JP2014113117A - 細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法 - Google Patents

細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014113117A
JP2014113117A JP2012270933A JP2012270933A JP2014113117A JP 2014113117 A JP2014113117 A JP 2014113117A JP 2012270933 A JP2012270933 A JP 2012270933A JP 2012270933 A JP2012270933 A JP 2012270933A JP 2014113117 A JP2014113117 A JP 2014113117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adenosine triphosphate
atp
microcapsule
derived
degrading enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012270933A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5405650B1 (ja
Inventor
Akihiro Kurita
昭宏 栗田
Yutaka Yamagishi
豊 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo B Net Co Ltd
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo B Net Co Ltd
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo B Net Co Ltd, Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo B Net Co Ltd
Priority to JP2012270933A priority Critical patent/JP5405650B1/ja
Priority to PCT/JP2013/082972 priority patent/WO2014092050A1/ja
Priority to TW102145978A priority patent/TW201430135A/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP5405650B1 publication Critical patent/JP5405650B1/ja
Publication of JP2014113117A publication Critical patent/JP2014113117A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y306/00Hydrolases acting on acid anhydrides (3.6)
    • C12Y306/01Hydrolases acting on acid anhydrides (3.6) in phosphorus-containing anhydrides (3.6.1)
    • C12Y306/01005Apyrase (3.6.1.5), i.e. ATP diphosphohydrolase

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 ATPを多量に含む飲料などの食品、その他の製品の品質管理・抜き取り検査を効率よく行うため、原料由来のATPを簡便な操作でかつ短時間で除去し、微生物の混入を高感度かつ正確に判定するための技術を提供すること。
【解決手段】 アデノシン三リン酸分解酵素を内包するマイクロカプセルを用いて、試料中の遊離アデノシン三リン酸を分解した後、試料中に存在する細胞からアデノシン三リン酸を抽出し、抽出されたアデノシン三リン酸を測定することを含む、細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法に関し、より詳細には、アデノシン三リン酸分解酵素を内包するマイクロカプセルを用いて、試料中の遊離アデノシン三リン酸を除去した後、試料中に存在する細胞由来のアデノシン三リン酸を検出することを含む、細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法に関する。
飲料中の微生物汚染を測定する方法として、寒天培地を用いて2〜3日培養し、生じるコロニー数を計測する寒天平板法や、メンブレンフィルターを用いて試料をろ過し、フィルターを寒天培地に貼り付けてフィルター上で培養するメンブランフィルター法が一般的に用いられている。以上の方法は、測定結果を得るために時間がかかり、工程管理法としては迅速性に欠いている。
このような問題を解決すべく、ルシフェラーゼを用いた生物発光法が、微生物細胞由来アデノシン三リン酸(以下ATP)の迅速検出法として利用されている。本法は、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、ATPの存在下において、ルシフェリンの酸化により生じる発光量がATP量と比例する原理に基づいている。ATPは数ナノモル/Lの濃度で正確に測定することが要求される。さらに、微生物由来のATPを峻別して測定するために、非微生物由来すなわち原料由来のATPを除去する必要がある。従来、非微生物由来のATPを選択的に除去し、微生物由来のATPのみを選択的に高感度に検出する方法に腐心しており、以下の3つの方法が開発されている。(特許文献1)、1つ目は、試料に非イオン界面活性剤を作用させ、非微生物細胞由来ATPを抽出後、ろ過して濃縮された微生物細胞ATPを抽出して生物発光によりATP量を見積もる方法である。本法は、ろ過に時間を要し操作も煩雑である。2つ目として、非イオン性界面活性剤を作用させ、非微生物由来ATPを抽出して遠心分離操作で上清を除去して、微生物細胞を含む沈殿より微生物細胞由来ATPを抽出し生物発光による測定法である。本法は、遠心操作を繰り返すことにより微生物の分離は確実になるが、時間を相当要し、操作回数が増えるごとに微生物細胞の回収が悪くなる。3つ目として、測定試料に非イオン性界面活性剤などを作用させ、非微生物由来ATPを抽出した後、アピラーゼなどのATP加水分解酵素によりこれを分解し、分解完了後アピラーゼをガラスビーズで固定化することにより不動態化する方法がある。しかしこの方法ではアピラーゼの除去あるいは失活が不完全であった場合、微生物細胞由来のATPが残存アピラーゼにより分解されてしまう危険がある。また、その結果、ATPの値のバラツキが大きくなり、106CFU/ml程度しか期待できない。
このような事情に鑑み、原料由来のATP量が高すぎる茶系飲料や果汁飲料などに混入している微生物由来ATPの測定を短時間かつ高感度に測定する技術の開発が強く望まれていた。
特公昭62−4120号
本発明は、ATPを多量に含む飲料などの食品、その他の製品の品質管理・抜き取り検査を効率よく行うため、原料由来のATPを簡便な操作でかつ短時間で除去し、微生物の混入を高感度かつ正確に判定するための技術を提供することを目的とする。
発明者らは、これらの問題を解決すべく、鋭意努力した結果、ATP加水分解解酵素を包含したマイクロカプセルが上記目的に合致していることを見出した。
すなわち、半透性を有するマイクロカプセルにATP加水分解酵素を封じ込め、マイクロカプセルの薄膜を通じてカプセル内部に入ったATPを酵素反応により分解する。試料中の原料由来のATPが完全に分解されたらビーズを除去し、微生物由来のATPを抽出してその量を生物発光反応により検出することにより、試料由来のATPを簡便な操作でかつ短時間で除去し、微生物の混入を高感度かつ正確に判定できることを見出し、本発明を完成させるに至った(図1)。本発明の方法は、微生物に限らず、動物細胞、植物細胞などの細胞の測定にも利用することができる。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)アデノシン三リン酸分解酵素を内包するマイクロカプセルを用いて、試料中の遊離アデノシン三リン酸を分解した後、試料中に存在する細胞からアデノシン三リン酸を抽出し、抽出されたアデノシン三リン酸を測定することを含む、細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法。
(2)アデノシン三リン酸分解酵素が、アピラーゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、ヌクレアーゼP及びデアミナーゼからなる群より選択される少なくとも1種の酵素である(1)記載の方法。
(3)マイクロカプセルの被膜が、分子量1000以下のイオンは透過させ、アデノシン三リン酸分解酵素は透過しない半透膜である(1)又は(2)記載の方法。
(4)マイクロカプセルの被膜が、アルギン酸、メトキシペクチン、硫酸セルロース、ゼラチン、キトサン、カラギーナン及びワックスからなる群より選択される少なくとも1種の材料を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)1カプセル中のアデノシン三リン酸分解酵素含有量が0.1 ng〜1 mgである(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)ルシフェリン/ルシフェラーゼ反応により、アデノシン三リン酸を測定する(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)アデノシン三リン酸分解酵素を内包するマイクロカプセル。
(8)(7)記載のマイクロカプセルを含む、アデノシン三リン酸分解試薬。
(9)(8)記載のアデノシン三リン酸分解試薬を含む、アデノシン三リン酸測定キット。
本発明により、原料由来のATPを簡便な操作でかつ短時間で除去し、微生物の混入を高感度かつ正確に判定することができるようになった。
本発明の概念図。 マイクロビーズ(ATP消去ビーズ)の外観。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明は、アデノシン三リン酸分解酵素を内包するマイクロカプセルを用いて、試料中の遊離アデノシン三リン酸を分解した後、試料中に存在する細胞からアデノシン三リン酸を抽出し、抽出されたアデノシン三リン酸を測定することを含む、細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法を提供する。
アデノシン三リン酸(ATP)分解酵素としては、アピラーゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、ヌクレアーゼP、デアミナーゼなどを例示することができるが、これらに限定されることはない。
マイクロカプセルは、無機顔料として、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、酸化鉄、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナ白、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデートオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、 ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白フェロシアン化物(紺青)、燐酸塩(マンガンバイオレット)、炭素(カーボンブラック)有機顔料として、ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ、キノリンエローレーキ、マラカイトグリーンレーキ、アリザリンレーキ、カーミン6B、レーキレットC、ジスアゾエロー、レーキレット4R、クロモフタルエロー3G、クロモフタルスカーレットRN 、ニッケルアゾエロー、パーマネントオレンジHL、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、フラバンスロンエロー、チオインジゴボルドー、ペリノンレッド、ジオキサドンバイオレット、キナクリドンレッド、ナフトールエローS、ピグロントグリーンB、ルモゲンエロー、シグナルレッド、アルカリブルー、アニリンブラックなどの着色剤、さらに、酵素保護剤として、牛血清アルブミン、ゼラチン、トレハロースなどを内包してもよい。
マイクロカプセルの被膜は、ATP分解酵素を封じ込め、かつATPを通過させる半透性を有するものであればよく、このような被膜としては、ATP、ADP、AMP、ピロリン酸などの分子量1000以下のイオンは透過させ、ATP分解酵素は透過しない半透膜が適当である。
マイクロカプセルの平均粒度(d50)は、10μm〜1 mmが適当であり、50μm〜500μmが好ましく、100μm〜300μmがより好ましい。粒度分布を表す指標である標準偏差(粒度分布)の値は、1%〜300%が適当であり、1%〜100%が好ましく、1%〜30%がより好ましい。平均粒度と粒度分布は、顕微鏡観察でカプセルの直径を顕微鏡などで実測することにより求めることができる。
マイクロカプセルの比重は、1.0以上が適当であり、1.0〜3.0が好ましく、1.0〜2.0がより好ましい。比重は、ピペット法(JIS Z8820-2:2004)に従い、測定することができる。
また、1カプセル中のATP分解酵素含有量は、0.1 ng〜1 mgであるとよく、好ましくは1 ng〜500μgであり、より好ましくは1 ng〜1μgである。カプセルに内包させるATP分解酵素量は、カプセル形成前の溶液に投入する酵素量により調節が可能である。
マイクロカプセルの被膜は、アルギン酸、メトキシペクチン、硫酸セルロース、ゼラチン、キトサン、カラギーナン、ワックスなどの材料を含むとよい。
試料としては、茶系飲料、果実酒、ジュース(果汁飲料、植物系飲料)、サイダー、コーラ、炭酸水、シロップ、コーヒー飲料(ミルク入りを含む)・紅茶飲料(ミルク入りを含む)、滋養飲料、ミネラルォーター、ビール、 清酒、清酒かす、焼ちゅう、合成清酒、ウイスキー、味りん(本直しを含む)、ジン、ウォッカ、ブランデー、薬味酒、リキュール、ラム、老酒、梅酒などの飲料、水産練り製品、肉加工品、乳加工品、野菜加工品、果実加工品、油脂食品、嗜好食品、調味料、菓子類、冷凍食品、レトルト食品、缶詰食品、瓶詰め食品、インスタント食品などの食品を例示することができるが、これらに限定されることはない。
ATP分解酵素を内包するマイクロカプセルと試料を混合することにより、試料中の遊離ATPがマイクロカプセル中のATP分解酵素と反応して分解される。反応は、15〜45℃の温度で、pH4.0〜10.0の条件下で、1〜60分間行うとよい。ATPとATP分解酵素の反応は、ATP分解酵素の濃度が1ng/ml〜100 mg/mlとなる反応系で行うとよい。反応系に存在するATPの量は、反応系に存在するATP分解酵素で完全に分解する量であればよく、それよりも多い場合には、適当な希釈剤(例えば、トリス緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液、TES緩衝液、純水等)で希釈した後、適量の希釈液をATP分解酵素と反応させるとよい。
反応後、試料中に存在する細胞からATPを抽出し、抽出されたATPを検出する。試料中に存在する細胞からATPを抽出するには、市販のATP抽出試薬を用いればよい。さらに、細胞から抽出されたATPは、ルシフェリン/ルシフェラーゼ反応により測定することができるが、この方法に限定されるわけではない。ルシフェリン/ルシフェラーゼ反応によるATPの検出は、市販のルシフェリン/ルシフェラーゼ発光試薬(LL発光試薬)を用いて発光させ、その発光をルミノメーターで測定することにより行うことができる。
本発明の方法により、細胞由来のATPの定量、細胞の定量(生きている細胞の定量、既知の細胞であれば、高感度かつ正確に定量ができ、未知の細胞についても検出が可能)などができる。細胞は、微生物細胞、動物細胞、植物細胞などいかなる細胞であってもよい。本発明の方法は、食品衛生管理などで要求される微生物の検出・定量、洗浄度合の検査などに利用することができる。
また、本発明は、ATP分解酵素を内包するマイクロカプセルを提供する。
マイクロカプセルは、無機顔料として、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、酸化鉄、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナ白、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデートオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、 ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白フェロシアン化物(紺青)、燐酸塩(マンガンバイオレット)、炭素(カーボンブラック)有機顔料として、ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ、キノリンエローレーキ、マラカイトグリーンレーキ、アリザリンレーキ、カーミン6B、レーキレットC、ジスアゾエロー、レーキレット4R、クロモフタルエロー3G、クロモフタルスカーレットRN 、ニッケルアゾエロー、パーマネントオレンジHL、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、フラバンスロンエロー、チオインジゴボルドー、ペリノンレッド、ジオキサドンバイオレット、キナクリドンレッド、ナフトールエローS、ピグロントグリーンB、ルモゲンエロー、シグナルレッド、アルカリブルー、アニリンブラックなどの着色剤、酵素保護剤として、牛血清アルブミン、ゼラチン、トレハロースなどを内包してもよい。
マイクロカプセルの材質、物性などについては上述した。
ATP分解酵素を内包するマイクロカプセルは、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレードライ法、パンコーティング法、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法など公知のいかなる方法で製造してもよい。
本発明のマイクロカプセルを用いて、ATPを分解することができる。従って、本発明は、上記のマイクロカプセルを含む、ATP分解試薬を提供する。
本発明のATP分解試薬において、ATP分解酵素内包カプセルは、凍結乾燥品、懸濁液(カプセル浮遊液)などのいかなる形態で包含されてもよい。懸濁液とする場合には、カプセルを適当な溶媒(例えば、トリス緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液、TES緩衝液、純水等)に分散させるとよい。
本発明のATP分解試薬には、さらに、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、防かび剤などを含めてもよい。
本発明のATP分解試薬は、ATPの測定、例えば、試料中に存在する細胞由来のATPの測定に利用することができる(上述)。従って、本発明は、上記のATP分解試薬を含む、ATP測定キットを提供する。
本発明のATP測定キットには、さらに、ルシフェリン/ルシフェラーゼ発光試薬、発光試薬溶解液、ATP抽出剤、ATP標準試薬、発光量とATP量を対応づける検量線、取扱い説明書、ATP量を換算するソフトウエアなどを含めてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
I.ATP消去ビーズの調製方法
1.アピラーゼジャガイモ由来GradeIII(シグマ・アルドリッジ社)1.1 ml、アルギン酸ナトリウム(和光純薬)2 g、顔料インキ(グラフテック社 インクペン用水性顔料インク青)200 μlを純水200 mlに溶解した。
2.溶解液をマイクロビーズ作製装置(日本ビュッヒ社 Encapsulator B-390)にセットした。
3.マイクロビーズ作製装置に直径約150 μmの液滴を生成させた。
4.液滴を2%塩化カルシウム溶液中に滴下した。
5.表面がゲル化した、アピラーゼおよび顔料インキを含んだマイクロビーズを0.2 μm孔径のフィルター(ナルゲン フィルターユニット)を用いてろ過した。
6.フィルター上のろ物(マイクロカプセル)を10 mM HEPESバッファーで洗浄した。
7.マイクロカプセルを適当量の10 mM HEPESバッファーに再懸濁した。
8.上記操作で得られた上清100 μlに10-7mole/lのATP標準液(東洋ビーネット社)10μlを混合し、30分間反応させた。その後、LL発光試薬(菌士郎ATP発光試薬 LL100-1 東洋ビーネット社)100 μlを混合し30秒間反応させた後、その発光をルミノメーター(LB9507 ベルトールド社)で測定した。なお、測定の積算時間は10秒間とした。本操作により得られた結果と純水100 μlに10-7mole/lのATP標準液1 μlを添加したものの発光量を測定した結果を比較し、上清液の発光量が純水の発光量に対して95%以上であることを確認し、マイクロカプセル芯剤に含有されなかったアピラーゼが存在していないことを証明した。上清液とマイクロビーズ(ATP消去ビーズ)の外観を図2に示す。
マイクロビーズの物性値は、以下の通りである。
・平均粒度:155.2 um
・粒度分布:16.4%
(顕微鏡観察(倍率40)でカプセルの直径を実測して、平均粒度と粒度分布を決定した。1回の観察で100粒測定し、それを3回繰り返した。平均粒度は300粒の平均値、粒度分布はその標準偏差で示す。)
・比重:1.6(ピペット法(JIS Z8820-2:2004) に従い測定した。)
・1カプセル中のアピラーゼ含有量:11.6 ng(直径150umのカプセルの内側に含まれる液量は約1.8ulであるので、本実験の条件では11.6 ngの酵素が含まれていると計算される。尚、カプセルに内包させる酵素量は、カプセル形成前の溶液に投入する酵素量により調節が可能である。本実験では、200mlの溶液に1.1mgのアピラーゼを混合したが、例えば、110mgのアピラーゼを混合した場合は、内包酵素量は110ngと推定される。>
II.ATP消去ビーズ 洗浄操作の必要性
I.(ATP消去ビーズの調製方法)の7.のマイクロカプセル懸濁液(表1では、「マイクロカプセル含有液」と表示)とIの8.の上清液の各々100 μlに10-7mole/lのATP標準液(東洋ビーネット社)10μlを混合し、30分間反応させた。その後、LL発光試薬(菌士郎ATP発光試薬 LL100-1 東洋ビーネット社)100 μlを混合し30秒間反応させた後、その発光をルミノメーター(LB9507 ベルトールド社)で測定した。なお、測定の積算時間は10秒間とした。結果を表1にまとめた(表1の「洗浄操作あり」)
また、I.(ATP消去ビーズの調製方法)の5.6.7を省略した場合についても、同様の測定を行い、結果を表1にまとめた(表1の「未洗浄」)。「未洗浄」の場合、上清液にマイクロカプセルに包摂されなかったと考えられるアピラーゼが残存し、これがATPを分解した結果、本来得られるはずである発光量を2桁下げていると考えられる。このことは、本来の目的物である抽出した微生物由来のATPが上清液に残存しているアピラーゼにより分解されてしまう可能性を示唆する。このため、マイクロカプセルをろ過にて回収後HEPESバッファーで洗浄する操作により、未包摂アピラーゼを除去することが好ましいと考えられる。なお、表1におけるマイクロカプセル含有液はカプセル中にアピラーゼを含んでいるのでATP分解活性がある。
対照区は、HEPESバッファー100 μlに10-7mole/lのATP標準液(東洋ビーネット社)10μlを混合し、30分間反応させた。その後、LL発光試薬(菌士郎ATP発光試薬 LL100-1 東洋ビーネット社)100 μlを混合し30秒間反応させた後、その発光をルミノメーター(LB9507 ベルトールド社)で測定した(測定の積算時間は10秒間)。
III.サンプル中のATP消去・サンプル中の微生物由来ATP量の測定方法(一例)
1.検体(緑茶・ジュース・ATP標準サンプルなど)200 μlとマイクロビーズ含有液200 μlを混合し、室温で30分間放置した。この間にマイクロビーズが沈殿した。
2.反応後、上清100 μlを分取し、等量のATP抽出試薬(菌士郎ATP抽出試薬 LL100-2 東洋ビーネット社)を添加した。30秒間反応させた。
3.上記2の反応液に200 μlのLL発光試薬(菌士郎ATP発光試薬 LL100-1 東洋ビーネット社)を添加し、その発光をルミノメーターで測定した。
IV.ビーズ処理による緑茶中のATP分解の経時変化
IIIの測定結果(検体:緑茶)を下記の表2に示す。
緑茶に含まれているATPをマイクロカプセル法および従来法(菌士郎ATP測定キット(東洋ビーネット)の手順に従う方法)により分解を試みた。マイクロカプセル法は、緑茶200 μlに対して200 μlのマイクロカプセル液を添加し、表2における処理時間、室温下に静置した。時間経過後、100 μlのサンプル液を分取して等量100 μlのATP発光試薬(東洋ビーネット)を添加してその発光量を測定した。従来法においては、緑茶200 μlに対してATP除去試薬(東洋ビーネット)200 μlを添加して表2の処理時間室温下に静置した。経過後、100 μlのサンプルを分取、100 μlのATP発光試薬(東洋ビーネット)を添加して発光量を測定した。マイクロカプセル法では、30分の処理でバックグラウンドレベルまで発光量を低減できているので緑茶由来ATPの分解が完了しているのに対し、従来法では60分の処理でも発光が確認されるため、ATPの除去が不十分であると考えられる。
V.検体(緑茶)中の大腸菌検出例
検体(緑茶)1 mlに大腸菌 5 x 105個を混入してその存在をATP量の変化で検出した結果を下記の表3に示す。
マイクロカプセル法の微生物混入試験では、大腸菌を混入緑茶飲料200 μlをチューブに分取し、200 μlのアピラーゼ含有マイクロカプセル懸濁液200 μlと混合して室温下30分間静置した。上澄み液100 μlを、マイクロカプセルが混入しないよう注意して回収した。次に、回収した溶液に対して等量である100 μlのATP抽出試薬(菌士郎ATP抽出試薬LL100-2 東洋ビーネット)を添加して10秒間微生物からのATP抽出処理を行った。抽出されたATPの定量を行うため、200 mlのATP発光試薬(菌士郎 ATP発光試薬 LL100-1)を加え、ルミノメーター(LB9507 ベルトールド社)にチューブをセットして10秒間の積算発光量を得た。
従来法は菌士郎ATP測定キットの手順に従った。すなわち、大腸菌を混入緑茶飲料200 μlをチューブに分取し、200 μlのATP除去試薬(菌士郎ATP除去試薬 LL100-3)と混合して室温下30分間静置した。上澄み液100 μlを回収し、その溶液に対して等量である100 μlのATP抽出試薬(菌士郎ATP抽出試薬LL100-2 東洋ビーネット)を添加して10秒間微生物からのATP抽出処理を行った。抽出されたATPの定量を行うため、200 mlのATP発光試薬(菌士郎 ATP発光試薬 LL100-1)を加え、ルミノメーター(LB9507 ベルトールド社)にチューブをセットして10秒間の積算発光量を得た。
従来法では大腸菌混入サンプルと無菌サンプル(菌混入なし)との発光量の差が、桁が変わらずわずかで、微生物由来のATPの有無の判断が困難となっている。対して、マクロカプセル法では緑茶由来のATPを高効率で消去できるため、大腸菌から抽出されたと考えられるATP由来の生物発光がバックグラウンドレベル(無菌サンプルの発光量)と比べ200倍であった。
本発明は、飲料などの食品中の微生物汚染の測定に用いることができる。

Claims (9)

  1. アデノシン三リン酸分解酵素を内包するマイクロカプセルを用いて、試料中の遊離アデノシン三リン酸を分解した後、試料中に存在する細胞からアデノシン三リン酸を抽出し、抽出されたアデノシン三リン酸を測定することを含む、細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法。
  2. アデノシン三リン酸分解酵素が、アピラーゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、ヌクレアーゼP及びデアミナーゼからなる群より選択される少なくとも1種の酵素である請求項1記載の方法。
  3. マイクロカプセルの被膜が、分子量1000以下のイオンは透過させ、アデノシン三リン酸分解酵素は透過しない半透膜である請求項1又は2記載の方法。
  4. マイクロカプセルの被膜が、アルギン酸、メトキシペクチン、硫酸セルロース、ゼラチン、キトサン、カラギーナン及びワックスからなる群より選択される少なくとも1種の材料を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 1カプセル中のアデノシン三リン酸分解酵素含有量が0.1 ng〜1 mgである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. ルシフェリン/ルシフェラーゼ反応により、アデノシン三リン酸を測定する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. アデノシン三リン酸分解酵素を内包するマイクロカプセル。
  8. 請求項7記載のマイクロカプセルを含む、アデノシン三リン酸分解試薬。
  9. 請求項8記載のアデノシン三リン酸分解試薬を含む、アデノシン三リン酸測定キット。
JP2012270933A 2012-12-12 2012-12-12 細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法 Active JP5405650B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012270933A JP5405650B1 (ja) 2012-12-12 2012-12-12 細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法
PCT/JP2013/082972 WO2014092050A1 (ja) 2012-12-12 2013-12-09 細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法
TW102145978A TW201430135A (zh) 2012-12-12 2013-12-12 源自細胞之三磷酸腺苷之測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012270933A JP5405650B1 (ja) 2012-12-12 2012-12-12 細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5405650B1 JP5405650B1 (ja) 2014-02-05
JP2014113117A true JP2014113117A (ja) 2014-06-26

Family

ID=50202579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012270933A Active JP5405650B1 (ja) 2012-12-12 2012-12-12 細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5405650B1 (ja)
TW (1) TW201430135A (ja)
WO (1) WO2014092050A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6156076A (ja) * 1984-08-25 1986-03-20 Agency Of Ind Science & Technol 固定化酵素及びその製造方法
JPH1156393A (ja) * 1997-08-21 1999-03-02 Kikkoman Corp Atpの測定法およびatp測定用試薬キット
JP2003210197A (ja) * 2002-01-22 2003-07-29 Unitika Ltd 試料溶液中のatpを除去する方法
JP5245155B2 (ja) * 2008-01-31 2013-07-24 独立行政法人産業技術総合研究所 酵素を内包した無機マイクロカプセル、その製造方法及び使用

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014092050A1 (ja) 2014-06-19
JP5405650B1 (ja) 2014-02-05
TW201430135A (zh) 2014-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9645057B2 (en) Method for improving analysis of microorganisms in complex matrices
Bottari et al. Determination of microbial load for different beverages and foodstuff by assessment of intracellular ATP
EP1725676B1 (en) Measuring contamination
JP4373947B2 (ja) 微生物を計数し特定するための方法
US20100305312A1 (en) Method For The Extraction And Purification Of Nucleic Acids On A Membrane
US20180245123A1 (en) Method and apparatus for detecting total coliform and e. coli in potable water
KR20200062321A (ko) 샘플에서 온전한 미생물의 농도를 결정하는 방법
US9845487B2 (en) Selective chromogenic medium
Riedl et al. Beer enemy number one: genetic diversity, physiology and biofilm formation of Lactobacillus brevis
Vasavada et al. Conventional and novel rapid methods for detection and enumeration of microorganisms
Longin et al. Design and performance testing of a DNA extraction assay for sensitive and reliable quantification of acetic acid bacteria directly in red wine using real time PCR
JP5405650B1 (ja) 細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法
JP2017060413A (ja) 核酸分析用のサンプル調製方法
US20170369928A1 (en) Method for evaluating dna damage from analyte
Arshad et al. Manipulation of different media and methods for cost-effective characterization of Escherichia coli strains collected from different habitats
JP2905727B2 (ja) 植物飲料中の生菌数の測定方法
CA3132581C (en) Method for determining whether organism having cell wall exists and method for identifying organism having cell wall
JP5177524B2 (ja) 茶系飲料中微生物の測定方法
US20220162678A1 (en) Method for determining whether organism having cell wall exists and method for identifying organism having cell wall
EP3645734B1 (en) A method for quantifying the cultivability of individual bacterial cells using culture independent parameters
CN112292455A (zh) 用于检测和/或鉴定表面上存在的至少一种靶微生物的方法
EP2971050B1 (en) A method for improving analysis of microorganisms in complex matrices
JP2004329174A (ja) 酸化還元色素による微生物検査法
JPH03123497A (ja) 微量嫌気性細菌の迅速検出法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5405650

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250