JP2014116972A - 電子機器、パネルユニット、電子機器用ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電素子の変形が過剰になることを低減する。
【解決手段】電子機器1は、パネル10と、圧電素子30と、パネル10が取り付けられる筐体60と、前記圧電素子30に取り付けられる中間部材80と、を備え、前記圧電素子30の変形に起因して前記中間部材及び前記パネル10が変形し、当該変形するパネル10に接触する対象物に対して気導音と人体振動音とを伝える。
【選択図】図7

Description

関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、日本国特許出願2012−077674号(2012年3月29日出願)、日本国特許出願2012−076829号(2012年3月29日出願)、日本国特許出願2012−076965号(2012年3月29日出願)、及び日本国特許出願2012−116803号(2012年5月22日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
この発明は、圧電素子に所定の電気信号(音声信号)を印加することでパネルを振動させ、当該パネルの振動を人体に伝達させることにより気導音と人体振動音とを利用者に伝える電子機器に関する。
特許文献1には、携帯電話などの電子機器として、気導音と骨導音とを利用者に伝えるものが記載されている。また、特許文献1には、気導音とは、物体の振動に起因する空気の振動が外耳道を通って鼓膜に伝わり、鼓膜が振動することによって利用者の聴覚神経に伝わる音であることが記載されている。また、特許文献1には、人体振動音とは、振動する物体に接触する利用者の体の一部(例えば外耳の軟骨)を介して利用者の聴覚神経に伝わる音であることが記載されている。
特許文献1に記載された電話機では、圧電バイモルフ及び可撓性物質からなる短形板状の振動体が、筐体の外面に弾性部材を介して取り付けられる旨が記載されている。また、特許文献1には、この振動体の圧電バイモルフに電圧が印加されると、圧電材料が長手方向に伸縮することにより振動体が屈曲振動し、利用者が耳介に振動体を接触させると、気導音と人体振動音とが利用者に伝えられることが記載されている。
特開2005−348193号公報
特許文献1に記載の電子機器は、振動体の圧電素子の変形が過剰になる場合の対策については考慮されていない。
本発明の目的は、圧電素子が破損することを低減できる電子機器およびパネルユニット、電子機器用ユニットを提供することにある。
本発明による電子機器は、パネルと、圧電素子と、前記パネルが取り付けられる筐体と、前記圧電素子に取り付けられる弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記パネルと前記圧電素子との間に配置され、前記圧電素子の長辺方向において当該圧電素子の直上がその周囲と比較して最も隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触する対象物に対して人体振動音を伝えるものである。
前記弾性部材は、第1接合部材により前記パネルに取り付けられるものとしてもよい。
前記第1接合部材は、両面テープもしくは非加熱型硬化性の接着剤であるものとしてもよい。
また、本発明による電子機器は、パネルと、圧電素子と、前記パネルが取り付けられる筐体と、前記圧電素子に取り付けられる弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記パネルに対して前記圧電素子の外側に配置され、前記圧電素子の長辺方向において当該圧電素子の直上がその周囲と比較して最も隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触する対象物に対して人体振動音を伝えるものである。
前記圧電素子は、第2接合部材により前記パネルに取り付けられるものとしてもよい。
前記第2接合部材は、両面テープもしくは非加熱型硬化性の接着剤であるものとしてもよい。
前記弾性部材は、前記圧電素子の側部を覆うものとしてもよい。
前記弾性部材は、前記圧電素子の主面を覆う板状部を有するものとしてもよい。
前記弾性部材は、当該弾性部材の端部が前記圧電素子側に湾曲し、前記圧電素子の側部を覆うものとしてもよい。
前記弾性部材は、前記圧電素子における当該圧電素子が前記パネルに取り付けられる面以外の面を覆うものとしてもよい。
前記弾性部材は、ゴムもしくはシリコンからなるものとしてもよい。
前記変形するパネルに接触する対象物に対して前記人体振動音と気導音とを伝えるものとしてもよい。
前記パネルは、人間の耳の対耳輪下脚から対耳珠までの間の距離に相当する長さと、耳珠から対耳輪までの間の距離に相当する幅とを有する領域よりも広い領域が振動するものとしてもよい。
前記パネルは、表示パネル、操作パネル、カバ一パネル、充電池を取り外し可能とするためのリッドパネルのいずれかの一部または全部を構成するものとしてもよい。
前記パネルが表示パネルのとき、前記圧電素子は、当該表示機能のための表示領域の外側に配置されているものとしてもよい。
前記パネルは、当該パネルのいずれの箇所においても気導音と人体振動音とを伝えるための変形が発生するものとしてもよい。
前記弾性部材は、前記圧電素子の変形が過剰になることを低減する部材であるものとしてもよい。
前記弾性部材は、外力が前記圧電素子に伝達されることを緩和する部材であるものとしてもよい。
前記圧電素子は、バイモルフ型あるいは積層型圧電素子であるものとしてもよい。
前記弾性部材は、第3接合部材により前記圧電素子に取り付けられるものとしてもよい。
前記第3接合部材は、両面テープもしくは非加熱型硬化性の接着剤であるものとしてもよい。
前記パネルは、第4接合部材により前記筐体に取り付けられるものとしてもよい。
前記第4接合部材は、両面テープもしくは非加熱型硬化性の接着剤であるものとしてもよい。
本発明に係る電子機器およびパネルユニット、電子機器用ユニットによれば、圧電素子が破損することを低減できる。
本発明の一実施形態に係る電子機器の機能ブロックを示す図である。 パネルの好適な形状を示す図である。 第1の実施形態に係る電子機器の実装構造を示す図である。 第1の実施形態に係る電子機器のパネルの振動の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る電子機器の実装構造を示す図である。 第2の実施形態に係る電子機器のパネルの振動の一例を示す図である。 パネルと筐体との接合例を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ第1の実施形態に係る電子機器の実装構造、変形例、比較例を示す部分断面図である。 (a)〜(d)は、それぞれ第2の実施形態に係る電子機器の実装構造、変形例、比較例を示す部分断面図である。 パネルと筐体との接合例を示す図である。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器1の機能ブロックを示す図である。電子機器1は、例えば携帯電話(スマートフォン)であって、パネル10と、表示部20と、圧電素子30と、入力部40と、制御部50と、を備える。
パネル10は、接触を検出するタッチパネル、または表示部20を保護するカバーパネル等である。パネル10は、例えばガラス、またはアクリル等の合成樹脂により形成される。パネル10の形状は板状であるとよい。パネル10は、平板であってもよいし、表面が滑らかに傾斜する曲面パネルであってもよい。パネル10は、タッチパネルである場合、利用者の指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチパネルの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式を用いることができる。
表示部20は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又は無機ELディスプレイ等の表示デバイスである。表示部20は、パネル10の背面に設けられる。表示部20は、接合部材(例えば接着剤)によりパネル10の背面に配設される。表示部20は、パネル10に接合部材(たとえば接着剤)により接着されてもよいし、パネル10と離間して配設され、電子機器1の筐体により支持されてもよい。
圧電素子30は、電気信号(電圧)を印加することで、構成材料の電気機械結合係数に従い伸縮または屈曲(湾曲)する素子である。これらの素子は、例えばセラミック製や水晶からなるものが用いられる。圧電素子30は、ユニモルフ、バイモルフまたは積層型圧電素子であってよい。積層型圧電素子には、ユニモルフを積層した(たとえば16層または24層積層した)積層型ユニモルフ素子、またはバイモルフを積層した(例えば16層または24層積層した)積層型バイモルフ素子が含まれる。積層型の圧電素子は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる複数の誘電体層と、該複数の誘電体層間に配置された電極層との積層構造体から構成される。ユニモルフは、電気信号(電圧)が印加されると伸縮し、バイモルフは、電気信号(電圧)が印加されると屈曲する。
圧電素子30は、パネル10の背面(電子機器1の内部側の面)に配置される。圧電素子30は、接合部材(例えば両面テープ)によりパネル10に取り付けられる。圧電素子30は、中間部材(例えば板金)を介してパネル10に取り付けられてもよい。圧電素子30は、パネル10の背面に配置された状態で、筐体60の内部側の表面と所定の距離だけ離間している。圧電素子30は、伸縮または屈曲した状態でも、筐体60の内部側の表面と所定の距離だけ離間しているとよい。すなわち、圧電素子30と筐体60の内部側の面との間の距離は、圧電素子30の最大変形量よりも大きいとよい。
入力部40は、利用者からの操作入力を受け付けるものであり、例えば、操作ボタン(操作キー)から構成される。なお、パネル10がタッチパネルである場合には、パネル10も利用者からの接触を検出することにより、利用者からの操作入力を受け付けることができる。
制御部50は、電子機器1を制御するプロセッサである。制御部50は、圧電素子30に所定の電気信号(音声信号に応じた電圧)を印加する。制御部50が圧電素子30に対して印加する電圧は、例えば、人体振動音ではなく気導音による音の伝導を目的とした所謂パネルスピーカの印加電圧である±5Vよりも高い、±15Vであってよい。これにより、利用者が例えば3N以上の力(5N〜10Nの力)で自身の体にパネル10を押し付けた場合であっても、パネル10に十分な振動を発生させ、利用者の体の一部を介する人体振動音を発生させることができる。尚、どの程度の印加電圧を用いるかは、パネル10の筐体または支持部材に対する固定強度もしくは圧電素子30の性能に応じて適宜調整可能である。制御部50が圧電素子30に電気信号を印加すると、圧電素子30は長手方向に伸縮または屈曲する。このとき、圧電素子30が取り付けられたパネル10は、圧電素子30の伸縮または屈曲にあわせて変形し、パネル10が振動する。パネル10は、圧電素子30の伸縮または屈曲によって湾曲する。パネル10は、圧電素子30によって直接的に曲げられる。「パネル10が圧電素子によって直接的に曲げられる」とは、従来のパネルスピーカで採用されているような、圧電素子をケーシング内に配設して構成される圧電アクチュエータの慣性力によりパネルの特定の領域が加振されてパネルが変形する現象とは異なる。「パネル10が圧電素子によって直接的に曲げられる」とは、圧電素子の伸縮または屈曲(湾曲)が、接合部材を介して、或いは接合部材及び後述の中間部材80を介して、直にパネルを曲げることを意味する。このため、パネル10は、気導音を発生させるとともに、利用者が体の一部(例えば外耳の軟骨)を接触させた場合、体の一部を介する人体振動音を発生させる。例えば、制御部50は、例えば通話相手の音声に係る音声信号に応じた電気信号を圧電素子30に印加させ、その音声信号に対応する気導音及び人体振動音を発生させることができる。音声信号は、着信メロディ、または音楽を含む楽曲等に係るものであってもよい。なお、電気信号にかかる音声信号は、電子機器1の内部メモリに記憶された音楽データに基づくものでもよいし、外部サーバ等に記憶されている音楽データがネットワークを介して再生されるものであってもよい。
パネル10は、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、取付領域から離れた領域も振動する。パネル10は、振動する領域において、当該パネル10の主面と交差する方向に振動する箇所を複数有し、当該複数の箇所の各々において、振動の振幅の値が、時間とともにプラスからマイナスに、あるいはその逆に変化する。パネル10は、ある瞬間において、振動の振幅が相対的に大きい部分と振動の振幅が相対的に小さい部分とが一見パネル10の略全体にランダムにあるいは周期的に分布した振動をする。即ちパネル10全域にわたって、複数の波の振動が検出される。利用者が例えば5N〜10Nの力で自身の体にパネル10を押し付けた場合であっても、パネル10の上述したような振動が減衰しないためには、制御部50が圧電素子30に対して印加する電圧は、±15Vであってよい。そのため、利用者は、上述したパネル10の取付領域から離れた領域に耳を接触させて音を聞くことができる。
ここで、パネル10は、利用者の耳とほぼ同じ大きさであってよい。また、パネル10は、図2に示すように、利用者の耳よりも大きいものであってもよい。この場合、利用者が音を聞く際、電子機器1のパネル10により耳全体が覆われやすいことから、周囲音(ノイズ)を外耳道に入りにくくできる。パネル10は、対耳輪下脚(下対輪脚)から対耳珠までの間の距離に相当する長さと、耳珠から対耳輪までの間の距離に相当する幅とを有する領域よりも広い領域が振動すればよい。パネル10は、好ましくは、耳輪における対耳輪上脚(上対輪脚)近傍の部位から耳垂までの間の距離に相当する長さと、耳珠から耳輪における対耳輪近傍の部位までの間の距離に相当する幅を有する領域が振動すればよい。上記の長さおよび幅を有する領域は、長方形状の領域であってもよいし、上記の長さを長径、上記の幅を短径とする楕円形状であってもよい。日本人の耳の平均的な大きさは、社団法人 人間生活工学研究センター(HQL)作成の日本人の人体寸法データベース(1992−1994)等を参照すれば知ることができる。尚、パネル10が日本人の耳の平均的な大きさ以上の大きさであれば、パネル10は概ね外国人の耳全体を覆うことができる大きさであると考えられる。
上記の電子機器1は、パネル10の振動により、気導音と、利用者の体の一部(例えば外耳の軟骨)を介する人体振動音とを利用者に伝えることができる。そのため、従来のダイナミックレシーバと同等の音量の音を出力する場合、パネル10が振動することで空気の振動により電子機器1の周囲へ伝わる音は、ダイナミックレシーバと比較して少ない。したがって、例えば録音されたメッセージを電車内等で聞く場合等に適している。
また、上記の電子機器1は、パネル10の振動によって人体振動音を伝えるため、例えば利用者がイヤホンまたはヘッドホンを身につけていても、それらに電子機器1を接触させることで、利用者はイヤホンまたはヘッドホンおよび体の一部を介して音を聞くことができる。
上記の電子機器1は、パネル10の振動により利用者に音を伝える。そのため、電子機器1が別途ダイナミックレシーバを備えない場合、音声伝達のための開口部(放音口)を筐体に形成する必要がなく、電子機器1の防水構造が簡略化できる。尚、電子機器1がダイナミックレシーバを備える場合、放音口は、気体は通すが液体は通さない部材によって閉塞されるとよい。気体は通すが液体は通さない部材は、例えばゴアテックス(登録商標)である。
(第1の実施形態)
図3は第1の実施形態に係る電子機器1の実装構造を示す図である。図3(a)は正面図、図3(b)は図3(a)におけるb−b線に沿った断面図である。図3に示す電子機器1はパネル10としてガラス板であるタッチパネルが筐体60(例えば金属や樹脂のケース)の前面に配されたスマートフォンである。パネル10及び入力部40は筐体60に支持され、表示部20および圧電素子30は、それぞれ接合部材70によりパネル10に接着されている。接合部材70は、熱硬化性あるいは紫外線硬化性等を有する接着剤や両面テープ等であり、例えば無色透明のアクリル系紫外線硬化型接着剤である光学弾性樹脂でもよい。パネル10、表示部20および圧電素子30は、それぞれ略長方形状である。
表示部20は、パネル10の短手方向におけるほぼ中央に配置される。圧電素子30は、パネル10の長手方向の端部から所定の距離だけ離間して、当該端部の近傍に、圧電素子30の長手方向がパネル10の短辺に沿うように配置される。表示部20と圧電素子30とは、パネル10の内部側の面に平行な方向において並んで配置される。
図4は、第1の実施形態に係る電子機器1のパネル10の振動の一例を示す図である。第1の実施形態に係る電子機器1では、表示部20がパネル10に取り付けられている。このため、パネル10の下部は、圧電素子30が取り付けられたパネル10の上部に比して振動しにくくなる。そのため、パネル10の下部において、パネル10の下部が振動することによる音漏れが低減できる。パネル10は、圧電素子30によってその上部が直接的に曲げられ、当該上部に比して下部では振動が減衰する。パネル10は、圧電素子30の長辺方向において該圧電素子30の直上がその周囲と比較して最も高く隆起するように、圧電素子30によって曲げられる。
このように、本実施形態に係る電子機器1によれば、パネル10の背面に取り付けられた圧電素子30の変形に起因してパネル10が変形し、当該変形するパネル10に接触する対象物に対して気導音と人体振動音とを伝える。これにより、振動体を筐体60の外面に突出させることなく気導音と人体振動音とを利用者に伝えることができる。また、圧電素子自体に利用者の耳を当てる必要がないので圧電素子30そのものが破損しにくい。また、パネル10ではなく筐体60を変形させる場合には、振動を発生させる際に、利用者が端末を落としてしまいやすいのに対して、パネル10を振動させた場合には、このようなことが起きにくい。
(第2の実施形態)
図5は第2の実施形態に係る電子機器1の実装構造を示す図である。図5(a)は正面図、図5(b)は図5(a)におけるb−b線に沿った断面図、図5(c)は図5(a)におけるc−c線に沿った断面図である。図5に示す電子機器1はパネル10として表示部20を保護するカバーパネル(アクリル板)が上側の筐体60の前面に配された折りたたみ式の携帯電話である。第2の実施形態では、パネル10と圧電素子30との間には、中間部材80が配置される。例えば、中間部材80は、外力による圧電素子の破損を低減するため、外力が圧電素子30に伝達されることを緩和する部材として機能しても良い。また、中間部材80は、圧電素子の変形が過剰になることを低減する部材として機能しても良い。中間部材80は、例えばゴムまたはシリコン等の弾性部材である。中間部材80は、例えば導電性材料により形成されていてもよい。中間部材80は、例えば銅板、鉄板、またはリン青銅板であってもよい。中間部材80は、例えばある程度の弾性を有するアルミニウム等から成る金属板であってもよい。中間部材80は、例えばSUS304等のステンレス板であってもよい。中間部材80は、例えば銅板に銀メッキを施した金属板または銅板とアルミニウム板を積層した板等、複数の種類の金属から構成されてもよい。ステンレス板等の金属板の厚さは、圧電素子30に印加される電圧値等に応じて、例えば0.2mm〜0.8mmのものが適宜用いられる。中間部材80は、例えば樹脂製の板であってもよい。ここでいう樹脂製の板を形成する樹脂としては、例えばポリアミド系樹脂が挙げられる。ポリアミド系樹脂には、例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られる結晶性の熱可塑性樹脂から成り、強度および弾性に富むレニー(登録商標)がある。このようなポリアミド系樹脂は、それ自体をベースポリマーとして、ガラス繊維、金属繊維または炭素繊維等により強化された強化樹脂であってもよい。ポリアミド系樹脂に対するガラス繊維、金属繊維または炭素繊維等の付加量に応じて、強度および弾性が適宜調整される。上記のような強化樹脂は、例えば、ガラス繊維、金属繊維または炭素繊維等を編みこんで形成された基材に樹脂を含浸させ、硬化させて形成される。強化樹脂は、液状の樹脂に細かく切断された繊維片を混入させたのちに硬化させて形成されるものであってもよい。強化樹脂は、繊維を編みこんだ基材と樹脂層とを積層したものであってもよい。
すなわち、第2の実施形態に係る電子機器1は、圧電素子30と中間部材80とが接合部材70により接着され、さらに中間部材80とパネル10とが接合部材70で接着される構造である。また、第2の実施形態では、表示部20は、パネル10に接着されるのではなく、筐体60によって支持されている。すなわち、第2の実施形態に係る電子機器1は、表示部20がパネル10と離間しており、表示部20と筐体60の一部である支持部90とが接合部材70により接着される構造である。なお、支持部90は、筐体60の一部としての構成に限定されず、金属や樹脂等により筐体60から独立した部材として構成することが可能である。
図6は、第2の実施形態に係る電子機器1のパネル10の振動の一例を示す図である。第2の実施形態に係る電子機器1では、パネル10がガラス板と比較し剛性の低いアクリル板であり、また、パネル10の背面に表示部20が接着されていないため、図4に示す第1の実施形態に係る電子機器1に比べ、圧電素子30により生じる振幅が大きくなる。また、パネル10は、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、取付領域から離れた領域も振動する。このため、空気を介する気導音に加え、利用者は、パネル10の任意の位置に耳を接触させて人体振動音を聞くことができる。
このように、本実施形態に係る電子機器1によれば、パネル10の背面に中間部材80を介して取り付けられた圧電素子30の変形に起因して中間部材80及びパネル10が変形し、当該変形するパネル10に接触する対象物に対して気導音と人体振動音とを伝える。これにより、振動体を筐体60の外面に突出させることなく気導音と人体振動音とを利用者に伝えることができる。また、圧電素子30の伸縮または屈曲による振動は、まず中間部材80に伝達され、さらにパネル10に伝達される。すなわち、圧電素子30は、まず圧電素子30よりも大きな弾性係数を有する中間部材80を振動させ、さらにパネル10を振動させることになる。したがって、中間部材80を備えず、圧電素子30が接合部材70によりパネル10に接合される構造と比較して、圧電素子30の変形が過剰になりにくくすることができる。これにより、パネル10の変形量(変形の程度)を調節することができる。特に、圧電素子30の変形を阻害しにくいパネル10の場合に、この構造は有効である。
また、中間部材80は、外力が圧電素子30に伝達されることを緩和する部材として機能する。このため、外力による圧電素子の破損を低減することが可能となる。例えば電子機器1が地面に落下することでパネル10に対して外力が加わった場合、当該外力はまず中間部材80に伝わる。中間部材80は、所定の弾性を有しており、パネル10から伝わる外力により弾性変形する。これにより、パネル10に対して加わった外力は中間部材80により少なくとも一部が吸収され、圧電素子30に伝達される外力が低減される。結果、圧電素子30の破損を低減することができる。また、中間部材80が圧電素子30と筐体60との間に配置される場合、例えば電子機器1が地面に落下することで筐体60が変形し、変形した筐体60が圧電素子30に衝突して圧電素子30が破損する可能性を低減できる。
また、中間部材80は、圧電素子の変形が過剰になることを低減する部材として機能する。このため、圧電素子の変形が過剰となることを低減することが可能となる。例えば、圧電素子30の伸縮または屈曲による振動は、まず中間部材80に伝達され、さらにパネル10に伝達される。すなわち、圧電素子30は、まず圧電素子30よりも大きな弾性係数を有する中間部材80を振動させ、さらにパネル10を振動させることになる。したがって、中間部材80を備えず、圧電素子30が接合部材70によりパネル10に接合される構造と比較して、圧電素子30の変形が過剰になりにくくすることができる。これにより、パネル10の変形量(変形の程度)を調節することができる。特に、圧電素子30の変形を阻害しにくいパネル10の場合に、この構造は有効である。
また、パネル10は、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、パネル10のいずれの箇所においても気導音と人体振動音とを伝えるための変形が発生する。このため、利用者は、空気を介する気導音に加え、パネル10の任意の位置に耳を接触させて人体振動音を聞くことができる。
また、中間部材80は、パネル10と圧電素子30との間に配置され、圧電素子30と中間部材80とが接合部材70により接合されている。中間部材80がパネル10に対して圧電素子30の外側に配置した場合は、圧電素子30の変形が接合部材70を介して伝えられる。一方、中間部材80をパネル10と圧電素子30の間に配置した場合は、圧電素子30の変形が直接的に中間部材80に伝わるために、圧電素子30と中間部材80との間の接合部材70の界面剥離が生じにくいという利点がある。
また、中間部材80は、上述した樹脂製の板である場合、金属板を用いた場合に比較して、塑性変形しづらいため、音響特性が変化しにくいという利点がある。また、板金製の中間部材80を用いた場合に比較して、電子機器1に配置されるアンテナ(不図示)の特性に影響を与えにくい。
また、上記の種々の金属板を中間部材80として用いる場合、例えば中間部材80が筐体60とパネル10との当接部分近傍に配置され、かつ不図示の基準電位部(GND)と電気的に接続されていれば、例えば筐体60とパネル10との隙間から電子機器1の内部に侵入する静電気を基準電位部に導くことができる。これにより、電子機器1内部の電子部品が破損する可能性を低減できる。また、例えばステンレス板またはリン青銅板を中間部材80として用いる場合、ステンレス板またはリン青銅板を、不図示の給電部と電気的に接続させることでアンテナエレメントとして動作させることができる。
また、中間部材80は、パネル10に接合部材70により接合されている。これにより、圧電素子30の変形の自由度を阻害しにくい状態で、中間部材80をパネル10に取り付けることができる。また、接合部材70は、非加熱型硬化性の接着剤とすることができる。これにより、硬化時に、圧電素子30とパネル10との間に熱応力収縮が発生しにくいという利点がある。また、接合部材70は、両面テープとすることができる。これにより、圧電素子30とパネル10との間に接着剤使用時のような収縮応力がかかりにくいという利点がある。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、上記の第1実施形態および第2実施形態では、中間部材80は板状部材であるが、中間部材80の形状はこれに限られない。中間部材は、例えば、圧電素子30より大きく、かつその端部が圧電素子30側に湾曲し圧電素子30の側部を覆う形状を有していてもよい。また、中間部材は、例えば、板状部と、当該板状部から延設されて圧電素子30の側部を覆う延設部とを有する形状であってもよい。この場合、延設部と圧電素子の側部とが、所定の距離だけ離間しているとよい。これにより、延設部が圧電素子の変形を阻害しにくくなる。
例えば、図7に示すとおり、パネル10が筐体60に接合部材70により接合されている構成としても良い。このように、筐体60にパネル10からの振動がダイレクトに伝わりにくくすることで、筐体60自体が大きく振動する場合と比較して、ユーザーが電子機器1を落としてしまう恐れを低減できる。また、接合部材70は、非加熱型硬化性の接着剤とすることができる。これにより、硬化時に、筐体60とパネル10との間に熱応力収縮が発生しにくいという利点がある。また、接合部材70は、両面テープとすることができる。これにより、筐体60とパネル10との間に接着剤使用時のような収縮応力が発生しにくいという利点がある。
例えば、パネル10と表示部20とが重畳しない構成である場合、圧電素子30は、パネル10の中央に配設されてもよい。圧電素子30がパネル10の中央に配設された場合、圧電素子30の振動がパネル10全体に均等に伝わり、気導音の品質を向上させたり、利用者が耳をパネル10の様々な位置に接触させても人体振動音を認識させたりすることができる。なお、上述の実施形態と同様に、圧電素子30は複数個搭載してもよい。
また、上記の電子機器1においては、圧電素子30はパネル10に貼り付けられているが、パネル10と異なる場所に取り付けられてもよい。例えば、圧電素子30は、筐体60に取り付けられてバッテリを覆うバッテリリッドに貼り付けられてもよい。バッテリリッドは携帯電話機等の電子機器1においてパネル10と異なる面に取り付けられることが多いため、そのような構成によれば、利用者はパネル10と異なる面に体の一部(例えば耳)を接触させて音を聞くことができる。
また、パネル10は、表示パネル、操作パネル、カバーパネル、充電池を取り外し可能とするためのリッドパネルのいずれかの一部または全部を構成することができる。特に、パネル10が表示パネルのとき、圧電素子30は、表示機能のための表示領域の外側に配置される。これにより、表示を阻害しにくいという利点がある。
1 電子機器
10 パネル
20 表示部
30 圧電素子
40 入力部
50 制御部
60 筐体
70 接合部材
80 中間部材
90 支持部
[発明が解決しようとする課題]
特許文献1に記載の電子機器は、携帯電話などの筐体の外面に振動体が取り付けられる。そのため、筺体に取り付けられるパネルを振動させる電子機器における課題については何ら検討されていない。
本発明の目的は、良好に使用できる、筺体に取り付けられるパネルを振動させるタイプの電子機器を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
本発明は、圧電素子と、圧電素子により振動することで、気導音と、人体の一部を振動させて伝える振動音とを発生させるパネルと、パネルが取り付けられる筐体と、を備え、圧電素子とパネルとは、圧電素子の長手方向両端部にて接合される電子機器である。
[発明の効果]
本発明によれば、良好に使用できる、筺体に取り付けられるパネルを振動させるタイプの電子機器及び当該電子機器に用いられる電子機器用ユニットを提供することが可能となる。
[図面の簡単な説明]
[図1]本発明の一実施形態に係る電子機器の機能ブロックを示す図である。
[図2]パネルの好適な形状を示す図である。
[図3]第1の実施形態に係る電子機器の実装構造を示す図である。
[図4]第1の実施形態に係る電子機器のパネルの振動の一例を示す図である。
[図5]第2の実施形態に係る電子機器の実装構造を示す図である。
[図6]第2の実施形態に係る電子機器のパネルの振動の一例を示す図である。
[図7]パネルと筐体との接合例を示す図である。
[図8](a)〜(c)は、それぞれ第1の実施形態に係る電子機器の実装構造、変形例、比較例を示す部分断面図である。
[図9](a)〜(d)は、それぞれ第2の実施形態に係る電子機器の実装構造、変形例、比較例を示す部分断面図である。
[図10]パネルと筐体との接合例を示す図である。
[発明を実施するための形態]
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器1の機能ブロックを示す図である。電子機器1は、例えば携帯電話(スマートフォン)であって、パネル10と、表示部20と、圧電素子30と、入力部40と、制御部50と、を備える。
パネル10は、接触を検出するタッチパネル、または表示部20を保護するカバーパネル等である。パネル10は、例えばガラス、またはアクリル等の合成樹脂により形成される。パネル10の形状は板状であるとよい。パネル10は、平板であってもよいし、表面が滑らかに傾斜する曲面パネルであってもよい。パネル10は、タッチパネルである場合、利用者の指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチパネルの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式を用いることができる。
表示部20は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又は無機ELディスプレイ等の表示デバイスである。表示部20は、パネル10の背面に設けられる。表示部20は、接合部材(例えば接着剤)によりパネル10の背面に配設される。表示部20は、パネル10と離間して配設され、電子機器1の筐体により支持されてもよい。
圧電素子30は、電気信号(電圧)を印加することで、構成材料の電気機械結合係数に従い伸縮または屈曲する素子である。これらの素子は、例えばセラミック製や水晶からなるものが用いられる。圧電素子30は、ユニモルフ、バイモルフまたは積層型圧電素子であってよい。積層型圧電素子には、バイモルフを積層した(例えば16層または24層積層した)積層型バイモルフ素子が含まれる。積層型の圧電素子は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる複数の誘電体層と、該複数の誘電体層間に配置された電極層との積層構造体から構成される。ユニモルフは、電気信号(電圧)が印加されると伸縮し、バイモルフは、電気信号(電圧)が印加されると屈曲する。
圧電素子30は、パネル10の背面(電子機器1の内部側の面)に配置される。圧電素子30は、接合部材(例えば両面テープ)によりパネル10に取り付けられる。圧電素子30は、中間部材(例えば板金)を介してパネル10に取り付けられてもよい。圧電素子30は、パネル10の背面に配置された状態で、筐体60の内部側の表面と所定の距離だけ離間している。圧電素子30は、伸縮または屈曲した状態でも、筐体60の内部側の表面と所定の距離だけ離間しているとよい。すなわち、圧電素子30と筐体60の内部側の面との間の距離は、圧電素子30の最大変形量よりも大きいとよい。
入力部40は、利用者からの操作入力を受け付けるものであり、例えば、操作ボタン(操作キー)から構成される。なお、パネル10がタッチパネルである場合には、パネル10も利用者からの接触を検出することにより、利用者からの操作入力を受け付けることができる。
制御部50は、電子機器1を制御するプロセッサである。制御部50は、圧電素子30に所定の電気信号(音声信号に応じた電圧)を印加する。制御部50が圧電素子30に対して印加する電圧は、例えば、振動音ではなく気導音による音の伝導を目的とした所謂パネルスピーカの印加電圧である±5Vよりも高い、±15Vであってよい。これにより、利用者が例えば3N以上の力(5N〜10Nの力)で自身の体にパネル10を押し付けた場合であっても、パネル10に十分な振動を発生させ、利用者の体の一部を介する振動音を発生させることができる。
尚、どの程度の印加電圧を用いるかは、パネル10の筐体または支持部材に対する固定強度もしくは圧電素子30の性能に応じて適宜調整可能である。制御部50が圧電素子30に電気信号を印加すると、圧電素子30は長手方向に伸縮または屈曲する。このとき、圧電素子30が取り付けられたパネル10は、圧電素子30の伸縮または屈曲にあわせて変形し、パネル10が振動する。このため、パネル10は、気導音を発生させるとともに、利用者が体の一部(例えば外耳の軟骨)を接触させた場合、体の一部を介する振動音を発生させる。例えば、制御部50は、例えば通話相手の音声に係る音声信号に応じた電気信号を圧電素子30に印加させ、その音声信号に対応する気導音及び振動音を発生させることができる。音声信号は、着信メロディ、または音楽を含む楽曲等に係るものであってもよい。なお、電気信号にかかる音声信号は、電子機器1の内部メモリに記憶された音楽データに基づくものでもよいし、外部サーバ等に記憶されている音楽データがネットワークを介して再生されるものであってもよい。
パネル10は、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、取付領域から離れた領域も振動する。パネル10は、振動する領域において、当該パネル10の主面と交差する方向に振動する箇所を複数有し、当該複数の箇所の各々において、振動の振幅の値が、時間とともにプラスからマイナスに、あるいはその逆に変化する。パネル10は、ある瞬間において、振動の振幅が相対的に大きい部分と振動の振幅が相対的に小さい部分とが一見パネル10の略全体にランダムにあるいは周期的に分布した振動をする。即ちパネル10全域にわたって、複数の波の振動が検出される。利用者が例えば5N〜10Nの力で自身の体にパネル10を押し付けた場合であっても、パネル10の上述したような振動が減衰しないためには、制御部50が圧電素子30に対して印加する電圧は、±15Vであってよい。そのため、利用者は、上述したパネル10の取付領域から離れた領域に耳を接触させて音を聞くことができる。
ここで、パネル10は、利用者の耳とほぼ同じ大きさであってよい。また、パネル10は、図2に示すように、利用者の耳よりも大きいものであってもよい。この場合、利用者が音を聞く際、電子機器1のパネル10により耳全体が覆われやすいことから、周囲音(ノイズ)を外耳道に入りにくくできる。パネル10は、対耳輪下脚(下対輪脚)から対耳珠までの間の距離に相当する長さと、耳珠から対耳輪までの間の距離に相当する幅とを有する領域よりも広い領域が振動すればよい。パネル10は、好ましくは、耳輪における対耳輪上脚(上対輪脚)近傍の部位から耳垂までの間の距離に相当する長さと、耳珠から耳輪における対耳輪近傍の部位までの間の距離に相当する幅を有する領域が振動すればよい。上記の長さおよび幅を有する領域は、長方形状の領域であってもよいし、上記の長さを長径、上記の幅を短径とする楕円形状であってもよい。日本人の耳の平均的な大きさは、社団法人人間生活工学研究センター(HQL)作成の日本人の人体寸法データベース(1992−1994)等を参照すれば知ることができる。尚、パネル10が日本人の耳の平均的な大きさ以上の大きさであれば、パネル10は概ね外国人の耳全体を覆うことができる大きさであると考えられる。
上記の電子機器1は、パネル10の振動により、気導音と、利用者の体の一部(例えば外耳の軟骨)を介する振動音とを利用者に伝えることができる。そのため、従来のダイナミックレシーバと同等の音量の音を出力する場合、パネル10が振動することで空気の振動により電子機器1の周囲へ伝わる音は、ダイナミックレシーバと比較して少ない。したがって、例えば録音されたメッセージを電車内等で聞く場合等に適している。
また、上記の電子機器1は、パネル10の振動によって振動音を伝えるため、例えば利用者がイヤホンまたはヘッドホンを身につけていても、それらに電子機器1を接触させることで、利用者はイヤホンまたはヘッドホンおよび体の一部を介して音を聞くことができる。
上記の電子機器1は、パネル10の振動により利用者に音を伝える。そのため、電子機器1が別途ダイナミックレシーバを備えない場合、音声伝達のための開口部(放音口)を筐体に形成する必要がなく、電子機器1の防水構造が簡略化できる。尚、電子機器1がダイナミックレシーバを備える場合、放音口は、気体は通すが液体は通さない部材によって閉塞されるとよい。気体は通すが液体は通さない部材は、例えばゴアテックス(登録商標)である。
(第1の実施形態)
図3は第1の実施形態に係る電子機器1の実装構造を示す図である。図3(a)は正面図である。図3(b)は図3(a)におけるb−b線に沿った断面図である。図8(a)は図3(a)におけるc−c線に沿った部分断面図である。図8(b)は図8(a)の変形例にかかる部分断面図である。図8(c)は、図8(a)の構造との比較例の構造を示す部分断面図である。図3、図8に示す電子機器1はパネル10としてガラス板であるタッチパネルが筐体60(例えば金属や樹脂のケース)の前面に配されたスマートフォンである。パネル10及び入力部40は筐体60に支持され、表示部20および圧電素子30は、それぞれ接合部70によりパネル10に接着されている。接合部70は、熱硬化性あるいは紫外線硬化性等を有する接着剤や両面テープ等であり、例えば無色透明のアクリル系紫外線硬化型接着剤である光学弾性樹脂でもよい。パネル10、表示部20および圧電素子30は、それぞれ略長方形状である。
図8(a)に示すように、接合部70は、一対の接合部材70a、70bからなる。一対の接合部材70a、70bは、圧電素子30の長手方向の両端部をそれぞれ支持する。これにより、図8(c)のように、接合部70が圧電素子30の全面に接合している比較して、圧電素子30の長手方向における伸縮の自由度が阻害されにくい。そのため、圧電素子30の全面を接合している場合に比較して、パネルの振幅を大きくすることができる。
一対の接合部材70a、70b間は、例えば、空気層が介在していてもよいし、圧電素子30とパネルとを接合せず、どちらか一方だけに接合されたスポンジや電子部品等が配置されていてもよい。
図8(b)では、接合部70は、3つの接合部材70a、70b、70cからなる。一対の接合部材70a、70bに加え、これらの間に接合部材70cが加わっている。接合部材70a、70b、70cは、圧電素子30を、長手方向のそれぞれの接合領域にて支持する。これにより、図8(c)のように、接合部70が圧電素子の全面に接合している比較して、圧電素子の長手方向における伸縮の自由度が阻害されにくい。そのため、圧電素子30の全面を接合している場合に比較して、パネルの振幅を大きくすることができる。
なお、図8(a)に示す構造が伸縮を最も阻害しにくいが、逆に接合力が弱くなる。従って、伸縮の自由度と接合力とのそれぞれをどの程度のものに設計するかにより、これら接合部材の個数や各接合部材の長さ、接合部材がない空気層の長手方向の長さ、接合部材の粘着力が適宜決定されるとよい。
表示部20は、パネル10の短手方向におけるほぼ中央に配置される。圧電素子30は、パネル10の長手方向の端部から所定の距離だけ離間して、当該端部の近傍に、圧電素子30の長手方向がパネル10の短辺に沿うように配置される。表示部20と圧電素子30とは、パネル10の内部側の面に平行な方向において並んで配置される。
図4は、第1の実施形態に係る電子機器1のパネル10の振動の一例を示す図である。第1の実施形態に係る電子機器1では、表示部20がパネル10に取り付けられている。このため、パネル10の下部は、圧電素子30が取り付けられたパネル10の上部に比して振動しにくくなる。そのため、パネル10の下部において、パネル10の下部が振動することによる音漏れが低減できる。
このように、本実施形態に係る電子機器1によれば、パネル10の背面に取り付けられた圧電素子30の変形に起因してパネル10が変形し、当該変形するパネル10に接触する対象物に対して気導音と振動音とを伝える。これにより、振動体を筐体60の外面に突出させることなく気導音と振動音とを利用者に伝えることができる。また、圧電素子自体に利用者の耳を当てる必要がないので圧電素子30そのものが破損しにくい。また、パネル10ではなく筐体60を変形させる場合には、振動を発生させる際に、利用者が端末を落としてしまいやすいのに対して、パネル10を振動させた場合には、このようなことが起きにくい。
(第2の実施形態)
図5は第2の実施形態に係る電子機器1の実装構造を示す図である。図5(a)は正面図である。図5(b)は図5(a)におけるb−b線に沿った断面図である。図9(a)は図5(a)におけるc−c線に沿った部分断面図である。図9(b)及び図9(c)は図9(a)の変形例を示す部分断面図である。図9(d)は、図9(a)の構造との比較例の構造を示す部分断面図である。図5、図9に示す電子機器1はパネル10として表示部20を保護するカバーパネル(アクリル板)が上側の筐体60の前面に配された折りたたみ式の携帯電話である。第2の実施形態では、パネル10と圧電素子30との間には、外力が圧電素子30に伝達されることを緩和する中間部材80が配置される。
中間部材80は、例えばゴムまたはシリコン等の弾性部材である。中間部材80は、例えばある程度の弾性を有するアルミニウム等から成る金属板であってもよい。中間部材80は、例えば樹脂製の板であってもよい。ここでいう樹脂製の板を形成する樹脂としては、例えばポリアミド系樹脂が挙げられる。ポリアミド系樹脂には、例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られる結晶性の熱可塑性樹脂から成り、強度および弾性に富むレニー(登録商標)がある。このようなポリアミド系樹脂は、それ自体をベースポリマーとして、ガラス繊維、金属繊維または炭素繊維等により強化された強化樹脂であってもよい。ポリアミド系樹脂に対するガラス繊維、金属繊維または炭素繊維等の付加量に応じて、強度および弾性が適宜調整される。上記のような強化樹脂は、例えば、ガラス繊維、金属繊維または炭素繊維等を編みこんで形成された基材に樹脂を含浸させ、硬化させて形成される。強化樹脂は、液状の樹脂に細かく切断された繊維片を混入させたのちに硬化させて形成されるものであってもよい。強化樹脂は、繊維を編みこんだ基材と樹脂層とを積層したものであってもよい。
第2の実施形態に係る電子機器1は、圧電素子30と中間部材80とが第1接合部71により接着され、さらに中間部材80とパネル10とが第2接合部72で接着される構造である。また、第2の実施形態では、表示部20は、パネル10に接着されるのではなく、筐体60によって支持されている。すなわち、第2の実施形態に係る電子機器1は、表示部20がパネル10と離間しており、表示部20と筐体60の一部である支持部90とが接合部70により接着される構造である。なお、支持部90は、筐体60の一部としての構成に限定されず、金属や樹脂等により筐体60から独立した部材として構成することが可能である。
ここで、図9(a)に示すように、圧電素子30と中間部材80とを接合する第1接合部71は、一対の接合部材71a、71bからなってもよい。一対の接合部材71a、71bは、圧電素子30の長手方向の両端部をそれぞれ支持する。一対の接合部材71a、71b間は、例えば、空気層が介在していてもよいし、圧電素子30と中間部材80とを接合せず、どちらか一方だけに接合されたスポンジや電子部品等が配置されていてもよい。
なお、中間部材80とパネル10とを接合する第2接合部材72は、中間部材80のほぼ全面をパネル10に接合している。この構造では、図9(d)のように、接合部71が圧電素子の全面に接合している場合と比較して、圧電素子の長手方向における伸縮の自由度が阻害されにくい。そのため、圧電素子30の全面を接合している場合に比較して、パネルの振幅を大きくすることができる。図9(d)の構造に比較して、図9(a)の構造では、最大でパネルの振幅が22%大きくなった。
また、図9(b)に示すように、パネル10と中間部材80とを接合する第2接合部72は、一対の接合部材72a、72bからなる。一対の接合部材72a、72bは、中間部材80の長手方向の両端部をそれぞれ支持する。一対の接合部材72a、72b間は、例えば、空気層が介在していてもよいし、パネル10と中間部材80とを接合せず、どちらか一方だけに接合されたスポンジや電子部品等が配置されていてもよい。
なお、中間部材80と圧電素子30とを接合する第1接合部材71は、中間部材80のほぼ全面を圧電素子30に接合している。この構造では、図9(d)のように、接合部72が中間部材80の全面に接合している場合と比較して、中間部材80の長手方向における伸縮の自由度が阻害されにくい。従って、圧電素子30の長手方向における自由度が阻害されにくい。そのため、中間部材80の全面を接合している場合に比較して、パネルの振幅を大きくすることができる。図9(d)の構造に比較して、図9(b)の構造では、最大でパネルの振幅が24%大きくなった。
また、図9(c)に示すように、圧電素子30と中間部材80とを接合する第1接合部71は、一対の接合部材71a、71bからなってもよい。一対の接合部材71a、71bは、圧電素子30の長手方向の両端部をそれぞれ支持する。また、パネル10と中間部材80とを接合する第2接合部72は、一対の接合部材72a、72bからなってもよい。一対の接合部材72a、72bは、中間部材80の長手方向の両端部をそれぞれ支持する。
この構造では、図9(d)のように、接合部72が圧電素子30の全面及び中間部材80の全面に接合している場合と比較して、圧電素子30及び中間部材80の長手方向における伸縮の自由度が阻害されにくい。そのため、圧電素子30および中間部材80の全面を接合している場合に比較して、パネルの振幅を大きくすることができる。図9(d)の構造に比較して、図9(c)の構造では、最大でパネルの振幅が14%大きくなった。
図6は、第2の実施形態に係る電子機器1のパネル10の振動の一例を示す図である。第2の実施形態に係る電子機器1では、パネル10がガラス板と比較し剛性の低いアクリル板であり、また、パネル10の背面に表示部20が接着されていないため、図4に示す第1の実施形態に係る電子機器1に比べ、圧電素子30により生じる振幅が大きくなる。また、パネル10は、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、取付領域から離れた領域も振動する。このため、空気を介する気導音に加え、利用者は、パネル10の任意の位置に耳を接触させて振動音を聞くことができる。
このように、本実施形態に係る電子機器1によれば、パネル10の背面に中間部材80を介して取り付けられた圧電素子30の変形に起因して中間部材80及びパネル10が変形し、当該変形するパネル10に接触する対象物に対して気導音と振動音とを伝える。これにより、振動体を筐体60の外面に突出させることなく気導音と振動音とを利用者に伝えることができる。また、例えば電子機器1が地面に落下することでパネル10に対して外力が加わった場合、当該外力はまず中間部材80に伝わる。中間部材80は、所定の弾性を有しており、パネル10から伝わる外力により弾性変形する。これにより、パネル10に対して加わった外力は中間部材80により少なくとも一部が吸収され、圧電素子30に伝達される外力が低減される。結果、圧電素子30の破損を低減することができる。また、中間部材80が圧電素子30と筐体60との間に配置される場合、例えば電子機器1が地面に落下することで筐体60が変形し、変形した筐体60が圧電素子30に衝突して圧電素子30が破損する可能性を低減できる。
あるいは中間部材80は、圧電素子30が圧電素子自身の湾曲により損壊することを低減する部材である。中間部材80により圧電素子は、湾曲しにくくなり、圧電素子自体が湾曲しすぎて、圧電素子自体が割れたりひびが入ったりすることが起こりにくくできる。
あるいは中間部材80は、圧電素子30と中間部材80との合計重量を圧電素子30単独の重量よりも重くする部材である。これにより特定の周波数において生じる振幅のディップが生じる周波数を調整することができる。
また、パネル10は、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、パネル10のいずれの箇所においても気導音と振動音とを伝えるための変形が発生する。このため、利用者は、空気を介する気導音に加え、パネル10の任意の位置に耳を接触させて振動音を聞くことができる。
また、中間部材80は、パネル10と圧電素子30との間に配置され、圧電素子30と中間部材80とが接合部70により接合されている。中間部材80が圧電素子30のパネル10と反対側に配置される場合は、圧電素子30の変形が接合部70を介して伝えられる。一方、中間部材80をパネル10と圧電素子30の間に配置した場合は、圧電素子30の変形が直接的に中間部材80に伝わるために、圧電素子30と中間部材80との間で接合部70の界面剥離が生じにくいという利点がある。
また、中間部材80は、パネル10に接合部70により接合されている。これにより、圧電素子30の変形の自由度を阻害しにくい状態で、中間部材80をパネル10に取り付けることができる。また、接合部70は、非加熱型硬化性の接着剤とすることができる。これにより、硬化時に、圧電素子30とパネル10との間に熱応力収縮が発生しにくいという利点がある。また、接合部70は、両面テープとすることができる。これにより、圧電素子30とパネル10との間に接着剤使用時のような収縮応力がかかりにくいという利点がある。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、図10に示すとおり、パネル10が筐体60に接合部70により接合されている構成としても良い。このように、筐体60にパネル10からの振動がダイレクトに伝わりにくくすることで、筐体60自体が大きく振動する場合と比較して、ユーザーが電子機器1を落としてしまう恐れを低減できる。また、接合部70は、非加熱型硬化性の接着剤とすることができる。これにより、硬化時に、筐体60とパネル10との間に熱応力収縮が発生しにくいという利点がある。また、接合部70は、両面テープとすることができる。これにより、筐体60とパネル10との間に接着剤使用時のような収縮応力が発生しにくいという利点がある。
また、図10では、圧電素子30は、中間部材80である表示パネルに、圧電素子30の両端にて一対の接合部材71a、71bにて支持されている。一対の接合部材71a、71b間は、例えば、空気層が介在していてもよいし、圧電素子30と表示パネルとを接合せず、どちらか一方だけに接合されたスポンジや電子部品等が配置されていてもよい。尚、この場合、パネル10は、表示パネルではなく、表示パネルを保護する保護パネルやタッチパネルであるとよい。
また、中間部材80である表示パネルは、パネル10に一対の接合部材72a、72bにて支持されている。一対の接合部材72a、72b間は、例えば、空気層が介在していてもよいし、圧電素子30と表示パネルとを接合せず、どちらか一方だけに接合されたスポンジや電子部品等が配置されていてもよい。このような構造においても、接合部が圧電素子の全面や、中間部材である表示パネルの全面に接合している場合と比較して、圧電素子の長手方向における伸縮の自由度が阻害されにくい。そのため、パネルの振幅を大きくすることができる。
例えば、上記の第1実施形態および第2実施形態では、中間部材80は板状部材であるが、中間部材80の形状はこれに限られない。中間部材は、例えば、圧電素子30より大きく、かつその端部が圧電素子30側に湾曲し圧電素子30の側部を覆う形状を有していてもよい。また、中間部材は、例えば、板状部と、当該板状部から延設されて圧電素子30の側部を覆う延設部とを有する形状であってもよい。この場合、延設部と圧電素子の側部とが、所定の距離だけ離間しているとよい。これにより、延設部が圧電素子の変形を阻害しにくくなる。
例えば、パネル10と表示部20とが重畳しない構成である場合、圧電素子30は、パネル10の中央に配設されてもよい。圧電素子30がパネル10の中央に配設された場合、圧電素子30の振動がパネル10全体に均等に伝わり、気導音の品質を向上させたり、利用者が耳をパネル10の様々な位置に接触させても振動音を認識させたりすることができる。なお、上述の実施形態と同様に、圧電素子30は、圧電素子30同士を厚み方向に重ねて複数個搭載してもよい。
また、上記の電子機器1においては、圧電素子30はパネル10に貼り付けられているが、パネル10と異なる場所に取り付けられてもよい。例えば、圧電素子30は、筐体60に取り付けられてバッテリを覆うバッテリリッドに貼り付けられてもよい。バッテリリッドは携帯電話機等の電子機器1においてパネル10と異なる面に取り付けられることが多いため、そのような構成によれば、利用者はパネル10と異なる面に体の一部(例えば耳)を接触させて音を聞くことができる。
また、パネル10は、表示パネル、操作パネル、カバーパネル、充電池を取り外し可能とするためのリッドパネルのいずれかの一部または全部を構成することができる。特に、パネル10が表示パネルのとき、圧電素子30は、表示機能のための表示領域の外側に配置される。これにより、表示を阻害しにくいという利点がある。
[符号の説明]
1 電子機器
10 パネル
20 表示部
30 圧電素子
40 入力部
50 制御部
60 筐体
70 接合部
71、72 接合部材
80 中間部材
90 支持部

Claims (23)

  1. パネルと、
    圧電素子と、
    前記パネルが取り付けられる筐体と、
    前記圧電素子に取り付けられる弾性部材と、を備え、
    前記弾性部材は、前記パネルと前記圧電素子との間に配置され、
    前記圧電素子の長辺方向において当該圧電素子の直上がその周囲と比較して最も隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触する対象物に対して人体振動音を伝える
    電子機器。
  2. 前記弾性部材は、第1接合部材により前記パネルに取り付けられる
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記第1接合部材は、両面テープもしくは非加熱型硬化性の接着剤である
    請求項2に記載の電子機器。
  4. パネルと、
    圧電素子と、
    前記パネルが取り付けられる筐体と、
    前記圧電素子に取り付けられる弾性部材と、を備え、
    前記弾性部材は、前記パネルに対して前記圧電素子の外側に配置され、
    前記圧電素子の長辺方向において当該圧電素子の直上がその周囲と比較して最も隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触する対象物に対して人体振動音を伝える
    電子機器。
  5. 前記圧電素子は、第2接合部材により前記パネルに取り付けられる
    請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記第2接合部材は、両面テープもしくは非加熱型硬化性の接着剤である
    請求項5に記載の電子機器。
  7. 前記弾性部材は、前記圧電素子の側部を覆う
    請求項1から6のいずれか一項に記載の電子機器。
  8. 前記弾性部材は、前記圧電素子の主面を覆う板状部を有する
    請求項1から7のいずれか一項に記載の電子機器。
  9. 前記弾性部材は、当該弾性部材の端部が前記圧電素子側に湾曲し、前記圧電素子の側部を覆う
    請求項1から8のいずれか一項に記載の電子機器。
  10. 前記弾性部材は、前記圧電素子における当該圧電素子が前記パネルに取り付けられる面以外の面を覆う
    請求項4に記載の電子機器。
  11. 前記弾性部材は、ゴムもしくはシリコンからなる
    請求項1から10のいずれか一項に記載の電子機器。
  12. 前記変形するパネルに接触する対象物に対して前記人体振動音と気導音とを伝える
    請求項1から11のいずれか一項に記載の電子機器。
  13. 前記パネルは、人間の耳の対耳輪下脚から対耳珠までの間の距離に相当する長さと、耳珠から対耳輪までの間の距離に相当する幅とを有する領域よりも広い領域が振動する
    請求項1から12のいずれか一項に記載の電子機器。
  14. 前記パネルは、表示パネル、操作パネル、カバ一パネル、充電池を取り外し可能とするためのリッドパネルのいずれかの一部または全部を構成する
    請求項1から13のいずれか一項に記載の電子機器。
  15. 前記パネルが表示パネルのとき、
    前記圧電素子は、当該表示機能のための表示領域の外側に配置されている
    請求項1から14のいずれか一項に記載の電子機器。
  16. 前記パネルは、当該パネルのいずれの箇所においても気導音と人体振動音とを伝えるための変形が発生する
    請求項1から15のいずれか一項に記載の電子機器。
  17. 前記弾性部材は、前記圧電素子の変形が過剰になることを低減する部材である
    請求項1から16のいずれか一項に記載の電子機器。
  18. 前記弾性部材は、外力が前記圧電素子に伝達されることを緩和する部材である
    請求項1から17のいずれか一項に記載の電子機器。
  19. 前記圧電素子は、バイモルフ型あるいは積層型圧電素子である
    請求項1から18のいずれか一項に記載の電子機器。
  20. 前記弾性部材は、第3接合部材により前記圧電素子に取り付けられる
    請求項1から19のいずれか一項に記載の電子機器。
  21. 前記第3接合部材は、両面テープもしくは非加熱型硬化性の接着剤である
    請求項1から20のいずれか一項に記載の電子機器。
  22. 前記パネルは、第4接合部材により前記筐体に取り付けられる
    請求項1から21のいずれか一項に記載の電子機器。
  23. 前記第4接合部材は、両面テープもしくは非加熱型硬化性の接着剤である
    請求項1から22のいずれか一項に記載の電子機器。
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