JP2014112617A - 超電導コイルおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却時の超電導層の剥離を防止する技術を施した超電導コイルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】超電導コイル10は、少なくとも超電導層を含む超電導テープ20および絶縁テープ30を積層させて巻回させたパンケーキコイル50と、巻回の中心軸方向に積層される複数のパンケーキコイル50の間に設けられ、室温から液体窒素温度までの径方向の熱収縮率値εが0.3%〜3%の絶縁体である絶縁部材40と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種層からなる超電導テープを有する超電導コイルおよびその製造方法に関する。
超電導コイルは、超電導層を含む超電導テープおよび絶縁テープを積層させて巻回させたパンケーキコイルを、巻回の軸方向に複数積層して使用されるものが知られている。
この場合、単純にパンケーキコイルを積層するとパンケーキコイル間で電気的に接触し短絡の生じるおそれがある。
そこで、各パンケーキコイル間にはポリアミドフィルムなどの絶縁部材を設けることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
超電導磁気エネルギー貯蔵器、限流器および変圧器のような高電圧の機器でこの超電導コイルを用いる場合は、隣接するパンケーキコイル間で絶縁破壊が起こりうる。
そこで、この絶縁部材は電圧に合わせて数百μmから数十mm程度の厚さで調整される。
この絶縁部材は、超電導コイル全体にかかる圧力や冷却性の観点から、パンケーキコイルに接合されていることが多い。
ところで、超電導コイルが臨界電流を上回って使用されると、超電導状態を保つことができず、超電導層の一部が、高い電気抵抗を持った常伝導体に変化する。
この時、常伝導体に流れる電流によって熱が発生し、この熱によりさらに常伝導体化が進み、超電導コイルの焼き切れや冷却材の一瞬の気化が起こりうる(クエンチ現象)。
クエンチ現象は、その他種々の要因で起こり、例えば、超電導コイルに交流電流を流すことによる交流損失などでも起こりうる(例えば、特許文献1から特許文献3参照)。
このような超電導性の消失を防ぐため、発生した熱を逃がす等して超電導性を安定させる複数の層で超電導層を挟んだ、超電導テープが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
このような超電導テープを構成する複数の層は、互いに剥離しやすいことが知られている。
そして、超電導テープ自体に着目した剥離の防止のための改良発明がなされている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−188065号公報 特開2011−198469号公報 特開2011−40176号公報
超電導コイルを液体窒素温度まで冷却すると超電導コイルを構成する各々の部材は収縮する。
この熱収縮の際、接合された絶縁部材およびパンケーキコイルのそれぞれの熱収縮率値の差により、パンケーキコイルの径方向に外向きの応力が働く場合がある。
超電導テープを形成する複数の層どうしは、前述のように剥離しやすく、この応力で剥離による超電導性の不安定化などの劣化がおこりうるという課題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、冷却時の超電導層の剥離を防止する技術を施した超電導コイルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる超電導コイルは、少なくとも超電導層を含む超電導テープおよび絶縁テープを積層させて巻回させたパンケーキコイルと、前記巻回の中心軸方向に積層される複数の前記パンケーキコイルの間に設けられ、室温から液体窒素温度までの径方向の熱収縮率値が0.3%〜3%の絶縁体である絶縁部材と、を備えるものである。
本発明により、冷却時の超電導層の剥離を防止する技術を施した超電導コイルおよびその製造方法が提供される。
(A)は本発明の各実施形態にかかる超電導コイルの上面図、(B)は本発明の各実施形態にかかる超電導コイルのI−I断面の断面図。 (A)は本発明の第1実施形態にかかる超電導コイルの絶縁部材の上面図、(B)は絶縁部材のII−II断面の断面図。 超電導テープおよび絶縁テープが積層された状態を示す斜視図。 各実施形態に適用されるダブルパンケーキコイルを示す斜視図。 接合層の熱収縮率値を変えた際に観測される最大径方向応力の測定結果を表すテーブル。 (A)は本発明の第2実施形態にかかる超電導コイルの絶縁部材の上面図、(B)は絶縁部材のIII−III断面の断面図、(C)は絶縁部材のIV−IV断面の断面図。 (A)は本発明の第3実施形態にかかる超電導コイルの絶縁部材の上面図、(B)は絶縁部材のV−V断面の断面図、(C)は絶縁部材のV−V断面の変形例の断面図。 (A)は本発明の第4実施形態にかかる超電導コイルの絶縁部材の上面図、(B)は絶縁部材のVI−VI断面の断面図。 (A)は本発明の第4実施形態の変形例の上面図、(B)は絶縁部材のVII−VII断面の断面図、(C)は絶縁部材のVII−VII断面の変形例の断面図。 (A)は本発明の第4実施形態の変形例の上面図、(B)は絶縁部材のVIII−VIII断面の断面図、(C)は絶縁部材のVIII−VIII断面の変形例の断面図。 本発明の第1実施形態にかかる超電導コイルの製造手順を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(A)は、本発明の各実施形態にかかる超電導コイル10の上面図、図1(B)は本発明の各実施形態にかかる超電導コイル10のI−I断面の断面図である。
(第1実施形態)
図2(A)は、本発明の第1実施形態にかかる超電導コイル10の絶縁部材40の上面図、図2(B)は、絶縁部材40のII−II断面の断面図である。
第1実施形態にかかる超電導コイル10は、図1または図2に示されるように、少なくとも超電導層25(図3)を含む超電導テープ20および絶縁テープ30を積層させて巻回させたパンケーキコイル50と、巻回の中心軸方向に積層される複数のパンケーキコイル50の間に設けられ、室温から液体窒素温度まで(以下、単に「冷却時」という)の径方向の熱収縮率値ε(以下、単に「熱収縮率値ε」という)が0.3%〜3%の絶縁体である絶縁部材40と、を備える。
そして、絶縁部材40は、電気絶縁層42および接合層43から構成される。
さらに、絶縁部材40のいくつかには、その内部に、外部の冷却器(図示せず)に接続された冷却板41が配置される。
冷却板41によって、超電導コイル10が液体窒素温度になるまで、外部の冷却器の冷熱がパンケーキコイル50へ送られる。
この冷却板41は、すべての電気絶縁層42の内部に配置される必要はない。
ただし、冷却板41が設けられていない絶縁部材40では、伝熱の観点からパンケーキコイル50が絶縁部材40に確実に接合される必要性が高くなる。
図3は、超電導テープ20および絶縁テープ30を示した図である。
パンケーキコイル50は、図3で示されるような超電導層25を含む超電導テープ20および絶縁テープ30の積層を、さらに巻回させたものである。
超電導テープ20は、例えば、ステンレスまたは銅などの高強度の金属材質である基板22と、基板22の上に形成されて基板22と超電導層25の熱収縮の際に起因する熱歪みを防止する中間層24と、中間層24を基板22の上に配向させるマグネシウムなどからなる配向層23と、中間層24の上に形成される酸化物でできた超電導層25と、銀、金または白金などで組成され、超電導層25に含まれる酸素が超電導層25から拡散することを防止して超電導層25を保護する保護層26と、銅またはアルミニウムなどの良伝導性の金属メッキであり超電導層25への過剰電流の迂回経路となってクエンチ現象を防止する安定化層21と、から構成される。
ただし、超電導テープ20を構成する層の種類および数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて多くても少なくてもよい。
これら超電導テープ20を構成する層は剥離しやすいことが知られている。
超電導コイル10を液体窒素温度まで冷却すると超電導コイル10を構成する各々の部材は熱収縮する。
熱収縮の際、接合された絶縁部材40およびパンケーキコイル50の熱収縮率値εの差により、パンケーキコイル50に径方向の外向きに応力が働くことがある。
すると、超電導テープ20を形成する複数の層どうしは前述のように剥離し、超電導性が不安定化する。
絶縁テープ30は、数μm〜数mm程度の樹脂などの絶縁体から成り、超電導テープ20の径方向の短絡を防止する。
なお、複数のパンケーキコイル50どうしは、超電導コイル10の作製工程の中で、巻回の最内側または最外側で電気的に接続される。
図4は、ダブルパンケーキコイル51を示す図である。
図4に示されるように、2つのパンケーキコイル50が、巻回の最内側で予め電気的に接続されて対となって市販されているダブルパンケーキコイル51を用いることもできる。
ダブルパンケーキコイル51の場合、電気的な接続箇所を減らせるので、接続工程の作業負担が軽減される。
電気絶縁層42は、巻回の中心軸方向に積層される複数のパンケーキコイル50の間に設けられ、隣接するパンケーキコイル50の間の短絡を防止する。
層厚は、電圧に合わせておよそ数百μm〜数十mm程度である。
なお、第1実施形態においては、電気絶縁層42は、接合層43と同様に熱収縮率値εが0.3%〜3%程度である。
接合層43は、パンケーキコイル50および電気絶縁層42を接合し、冷却時の熱収縮率値εが0.3%〜3%の絶縁体である。
電気絶縁層42および接合層43は、材質を同一にして一体にさせて絶縁部材40としてもよい。
接合力があり、さらに熱収縮率値εが0.3%〜3%である絶縁体は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂または熱可塑性樹脂などがある。
これらの材質で電気絶縁層42を形成すれば、電気絶縁層42および接合層43を一体とした絶縁部材40が得られる。
さらに電気絶縁層42は熱収縮率値εが0.3%〜3%の絶縁体として、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、繊維方向を絶縁部材40の厚み方向に配向させたGFRP、繊維方向を絶縁部材40の厚み方向に配向させたCFRPまたはガラスクロスであってもよい。
GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)およびCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)は、繊維方向によって熱収縮率値εに異方性がある。
広く市販されているGFRPおよびCFRPは、繊維方向を面方向に配向させて切断されているため、熱収縮率値εは0.3%未満である。
しかし、同じGFRPあるいはCFRPであっても繊維を厚み方向に配向させ、この厚みに合わせて長さが切断されることで熱収縮率値εが0.3%以上である電気絶縁層42にすることができる。
図5は熱収縮率値εを変えた際の最大径方向応力σの測定結果を表すテーブルである。
図5に示されるコイルA(比較例)は繊維方向を電気絶縁層42の面方向に配向させたGFRP、コイルB(実施例)はエポキシ樹脂で電気絶縁層42を形成している。
接合層43はいずれもエポキシ樹脂であり、コイルBにおいては、電気絶縁層42と一体化しており区別する必要はない。
図5に示されるように、コイルAおよびコイルBはいずれも内径、外径、ターン数および絶縁部材40の厚みの条件は揃えられている。
そして、パンケーキコイル50の室温から液体窒素温度まで下げた際の熱収縮率値εも、0.3%で同じである。
一方、絶縁部材40の熱収縮率値εは、コイルAは0.2%とパンケーキコイル50の熱収縮率値εよりも小さい一方、コイルBは0.4%と大きい。
測定の結果、冷却時の最大径方向応力σは、コイルAは14MPaであるのに対してコイルBは4.7MPaと、コイルBの方が小さくなっていることがわかる。
すなわち、絶縁部材40の熱収縮率値εがパンケーキコイル50の熱収縮率値ε以上になると最大径方向応力σは大幅に減少するということである。
この効果は大きく、この最大径方向応力σの減少によって、超電導コイル10の剥離による劣化が生じる割合を大幅に減らすことができる。
絶縁部材40の熱収縮率値εがパンケーキコイル50の熱収縮率値εを下回ると最大径方向応力σは大きくなるので、絶縁部材40の熱収縮率値εの下限はパンケーキコイル50の熱収縮率値εと同じ0.3%であることが望ましい。
一方、絶縁部材40の熱収縮率値εが極端に高いと、パンケーキコイル50と絶縁部材40との接合が劣化してしまう。
よって、接合の劣化を招かない3%程度が絶縁部材40の熱収縮率値εの上限となる。
よって、絶縁部材40の熱収縮率値εは、好適には、0.3%〜3%程度である。
より好ましくは0.3%〜1.2%、さらに好ましくは0.3%〜0.8%である。
ところで、ダブルパンケーキコイル51を使用する場合であっても、そのパンケーキコイル50どうしの間には、絶縁部材40は必要である。
次に、図11を参照して、本発明の第1実施形態にかかる超電導コイル10の製造手順を説明する。
図11は本発明の第1実施形態にかかる超電導コイル10の製造手順を示すフローチャートである。
まず、超電導層25を含む超電導テープ20および絶縁テープ30を積層させ、さらに巻回させてパンケーキコイル50を作成する(ステップS11)。
次に、フェノール樹脂などの冷却時の熱収縮率値εが0.3%〜3%の糊状の絶縁体をパンケーキコイル50の上に塗布して、接合層43を形成させる(ステップS12)。
接合層43の上に、ポリエステルなどの電気絶縁層42を形成させる(ステップS13)。
なお、電気絶縁層42は、液状であってもすでに固体であってもよい。
フェノール樹脂など接合層43と同一の材質を用いる場合は、接合層43を形成する工程(ステップS12)および電気絶縁層42を形成する工程(ステップS13)を区別する必要はない。
さらに、このポリエステルの上に再度接合層43を塗布して形成し(ステップS14)、次のパンケーキコイル50をのせ(ステップS15)、接合層43を硬化させる(ステップS16)。
そして、隣り合うパンケーキコイル50を巻回の最内側または最外側で電気的に接続する(ステップS17)。
なお、ダブルパンケーキコイル51を用いる場合は、すでにそのパンケーキコイル50どうしは予め最内側で接続されているので、隣り合うダブルパンケーキコイル51どうしを最外側でのみ接続すればよい。
以上の手順を繰り返し(ステップS18;NO:ステップS12へ戻る)、超電導コイル10を形成する。
すべてのパンケーキコイル50が積層されたら(ステップS18;YES)、製造を終了する。
なお、冷却板41を配置する場合、予め電気絶縁層42に埋め込んでおくのがよい。
以上のように、本発明の第1実施形態にかかる超電導コイル10によれば、絶縁部材40の熱収縮率値εをパンケーキコイル50のものより大きくすることで冷却時の超電導層25の剥離を防止することができる。
(第2実施形態)
図6(A)は、本発明の第2実施形態にかかる超電導コイル10の絶縁部材40の上面図、図6(B)は、絶縁部材40のIII−III断面の断面図、図6(C)は、絶縁部材40のIV−IV断面の断面図である。
図6(A)においては、接合層43の図示を省略している。
第2実施形態にかかる超電導コイル10は、図6(A),(B)に示されるように、第1実施形態にかかる超電導コイル10に加え、新たに熱収縮率値εが0.3%〜3%で、かつ高熱伝導率の熱伝達部材44を備える。
熱伝達部材44は、図6(B)で示されるように、電気絶縁層42の一部として電気絶縁層42の内部または表面に配置される。
熱伝達部材44が設けられている冷却領域60は、図6(A)で示すように、一部分であってもよいし、絶縁部材40の全体であってもよい。
なお、熱伝達部材44を備える冷却領域60が設けられたこと以外は、第2実施形態は第1実施形態と同じ構造および製造手順を有するので、重複する説明を省略する。
また、第1実施形態に引き続き、電気絶縁層42は、接合層43と同様に熱収縮率値εが0.3%〜3%程度である。
同様に、第1実施形態に引き続き、電気絶縁層42は接合層43と同一の材質からなり一体化して絶縁部材40となっていてもよい。
図面においても、共通の構成または機能を有する領域は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
なお、図2(B)に示される冷却板41は図6から図10において省略しているが、第2実施形態以降においても、適宜設けてもよい。
熱伝達部材44は、例えばアルミニウムなどで、通電時(クエンチ現象発生時)にパンケーキコイル50で発生する熱を回収する。
熱伝達部材44は、銅、真鍮またはジュラルミンなどであってもよい。
これらアルミニウム、ジュラルミン、銅または真鍮はいずれも冷却時の熱収縮率値εが0.3%以上で、かつ高熱伝導率ある。
熱伝達部材44に使用されるアルミニウムは、熱伝性の観点から純度はより高いものがよく、好適には99%以上である。
なお、熱伝達部材44は、冷却板41とは異なり外部の冷却器(図示せず)とは接続されていない。
熱伝達部材44は、超電導コイル10の冷却性の観点から、特に、冷却板41が設けられていない絶縁部材40に設けるのがよい。
このように、本発明の第3実施形態にかかる超電導コイル10によれば、電気絶縁層42が熱収縮率値εが小さい材質で構成されていても、熱伝達部材44および接合層43の熱収縮に引っ張られ、電気絶縁層42が熱収縮する。
よって、冷却時の超電導層25の剥離を防止することができる。
(第3実施形態)
図7(A)は、本発明の第3実施形態にかかる超電導コイル10の絶縁部材40の上面図、図7(B)は、絶縁部材40のV−V断面の断面図、図7(C)は、絶縁部材40のV−V断面の変形例の断面図である。
図7(A)においては、接合層43の図示を省略している。
第3実施形態にかかる超電導コイル10は、図7(A)に示されるように、接合層43の少なくとも一部に、パンケーキコイル50の接合を防ぐ非接合領域70を備える。
第3実施形態にかかる超電導コイル10は、電気絶縁層42の冷却時の熱収縮率値εが0.3%未満である場合にも、好適に適用できる。
なお、接合層43は、第1実施形態と同様に、熱収縮率値εが0.3%〜3%のものが使用される。
なお、非接合領域70を設けることおよび電気絶縁層42の冷却時の熱収縮率値εが0.3%未満であっても適用できること以外は、第3実施形態は第1実施形態と同じ構造および製造手順を有するので、重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する領域は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
非接合領域70は例えば図7(B)に示されるように、非接合層71などを設けることで実現される。
非接合層71は、例えば、接合層43とパンケーキコイル50の接合面にポリテトラフルオロエチレンで被膜を形成し、絶縁部材40とパンケーキコイル50との接合を防ぐ。
非接合層71を備える非接合領域70は、冷却時にパンケーキコイル50への径方向の外向きの応力を生じさせない。
よって、パンケーキコイル50の絶縁部材40による拘束を弱めることができる。
非接合領域70は、被膜に限らず、例えば図7(C)に示されるように、電気絶縁層42の表面に凹凸を持たせて実現することも可能である。
このように、本発明の第3実施形態にかかる超電導コイル10によれば、非接合層71を設けることによって、電気絶縁層42が熱収縮率値εが小さい材質で構成されていても、冷却時の超電導層25の剥離を防止することができる。
(第4実施形態)
図8(A)は、本発明の第4実施形態にかかる超電導コイル10の絶縁部材40の上面図、図8(B)は、絶縁部材40のVI−VI断面の断面図である。
図8(A)においては、接合層43の図示を省略している。
図9(A)は、本発明の第4実施形態の変形例、図9(B)は、絶縁部材40のVII−VII断面の断面図、図9(C)は、絶縁部材40のVII−VII断面の変形例の断面図である。
図10(A)は、本発明の第4実施形態の変形例、図10(B)は、絶縁部材40のVIII−VIII断面の断面図、図10(C)は、絶縁部材40のVIII−VIII断面の変形例の断面図である。
第4実施形態にかかる超電導コイル10は、電気絶縁層42に、径方向に沿う形状(図8(A))、同心円形状(図9(A))または渦形状(図10(A))のスリットが入れられている。
ただし、スリットの形状は上述の形状に限られるものではない。
また、第4実施形態にかかる超電導コイル10は、電気絶縁層42の冷却時の熱収縮率値εが0.3%未満である場合にも、好適に適用できる。
一方、接合層43は、第1実施形態と同様に、熱収縮率値εが0.3%〜3%のものが使用される。
なお、電気絶縁層42にスリットを設けることおよび電気絶縁層42の冷却時の熱収縮率値εが0.3%未満であっても適用できること以外は、第3実施形態は第1実施形態と同じ構造および製造手順を有するので、重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する領域は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
電気絶縁層42の材質の熱収縮率値εが0.3%未満である場合でも、冷却時には、接合層43に引っ張られ、電気絶縁層42は撓むことができる。
このように、電気絶縁層42にスリットを入れることによって、絶縁部材40の全体としての熱収縮率値εを実質0.3%〜3%であるのと同様の効果を得ることができる。
電気絶縁層42に配置された接合層43の分布は図9(B)および図10(B)に示すように電気絶縁層42の全体を覆うように配置される仕方がある。
また、接合層43は、図9(C)および図10(C)に示すようにスリットを埋めるように配置させてもよい。
この場合、電気絶縁層42およびパンケーキコイル50は、パンケーキコイル50の絶縁部材40による拘束が弱められるので、第3実施形態と同様の効果も期待できる。
すなわち、電気絶縁層42の露出領域は非接合領域70と同様に、冷却時にパンケーキコイル50への径方向の外向きの応力を生じさせない。
このように、本発明の第4実施形態にかかる超電導コイル10によれば、電気絶縁層42が熱収縮率値εの小さい材質で構成されていても、冷却時の超電導層25の剥離を防止することができる。
以上のべた少なくとも一つの実施形態の超電導コイル10によれば、冷却時の熱収縮率値εが0.3%〜3%の絶縁体である絶縁部材40を備えることにより、冷却時の超電導層25の剥離を防止することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…超電導コイル、20…超電導テープ、21…安定化層、22…基板、23…配向層、24…中間層、25…超電導層、26…保護層、30…絶縁テープ、40…絶縁部材、41…冷却板、42…電気絶縁層、43…接合層、44…熱伝達部材、50…パンケーキコイル、51…ダブルパンケーキコイル、60…冷却領域、70…非接合領域、71…非接合層、ε…熱収縮率値、σ…最大径方向応力、A…コイル、B…コイル。

Claims (11)

  1. 少なくとも超電導層を含む超電導テープおよび絶縁テープを積層させて巻回させたパンケーキコイルと、
    前記巻回の中心軸方向に積層される複数の前記パンケーキコイルの間に設けられ、室温から液体窒素温度までの径方向の熱収縮率値が0.3%〜3%の絶縁体である絶縁部材と、を備えることを特徴とする超電導コイル。
  2. 前記絶縁部材は、
    ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、繊維方向を前記絶縁部材の厚み方向に配向させたGFRP、前記絶縁部材の厚み方向に配向させたCFRP、熱可塑性樹脂およびガラスクロスから選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
  3. 前記絶縁部材の少なくとも一部に、前記パンケーキコイルの前記接合を防ぐ非接合領域を設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超電導コイル。
  4. 前記絶縁部材は、
    短絡を防止する電気絶縁層と、
    前記パンケーキコイルおよび前記電気絶縁層を接合する接合層と、を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  5. 前記接合層は、
    エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂および熱可塑性樹脂から選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項4に記載の超電導コイル。
  6. 前記絶縁部材はさらに、
    前記パンケーキコイルよりも熱伝達係数の大きい熱伝達部材を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  7. 前記熱伝達部材は、
    アルミニウムを主成分とすることを特徴とする請求項6に記載の超電導コイル。
  8. 前記絶縁部材は、
    スリットが入れられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  9. 前記スリットの形状は、
    径方向に沿う形状、同心円形状および渦形状のうちのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の超電導コイル。
  10. 隣り合う2つの前記パンケーキコイルは、
    前記巻回の最内側で予め電気的に接続されて対を成すダブルパンケーキコイルであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  11. 少なくとも超電導層を含む超電導テープおよび絶縁テープを積層させて巻回させたパンケーキコイルを作成するステップと、
    前記巻回の中心軸方向に積層される前記パンケーキコイルの積層面に、室温から液体窒素温度までの径方向の熱収縮率値が0.3%〜3%の絶縁体である絶縁部材を設けるステップと、を含むことを特徴とする超電導コイルの製造方法。
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