フェライトからなる磁性体部とホウケイ酸ガラスからなる非磁性体部とを有する積層コモンモードチョークコイルにおいて構造欠陥が生じにくい製造方法の提供。
【解決手段】2つの磁性体部と、前記2つの磁性体部に境界層を介して挟まれたホウケイ酸ガラス部と、互いに非接触状態で向き合うように前記ホウケイ酸ガラス部内に埋設配置された平面状の2つの導体コイル部と、を有する積層コモンモードチョークコイルの製造方法であって、第1のホウケイ酸ガラス組成物を含有するグリーンシートの上下を、第2のホウケイ酸ガラス組成物を含有するグリーンシートを介して、磁性材料を含有するグリーンシートで挟むように積層して焼成する工程を有し、前記第1のホウケイ酸ガラス組成物より前記第2のホウケイ酸ガラスの方が850℃における粘度が低い、前記製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器において使用することができる積層コモンモードチョークコイル及びその製造方法に関する。
コモンモードチョークコイルは2つの巻線状の導体を絶縁体に形成してなる電子部品であり、特に、積層タイプのコモンモードチョークコイルは絶縁体層を介して2つのスパイラル状(渦巻き状)の導体が向かい合っている構造を有する。近時、携帯用のパーソナルコンピュータ、なかでもタブレットタイプのパーソナルコンピュータが急速に普及されてきた。また、HDD互換のSSD記憶装置が採用されることなどにより高速なデータの読み込みが行われるようになってきている。これらに伴ってデータの転送速度はさらに高速化され、スーパースピードモードも追加になるなど目まぐるしい進展がある。このような進展に伴い、信号線に伝送される信号周波数が高速化されている。従来から使用されているコモンモードチョークコイルでは、十分な信号品位を保ちながらノイズ対策を行うことが困難になりつつある。このような背景から、小型・低背化、例えば、100MHzで70〜90Ωのような高いインピーダンス仕様が要求されるようになってきた。積層コモンモードチョークコイルにおいては小型・低背化が要求されている。
特許文献1によれば、コモンモード成分のインピーダンスを高くするために、コイル状の2つの導体の上方および下方にそれぞれ少なくとも2つの磁性層と、この2つの磁性層間に設けられた2つの非磁性層を設け、かつ前記非磁性層間にガラスを含有した低誘電率層を形成するとともに、2つの導体の間に位置する絶縁層を、ガラスを含有する透磁率の低い材料で構成することを提案している。
積層コモンモードチョークコイルの一態様として、非磁性体部の主成分としてホウケイ酸ガラスが用いられ、磁性体部の主成分としてNi−Zn−Cu系フェライトが用いられる。これらホウケイ酸ガラスを含有するグリーンシートと、Ni−Zn−Cu系フェライトを含有するシートとは同時焼成によって接合される。Ni―Zn−Cu系フェライトは、組成によっては焼成温度が900℃程度の低温域になり、その場合は、銀電極材料とガラス材料との同時焼成が可能になる。ホウケイ酸ガラスはコイル間の絶縁を保つため、高い絶縁性が必要であり、また回路の高周波化に対応するため低誘電率である必要がある。
特開2008−159738号公報
ホウケイ酸ガラスを主成分とする非磁性体部は脆弱である。そのため、焼成時に、チップ内部に構造欠陥が発生しやすいことが判明した。本発明は、Ni−Zn−Cu系フェライトからなる磁性体部とホウケイ酸ガラスからなる非磁性体部とを有する積層コモンモードチョークコイルにおいて構造欠陥が生じにくい製造方法およびそれにより製造される積層コモンモードチョークコイルを提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、ホウケイ酸ガラスを含有するグリーンシートと磁性体グリーンシートとを直接接触させると、焼成時に生じる両シートの収縮率の大きな差に起因して剥離やひずみが発生することが分かった。このことが、非磁性体部と磁性体部とのクラック(材料の破断)の原因になっていることを見出した。これらの知見に基づいて、以下の本発明を完成した。
本発明によれば、積層コモンモードチョークコイルの製造方法が提示される。この製造方法では、Ni−Zn−Cu系フェライトを含有する2つの磁性体部と、前記2つの磁性体部に境界層を介して挟まれたホウケイ酸ガラス部と、互いに非接触状態で向き合うように前記ホウケイ酸ガラス部内に埋設配置された平面状の2つの導体コイル部と、を有する積層コモンモードチョークコイルの製造を対象としている。この製造方法では、第1のホウケイ酸ガラス組成物を含有するグリーンシートの上下を、第2のホウケイ酸ガラス組成物を含有するグリーンシートを介して、Ni−Zn−Cu系フェライトを含有するグリーンシートで挟むように積層して焼成する工程を有する。そして、第1のホウケイ酸ガラス組成物より第2のホウケイ酸ガラスの方が850℃における粘度が低い。好ましくは、第2のホウケイ酸ガラス組成物の850℃における粘度が108.8Pa・s以下である。
上記製造方法により製造される積層コモンモードチョークコイルも本発明の一態様である。
通常は、ガラス材料よりもフェライト材料の方が焼成時における収縮が大きい。本発明によれば、ホウケイ酸ガラス部と磁性体部とは、高温域にて粘度が低い境界層を介しているので、上述の収縮挙動の違いに起因する応力ひずみを軽減することができる。その結果、焼成時にクラック等の構造欠陥が生じにくくなり、製品の歩留まりが向上する。また、得られた積層コモンモードチョークコイルにおいても、微小な構造欠陥も少なくなるので、使用時における導体金属のマイグレーションが低減され、絶縁不良の発生を低く抑えることができる。
本発明の積層コモンモードチョークコイルの模式断面図である。 本発明の積層コモンモードチョークコイルの模式的な分解図である。
図面を適宜参照しながら本発明を詳述する。但し、本発明は図示された態様に限定されるわけでなく、また、図面においては発明の特徴的な部分を強調して表現することがあるので、図面各部において縮尺の正確性は必ずしも担保されていない。
図1は本発明の積層コモンモードチョークコイルの模式断面図である。本発明の積層コモンモードチョークコイル1では、ホウケイ酸ガラス部13内にて、2つの平面状の導体コイル部11、12が互いに対向して設けられている。導体コイル部11、12は典型的には渦が巻くように、旋回するにつれ中心から遠ざかる(あるいは逆向きにたどれば近づく)スパイラル状の曲線、あるいはそのような曲線に近似した折れ線の形状を呈する。個々の導体コイル部11、12はそれぞれ略同一平面上に形成される。導体コイル部11、12の具体的な形状は積層コモンモードチョークコイルの従来技術を適宜参照することができる。導体コイル部11、12は導電材料から形成され、一般的には金属製であり、より具体的にはCu、Agやそれらを含む合金が挙げられる。好適には、酸化雰囲気中で焼成可能であることから好ましくは上記導電材料はAgを含有し、さらに好ましくはAgを90wt%以上含有する。
ホウケイ酸ガラス部13は、第1のホウケイ酸ガラス組成物からなる。第1のホウケイ酸ガラス組成物は、好適には、ガラスフリットとガラスフリット中に分散したフィラー(図示せず)とを含有する。フィラーの化学種は好ましくはクォーツ(結晶質のSiO)であり、ホウケイ酸ガラス部13におけるフィラーの量は好ましくは10〜40vol%である。フィラーは好ましくはホウケイ酸ガラス部13の中に結晶質のまま分散される。
ホウケイ酸ガラス部13におけるガラスフリットの材料は、SiOを主成分とするホウ珪酸ガラスであって、その他、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Cu、Zn、Sn、Fe、Ni、Co、Agなどが含まれていてもよい。
ホウケイ酸ガラス部13にホウ素が含まれる場合は、ガラスフリットの材料中に占めるホウ素の含有量は、Bの量として、好ましくは、5〜20wt%である。ホウケイ酸ガラス部13にアルカリ金属が含まれる場合は、ガラスフリットの材料中に占めるアルカリ金属の含有量は、当該アルカリ金属の酸化物の量として、好ましくは、0.5〜4wt%である。ホウケイ酸ガラス部13におけるガラスフリットの材料中に占めるAlの量は、Alの量として、好ましくは0.05〜10wt%であり、より好ましくは0.1〜2wt%である。
ホウケイ酸ガラス部13の厚さは積層コモンモードチョークコイルの大きさの設計などに応じて適宜設定することができ、非限定的に100〜500μm程度を例示することができる。
ホウケイ酸ガラス部13は、後述する境界層15を介して、磁性体部16によって上下から挟まれる。磁性体部16は、Ni−Zn−Cu系フェライトを含有する。磁性体部16におけるNiOの割合は好ましくは5〜20wt%であり、ZnOの割合は好ましくは5〜20wt%であり、CuOの割合は好ましくは5〜10wt%である。磁性体部16において、Ni、Zn、Cuの各酸化物、および不可避不純物以外は、すべてFeの酸化物であることが好ましい。銅の存在により焼結温度が低減する。磁性体部16のNi−Zn−Cu系フェライトの焼結温度は好ましくは900℃以下である。磁性体部16の厚さは、積層コモンモードチョークコイルの大きさの設計などに応じて適宜設定することができ、非限定的に100〜500μm程度を例示することができる。
本発明では、ホウケイ酸ガラス部13と磁性体部16との間に境界層15が設けられる。境界層15は、好ましくは、ホウケイ酸ガラス部13および磁性体部16の両方と直接接触している。境界層15は第2のホウケイ酸ガラス組成物からなる。第2のホウケイ酸ガラス組成物の850℃における粘度は、上述した第1のホウケイ酸ガラス組成物の850℃における粘度より小さく、好ましくは108.8Pa・s以下であり、より好ましくは107.0〜108.5Pa・sである。別途好ましくは、第2のホウケイ酸ガラス組成物と、第1のホウケイ酸ガラス組成物との850℃における粘度の差異は108.5〜109.1Pa・sと約4倍の差である。焼成時に、Ni−Zn−Cu系フェライトと第1のホウケイ酸ガラス組成物との収縮挙動に違いが生じても、境界層15の第2のホウケイ酸ガラスが低粘度であるため、上記収縮挙動の違いに追従しやすい。このため、焼結性のミスマッチによる剥離、または、収縮応力による材料の破断が生じにくくなる。結果的に、界面の剥離や、ホウケイ酸ガラス部や磁性体部におけるクラックその他の構造欠陥が生じにくくなり、積層コモンモードチョークコイルの歩留まりの改善が可能になる。また、クラックからの水分混入に起因するマイグレーション、絶縁不良等も低減される。境界層15の厚さは、積層コモンモードチョークコイルの大きさの設計などに応じて適宜設定することができ、非限定的に4〜50μm程度を例示することができる。
850℃におけるホウケイ酸ガラス組成物の粘度の制御は概ね以下の例が挙げられる。粘度を下げるためには、フィラー成分(クォーツ等)を減らしたり、ホウケイ酸ガラス中のアルカリ金属を増やししたりすることなどが挙げられる。粘度を上げるためには、上記と逆の手法を採ることが挙げられる。後述の実施例において多くのホウケイ酸ガラス組成物の例が提示され、それらの例を参照することにより、所望の粘度のホウケイ酸ガラスの組成を設計することができる。850℃におけるホウケイ酸ガラス組成物の粘度の測定は、円柱状の焼結サンプルを作成して、平行板粘度測定装置によって測定することができる。測定の具体的手法は後述の実施例の欄において詳述される。
850℃における粘度に関する上述の特徴を除けば、第2のホウケイ酸ガラス組成物に含まれる元素の種類やその量などの好適範囲は、上述の第1のホウケイ酸ガラス組成物における好適範囲を援用することができる。
上述のほか、積層コモンモードチョークコイルの従来技術を適宜援用して、本発明の積層コモンモードチョークコイル1は外部端子17など種々の構成をさらに備えていてもよい。例えば、図1では省略されているが、外部端子17と導体コイル部11、12との導通のための配線が備えられていてもよい。
本発明の製造方法については、積層の際に境界層15の前駆体となるグリーンシートを介在させることのほかは、従来技術を適宜援用することができる。図2は本発明の積層コモンモードチョークコイルの模式的な分解図である。図示される各層について、それぞれの原材料である磁性材料、ガラス組成物、を樹脂(バインダ)と混合しスラリー又はペーストを作製し、各層の前駆体に相当するグリーンシートを製造する。
ホウケイ酸ガラス部13、14および境界部15の製造に際しては、粉砕した第1および第2のガラス組成物を溶剤の存在下でバインダと混錬してスラリーを得る方法が一般的である。ガラス組成物の粉砕手段は、ビーズミルなどの公知の粉砕機を適用することができる。粉砕後のガラス材料のd50値は好ましくは3μm以下、より好ましくは0.5〜1.5μmである。得られたスラリーからドクターブレード法などによってグリーンシートを得ることができる。
導体コイル部11、12の前駆体は、グリーンシート上に形成された導体パターンである。導体コイル部11、12の材料となる銀粉等を含有するペースト等を上記グリーンシートに印刷することなどにより導体パターンを形成することができる。ペーストの組成、製造方法および導体パターンの形成方法などは従来技術を適宜援用することができる。例えば、メタクリル酸樹脂等をバインダとして使用してもよいし、フタル酸ジオクチル等を可塑剤として使用してもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等を溶剤として使用してもよい。
導体コイル部11、12の形成の際には、適宜、ビアホール11a、21a、12a、22aや、外部端子11b、21b、12b、24bを形成することができ、それらの形成方法については従来技術を適宜援用することができる。
さらに外側の磁性体部16となるグリーンシートをそれぞれ所定の材料で製造し、それらを積層して焼成を行う。積層の際には、ホウケイ酸ガラス部13、14の前駆体となるグリーンシートを境界層15の前駆体となるグリーンシートで上下から挟むような順序にする。さらに、境界層15の前駆体となるグリーンシートを上下から磁性体部16の前駆体となるグリーンシートで挟むような順序で積層する。ホウケイ酸ガラス部13、14、境界層15、磁性体部16の厚さを調節するために、それぞれの前駆体となるグリーンシートを複数枚連続して重ねてもよい。ホウケイ酸ガラス部13、14の前駆体となるグリーンシートと境界層15の前駆体となるグリーンシートとが直接に接触することが好ましい。同様に、境界層15の前駆体となるグリーンシートと磁性体部16の前駆体となるグリーンシートとが直接に接触することが好ましい。
積層の詳細な条件や、積層後の処理については、積層型電子部品の製造における従来技術を適宜援用することができる。焼結時の昇温速度は300〜1200℃/hに制御することが望ましい。焼成温度は材料に応じて適宜変更することができ、例えば900℃前後が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に記載された態様に限定されるわけではない。
(ホウケイ酸ガラス組成物の製造)
ホウケイ酸ガラス組成物(ガラス材料)としてはガラスフリットとフィラー(クォーツ)とを含有する組成物を製造した。各ガラス材料の組成は下記表1のとおりである。これらガラスフリットとフィラーとを、粉砕媒体としてZrOボールを用いるビーズミルにより、平均粒径1.5μm(d50値)に粉砕し、粉砕混合した。分散溶液として分散材を含むメタノールを用いた。このようにして得た組成物を後述する表3の組合せにしたがって、第1および第2のホウケイ酸ガラス組成物として用いた。
上記表1における「粘度」の欄は、850℃における粘度(Pa・s)の常用対数値である。例えば、No.1の試料の粘度は109.1Pa・sであることを意味する。粘度の測定にあたっては、各試料にバインダを加え、造粒機によって造粒粉を得て、成形機にて円柱形状に成型した。これを、大気中900℃で焼成して直径10mm、高さ10mmの円柱サンプルを3個得た。オプト企業社製の平行板粘度測定装置PPVM-1100にてこのサンプルの850℃におけるガラス粘度を測定した。
ガラス材料100重量部と、エタノール溶剤300重量部と、バインダとしてのポリビニルブチラール樹脂200重量部と、可塑剤としてのフタル酸ジブチルとからなるスラリーを得た。その際、混合の媒体としてZrOボールを用いた。ドクターブレード法によって、このスラリーから、ガラス材料を含有する幅180mmのグリーンシートを得た。
(ホウケイ酸ガラス層への導体コイル部パターンの形成)
上述のガラス材料を含有するグリーンシート上に、銀(Ag)を主成分とする導体ペーストを、スクリーン印刷法等により印刷し、スパイラル状の導体パターン、外部端子に接続される導体パターンを形成した。スパイラル状の導体パターンと外部端子に接続される導体パターンとは、グリーンシートにあけられた孔を通し接続した。
(磁性材グリーンシートの製造)
表2記載の組成のNi−Zn−Cu系のフェライト粉末200重量部と、溶剤300重量部と、バインダ200重量部と、分散剤と、可塑剤とを混錬してスラリーを得た。混合の媒体としてZrOボールを用いた。バインダとしては、ポリビニルブチラール樹脂が用いられ、可塑剤としては、フタル酸ジブチルが用いられ、溶剤としては、アルコールを使用した。ドクターブレード法によってこのスラリーから厚み30μm、幅180mmのグリーンシートを得た。作成されたグリーシートを150mm×150mmの大きさに打ち抜き機で打ち抜き、磁性材グリーンシートを準備した。
(積層及び焼成)
下から順に、磁性材グリーンシート(厚さ400μmに相当する枚数)、境界層用のガラス材料(第2のホウケイ酸ガラス組成物)を含有するグリーンシート、外部端子を形成したホウケイ酸ガラス部用のガラス材料(第1のホウケイ酸ガラス組成物)を含有するグリーンシート、渦巻状の導体コイル部パターンを形成したホウケイ酸ガラス部用のガラス材料(第1のホウケイ酸ガラス組成物)を含有するグリーンシート、外部端子を形成したホウケイ酸ガラス部用のガラス材料(第1のホウケイ酸ガラス組成物)を含有するグリーンシート、境界層用のガラス材料(第2のホウケイ酸ガラス組成物)を含有するグリーンシート、磁性材グリーンシート(厚さ400μmに相当する枚数)を積層した。これらを圧着して、空気雰囲気下で脱脂処理をおこなったあと、空気雰囲気下で昇温速度10℃/hで、900℃まで加熱し、その温度で2時間保持した後、冷却することにより、焼成した積層体を形成した。
焼成後に、外部端子を設けることにより積層コモンモードチョークコイルを得た。各サンプルにおいて用いたグリーンシートは表3に記載のとおりである。
(クラック評価)
得られた積層コモンモードチョークコイルのサンプルを50個ずつ研磨して、オリンパス株式会社製BH2−UMA金属顕微鏡による200倍の観察にて、クラックの有無を確認した。結果を表3に記載する。表3における「コイル」の欄の数値はサンプルのナンバリングを意味し、数値の前に*を付したものは比較例に相当する。「内部用ガラス」および「境界用ガラス」の欄の数値は、それぞれ、第1および第2のホウケイ酸ガラス組成物として用いたガラスを表1の番号を参照して示す。「フェライト材料」の欄の記号は磁性体部用のグリーンシートの材料として用いたフェライト材料の組成を表2の記号を参照して示す。
1 積層コモンモードチョークコイル;11、12 導体コイル部;13、14 ホウケイ酸ガラス部;15 境界層;16 磁性体部;17 外部端子;21、22 外部端子と接続される導体

Claims (3)

  1. Ni−Zn−Cu系フェライトを含有する2つの磁性体部と、前記2つの磁性体部に境界層を介して挟まれたホウケイ酸ガラス部と、互いに非接触状態で向き合うように前記ホウケイ酸ガラス部内に埋設配置された平面状の2つの導体コイル部と、を有する積層コモンモードチョークコイルの製造方法であって、
    第1のホウケイ酸ガラス組成物を含有するグリーンシートの上下を、第2のホウケイ酸ガラス組成物を含有するグリーンシートを介して、Ni−Zn−Cu系フェライトを含有するグリーンシートで挟むように積層して焼成する工程を有し、
    前記第1のホウケイ酸ガラス組成物より前記第2のホウケイ酸ガラスの方が850℃における粘度が低い、
    前記製造方法。
  2. 前記第2のホウケイ酸ガラス組成物の850℃における粘度が108.8Pa・s以下である請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により製造される積層コモンモードチョークコイル。
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