JP2014115232A - 磁気検出プローブ及び磁気検出プローブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気を検出する磁気検出素子を有するプローブ本体部と、可撓性を有し、前記プローブ本体部から延在するシート状の部材によって構成されたシート部と、を備える磁気検出プローブとした。このような構成により、狭い間隙に配置した場合にも、プローブ本体部の姿勢を安定させることができる。したがって、目的とする位置に、より安定して配置可能な小型の磁気検出プローブを提供することが可能となる。
【選択図】図1
Description
例えば、近年、電気自動車等において、ロータに磁石が埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)モータが使用されており、IPMモータの開発では、ロータが発生する回転磁界を正確に測定することが求められる。
ここで、磁気を検出する場合には、磁気検出プローブを磁気測定装置に接続し、磁気検出プローブの先端付近に配置された磁気検出素子が測定対象物である磁石等に近接して配置される。
そのため、例えばIPMモータの磁界特性を測定する場合、ロータとステータとの狭い間隙に磁気検出プローブを配置する必要があること等から、磁気検出プローブを小型化することが求められる。
磁気検出プローブを小型化するための技術としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
即ち、従来の技術においては、目的とする位置に安定して配置可能な小型の磁気検出プローブを提供することが困難であった。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る磁気検出プローブ1の全体構成を示す模式図である。また、図2は、磁気検出素子3付近の拡大図であり、図2(a)は、検出面側から見た図、図2(b)は、図2(a)中に示した矢印A1−A2で切断した断面図である。以下、図2(b)の上方を検出面側と呼び、図2(b)の下方を裏面側と称する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。また、図1においては、説明の便宜のため、後述するラミネートシート8を透視して示している。
さらに、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本実施形態に係る磁気検出プローブ1は、磁気検出素子3、素子保護部4、補強部5、半田部6及びリード線7からなるプローブ本体部1Aが、シート状の基板2に、検出面側が面一となるように設置され、この検出面側をラミネートシート8で覆われた構成を有している。
したがって、本実施形態によれば、目的とする位置に、より安定して配置可能な小型の磁気検出プローブを提供することが可能である。
具体的には、基板2は、プローブ設置領域2Aの検出面側となる表面2aに配線パターンが形成され、カバーレイが形成されず配線パターンの一部が露出したランド部2c,2dが形成されている。基板2には、プローブ設置領域2Aの先端側(磁気検出素子3が設けられている側)のランド部2c(図3(a)参照)と、プローブ設置領域2Aの他端側(以下、後端側)のランド部2d(図1参照)とが形成されている。本実施形態では、プローブ設置領域2Aの裏面2bには、配線パターンは形成されていない。
基板2全体の幅や長さは、磁気検出プローブ1の検出対象の構造に応じて、適宜選択することができるが、本実施形態における基板2は、長手方向において、プローブ設置領域2Aの幅Bよりも延在する領域(以下、「延在領域」と称する。)を有し、プローブ本体部1Aが基板2の延在領域を含むシート状の部分によって保持されるものである。
なお、本実施形態の基板2は、厚さt1=0.1mm、プローブ設置領域2Aの幅B=0.6mmである。
即ち、素子保護部4は、磁気検出素子3の側面に接触するように形成されている。素子保護部4の検出面側の表面は、磁気検出素子3の検出面側の表面と面一となっている。素子保護部4は、例えば、エポキシ樹脂等を塗布して硬化することにより形成される。素子保護部4を設けることにより、基板2に対して表面実装された磁気検出素子3が基板2から脱落することを防止し、磁気検出プローブ1の信頼性を向上している。
図3及び図4は、磁気検出プローブ1の製造方法を示す図であり、図3は、磁気検出プローブ1の製造工程を示す斜視図、図4は、磁気検出プローブ1の製造工程を示す正面図である。図3及び図4では、磁気検出プローブ1の先端側を拡大して示している。
まず、基板2を作製する(図3(a))。基板2のプローブ設置領域2Aにおいて、表面2a側の先端部に4つのランド部2cを形成する。このランド部2cは、磁気検出素子3の不図示の電極に対応した位置に設けられている。なお、4つのランド部2cからは、カバーレイに覆われた配線部2eが後端側に向かって形成され、後端の4つのランド部2dと接続されている。
基板2を用意したら、ランド部2cに半田ペースト(後に半田部6となる)を印刷塗布する(図3(b))。
ランド部2cに印刷塗布された半田ペーストと磁気検出素子3の不図示の電極とが対応する位置となるようにして、磁気検出素子3を半田ペーストを挟んで基板2の表面2aに載せる。その後、半田ペーストの溶融温度に達するまで基板2を加熱し、半田ペーストを溶かして、ランド部2cと磁気検出素子3の不図示の電極とを半田付けする(図3(c))。
補強部5を基板2に接合した後、磁気検出素子3の周囲にエポキシ樹脂を塗布して硬化させ、素子保護部4を形成する(図3(e))。
その後、ランド部2dにリード線7を半田付けするとともに、リード線を不図示のコネクタに接続する。
このように構成されたプローブ本体部1Aは、基板2と磁気検出素子3とをランド部2cにおいて半田付けした構成となっており、ワイヤボンディングが不要である。また、補強部5によって剛性が高まるため、基板2として比較的薄いフレキシブルプリント配線板を用いることができる。そのため、プローブ本体部1Aは、構造を複雑にすることなく小型化されたものとなる。
そして、面一となっている磁気検出素子3、素子保護部4及び補強部5の検出面側の表面と、基板2の表面2aとに対して、ラミネートシート8を貼り付ける(図4(c))。プローブ本体部1Aには、熱の影響を受けやすい磁石が備えられているため、UV樹脂を用いたコールドラミネートによってラミネートシート8を貼り付けることが望ましい。
これにより、シート状の基板2及びラミネートシート8にプローブ本体部1Aが保持された状態となり、延在シート部Sを有する磁気検出プローブ1の製造が完了する。
これにより、狭い間隙に配置した場合にも、プローブ本体部1Aの姿勢を安定させることができる。
図5に示すように、本実施形態に係る磁気検出プローブ1は、基板2及びラミネートシート8が貼り合わされた延在シート部Sを筒状に丸めて、ステータ110とヨーク120との間の間隙に対応する円筒状とすることができる。
上述のように、本実施形態に係る磁気検出プローブ1は、磁気検出素子3が実装されている部分の厚さが、ラミネートシート8を含めて略0.4mm、プローブ本体部1Aの幅は0.6mmと小型化されているため、ステータ110とヨーク120との間の円環状の間隙に差し込むことが容易である。
このように、本実施形態に係る磁気検出プローブ1は、目的とする位置に、より安定して配置可能な小型の磁気検出プローブとなる。
そのため、プローブ本体部1Aが小型化され、剛性が小さくなることにより、捲れる等の変形が起き易い構造になったとしても、延在シート部Sの剛性により、プローブ本体部1Aの変形を抑制することができる。
したがって、目的とする位置に、より安定して配置可能な小型の磁気検出プローブを提供することが可能となる。
(1)上記実施形態では、シート状の基板2に1つのプローブ本体部1Aを設置し、ラミネートシート8で覆うことで、1つの基板2に1つのプローブ本体部1Aが設置された磁気検出プローブ1を構成する場合を例に挙げて説明した。
これに対し、基板2の長手方向に、複数のプローブ本体部1Aを並べて設置することで、シート状の基板2に複数のプローブ本体部1Aが設置された磁気検出プローブ1を構成することができる。
図6に示すように、基板2の長手方向に等間隔で4つのプローブ本体部1Aを設置することが可能である。
このような構成とした場合、磁気検出プローブ1を円筒状等として配置することにより、目的とする位置において、より正確に磁気を検出することが可能となる。
これに対し、プローブ本体部1Aの長手方向に沿って、複数の磁気検出素子3を配置することが可能である。例えば、1つのプローブ本体部1Aに、長手方向に並べて複数の磁気検出素子3を形成することができる。
図7は、プローブ本体部1Aの長手方向に沿って、複数の磁気検出素子3を配置した磁気検出プローブ1の構成例を示す模式図である。
なお、図7においては、磁気検出プローブ1の基板2を平面視した状態(検出面側)を示している。
図7に示す構成とした場合、複数の磁気検出素子3が、プローブ本体部1Aの長手方向において異なる位置に配置されることから、磁気を検出する際に、磁気検出プローブ1をプローブ本体部1Aの長手方向に移動させる必要がない。
これに対し、基板2の長手方向における異なる位置、かつ、プローブ本体部1Aの長手方向における異なる位置に複数の磁気検出素子3を配置することが可能である。
図8は、基板2の長手方向における異なる位置、かつ、プローブ本体部1Aの長手方向における異なる位置に複数の磁気検出素子3を配置した磁気検出プローブ1の構成例を示す模式図である。
なお、図8においては、磁気検出プローブ1の基板2を平面視した状態(検出面側)を示している。
図8に示す構成とした場合、複数の磁気検出素子3を基板2の種々の位置に配置する場合にも、磁気検出素子3の配線を容易に行うことができる。
これに対し、延在シート部Sを穴やスリットを有するシート状の部分として構成することも可能である。
このような構成とした場合、延在シート部Sの可撓性を高めたり、延在シート部Sを軽量化したりすることができる。
Claims (4)
- 磁気を検出する磁気検出素子を有するプローブ本体部と、
可撓性を有し、前記プローブ本体部から延在するシート状の部材によって構成されたシート部と、
を備える磁気検出プローブ。 - 前記シート部は、前記プローブ本体部において前記磁気検出素子が表面実装された基板を前記プローブ本体部から延在させた延在領域と、前記磁気検出素子及び前記延在領域を覆うように貼り付けられたラミネートシートとによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出プローブ。
- 前記シート部には、前記プローブ本体部が複数並べて設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気検出プローブ。
- 可撓性を有するシート状の基板の一部の領域に、磁気を検出する磁気検出素子を表面実装してプローブ本体部を形成するプローブ本体部形成ステップと、
前記プローブ本体部と前記基板における前記プローブ本体部が形成されていない領域とを覆うようにラミネートシートを貼り付けるラミネートシート貼付ステップと、
を含む磁気検出プローブの製造方法。
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