JP5969418B2 - 永久電流スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、超電導磁石を永久電流モードで運転するための永久電流スイッチに関し、特に、高いクエンチ耐性を有しかつ低コストの永久電流スイッチに関するものである。
超電導磁石(超電導線材を巻回した電磁石)を利用した代表的な製品として核磁気共鳴分析装置(NMR)や核磁気共鳴画像装置(MRI)があり、バイオテクノロジー分野や医療分野で広く利用されている。これらの装置は、磁場精度において0.1 ppm/h以下という極めて小さな磁場減衰率が要求され、通常、永久電流モードで運転される。そして、超電導磁石の永久電流モード運転を達成するため、永久電流スイッチ(PCS)と呼ばれるスイッチ装置が利用される。
永久電流スイッチは、一般的に、電気抵抗率が高い金属母材に超電導フィラメントが埋め込まれた超電導線材(PCS用超電導線材)を巻回した超電導巻線(超電導コイル)と、ヒータとを備えた構成を有する。そのような永久電流スイッチのオン/オフは、ヒータの温度制御による超電導線材の超電導状態(電気抵抗ゼロ)/常電導状態(金属母材への分流に起因する電気抵抗)によってなされる。言い換えると、スイッチのオン/オフとして電気抵抗のギャップを利用するため、PCS用超電導線材では、通常の超電導線材の金属母材(例えば、無酸素銅や純アルミニウム等の良導体、安定化材とも言う)よりも電気抵抗率がはるかに高い金属母材(例えば、銅ニッケル合金)を用いることが好ましい。
一方、電気抵抗率が高い金属は熱伝導率が低いことから、PCS用超電導線材では、金属母材が付いている状態であっても通常の超電導線材よりも熱拡散性が低く、クエンチ耐性が低下する傾向がある(わずかな熱擾乱によっても容易にクエンチが生じる)。そのため、クエンチ耐性が高いPCS用超電導線材や永久電流スイッチが強く望まれている。
永久電流スイッチのように超電導線材に掛かる磁場の変動が十分に小さい場合、超電導線材の温度上昇を引き起こす熱は、一般的に、超電導線材の内部ではなく超電導線材の表面近傍で発生する熱(例えば、超電導巻線と巻枠との摩擦による発熱、含浸材のクラックや剥がれが発生することによる発熱)がほとんどである。局所的に発生するこれらの熱を速やかに熱拡散させることは、クエンチを防止するために有効な方法である。
局所的に発生する熱を速やかに拡散できる超電導線として、例えば特許文献1(特開平10−116722)には、マトリックスの中に複数本の超電導フィラメントが埋め込まれ、表面に絶縁が施されている円形断面の超電導線の周囲に、直径が上記超電導線の直径よりも細く、かつ絶縁が施された熱の良導体の線を密着して複数本螺旋状に巻き付けたことを特徴とする超電導導体が開示されている。特許文献1によると、超電導線の周囲に巻き付けた絶縁の施されている熱の良導体の線は、超電導線の周囲で発生する局部的な発熱、例えば超電導導体同士の摩擦や含浸剤のクラック発生による発熱をその長さ方向に拡散することができるため、局部的な温度上昇を防ぐことができ、クエンチを引き起こすことがなくなり、さらに超電導線の周囲に巻き付けた熱の良導体の線は細く、かつ絶縁が施されているので、変動磁界が加わっても渦電流の発生による発熱は微少であり、温度上昇によるクエンチ発生の恐れは少ないとされている。
非特許文献1には、超電導線の不安定性の原因となる擾乱を低減するために、線方向と半径方向の熱伝導率に極端な異方性を設けた線材構造(超電導線、絶縁被覆および銅被覆の3層構造)が開示されている。また非特許文献2では、非特許文献1の超電導巻線について、線材の過渡安定性を向上させるために、線材の幾何的構成や巻線構成物の熱的特性の影響が検討され報告されている。非特許文献2によれば、銅被覆を設けることで、熱が銅の被覆に沿って線材の長手方向に伝わりやすくなり、ヘリウムによる冷却効率が高まり、最小クエンチエネルギー(MQE)を大きくすることができるとされている。
特開平10−116722号公報
大西利只,石井格,樋口登,海保勝之,野村晴彦:「超電導線の安定性に関する一考察」,第40回 昭和63年度秋季低温工学・超電導学会予稿集 82頁 上野豊,青木敬介,石山敦士:「高電流密度超電導マグネットの過渡安定性の向上」,第51回 1994年度春季低温工学・超電導学会講演概要集 249頁
非特許文献1に記載の超電導線では、絶縁被覆(例えば、ホルマール(PVF)被覆)上への銅被覆の形成方法として無電解めっきが提案されている。しかしながら、ホルマール被覆上への銅薄膜の無電解めっきは、製造コスト増大の要因となることに加えて、ホルマール被覆と銅薄膜との間で十分な密着性を確保できない可能性が高く、該超電導線を巻線する際に銅被覆が剥離してしまうことが危惧される。また、非特許文献1,2に記載の超電導線は、実際に試作されたものではなく(計算上の設計であり)、実用に耐える保証がない。さらに、該銅被覆を介した渦電流が生じることが、非特許文献1に記載されている。
一方、特許文献1に記載の超電導導体は、PCS用超電導線の全長に渡って、熱拡散媒体となる複数本の細径線材を該PCS用超電導線の周囲にほぼ又は全く隙間なく螺旋状に巻き付けたものであり、該細径線材を巻き付けることに伴うコストの増大は避けられない。さらに、特許文献1に記載の超電導導体は、PCS用超電導線の全長に渡って該細径線材を巻き付けることから、超電導線材に掛かる変動磁場の方向によっては、渦電流損失に起因する発熱の影響を無視できなくなる可能性がある。
また、超電導製品はまだまだ高価であり、超電導製品の利用拡大のために低コスト化は重要な課題である。
したがって、本発明の目的は、従来と同等以上の高いクエンチ耐性を有し、かつ従来よりも低コストの永久電流スイッチを提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、超電導磁石用の永久電流スイッチであって、前記永久電流スイッチは、巻枠と、前記巻枠に巻回された超電導線材からなる超電導コイルと、前記超電導線材の温度を制御するヒータと、熱拡散シートとを具備し、
前記熱拡散シートは、所定の回路形状を有する熱良導体層が樹脂シートの少なくとも一方の表面上に積層形成されたものであり、前記熱良導体層が、前記超電導コイルの最内層の前記超電導線材および/または前記超電導コイルの軸方向端面の前記超電導線材と当接するように、前記超電導コイルと前記巻枠との間に配設され、
前記熱良導体層は、前記超電導線材を構成する金属母材よりも高い熱伝導率を有し、かつ5μm以上50μm以下の膜厚を有することを特徴とする永久電流スイッチを提供する。
本発明によれば、従来と同等以上の高いクエンチ耐性を有し、かつ従来よりも低コストの永久電流スイッチを提供することができる。
本発明に係る永久電流スイッチの一例を示す縦断面模式図である。 本発明に係る永久電流スイッチの他の一例を示す縦断面模式図である。 本発明に係る永久電流スイッチの他の一例を示す縦断面模式図である。 本発明の熱拡散シートにおける熱良導体層の回路形状の一例を示す平面模式図である。 本発明の熱拡散シートにおける熱良導体層の回路形状の他の一例を示す平面模式図である。 本発明の熱拡散シートにおける熱良導体層の回路形状の他の一例を示す平面模式図である。 本発明の熱拡散シートにおける熱良導体層の回路形状の他の一例を示す平面模式図である。 本発明に係る永久電流スイッチの一例の拡大断面模式図である。 金属母材と電気絶縁層と熱良導体層との3層構造における金属母材の温度と発熱点からの距離との関係を示すグラフである。 本発明に係る永久電流スイッチの製造過程の一例を示す斜視模式図である。
本発明者は、従来と同等以上の高いクエンチ耐性を有しかつ従来よりも低コストの永久電流スイッチを提供すべく、クエンチ要因となる超電導巻線(超電導コイル)への熱侵入について鋭意調査した。その結果、永久電流スイッチがクエンチを起こす原因となる望まない発熱は、超電導コイルの内部よりも、超電導コイルと他の構成物との界面領域(例えば、超電導コイルと巻枠との界面領域、超電導コイルとヒータとの界面領域)で主に生じることを見出した。言い換えると、望まない発熱が生じ易い領域に対して選択的に熱拡散性を高めることにより、クエンチ耐性を従来と同等に維持しながら低コスト化が可能になると考えられた。
本発明者が更に詳細にクエンチ要因を調査したところ、熱拡散性を高めるために付与した熱拡散層で生じる渦電流損失に起因する発熱の影響は、当初予想していたよりも大きいことを見出した。言い換えると、熱拡散層に生じる渦電流のループをできるだけ小さく分割することが必要であり、それにより、クエンチ耐性を従来以上に高められると考えられた。すなわち、本発明の目的を達成するためには、選択的領域における熱拡散性の向上と渦電流損失の抑制とを両立させることが肝要であることが判った。本発明は、当該知見に基づくものである。
前述したように、本発明に係る永久電流スイッチは、巻枠と、前記巻枠に巻回された超電導線材からなる超電導コイルと、前記超電導線材の温度を制御するヒータと、熱拡散シートとを具備し、
前記熱拡散シートは、所定の回路形状を有する熱良導体層が樹脂シートの少なくとも一方の表面上に積層形成されたものであり、前記熱良導体層が、前記超電導コイルの最内層の前記超電導線材および/または前記超電導コイルの軸方向端面の前記超電導線材と当接するように、前記超電導コイルと前記巻枠との間に配設され、
前記熱良導体層は、前記超電導線材を構成する金属母材よりも高い熱伝導率を有し、かつ5μm以上50μm以下の膜厚を有することを特徴とする。
本発明は、上記の発明に係る永久電流スイッチにおいて、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記所定の回路形状は、前記超電導コイルの最内層で隣接する前記超電導線材同士を橋渡しするように、または前記超電導コイルの軸方向端面で1層置きに隣り合う前記超電導線材同士を橋渡しするように形成されている。
(ii)前記熱拡散シートの前記樹脂シートは、可撓性を有する。
(iii)前記永久電流スイッチは、第3の熱拡散シートを更に具備し、前記第3の熱拡散シートは、所定の回路形状を有する熱良導体層が可撓性樹脂シートの少なくとも一方の表面上に積層形成されたものであり、該第3の熱拡散シートの前記熱良導体層が前記超電導コイルの最外層の前記超電導線材と当接するように、前記超電導コイルの外周に配設され、前記第3の熱拡散シートの前記熱良導体層は、前記超電導線材を構成する金属母材よりも高い熱伝導率を有し、かつ5μm以上50μm以下の膜厚を有する。
(iv)前記永久電流スイッチは、前記超電導コイルが複数の超電導サブコイルの積層からなり、かつ第4の熱拡散シートを更に具備し、前記第4の熱拡散シートは、所定の回路形状を有する熱良導体層が可撓性樹脂シートの両表面上に積層形成されたものであり、該第4の熱拡散シートの前記熱良導体層が前記複数の超電導サブコイルの前記超電導線材と当接するように、前記複数の超電導サブコイルの間に配設され、前記第4の熱拡散シートの前記熱良導体層のそれぞれは、前記超電導線材を構成する金属母材よりも高い熱伝導率を有し、かつ5μm以上50μm以下の膜厚を有する。
(v)前記熱拡散シートの前記所定の回路形状、前記第3の熱拡散シートの前記熱良導体層の前記所定の回路形状、および前記第4の熱拡散シートの前記熱良導体層の前記所定の回路形状は、ストライプ状、モザイク状、ミアンダ状およびラジアル状のうちの少なくとも一種の形状に形成されている。
(vi)前記熱拡散シートの前記熱良導体層、前記第3の熱拡散シートの前記熱良導体層、および前記第4の熱拡散シートの前記熱良導体層は、銅またはアルミニウムからなる。
(vii)前記熱拡散シート、前記第3の熱拡散シート、および前記第4の熱拡散シートは、空気抜き用の穴が設けられている。
(viii)前記熱拡散シート、および前記第3の熱拡散シートは、前記樹脂シートおよび前記可撓性樹脂シートにおける前記熱良導体層が形成された面と反対側の表面上にヒータ回路層が積層形成されており、該ヒータ回路層が前記ヒータである。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同義の部分には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。また、本発明は、ここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
[永久電流スイッチ]
図1は、本発明に係る永久電流スイッチの一例を示す縦断面模式図である。図1に示したように、本発明に係る永久電流スイッチ10は、巻枠20(巻枠胴部21、巻枠鍔部22)と、巻枠20に巻回された超電導線材からなる超電導コイル30と、超電導線材の温度を制御するヒータ40と、熱拡散シート50(図1では、第1熱拡散シート51、第2熱拡散シート52)と、熱絶縁層60とを具備している。
第1熱拡散シート51は、超電導コイル30の最内層と当接するように、超電導コイル30と巻枠胴部21との間に配設されている。第2熱拡散シート52は、超電導コイル30の軸方向端面と当接するように、超電導コイル30と巻枠鍔部22との間に配設されている。ヒータ40は、第1熱拡散シート51と巻枠胴部21との間に配設されている。熱絶縁層60は、超電導コイル30の最外層を覆うように配設されている。
なお、超電導コイル30が細長い形状の場合(「超電導コイル30の軸方向長さ」が「超電導コイル30の径方向の厚さ」よりも十分に大きい場合)、第2熱拡散シート52は配設されなくてもよい。逆に、超電導コイル30が平たい形状の場合(「超電導コイル30の軸方向長さ」が「超電導コイル30の径方向の厚さ」よりも十分に小さい場合)、第1熱拡散シート51は配設されなくてもよい。超電導コイル30の形状は、永久電流スイッチが設置される位置・空間により適宜設計される事項である。
図2は、本発明に係る永久電流スイッチの他の一例を示す縦断面模式図である。図2に示したように、永久電流スイッチ11は、巻枠20(巻枠胴部21、巻枠鍔部22)と、巻枠20に巻回された超電導線材からなる超電導コイル30と、超電導線材の温度を制御するヒータ40と、熱拡散シート50(図2では、第1熱拡散シート51、第3熱拡散シート53)と、熱絶縁層60とを具備している。
第3熱拡散シート53は、超電導コイル30の最外層と当接するように、超電導コイル30の外周に配設されている。ヒータ40は、第3熱拡散シート53の外周に配設されている。
図3は、本発明に係る永久電流スイッチの更に他の一例を示す縦断面模式図である。図3に示したように、永久電流スイッチ12は、巻枠20(巻枠胴部21、巻枠鍔部22)と、巻枠20に巻回された超電導線材からなる超電導コイル30(図3では、第1超電導サブコイル31、第2超電導サブコイル32)と、超電導線材の温度を制御するヒータ40と、熱拡散シート50(図3では、第1熱拡散シート51、第4熱拡散シート54)と、熱絶縁層60とを具備している。
永久電流スイッチ12では、超電導コイル30が第1超電導サブコイル31と第2超電導サブコイル32との積層構造を有している。第4熱拡散シート54は、第1超電導サブコイル31および第2超電導サブコイル32のそれぞれと当接するように、第1超電導サブコイル31と第2超電導サブコイル32との間に配設されている。
なお、永久電流スイッチ10〜12において、少なくとも、巻枠20と超電導コイル30とヒータ40と熱拡散シート50とは、樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の真空加圧含浸により一体化されていることが好ましい。
以下、本発明に係る永久電流スイッチの各構成について、より詳細に説明する。
(巻枠)
巻枠20(巻枠胴部21、巻枠鍔部22)の材料に特段の限定はなく、従前のものを利用できる。例えば、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を好ましく用いることができる。また、巻枠20は、円柱材または厚肉パイプ材から一体物として削り出し加工により作製してもよいし、別体で用意した巻枠胴部21と巻枠鍔部22とを組み合わせて一体化してもよい。
(超電導コイル・超電導線材)
超電導コイル30の構成に特段の限定はなく、従前のPCS用超電導コイル(例えば、超電導線材が無誘導巻きされたソレノイドコイル)を利用できる。また、図3に示したように、複数の超電導サブコイルの積層から構成されていてもよい。なお、超電導コイル30において、超電導線材のコイル軸方向の並びを「ターン」と称し、超電導線材のコイル径方向の並びを「層」と称する。
また、超電導コイル30を構成する超電導線材にも特段の限定はなく、従前のPCS用超電導線材を利用できる。一例としては、電気抵抗率が高い金属母材(例えば、銅−ニッケル合金)に複数本の超電導フィラメント(例えば、ニオブ−チタン合金超電導体)が埋め込まれた超電導線材を好ましく用いることができる。当該超電導線材は、その表面に電気絶縁層(例えば、ホルマール(PVF)被覆)を有することが好ましく、超電導線材を密巻きしたとしても超電導コイル30内で隣接するターンの間および隣接する層の間で短絡しないようになっている。
(ヒータ)
ヒータ40の材料に特段の限定はなく、従前のもの(例えば、銅−マンガン−ニッケル合金)を利用できる。図1、図3に示したように、ヒータ40を超電導コイル30と巻枠20との間に配設する場合には、超電導コイル30の巻線が乱れないように、ヒータ40は巻枠胴部21の全周・全長に亘って形成されることが好ましい。一方、図2に示したように、ヒータ40を超電導コイル30の外周に配設する場合には、ヒータ40を超電導コイル30の全周に亘って形成しなくてもよい。
(熱断熱層)
熱絶縁層60の材料に特段の限定はなく、従前のもの(例えば、ガラスクロスを巻き回した後に樹脂で固める)を利用できる。本発明の永久電流スイッチにおいて、熱絶縁層60は、必須の構成ではないので形成されなくてもよいが、スイッチオフ時の冷媒(例えば、液体ヘリウム)の過剰消費(過剰蒸発)を抑制するため、形成されることが好ましい。
(熱拡散シート)
熱拡散シート50(第1熱拡散シート51、第2熱拡散シート52、第3熱拡散シート53、第4熱拡散シート54)は、所定の回路形状を有する熱良導体層が樹脂シートの少なくとも一方の表面上に積層形成されたものであり、該熱良導体層が超電導コイル30の超電導線材と当接するように、配設されている。熱良導体層は、PCS用超電導線材を構成する金属母材よりも高い熱伝導率を有することが好ましく、例えば、銅やアルミニウムを好適に用いることができる。また、熱良導体層は、5μm以上50μm以下の膜厚を有することが好ましい。
熱拡散シート50(特に、第1熱拡散シート51、第3熱拡散シート53、および第4熱拡散シート54)は、超電導コイル30と巻枠胴部21との間、超電導コイル30の外周、および第1超電導サブコイル31と第2超電導サブコイル32との間に巻き付けるように配設されることから、可撓性を有していることが好ましい。そのため、それら熱拡散シートを構成する樹脂シートは、可撓性と耐寒性とを有していることが好ましく、例えば、ポリイミドを好適に用いることができる。また、熱拡散シート(樹脂シート)は、巻枠胴部21の長さ(超電導コイル30の軸方向長さ)と同じ幅を有する幅広シートであってもよいし、巻枠胴部21の長さよりも短い(細い)リボン状シートであってもよい。
前述したように、従来技術において熱拡散性を高めるために付与した熱拡散層で生じる渦電流損失の影響は非常に大きいことから、永久電流スイッチのクエンチ耐性を高めるためには、熱拡散層に生じる渦電流のループをできるだけ小さく分割することが望ましい。
図4A〜図4Dは、本発明の熱拡散シートにおける熱良導体層の回路形状の例を示す平面模式図である。図4Aは、樹脂シート55上にストライプ形状の熱良導体層56が形成された例(熱拡散シート501)である。図4Bは、樹脂シート55上にモザイク形状の熱良導体層57が形成された例(熱拡散シート502)である。図4Cは、樹脂シート55上にミアンダ形状の熱良導体層58が形成された例(熱拡散シート503)である。図4Dは、第2熱拡散シート52の一例として示したものであり、樹脂シート55上にラジアル形状の熱良導体層59が形成された例(熱拡散シート504)である。このように熱良導体層の回路形状を細くおよび/または小さく形成することで、熱良導体層に生じる渦電流のループを小さく分割することができる。
なお、熱良導体層の回路形状は、上記に限定されるものではなく、永久電流スイッチに掛かる磁場変動の大きさや方向、所望する熱拡散の方向などを勘案して、熱良導体層の回路の幅・長さを設計すればよい。また、図4A〜図4Dの回路形状を組み合わせたような形状でもよい。
第1熱拡散シート51、第3熱拡散シート53、および第4熱拡散シート54において、熱良導体層の回路形状は、当接する超電導コイル30の超電導線材で隣接するターン同士を橋渡しするように形成されていることが好ましい。また、第2熱拡散シート52において、熱良導体層の回路形状は、当接する超電導コイル30の軸方向端面で1層置きに隣り合う超電導線材同士を橋渡しするように形成されていることが好ましい。超電導線材の巻き方向(超電導線材の長手方向)と異なる方向に熱拡散させることで、局所的に発生した熱をより広く薄く分散することができる。
加えて、熱良導体層が樹脂シート55の両表面上に形成されていることは好ましい。それにより、熱拡散性を更に向上させることができる。樹脂シート55の両表面上に熱良導体層を有する熱拡散シートを超電導コイル30とヒータ40との間に配設すると、ヒータ40からの熱をより均等にかつより短時間で超電導コイル30へ伝熱することができるので、永久電流スイッチのスイッチング速度が向上するという副次的な効果もある。なお、樹脂シート55の両表面上に熱良導体層を形成する場合、それぞれの熱良導体層の回路形状は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記のような熱拡散シート50としては、例えば、可撓性樹脂シートを基材とする銅張積層板に対してエッチングを施して所望の回路形状を形成したもの(いわゆる、フレキシブルプリント配線板)を好適に利用することができる。言い換えると、所望の回路形状を形成したフレキシブルプリント配線板を利用することにより、熱拡散シート50を低コストで用意することができると共に、永久電流スイッチ内に熱拡散シート50を作業性よく配設することができる。
なお、第2熱拡散シート52は、超電導コイル30の軸方向端面と巻枠鍔部22との間に配設されることから、可撓性を必ずしも必要としない。そこで、永久電流スイッチの構成部品数低減の観点および永久電流スイッチの組立作業性の観点から、ガラス繊維強化プラスチック基板の一方の表面上に所望の回路形状を直接形成したもの(いわゆる、リジッドプリント配線板)を利用して、巻枠鍔部22と第2熱拡散シート52とを一体化してもよい。
次に、本発明に係る永久電流スイッチが、従来技術よりもクエンチ耐性を向上できる理由について説明する。
図5は、本発明に係る永久電流スイッチの一例の拡大断面模式図であり、図2に示した永久電流スイッチ11の第1熱拡散シート51の近傍を示したものである。第1熱拡散シート51としては、図4Bに示した熱拡散シート502を用いている。
図5に示したように、第1熱拡散シート51(熱拡散シート502)は、樹脂シート55の一方の表面上に熱良導体層57が積層形成されており、熱良導体層57が超電導コイル30の最内層の超電導線材と当接するように、超電導コイル30と巻枠胴部21との間に配設されている。PCS用超電導線材は、その表面に電気絶縁層を有している。巻枠20と超電導コイル30と第1熱拡散シート51とは、含浸樹脂により一体化されている。
前述したように、クエンチの発生要因となる望まない発熱(例えば、含浸樹脂のクラック発生や剥離による発熱)は、超電導コイルと他の構成物との界面領域で起こる傾向にある。図5では、第1熱拡散シート51と巻枠胴部21との界面領域で発熱した場合を示した。発生した熱は、巻枠胴部21中および熱拡散シート502の樹脂シート55中を拡散し、その一部が熱拡散シート502の熱良導体層57に到達する。熱良導体層57の熱伝導率は十分高いことから、熱良導体層57に到達した熱は熱良導体層57内を素早く伝搬・拡散し、薄く広まった熱が隣接する複数ターンのPCS用超電導線材内に電気絶縁層を介して侵入する。第1熱拡散シート51(熱拡散シート502)が配設されていない場合に比して、熱侵入するPCS用超電導線材の体積が増加することにより、各ターンのPCS用超電導線材の温度上昇が抑制される。その結果、永久電流スイッチのクエンチ耐性が向上する。
次に、熱拡散シートの熱良導体層の膜厚について、説明する。
熱良導体層は、厚さが薄くなるほど熱抵抗が増大して熱拡散性が小さくなり、厚さが厚くなるほど熱拡散性は向上するが、渦電流損失が増大して熱擾乱が大きくなる。そこで、熱良導体層の最適な膜厚を見積もるべく、超電導線材の金属母材(Cu-Ni)と電気絶縁層(PVF)と熱拡散シートの熱良導体層(Cu)との仮想的な3層構造において、超電導線材の金属母材の温度と発熱点からの距離との関係を差分法により計算した。
境界条件として、金属母材の厚さは0.4 mmとし、電気絶縁層の厚さは35μmとし、熱良導体層の厚さは0,0.1,1,2,5,10,20,50,100μmとした。「熱良導体層の厚さ=0μm」は、熱良導体層が形成されていない場合を意味する。金属母材、電気絶縁層および熱良導体層の熱伝導率は、データベース(超伝導・低温工学ハンドブック、社団法人低温工学協会編、株式会社オーム社)より、それぞれ1,0.1,200 W/(m K)とした。系の初期温度は4.2 Kとし、熱良導体層の外側に発熱点(温度20 K)を接触させた。なお、比熱の温度変化についても考慮した。計算結果を図6に示す。
図6は、金属母材と電気絶縁層と熱良導体層との3層構造における金属母材の温度と発熱点からの距離との関係を示すグラフである。図6に示したように、熱良導体層の厚さが0.1μmの場合、熱良導体層による熱拡散の効果がほとんど無く(熱良導体層の厚さ=0μmの場合とほとんど同じであり)、発熱点直上の金属母材の温度が7 K超まで上昇した。この温度ではNb-Tiの臨界温度との温度マージンがほとんど無いことから、クエンチが発生すると考えられる。熱良導体層の厚さを増加していくと、金属母材の最高温度が下がっていくことが分かる。
ここで、超電導線材の熱安定性の観点から、熱擾乱に対する温度上昇は1 K以内(すなわち、5.2 K以下)にすることが望まれる。当該基準で考えると、熱良導体層の厚さは5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。一方、熱良導体層の厚さが50,100μmの場合では、いずれも温度上昇がほとんどないことから、50μmより厚くすると、熱拡散性の向上効果よりも材料コストと渦電流損失とが増大する影響が大きくなる。よって、熱良導体層の厚さは、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
なお、本計算によると、熱拡散長は10 mm程度であり、該熱拡散に対して主に作用した長さは3 mm程度であることが判った。このことから、熱良導体層は、対称性を考慮して6 mm以上20 mm以下の連続した長さを有するように構成されることが好ましいと言える。
熱拡散シート50(特に、第1熱拡散シート51、第2熱拡散シート52、および第3熱拡散シート53)において、樹脂シート55の超電導コイル30に当接する側の表面上に所定の回路形状の熱良導体層が積層形成され、樹脂シート55の反対側の表面上にヒータ回路層が積層形成されることは好ましい。当該ヒータ回路層を永久電流スイッチのヒータ30として活用することで、従前のヒータが不要になり、永久電流スイッチの小型化が可能になる。
ヒータ回路層の回路形状に特段の限定はないが、無誘導となる回路形状が好ましい。また、ヒータ回路層の材料にも特段の限定はなく、例えば、銅や銅−マンガン−ニッケル合金を用いて、所望の抵抗値が得られるように回路寸法(膜厚、幅、長さ)を設計すればよい。
前述したように、永久電流スイッチは、樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の真空加圧含浸により一体化されていることが好ましい。このとき、含浸樹脂中に気泡が残留すると、該気泡が含浸樹脂のクラックの起点になり易いので、気泡が残留しないようにする必要がある。
図7は、本発明に係る永久電流スイッチの製造過程の一例を示す斜視模式図であり、図2に示した永久電流スイッチ11において、超電導コイル30の外周に第3熱拡散シートを巻き付ける様子を示したものである。図7に示したように、本発明の熱拡散シート50’は、空気抜き用の穴70が設けられている。これにより、樹脂含浸を行う際に含浸樹脂中に気泡が残らず、気泡に起因する含浸樹脂のクラック発生を防止することができる。
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(永久電流スイッチの作製)
本発明の実施例として図1に示す永久電流スイッチ(ただし、第2熱拡散シート52は配設せず)を作製し、比較例として熱拡散シートを具備しない永久電流スイッチと、熱良導体層に回路構造を形成していない熱拡散シートを具備する永久電流スイッチとを作製した。
巻枠20としてGFRP製の巻枠を用意し、PCS用超電導線材として表面がPVF被覆されたNb-Ti超電導線材(金属母材はCu-Ni合金)を用意し、ヒータ40としてCu-Mn-Ni合金線を用意し、第1熱拡散シート51としてポリイミドシートの一方の表面上に厚さ20μmのCu層回路が積層形成されたフレキシブルプリント配線板を用意し、熱絶縁層60としてガラスクロスを用意した。第1熱拡散シート51のCu層回路は、図4Bに示したようなモザイク形状(6 mm角、0.5 mm間隔)の回路とした。
始めに、巻枠20の巻枠胴部21上にCu-Mn-Ni合金線を巻き回してヒータ40を配設した。次に、ヒータ40の上に、熱拡散シートのCu層回路が外側を向くように巻き回して第1熱拡散シート51を配設した。次に、熱拡散シートのCu層回路上に、PCS用超電導線材を無誘導巻きして超電導コイル30を形成した。次に、超電導コイル30の最外層を覆うようにガラスクロスを6層巻き重ねて熱絶縁層60を形成した。最後に、エポキシ樹脂の真空加圧含浸により全体を一体化させて実施例の永久電流スイッチを作製した。
第1熱拡散シート51を配設しないこと以外は実施例と同様にして、比較例1の永久電流スイッチを作製した。
熱拡散シートとして回路構造を形成していない銅張積層板(ポリイミドシートの一方の表面の全面に厚さ20μmのCu層が積層形成されたもの)を用いたこと以外は実施例と同様にして、比較例2の永久電流スイッチを作製した。
(クエンチ耐性評価)
上記で作製した永久電流スイッチのクエンチ耐性を次のようにして評価した。永久電流スイッチを治具に固定し、液体ヘリウムを満たしたクライオスタット内に設置した。測定する永久電流スイッチは、印加磁場が超電導コイル30の軸方向に対して直交するように配置した。測定する永久電流スイッチに対して1.5 Tの磁場を印加し、超電導コイル30の電流−電圧特性を4端子法により測定した。超電導コイル30の電圧が急激に発生した通電電流値をクエンチ電流とした。ひとつの永久電流スイッチに対し10回以上の通電試験を行い、最小クエンチ電流値を評価した。なお、PCS用超電導線材単体(コイル状に巻いていない直線状の短尺試料)のクエンチ電流を別途測定した。
測定の結果、熱拡散シートを設けないで作製した比較例1の永久電流スイッチの最小クエンチ電流の値は、PCS用超電導線材単体のクエンチ電流200 Aに対して約30%(約60 A)であった。また、熱拡散シートとして回路構造を形成していない銅張積層板を用いた比較例2の永久電流スイッチの最小クエンチ電流の値は、約43%(約85 A)であった。これらに対し、第1熱拡散シート51を配設した実施例の永久電流スイッチの最小クエンチ電流の値は、約120 Aであり、比較例1の約2倍、比較例2の約1.4倍に改善された。
以上説明したように、本発明によれば、従来と同等以上の高いクエンチ耐性を有し、かつ従来よりも低コストの永久電流スイッチを提供できることが実証された。
なお、上述した実施形態および実施例は、本発明の理解を助けるために具体的に説明したものであり、本発明は、説明した全ての構成を備えることに限定されるものではない。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。さらに、各実施例の構成の一部について、削除・他の構成に置換・他の構成の追加をすることが可能である。
10,11,12…永久電流スイッチ、20…巻枠、21…巻枠胴部、22…巻枠鍔部、
30…超電導コイル、31…第1超電導サブコイル、32…第2超電導サブコイル、
40…ヒータ、50,50’…熱拡散シート、
51…第1熱拡散シート、52…第2熱拡散シート、
53…第3熱拡散シート、54…第4熱拡散シート、55…樹脂シート、
56…ストライプ形状の熱良導体層、57…モザイク形状の熱良導体層、
58…ミアンダ形状の熱良導体層、59…ラジアル形状の熱良導体層、
501,502,503,504…熱拡散シート、
60…熱絶縁層、70…空気抜き用の穴。

Claims (14)

  1. 超電導磁石用の永久電流スイッチであって、
    前記永久電流スイッチは、巻枠と、前記巻枠に巻回された超電導線材からなる超電導コイルと、前記超電導線材の温度を制御するヒータと、熱拡散シートとを具備し、
    前記熱拡散シートは、所定の回路形状を有する熱良導体層が樹脂シートの少なくとも一方の表面上に積層形成されたものであり、前記熱良導体層が、前記超電導コイルの最内層の前記超電導線材と当接するように、および/または前記超電導コイルの軸方向端面の前記超電導線材と該軸方向端面で当接するように、前記超電導コイルと前記巻枠との間に配設され、
    前記熱良導体層は、前記超電導線材を構成する金属母材よりも高い熱伝導率を有し、かつ5μm以上50μm以下の膜厚を有することを特徴とする永久電流スイッチ。
  2. 請求項1に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記所定の回路形状は、ストライプ状、モザイク状、ミアンダ状およびラジアル状のうちの少なくとも一種の形状に形成されていることを特徴とする永久電流スイッチ。
  3. 請求項2に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記所定の回路形状は、前記超電導コイルの最内層で隣接する前記超電導線材同士を橋渡しするように、または前記超電導コイルの軸方向端面で1層置きに隣り合う前記超電導線材同士を橋渡しするように形成されていることを特徴とする永久電流スイッチ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記熱拡散シートは、空気抜き用の穴が設けられていることを特徴とする永久電流スイッチ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記樹脂シートは、可撓性を有することを特徴とする永久電流スイッチ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記熱良導体層は、銅またはアルミニウムからなることを特徴とする永久電流スイッチ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記熱拡散シートは、前記樹脂シートにおける前記熱良導体層が形成された面と反対側の表面上にヒータ回路層が積層形成されており、
    前記ヒータ回路層が前記ヒータであることを特徴とする永久電流スイッチ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記永久電流スイッチは、第3の熱拡散シートを更に具備し、
    前記第3の熱拡散シートは、所定の回路形状を有する熱良導体層が可撓性樹脂シートの少なくとも一方の表面上に積層形成されたものであり、該第3の熱拡散シートの前記熱良導体層が前記超電導コイルの最外層の前記超電導線材と当接するように、前記超電導コイルの外周に配設され、
    前記第3の熱拡散シートの前記熱良導体層は、前記超電導線材を構成する金属母材よりも高い熱伝導率を有し、かつ5μm以上50μm以下の膜厚を有することを特徴とする永久電流スイッチ。
  9. 請求項8に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記第3の熱拡散シートの前記熱良導体層の前記所定の回路形状は、ストライプ状、モザイク状、ミアンダ状およびラジアル状のうちの少なくとも一種の形状に形成されていることを特徴とする永久電流スイッチ。
  10. 請求項8又は請求項9のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記第3の熱拡散シートの前記熱良導体層は、銅またはアルミニウムからなることを特徴とする永久電流スイッチ。
  11. 請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記第3の熱拡散シートは、前記可撓性樹脂シートにおける前記熱良導体層が形成された面と反対側の表面上にヒータ回路層が積層形成されており、
    前記第3の熱拡散シートの前記ヒータ回路層が前記ヒータであることを特徴とする永久電流スイッチ。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記永久電流スイッチは、前記超電導コイルが複数の超電導サブコイルの積層からなり、かつ第4の熱拡散シートを更に具備し、
    前記第4の熱拡散シートは、所定の回路形状を有する熱良導体層が可撓性樹脂シートの両表面上に積層形成されたものであり、該第4の熱拡散シートの前記熱良導体層が前記複数の超電導サブコイルの前記超電導線材と当接するように、前記複数の超電導サブコイルの間に配設され、
    前記第4の熱拡散シートの前記熱良導体層のそれぞれは、前記超電導線材を構成する金属母材よりも高い熱伝導率を有し、かつ5μm以上50μm以下の膜厚を有することを特徴とする永久電流スイッチ。
  13. 請求項12に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記第4の熱拡散シートの前記熱良導体層の前記所定の回路形状は、ストライプ状、モザイク状、ミアンダ状およびラジアル状のうちの少なくとも一種の形状に形成されていることを特徴とする永久電流スイッチ。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記第4の熱拡散シートの前記熱良導体層は、銅またはアルミニウムからなることを特徴とする永久電流スイッチ。
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