JP2003210197A - 試料溶液中のatpを除去する方法 - Google Patents

試料溶液中のatpを除去する方法

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JP2003210197A
JP2003210197A JP2002012960A JP2002012960A JP2003210197A JP 2003210197 A JP2003210197 A JP 2003210197A JP 2002012960 A JP2002012960 A JP 2002012960A JP 2002012960 A JP2002012960 A JP 2002012960A JP 2003210197 A JP2003210197 A JP 2003210197A
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Ken Iwata
建 岩田
Tadao Suzuki
直生 鈴木
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料溶液中ATP以外の他の成分に影響を与
えず、特殊な調製なく簡便な操作で短時間にATPを除
去する方法を提供する。 【解決手段】 ATP測定用試薬などのようなATPを
含む試料溶液と、ATP分解酵素を含む溶液とを半透膜
により仕切り、より具体的にはATP分解酵素を封入し
た半透膜からなるチューブを試料溶液中に浸すなどし
て、半透膜を通して移動したATPを酵素作用により分
解することを特徴とする試料溶液中のATPを除去する
方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、試料溶液中のAT
Pを除去する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】生体由来成分であるATPは高エネルギ
ー化合物であり、多くの生物体のエネルギー代謝に関与
していることから、その測定は、生細胞数、細胞の代謝
変化、食品の成熟度や腐敗度などを含む食品の品質の管
理、水質浄化での水質チェックなど様々な指標として用
いられている。 【0003】このような試料中に存在するATPを測定
する方法として、例えば酵素反応を利用する方法が知ら
れている。ホタル由来のルシフェラーゼと発光基質であ
るルシフェリンがATP存在下で反応して発する光をル
ミノメーターなどで測定する生物発光法(USP590
5029、特開平6−129988号など)や、ATP
に、アセチルリン酸、グルコキナーゼ、およびアセテー
トキナーゼを併用して、グルコースからグルコース−6
−リン酸を生成する反応を増幅し、さらにグルコース−
6−リン酸デヒドロゲナーゼ、およびジアホラーゼを組
み合わせて目視可能な呈色反応へと導き、目視判定を可
能とした方法(本発明者らが提案した特願2001−3
56141号)などがそれである。この目的において、
ATPは数ナノ・モルの濃度で正確に測定される必要が
ある。 【0004】しかしながら、ATPを測定するための試
薬に酵素などのような生体由来材料を原料として用いた
場合、その原料に由来するATPが試薬中に微量持ち込
まれることが確認されている。このATPの試薬中での
濃度は、場合によっては数百ナノ・モルにも達し、数ナ
ノ・モルの濃度でATPを正確に測定することが要求さ
れる試薬においては大きな足かせとなっていた。 【0005】そこで、ATP測定用試薬のような試料溶
液中に微量存在するATPを除去することが従来行われ
ている。具体的には、ATP分解酵素を試料中に添加し
てATPを消去する方法、ATP分解酵素であるアピラ
ーゼをセルロース重合体などの支持体に固定化して作用
させその後固定化酵素を取り除く方法(特開昭56−7
2868号)、ATP分解酵素であるアピラーゼをAT
Pを除去したい試料中に添加し作用させた後、熱を加え
るなどしてATP分解酵素を選択的に失活させる方法
(USP3745090号)などが知られている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、ATP分解酵
素を、例えばATP測定用試薬にそのまま適用した場
合、元来存在するATPを消去したあともATP分解酵
素活性が残存してしまい、本来の目的であるATPを測
定する際にも、このATP分解酵素が作用してATPを
分解してしまい、測定が十分になされないなどの不都合
が生じていた。 【0007】また、ATP分解酵素を固定化する方法で
は、一般的に、固定化の際、酵素活性の大半が失われる
ことが多く、また固定化の操作も煩雑であることが問題
であった。さらに、ATP分解酵素を選択的に失活させ
る方法では、試料中に含まれる成分の変性などによる減
少や、熱などを加えた場合、試料中に含まれる成分間で
の反応により、試料中の成分が変化するなど問題点が多
いものであった。 【0008】本発明は、試料中の他の成分に変化を与え
ず、またATPを除去した後においてもその試料本来の
目的のために悪影響を及ぼさず、かつ簡便な操作にて短
時間で極微量のATPを除去することができる方法を提
供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題解決に鋭意努力した結果、上記の目的に半透膜が利
用できることを見出し本発明に至った。 【0010】すなわち本発明は、ATPを含む試料溶液
と、ATP分解酵素を含む溶液とを半透膜により仕切
り、半透膜を通して移動したATPを酵素作用により分
解することを特徴とする試料溶液中のATPを除去する
方法を要旨とするものである。 【0011】 【発明の実施の態様】本発明において用いられる半透膜
は、一般に透析膜や限外ろ過膜などと呼ばれている分子
分画や分子ふるいに用いられる膜のことである。分画サ
イズやふるいサイズは、ATP分解酵素や、例えばAT
P測定試薬の原料に用いられる酵素など、試料中に含ま
れる高分子量たんぱく質を透過させず、ATPなどの低
分子量化合物を透過させるものであれば特に限定される
ことはない。さらに、その形態も、一般に透析チューブ
として市販されているようなチューブ状のものでも良
く、また、一般に限外ろ過膜として市販されているよう
なディスク状のものでも良く、その目的において、形態
に限定されるものではない。 【0012】本発明において用いられるATP分解酵素
は、その使用に特に限定はなく、一般的にATPを分解
することが知られているアピラーゼ(EC.3.6.
1.5)、アデノシントリホスファターゼ(EC.3.
6.1.3)、ヘキソキナーゼ(EC.2.7.1.
1)、またはアデノシンリン酸デアミナーゼ(EC.
3.5.4.17)などを用いることが出来る。 【0013】本発明の方法においては、ATPを含みそ
のATPを除去しようと欲する試料溶液と、ATP分解
酵素とを半透膜により仕切り、半透膜を通してATP分
解酵素側へ移動したATPを酵素作用により分解除去す
ることができればよい。その実施形態としては、たとえ
ば、少量の試料溶液を処理する場合、もっとも単純に
は、透析チューブにATP分解酵素を封入しその上下を
糸などで縛ってチューブ内の酵素液が外に漏れないよう
にしたソーセージ型のものなどがあげられる。この透析
チューブを図1に示したように、処理したい試料溶液中
に浸せばよい。半透膜である透析チューブの膜を通して
ATPがチューブ内に入り、ATP分解酵素の作用によ
って完全に分解される。 【0014】次に、ATP分解酵素を含む溶液を容易に
交換することが出来るよう改良した、透析チューブをU
字型にしたものなどがあげられる。この例を図2に示し
た。図2のような場合、ATP分解酵素を含む溶液をU
字型のチューブの内側に注入する。このユニットを処理
したい試料溶液中に浸すことにより、先の例と同様に、
半透膜である透析チューブの膜を通してATPがチュー
ブ内へ入り、ATP分解酵素の作用によって完全に分解
される。この場合、必要に応じてATP分解酵素を含む
溶液を交換したり、ATP分解酵素を追加することが出
来る。図1、図2の例において、ATP分解酵素を含む溶
液と処理したい試料溶液の位置が入れ替わった場合で
も、操作性の違いのみでその作用は全く同じであること
は言うまでも無いことである。 【0015】さらに、ATP分解酵素を含む溶液を容易
に交換することが出来、また大量処理にも向くように改
良した、それぞれの溶液を含む容器を半透膜で仕切るよ
うにしたディスク型などがあげられる。この例を図3に
示した。図3には縦置き型を例示したが、横置き型でも
その作用に大きな違いはない。この場合、ATP分解酵
素を含む溶液をディスクで仕切られた容器の一方に注入
する。他方に処理したい試料溶液を注入することによ
り、これまでの例と同様に、半透膜膜を通してATPが
移動し、ATP分解酵素の作用によって完全に分解され
る。このような場合、必要に応じてATP分解酵素を含
む溶液を新しいものに取り替えたり、ATP分解酵素を
追加することが容易であることに加え、それぞれの溶液
の半透膜に接触する面積も大きく、また補助をいれるな
ど半透膜の物理的な強度を上げることも容易であること
から、大量処理に向くものと考えられる。 【0016】本発明の方法が適用されるATPを含む試
料溶液としては、上述したATP測定用試薬が特に好適
であるが、その他に、例えば、食品の衛生検査などにお
いて混在または付着する一般細菌数をATPを指標に測
定する場合の試料の前処理などに用いることもできる。
この場合、試料には細菌以外の食品成分などに由来する
ATPが存在していることが多い。細菌を含む試料のホ
モジナイズ液や、試料の表面洗浄液等に対して、本発明
の操作を行い、その後、細菌を破壊する操作を行うこと
で、細菌由来のATPのみ試料中に残すことが可能であ
る。このように様々な分野で本発明が使用できる。 【0017】 【実施例】以下に、実施例により本発明をより具体的に
説明する。実施例において、ATP分解酵素のユニット
は入手時のラベルに記載してある表示のユニット数をそ
のまま用いた。 【0018】実施例1 アピラーゼ(シグマ製A6535)をミリ・リットルあ
たり50ユニットの濃度で含む100ミリ・モルの濃度
のpH7.0のリン酸緩衝液200マイクロ・リットル
を透析チューブ(三光純薬製UC8−32−25)に注
入し、空気を可能な限り追い出した状態で上下を糸で縛
って、ソーセージ型のアピラーゼ・ユニットを作成し
た。 【0019】試験管に、ATP測定試薬の原料であるア
セテートキナーゼ(ユニチカ製)、グルコキナーゼ(ユ
ニチカ製)、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ
(ユニチカ製)、ジアホラーゼ(ユニチカ製)を、ミリ
・リットルあたり、それぞれ50ユニット、50ユニッ
ト、1ユニット、1ユニットの濃度で、塩化マグネシウ
ム(和光純薬製)を5ミリ・モルの濃度で、NADP
(シグマ製)を5ミリ・モルの濃度で含む100ミリ・
モルの濃度のpH7.0のリン酸緩衝液10ミリ・リッ
トルを加えた。ここに、先のアピラーゼ・ユニットおよ
び撹拌子を沈めて、37℃のドライオーブン内でマグネ
ティック・スターラーにより、ゆっくりと回転させなが
らアピラーゼ・ユニットと試験管内の溶液とを反応させ
た。 【0020】一定時間ごとに、試験管内の溶液0.6ミ
リ・リットルを取り出し、これに1モルの濃度のグルコ
ース(和光純薬製)を0.1ミリ・リットル、および1
00ミリ・モルの濃度のアセチルリン酸(ベーリンガー
・マンハイム製)を0.1ミリ・リットル加え、分光光
度計(日立製U−3210)により37℃での340n
mの吸光度の増加速度を測定した。 【0021】測定した吸光度の増加速度は、8時間の反
応終了後に取り出した0.6ミリ・リットルの試験管内
の溶液に、既知濃度のATPを加えた後、所定の操作を
行って求めた吸光度の増加速度を基に、ATP濃度に換
算した。アピラーゼ・ユニットとの反応における、試験
管内の溶液中のATP濃度の時間的な変化を図4に示し
た。 【0022】実施例2 アピラーゼ・ユニットに含まれるアピラーゼのユニット
を5倍にし、ATP測定試薬の原料であるアセテートキ
ナーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−リン酸デヒ
ドロゲナーゼ、ジアホラーゼのユニットを、ミリ・リッ
トルあたりそれぞれ2倍にして実施例1と同様の実験を
行った。この結果を図5に示した。これらの結果より、
アピラーゼを増量した結果、実施例1より短時間で試薬
中に元来含まれるATPを除去することができた。 【0023】 【発明の効果】本発明によれば、試料溶液のATP以外
の成分に影響を与えることなく、簡便な操作でATPを
除去することができる。とりわけ、数ナノ・モルの濃度
でATPを正確に測定することが要求されるATP測定
試薬において、試薬に用いられる酵素などの生体由来の
原料中に元来含まれるATPの除去に有効である。
【図面の簡単な説明】 【図1】ソーセージ型半透膜を用いて本発明を実施した
例を示す概略図である。 【図2】U字型半透膜を用いて本発明を実施した例を示
す概略図である。 【図3】ディスク型半透膜を用いて本発明を実施した例
を示す概略図である。 【図4】アピラーゼとの反応時間と試料中のATP濃度
の変化を示す図である。 【図5】アピラーゼを増量した場合の反応時間と試料中
のATP濃度の変化を示す図である。 【符号の説明】 1 ATP分解酵素を含む溶液 2 ATPを除去したい試料溶液 3 ソーセージ型の半透膜 4 U字型半透膜 5 ディスク型半透膜

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ATPを含む試料溶液と、ATP分解酵
    素を含む溶液とを半透膜により仕切り、半透膜を通して
    移動したATPを酵素作用により分解することを特徴と
    する試料溶液中のATPを除去する方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5405650B1 (ja) * 2012-12-12 2014-02-05 東洋ビーネット株式会社 細胞由来のアデノシン三リン酸を測定する方法
CN109574255A (zh) * 2019-01-03 2019-04-05 重庆工商大学 一种漆酶连续处理含酚废水的方法

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