JP2014114446A - ポリオルガノシロキサン組成物、その硬化物、蛍光体シート、その製造方法、発光デバイスおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポットライフ、加熱硬化性にすぐれ、かつ加熱硬化物の表面平滑なポリオルガノシロキサン組成物を提供することを目的とする。前記付加硬化型ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物を封止材として利用した発光デバイスの提供。
【解決手段】(A)から(F)の成分を含有するポリオルガノシロキサン組成物及びこれを加熱して得られる硬化物、又は蛍光体シート。(A)成分:ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物。(B)成分:ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物。(C)成分:ヒドロシリル化反応触媒。(D)成分:アセチレン基含有アルコール系反応遅延剤。(E)成分:シラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子(F)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤。
【選択図】なし
【解決手段】(A)から(F)の成分を含有するポリオルガノシロキサン組成物及びこれを加熱して得られる硬化物、又は蛍光体シート。(A)成分:ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物。(B)成分:ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物。(C)成分:ヒドロシリル化反応触媒。(D)成分:アセチレン基含有アルコール系反応遅延剤。(E)成分:シラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子(F)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリオルガノシロキサン組成物、その硬化物、蛍光体シート、その製造方法、発光デバイスおよびその製造方法に関する。
発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)は、その発光効率の目覚ましい向上を背景とし、低い消費電力、高寿命、意匠性などを特長として液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト向けや、照明分野で急激に市場を拡大している。バックライトや照明で使用される白色LEDでは、LEDチップの発光効率やコストの面から、青色LED上に黄色蛍光体または赤、緑の二色の蛍光体を設置する方法が広く採用されている。
LEDはチップや電極の保護のために通常、樹脂により封止を行っている。またこの樹脂は蛍光体を保持する役割も担っている。LED封止に使用される樹脂としては近年、透明性、耐熱性、耐光性に優れるシリコーン樹脂を用いるケースが多くなっている。特に副生成物の少なさと硬化反応の速さに優れる付加硬化型シリコーン樹脂が主に使用されている。
付加硬化型シリコーンは(1)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、(2)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(3)ヒドロシリル化反応触媒により構成されるポリオルガノシロキサン組成物である。通常、これに加えて反応遅延剤を添加し、室温で硬化せずに加工、成形に使用できる時間、いわゆるポットライフを長くしている。中でもアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤は室温でのポットライフが長いことと、加熱時の硬化性が良いことにより広く使用されている(例えば特許文献1参照)。
一方、上記のような付加硬化型シリコーン樹脂にフィラーを添加することにより様々な機能を付与できることが知られている。例えばフィラーの光散乱効果と、チキソ性付与によるドーム形状の形成により観察角度による輝度変化を抑制する方法が知られている。また、上記のようなシリコーン樹脂をLEDからの発光波長を変換する波長変換層に適用する場合には、樹脂精製物中にフィラーを添加することにより蛍光体の沈降を抑制し、均一分散させることで色バラツキを抑制する方法が知られている。特に高い透明性が得られることと、分散性が良好なことからフィラーとしてシリコーン微粒子を添加する方法が優れている(例えば特許文献2〜4参照)。
しかしながら、ポリオルガノシロキサン微粒子を含む付加硬化型シリコーン樹脂組成物においては、樹脂組成物の硬化後の表面平滑性を保ちつつ十分なポットライフを確保することができないという問題があった。
本発明はポットライフが長く、かつ硬化後の表面平滑性に優れたポリオルガノシロキサン組成物を提供することを目的とする。またこのポリオルガノシロキサン組成物の硬化物を封止材として利用した発光デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題がポリオルガノシロキサン微粒子を含む付加硬化型シリコーン樹脂組成物に特有の課題であることを見いだした。すなわち、(1)シリコーン微粒子がアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤を吸着するためポットライフが悪化すること、(2)十分なポットライフを確保するためにアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤を添加すると、組成物の加熱硬化時に表面にシワが入るという欠点があるため、硬化物表面の平滑性と十分なポットライフを両立させることが難しいものであることを見いだした。
そこで本発明は、特定の界面活性剤を利用することにより上記課題を解決しようとするものである。
すなわち本発明は、少なくとも下記の(A)から(F)の成分を含有するポリオルガノシロキサン組成物である。
(A)成分:ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物。
(B)成分:ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物。
(C)成分:ヒドロシリル化反応触媒。
(D)成分:アセチレン基含有アルコール系反応遅延剤。
(E)成分:一般式(1)および/または(2)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子。
(A)成分:ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物。
(B)成分:ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物。
(C)成分:ヒドロシリル化反応触媒。
(D)成分:アセチレン基含有アルコール系反応遅延剤。
(E)成分:一般式(1)および/または(2)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子。
(R1、R3およびR4は1価の置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R2およびR5は水素原子、もしくは1価の置換または非置換の炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
(F)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤。
(F)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤。
また、本発明は半導体発光素子が実装され樹脂硬化物で封止されてなる発光デバイスであって、樹脂硬化物は少なくとも下記の(G)から(J)の成分を含有するポリオルガノシロキサン硬化物であることを特徴とする発光デバイスである。
(G)成分:主鎖がシロキサン結合により形成されており、かつ一般式(3)で表されるアルキレン基を少なくとも2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物。
(G)成分:主鎖がシロキサン結合により形成されており、かつ一般式(3)で表されるアルキレン基を少なくとも2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物。
(R6、R7およびR8は水素原子、もしくは1価の置換または非置換の炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
(H)成分:ヒドロシリル化反応触媒。
(I)成分:一般式(4)および/または(5)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子。
(H)成分:ヒドロシリル化反応触媒。
(I)成分:一般式(4)および/または(5)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子。
(R9、R11およびR12は1価の非置換または置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R10およびR13は水素原子、もしくは1価の置換または非置換の炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
(J)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤。
(J)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤。
本発明により、ポットライフが長く、かつ硬化後の表面平滑性に優れたシリコーン硬化物を提供することができる。またこれらのシリコーン硬化物を発光デバイスの封止材に用いることにより、均一な光取り出しができる発光デバイスを提供することができる。
<ポリオルガノシロキサン組成物>
(A成分)
本発明に記載の(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物である。これらは、直鎖状でも分岐状でもよく、分子全体が環状構造をとっていてもよい。またアルケニル基は末端に存在しても分子鎖の途中に存在してもよい。
(A成分)
本発明に記載の(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物である。これらは、直鎖状でも分岐状でもよく、分子全体が環状構造をとっていてもよい。またアルケニル基は末端に存在しても分子鎖の途中に存在してもよい。
(A)成分の主鎖は主にシロキサン結合により形成されているが、一部が二価の炭化水素基に置換されていてもよい。二価の炭化水素基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基や、フェニレン基、ナフチレン基等の炭素数5〜12のアリーレン基が例示される。
(A)成分の代表例の一つとして平均組成式
(R14 3SiO1/2)a(R14 2SiO2/2)b(R14SiO3/2)c(SiO4/2)d(R15O1/2)e
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。R14は独立に1価の置換または非置換のアルケニル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。ただし1分子中のR14のうち少なくとも2個はアルケニル基である。ここでアルケニル基の例としてはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基が挙げられるが、中でもヒドロシリル化反応が起こりやすいことからビニル基、アリル基が好ましい。アルキル基としては炭素数1〜10の脂肪族飽和炭化水素基であり、例としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基が挙げられるが、中でもメチル基、エチル基が好ましい。アリール基としては炭素数5〜12の芳香族炭化水素基であり、例としてフェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基が挙げられるが、中でもフェニル基が好ましい。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基が挙げられる。以上に上げた中でも製造容易の観点からR14はビニル基、メチル基、フェニル基から選ばれることがより好ましい。
(R14 3SiO1/2)a(R14 2SiO2/2)b(R14SiO3/2)c(SiO4/2)d(R15O1/2)e
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。R14は独立に1価の置換または非置換のアルケニル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。ただし1分子中のR14のうち少なくとも2個はアルケニル基である。ここでアルケニル基の例としてはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基が挙げられるが、中でもヒドロシリル化反応が起こりやすいことからビニル基、アリル基が好ましい。アルキル基としては炭素数1〜10の脂肪族飽和炭化水素基であり、例としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基が挙げられるが、中でもメチル基、エチル基が好ましい。アリール基としては炭素数5〜12の芳香族炭化水素基であり、例としてフェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基が挙げられるが、中でもフェニル基が好ましい。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基が挙げられる。以上に上げた中でも製造容易の観点からR14はビニル基、メチル基、フェニル基から選ばれることがより好ましい。
置換基としては炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキニル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、トリアルコキシシリル基等が例示されるがこれらに限定されるものではない。
R15は独立に水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては炭素数1〜10の脂肪族飽和炭化水素基であり、中でもメチル基、エチル基が好ましい。
平均組成式中のa、b、c、d、eはシロキサン中の構成単位式の比率を示し、0≦a、b、c≦1かつ0≦d、e<1かつa+b+c+d+e=1の関係を満たす。中でも樹脂液の取扱性、硬化物の強度の観点から0≦a≦0.7、0.3≦b≦1、0≦c≦0.3、0≦d≦0.3、0≦e≦0.05の範囲であることが好ましい。
(A)成分は単一種でもよく、複数種の混合物でもよい。
また、(A)成分は通常25℃で液状であることが好ましい。特に吐出時に液漏れを起こさず、また十分な蛍光体保持能力を有することから25℃における粘度が10mPa・s以上であることが好ましく、100mPa・s以上であることがより好ましい。また吐出性と、吐出後のレベリング性の観点から25℃における粘度が50,000mPa・s以下であることが好ましく、20,000mPa・s以下であることがより好ましい。
さらに(A)成分は体積減少と内部ガスの発生に伴う気泡の発生を防ぐために沸点が常圧で150℃以上であることが好ましい。
(B成分)
本発明に記載の(B)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物である。直鎖状でも分岐状でもよく、分子全体が環状構造をとっていてもよい。また、ケイ素原子に結合した水素原子は末端に存在しても分子鎖の途中に存在してもよい。
本発明に記載の(B)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物である。直鎖状でも分岐状でもよく、分子全体が環状構造をとっていてもよい。また、ケイ素原子に結合した水素原子は末端に存在しても分子鎖の途中に存在してもよい。
(B)成分の主鎖は主にシロキサン結合により形成されているが、一部が二価の炭化水素基に置換されていてもよい。二価の炭化水素基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基や、フェニレン基、ナフチレン基等の炭素数5〜12のアリーレン基が例示される。
(B)成分の代表例の一つとして平均組成式
(R16 3SiO1/2)f(R16 2SiO2/2)g(R16SiO3/2)h(SiO4/2)i(R17O1/2)j
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。R16は独立に1価の置換または非置換の水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。ただし1分子中のR16のうち少なくとも2個は水素原子である。アルキル基としては炭素数1〜10の脂肪族飽和炭化水素基であり、例としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基が挙げられるが、中でもメチル基、エチル基が好ましい。アリール基としては炭素数5〜12の芳香族炭化水素基であり、例としてフェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基が挙げられるが、中でもフェニル基が好ましい。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基が挙げられる。以上に上げた中でも製造容易の観点からR16は水素原子、メチル基、フェニル基から選ばれることがより好ましい。
(R16 3SiO1/2)f(R16 2SiO2/2)g(R16SiO3/2)h(SiO4/2)i(R17O1/2)j
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。R16は独立に1価の置換または非置換の水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。ただし1分子中のR16のうち少なくとも2個は水素原子である。アルキル基としては炭素数1〜10の脂肪族飽和炭化水素基であり、例としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基が挙げられるが、中でもメチル基、エチル基が好ましい。アリール基としては炭素数5〜12の芳香族炭化水素基であり、例としてフェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基が挙げられるが、中でもフェニル基が好ましい。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基が挙げられる。以上に上げた中でも製造容易の観点からR16は水素原子、メチル基、フェニル基から選ばれることがより好ましい。
置換基としては炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキニル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、トリアルコキシシリル基等が例示されるがこれらに限定されるものではない。
R17は独立に水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては炭素数1〜10の脂肪族飽和炭化水素基であり、中でもメチル基、エチル基が好ましい。
平均組成式中のf、g、h、i、jはシロキサン中の構成単位式の比率を示し、0≦f、g、h≦1かつ0≦i、j<1かつf+g+h+i+j=1の関係を満たす。中でも樹脂液の取扱性、硬化物の強度の観点から0≦h≦0.3、0≦i≦0.3、0≦j≦0.05の範囲であることが好ましい。
(B)成分は単一種でもよく、複数種の混合物でもよい。
また、(B)成分は通常25℃で液状であることが好ましい。特に吐出時に液漏れを起こさず、また十分な蛍光体保持能力を有することから25℃における粘度が1mPa・s以上であることが好ましく、10mPa・s以上であることがより好ましい。また吐出性と、吐出後のレベリング性の観点から25℃における粘度が50,000mPa・s以下であることが好ましく、20,000mPa・s以下であることがより好ましい。
さらに(B)成分は体積減少と内部ガスの発生に伴う気泡の発生を防ぐために沸点が常圧で150℃以上であることが好ましい。
(B)成分の配合量は、硬化性および硬化物の物性の観点から(A)成分のアルケニル基のモル数に対し(B)成分の水素原子のモル数が10%〜500%になる量が好ましく、さらに50%〜300%となる量がより好ましい。
(C成分)
本発明に記載の(C)成分は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子との付加反応、すなわち、ヒドロシリル化反応の触媒である。具体的には、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、四塩化白金、アルコール変性塩化白金酸、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体等の白金系触媒、式:[Rh(O2CCH3)2]2、Rh(O2CCH3)3、Rh2(C8H15O2)4、Rh(C5H7O2)3、Rh(C5H7O2)(CO)2、Rh(CO)[Ph3P](C5H7O2)、RhY3[(R18)2S]3、(R19 3P)2Rh(CO)Y、(R19 3P)2Rh(CO)H、Rh2Y2Z4、Rh[O(CO)R18]3−n(OH)n、またはHmRhp(En)qClrで表されるロジウム系触媒(式中、Yは水素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、Zはメチル基、エチル基等のアルキル基、CO、C8H14、または0.5C8H12であり、R18はアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基であり、R19はアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、またはアリールオキシ基であり、Enはオレフィンであり、nは0または1であり、mは0または1であり、pは1または2であり、qは1〜4の整数であり、rは2、3、または4である。)、式:Ir(OOCCH3)3、Ir(C5H7O2)3、[Ir(D)(En)2]2、または[Ir(D)(Dien)]2で表されるイリジウム系触媒(式中、Dは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはアルコキシ基であり、Enはオレフィンであり、Dienはシクロオクタジエンである。)、ビス(イミノ)ピリジン鉄二窒素錯体等の鉄系触媒(非特許文献:サイエンス(Science)、2012年、第335巻、567−570頁)が例示される。中でも、反応性の高さから白金系触媒が好ましい。
本発明に記載の(C)成分は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子との付加反応、すなわち、ヒドロシリル化反応の触媒である。具体的には、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、四塩化白金、アルコール変性塩化白金酸、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体等の白金系触媒、式:[Rh(O2CCH3)2]2、Rh(O2CCH3)3、Rh2(C8H15O2)4、Rh(C5H7O2)3、Rh(C5H7O2)(CO)2、Rh(CO)[Ph3P](C5H7O2)、RhY3[(R18)2S]3、(R19 3P)2Rh(CO)Y、(R19 3P)2Rh(CO)H、Rh2Y2Z4、Rh[O(CO)R18]3−n(OH)n、またはHmRhp(En)qClrで表されるロジウム系触媒(式中、Yは水素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、Zはメチル基、エチル基等のアルキル基、CO、C8H14、または0.5C8H12であり、R18はアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基であり、R19はアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、またはアリールオキシ基であり、Enはオレフィンであり、nは0または1であり、mは0または1であり、pは1または2であり、qは1〜4の整数であり、rは2、3、または4である。)、式:Ir(OOCCH3)3、Ir(C5H7O2)3、[Ir(D)(En)2]2、または[Ir(D)(Dien)]2で表されるイリジウム系触媒(式中、Dは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはアルコキシ基であり、Enはオレフィンであり、Dienはシクロオクタジエンである。)、ビス(イミノ)ピリジン鉄二窒素錯体等の鉄系触媒(非特許文献:サイエンス(Science)、2012年、第335巻、567−570頁)が例示される。中でも、反応性の高さから白金系触媒が好ましい。
特に、塩素分濃度が低い白金−アルケニルシロキサン錯体が好ましい。このアルケニルシロキサンとしては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのメチル基の一部をエチル基、フェニル基等の基で置換したアルケニルシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのビニル基をアリル基、ヘキセニル基等の基で置換したアルケニルシロキサンが例示される。特に、安定性が良好であることから、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンであることが好ましい。また、この白金−アルケニルシロキサン錯体の安定性を向上させることができることから、この錯体に1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジアリル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン等のアルケニルシロキサンやジメチルシロキサンオリゴマー等のオルガノシロキサンオリゴマーを添加することが好ましく、特に、アルケニルシロキサンを添加することが好ましい。
このような反応触媒の具体例としては、米国Gelest社製の“SIP6829.0”(白金カルボニルビニルメチル錯体。3〜3.5%白金濃度のビニルメチル環状シロキサン溶液)、“SIP6830.0”(白金・ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体。3〜3.5%白金濃度のビニル末端ポリジメチルシロキサン溶液)、“SIP6831.0”(白金・ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体キシレン溶液。2.1〜2.4%白金濃度)、“SIP6831.1”(白金・ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体キシレン溶液。2.1〜2.4%白金濃度)、“SIP6832.0”(白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体。3〜3.5%白金濃度の環状メチルビニルシロキサン溶液)、“SIP6833.0”(白金・オクチルアルデヒド/オクタノール錯体。2.0〜2.5%白金濃度のオクタノール溶液)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ヒドロシリル化反応触媒はいわゆる触媒量で用いられる。特に硬化性が十分で、かつ硬化後に着色がなく透明性が高いことから、本発明のポリオルガノシロキサン組成物の合計重量に対し金属原子の重量単位で0.01〜500ppmであることが好ましく、0.1〜100ppmであることがより好ましい。
また(C)成分は1種類で用いてもよいし、複数種の混合物で用いてもよい。
(D成分)
本発明に記載の(D)成分は、ヒドロシリル化反応の速度を制御するアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤である。付加硬化型シリコーンはヒドロシリル化反応が早いために短時間で増粘する、または成形前に硬化するなどにより取扱性に問題が生じることがしばしばある。そのため通常、ヒドロシリル化反応を阻害する反応遅延剤を添加し、ポットライフを延長する方法がとられている。反応遅延剤としてはアセチレン基含有アルコール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、環状ビニルシロキサン誘導体、エチレンジアミン誘導体等が知られているが、アセチレン基含有アルコール誘導体がポットライフ延長性と加熱硬化性の点で最も優れている。
本発明に記載の(D)成分は、ヒドロシリル化反応の速度を制御するアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤である。付加硬化型シリコーンはヒドロシリル化反応が早いために短時間で増粘する、または成形前に硬化するなどにより取扱性に問題が生じることがしばしばある。そのため通常、ヒドロシリル化反応を阻害する反応遅延剤を添加し、ポットライフを延長する方法がとられている。反応遅延剤としてはアセチレン基含有アルコール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、環状ビニルシロキサン誘導体、エチレンジアミン誘導体等が知られているが、アセチレン基含有アルコール誘導体がポットライフ延長性と加熱硬化性の点で最も優れている。
アセチレン基含有アルコール誘導体としては1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3−フェニル−1−ブチン−3−オール等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
(D)成分の配合量は、ポットライフが長く取扱性が良好で、かつ硬化後に着色がなく透明性が高いことから、本発明のポリオルガノシロキサン組成物の合計重量に対し重量単位で1〜50,000ppmであることが好ましく、10〜10,000ppmであることがより好ましく、100〜5,000ppmであることがさらに好ましい。
また(D)成分は単一種で用いてもよいし、複数種の混合物で用いてもよい。
上記の(A)〜(D)成分は、それぞれを一括で混合してもよい。また第一組として(A)、(C)の組み合わせ、第二の組として(A)、(B)、(D)の組み合わせで予め混合し、成形直前に2つの組を混合するというように、分割混合してもよい。
また、(A)〜(D)の成分を混合した市販品を用いてもよい。このような市販品の例として、OE6336、OE6351、OE6250、EG6301、JCR6101、JCR6109、JCR6110、JCR6115、JCR6122、JCR6125、JCR6126、JCR6140、JCR6175、OE6450、OE6520、OE6550、OE6630、OE6635、OE6636、OE6665(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、KER7500、KER7600、KER7700、KER−6000、KER−6020、KER−6075、KER−6110、KER−6150、KER−6200、ASP−1031、ASP−1111、ASP−1120、SCR−1012、SCR−1016(以上、信越化学(株)製)、IVS4312、IVS4542、IVS4546、IVS4622、IVS4742、IVS4752、IVS5854(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、A1070、A2020、A2030(以上、ダイセル(株)製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの市販品は単独で用いても複数種を混合して用いてもよく、またこれらの市販品に、(A)〜(D)のいずれかの成分を追添加して使用してもよい。
(E成分)
本発明に記載の(E)成分は、一般式(1)および/または(2)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子である。
本発明に記載の(E)成分は、一般式(1)および/または(2)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子である。
R1、R3およびR4は1価の非置換または置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R2およびR5は水素原子、もしくは1価の置換または非置換のアルキル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)で表されるシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−i−ブトキシシラン、メチルトリ−s−ブトキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリブトキシシラン、i−ブチルトリブトキシシラン、s−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリブトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが例示される。
一般式(2)で表されるシラン化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメチルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが例示される。
ここで、上記のポリオルガノシロキサン粒子は加水分解・縮合させる一般式(1)または(2)のシラン化合物を適切に選択することにより、粒子中の官能基の種類、および数を調整し、屈折率、表面自由エネルギー、ゼータ電位などの特性を精密に制御することが可能であり、混合する成分に合わせて組成設計することができる。特に屈折率の精密制御は、本発明のポリオルガノシロキサン組成物を発光デバイスに使用するために高い透明性が要求されていることから重要である。この観点から(E)成分のポリオルガノシロキサン粒子の屈折率は(A)から(D)成分までのポリオルガノシロキサン組成物の加熱硬化物の屈折率に対し、±0.03以内であることが好ましい。
このような粒子は、具体的には、特開昭63−77940号公報で報告されている方法、特開平6−248081号公報で報告されている方法、特開2003―342370号公報で報告されている方法、特開平4−88022号公報で報告されている方法などにより得ることができる。
また、一般式(1)および/または(2)で表されるシラン化合物をアルカリ水溶液に添加し、加水分解・縮合させ粒子を得る方法や、水あるいは酸性水溶液に上記のシラン化合物を添加し、加水分解物を得た後、アルカリを添加し縮合反応を進行させ粒子を得る方法、上記のシラン化合物を上層にし、アルカリまたはアルカリと有機溶媒の混合液を下層にして、これらの界面でシラン化合物を加水分解・重縮合させて粒子を得る方法なども知られており、これらいずれの方法においても、本発明で用いられる化合物を得ることはできる。
これらの中で、一般式(1)および/または(2)で表されるシラン化合物を加水分解・縮合させ、球状のポリオルガノシロキサン粒子を製造するにあたり、反応溶液内に水溶性高分子や界面活性剤などの高分子分散剤を添加する方法によりシリコーン粒子を得ることが好ましい。水溶性高分子は、溶媒中で保護コロイドとして作用するものであれば合成高分子、天然高分子のいずれでも使用できる。具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子が挙げられる。界面活性剤は分子中に親水性部位と疎水性部位を有することにより保護コロイドとして作用するものであればよい。具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリドなどの陽イオン活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ソルビタンモノアルキレートなどのエーテル系またはエステル系の非イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリアルキルシロキサンなどのシリコーン系界面活性剤、およびパーフルオロアルキル基含有オリゴマーなどのフッ素系界面活性剤が挙げられる。分散剤の添加方法としては、反応初液に予め添加する方法、オルガノトリアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解物と同時に添加する方法、オルガノトリアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解物を加水分解部分縮合させた後に添加する方法が例示でき、これらの何れの方法を選ぶこともできる。分散剤の添加量は、反応液量1重量部に対して5×10−7〜0.1重量部の範囲が好ましい。下限を超えると粒子どうしが凝集して塊状物になりやすい。また上限を超えると粒子中の分散剤残留物が多くなり、着色の原因となる。
これらのポリオルガノシロキサン粒子は、マトリクス成分への分散性や濡れ性などを制御する目的で表面改質剤により粒子表面を修飾していてもよい。表面改質剤としては、物理的吸着により修飾するものでも、化学反応により修飾するものでもよく、具体的にはシランカップリング剤、チオールカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、フッ素系コート剤などが挙げられるが、耐熱性に強く、硬化阻害がないことから、シランカップリング剤による修飾が特に好ましい。
これらのポリオルガノシロキサン粒子を添加する目的は、組成物の特性を改良することである。改良される特性としては、例えば、蛍光体の分散安定性、光の散乱性、線膨張率の抑制、機械的強度の増強、またはチキソ性付与による光取り出し効率の高いドーム形状の形成などが挙げられる。これらの特性改良を行うポリオルガノシロキサン粒子のサイズに関しては、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)が0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがさらに好ましい。粒径が小さすぎる場合は、製造上の困難さが生じ、またペーストの吐出性が悪化する。一方、粒径が大きすぎる場合は、硬化物の透過率に悪影響を与え、蛍光体の沈降抑制効果が小さくなり、分散安定性が悪化する。また、単分散で真球状の粒子を用いることが好ましい。小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)はレーザー回折散乱式粒度分布測定機(例えばマイクロトラック(日機装(株)製))により測定することができる。
(E)成分のポリオルガノシロキサン粒子の含有量としては、蛍光体の分散安定性、光の散乱性などの粒子添加による特性改善効果を発揮する観点から、本発明のポリオルガノシロキサン組成物の合計重量に対し重量単位で0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。また取扱性のよい粘度範囲の観点から、本発明のポリオルガノシロキサン組成物の合計重量に対し重量単位で50%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
(E)成分は単一種でもよく、複数種の混合物でもよい。また、ポリオルガノシロキサン粒子の混合の手順として、その他の成分と一括添加で混合してもよいし、一部の成分と予め混合したのち、残りの成分を添加して混合してもよい。ポリオルガノシロキサン粒子を混合する方法としては、剪断力がかかって粒子の凝集をほぐしながら混合できる分散機を用いて行うことが好ましい。このような分散機としては、ホモミキサー、三本ロールミル、ローラーミル、ビーズミル、ボールミル、遊星式ボールミル、櫛歯型ホモジナイザー、断続ジェット流発生型ホモジナイザー、自公転式攪拌機などが例示される。中でも十分な剪断力によって微粒化が可能で、均一混合性に優れていることから三本ロールミル、ビーズミル、遊星式ボールミル、櫛歯型ホモジナイザー、断続ジェット流発生型ホモジナイザーがより好ましい。
(F成分)
本発明に記載の(F)成分はシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤である。本発明の組成物はヒドロシリル化反応による付加型シリコーンが主成分であり、上記のように取扱性の観点から(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤を添加している。しかしながら単に(A)〜(E)成分を含むだけでは前述の通り樹脂組成物の硬化後の表面平滑性を保ちつつ十分なポットライフを確保することができない。実際、そのような場合には硬化物表面にベナールセル(Benard Cell)と呼ばれるセル状のシワが見られる。ベナールセルは流体を加熱したときに規則的な渦流が発生することにより生じるものであり、組成物内部で温度、比重、表面張力等の差が生じることが原因となって形成される。(A)〜(E)成分を含む組成物を硬化させるときには、アセチレン基含有アルコール系反応遅延剤が低沸点化合物であり蒸発が速いため、組成物の表面は硬化しているが内部は液状で対流している、という状態になって硬化物表面にセル状のシワが入り粗面化するものと考えられる。一方、(A)〜(E)成分に加えてさらに(F)成分のシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が含まれると、ベナールセルの発生を抑制することにより硬化物表面を平滑にすることができることが見いだされた。(F)成分である界面活性剤が組成物の表面張力を低いレベルで安定化させることによって、組成物内部の表面張力の差を少なくし、ベナールセルの発生を抑制しているものと考えられる。また、界面活性剤の種類はシリコーン系またはフッ素系であることが重要であり、これら以外の界面活性剤、例えばアクリル系界面活性剤では十分な効果が得られない。
本発明に記載の(F)成分はシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤である。本発明の組成物はヒドロシリル化反応による付加型シリコーンが主成分であり、上記のように取扱性の観点から(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤を添加している。しかしながら単に(A)〜(E)成分を含むだけでは前述の通り樹脂組成物の硬化後の表面平滑性を保ちつつ十分なポットライフを確保することができない。実際、そのような場合には硬化物表面にベナールセル(Benard Cell)と呼ばれるセル状のシワが見られる。ベナールセルは流体を加熱したときに規則的な渦流が発生することにより生じるものであり、組成物内部で温度、比重、表面張力等の差が生じることが原因となって形成される。(A)〜(E)成分を含む組成物を硬化させるときには、アセチレン基含有アルコール系反応遅延剤が低沸点化合物であり蒸発が速いため、組成物の表面は硬化しているが内部は液状で対流している、という状態になって硬化物表面にセル状のシワが入り粗面化するものと考えられる。一方、(A)〜(E)成分に加えてさらに(F)成分のシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が含まれると、ベナールセルの発生を抑制することにより硬化物表面を平滑にすることができることが見いだされた。(F)成分である界面活性剤が組成物の表面張力を低いレベルで安定化させることによって、組成物内部の表面張力の差を少なくし、ベナールセルの発生を抑制しているものと考えられる。また、界面活性剤の種類はシリコーン系またはフッ素系であることが重要であり、これら以外の界面活性剤、例えばアクリル系界面活性剤では十分な効果が得られない。
シリコーン系界面活性剤とは、主鎖がシロキサン結合で形成され、側鎖に極性や相溶性を制御する有機官能基を有する有機変性ポリオルガノシロキサン化合物である。このような例として、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリアルキルシロキサン等が挙げられる。具体的には、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−370、BYK375(以上 ビックケミー・ジャパン(株))、FZ−2110、FZ−2166、FZ−2154、FZ−2120、L−720、L−7002、SH8700、L−7001、FZ−2123、SH8400、FZ−77、FZ−2164、FZ−2203、FZ−2208(以上 東レ・ダウコーニング(株))、KF−353、KF−615A、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−6191、KF−6011、KF−6015、X−22−2516、KF−410、X−22−821、KF−412、KF−413、KF−4701(以上 信越化学(株))が例示される。
フッ素系界面活性剤とは、パーフルオロアルキル基と親水性および/または親油性の官能基を含有する化合物である。このような例として炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基を含有するアクリルオリゴマーや、炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基含有スルホン酸塩などが挙げられる。具体的にはメガファックF−444、同F−472、同F−477、同F−552、同F−553、同F−554、同F−443、同F−470、同F−470、同F−475、同F−482、同F−483、同F−489、同R−30(以上 DIC(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(以上 新秋田化成(株)製)、NBX−15、FTX−218(以上 (株)ネオス製)が挙げられる。
(F)成分の界面活性剤の含有量は、ベナールセルを抑制し十分な表面平滑性が得られるという観点から、(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し、不揮発性成分の重量が5重量部以上であることが好ましく、10重量部以上であることがより好ましい。また同時に着色がなく透明性に優れるという観点から組成物全体の重量に対し、10,000ppm以下であることが好ましく、3,000ppm以下であることがより好ましい。
界面活性剤の添加方法は、その他の成分と一括で混合、添加してもよいし、その他の成分と別々に添加してもよい。また界面活性剤単独で直接添加してもよいし、界面活性剤を溶剤で希釈したものを添加したのち溶媒を除去してもよい。さらに、(E)成分のポリオルガノシロキサン粒子に吸着または反応などによって界面活性剤を付着させた粒子を調製し、これをその他の成分と混合することによって添加してもよい。
(蛍光体)
本発明に記載の蛍光体は、発光素子から放出される光を吸収したのち波長変換を行い、発光素子の光と異なる波長の光を放出する物質である。波長変換が可能であれば、有機化合物でも無機化合物でもよいが、耐熱性、耐光性の観点から無機化合物が好ましい。これにより、各種蛍光体からの放出される光が混合して、または発光素子から放出される光の一部と蛍光体から放出される光の一部とが混合して、白色を含む多色系のLEDを作製することが可能である。例としては青色系LEDと、青色光を吸収し黄色光を発光する蛍光物質を光学的に結合させることによって白色発光させる方法、青色系LEDと、青色光を吸収し緑色光を発光する蛍光物質および青色光を吸収し赤色光を発光する蛍光物質を光学的に結合させて白色発光させる方法、および紫外線系LEDと紫外線を吸収し青色光を発光する蛍光物質、緑色光を発する蛍光物質、赤色光を発する蛍光物質を光学的に結合させて白色光を得る方法などが挙げられる。
本発明に記載の蛍光体は、発光素子から放出される光を吸収したのち波長変換を行い、発光素子の光と異なる波長の光を放出する物質である。波長変換が可能であれば、有機化合物でも無機化合物でもよいが、耐熱性、耐光性の観点から無機化合物が好ましい。これにより、各種蛍光体からの放出される光が混合して、または発光素子から放出される光の一部と蛍光体から放出される光の一部とが混合して、白色を含む多色系のLEDを作製することが可能である。例としては青色系LEDと、青色光を吸収し黄色光を発光する蛍光物質を光学的に結合させることによって白色発光させる方法、青色系LEDと、青色光を吸収し緑色光を発光する蛍光物質および青色光を吸収し赤色光を発光する蛍光物質を光学的に結合させて白色発光させる方法、および紫外線系LEDと紫外線を吸収し青色光を発光する蛍光物質、緑色光を発する蛍光物質、赤色光を発する蛍光物質を光学的に結合させて白色光を得る方法などが挙げられる。
上述のような蛍光体としては、Y3(Al,Ga)5O12:Ce,(Y,Gd)3Al5O12:Ce,Lu3Al5O12:Ce,Y3Al5O12:CeなどのYAG系蛍光体、Tb3Al5O12:CeなどのTAG系蛍光体、(Ba,Sr)2SiO4:Eu、Ca3Sc2Si3O12:Ce、(Sr,Ba,Mg)2SiO4:Euなどのシリケート系蛍光体、(Ca,Sr)2Si5N8:Eu、(Ca,Sr)AlSiN3:Eu、CaSiAlN3:Eu等のナイトライド系蛍光体、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu(いわゆるα−サイアロン)、(Si,Al)6(O,N)8:Eu(いわゆるβ−サイアロン)、BaSi2O2N2:Euなどのオキシナイトライド系蛍光体、さらには(Ba,Sr,Ca)Si2O2N2:Eu系蛍光体、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu系蛍光体、SrAl2O4:Eu,Sr4Al14O25:Eu等の蛍光体が挙げられる。
蛍光体の粒子サイズとしては、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布において、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)で0.05〜30μmのものが好ましく用いられ、さらに好ましくは、3〜20μmのものが用いられる。0.05μmより小さいと分散性の問題が生じる場合があり、また発光のスペクトル変化、効率の低下などが起こる場合がある。一方、30μmより大きい場合は、沈降の問題が生じやすく、これと相まって発光のバラツキが生じやすい。
この組成物を液状のまま半導体発光素子上に滴下したのち硬化させることにより半導体発光素子の封止を行う場合、これら蛍光体の含有量としては、蛍光体以外の組成物100重量部に対して、0.5〜200重量部、好ましくは3〜20重量部含むことが好ましい。下限未満では、十分な波長変換を起こすことができない。一方、上限より多くする吐出しにくくなり、また光の透過率を維持することができない。
<ポリオルガノシロキサン硬化物>
次に本発明のポリオルガノシロキサン組成物を硬化したポリオルガノシロキサン硬化物について説明する。前記ポリオルガノシロキサン組成物は(A)〜(F)成分を混合後に硬化が進行する。室温(30℃以下)でも硬化が進行するが、硬化速度を加速し生産性を高くする観点から加熱硬化することが望ましい。加熱硬化は、自然対流式オーブン、送風式オーブン、真空オーブン、イナートオーブン、ホットプレート、熱プレス機、赤外線ヒーターなどの機器を用いて行われる。加熱硬化させる場合の硬化条件は、通常、60〜250℃で1分〜5時間、好ましくは80℃〜180℃で15分〜2時間である。
次に本発明のポリオルガノシロキサン組成物を硬化したポリオルガノシロキサン硬化物について説明する。前記ポリオルガノシロキサン組成物は(A)〜(F)成分を混合後に硬化が進行する。室温(30℃以下)でも硬化が進行するが、硬化速度を加速し生産性を高くする観点から加熱硬化することが望ましい。加熱硬化は、自然対流式オーブン、送風式オーブン、真空オーブン、イナートオーブン、ホットプレート、熱プレス機、赤外線ヒーターなどの機器を用いて行われる。加熱硬化させる場合の硬化条件は、通常、60〜250℃で1分〜5時間、好ましくは80℃〜180℃で15分〜2時間である。
本発明のポリオルガノシロキサン硬化物は少なくとも以下の(G)〜(J)成分を含んで構成される。
(G)成分は主鎖がシロキサン結合により形成されており、かつ一般式(3)で表されるアルキレン基を少なくとも2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物である。
ここで、R6、R7およびR8は水素原子、もしくは1価の置換または非置換のアルキル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
(G)成分は加熱硬化前のポリオルガノシロキサン組成物に含まれる(A)成分のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン化合物と(B)成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物をヒドロシリル化反応させることによって得ることができる。
(H)成分はヒドロシリル化反応触媒であり、加熱硬化前のポリオルガノシロキサン組成物に含まれる(C)成分と同じものまたは加熱によって一部変性したものである。
(I)成分は一般式(4)および/または(5)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子である。
ここでR9、R11およびR12は1価の非置換または置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R10およびR13は水素原子、もしくは1価の置換または非置換の炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
(I)成分は加熱硬化前のポリオルガノシロキサン組成物に含まれる(E)成分と同じものまたは加熱によって一部変性したものである。
(J)成分はシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤であり、加熱硬化前のポリオルガノシロキサン組成物に含まれる(F)成分と同じものまたは加熱によって一部変性したものである。
また本発明のポリオルガノシロキサン硬化物は上記の蛍光体を含んでいてもよい。
本発明のポリオルガノシロキサン硬化物は、ベナールセルの発生が抑制され、平滑な表面を有している。硬化物の表面平滑性はレーザ−顕微鏡により硬化物表面の0.1mm角の正方形範囲の観察結果をJIS B 0601(2001)の規格に従って表面粗さ(Ra)および最大高さ(Rz)を算出することで評価できる。この硬化物を使用した発光デバイスにおいて、均一に光が取り出され、光の見え方にムラがない範囲として0.1mm角の正方形の範囲内にある硬化物表面の表面粗さ(Ra)が5μm以下であり、かつ最大高さ(Rz)が50μm以下であることが好ましい。
<発光デバイス>
次に本発明のポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスについて説明する。
次に本発明のポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスについて説明する。
本発明の発光デバイスとは、半導体発光素子を基板に固定し、通電するように電気的に接合し、かつ樹脂硬化物で少なくとも発光面を被覆するように封止して得られるものである。ここで発光面とは半導体発光素子の光が取り出される面を指す。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスにおいて、半導体発光素子を封止する樹脂硬化物は、少なくとも前記の(A)から(F)の成分を含有するポリオルガノシロキサン組成物を加熱硬化して得られるものである。また、この樹脂硬化物は少なくとも前記の(G)から(J)成分を含有することを特徴とするものである。さらにこれらの樹脂硬化物は前記の蛍光体を含有していてもよい。
この発光デバイスの樹脂硬化物は均一な光取り出しの観点から、0.1mm角の正方形の範囲にある表面粗さ(Ra)が5μm以下であり、かつ最大高さ(Rz)が50μm
以下であることが好ましい。
以下であることが好ましい。
このような発光デバイスとしてはLEDが好ましく、特に本発明の効果が発揮できるものとしては耐熱性、耐光性が要求される青色LED、紫外線LED、および白色LEDが好ましく、さらに照明、ディスプレイ分野で大きな用途が見込まれる白色LEDが最も好ましい。また、発光面別の分類としてはフリップチップ型LEDやラテラル型LEDのように上面および側面から光が取り出されるタイプや、バーティカル型LEDのように上面からのみ光が取り出されるタイプが例示される。さらにフリップチップ型LEDに側面反射層を設け、上面からのみ光が取り出されるようにしたタイプも例として挙げることができる。
以下、白色LEDについて説明する。白色LEDは、青色LED素子または紫外線LED素子と蛍光体を含有した封止材からなり、LEDから発生する光と、蛍光体により波長変換された光の混色により白色光を発生する。
ここで、白色LEDに用いる樹脂組成物としては耐熱性、耐光性にすぐれ、連続点灯しても変色しないことからポリオルガノシロキサン組成物が好ましい。また、白色LEDパッケージ中の蛍光体量を一定にすることで色バラツキを抑制するために、蛍光体の沈降を防止するフィラーの添加が有効であるが、特に透明性を高く保つことができるポリオルガノシロキサン粒子の添加が好ましい。また、白色LEDの製造において、多数のパッケージが均一に生産できるように樹脂組成物のポットライフを長くする必要があり、そのためにアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤を添加することが好ましい。さらに、白色LEDパッケージの樹脂硬化物の表面は、均一な光取り出しを実現するために0.1mm角の正方形の範囲にある表面粗さ(Ra)が5μm以下であり、かつ最大高さ(Rz)が50μmであることが好ましい。以上の観点から発光デバイスとしての白色LEDに本発明のポリオルガノシロキサン組成物を使用することが好ましい。
<発光デバイスの製造方法>
本発明のポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスの製造方法について説明する。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスの製造方法について説明する。
本発明の発光デバイスの製造方法は、半導体発光素子の発光面を少なくとも(A)〜(F)の成分を含むポリオルガノシロキサン組成物で被覆する工程を含む。
ここで前記工程に先立って半導体発光素子を基板に実装する工程を経ることが好ましい。実装する工程とは、半導体発光素子を基板に接着固定する工程と半導体発光素子の電極と基板の配線部を電気的に接続する工程を含む。これら2つの工程は別々に実施しても、同時に実施してもよい。このような実装工程として、ラテラル型の半導体発光素子を接着剤で基板に固定したのち半導体発光素子の電極と基板の配線を金ワイヤーなどで接続する方法、または金バンプを介してフリップチップ型の半導体発光素子を基板の配線に接続かつ固定する方法が例示される。
ポリオルガノシロキサン組成物で半導体発光素子の発光面を被覆する工程はディスペンサーによるポッティング法、真空印刷法、トランスファーモールディング法、コンプレッション(圧縮)モールディング法などが例示される。これらの方式の中では簡便で実績が高い方法であることからポッティング法が多く採用されている。すなわちシリンジに液状の前記ポリオルガノシロキサン組成物を充填したのち、圧縮空気やモーターにより液を半導体発光素子上に吐出(ポッティング)する方法である。
またポリオルガノシロキサン組成物で半導体発光素子の発光面を被覆する工程の後に加熱により液状の組成物を硬化する工程を経ることが好ましい。液状の組成物を加熱硬化する工程は自然対流式オーブン、送風式オーブン、真空オーブン、イナートオーブン、ホットプレート、熱プレス機、赤外線ヒーターなどの機器を用いて行われる。この中では生産性が高いという観点から送風式オーブンを用いて加熱することが好ましい。
図1に代表的な白色LEDパッケージの構造を示す。発光デバイスの製造方法の一例としてこれを用いて説明する。第1にパッケージ基板1に配線2を設け、さらにリフレクター3を設置してすり鉢状の凹部を持つパッケージを作成する。このパッケージにLEDチップ4を接着する。次に金ワイヤー5で電極2に配線する。最後に樹脂組成物6に蛍光体7を混合したものを凹部に注入したのち、加熱硬化させる。
<蛍光体シート>
次に本発明のポリオルガノシロキサン組成物の別の形態である蛍光体シートについて説明する。本発明において蛍光体シートとは、蛍光体が含まれたシート状の成型体をいう。蛍光体シートは、少なくとも(A)〜(F)の成分と蛍光体、またはそれらの硬化物を含むものであれば、特に限定されることなく様々なものを使用することが可能である。必要に応じその他の成分を含んでいてもよい。
次に本発明のポリオルガノシロキサン組成物の別の形態である蛍光体シートについて説明する。本発明において蛍光体シートとは、蛍光体が含まれたシート状の成型体をいう。蛍光体シートは、少なくとも(A)〜(F)の成分と蛍光体、またはそれらの硬化物を含むものであれば、特に限定されることなく様々なものを使用することが可能である。必要に応じその他の成分を含んでいてもよい。
蛍光体シートに用いる蛍光体の含有量について特に制限はないが、半導体発光素子からの発光の波長変換効率を高める観点から、(A)〜(F)成分を混合した組成物100重量部に対し、40重量部以上であることが好ましく、60重量部以上であることが好ましい。蛍光体含有量の上限は特に規定されないが、作業性に優れた蛍光体シートが作成しやすいという観点から、(A)〜(F)成分を混合した組成物100重量部に対し、900重量部以下であることが好ましく、400重量部以下であることがより好ましく、200重量部以下がさらに好ましい。蛍光体シート中の蛍光体の含有量が上記範囲であることで、優れた性能を示す発光デバイスを得ることができる。
蛍光体シートの膜厚は、蛍光体含有量と、所望の光学特性から決められる。蛍光体含有量は上述のように作業性の観点から限界があるので、膜厚は30μm以上あることが好ましい。一方、蛍光体シートの光学特性・放熱性を高める観点からは、蛍光体シートの膜厚は1000μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。蛍光体シートを1000μm以下の膜厚にすることによって、バインダ樹脂や蛍光体による光吸収や光散乱を低減することができるので、光学的に優れた蛍光体シートとなる。
また、シート膜厚にバラツキがあると、LEDチップごとに蛍光体量に違いが生じ、結果として、発光スペクトル(色温度、輝度、色度)にバラツキが生じる。従って、シート膜厚のバラツキは、好ましくは±5%以内、さらに好ましくは±3%以内である。
蛍光体シートの膜厚は、JIS K7130(1999)プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法における機械的走査による厚さの測定方法A法に基づいて測定される膜厚(平均膜厚)のことをいう。また蛍光体シートの膜厚バラツキは前記の平均膜厚を用いて、下記の数式に基づいて算出される。より具体的には、機械的走査による厚さの測定方法A法の測定条件を用いて、市販されている接触式の厚み計などのマイクロメーターを使用して膜厚を測定して、得られた膜厚の最大値あるいは最小値と平均膜厚との差を計算し、この値を平均膜厚で除して百分率であらわした値が膜厚バラツキB(%)となる。
膜厚バラツキB(%)={(最大膜厚ズレ値*−平均膜厚)/平均膜厚}×100
*最大膜厚ズレ値は膜厚の最大値または最小値のうち平均膜厚との差が大きい方を選択する。
*最大膜厚ズレ値は膜厚の最大値または最小値のうち平均膜厚との差が大きい方を選択する。
蛍光体シートは形状保護のために支持基材上に設けられていることが望ましい。支持基材としては特に制限無く公知の金属、フィルム、ガラス、セラミック、紙等を使用することができる。具体的には、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅、鉄などの金属板や箔、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、アラミドなどのプラスチックのフィルム、前記プラスチックがラミネートされた紙、または前記プラスチックによりコーティングされた紙、前記金属がラミネートまたは蒸着された紙、前記金属がラミネートまたは蒸着されたプラスチックフイルムなどが挙げられる。支持基材の厚さは特に制限はないが、形状保護に十分な強度と、経済性の観点から、下限としては30μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。また、上限としては5000μm以下が好ましく、3000μm以下がより好ましい。
蛍光体シートは硬化時に、ベナールセルやゆず肌などの表面欠陥が生じる場合があるが、本発明の蛍光体シートではこれらの欠陥の発生が抑制され、平滑な表面を有する。蛍光体シートの表面平滑性はレーザ−顕微鏡により硬化物表面の0.1mm角の正方形範囲の観察結果をJIS B 0601(2001)の規格に従って表面粗さ(Ra)および最大高さ(Rz)を算出することで評価できる。この蛍光体シートを使用した発光デバイスにおいて、均一に光が取り出され、光の見え方にムラがない範囲として0.1mm角の正方形の範囲内にある硬化物表面の表面粗さ(Ra)が5μm以下であり、かつ最大高さ(Rz)が50μm以下であることが好ましい。
<蛍光体シートの製造方法>
蛍光体シートの製造方法について説明する。なお、以下は一例であり蛍光体シートの作製方法はこれに限定されない。まず、蛍光体シート形成用の塗布液として蛍光体を樹脂に分散した組成物(以下「蛍光体シート作製用組成物」という)を作製する。拡散や塗布性改善のために無機微粒子および接着助剤などその他の添加物を添加してもよい。流動性を適切にするために必要であれば、溶媒を加えて溶液とすることもできる。溶媒は流動状態の樹脂の粘度を調整できるものであれば、特に限定されない。例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、アセトン、テルピネオール等が挙げられる。
蛍光体シートの製造方法について説明する。なお、以下は一例であり蛍光体シートの作製方法はこれに限定されない。まず、蛍光体シート形成用の塗布液として蛍光体を樹脂に分散した組成物(以下「蛍光体シート作製用組成物」という)を作製する。拡散や塗布性改善のために無機微粒子および接着助剤などその他の添加物を添加してもよい。流動性を適切にするために必要であれば、溶媒を加えて溶液とすることもできる。溶媒は流動状態の樹脂の粘度を調整できるものであれば、特に限定されない。例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、アセトン、テルピネオール等が挙げられる。
これらの成分を所定の組成になるよう調合した後、ホモジナイザー、自公転型攪拌機、3本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミル、ビーズミル等の撹拌・混練機で均質に混合分散することで、蛍光体シート作製用組成物が得られる。混合分散後、もしくは混合分散の過程で、真空もしくは減圧条件下で脱泡することも好ましく行われる。
次に、蛍光体シート作製用組成物を支持基材上に塗布する。塗布は、リバースロールコーター、ブレードコーター、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、リバースロールコーター、ブレードコーター、キスコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、バリバーロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、アプリケーター、ディップコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ナイフコーター等により行うことができる。蛍光体シート膜厚の均一性を得るためにはスリットダイコーターで塗布することが好ましい。また、本発明の蛍光体シートはスクリーン印刷やグラビア印刷、平版印刷などの印刷法を用いても作製することもできる。印刷法を用いる場合には、簡便性の観点からスクリーン印刷が好ましい。
続いて乾燥を行う。乾燥は自然対流式オーブン、送風式オーブン、真空オーブン、イナートオーブン、ホットプレート、熱プレス機、赤外線ヒーターなどの機器を用いて行われる。この中では生産性が高いという観点から送風式オーブンを用いることが好ましい。加熱硬化条件は、通常、80℃〜200℃で2分〜3時間であるが、加熱により軟化し粘着性を発現できる、いわゆるBステージ状態とするために80℃〜120℃で30分〜2時間の加熱が好ましい。また完全に硬化させた、いわゆるCズテージ状態にするには150〜180℃で30分〜2時間の加熱が好ましい。
<蛍光体シートを用いた発光デバイス>
次に上記の蛍光体シートにより半導体発光素子の発光面を被覆した発光デバイスについて説明する。蛍光体シートは半導体発光素子発光面の直上に設けてもよく、また透明樹脂等を間に挟んでその上に設けてもよい。蛍光体シートの被覆法は、接着性の樹脂を介して蛍光体シートを貼付する方法や、加熱により蛍光体シート自身が軟化して接着性を発現し、これにより貼付する方法が挙げられる。さらに蛍光体シートで被覆した発光素子を別の透明樹脂で封止したり、レンズなどを設けてもよい。
次に上記の蛍光体シートにより半導体発光素子の発光面を被覆した発光デバイスについて説明する。蛍光体シートは半導体発光素子発光面の直上に設けてもよく、また透明樹脂等を間に挟んでその上に設けてもよい。蛍光体シートの被覆法は、接着性の樹脂を介して蛍光体シートを貼付する方法や、加熱により蛍光体シート自身が軟化して接着性を発現し、これにより貼付する方法が挙げられる。さらに蛍光体シートで被覆した発光素子を別の透明樹脂で封止したり、レンズなどを設けてもよい。
このような発光デバイスに用いられる半導体発光素子としてはLEDが好ましく、特に本発明の効果が発揮できるものとしては耐熱性、耐光性が要求される青色LED、紫外線LED、および白色LEDが好ましく、さらに照明、ディスプレイ分野で大きな用途が見込まれる白色LEDが最も好ましい。
<蛍光体シートを用いた発光デバイスの製造方法>
次に蛍光体シートを用いた発光デバイスの製造方法にいて説明する。蛍光体シートを用いた発光デバイスの製造方法は、半導体発光素子の発光面を蛍光体シートにより被覆する工程を含む。
次に蛍光体シートを用いた発光デバイスの製造方法にいて説明する。蛍光体シートを用いた発光デバイスの製造方法は、半導体発光素子の発光面を蛍光体シートにより被覆する工程を含む。
半導体発光素子の発光面を蛍光体シートで被覆する工程は、半導体発光素子を基板に実装する工程の先に行ってもよく、半導体発光素子を基板に実装する工程の後に行ってもよい。前者は例えばウェハレベルで蛍光体シートを被覆しその後ダイシングにより個片化したのち実装する方法、LEDチップをダイシングテープなどの接着シート上に配列させた後蛍光体シートを被覆しその後個片化してから実装する方法が例示される。後者は半導体発光素子を実装したのち、パッケージ毎に個片化した蛍光体シートを被覆する方法が例示される。
蛍光体シートの被覆は蛍光体シート自身が加熱により粘着性を発現することによりLEDチップに固定させる方法、蛍光体シートとLEDチップを接着剤により固定する方法、またはLEDチップを樹脂で封止したのちその樹脂上を蛍光体シートで覆って固定する方法が例示される。
蛍光体シートはラミネーターやプレス機等により押厚しながら被覆してもよい。また蛍光体シートをより強力に固定するために加熱してもよい。
また蛍光体シートの被覆工程と半導体発光素子の実装工程ののち、蛍光体シートで被覆された半導体発光素子を樹脂で封止する工程や、レンズなどの光取り出し向上機構を設ける工程を含んでもよい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン組成物で用いた原料の仕様または合成方法、ならびに各実施例および比較例における評価方法を以下に記載する。
<原料>
(A)成分:ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物;
化合物A1:Gelest社製“PMV−9925”(ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン。フェニルメチルシロキサン単位99〜100mol%。分子量2,000〜3,000。粘度300〜600mPa・s。屈折率1.53)
化合物A2:Gelest社製“PDV−1635”(ビニル末端ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサンコポリマー。ジフェニルシロキサン単位15〜17mol%。分子量35,300。粘度5,000mPa・s。屈折率1.47)
化合物A3:Gelest社製“DMS−V33”(ビニル末端ポリジメチルシロキサン。分子量43,000。粘度3,500mPa・s。屈折率1.41)。
(A)成分:ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物;
化合物A1:Gelest社製“PMV−9925”(ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン。フェニルメチルシロキサン単位99〜100mol%。分子量2,000〜3,000。粘度300〜600mPa・s。屈折率1.53)
化合物A2:Gelest社製“PDV−1635”(ビニル末端ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサンコポリマー。ジフェニルシロキサン単位15〜17mol%。分子量35,300。粘度5,000mPa・s。屈折率1.47)
化合物A3:Gelest社製“DMS−V33”(ビニル末端ポリジメチルシロキサン。分子量43,000。粘度3,500mPa・s。屈折率1.41)。
(B)成分:ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物;
化合物B1:Gelest社製“HPM−502”(メチルハイドロシロキサン・フェニルメチルシロキサンコポリマー。メチルハイドロジェンシロキサン単位45〜50mol%。粘度75〜100mPa・s。屈折率1.50)
化合物B2:Gelest社製“HDP−111”(SiH基末端ポリフェニル(ジメチルハイドロシロキシ)シロキサン。(ジメチルハイドロシロキシ)フェニルシロキサン単位99〜100mol%。粘度50〜80mPa・s。屈折率1.46)
化合物B3:Gelest社製“HMS−151”(メチルハイドロシロキサン・ジメチルシロキサンコポリマー。メチルハイドロシロキサン単位15〜18mol%。分子量1,900〜2,000。粘度25〜35mPa・s。屈折率1.40)。
化合物B1:Gelest社製“HPM−502”(メチルハイドロシロキサン・フェニルメチルシロキサンコポリマー。メチルハイドロジェンシロキサン単位45〜50mol%。粘度75〜100mPa・s。屈折率1.50)
化合物B2:Gelest社製“HDP−111”(SiH基末端ポリフェニル(ジメチルハイドロシロキシ)シロキサン。(ジメチルハイドロシロキシ)フェニルシロキサン単位99〜100mol%。粘度50〜80mPa・s。屈折率1.46)
化合物B3:Gelest社製“HMS−151”(メチルハイドロシロキサン・ジメチルシロキサンコポリマー。メチルハイドロシロキサン単位15〜18mol%。分子量1,900〜2,000。粘度25〜35mPa・s。屈折率1.40)。
(C)成分:ヒドロシリル化反応触媒;
触媒C1:“SIP6832.0”(白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体。3〜3.5%白金濃度の環状メチルビニルシロキサン溶液)。
触媒C1:“SIP6832.0”(白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体。3〜3.5%白金濃度の環状メチルビニルシロキサン溶液)。
(D)成分:アセチレン基含有アルコール系反応遅延剤;
遅延剤D1:1−エチニル−1−シクロヘキサノール。
遅延剤D1:1−エチニル−1−シクロヘキサノール。
(A)〜(D)成分を含むシリコーン組成物;
樹脂1:東レ・ダウコーニング社製“OE6630”(粘度2,500mPa・s。屈折率1.53)
樹脂2:東レ・ダウコーニング社製“OE6336”(粘度1,500mPa・s。屈折率1.41)。
樹脂1:東レ・ダウコーニング社製“OE6630”(粘度2,500mPa・s。屈折率1.53)
樹脂2:東レ・ダウコーニング社製“OE6336”(粘度1,500mPa・s。屈折率1.41)。
(E)成分:ポリオルガノシロキサン粒子;
粒子1:3L四つ口丸底フラスコに攪拌機、温度計、環流管、滴下ロートを取り付け、フラスコにpH12(25℃)の2.5wt%アンモニア水溶液1600gと非イオン系界面活性剤エマルゲン1108(花王(株)製)0.004gを加えた。300rpmで攪拌しつつ滴下ロートからフェニルトリメトキシシラン130gとメチルトリメトキシシラン30gの混合物を20分かけ滴下した。その後、30分かけて50℃に昇温し、さらに60分間撹拌を続けた後、攪拌を止めた。室温まで冷却した後、酢酸アンモニウム20gを添加し150rpmで10分間攪拌した後、反応液を250ml遠心瓶((株)ナルゲン製)8本に分け、遠心分離機(テーブルトップ遠心機4000、(株)久保田製作所製)にセットした後、3000rpmで10分間遠心分離を行った。上澄み液を除去した後、各遠心瓶に純水200gを添加し、スパチュラで攪拌した後、上記の条件で遠心分離を行う洗浄操作を3回繰り返した。遠心瓶に残ったケーキをバットに移し、送風式オーブンで100℃、8時間の乾燥を行い、白色粉末70gを得た。得られた粒子粉末を、粒子径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック9320HRA)を用いて測定した結果、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)1.0μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.55という値が得られた。
粒子1:3L四つ口丸底フラスコに攪拌機、温度計、環流管、滴下ロートを取り付け、フラスコにpH12(25℃)の2.5wt%アンモニア水溶液1600gと非イオン系界面活性剤エマルゲン1108(花王(株)製)0.004gを加えた。300rpmで攪拌しつつ滴下ロートからフェニルトリメトキシシラン130gとメチルトリメトキシシラン30gの混合物を20分かけ滴下した。その後、30分かけて50℃に昇温し、さらに60分間撹拌を続けた後、攪拌を止めた。室温まで冷却した後、酢酸アンモニウム20gを添加し150rpmで10分間攪拌した後、反応液を250ml遠心瓶((株)ナルゲン製)8本に分け、遠心分離機(テーブルトップ遠心機4000、(株)久保田製作所製)にセットした後、3000rpmで10分間遠心分離を行った。上澄み液を除去した後、各遠心瓶に純水200gを添加し、スパチュラで攪拌した後、上記の条件で遠心分離を行う洗浄操作を3回繰り返した。遠心瓶に残ったケーキをバットに移し、送風式オーブンで100℃、8時間の乾燥を行い、白色粉末70gを得た。得られた粒子粉末を、粒子径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック9320HRA)を用いて測定した結果、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)1.0μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.55という値が得られた。
粒子2:エマルゲン1108を添加しない以外は粒子1と同様の方法で合成し、白色粉末65gを得た。得られた粒子粉末を、粒子径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック9320HRA)を用いて測定した結果、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)2.0μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.55という値が得られた。
粒子3:非イオン系界面活性剤エマルゲン1108(花王(株)製)の添加量を1gとした以外は粒子1と同様の方法で合成し、白色粉末78gを得た。得られた粒子粉末を、粒子径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック9320HRA)を用いて測定した結果、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)0.5μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.55という値が得られた。
粒子4:エマルゲン1108の代わりにシリコーン系界面活性剤FZ−77(東レ・ダウコーニング(株)製)0.01gを加えた以外は粒子1と同様の方法で合成し、白色粉末75gを得た。得られた粒子粉末を、粒子径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック9320HRA)を用いて測定した結果、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)0.1μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.55という値が得られた。
粒子5: 3L四つ口丸底フラスコに攪拌機、温度計、環流管、滴下ロートを取り付け、フラスコにpH12(25℃)の2.5wt%アンモニア水溶液1600gとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gを加えた。300rpmで攪拌しつつ滴下ロートからフェニルトリメトキシシラン61gとメチルトリメトキシシラン99gの混合物を20分かけ滴下した。その後は粒子1と同様の方法で合成し、白色粉末70gを得た。得られた粒子を、粒子径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック9320HRA)を用いて測定した結果、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)0.5μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.47という値が得られた。
粒子6: 3L四つ口丸底フラスコに攪拌機、温度計、環流管、滴下ロートを取り付け、フラスコにpH12(25℃)の2.5wt%アンモニア水溶液1600gを加えた。300rpmで攪拌しつつ滴下ロートからメチルトリメトキシシラン160gの混合物を20分かけ滴下した。その後は粒子1と同様の方法で合成し、白色粉末75gを得た。得られた粒子を、粒子径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック9320HRA)を用いて測定した結果、小粒径側からの通過分積算50%の粒子径(D50)1.0μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.42という値が得られた。
(F)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤;
活性剤F1:ビック・ケミ−社製“BYK−333”(シリコーン系界面活性剤)
活性剤F2:東レ・ダウコーニング社製“FZ−2154”(シリコーン系界面活性剤)
活性剤F3:DIC社製“メガファックF−553”(フッ素系界面活性剤)。
活性剤F1:ビック・ケミ−社製“BYK−333”(シリコーン系界面活性剤)
活性剤F2:東レ・ダウコーニング社製“FZ−2154”(シリコーン系界面活性剤)
活性剤F3:DIC社製“メガファックF−553”(フッ素系界面活性剤)。
(その他の界面活性剤);
活性剤F4:ビック・ケミ−社製“BYK−352”(アクリル系界面活性剤)
活性剤F5:花王社製“エマルゲン1108”(ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤)。
活性剤F4:ビック・ケミ−社製“BYK−352”(アクリル系界面活性剤)
活性剤F5:花王社製“エマルゲン1108”(ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤)。
(蛍光体);
蛍光体1:Intematix社製“EY4254”(Euドープのシリケート系蛍光体。比重:4.71g/cm3、D50:15.5μm)。
蛍光体1:Intematix社製“EY4254”(Euドープのシリケート系蛍光体。比重:4.71g/cm3、D50:15.5μm)。
<ポリオルガノシロキサン組成物の作製方法>
各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン組成物は以下の要領で作製した。容量300mlのポリエチレン容器に表1および表2に示す(A)〜(F)成分を秤量して添加した。スパチュラでよく混ぜ合わせたのち、櫛歯型ホモジナイザー(T25デジタルウルトラタックスシャフトジェネレータ:S25N−25G、IKAジャパン(株)製)を用いて、15000rpmで30分間分散した。分散終了後、目開き100μmのステンレス製フィルターをセットしたタンク付ステンレスホルダー(KST−47、アドバンテック東洋(株)製)を用いて加圧濾過を行うことでポリオルガノシロキサン組成物を得た。
各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン組成物は以下の要領で作製した。容量300mlのポリエチレン容器に表1および表2に示す(A)〜(F)成分を秤量して添加した。スパチュラでよく混ぜ合わせたのち、櫛歯型ホモジナイザー(T25デジタルウルトラタックスシャフトジェネレータ:S25N−25G、IKAジャパン(株)製)を用いて、15000rpmで30分間分散した。分散終了後、目開き100μmのステンレス製フィルターをセットしたタンク付ステンレスホルダー(KST−47、アドバンテック東洋(株)製)を用いて加圧濾過を行うことでポリオルガノシロキサン組成物を得た。
<蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物の作製方法>
各実施例および比較例における蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物は以下の要領で作製した。容量300mlのポリエチレン容器に前記の要領で作製したポリオルガノシロキサン組成物と蛍光体を表3および表4に示す組成に従って秤量して添加した。スパチュラでよく混ぜ合わせたのち、自転公転式攪拌機(ARV−310、(株)シンキー製)を用いて、1000rpmで10分間攪拌し、蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
各実施例および比較例における蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物は以下の要領で作製した。容量300mlのポリエチレン容器に前記の要領で作製したポリオルガノシロキサン組成物と蛍光体を表3および表4に示す組成に従って秤量して添加した。スパチュラでよく混ぜ合わせたのち、自転公転式攪拌機(ARV−310、(株)シンキー製)を用いて、1000rpmで10分間攪拌し、蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
<ポリオルガノシロキサン硬化物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン硬化物の作製方法>
各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン硬化物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン硬化物は以下の要領で作製した。前記の要領で作製したポリオルガノシロキサン組成物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物をガラス基板上に所定の膜厚になるように流延した。このガラス基板を金属製バットに水平に置いたのち、組成物表面に直接熱風が当たらないように通気孔付フタをかぶせた。このバットを送風式オーブン内に入れ、80℃で1時間、続いて150℃で2時間加熱処理して硬化物を得た。
各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン硬化物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン硬化物は以下の要領で作製した。前記の要領で作製したポリオルガノシロキサン組成物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物をガラス基板上に所定の膜厚になるように流延した。このガラス基板を金属製バットに水平に置いたのち、組成物表面に直接熱風が当たらないように通気孔付フタをかぶせた。このバットを送風式オーブン内に入れ、80℃で1時間、続いて150℃で2時間加熱処理して硬化物を得た。
<発光デバイスの作製方法>
各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスは以下の要領で作製した。InGaN系LEDチップ(昭和電工(株)製)をフレーム(TOP LED BASE、(株)エノモト製)に銀エポキシペーストを用いて実装した。続いて太さ25μmの金ワイヤーを用いてLEDチップと電極を接続した。このLEDチップを実装したパッケージに前記の蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物をディスペンサー(MPP−1、武蔵エンジニアリング(株)製)により充填した。充填が終わったらパッケージを金属製バットに水平に置いたのち通気孔付フタをかぶせ、続いてバットを送風式オーブン内に入れ、80℃で1時間、続いて150℃で2時間加熱処理してポリオルガノシロキサン組成物を硬化させた。放冷後、パッケージを枠から外して個別化した。このようにして作製したパッケージの電極に金属線を半田付けし、この金属線を通じて電源に接続した。所定の電流を流すことにより光を発生する発光デバイスを得た。
各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスは以下の要領で作製した。InGaN系LEDチップ(昭和電工(株)製)をフレーム(TOP LED BASE、(株)エノモト製)に銀エポキシペーストを用いて実装した。続いて太さ25μmの金ワイヤーを用いてLEDチップと電極を接続した。このLEDチップを実装したパッケージに前記の蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物をディスペンサー(MPP−1、武蔵エンジニアリング(株)製)により充填した。充填が終わったらパッケージを金属製バットに水平に置いたのち通気孔付フタをかぶせ、続いてバットを送風式オーブン内に入れ、80℃で1時間、続いて150℃で2時間加熱処理してポリオルガノシロキサン組成物を硬化させた。放冷後、パッケージを枠から外して個別化した。このようにして作製したパッケージの電極に金属線を半田付けし、この金属線を通じて電源に接続した。所定の電流を流すことにより光を発生する発光デバイスを得た。
<蛍光体シートの作製方法>
各実施例および比較例における蛍光体シートは以下の要領で作製した。容量300mlのポリエチレン容器に前記の要領で作製したポリオルガノシロキサン組成物と蛍光体を表6に示す組成に従って秤量し、三本ロールミル(EXAKT製 M−80S)を用いて混合した。その後、溶剤としてテルピネオールを添加して粘度を3000〜7000mPa・sになるように調整し、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK−400”(クラボウ製)により、1000rpmで20分間撹拌・脱泡してシート作製用蛍光体分散液を得た。このシート作製用蛍光体分散液をスリットダイコーターにより、 “セラピール”BX9(東レフィルム加工株式会社製; 膜厚50μm)上に塗布し、120℃で1時間加熱、乾燥して膜厚50μm、100mm角の蛍光体シートを得た。
各実施例および比較例における蛍光体シートは以下の要領で作製した。容量300mlのポリエチレン容器に前記の要領で作製したポリオルガノシロキサン組成物と蛍光体を表6に示す組成に従って秤量し、三本ロールミル(EXAKT製 M−80S)を用いて混合した。その後、溶剤としてテルピネオールを添加して粘度を3000〜7000mPa・sになるように調整し、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK−400”(クラボウ製)により、1000rpmで20分間撹拌・脱泡してシート作製用蛍光体分散液を得た。このシート作製用蛍光体分散液をスリットダイコーターにより、 “セラピール”BX9(東レフィルム加工株式会社製; 膜厚50μm)上に塗布し、120℃で1時間加熱、乾燥して膜厚50μm、100mm角の蛍光体シートを得た。
次に、InGaN系LEDチップ(昭和電工(株)製)をフレーム(TOP LED BASE、(株)エノモト製)に銀エポキシペーストを用いて実装し、続いて太さ25μmの金ワイヤーを用いてLEDチップと電極を接続したLEDパッケージを用意した。このLEDパッケージの発光面上にOE6630を接着剤として前記蛍光体シートをカットして貼り付けた。その後、蛍光体シートで被覆されたLEDパッケージを送風式オーブンに入れ、150℃、1時間の条件で加熱硬化した。放冷後、パッケージを枠から外して個別化した。このようにして作製したパッケージの電極に金属線を半田付けし、この金属線を通じて電源に接続した。所定の電流を流すことにより光を発生する発光デバイスを得た。
<評価の方法>
各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン組成物、蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物、硬化物、発光デバイスの特性評価を以下の要領で行った。
各実施例および比較例におけるポリオルガノシロキサン組成物、蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物、硬化物、発光デバイスの特性評価を以下の要領で行った。
(粘度)
組成物作製後1時間静置したのち、B型回転粘度計(DV−II+Pro、ブルックフィールド社製、チャンバー:SC4−6R、スピンドル:SC4−14K)を用いて、回転数10rpm(ずり速度:4s−1)での粘度を測定した。
組成物作製後1時間静置したのち、B型回転粘度計(DV−II+Pro、ブルックフィールド社製、チャンバー:SC4−6R、スピンドル:SC4−14K)を用いて、回転数10rpm(ずり速度:4s−1)での粘度を測定した。
(ポットライフ)
前記の方法に従って、組成物作製から1時間間隔で粘度を測定し、1時間後粘度の1.2倍以下である最大の時間をポットライフとした。
前記の方法に従って、組成物作製から1時間間隔で粘度を測定し、1時間後粘度の1.2倍以下である最大の時間をポットライフとした。
(硬化物着色)
サイズ10mm角の正方形で膜厚1mmのポリオルガノシロキサン硬化物を作製したのち、硬化物の膜を白色の紙上に置いて着色の程度を観察した;
A: 全く着色が見られない;
B: ごくわずかに褐色の着色が感じられる;
C: はっきりと褐色の着色が見られる。
サイズ10mm角の正方形で膜厚1mmのポリオルガノシロキサン硬化物を作製したのち、硬化物の膜を白色の紙上に置いて着色の程度を観察した;
A: 全く着色が見られない;
B: ごくわずかに褐色の着色が感じられる;
C: はっきりと褐色の着色が見られる。
(表面外観)
サイズ10mm角の正方形で膜厚1mmのポリオルガノシロキサン硬化物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン硬化物を作製したのち、硬化物膜の表面を目視で観察した;
A: ベナールセルが見られない;
B: 全体の面積の10%未満でベナールセルが見られる;
C: 全体の面積の10%以上50%未満でベナールセルが見られる;
D: 全体の面積の50%以上でベナールセルが見られる。
サイズ10mm角の正方形で膜厚1mmのポリオルガノシロキサン硬化物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン硬化物を作製したのち、硬化物膜の表面を目視で観察した;
A: ベナールセルが見られない;
B: 全体の面積の10%未満でベナールセルが見られる;
C: 全体の面積の10%以上50%未満でベナールセルが見られる;
D: 全体の面積の50%以上でベナールセルが見られる。
(表面粗さRa、最大高さRz)
サイズ10mm角の正方形で膜厚1mmのポリオルガノシロキサン硬化物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン硬化物もしくは前記の発光デバイスを作製した。この硬化物の表面をレーザー顕微鏡(V−9500、(株)キーエンス製)を用いて観察したのち、JIS B 0601(2001)の規格に従って解析し、0.1mm角の正方形の範囲の表面粗さRaと最大高さRzを算出した。
サイズ10mm角の正方形で膜厚1mmのポリオルガノシロキサン硬化物または蛍光体含有ポリオルガノシロキサン硬化物もしくは前記の発光デバイスを作製した。この硬化物の表面をレーザー顕微鏡(V−9500、(株)キーエンス製)を用いて観察したのち、JIS B 0601(2001)の規格に従って解析し、0.1mm角の正方形の範囲の表面粗さRaと最大高さRzを算出した。
(シート特性)
作製した蛍光体シートを10mm角四方に切り取ったのち、前記の方法に従って表面粗さRaと最大高さRzを算出した。
作製した蛍光体シートを10mm角四方に切り取ったのち、前記の方法に従って表面粗さRaと最大高さRzを算出した。
(蛍光体分散度)
前記の蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物2mlをディスポ光学セルに注入したのち、50mlコニカル管内に入れて動かないように固定した。このコニカル管を遠心分離機(テーブルトップ遠心機4000、(株)久保田製作所製)にセットしたのち、3000rpmで30分間遠心分離を行った。光学セルを取り出して観察を行い、下記の計算式1に基づいて蛍光体分散度を評価した。
前記の蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物2mlをディスポ光学セルに注入したのち、50mlコニカル管内に入れて動かないように固定した。このコニカル管を遠心分離機(テーブルトップ遠心機4000、(株)久保田製作所製)にセットしたのち、3000rpmで30分間遠心分離を行った。光学セルを取り出して観察を行い、下記の計算式1に基づいて蛍光体分散度を評価した。
(発光状態)
前記の方法により作製した発光デバイスに1mAの電流を流して発光させ、これを観察して発光ムラを評価した;
A: 全体で均一に発光している;
B: 全体の面積の10%未満で発光ムラが見られる;
C: 全体の面積の10%以上50%未満で発光ムラが見られる;
D: 全体の面積の50%以上で発光ムラが見られる。
前記の方法により作製した発光デバイスに1mAの電流を流して発光させ、これを観察して発光ムラを評価した;
A: 全体で均一に発光している;
B: 全体の面積の10%未満で発光ムラが見られる;
C: 全体の面積の10%以上50%未満で発光ムラが見られる;
D: 全体の面積の50%以上で発光ムラが見られる。
<実施例1〜21、比較例1〜8>
ポリオルガノシロキサン組成物およびその硬化物の組成と特性評価結果を表1および表2に示す。この表から分かるように(F)成分のシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有することによりほとんど着色することなく、ベナールセルの発生を大幅に抑え、平滑な硬化物表面を得ることができた。特に、(F)成分の含有量が(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し10重量部以上である場合にはベナールセルが見られず、組成物全体の重量に対し3,000ppm以下である場合には全く着色が見られないという非常に良好な結果であった。
ポリオルガノシロキサン組成物およびその硬化物の組成と特性評価結果を表1および表2に示す。この表から分かるように(F)成分のシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有することによりほとんど着色することなく、ベナールセルの発生を大幅に抑え、平滑な硬化物表面を得ることができた。特に、(F)成分の含有量が(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し10重量部以上である場合にはベナールセルが見られず、組成物全体の重量に対し3,000ppm以下である場合には全く着色が見られないという非常に良好な結果であった。
<実施例22〜42、比較例9〜16>
蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物およびその硬化物の組成と特性評価結果を表3および表4に示す。この表から分かるように(F)成分のシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有することによりベナールセルの発生を大幅に抑え、平滑な硬化物表面を得ることができた。特に、(F)成分の含有量が(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し10重量部以上である場合にはベナールセルが見られないという非常に良好な結果であった。
蛍光体含有ポリオルガノシロキサン組成物およびその硬化物の組成と特性評価結果を表3および表4に示す。この表から分かるように(F)成分のシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有することによりベナールセルの発生を大幅に抑え、平滑な硬化物表面を得ることができた。特に、(F)成分の含有量が(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し10重量部以上である場合にはベナールセルが見られないという非常に良好な結果であった。
<実施例43〜49、比較例17〜19>
ポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスの組成と特性評価結果を表5に示す。この表から分かるように(F)成分を含有することにより発光デバイスの硬化物表面を平滑にし、ムラの少ない均一な発光を実現することができた。特に、(F)成分の含有量が(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し10重量部以上である場合には全体で均一に発光するという非常に良好な結果であった。
ポリオルガノシロキサン組成物を用いた発光デバイスの組成と特性評価結果を表5に示す。この表から分かるように(F)成分を含有することにより発光デバイスの硬化物表面を平滑にし、ムラの少ない均一な発光を実現することができた。特に、(F)成分の含有量が(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し10重量部以上である場合には全体で均一に発光するという非常に良好な結果であった。
<実施例50〜55、比較例20〜22>
蛍光体シートの組成と特性評価、およびこれを用いた発光デバイスの組成と特性評価結果を表6に示す。この表から分かるように(F)成分を含有することにより発光デバイスの硬化物表面を平滑にし、ムラの少ない均一な発光を実現することができた。特に、(F)成分の含有量が(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し10重量部以上である場合には全体で均一に発光するという非常に良好な結果であった。
蛍光体シートの組成と特性評価、およびこれを用いた発光デバイスの組成と特性評価結果を表6に示す。この表から分かるように(F)成分を含有することにより発光デバイスの硬化物表面を平滑にし、ムラの少ない均一な発光を実現することができた。特に、(F)成分の含有量が(D)成分のアセチレン基含有アルコール系反応遅延剤100重量部に対し10重量部以上である場合には全体で均一に発光するという非常に良好な結果であった。
1 パッケージ基板
2 配線
3 リフレクター
4 LEDチップ
5 金ワイヤー
6 樹脂組成物(硬化物)
7 蛍光体
2 配線
3 リフレクター
4 LEDチップ
5 金ワイヤー
6 樹脂組成物(硬化物)
7 蛍光体
Claims (12)
- 少なくとも下記の(A)から(F)の成分を含有するポリオルガノシロキサン組成物。
(A)成分:ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物。
(B)成分:ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物。
(C)成分:ヒドロシリル化反応触媒。
(D)成分:アセチレン基含有アルコール系反応遅延剤。
(E)成分:一般式(1)および/または(2)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子。
(F)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤。 - さらに蛍光体を含む請求項1に記載のポリオルガノシロキサン組成物。
- 請求項1または2のいずれかに記載のポリオルガノシロキサン組成物を硬化して得られるポリオルガノシロキサン硬化物。
- 0.1mm角の正方形の範囲にある硬化物表面の表面粗さ(Ra)が5μm以下であり、かつ最大高さ(Rz)が50μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のポリオルガノシロキサン硬化物。
- 請求項2に記載のポリオルガノシロキサン組成物を含む蛍光体シート。
- 0.1mm角の正方形の範囲にあるシート表面の表面粗さ(Ra)が5μm以下であり、かつ最大高さ(Rz)が50μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の蛍光体シート。
- 請求項2に記載のポリオルガノシロキサン組成物を塗布する工程を含む蛍光体シートの製造方法。
- 半導体発光素子が実装され樹脂硬化物で封止して得られる発光デバイスであって、樹脂硬化物は少なくとも下記の(G)〜(J)の成分を含有するポリオルガノシロキサン硬化物であることを特徴とする発光デバイス。
(G)成分:主鎖がシロキサン結合により形成されており、かつ一般式(3)で表されるアルキレン基を少なくとも2個以上含有するポリオルガノシロキサン化合物。
(H)成分:ヒドロシリル化反応触媒。
(I)成分:一般式(4)および/または(5)で表されるシラン化合物を加水分解縮合することにより得られる化合物を主成分とするポリオルガノシロキサン粒子。
(J)成分:シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤。 - 前記樹脂硬化物にさらに蛍光体を含むことを特徴とする請求項8に記載の発光デバイス。
- 前記樹脂硬化物の0.1mm角の正方形の範囲にある表面粗さ(Ra)が5μm以下であり、かつ最大高さ(Rz)が50μm以下であることを特徴とする請求項8から10に記載の発光デバイス。
- 半導体発光素子の発光面を請求項2記載のポリオルガノシロキサン組成物で被覆する工程を含む請求項8から10のいずれかに記載の発光デバイスの製造方法。
- 半導体発光素子の発光面を請求項5または6記載の蛍光体シートにより被覆する工程を含む請求項8から10のいずれかに記載の発光デバイスの製造方法。
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