JP2014118574A - 芳香族ポリエステル組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は耐加水分解性及び耐熱性に優れる芳香族ポリエステル組成物及びその製造方法と用途に関するものである。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートは、その優れた機械的、力学的および化学的特性から、衣料用、産業用等の繊維や、磁気テープ用、表面コーティング用等のフィルム、およびタイヤコード、ネット等の産業用等に広く使用されている。しかしながら、高湿度下では、ポリエステル中のエステル結合が水により加水分解し、エステル結合が切れることで、その機械的、力学的、化学的特性が低下する。また、高温下では熱分解することにより、分子鎖が切れ、機械的、力学的、化学的特性が低下する。これら耐加水分解性及び耐熱性を解決するため、これまでに様々な方法が検討されている。
耐加水分解性を向上させる方法としては、主に三つの方法が採用されている。一つ目はポリエステルの表面コーティング方法。二つ目はポリエステルを高分子量化高粘度化する方法。三つ目はPETの末端COOHを封鎖して耐加水分解性を向上する方法である。この中で最もよく採用される方法は末端封鎖法である。たとえば中国公開出願CN1312327A中にエポキシとアミン含有する添加剤の添加にてポリエステルの耐加水分解性を向上させることが開示されている。しかし、封鎖剤の合成が難しく、かつエポキシの反応活性が低くく、大量に添加することが必要であり、そのために製造コストが高いという問題がある。また、WO83/1253中にカルボジイミドとのブレンドにて耐加水分解性を向上する方法が開示されている。しかし、ポリエステル一部の物性が失われるという問題がある。
耐熱性を向上させる方法としては、無機粒子や有機核剤を添加し、結晶性を向上させる方法が特許文献1、2などに示されているが、これらは異物の発生や濁度の上昇を伴うため、透明性が低下する。また、ポリカーボネートなどの高耐熱性ポリマーをブレンドする方法が特許文献3などに示されているが、これらの方法はリサイクル性が不十分であった。
耐熱性を向上させる方法としては、無機粒子や有機核剤を添加し、結晶性を向上させる方法が特許文献1、2などに示されているが、これらは異物の発生や濁度の上昇を伴うため、透明性が低下する。また、ポリカーボネートなどの高耐熱性ポリマーをブレンドする方法が特許文献3などに示されているが、これらの方法はリサイクル性が不十分であった。
本発明は耐加水分解性及び耐熱性に優れるポリエステル組成物及びその製造方法と用途に関するものを提供する。具体的には芳香族ジカルボン酸成分またはそのエステル形成誘導体とジオール成分とからなるポリエステルにおいて、特定構造のジシラノール化合物の共重合により、優れた耐加水分解性と耐熱性を付与する。
上記の本発明の課題は、式(1)で表される構造単位を、全ジカルボン酸成分のモル数を基準として、0.5モル%以上10モル%以下の範囲で含有しており、二価の金属と一価の金属を含み、その金属元素量Mとリン元素量Pのモル比が、式(I)(II)で表される関係を満たすことを特徴とする芳香族ポリエステル樹脂組成物によって解決することができる。
0.5 ≦ M/P ≦ 1.5 (I)
M=(M2+M1/2) (II)
(M2は二価の金属、M1は一価の金属残存量をそれぞれ示す。)
M=(M2+M1/2) (II)
(M2は二価の金属、M1は一価の金属残存量をそれぞれ示す。)
本発明は耐加水分解性及び耐熱性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
本発明において、芳香族ジカルボン酸成分またはそのエステル形成性誘導体成分とは、特に限定されないが、具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体が好ましく、その中でも機械的特性、耐熱性、耐湿熱性の観点から、テレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体が好ましい。
また、ジオール成分とは、特に限定されないが、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールが好ましく、その中でも成形性、結晶性、耐加水分解性の観点からエチレングリコールであることが好ましい。
本発明におけるポリエステルにおいて、該ポリエステルは主に芳香族ジカルボン酸成分またはそのエステル形成性誘導体成分とジオール成分との重合反応によって得られ、該ポリエステルの分子鎖中に式(1)に示す繰返し単位を含有し、芳香族ジカルボン酸成分またはそのエステル形成性誘導体成分からなる繰返し単位の総量に対して式(1)に示す繰返し単位の含有量が0.5mol%以上10mol%以下であることが必要である。
式(1)に示す繰返し単位の含有量は、0.5mol%以上であることが必要であり、好ましくは1mol%以上、さらに好ましくは2mol%以上である。また、式(1)に示す繰り返し単位の含有量は、10mol%以下であることが必要であり、好ましくは8mol%以下、さらに好ましくは5mol%以下である。上記範囲にすることで、ゲル化することがなく、耐加水分解性及び耐熱性が良好なポリエステル組成物を得ることができる。ここで、該化合物の含有量が0.5mol%より小さい場合、耐加水分解性、耐熱性の効果が低く、10mol%を超えると、ポリエステルの融点が下がり、結晶性を有さないため、耐加水分解性、や機械強度が下がり好ましくない。また、含有量を多くすることにより、重合、製膜、紡糸など成型過程でゲルを生成する可能性があり、収率の点から好ましくない。
ここで、式(1)であらわされるジシラノール化合物はポリエステル中においては共重合していることが好ましい。ここで、ジシラノール化合物のシラノール末端はジカルボン酸成分、ジオール成分いずれとも反応可能である。例えばジカルボン酸成分が主にテレフタル酸成分であり、ジオール成分がエチレングリコールである場合、本発明のポリエステル樹脂組成物の繰り返し単位は式(2)もしくは式(3)、もしくは両方の構造単位を含有する。共重合していることにより、ポリエステルのCOOH末端の末端封鎖により優れた耐加水分解性が得られ、シラン化合物のブリードアウトがなく、生産安定性にすぐれた樹脂、糸、フィルムを得ることができる。
本発明のポリエステル組成物の構成モノマーについては各種モノマーを用いることができるが、ポリエステル組成物として結晶性を有することが耐熱性、耐湿熱性の点から好ましい。結晶性の有無はDSC測定における結晶融解熱ΔHmの有無により確認することができる。結晶性にするためには構成モノマーにより異なるが、ジカルボン酸成分、ジオール成分をそれぞれ単一成分にするか、一般的に式(1)構造、ジカルボン酸成分、ジオール成分の第3、第4成分の共重合量を合計で全ジカルボン酸のモル数を基準として15モル%以下に制御することにより結晶性に制御することができる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は耐加水分解性および耐熱性の観点から二価の金属と一価の金属を含み、その金属元素含有量Mとリン元素含有量Pのモル比が、式(I)で表される関係を満たす必要がある。
0.5 ≦ M/P ≦ 1.5 (I)
M=(M2+M1/2) (II)
(M2は二価の金属、M1は一価の金属残存量をそれぞれ示す。)
M/Pは、0.5以上であることが必要であり、好ましくは0.6以上、より好ましくは1.0以上である。また、M/Pは1.5以下であることが必要であり、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.2以下である。
M=(M2+M1/2) (II)
(M2は二価の金属、M1は一価の金属残存量をそれぞれ示す。)
M/Pは、0.5以上であることが必要であり、好ましくは0.6以上、より好ましくは1.0以上である。また、M/Pは1.5以下であることが必要であり、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.2以下である。
式(I)を満たすことは、耐熱性および耐加水分解性のうち、特に耐加水分解性向上に大きく寄与する。また、式(1)のジシラノール成分が含有されていることは、耐熱性および耐加水分解性の両方に寄与する。効果を発現する機構は明らかではないが、耐熱性については式(1)構造のジフェニル部分がポリエステル中に残存する触媒金属を2つの芳香環により挟み相互作用によりトラップし、触媒金属のポリエステル熱分解への寄与を抑制すると推測され、耐加水分解性は触媒金属のポリエステルのCOOH末端への末端封鎖効果によると推測される。
また、耐加水分解性は残存触媒に依存することから、ジシラノール含有により耐熱性を向上させることは、結果的に耐加水分解性の向上にもつながる。そのため、本発明のポリエステル樹脂組成物は、式(1)で表される成分が含有されていることと、式(I)の関係を満たすことを組み合わせることによって、耐熱性と耐加水分解性を格段に向上させることができる。したがって、特に両特性の要求の厳しい太陽電池用バックシートフィルム用途や、電絶用フィルム用途に特に好ましく適用することが可能となる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、Ca、Mg、Li、K、Na、Co、Zn、Sn、Ti、Ge、Sb、Alなどの各種金属元素を含有することができる。
ポリエステル樹脂組成物中に含まれる金属元素Mとしては、耐加水分解性の点から、二価の金属M2である、Ca、Mg、Mn、Coから、一価の金属M1である、Na、Li、Kの中から選ばれることが好ましい。二価の金属M2と一価の金属M1は、それぞれ複数の組み合わせで使用されても構わないが、耐加水分解性を良好にするためには、少なくとも二価の金属M2と一価の金属M1を一種類ずつ含んでいることが必要である。なお、耐熱性および耐加水分解性の観点から二価の金属M2と一価の金属M1の組み合わせとしては、MnとNaの組合せが特に好ましい。
また、重合触媒能を有するSb、Ti、Geから選ばれる金属化合物のうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。これらNa、Li、Kから選ばれるアルカリ金属化合物の少なくとも1種、Mg、Ca、Mn、Coから選ばれる2価の金属化合物の少なくとも1種、Sb、Ti、Geから選ばれる金属化合物のうち少なくとも1種を金属元素の合計量で30ppm以上500ppm以下含有することが耐熱性、耐湿熱性の点から好ましい。含有量が該範囲より小さい場合、ポリエステルの重合時の触媒活性が小さく、重合時間が長期化するため、COOH末端量が大きくなり、耐加水分解性が低下する。また、該範囲より大きい場合、残存触媒が熱分解、加水分解の触媒として作用するため耐熱性、耐加水分解性が低下する。
本発明のポリエステルは、該ポリエステルの総量に対してリン元素の含有量は5ppm以上であることが好ましく、より好ましくは20ppm以上、さらに好ましくは30ppm以上である。また、リン含有量は200ppm以下であることが好ましく、より好ましくは170ppm以下、さらに好ましくは130ppm以下である。上記範囲にすることで、重合遅延などを起こすことなく、耐加水分解性及び耐熱性の優れたポリエステル樹脂組成物を得ることが可能である。
リン化合物は特に限定しないが、リン酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスホノアセテート、フェニルホスホン酸ジメチルなどのリン酸、リン酸エステル、亜リン酸、亜リン酸エステルまたそれらの金属塩などが用いられる。その中でも、耐加水分解性の観点から、リン酸とリン酸金属塩を併用することが好ましい。
また、該ポリエステル樹脂に含有するリン元素は、緩衝剤のリン酸水素化物を含有することが、耐加水分解性の点より好ましい。緩衝剤のリン酸水素化物は、特に限定しないが、アルカリ金属オルトリン酸、アルカリ金属亜リン酸塩、アルカリ金属次亜リン酸塩又はそれらの組み合わせであることが好ましい。耐加水分解性の点から、アルカリ金属は好ましくはカリウムまたはナトリウム、リチウムであり、具体的にはNa2HPO4、NaH2PO4、Na2HPO3、NaH2PO2、Li2HPO4、LiH2PO4、Li2HPO3、LiH2PO2、K2HPO4、KH2PO4、K2HPO3、KH2PO2が好ましく、この中の一つであっても、または複数使用しても構わない。更に好ましくはNaH2PO4またはLiH2PO4、KH2PO4である。
緩衝剤のリン酸水素化物の添加により、酸塩基平衡にてポリエステル中における加水分解の進行、COOH末端の生成時においても、ポリエステル中が強い酸性状態になることを抑制することができる。そのためポリエステルの加水分解反応の加速が抑制され、耐加水分解性能を向上することができる。
また、本願で含有されるSi元素のうち、ポリシロキサン由来のSi元素が50mol%未満であることが好ましい。ここで、ポリシロキサン由来のSi元素とは、Si−O−Siのシロキサン結合を一つ以上有するSi元素のことである。該Si元素が50mol%未満であることにより、ポリエステル樹脂のCOOH末端に反応可能なSi化合物のシラノール末端基が確保されるため、末端封鎖効果が得られ、優れた耐加水分解性が得られる。一方50mol%以上の場合、シラノール末端基がSi化合物の自己縮合で消費されているため末端封鎖効果が得られず、耐加水分解性向上効果が十分に得られない。より好ましい範囲は40mol%未満である。通常、シラン化合物としてテトラヒドロキシシランなど4官能シラン、メチルトリヒドロキシシランなど3官能シラン、ジメチルジヒドロキシシランなどの立体障害が少ない2官能シランは自己縮合が起こりやすいが、ジフェニルジヒドロキシシランについては反応点が少ない2官能であり、ジフェニル基の立体障害により、自己縮合が起こりにくい。そのためポリエステルの重縮合反応時に添加することにより、比較的高い比率でシロキサン結合を有さないモノマーとしてポリエステルに共重合することができる。
耐熱性は、該ポリエステル樹脂組成物を窒素雰囲気下で溶融したときのIVの低下量およびCOOH末端基増加量で評価する。このときのIV低下量が少ないほど、またCOOH末端基増加量が少ないほど、溶融時の熱劣化による分子鎖の切断が少ない耐熱性が良好なポリマーである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、耐加水分解性の点から、COOH末端基量は20(eq/ton)以下であることが好ましい。またより好ましくは15(eq/ton)以下である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、耐加水分解性の点から、COOH末端基量は20(eq/ton)以下であることが好ましい。またより好ましくは15(eq/ton)以下である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、窒素雰囲気下、300℃で60分溶融したときのCOOH末端基増加量(δCOOH)およびIV低下量(δIV)が式(III),(IV)を満たすことが好ましい。δCOOHとして、より好ましくは25.0(eq/ton)以下であり、さらに好ましくは15.0(eq/ton)以下である。また、δIVとして、より好ましくは0.09以下であり、さらに好ましくは0.06以下である。この範囲を満たすことで、高耐熱性が要求される電絶フィルム用途や太陽電池用フィルムなどに好適なポリエステル樹脂組成物を得ることが可能となる。
δCOOH ≦ 30.0(eq/ton) (III)
δIV≦ 0.09 (IV)
耐加水分解性の評価としては、155℃、100%RHで4時間処理したときのCOOH末端基増加量(ΔCOOH)で評価する。該評価において本発明のポリエステル組成物は式(V)を満たすことが好ましい。
ΔCOOHの値の上限としては40.0(eq/ton)であることが好ましく、より好ましくは、35.0(eq/ton)であり、さらに好ましくは30.0(eq/ton)である。
δIV≦ 0.09 (IV)
耐加水分解性の評価としては、155℃、100%RHで4時間処理したときのCOOH末端基増加量(ΔCOOH)で評価する。該評価において本発明のポリエステル組成物は式(V)を満たすことが好ましい。
ΔCOOHの値の上限としては40.0(eq/ton)であることが好ましく、より好ましくは、35.0(eq/ton)であり、さらに好ましくは30.0(eq/ton)である。
ΔCOOH ≦ 40.0(eq/ton) (V)
本発明の耐加水分解ポリエステル組成物は具体的には次のように製造することができる。
芳香族のジカルボン酸成分またはそのエステル形成性誘導体成分とジオール成分のエステル化反応またはエステル交換反応で低分子量のポリエステルを作り、前述の低分子量ポリエステルを重合し、ポリエステルを製造する。重縮合反応の段階で式(4)のジシラノール化合物を添加することが必要である。さらには添加時期を重縮合反応がより進んだ段階で添加することによりシラン化合物の自己縮合を抑え、末端封鎖効果が高く、優れた耐加水分解性を示すポリエステル組成物を得ることができる。
本発明の耐加水分解ポリエステル組成物は具体的には次のように製造することができる。
芳香族のジカルボン酸成分またはそのエステル形成性誘導体成分とジオール成分のエステル化反応またはエステル交換反応で低分子量のポリエステルを作り、前述の低分子量ポリエステルを重合し、ポリエステルを製造する。重縮合反応の段階で式(4)のジシラノール化合物を添加することが必要である。さらには添加時期を重縮合反応がより進んだ段階で添加することによりシラン化合物の自己縮合を抑え、末端封鎖効果が高く、優れた耐加水分解性を示すポリエステル組成物を得ることができる。
具体的には式(4)の化合物はジフェニルジヒドロキシシランである。
式(4)に示すジシラノール化合物をポリエステル中に共重合することで、耐加水分解性及び耐熱性を向上させることが可能となる。
式(4)に示すジシラノール化合物をポリエステル中に共重合することで、耐加水分解性及び耐熱性を向上させることが可能となる。
式(4)に示すジシラノール化合物添加量はポリエステル組成物中の全カルボン酸成分のモル数を基準として0.5mol%以上であることが好ましく、上限は10.0mol%以下となるように添加することが好ましい。重合反応中に未反応物の揮発がある場合は、その分あらかじめ多めに添加することも好ましい。上記範囲にすることで、ゲル化による吐出不良を起こすことなく、耐熱性が良好なポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリエステル組成物の製造方法で用いる触媒は金属種としては耐加水分解性の観点から前述のように少なくとも二価の金属M2と一価の金属M1を一種類ずつ含んでいることが必要である。具体的な触媒としては公知のエステル交換触媒、重縮合触媒、助触媒を用いることができる。例えば、重合触媒としてはアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物が挙げられる。また、エステル交換触媒及び助触媒としては、有機マンガン化合物、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機コバルト化合物、有機亜鉛化合物、有機リチウム化合物、有機スズ化合物などが好ましく使用される。
重合触媒としては、重合安定性、製造コストの点から、アンチモン化合物が好ましく、より好ましくは三酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、さらに好ましくは三酸化二アンチモンである。アンチモン元素の添加量は、ポリエステル総量対して80ppm以上500ppm以下であることが高い触媒効果とポリエステル中異物抑制の点から好ましく、さらに200ppm以上400ppm以下であることが好ましい。
重合触媒の添加する時期に限定はないが、エステル化反応及びエステル交換反応の反応性の点から、エステル化反応及びエステル交換反応終了後に添加することが好ましく、より好ましくは、エステル化反応及びエステル交換反応終了後から重縮合反応開始の間に添加することが異物発生抑制の点から好ましい。
エステル交換触媒及び助触媒としては、耐熱性及び耐加水分解性の点から、有機マンガン化合物、有機カルシウム化合物が好ましく、より好ましくは有機マンガン化合物である。有機マンガン化合物は、酢酸マンガン、安息香酸マンガンが好ましく、さらに好ましくは酢酸マンガンである。 エステル交換触媒及び助触媒の添加量は、耐加水分解性及び耐熱性、また反応性の点から、ポリエステル総量に対して金属元素として30ppm以上200ppm以下であり、好ましくは100ppm以上190ppm以下である。
エステル交換触媒及び助触媒を添加する時期に限定はなく、エステル化反応及びエステル交換反応の前或いは終了後、重縮合反応前、反応中いずれのタイミングで添加してもよい。
また、ポリエステルの耐加水分解性能及び耐熱性を向上させるため、リン化合物を添加することが好ましい。リン元素量はポリエステル総量に対して下限は5ppm以上、より好ましくは20ppm以上、さらに好ましくは30ppm以上であり、上限は200ppm以下、より好ましくは170ppm以下、さらに好ましくは130ppm以下である。
また、ポリエステルの耐加水分解性能及び耐熱性を向上させるため、リン化合物を添加することが好ましい。リン元素量はポリエステル総量に対して下限は5ppm以上、より好ましくは20ppm以上、さらに好ましくは30ppm以上であり、上限は200ppm以下、より好ましくは170ppm以下、さらに好ましくは130ppm以下である。
リン化合物は特に限定しないが、具体的にはリン酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスホノアセテート、フェニルホスホン酸ジメチル、緩衝剤リン酸水素化物が挙げられる。緩衝剤のリン酸水素化物は、特に限定しないが、アルカリ金属オルトリン酸、アルカリ金属亜リン酸塩、アルカリ金属次亜リン酸塩又はそれらの組み合わせであることが好ましい。耐加水分解性の点から、アルカリ金属は好ましくはカリウムまたはナトリウム、リチウムであり、具体的にはNa2HPO4、NaH2PO4、Na2HPO3、NaH2PO2、Li2HPO4、LiH2PO4、Li2HPO3、LiH2PO2、K2HPO4、KH2PO4、K2HPO3、KH2PO2が好ましく、この中の一つであっても、または複数使用しても構わない。更に好ましくはNaH2PO4またはLiH2PO4、KH2PO4である。
本発明のポリエステルの製造方法において、耐加水分解性の点から、緩衝剤リン酸水素化物を添加することが好ましい。添加する時期に限定はないが、エステル化反応及びエステル交換反応の反応性の点から、エステル化反応及びエステル交換反応終了後に添加することが好ましく、より好ましくは、エステル化反応及びエステル交換反応終了後から重縮合反応開始の間に添加することが異物発生抑制の点から好ましい。
二価の金属M2と一価の金属M1の添加形態は触媒、粒子など特に限定はないが、エステル交換触媒、助触媒として二価の金属M2を、アルカリ金属リン化合物として一価のM1を添加することが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は耐加水分解性及び耐熱性が良好であるため、繊維やフィルムへの展開ができ、得られた繊維製品のタフネス保持率、フィルムの伸度保持率が高いため、長期安定性が求められる用途に好適である。
本発明のポリエステルは、ポリエステルを製造するための装置、繊維或はフィルムを製造するための装置、技術プロセスは通常用いられる装置であればどのような装置とプロセスであっても構わない。以下、具体例を挙げるが、これに限定されるのもではない。
本発明のポリエステルは、ポリエステルを製造するための装置、繊維或はフィルムを製造するための装置、技術プロセスは通常用いられる装置であればどのような装置とプロセスであっても構わない。以下、具体例を挙げるが、これに限定されるのもではない。
エステル交換反応法では、テレフタル酸ジメチル、エチレングリコールを反応容器に仕込む。この際、エチレングリコールの仕込み量を全ジカルボン酸成分に対して、1.7〜2.3倍モルにすることで、反応性が良好になる。これらを150℃で溶融後、触媒として酢酸マンガン、三酸化二アンチモンを添加し撹拌する。次いで、240℃まで徐々に昇温しながら、メタノールを留出させ、エステル交換反応を実施する。エステル交換反応後、リン酸及びリン酸二水素ナトリウムを添加し、エステル交換反応触媒を失活させる。
その後、反応物を重合装置に仕込み、重合装置内温度を徐々に290℃まで昇温しながら、重合装置内の圧力を常圧から133Pa以下まで徐々に減圧して、エチレングリコールを留出させる。所定の撹拌トルクに到達した段階で、反応を終了し、反応系内を窒素にて常圧にし、冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得る。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、目的に応じて固相重合を実施しても構わない。固相重合は、ポリエステル樹脂組成物の融点−30℃以下、融点−60℃以上の温度で、真空度0.3Torr以下で行うことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、目的に応じて固相重合を実施しても構わない。固相重合は、ポリエステル樹脂組成物の融点−30℃以下、融点−60℃以上の温度で、真空度0.3Torr以下で行うことが好ましい。
本発明のポリエステルから以下の方法で繊維を製造することができる。
ペレット状ポリエステル樹脂組成物を150℃で真空乾燥24hrして、チップ中の水分率を50ppm以下とする。乾燥後、285℃〜295℃の紡糸温度で熔融紡糸を実施し、2000〜4000m/分の速度で巻き取り、未延伸糸を得る。さらに70℃〜90℃の延伸温度、1.4〜2.4倍の条件で延伸し、120℃〜150℃の温度で熱セットして繊維を得る。
本発明の耐加水分解性ポリエステルから以下の方法でフィルムを製造することができる。
ペレット状ポリエステル樹脂組成物を150℃で真空乾燥24hrして、チップ中の水分率を50ppm以下とする。乾燥後、285℃〜295℃の紡糸温度で熔融紡糸を実施し、2000〜4000m/分の速度で巻き取り、未延伸糸を得る。さらに70℃〜90℃の延伸温度、1.4〜2.4倍の条件で延伸し、120℃〜150℃の温度で熱セットして繊維を得る。
本発明の耐加水分解性ポリエステルから以下の方法でフィルムを製造することができる。
ペレット状ポリエステル樹脂組成物を130℃で真空乾燥7hrして、窒素雰囲気下で押出機に供給する。押出温度280℃でTダイから吐出させ、キャスティングドラム(20℃)にて急冷し、静電印加法にてシート化する。その後、110℃の温度条件で2〜5倍率の縦延伸を実施し、後に210℃の条件で3〜6倍率の横延伸を実施する。その後、200℃〜250℃で数秒の熱セットを実施して二軸延伸フィルムを得る。
以下実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下の方法で測定した。
(1)金属元素測定方法
2gのポリエステル、100℃〜160℃の温度で濃HNO3/H2O2中に分解させて、一定な濃度まで希釈して、ICP−MSにて送付する。事前作成した検出線にて各元素の含量を算出した。測定精度は0.5ppmである。
2gのポリエステル、100℃〜160℃の温度で濃HNO3/H2O2中に分解させて、一定な濃度まで希釈して、ICP−MSにて送付する。事前作成した検出線にて各元素の含量を算出した。測定精度は0.5ppmである。
(2)P元素含量
5gのポリエステルがホットプレス装置にて円盤状測定サンプルを作って、蛍光X線元素分析装置にてP元素量を測定した。
5gのポリエステルがホットプレス装置にて円盤状測定サンプルを作って、蛍光X線元素分析装置にてP元素量を測定した。
(3)ジシラノール化合物含有量測定
5gのポリエステルがホットプレス装置にて円盤状測定サンプルを作って、蛍光X線元素分析装置にてSi元素量を測定した。
5gのポリエステルがホットプレス装置にて円盤状測定サンプルを作って、蛍光X線元素分析装置にてSi元素量を測定した。
(4)耐加水分解性
155℃×100%RH×4hrの条件でポリエステル樹脂組成物(ペレット、繊維)を処理して、その後に温度20℃×60%RHの環境中に24hr放置した後に、以下の指標を測定する。また、ポリエステル樹脂組成物(フィルム)は、125℃×100%RH×48hrの条件で処理を行い、その後20℃×60%RH×24hrの環境下に置いた後、以下の指標にて測定を行った。
A): ペレット状ポリエステル樹脂組成物のΔCOOH(eq/ton)
ΔCOOH(eq/ton)=|COOH処理後−COOH処理前 |
ΔCOOH量が低いほど、耐加水分解性が良好である。
B):繊維:ペレット状ポリエステル樹脂組成物(以下、「ペレット」と記載)を、乾燥空気を熱媒として105℃で6hr乾燥、その後真空下150℃で真空乾燥24hrし、ペレット中の水分率を50ppm以下とする。該ペレットを溶融紡糸機(TMT製)のメルトホッパーに投入し、溶融してギアポンプにて計量、排出し、内蔵された紡糸パックに溶融ポリマーを導き、紡糸口金から紡出した。紡糸温度はポリマーの融点や溶融粘度により280〜295℃の範囲で適宜調整した。特に式(4)に示すジシラノール化合物共重合の場合は紡糸温度を280℃とし、ホモPETの場合は紡糸温度290℃で実施した。
また紡出後にユニフロータイプのチムニーにて温度20℃、風速25m/分にて糸条を冷却固化し、ガイド給油装置により紡糸油剤を付与した。紡糸油剤にはポリエーテル化合物15、水85の割合で混合した含水油剤を糸に対して4.7重量%付着させた(純油分として0.7%owf)。さらに巻き取り糸の残留伸度が約150%になるように第1ゴデットロールと第2ゴデットロールを同一速度で速度範囲1800〜4000m/分の範囲で調整し84デシテックス、24フィラメントの未延伸糸を得た。
次に、横型1錘延伸機を使用し、1ホットロール温度90℃、2ホットロール温度130℃、延伸倍率1.5倍とし、延伸速度500m/分の速度で延伸して、56デシテックス、24フィラメントのポリエステル繊維を得た。
この得られたポリエステル繊維及び、加水分解処理後の繊維の伸度、強度を(6)に示す方法で測定し、下記式にてタフネス保持率を算出した。
155℃×100%RH×4hrの条件でポリエステル樹脂組成物(ペレット、繊維)を処理して、その後に温度20℃×60%RHの環境中に24hr放置した後に、以下の指標を測定する。また、ポリエステル樹脂組成物(フィルム)は、125℃×100%RH×48hrの条件で処理を行い、その後20℃×60%RH×24hrの環境下に置いた後、以下の指標にて測定を行った。
A): ペレット状ポリエステル樹脂組成物のΔCOOH(eq/ton)
ΔCOOH(eq/ton)=|COOH処理後−COOH処理前 |
ΔCOOH量が低いほど、耐加水分解性が良好である。
B):繊維:ペレット状ポリエステル樹脂組成物(以下、「ペレット」と記載)を、乾燥空気を熱媒として105℃で6hr乾燥、その後真空下150℃で真空乾燥24hrし、ペレット中の水分率を50ppm以下とする。該ペレットを溶融紡糸機(TMT製)のメルトホッパーに投入し、溶融してギアポンプにて計量、排出し、内蔵された紡糸パックに溶融ポリマーを導き、紡糸口金から紡出した。紡糸温度はポリマーの融点や溶融粘度により280〜295℃の範囲で適宜調整した。特に式(4)に示すジシラノール化合物共重合の場合は紡糸温度を280℃とし、ホモPETの場合は紡糸温度290℃で実施した。
また紡出後にユニフロータイプのチムニーにて温度20℃、風速25m/分にて糸条を冷却固化し、ガイド給油装置により紡糸油剤を付与した。紡糸油剤にはポリエーテル化合物15、水85の割合で混合した含水油剤を糸に対して4.7重量%付着させた(純油分として0.7%owf)。さらに巻き取り糸の残留伸度が約150%になるように第1ゴデットロールと第2ゴデットロールを同一速度で速度範囲1800〜4000m/分の範囲で調整し84デシテックス、24フィラメントの未延伸糸を得た。
次に、横型1錘延伸機を使用し、1ホットロール温度90℃、2ホットロール温度130℃、延伸倍率1.5倍とし、延伸速度500m/分の速度で延伸して、56デシテックス、24フィラメントのポリエステル繊維を得た。
この得られたポリエステル繊維及び、加水分解処理後の繊維の伸度、強度を(6)に示す方法で測定し、下記式にてタフネス保持率を算出した。
タフネス保持率が高いほど、耐加水分解性の良好な繊維である。
C)フィルム:ペレット状ポリエステル樹脂組成物を130℃で7hr真空乾燥して、窒素雰囲気下で押出機に供給し、押出温度280℃でTダイから吐出させ、キャスティングドラム(20℃)にて急冷、静電印加法にてシート化した。その後、110℃の温度条件で3.6倍率の縦延伸を実施し、後に210℃の条件で3.6倍率の横延伸を実施する。そのあと、210℃で数秒の熱セッを実施して二軸延伸フィルムを得た。この得られたポリエステルフィルム及び、加水分解処理後のフィルムの伸度を(7)に示す方法にて測定し、下記式にて伸度保持率を算出した。
C)フィルム:ペレット状ポリエステル樹脂組成物を130℃で7hr真空乾燥して、窒素雰囲気下で押出機に供給し、押出温度280℃でTダイから吐出させ、キャスティングドラム(20℃)にて急冷、静電印加法にてシート化した。その後、110℃の温度条件で3.6倍率の縦延伸を実施し、後に210℃の条件で3.6倍率の横延伸を実施する。そのあと、210℃で数秒の熱セッを実施して二軸延伸フィルムを得た。この得られたポリエステルフィルム及び、加水分解処理後のフィルムの伸度を(7)に示す方法にて測定し、下記式にて伸度保持率を算出した。
伸度保持率が高いほど、耐加水分解性の良好なフィルムである。
(5)ポリエステルのCOOH量
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice, F.Huizinga, Anal.Chem.Acta, 22 363 (1960))
(6)繊維強度と伸度
引張試験機(INTEC.Co.LTD製RCT−1225A型)を用い、JIS L1013(2010)(化学繊維フィラメント糸試験方法)に示される定速伸長条件で測定した。なお、破断伸度はS−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。サンプル長及び引張速度は以下のとおり。
サンプル長:長さ20cm、引張速度200m/分;
(7)フィルムの伸度
ASTM−D882(1997)方法にて測定する。
サンプル:1cm×20cm、引張速度200mm/分
測定環境:23℃、65%RH
(8)ポリエステルの固有粘度(IV)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice, F.Huizinga, Anal.Chem.Acta, 22 363 (1960))
(6)繊維強度と伸度
引張試験機(INTEC.Co.LTD製RCT−1225A型)を用い、JIS L1013(2010)(化学繊維フィラメント糸試験方法)に示される定速伸長条件で測定した。なお、破断伸度はS−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。サンプル長及び引張速度は以下のとおり。
サンプル長:長さ20cm、引張速度200m/分;
(7)フィルムの伸度
ASTM−D882(1997)方法にて測定する。
サンプル:1cm×20cm、引張速度200mm/分
測定環境:23℃、65%RH
(8)ポリエステルの固有粘度(IV)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(9)耐熱性
150℃で3hr真空乾燥し、その後180℃で7.5hr真空乾燥したペレット状のポリエステル樹脂組成物を、窒素雰囲気下、300℃で60分溶融した。この処理前後のIV及びCOOH末端基量を測定し、耐熱性評価を実施した。
δCOOH =|COOH処理後−COOH処理前|
δIV = |IV処理後−IV処理前 |
δCOOH及びδIVが低いほど、耐熱性が良好である。
150℃で3hr真空乾燥し、その後180℃で7.5hr真空乾燥したペレット状のポリエステル樹脂組成物を、窒素雰囲気下、300℃で60分溶融した。この処理前後のIV及びCOOH末端基量を測定し、耐熱性評価を実施した。
δCOOH =|COOH処理後−COOH処理前|
δIV = |IV処理後−IV処理前 |
δCOOH及びδIVが低いほど、耐熱性が良好である。
(10)ポリシロキサン由来のSi元素比率
ポリエステル樹脂組成物を溶媒(HFIP−d2)に溶解し、日本電子社製JMM GX−270により 29Si−NMRを測定した。
得られたスペクトルは、D0:Ph2Si(OR)2、 D1:Ph2Si(OR)(OSi)、D2:Ph2Si(OSi)2(RはHまたはアルキル)由来のピークに分類し、D1、D2をポリシロキサン由来とし、ピーク面積比からポリシロキサン由来のSi元素比率を計算した。
実施例中で使用した化合物の略名:
1:ジメチルエステルテレフタレート (DMT)
2.ナフタレンジカルボン酸ジメチル(DMN)
3:テレフタル酸(TPA)
4:エチレングリコール(EG)
5:使用した本発明のジシラノール化合物
ポリエステル樹脂組成物を溶媒(HFIP−d2)に溶解し、日本電子社製JMM GX−270により 29Si−NMRを測定した。
得られたスペクトルは、D0:Ph2Si(OR)2、 D1:Ph2Si(OR)(OSi)、D2:Ph2Si(OSi)2(RはHまたはアルキル)由来のピークに分類し、D1、D2をポリシロキサン由来とし、ピーク面積比からポリシロキサン由来のSi元素比率を計算した。
実施例中で使用した化合物の略名:
1:ジメチルエステルテレフタレート (DMT)
2.ナフタレンジカルボン酸ジメチル(DMN)
3:テレフタル酸(TPA)
4:エチレングリコール(EG)
5:使用した本発明のジシラノール化合物
(実施例1)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール58重量部(ジカルボン酸成分の1.9倍モル)、酢酸マンガン4水和物0.07重量部、および三酸化二アンチモン0.03重量部をエステル交換反応装置に仕込み、150℃で溶解した。この溶解物を240℃まで3時間かけて昇温しながら、メタノールを留出させた。所定のメタノールが留出したところで、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応が終了した反応物に、式(4)に示すジシラノール化合物をジカルボン酸成分に対し0.2mol%添加し、5分後、リン酸0.019重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026重量部/エチレングリコール1.6重量部の混合物を添加し、重合装置に移送した。
重合装置内温度を、120分かけて235℃から300℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧し、エチレングリコールを留出させた。固有粘度0.7相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部より冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表1に示す。
実施例1にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール58重量部(ジカルボン酸成分の1.9倍モル)、酢酸マンガン4水和物0.07重量部、および三酸化二アンチモン0.03重量部をエステル交換反応装置に仕込み、150℃で溶解した。この溶解物を240℃まで3時間かけて昇温しながら、メタノールを留出させた。所定のメタノールが留出したところで、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応が終了した反応物に、式(4)に示すジシラノール化合物をジカルボン酸成分に対し0.2mol%添加し、5分後、リン酸0.019重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026重量部/エチレングリコール1.6重量部の混合物を添加し、重合装置に移送した。
重合装置内温度を、120分かけて235℃から300℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧し、エチレングリコールを留出させた。固有粘度0.7相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部より冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表1に示す。
実施例1にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
(実施例2〜6、比較例1〜3)
ジシラノール化合物の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表1に示す。
実施例2〜5で得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。また、実施例6にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していたが、ジシラノール化合物の添加量が実施例1に比べ多いため、吐出がやや不安定で収量がやや少なかった。
比較例1にて得られたポリエステル樹脂組成物は、ジシラノール化合物を共重合していないため、十分な耐加水分解性及び耐熱性が得られなかった。
比較例2にて得られたポリエステル樹脂組成物は、ジシラノール化合物の添加量が少なかったため、十分な耐加水分解性及び耐熱性が得られなかった。
比較例3では、ジシラノール化合物を実施例1に比べ多量に添加したので、ゲル化が進行し、目的のポリエステル樹脂を得ることができなかった。
ジシラノール化合物の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表1に示す。
実施例2〜5で得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。また、実施例6にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していたが、ジシラノール化合物の添加量が実施例1に比べ多いため、吐出がやや不安定で収量がやや少なかった。
比較例1にて得られたポリエステル樹脂組成物は、ジシラノール化合物を共重合していないため、十分な耐加水分解性及び耐熱性が得られなかった。
比較例2にて得られたポリエステル樹脂組成物は、ジシラノール化合物の添加量が少なかったため、十分な耐加水分解性及び耐熱性が得られなかった。
比較例3では、ジシラノール化合物を実施例1に比べ多量に添加したので、ゲル化が進行し、目的のポリエステル樹脂を得ることができなかった。
(実施例7〜15、比較例4〜6)
触媒の種類、添加量を変更した以外は、実施例3と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例7は、実施例3に比べて酢酸マンガンの添加量を減らしたが、得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例8は、実施例3のNaH2PO4・2aqの替わりにKH2PO4をリン元素量として同量添加したほかは実施例3と同様動揺にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例9は、実施例3のNaH2PO4・2aqの替わりにLiH2PO4をリン元素量として同量添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例10は、実施例3の酢酸マンガン4水和物の替わりに酢酸マグネシウム4水和物を等モル添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例11は、実施例3の酢酸マンガン4水和物の替わりに酢酸カルシウム1水和物を等モル添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例12は、実施例3の酢酸マンガン4水和物の替わりに酢酸コバルト4水和物を等モル添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例13は、実施例3の三酸化二アンチモンの替わりにテトラエトキシチタネートをTi元素量として20ppm相当添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例14は、実施例3の三酸化二アンチモンの替わりに二酸化ゲルマニウムをGe元素量として275ppm相当添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例15は、実施例3の酢酸マンガン4水和物添加量を0.035重量部、三酸化二アンチモンを0.02重量部、リン酸を0.0095重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物を0.013重量部/エチレングリコール0.8重量部の混合物として添加した他は同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
比較例4は、実施例3の酢酸マンガン4水和物添加量を0重量部とした以外は同様にしてポリエステル組成物を得た。初期COOH末端量が大きく、十分な耐熱性、耐加水分解性を得ることができなかった。
比較例5は、実施例3の酢酸マンガン4水和物添加量を0.14重量部とした以外は同様にポリエステル組成物を得た。残存触媒量が多く、十分な耐熱性、耐加水分解性を得ることができなかった。
比較例6は、実施例3のリン酸の添加量を0.038重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物を0重量部とした他は同様にポリエステル組成物を得た。1価の金属化合物を含有していないため、耐加水分解性は不十分であった。
触媒の種類、添加量を変更した以外は、実施例3と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例7は、実施例3に比べて酢酸マンガンの添加量を減らしたが、得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例8は、実施例3のNaH2PO4・2aqの替わりにKH2PO4をリン元素量として同量添加したほかは実施例3と同様動揺にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例9は、実施例3のNaH2PO4・2aqの替わりにLiH2PO4をリン元素量として同量添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例10は、実施例3の酢酸マンガン4水和物の替わりに酢酸マグネシウム4水和物を等モル添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例11は、実施例3の酢酸マンガン4水和物の替わりに酢酸カルシウム1水和物を等モル添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例12は、実施例3の酢酸マンガン4水和物の替わりに酢酸コバルト4水和物を等モル添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例13は、実施例3の三酸化二アンチモンの替わりにテトラエトキシチタネートをTi元素量として20ppm相当添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例14は、実施例3の三酸化二アンチモンの替わりに二酸化ゲルマニウムをGe元素量として275ppm相当添加したほかは実施例3と同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
実施例15は、実施例3の酢酸マンガン4水和物添加量を0.035重量部、三酸化二アンチモンを0.02重量部、リン酸を0.0095重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物を0.013重量部/エチレングリコール0.8重量部の混合物として添加した他は同様にポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
比較例4は、実施例3の酢酸マンガン4水和物添加量を0重量部とした以外は同様にしてポリエステル組成物を得た。初期COOH末端量が大きく、十分な耐熱性、耐加水分解性を得ることができなかった。
比較例5は、実施例3の酢酸マンガン4水和物添加量を0.14重量部とした以外は同様にポリエステル組成物を得た。残存触媒量が多く、十分な耐熱性、耐加水分解性を得ることができなかった。
比較例6は、実施例3のリン酸の添加量を0.038重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物を0重量部とした他は同様にポリエステル組成物を得た。1価の金属化合物を含有していないため、耐加水分解性は不十分であった。
(実施例16)
ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール51重量部(ジカルボン酸成分の2.0倍モル)、酢酸マンガン4水和物0.07重量部、および三酸化二アンチモン0.03重量部をエステル交換反応装置に仕込み、180℃で溶解した。この溶解物を240℃まで3時間かけて昇温しながら、メタノールを留出させた。所定のメタノールが留出したところで、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応が終了した反応物に、式(4)に示すジシラノール化合物をジカルボン酸成分に対し4.0mol%添加し、5分後、リン酸0.019重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026重量部/エチレングリコール1.6重量部の混合物を添加し、重合装置に移送した。
重合装置内温度を、120分かけて235℃から300℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧し、エチレングリコールを留出させた。固有粘度0.7相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部より冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例16にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール51重量部(ジカルボン酸成分の2.0倍モル)、酢酸マンガン4水和物0.07重量部、および三酸化二アンチモン0.03重量部をエステル交換反応装置に仕込み、180℃で溶解した。この溶解物を240℃まで3時間かけて昇温しながら、メタノールを留出させた。所定のメタノールが留出したところで、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応が終了した反応物に、式(4)に示すジシラノール化合物をジカルボン酸成分に対し4.0mol%添加し、5分後、リン酸0.019重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026重量部/エチレングリコール1.6重量部の混合物を添加し、重合装置に移送した。
重合装置内温度を、120分かけて235℃から300℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧し、エチレングリコールを留出させた。固有粘度0.7相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部より冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例16にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
(実施例17)
予めエステル化反応装置にビスヒドロキシエチルテレフタレート105重量部(PET100重量部相当)を仕込んだ反応系内の温度を245〜255℃に保ちつつ、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部からなるスラリーをスネークポンプにて反応系内に供給し、エステル化反応を進めて水を留出させた。エステル化反応率が95%に到達した段階で、エステル化反応を終了し、得られたエステル化反応物105重量部(PET100重量部相当)を重合装置へ移送した。
酢酸マンガン4水和物0.07重量部、および三酸化二アンチモン0.03重量部を添加し、5分後ジシラノール化合物をジカルボン酸成分に対し4.0mol%添加した。その後、リン酸0.019重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026重量部/エチレングリコール1.6重量部の混合物を添加した。重合装置内温度を、120分かけて235℃から300℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から徐々に減圧し、エチレングリコールを留出させた。固有粘度0.7相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部より冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例17にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
予めエステル化反応装置にビスヒドロキシエチルテレフタレート105重量部(PET100重量部相当)を仕込んだ反応系内の温度を245〜255℃に保ちつつ、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部からなるスラリーをスネークポンプにて反応系内に供給し、エステル化反応を進めて水を留出させた。エステル化反応率が95%に到達した段階で、エステル化反応を終了し、得られたエステル化反応物105重量部(PET100重量部相当)を重合装置へ移送した。
酢酸マンガン4水和物0.07重量部、および三酸化二アンチモン0.03重量部を添加し、5分後ジシラノール化合物をジカルボン酸成分に対し4.0mol%添加した。その後、リン酸0.019重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026重量部/エチレングリコール1.6重量部の混合物を添加した。重合装置内温度を、120分かけて235℃から300℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から徐々に減圧し、エチレングリコールを留出させた。固有粘度0.7相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部より冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例17にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していた。
(実施例18)
実施例3の添加量に相当するジシラノール化合物をナスフラスコに入れ、エバポレーターを用い、105℃水浴にて30分間減圧下で水留出を行い、縮合反応を行った。ジシラノール化合物の替わりに縮合生成物を添加した他は実施例3同様にポリエステル樹脂組成物を得た。
実施例18にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していたが、含有Si成分のポリシロキサン由来の比率が高いため、他の実施例に比較して耐加水分解性がやや劣っていた。
実施例3の添加量に相当するジシラノール化合物をナスフラスコに入れ、エバポレーターを用い、105℃水浴にて30分間減圧下で水留出を行い、縮合反応を行った。ジシラノール化合物の替わりに縮合生成物を添加した他は実施例3同様にポリエステル樹脂組成物を得た。
実施例18にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐加水分解性及び耐熱性を有していたが、含有Si成分のポリシロキサン由来の比率が高いため、他の実施例に比較して耐加水分解性がやや劣っていた。
Claims (9)
- 含有されるSi元素のうち、ポリシロキサン由来のSi元素が50モル%未満であることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物。
- Na、Li、Kから選ばれるアルカリ金属化合物の少なくとも1種、Mg,Ca,Mn、Coから選ばれる二価の金属化合物の少なくとも1種、およびSb、Ti、Geから選ばれる重合触媒能を有する金属化合物の少なくとも1種を、金属元素の合計量で30ppm以上500ppm以下、およびリン化合物をリン元素換算で5ppm以上200ppm以下含有することを特徴とする請求項1または2記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物。
- 芳香族ポリエステルのジカルボン酸成分が主としてテレフタル酸、およびジオール成分がエチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物。
- カルボン酸末端基量が20eq/t以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物。
- 窒素雰囲気下、300℃で60分溶融したときのCOOH末端基増加量δCOOHおよびIV低下量δIVが式III,IVを満たすことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物。
δCOOH ≦ 30.0(eq/ton) (III)
δIV ≦ 0.09 (IV) - 155℃、100%RHで4時間処理したときのCOOH末端基増加量ΔCOOHが式Vを満たすことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物。
ΔCOOH ≦ 40.0(eq/ton) (V) - 請求項1〜7いずれかのポリエステルからなる繊維またはフィルム。
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