JP2014111784A - 両面粘着シートの製造方法及び両面粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物性が異なる複数の樹脂層を有する両面粘着シートの製造方法であって、(1)塗工対象面に複数の光重合樹脂組成物を同時に塗工し、複数の樹脂層を形成する工程と、(2)形成した樹脂層に光透過性フィルムをラミネートする工程と、(3)ラミネート後に紫外線または電子線を照射し、樹脂層を硬化させる工程とを有する両面粘着シートの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、以下に関する。
1. 物性が異なる複数の樹脂層を有する両面粘着シートの製造方法であって、(1)塗工対象面に複数の光重合樹脂組成物を同時に塗工し、複数の樹脂層を形成する工程(以下、同時多層塗工と表す)と、(2)形成した樹脂層に光透過性フィルムをラミネートする工程と、(3)ラミネート後に紫外線または電子線を照射し、樹脂層を硬化させる工程とを有する両面粘着シートの製造方法。
2. 光重合樹脂組成物が溶剤を含有しない樹脂組成物である前記の両面粘着シートの製造方法。
3. 工程(1)において、複数の樹脂層の各層の膜厚がそれぞれ15〜2000μmであり、樹脂層の総厚みが30〜3000μmである前記の両面粘着シートの製造方法。
4. 前記の両面粘着シートの製造方法により製造してなる両面粘着シート。
5. 複数の樹脂層の最外層の2つの層の粘着力が異なる前記の両面粘着シート。
また、本発明の両面粘着シートの複数の樹脂層の最外層の2つの層の粘着力が異なることが好ましい。最外層の2つの層の粘着力の差は、通常1〜15N/cm、好ましくは4〜10N/cmである。
(両面粘着シートの製造)
塗工に用いた樹脂は、アクリル系光硬化性樹脂2種類(A樹脂・B樹脂)であり、この樹脂を図1に示す多層コーターにセットした(A樹脂を樹脂セット位置3に、B樹脂を樹脂セット位置4にセットした)。多層コーターのバーの高さを樹脂厚みが各層それぞれ150μmになるように調整し、同時に2層を形成した。2層形成後直ちに光透過性カバーフィルムをラミネートし、その後紫外線を2000mJ/cm2照射し、硬化した。
アクリル酸系誘導体ポリマー1 24.90g、
2−エチルヘキシルアクリレート 27.90g、
2−ヒドロキシエチルアクリレート 11.90g、
ポリウレタンアクリレート1 34.80g、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光重合開始剤) 0.50g
を加え、攪拌混合して、光重合樹脂組成物(光学用樹脂組成物)を調製した。
アクリル酸系誘導体ポリマー1 28.60g、
2−エチルヘキシルアクリレート 40.50g、
アクリロイルモルホリン 17.40g、
ポリウレタンアクリレート2 13.00g、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光重合開始剤) 0.50g
を加え、攪拌混合して、光重合樹脂組成物(光学用樹脂組成物)を調製した。
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素注入管の付いた反応容器に初期モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート84.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート36.0g並びにメチルイソブチルケトン150.0gをとり100ml/minの風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から70℃まで加熱した。その後、この温度に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート21.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート9.0gを使用し、これらにラウロイルパーオキシド0.6gを溶解した溶液を準備し、この溶液を60分間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間反応させた。続いて、メチルイソブチルケトンを溜去することにより2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー(重量平均分子量250,000)を得た。
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び空気注入管のついた反応容器にポリプロピレングリコール(分子量2,000)285.3g、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート24.5g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.13g、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gをとり、空気を流しながら75℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。滴下終了後、約5時間反応させたところで、さらに、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート24.5gを追加し、約1時間反応させた。IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートを繰り返し単位として有し、両末端に重合性不飽和結合を有するポリウレタンアクリレート(重量平均分子量20,000)を得た。
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び空気注入管のついた反応容器にポリプロピレングリコール(分子量2,000)285.3g、2−エチルヘキシルアクリレート100.0g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.13g、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gをとり、空気を流しながら75℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。滴下終了後、約5時間反応させたところで、さらに、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート24.5gを追加し、約1時間反応させた。IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートを繰り返し単位として有し、両末端に重合性不飽和結合を有するポリウレタンアクリレート(重量平均分子量32,000)を得た。
上記(両面粘着シートの製造方法)にて2層の粘着シートを作製した。使用した光透過性カバーフィルムは2枚であり、塗工開始から硬化完了までの時間は、約2分であり、効率よく作製することができた。
上記(両面粘着シートの製造方法)において、A樹脂に、色素を添加し着色して、2層の状態を確認した。A樹脂層、B樹脂層の2層の間にA樹脂・B樹脂混合層が10μm形成されたが、その他の部分は樹脂が混合することはなく、目的の層に分離していることを確認できた。
A樹脂、B樹脂を各々一方のみを樹脂セット位置3にセットして塗工した以外は、上記(両面粘着シートの製造方法)と同様にして、単層にて作製した。その後、A樹脂の粘着シートとB樹脂の粘着シートをラミネートし、2層の粘着シートを作製した。使用した光透過性カバーフィルムは4枚であり、塗工開始から硬化完了までの時間は、約4分(2種類のシート作製合計時間)であり、更に2枚のシートをラミネートして2層のシートにする時間も必要となり、実施例1の方法と比較して2倍以上の時間を要した。
(評価方法)
1)光学特性
分光測色計(ミノルタ製,CM−508d)を用い,作製した2層の粘着シートの視感透過率(Y)及び色調(x,y)を測定した。
粘着シートのヘーズ(Hz)は、曇り度計(日本電色工業(株)製NDH2000)を用いてヘイズを測定した(JIS K 7136に準拠)。
なお、試験片は、透明エラストマの両面に高透明PET(東洋紡製コスモシャイン4100−100μm)を貼合した状態で測定した。
2)耐衝撃性
作製した2層の粘着シートの片面のフィルムを剥離し,高透明PET(東洋紡製,A4100:100μm)の易接着面に貼合後,30mm×30mmに切り出した。さらに,もう一方のフィルムを剥離し,厚さ9mmの金属板にハンドローラーを用いて貼り合わせた。509.4gの鋼球(UL1950準拠)を10cmの高さから落下させ,ロードセル(昭和測器製,SH−10kN)及びひずみ計測ユニット(キーエンス製,NR−ST04)を用い,金属板に加わる応力を電圧に換算し,そのピーク電圧を測定した。
なお、A樹脂層およびB樹脂層のどちらを金属板に張付けても結果に変化はなかった。
3)粘着力
作製した2層の粘着シートの粘着力を測定するため、測定しない樹脂層側のフィルムを剥離し,A4100の易接着面に貼合後,25mm幅に切り出した。その後、粘着力を測定したい樹脂層側のフィルムを剥離し,厚さ3.0mmのソーダガラスに1.5kgのハンドローラーを用いて貼合した。その後30分放置した後,引張試験機(オリエンテック製,TRC−1210)を用いて,所定の温度環境下,引き剥がし角度180°,引き剥がし速度200mm/minでピール強度(粘着力)を測定した。
表1に示すように、光学特性、耐衝撃性、A樹脂層およびB樹脂層の粘着力ともに、実施例1の同時多層塗工方式は、比較例1のラミネート方式と比較して、ほぼ同等の結果が得られた。
Claims (5)
- 物性が異なる複数の樹脂層を有する両面粘着シートの製造方法であって、(1)塗工対象面に複数の光重合樹脂組成物を同時に塗工し、複数の樹脂層を形成する工程と、(2)形成した樹脂層に光透過性フィルムをラミネートする工程と、(3)ラミネート後に紫外線または電子線を照射し、樹脂層を硬化させる工程とを有する両面粘着シートの製造方法。
- 光重合樹脂組成物が溶剤を含有しない樹脂組成物である請求項1記載の両面粘着シートの製造方法。
- 工程(1)において、複数の樹脂層の各層の膜厚がそれぞれ15〜2000μmであり、樹脂層の総厚みが30〜3000μmである請求項1又は2記載の両面粘着シートの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法により製造してなる両面粘着シート。
- 複数の樹脂層の最外層の2つの層の粘着力が異なる請求項4記載の両面粘着シート。
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JPH05255649A (ja) * | 1986-08-29 | 1993-10-05 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 一体の感圧接着テープ及びその製造法 |
JPH05311133A (ja) * | 1992-05-14 | 1993-11-22 | Sekisui Chem Co Ltd | 両面テープの製造方法および製造装置 |
JP2002088316A (ja) * | 2000-09-19 | 2002-03-27 | Nippon Kayaku Co Ltd | 粘着剤組成物及び粘着剤 |
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