JP2014118522A - 接着剤組成物、接着方法、接着物およびその解体方法 - Google Patents

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賢 下之薗
Seiichi Sato
聖一 佐藤
Yasuyuki Takano
泰行 高野
Akihiro Ishikawa
明弘 石川
Hidehiro Yanagibashi
秀広 柳橋
Kenji Minami
賢治 南
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Abstract

【課題】様々な用途に使用可能となる接着剤組成物、同一または異なる材料からなる2つの部材を接着する方法、該方法により得られる接着物、並びに良好な作業環境下、簡単かつ低コストで該2つの部材を解体する解体方法を提供すること。
【解決手段】常温硬化型接着剤と、波長500〜2500nmの光を選択的に吸収する光吸収剤とを含む接着剤組成物とする。同一または異なる材料からなる2つの板状部材502,504を接着剤組成物からなる接着剤層204を介して接着して接着物22を得て、該接着物22を解体する際には、前記接着物の接着剤層204に波長500〜2500nmの光を照射し、前記接着剤層204を分解し、2つの板状部材502,504を分離し、解体する。
【選択図】図7

Description

本発明は、接着剤組成物、接着方法、接着物およびその解体方法に関し、詳しくは、同一または異なる材料からなる2つの部材を容易に接着させ、様々な用途に使用可能となる接着剤組成物、接着方法および接着物、並びに良好な作業環境下、簡単かつ低コストで該2つの部材を解体する解体方法に関する。
近年、世界的に環境問題が重視され、特に地球温暖化防止の観点からCO排出量の削減が求められている。そのため、あらゆる分野において石油資源の使用量を減少させ、資源循環型社会を形成しようとする試みが多くなされている。
一方、同一または異なる材料からなる2つの部材を接着剤により接着させてなる接着物は、数多くの用途、例えば建材用、電気電子部品用、自動車用、事務用等に用いられている。このような接着物の使用後は、通常廃棄処分とされるが、上記のような資源循環型社会を形成するという観点から、該接着物を解体しリサイクルすることが各業界で求められている。
このような要求を満たすために、例えば、(メタ)アクリレートを含有してなる接着剤組成物を介して2つの部材を接着した接着物に対し、中心波長1〜300nmのエキシマ光を照射し、該接着体を解体する方法(特許文献1参照)、離型剤及び発泡剤を含有するエポキシ系接着剤組成物を介して2つの部材を接着した接着物に対し、加熱工程を行って発泡剤を発泡させ、該接着体を解体する方法(特許文献2参照)、(メタ)アクリル樹脂組成物からなる易解体性接着剤を介して2つの部材を接着した接着物に対し、加熱工程または水への浸漬工程を行って該接着物を解体する方法(特許文献3参照)、および通電剥離性接着剤を介して2つの部材を接着した接着物に対し、通電工程を行って該接着物を解体する方法(特許文献4参照)等が開示されている。
また、特許文献5には、基材上に熱膨張性微小球を含む熱膨張性層が設けられた加熱剥離型粘着シートを、被着体に接着させ、該被着体の解体時は加熱により熱膨張性微小球を膨張させ、解体する方法が開示されている。そして、特許文献6には、2つの部材間に特定の成分を含む熱硬化性のエポキシ系接着剤を塗布し、レーザ光の照射により該接着剤を硬化させる技術が開示されている。
国際公開第2011/158654号 特開2003−286464号公報 特開2010−248353号公報 特開2010−59385号公報 特開平11−302610号公報 特開2010−180352号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、大気中でエキシマ光を照射すると有害なオゾンが発生し、また接着される基材がガラスやアクリル樹脂である場合、エキシマ光の透過率が大幅に低下し、接着物の解体が困難になるという問題がある。特許文献2の技術では、接着物の解体時に接着物全体を加熱する必要があり、多くのエネルギーを消費するとともに、接着物の耐熱性が低い場合には当該技術を適用できず、また離型剤の添加により接着強度が犠牲になるという問題がある。また、特許文献3の技術では、接着物の耐熱性が低い場合や、水と接触する可能性のある場合には当該技術を適用できないという問題があり、特許文献4の技術では、接着物の部材が導電性のものに限定され、ガラスやプラスチックの部材を使用することができず、また、接着物に通電用のリード線を接続する必要があり、手間がかかるという問題がある。
そして、特許文献5の技術では、熱膨張性微小球を使用するため、接着強度が低下する場合があり、また、熱膨張性微小球が膨張する前に接着剤を軟化させ、接着強度を低下させておく必要があるため、熱膨張性微小球の膨張温度に合わせて接着剤の物性調整・開発等が新たに必要となる。さらにシートの剥離時は接着物全体を加熱する必要があり、接着物の耐熱性が低い場合には当該技術を適用できず、また、コストが高くなるという問題がある。
特許文献6の技術では、急激な硬化反応に伴う硬化収縮の増加により、接着性低下の不具合が生じる場合があり、また、接着剤は熱硬化性のものに限定される。
上記したように、従来技術ではいずれも、接着するべき同一または異なる材料からなる2つの部材を高い自由度で選択できず、また該部材同士を良好に接着させることができないという問題があった。
また接着物の解体時においても、良好な作業環境下で、簡単かつ低コストで解体することは困難であった。
さらに接着剤についても、従来技術の多くはアクリル系やエポキシ系等、その種類が限定され、各種用途における必要性能を獲得するには制限があった。
したがって本発明の目的は、上記のような従来の課題を解決し、様々な用途に使用可能となる接着剤組成物、同一または異なる材料からなる2つの部材を接着する方法、該方法により得られる接着物、並びに良好な作業環境下、簡単かつ低コストで該2つの部材を解体する解体方法を提供することにある。
本発明者らは、常温硬化型接着剤と特定の波長の光を選択的に吸収する光吸収剤とを含有する接着剤組成物が優れた接着力を有するとともに、容易に解体できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)常温硬化型接着剤と、波長500〜2500nmの光を選択的に吸収する光吸収剤とを含む接着剤組成物。
(2)前記光吸収剤が、可視光線吸収剤および赤外線吸収剤のうちの少なくとも一方である前記(1)に記載の接着剤組成物。
(3)前記光吸収剤が、赤外線吸収剤である前記(1)又は前記(2)に記載の接着剤組成物。
(4)前記光吸収剤の含有量が、組成物中、0.1〜20質量%である前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
(5)同一または異なる材料からなる2つの部材を接着剤層を介して接着する方法であって、
前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の接着剤組成物を一方の部材に塗布し、前記接着剤組成物により形成された接着剤層を介して他方の部材を密着させる工程、
前記接着剤層を硬化する工程
を含む接着方法。
(6)前記(5)に記載の接着方法により接着された同一または異なる材料からなる2つの部材の接着物。
(7)前記(6)に記載の接着物を解体する方法であって、
前記接着物の接着剤層に波長500〜2500nmの光を照射し、前記接着剤層を分解し、前記同一または異なる材料からなる2つの部材を分離し、解体する工程
を含む解体方法。
本発明では、常温硬化型接着剤を使用するため、多くの種類の接着剤を選択することができ、接着するべき同一または異なる材料からなる2つの部材を高い自由度で選択でき、各種用途における必要性能を容易に獲得することができる。
また、該2つの部材の解体時は、接着物の接着剤層に波長500〜2500nmの光を照射し、前記接着剤層を分解するものであるため、接着物全体を加熱する従来の方法に比べて、エネルギーの消費量が少なく、コスト的に有利となる。また有害なオゾンを発生することもなく、良好な作業環境を提供することができる。さらに該2つの部材の解体時は、接着物の接着剤層に波長500〜2500nmの光を照射し、前記接着剤層を分解するものであるため、接着剤層以外の部分にはダメージが少なく、部材のリサイクル性を妨げることがない。さらにまた、接着剤自体を分解するため、高接着強度を付与する接着剤を使用した場合でも容易に解体が可能であり、接着剤の物性調整等の必要もない。
さらに解体後は、該2つの部材に残存する接着剤は分解して低分子化しているため、洗浄により容易に除去でき、部材のリサイクルが容易となる。
本発明の接着剤組成物を調製する方法の一例を説明するための図である。 本発明の接着方法の一例を説明するための図である。 本発明の解体方法の一例を説明するための図である。 接着強度を測定するための試験片を作成する手順を示す図である。 接着強度の測定方法を説明するための図である。 解体試験を行なうための試験片を作成する手順を示す図である。 解体試験方法を説明するための図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の接着剤組成物は、常温硬化型接着剤と、波長500〜2500nmの光を選択的に吸収する光吸収剤とを含むものである。
常温硬化型接着剤としては、公知の常温硬化型接着剤を使用することができ、例えば、ホットメルト接着剤、湿気硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤、2液混合型接着剤、光硬化型接着剤、溶剤型接着剤、水性形接着剤等が挙げられる。
ホットメルト接着剤としては、例えば、ポリウレタン樹脂系接着剤、ポリオレフィン樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤、ポリアミド樹脂系接着剤、スチレン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、EVA樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ポリビニルアルコール樹脂系接着剤、ポリビニルアセタール樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂系接着剤、セルロース樹脂系接着剤、ポリビニルブチラール系接着剤、ポリメタクリレート系接着剤等が挙げられ、湿気硬化型接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、シアノアクリレート樹脂系接着剤等が挙げられ、嫌気硬化型接着剤としては、例えば、変性アクリル樹脂系接着剤等が挙げられ、2液混合型接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系型接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等が挙げられ、光硬化型接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤等が挙げられ、溶剤型接着剤としては、例えば、クロロプレンゴム系接着剤、二トリルゴム系接着剤、スチレン/ブタジエン共重合ゴム系接着剤、スチレン/ブタジエンブロック重合ゴム系接着剤、スチレン/イソプレンブロック重合ゴム系接着剤、ブチルゴム系接着剤、ポリサルファイド系接着剤、シリコンゴム系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤、塩素化ポリエチレン樹脂系接着剤、ポリクロロプレン/アクリルグラフト樹脂系接着剤、天然ゴム系接着剤等が挙げられ、水性形接着剤としては、例えば、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、レゾルシノール樹脂系接着剤、水性高分子−イソシアネート系接着剤、α−オレフィン無水マレイン酸樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤、EVA樹脂系エマルジョン形接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤ウレタン樹脂系エマルジョン形接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン形接着剤、クロロプレンゴム系ラテックス形接着剤、二トリルゴム系ラテックス形接着剤、天然ゴム系ラテックス形接着剤等が挙げられる。
波長500〜2500nmの光を選択的に吸収する光吸収剤としては、照射する光の波長に応じて公知の材料の中から適宜選択すればよい。光吸収剤としては、例えば、可視光線吸収色素、赤外線吸収剤等が好適であり、中でもカーボンブラック、複素環状ポルフィラジン化合物、共役複素環化合物、酸化鉄、アンチモンドープ酸化スズ、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、黒色含金塗料、アジン系塗料、ニグロシン系化合物等の赤外線吸収剤が好ましい。
本発明の接着剤組成物において、光吸収剤の含有量は、接着剤組成物全体の質量に対し、例えば0.1質量%以上であり、好ましくは0.1〜20質量%であり、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
接着剤組成物中、光吸収剤の含有量が上記範囲であれば、下記で説明する接着物の解体時に光吸収剤が光を吸収して発熱し、接着剤層を容易に分解することができる。
また本発明の接着剤組成物は、必要に応じて公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、増粘剤、チキソトロピック剤、難燃剤、消泡剤、防錆剤等を挙げることができる。
本発明の接着剤組成物は、公知の方法により調製することができるが、例えば図1に示すような方法により調製することができる。図1(a)に示したように、容器15中に常温硬化型接着剤102および光吸収剤104を投入し、続いて図1(b)に示したように、攪拌羽根16によって容器15中の常温硬化型接着剤102および光吸収剤104を十分に攪拌することにより、本発明の接着剤組成物20を調製することができる。なお、必要に応じて前記の添加剤を常温硬化型接着剤102および光吸収剤104とともに添加してもよい。
次に、本発明の接着方法および接着物について説明する。
本発明の接着方法は、同一または異なる材料からなる2つの部材を接着剤層を介して接着する方法であり、本願発明の接着剤組成物を一方の部材に塗布し、該部材上に接着剤組成物により形成された接着剤層を形成し、さらに形成された接着剤層上に他方の部材を密着させる工程と、続いて前記接着剤層を硬化する工程とを含む。
同一または異なる材料からなる2つの部材としては、特に限定されないが、例えば、各種プラスチックを含む樹脂類;ガラス類;鉄、ステンレス、アルミニウムのような金属類等を挙げることができる。これらの部材は、前記のように同一または異なる組み合わせであることができる。なお、下記で説明する接着物の解体時は、接着剤層における光吸収剤が光を吸収する必要があるため、少なくとも一方の部材が照射する光を透過する性質を有することが好ましい。
前記一方の部材上に接着剤組成物を塗布する方法としては、特に制限されないが、例えば、各種コーターを使用したコーティング法、ディスペンサを用いる滴下法等を挙げることができる。
図2は、本発明の接着方法の一例を説明するための図である。
まず、図2(a)に示したように、図1のように調製された接着剤組成物20をディスペンサ12に充填する。続いて図2(b)に示したように、ディスペンサ12から一方の部材202上に接着剤組成物20を滴下し、接着剤層204を形成する。次に図2(c)に示したように、他方の部材206を接着剤層204を介して一方の部材202と密着させ、接着剤層204を硬化させ、接着物22が得られる。
接着剤層204の厚さは、同一または異なる材料からなる2つの部材の種類やサイズによって適宜決定すればよいが、例えば10〜500μmである。
次に、本発明の接着物の解体方法について説明する。
本発明の接着物の解体方法は、前記のように作製された接着物を解体する方法であって、前記接着物の接着剤層に波長500〜2500nmの光を照射し、前記接着剤層を分解し、前記同一または異なる材料からなる2つの部材を分離し、解体する工程を含む。
前記光としては、例えば、赤外線、可視光線等が挙げられ、本発明では、有害なオゾン等を発生することがなく、部材の解体性が有利となるという観点から、波長780〜2500nmの赤外線光を照射することが好ましい。この場合、光吸収剤としては、前記の赤外線吸収剤を好適に用いることができる。
図3は、本発明の解体方法の一例を説明するための図である。図3で例示する解体方法は、赤外線光を照射する形態について説明するものである。
まず、図3(a)に示したように、図2のように作製された接着物22を準備し、赤外線照射装置10を矢印Y方向に移動させながら、赤外線光Lを接着剤層204に照射する。この場合、他方の部材206は、赤外線光Lを透過する材料である。この工程により、接着剤層204中の光吸収剤が、赤外線光Lを吸収して発熱し、接着剤層204の接着剤が分解される。続いて、図3(b)に示したように、接着強度を失った接着剤層204から一方の部材202および他方の部材206を分離する。一方の部材202および他方の部材206は、リサイクル化することができる。
赤外線照射装置10が赤外線レーザ光を発生する場合、そのレーザ光のパワー密度は、例えば1.3〜6.5W/mmであり、好ましくは2.0〜3.9W/mmである。レーザーエネルギーは、例えば0.4〜6.0J/mmであり、好ましくは、0.6〜4.0J/mmである。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
(試験例1)
<接着剤組成物の調製>
常温硬化型接着剤として、以下の3種類を用いた。
(1)エポキシ系2液混合型接着剤:EP001(商品名、セメダイン株式会社製、23℃での粘度:主剤14Pa・s、硬化剤18Pa・s)
(2)シリコーン系湿気硬化型接着剤:スーパーX(商品名、セメダイン株式会社製、23℃での粘度:80Pa・s)
(3)ウレタン系ホットメルト接着剤:PNR−245(商品名、DIC製、110℃での粘度:55〜80Pa・s)
光吸収剤としては、カーボンブラック1(東海カーボン株式会社製7350F)またはカーボンブラック2(東海カーボン株式会社製7360SB)を用いた。
接着する部材としては、ポリカーボネート板と、アクリル塗装またはウレタン塗装されたアクリル板または塗装のないガラス板を使用した。
前記各成分を下記の表1に示す配合割合にしたがって配合し、図1に示すような容器15に投入し、攪拌羽根16を回転させて均一に混合し、本発明の接着剤組成物(実施例1〜3)を得た。
Figure 2014118522
<接着剤組成物の接着強度の測定>
図4および図5に示す方法により接着剤組成物の接着強度を測定した。図4は、接着強度を測定するための試験片(接着物)を作製する手順を示すものであり、(a1)〜(c1)は試験片の平面図、(a2)〜(c2)は(a1)〜(c1)の断面図である。
まず、(a1)および(a2)に示す手順1のように、板状部材として中央に円形の開口部403を有するポリカーボネート(PC)板402を準備した。本例では、ポリカーボネート板は、90mm×50mm×厚さ2mmのサイズを有する。また開口部403の直径は12mmである。
続いて、(b1)および(b2)に示す手順2のように、開口部403の周囲に同心円状に実施例1〜3の接着剤組成物をディスペンサ12を用いて滴下し、接着剤層204を形成した。なお接着剤層204の塗布幅は1〜2mm、厚さは0.2mm、直径は25.4mmとした。
次に、(c1)および(c2)に示す手順3のように、他の板状部材としてアクリル塗装またはウレタン塗装されたアクリル板404を、接着剤層204を介してポリカーボネート板402と密着させ、接着物22を作成した。なおアクリル板404のサイズは、50mm×50mm×厚さ3mmである。
各実施例の接着剤組成物について接着物22を2つずつ作製した。
このように作製した試験片(接着物)22を用いて、以下の試験に供した。図5に示すように、接着物22を、アクリル板404が下方となるように、支持体13上に固定した。続いて、ポリカーボネート板402に設けられた開口部403を通して押し棒11を挿入し、アクリル板404と接触させた。なお押し棒は円柱形状であり、その直径は10mmである。次に図示しない接着強度測定装置を用い、押し棒11に荷重をかけ、アクリル板404がその荷重に耐え切れず落下したときの力を測定し、接着強度とした。
結果を表2に示す。
Figure 2014118522
表2の結果から、実施例1〜3の接着剤組成物は、各部材に対し、良好な接着強度を有することが分かった。
(試験例2)
実施例1の接着剤組成物において、光吸収剤の添加量を下記表3に示すように変更して実施例4〜8、および参考例1の接着剤組成物を調製した。上記<接着剤組成物の接着強度の測定>に従い、接着物22を2つずつ作製して、接着強度を測定した。なお、板状部材としてポリカーボネート板402とアクリル塗装したアクリル板404を用いた。結果を表3に示す。
Figure 2014118522
表3の結果より、実施例1、実施例4〜8はいずれも参考例と同様に、光吸収剤の添加量にかかわらず接着強度が維持されていることが分かった。
(試験例3)
実施例3の接着剤組成物において、光吸収剤(カーボンブラック2)の添加量を接着剤組成物全体に対して1質量%として接着剤組成物(実施例9)を作製した。
上記作製した実施例1、2、4〜9、および参考例1の接着剤組成物について解体試験を行った。
図6は、解体試験を行なうための試験片(接着物)を作成する手順を示すものであり、(a1)〜(c1)は試験片の平面図、(a2)〜(c2)は(a1)〜(c1)の断面図である。
まず、(a1)および(a2)に示す手順1のように、板状部材としてポリカーボネート(PC)板502を準備した。本例では、ポリカーボネート板は、90mm×50mm×厚さ2mmのサイズを有する。
続いて、(b1)および(b2)に示す手順2のように、ポリカーボネート板502上に接着剤組成物をディスペンサ12を用いて滴下し、平行する2本の線状の接着剤層204を形成した。なお接着剤層204の長さは30mm〜40mm、塗布幅は1〜2mm、厚さは0.2mmとした。
次に、(c1)および(c2)に示す手順3のように、他の板状部材としてガラス板504を、接着剤層204を介してポリカーボネート板502と密着させ、接着物22を作製した。なおガラス板504のサイズは、50mm×50mm×厚さ1mmである。
このように作製した試験片(接着物)22を用いて、以下の試験に供した。
図7に示したように、接着物22におけるガラス板504に対し、赤外線照射装置10を矢印Y方向に移動させながら、上方から波長940nmの赤外線レーザ光を照射した。なお、赤外線照射条件としては、パワー密度2.6W/mm(照射スポットサイズ1.54mm)、照射速度10mm/s、照射ピッチ0.25mm、照射回数4〜8回(照射幅0.25mm×4〜8回=1〜2mm)、走査回数2回、照射距離50mmとした。この際のレーザー光のエネルギーは3.2J/mmであった。
赤外線レーザ光照射後、接着物22に対し、ガラス板504を手により矢印Z方向に剥離し、リペア性を評価した。
なお、リペア性は、ガラス板504を手により矢印Z方向に剥離した際、ポリカーボネート板が自重のみで剥がれ、且つガラス板に付着した接着剤残渣をアセトンを含浸させたウエスにより容易に除去可能であったものを「○」、剥がれなかったものを「×」として評価した。結果を表4に示す。
Figure 2014118522
表4の結果より、参考例1の接着剤組成物を用いた接着物はガラス板が剥離できず、リペアできなかったのに対し、本発明の接着剤組成物を用いた接着物は優れたリペア性を示し、本発明の接着剤組成物が接着物の解体性能にも優れていることがわかった。
(試験例4)
実施例1の接着剤組成物を用い、試験例3と同様にして解体試験を行なった。ただし、被着体の材質、赤外線の照射条件等を下記表5に示すように変更した。結果を表5に併せて示す。
Figure 2014118522
表5の結果より、本発明の接着剤組成物は、被着体の材質、赤外線の照射条件等に関係なく、接着物の解体性能に優れることがわかった。
10 赤外線照射装置
11 押し棒
12 ディスペンサ
13 支持体
15 容器
16 攪拌羽根
20 接着剤組成物
22 接着物
102 常温硬化型接着剤
104 光吸収剤
202 一方の部材
204 接着剤層
206 他方の部材
402,502 ポリカーボネート板(板状部材)
403 開口部
404 アクリル板(板状部材)
504 ガラス板(板状部材)
L 赤外線光

Claims (7)

  1. 常温硬化型接着剤と、波長500〜2500nmの光を選択的に吸収する光吸収剤とを含むことを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記光吸収剤が、可視光線吸収剤および赤外線吸収剤のうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記光吸収剤が、赤外線吸収剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記光吸収剤の含有量が、組成物中、0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 同一または異なる材料からなる2つの部材を接着剤層を介して接着する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物を一方の部材に塗布し、前記接着剤組成物により形成された接着剤層を介して他方の部材を密着させる工程、
    前記接着剤層を硬化する工程
    を含むことを特徴とする接着方法。
  6. 請求項5に記載の接着方法により接着されたことを特徴とする同一または異なる材料からなる2つの部材の接着物。
  7. 請求項6に記載の接着物を解体する方法であって、
    前記接着物の接着剤層に波長500〜2500nmの光を照射し、前記接着剤層を分解し、前記同一または異なる材料からなる2つの部材を分離し、解体する工程
    を含むことを特徴とする解体方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016077988A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 Dic株式会社 解体方法及びリサイクル部材
JP2019147874A (ja) * 2018-02-26 2019-09-05 国立大学法人大阪大学 解体性接着剤組成物、及び被着体の解体方法

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