JP2905727B2 - 植物飲料中の生菌数の測定方法 - Google Patents

植物飲料中の生菌数の測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物飲料中の生菌
数の測定方法に関し、詳しくは、微生物由来のATP量
を指標とする生菌数の測定方法を利用して、植物繊維等
の植物由来の不溶性固形分を含有する植物飲料中に存在
する生菌の数を迅速かつ高感度に測定する生菌数の測定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、野菜・果物ジュースの様な植
物飲料中に存在する微生物の量を測定する方法として、
食品産業における一般的な微生物検査法である寒天平板
法が用いられていた。しかし、サンプルの野菜・果物ジ
ュースを寒天培地で24〜48時間、培養した後にコロ
ニーカウントを行う寒天平板法は、結果が判明するまで
に長時間を要し、また、サンプルとしたもとの飲食品自
体でさらに微生物が増殖する可能性があるなど、飲食品
の加工製造上、問題を含むものであった。
【0003】一方、食品を問わず様々な分野で行われて
いる微生物検査法のひとつに、バイオルミネッセンス法
(生体蛍光成分であるルシフェリンの酸化発光量とAT
P(アデノシン3リン酸)量が比例することから微生物
のATP量を指標として菌数を測定する方法)がある。
この方法では、サンプル内の生菌数を1時間以内に測定
することが可能であるので、これを上記植物飲料中の生
菌数の測定に利用すれば、検査時間を大幅に短縮でき上
記問題が解決されることが期待される。しかし、植物飲
料中には微生物以外の体細胞や、解離状態のATP(以
下フリーATPという)が含まれており、サンプル中の
生菌数を通常のバイオルミネッセンス法で定量しようと
しても、体細胞由来のATP、フリーATP、微生物由
来のATPの合計のATP量を測定することになってし
まい、微生物由来のATP量のみを測定して生菌数を求
めるということはできない。そこで、これら微生物以外
の成分の影響を低減する以下のような前処理技術が提案
されるようになった。
【0004】 微生物以外の細胞に含まれているAT
Pを選択的に抽出する体細胞ATP抽出試薬により体細
胞由来のATPを抽出し、フリーATPと共にATP分
解試薬で分解後、これに微生物ATP抽出試薬を加え微
生物由来のATPを抽出し、これにルシフェリン−ルシ
フェラーゼ発光試薬を加えて生じた発光をルミノメータ
で測定することにより、前記抽出されたATP量を求め
る方法(以下、ルーマック法と呼ぶ)。
【0005】 主にミルク試料を対象として、検体に
キレート化剤および体細胞ATP抽出試薬を加え遠心分
離し、微生物外成分を上澄み液として除去した後、残存
したペレットについてバイオルミネッセンス法により発
光量を測定することによりペレット中の微生物ATP量
を測定する方法(特開平4−228097号、特表平6
−500462号公報に記載)。
【0006】しかし、上記、の方法には、それぞれ
次のような問題点があった。の方法では、微生物AT
P抽出時に、先に添加したATP分解試薬が検体中に残
存するため、抽出される微生物由来のATPが分解され
ることから、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応の結果
生じる発光量の減少がおこり、微生物細胞感度が低下す
る。
【0007】の方法では、バイオルミネッセンス法に
おいて妨げとなるミルク蛋白質材料をキレート化剤の作
用により、また、体細胞を体細胞ATP抽出試薬の作用
により、ミルクから、微生物のみを残して、効率よく除
去分離することができる。このため、の方法における
細胞感度が106 cell/mlであるのに対して、こ
の方法では、細胞感度104cell/ml以下と大幅
な感度向上を図っている。しかし、本発明の対象とする
植物飲料中の生菌数の測定に対してこの方法をそのま
ま、あるいは植物飲料に関係のないキレート化剤を除い
て適用しても、よい結果は得られていない。
【0008】この様に、植物繊維等の植物由来の不溶性
固形分を含有する野菜・果物ジュースの様な植物飲料で
は、その製造加工上、活用するにたる迅速かつ高感度な
生菌数の測定法は確立されていなかった。そこで、植物
繊維等の植物性の不溶性固形分を含む植物飲料中の生菌
数の測定方法において、例えば、バイオルミネッセンス
法を応用した迅速かつ高感度な生菌数測定方法の開発が
望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、植物繊維等の植物由来の不溶性
固形分を含有する植物飲料中の生菌数を迅速かつ高感度
に測定する方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、植物飲料に含
まれる微生物以外に由来するATPやフリーATPを体
細胞ATP抽出試薬、ATP分解試薬により抽出、分解
し、次いで、必要のなくなったこれらの試薬、分解され
たATP等を遠心分離により除去し、残った微生物のみ
に由来するATP量を測定することで、植物飲料に含ま
れる生菌数を迅速かつ高感度に測定できることを見出
し、本発明を完成させた。
【0011】すなわち本発明は、植物飲料に、微生物以
外の体細胞を選択的に溶解してATPを放出させる体細
胞ATP抽出試薬及びATP分解試薬を添加し十分に反
応させた後、遠心分離を行い上澄み液を除去し、得られ
た残渣に微生物ATP抽出試薬を添加し十分に反応させ
た後に、抽出されたATP量を測定することを特徴とす
る植物飲料中の生菌数の測定方法である。
【0012】上記本発明の植物飲料中の生菌数の測定方
法において用いられる体細胞ATP抽出試薬であるが、
具体的には、非イオン性界面活性剤等を挙げることがで
きる。また、ATP量を測定する方法については、ルシ
フェリン−ルシフェラーゼ発光試薬を添加して発光量を
測定する方法等が挙げられる。
【0013】植物飲料中の生菌数を微生物由来のATP
量を測定することにより測定する方法においては、植物
飲料中の微生物以外の体細胞やフリーATPの影響を排
除するために何らかの処理が必要となる。つまり、野菜
・果実ジュースなどの植物飲料を検体とする場合には、
検体中の原料野菜・果実の果肉や葉に由来するATP及
びフリーATPの除去が必要となるが、本発明では、検
体に微生物以外の体細胞を選択的に溶解してATPを放
出させる体細胞ATP抽出試薬及びATP分解試薬を添
加することで、上記微生物由来ATP以外のATPを分
解処理し、さらに、遠心分離を行い上澄み液を除去する
ことで、次いで行われる微生物ATP抽出、測定時に、
測定値に影響を与えるATP分解試薬を除去することと
して、植物飲料に含まれる生菌数を迅速かつ高感度に測
定することを可能とした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明は、植物飲料中の生菌数の測定方法を提供
するものであるが、本発明の生菌数測定方法が適用され
る植物飲料としては、植物を原料とする植物由来の不溶
性固形分を含有する液体状組成物であれば特に制限され
ず、例えば、野菜ジュース、果物ジュース等のいわゆる
飲料の他に、野菜や果物のピューレ、ペースト等の液体
状の食品も本発明の「植物飲料」の概念に含まれるもの
とする。
【0015】本発明においては、この様な植物飲料に、
微生物以外の体細胞を選択的に溶解してATPを放出さ
せる体細胞ATP抽出試薬及びATP分解試薬を添加し
十分に反応させた後、遠心分離を行い上澄み液を除去
し、得られた残渣に微生物ATP抽出試薬を添加し十分
に反応させた後に、抽出されたATP量を測定する。
【0016】上記本発明の測定方法に用いる微生物以外
の体細胞を選択的に溶解してATPを放出させる体細胞
ATP抽出試薬としては、植物飲料中の微生物細胞を溶
解することなく、植物細胞等の微生物細胞以外の体細胞
のみを溶解する薬剤であれば、特に制限されず、例え
ば、非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。上
記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ルーマック
社よりF−NRS(商品名)、シグマ社よりNP−40
(商品名)、あるいは、トライトンX−100(商品
名)等が市販されており、本発明の生菌数測定方法にこ
れらの市販品を用いることも何ら制限されるものではな
い。
【0017】本発明においては、この様な体細胞ATP
抽出試薬を植物飲料に添加するが、その植物飲料に対す
る添加量は、植物飲料中に含まれる微生物細胞以外の体
細胞の量や用いる試薬の種類にもよるが、上記植物飲料
中の微生物細胞以外の体細胞の全てを溶解できるだけの
量を添加すればよく、植物飲料に対して概ね0.8〜5
倍容量の体細胞ATP抽出試薬を用いればよい。より、
具体的には、植物飲料として100%野菜又は果実ジュ
ースを用い、体細胞ATP抽出試薬としてルーマック社
のF−NRSを用いた場合、野菜又は果実ジュースに対
して概ね1〜3倍容量のF−NRSを用いればよい。
【0018】また、本発明の測定方法に用いるATP分
解試薬であるが、前記体細胞ATP抽出試薬により抽出
されるATP及び、植物飲料中にもともと存在するフリ
ーATPを分解する作用を有する薬剤であれば、特に制
限されない。ATP分解試薬としては、一般的にポテト
アピラーゼ、ヘキソキナーゼ等のATPアーゼがよく知
られており、市販もされていて入手も容易であるので、
本発明においてもATP分解試薬としてこの様なATP
アーゼを用いればよい。上記ATPアーゼの市販品とし
ては、例えば、ルーマック社製のソマーゼ(商品名、一
般名:ポテトアピラーゼ)等が挙げられる。
【0019】本発明においては、これらのATP分解試
薬が適宜選択されて、植物飲料に添加されるが、その植
物飲料に対する添加量は、体細胞ATP抽出試薬により
抽出される体細胞由来のATP量やフリーATP量ある
いは用いる試薬の種類にもよるが、体細胞ATP抽出試
薬により抽出される体細胞由来のATPとフリーATP
の全てを分解できるだけの量を添加すればよい。具体的
には、植物飲料として100%野菜又は果実ジュースを
用い、ATP分解試薬としてルーマック社のソマーゼを
用いた場合、野菜又は果実ジュースに対して概ね1〜3
倍容量のソマーゼを用いればよい。なお、上記ATP分
解試薬の植物飲料への添加時期であるが、体細胞ATP
抽出試薬と同時に添加してもよいし、その前後でも構わ
ない。
【0020】本発明においては、この様にして植物飲料
に体細胞ATP抽出試薬及びATP分解試薬を添加し、
これらを十分に反応させる。反応を十分させずに次の処
理を行えば、植物飲料中の生菌数が正確に測定させない
ことになる。上記植物飲料中の体細胞に体細胞ATP抽
出試薬を、また抽出された体細胞由来のATP、フリー
ATPにATP分解試薬を十分に反応させるためには、
例えば、植物飲料、体細胞ATP抽出試薬及びATP分
解試薬の混合液に、ボルテックミキサー等の装置を用い
て撹拌等の処理を施すことが好ましく、さらに、その後
これを10〜60分間程度静置しておくことが好まし
い。
【0021】本発明においては、上記処理後、この溶液
を遠心分離にかけ、微生物含有成分(具体的には、微生
物、ATP抽出後の(ATPを含有しない)植物繊維
等)とその他の成分(具体的には、上記で添加した体細
胞ATP抽出試薬、ATP分解試薬の未反応成分、AT
P分解物、飲料由来の水分等)とに分離する。
【0022】遠心分離の方法、条件としては、微生物を
沈殿させて、他の成分、特に次いで行われる微生物由来
のATP抽出、測定の際に妨げとなる成分、例えば、A
TP分解試薬、体細胞ATP抽出試薬等と分離すること
ができる方法、条件であれば制限されない。具体的に
は、12000〜15000×gで3〜5分間程度の条
件で遠心分離を行えばよい。この様にして遠心分離を行
うが、次いで行われる微生物由来のATP抽出、測定の
際に妨げとなる成分は上澄み液に含まれるので、上澄み
液は、滅菌ピペット、使い捨て式のピペットチップ等を
用いて吸引除去される。
【0023】さらに、本発明においては、この様にして
得られる遠心分離の残渣(沈殿物)に、微生物ATP抽
出試薬を添加し十分に反応させ、これにより抽出される
ATP量を測定する。
【0024】上記微生物ATP抽出試薬としては、微生
物細胞を溶解する薬剤であれば、特に制限されず、例え
ば、トリクロロ酢酸、あるいは、微生物細胞を溶解する
作用のある陽イオン界面活性剤等を挙げることができ
る。また、これら薬剤のうち例えば、陽イオン界面活性
剤としては、センチルトリメチルアンモニウムブロミド
(一般名)、ルーマック社製のL−NRB(商品名)等
が市販されており、本発明の生菌数測定方法にこれらの
市販品を用いることも何ら制限されるものではない。遠
心分離残渣への微生物ATP抽出試薬の添加量である
が、用いる試薬の種類にもよるが、上記残渣中の微生物
細胞の全てを溶解できるだけの量を添加すればよい。具
体的には、微生物ATP抽出試薬としてルーマック社の
L−NRBを用いた場合、残渣に対して概ね1〜3倍容
量のL−NRBを用いればよい。
【0025】ここで、遠心分離残渣に微生物ATP抽出
試薬を添加する際に、必要に応じて、緩衝液で遠心分離
残渣を懸濁させることも可能である。この様な緩衝液と
しては、通常、微生物等を懸濁するのに用いられている
緩衝液、例えば、25mM、HEPES緩衝液(pH
7.75)、0.025〜0.1Mリン酸:グリシン:
トリス:HEPES緩衝液(pH7.75〜8.0)等
を用いることが可能である。また、遠心分離残渣に微生
物ATP抽出試薬を添加して、微生物ATPを抽出する
際には、上記体細胞ATP抽出、分解の場合と同様、反
応を十分に行わせるために必要に応じて撹拌等の操作を
行っても構わない。
【0026】この様にして抽出される微生物由来ATP
の量は、通常の方法、例えば、ルシフェリン−ルシフェ
ラーゼ試薬を添加し発光量を測定する方法(バイオルミ
ネッセンス法)等によって測定されるが、本発明におい
ては、このルシフェリン−ルシフェラーゼ試薬を添加し
発光量を測定することにより検体中のATP量を測定す
る方法が好ましく用いられる。なお、このATP量の測
定方法は以下に示す発光反応を利用するものである。
【0027】
【化1】
【0028】上記測定方法で用いられるルシフェリン−
ルシフェラーゼ試薬は、ルシフェリン及びルシフェラー
ゼを含む試薬であって調製も可能であるが、市販もされ
ているので、これら市販品、例えば、ルーマック社のル
ミット−PM、キッコーマン(株)製ルシフェールLU
等を本発明に用いることも可能である。また、上記反応
により発光した光の量はルミノメータ等を用いて測定す
ることが可能であり、得られた発光量から検体中のAT
P量(濃度)が求められ、さらにこの値から生菌数(濃
度)が換算される。
【0029】本発明においては、この様にして、植物飲
料から微生物由来ATP以外のATPを除去し、微生物
由来ATPのみの量をバイオルミネッセンス法等を用い
て測定することにより、植物飲料に含まれる生菌数を迅
速かつ高感度に測定することを可能にした。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。市販のオ
レンジ100%ジュース10mlに、サッカロマイセス
セレビシー(Saccharomyces cerevisiae)IFO 03
04を約106cell/mlとなるように添加しこれ
を検体(サンプル1)として、以下の方法を用いてバイ
オルミネッセンスによる発光量の測定を行った。
【0031】検体50μlに、体細胞ATP抽出試薬と
してF−NRS(商品名、ルーマック社製)100μ
l、ATP分解試薬としてソマーゼ(商品名、ルーマッ
ク社製)50μlを加え、これを1.5ml容のマイク
ロ遠心分離管に入れ蓋をしてボルテックスミキサーにか
けてよく撹拌した。これを室温にて45分間放置した
後、遠心分離機で15000×g、5分間、遠心分離処
理した。その後、遠心分離により得られた上澄み液を滅
菌ピペットで吸引除去し、遠心分離管底部に残存した沈
殿物を25mM、HEPES緩衝液(pH7.75)2
00μlで再懸濁し、ボルテックスミキサーでよく撹拌
した。
【0032】上記マイクロ遠心分離管中の懸濁液を発光
量測定用のキュベットに移し替え、ルミノメータ125
1(バイオオービット社製)にセットした。次いで、キ
ュベット中の懸濁液に微生物ATP抽出試薬としてL−
NRB(商品名、ルーマック社製)100μlを加え3
0秒間放置した後、ルシフェリン−ルシフェラーゼ発光
試薬としてLumit−PM(商品名、ルーマック社
製)100μlを加え、その2秒後から10秒間の発光
量を積算したものを測定値とした。
【0033】また、この検体を上記オレンジ100%ジ
ュースで10倍(サンプル2)、100倍(サンプル
3)、1000倍(サンプル4)にそれぞれ希釈したも
の、および菌を添加しなかった上記オレンジ100%ジ
ュース(サンプル5)を検体として、それぞれについて
上記と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0034】
【比較例1】上記実施例で測定に用いた5種類の菌濃度
の検体(サンプル1〜5)について、ルーマック法でバ
イオルミネッセンスによる発光量の測定を行った。
【0035】検体50μl、体細胞ATP抽出試薬(F
−NRS)100μl及びATP分解試薬(ソマーゼ)
50μlをキュベットに入れ、ボルテックスミキサーで
撹拌した。室温にて45分間放置した後、これに微生物
ATP抽出試薬(L−NRB)100μlを加えて30
秒間放置した後、ルシフェリン−ルシフェラーゼ発光試
薬(Lumit−PM)100μlを加え、その2秒後
から10秒間の発光量をルミノメータ1251で測定
し、これを積算したものを測定値とした。結果を表1に
示す。
【0036】
【比較例2】上記実施例で測定に用いた5種類の菌濃度
の検体(サンプル1〜5)について、特開平4−228
097号記載の方法に準ずる方法でバイオルミネッセン
スによる発光量の測定を行った。なお、ここでは検体に
ミルク蛋白質材料の様にカゼインミセル等を形成する成
分は含まれていないことからキレート剤は使用していな
い。
【0037】検体50μlに体細胞ATP抽出試薬(F
−NRS)100μlを加え、これを1.5ml容のマ
イクロ遠心分離管に入れ蓋をしてボルテックスミキサー
にかけてよく撹拌した。これを室温にて45分間放置し
た後、遠心分離機で15000×g、5分間、遠心分離
処理した。その後、遠心分離により得られた上澄み液を
滅菌ピペットで吸引除去し、遠心分離管底部に残存した
沈殿物を25mM、HEPES緩衝液(pH7.75)
200μlで再懸濁し、ボルテックスミキサーでよく撹
拌した。この懸濁液を発光量測定用のキュベットに移し
替え、ルミノメータ1251にセットした。次いで、キ
ュベット中の懸濁液に微生物ATP抽出試薬(L−NR
B)100μlを加え30秒間放置した後、ルシフェリ
ン−ルシフェラーゼ発光試薬(Lumit−PM)10
0μlを加え、その2秒後から10秒間の発光量を積算
したものを測定値とした。結果を表1に示す。
【0038】
【参考例】上記の実施例及び比較例で測定に用いた5種
類の菌濃度の検体(サンプル1〜5)について、以下に
述べる従来の生菌数測定法(寒天平板法)により、検体
中の生菌数(菌濃度)の測定を行った。
【0039】5種類の菌濃度の検体のそれぞれについ
て、0.1%ペプトン水で数段階に希釈し、これらの各
1mlを滅菌シャーレにとり、ここに55℃に保温した
ポテトデキストロース寒天(日水製薬製)を適量注ぎ、
よく分散させた。これを30℃で、48時間培養した
後、出現したコロニー数を計測し、その計測値と希釈倍
率から検体1mlあたりの生菌数(cell/ml)を
求めた。
【0040】測定結果を上記実施例、比較例で得られた
発光量の測定結果と共に表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】また、参考例の従来法で得られた生菌数と
実施例及び比較例で測定された発光量の関係を図1に示
す。なお、図中、●は実施例のプロットを、□は比較例
1のプロットを、△は比較例2のプロットをそれぞれ示
す。
【0043】この結果から明らかなように、比較例1の
方法(ルーマック法)では、生菌数の検出限界は105
cell/mlであって測定感度が低いのに比べ、ま
た、比較例2の方法(特開平4−228097号記載の
方法に準ずる方法)では、生菌数に応じて発光量が変化
せず、実験を行った生菌濃度の範囲内では生菌数の検出
限界が求められなかったのに比べ、本発明の測定方法に
おいては生菌数の検出限界は約1×103cell/m
lであり、生菌数を高感度に測定できるといえる。
【0044】さらに、実施例の測定方法では、測定時間
は約50分であり、参考例の従来法が48時間の測定時
間を要したのに比べ、生菌数を非常に短時間のうちに測
定することが可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明の測定方法によれば、微生物由来
のATP量を指標とする生菌数の測定方法を利用して、
植物繊維等の植物由来の不溶性固形分を含有する植物飲
料中に存在する生菌の数を迅速かつ高感度に測定するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の従来法で得られた生菌数と実施例及
び比較例で測定された発光量の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−228097(JP,A) 特開 平5−30998(JP,A) 特開 昭59−91900(JP,A) 特開 平2−65800(JP,A) 特表 平6−500462(JP,A) スイス国特許発明678065(CH,A 5) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12Q 1/06 C12Q 1/66 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物飲料に、微生物以外の体細胞を選択
    的に溶解してATPを放出させる体細胞ATP抽出試薬
    及びATP分解試薬を添加し十分に反応させた後、遠心
    分離を行い上澄み液を除去し、得られた残渣に微生物A
    TP抽出試薬を添加し十分に反応させた後に、抽出され
    たATP量を測定することを特徴とする植物飲料中の生
    菌数の測定方法。
  2. 【請求項2】 体細胞ATP抽出試薬が、体細胞を溶解
    できる非イオン性界面活性剤である請求項1記載の植物
    飲料中の生菌数測定方法。
  3. 【請求項3】 ATP量を測定する方法が、ルシフェリ
    ン−ルシフェラーゼ発光試薬を添加して発光量を測定す
    る方法である請求項1又は2に記載の植物飲料中の生菌
    数測定方法。
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