JP2014109180A - 熱交換用配管を備えた基礎杭、及びその埋設方法 - Google Patents

熱交換用配管を備えた基礎杭、及びその埋設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外周面に沿って熱交換用配管を備えた構成としながらも、埋設時において熱交換用配管が破損してしまう可能性が低い基礎杭、及びその埋設方法が提供すること。
【解決手段】この基礎杭1は、地中において土壌との熱交換を行うための熱交換用配管40を備えている。熱交換用配管40は、基礎杭1の外周面に沿って配置されており、基礎杭1の外周面には、熱交換用配管40のうち地表よりも下方に位置する部分の全体を外側から覆う保護板(第一平板21、第二平板22、第三平板23)が取り付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中において土壌との熱交換を行うための熱交換用配管を備えた基礎杭、及びその埋設方法に関する。
建物内で発生した熱を地中に放熱したり、地中の熱を建物内に放熱したりすることを目的として、土壌との熱交換を行うための熱交換用配管を建物の直下に埋設することが行われている。地中における土壌の温度は年間を通じてほぼ一定であるため、このような熱交換用配管を備えた建物では、地中熱を空調用の熱源として利用することができる。
また、建物の基礎を下方から補強する基礎杭の内部に、上記のような熱交換配管を埋め込むことも行われている。このような構成とすれば、基礎杭を地中に埋設する際に熱交換用配管も同時に埋設されるため、熱交換用配管を埋設するための作業を別途行う必要がない。しかしながら、このような構成では、熱源である土壌と熱交換用配管との間の熱抵抗が大きくなってしまうため、地中熱の有効利用という観点からは望ましくない。
そこで、下記特許文献1には、基礎杭の下端部に熱交換用配管の下端部を固定した状態で、当該基礎杭を降下させながら、熱交換用配管を地上側から順次繰り出すという埋設方法が記載されている。このような埋設方法によれば、基礎杭を埋設する際に、熱交換用配管も基礎杭の外周面に沿って同時に埋設される。また、埋設された熱交換用配管は土壌に直接触れた状態となるため、熱源である土壌と熱交換用配管との間の熱抵抗は小さくなり、熱交換を効率的に行うことができる。
特開2007−107200号公報
上記のように、上記特許文献1に記載された埋設方法は、基礎杭を降下させながら、熱交換用配管を地上側から順次繰り出すというものである。従って、熱交換用配管は、土壌に直接触れた状態で基礎杭と共に降下してゆくこととなる。その結果、熱交換用配管には土壌からの摩擦力等が働いてしまい、当該力によって熱交換用配管が破損してしまう可能性があった。
また、重量の大きい基礎杭を上方から吊り下げた状態で降下させていく作業は、一般に大きな危険を伴うものである。このため、熱交換用配管を地上側から順次繰り出す作業をもこれと同時に行うという上記のような埋設方法は、更に大きな危険を伴うものであった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外周面に沿って熱交換用配管を備えた構成としながらも、埋設時において熱交換用配管が破損してしまう可能性が低い基礎杭、及びその埋設方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る基礎杭は、地中において土壌との熱交換を行うための熱交換用配管を備えた基礎杭であって、前記熱交換用配管は前記基礎杭の外周面に沿って配置されており、前記基礎杭の外周面には、前記熱交換用配管のうち地表よりも下方に位置する部分の全体を外側から覆う保護板が取り付けられていることを特徴としている。
本発明に係る基礎杭は、地中において土壌との熱交換を行うための熱交換用配管が、その外周面に沿って配置されている。このため、基礎杭の内部に熱交換用配管を埋め込むような構成と比較すると、熱源である土壌と熱交換用配管との間の熱抵抗は小さく、熱交換を効率的に行うことができる。
また、本発明に係る基礎杭の外周面には、熱交換用配管のうち地表よりも下方に位置する部分の全体を外側から覆う保護板が取り付けられている。すなわち、熱交換用配管と土壌との間には保護板が介在しており、熱交換用配管は保護板によって保護された状態となっている。このような構成であるため、例えば、熱交換用配管を取り付けた状態の基礎杭を地中に埋設するような場合において、熱交換用配管には土壌からの摩擦力等が働かない。このため、埋設時の摩擦力等によって熱交換用配管が破損してしまう可能性が低減される。
また、本発明に係る基礎杭では、前記保護板と前記基礎杭との間には、前記基礎杭の軸方向に沿った直線状の空間が形成されており、前記熱交換用配管は、前記空間内に配置されていることも好ましい。
この好ましい態様では、保護板と前記基礎杭との間に、基礎杭の軸方向に沿った直線状の空間が形成されている。熱交換用配管は、当該空間内に配置される。
このような構成とすることにより、基礎杭に保護板を取り付けることによって直線状の空間を先に形成しておき、その後、当該空間に対しその一端から熱交換用配管を挿入することが可能となる。例えば、上記空間を形成した状態の基礎杭を先に地中に埋設し、その後、上記空間の上端部分から熱交換用配管を挿入することにより、熱交換用配管を埋設することができる。
上記のような埋設作業においては、質量の大きい基礎杭の埋設作業が完了した後で、熱交換用配管の埋設作業を別途行うことができる。このため、熱交換用配管が破損してしまう可能性を更に低減することができる。また、直線状の空間に対して上方から熱交換用配管を挿入するという簡単な作業であるため、熱交換用配管の埋設作業に必要な時間や人員を削減することができる。また、作業の安全性も確保される。
また、本発明に係る基礎杭では、前記熱交換用配管は、地上側から地中側に向かって熱媒体が内部を流れる往路配管と、地中側から地上側に向かって熱媒体が内部を流れる復路配管とを有するU字管であって、互いに平行な前記往路配管と前記復路配管とが、前記基礎杭の外周面に沿って並んだ状態で、前記空間内に配置されていることも好ましい。
この好ましい態様では、熱交換用配管は、地上側から地中側に向かって熱媒体が内部を流れる往路配管と、地中側から地上側に向かって熱媒体が内部を流れる復路配管とを有するU字管である。互いに平行な往路配管及び復路配管は、基礎杭の外周面に沿って並んだ状態で、空間内に配置されている。すなわち、往路配管から土壌までの距離と、復路配管から土壌までの距離とが、略同一となるように配置されている。
このような構成とすることにより、熱交換用配管の内部を流れる熱媒体と土壌との間の熱交換が、熱交換用配管の全体において均等に行われることとなる。その結果、土壌との熱交換効率を向上させることができる。
また、本発明に係る基礎杭では、前記往路配管と前記復路配管との間には断熱材が配置されていることも好ましい。
往路配管を流れる熱媒体の温度と、復路配管を流れる熱媒体の温度との差は、熱交換用配管の上部において最も大きくなる。このため、当該部分において、互いに隣接する往路配管と復路配管との間で熱交換が行われてしまう結果、地中の熱を効率的に利用できなくなる可能性がある。例えば、地中熱を建物内の暖房に利用するような場合においては、復路配管から建物に向けて供給される熱媒体が往路配管によって冷却されてしまい、その温度が地中における土壌の温度よりも低下してしまう可能性がある。
この好ましい態様では、往路配管と復路配管との間に断熱材が配置されている。このため、上記のように往路配管と復路配管との間で熱交換が行われてしまうことを防止することができる。尚、このような断熱材は、熱交換用配管のうち上端から下端までの略全体に配置してもよく、熱交換用配管のうち上端近傍のみに配置してもよい。
また、本発明に係る基礎杭では、前記断熱材は、前記空間のうち前記往路配管と前記復路配管との間の部分にのみ配置されており、前記空間のうちその他の部分には、前記断熱材よりも熱伝導率の高い熱伝導材料が充填されていることも好ましい。
この好ましい態様では、断熱材は、保護板と前記基礎杭との間に形成された空間のうち、往路配管と復路配管との間の部分にのみ配置されている。このため、断熱材は往路配管と復路配管との間における熱交換を妨げる一方で、往路配管と土壌との間、及び復路配管と土壌との間における熱交換は妨げない。また、上記空間のうち断熱材が配置されている部分以外には、断熱材よりも熱伝導率の高い熱伝導材料が充填されている。このため、往路配管と土壌との間、及び復路配管と土壌との間における熱交換はむしろ促進されることとなる。このような構成により、土壌との熱交換効率を向上させることができる。
また、本発明に係る基礎杭では、前記保護板は、前記基礎杭の軸方向に沿って複数に分割されており、互いに隣接する二つの前記保護板のうち下方側に配置された前記保護板の上端部が、その上方側に配置された前記保護板の下端部に対して外側から重ねられていることも好ましい。
この好ましい態様では、保護板は、基礎杭の軸方向に沿って複数に分割された構成となっている。すなわち、複数の保護板が基礎杭の軸方向に沿って並べられており、これらと基礎杭との間に、熱交換配管を配置するための直線状の空間が形成されている。
また、互いに隣接する二つの保護板のうち下方側に配置された保護板の上端部が、その上方側に配置された保護板の下端部に対して外側から重ねられている。
このような構成とすることにより、基礎杭の外周面に保護板を取り付けて、直線状の空間を先に形成した後、当該空間にその上端から熱交換用配管を挿入して行くような場合において、熱交換用配管の下端部分が保護板同士の境界部分に引っ掛ってしまうことがない。すなわち、熱交換用配管の下端部分が各保護板の上端に当たってしまうようなことがなく、スムーズに熱交換配管を挿入することができる。
また、本発明に係る基礎杭では、前記基礎杭の外周面には、前記基礎杭の軸方向に沿って溝が凹設されており、前記熱交換用配管は前記溝の内部に収納されていることも好ましい。
この好ましい態様では、基礎杭の外周面には、基礎杭の軸方向に沿って溝が凹設されており、熱交換用配管は当該溝の内部に収納されている。このような構成により、熱交換用配管やこれを覆う保護板は、基礎杭の側面から大きく外方に突出してしまうことがない。このため、例えば基礎杭を回転させながら地中に埋設するような場合であっても、熱交換用配管に対して大きな力が加わってしまうことがない。
また、本発明に係る基礎杭の埋設方法では、基礎杭の外周面に保護板を取り付けることにより、前記基礎杭と前記保護板との間に、前記基礎杭の軸方向に沿った直線状の空間を形成する第一工程と、前記保護板が取り付けられた前記基礎杭を、鉛直方向に沿って地中に埋設する第二工程と、熱交換用配管を、前記空間の上端部分から前記空間内に挿入する第三工程と、を有することを特徴としている。
本発明に係る基礎杭の埋設方法は、第一工程と、第二工程と、第三工程とを有している。
第一工程は、基礎杭の外周面に保護板を取り付けることにより、基礎杭と保護板との間に、基礎杭の軸方向に沿った直線状の空間を形成する工程である。このような第一工程は、基礎杭を地中に埋設する前において、また、基礎杭の外周面に対して熱交換用配管を配置する前において行われる。
第二工程は、第一工程において保護板が取り付けられた基礎杭を、鉛直方向に沿って地中に埋設する工程である。第二工程が完了した時点においては、基礎杭と保護板との間に形成された直線状の空間は、鉛直方向に沿って配置されている。また、当該空間の上端部分は、地上側に開口している。
第三工程は、基礎杭と保護板との間に形成された直線状の空間内に、その上端部分から熱交換用配管を挿入する工程である。第三工程は、第二工程の後、すなわち、質量の大きい基礎杭を地中に埋設する作業が完了した後に行われる。従って、熱交換用配管を地中に埋設する過程で、熱交換用配管が破損してしまう可能性は非常に低いものとなっている。また、直線状の空間に対して上方から熱交換用配管を挿入するという簡単な作業であるため、熱交換用配管の埋設作業に必要な時間や人員を削減することができる。更に、作業の安全性も確保される。
本発明によれば、外周面に沿って熱交換用配管を備えた構成としながらも、埋設時において熱交換用配管が破損してしまう可能性が低い基礎杭、及びその埋設方法が提供される。
本発明の第一実施形態に係る基礎杭を示す斜視図である。 図1に示した基礎杭に配置される熱交換用配管を模式的に示す斜視図である。 図1に示した基礎杭を、その長手方向に対して垂直な面で切断した状態を示す部分断面図である。 図1に示した基礎杭を地中に埋設する方法を説明するための図である。 図1に示した基礎杭を地中に埋設する方法を説明するための図である。 本発明の第二実施形態に係る基礎杭を、その長手方向に対して垂直な面で切断した状態を示す部分断面図である。 図6に示した基礎杭における複数の保護板の配置を模式的に説明するための断面図である。 本発明の第三実施形態に係る基礎杭を、その長手方向に対して垂直な面で切断した状態を示す部分断面図である。 本発明の第四実施形態に係る基礎杭を、その長手方向に対して垂直な面で切断した状態を示す部分断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る基礎杭を示す斜視図である。図1に示したように、基礎杭1は中央に貫通孔が形成された略円筒形状のコンクリート杭である。基礎杭1は、建物の基礎を下方から補強するために、建物を建築する際に予め地中に埋設されるものである。基礎杭1が、その長手方向を鉛直方向と一致させた状態で地中に埋設された後、当該基礎杭1の上方に建物の基礎が形成される。
基礎杭1は、円筒形状に形成された複数のコンクリート杭10を、それぞれの中心軸を一致させた状態で互いに連結した構成となっている。それぞれのコンクリート杭10は、上端に円盤状の金属プレート11を有している。また、下端には円盤状の金属プレート12を有している。上下に隣接するコンクリート杭10同士は、上方側のコンクリート杭の金属プレート12と、下方側のコンクリート杭の金属プレート11とを当接させた状態で、これらを溶接することにより連結されている。
基礎杭1の外周面(側面)には、水平面で切断した場合における断面が略矩形となるように形成された保護管20が取り付けられている。保護管20は鉄製の筒状体であって、その長手方向が基礎杭1の中心軸方向(埋設された際における鉛直方向)と一致するように配置されている。保護管20は、基礎杭1の外周面に対して略平行に配置された第一平板21と、第一平板21のうち水平方向(コンクリート杭10の周方向)における両端部からそれぞれ基礎杭1の外周面に向かって延びる第二平板22及び第三平板23と、これら第二平板22及び第三平板23に接続された板であって、第一平板21と略平行に配置された第四平板24とを有している。第一平板21と第四平板24とが対向しており、第二平板22と第三平板23とが対向している。保護管20の内部には、これら4つの平板によって区画された空間30が形成されている。
図1に示したように、第四平板24のうち水平方向(コンクリート杭10の周方向)における両端部には、基礎杭1の外周面に対して略平行なフランジ25が形成されており、これらフランジ25が基礎杭1の外周面に当接している。フランジ25は、図示しないボルトによって基礎杭の外周面に締結固定されている。
保護管20は、それぞれのコンクリート杭10に対し、その上端から下端まで延びるように取り付けられている。複数のコンクリート杭10同士が連結されることによって、それぞれの保護管20も一直線状に連結されている。但し、隣接する保護管20同士は溶接されていない。
複数の保護管20を上記のように配置することにより、それぞれの内部に形成された空間30は互いに連通し、全体で一つの空間30を成している。当該空間30は、基礎杭1の軸方向に沿った直線状の空間となっている。空間30は、最も上部に配置された保護管20の上端において外部に開口している。一方、最も下部に配置された保護管20の下端(図1において、符号28で示す部分)は閉塞されている。すなわち、空間30はその上端のみにおいて外部空間と連通している。
空間30内には、図2に示したような熱交換用配管40が配置されている。熱交換用配管40は、ポリプロピレンにより形成された樹脂配管であって、鉛直方向に沿って配置される略直線状の往路配管41と、鉛直方向に沿って配置される略直線状の復路配管42とを有している。互いに平行な往路配管41と復路配管42とは、それぞれの下端において互いに接続されており、全体で一つのU字管を成している。熱交換用配管40の上端は、最も上部に配置された保護管20の上端よりも更に上方(空間30の外)に突出している。また、往路配管41と復路配管42との接続部(熱交換用配管40の下端)は、最も下部に配置された保護管20の下端近傍に配置されている。
熱交換用配管40は、その内部を流れる熱媒体と周囲の土壌との間で熱交換することにより、地中熱を建物の空調用熱源として利用するためのものである。基礎杭1を地中に埋設した状態において、往路配管41の上端から熱媒体を供給すると、当該熱媒体は往路配管41の内部を地上側から地中側に向かって流れる。その後、熱媒体は熱交換用配管40の下端(U字部分)で折り返し、復路配管42の内部を地中側から地上側に向かって流れ、復路配管42の上端から排出される。熱媒体が地中の熱交換用配管40を流れる過程において土壌との熱交換が行われ、熱媒体は加熱又は冷却される。このため、往路配管41の上端及び復路配管42の上端をそれぞれ建物内の熱交換機に接続しておけば、地中熱を建物の空調熱源として利用することができる。
保護管20は、このような熱交換用配管40を保護するためのものである。基礎杭1が地中に埋設された状態においては、熱交換用配管40のうち地表よりも下方に位置する部分の全体が、第一平板21、第二平板22、及び第三平板23によって外側から覆われた状態となる。すなわち、保護管20のうち、第一平板21、第二平板22、及び第三平板23が、本発明における「保護板」に該当する。保護管20(保護板)の材質は鉄以外であってもよい。但し、土壌と熱交換用配管40との間で行われる熱交換を妨げないよう、金属であることが好ましい。
保護管20の内部構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、図1に示した基礎杭1を、その長手方向に対して垂直な面(水平面)で切断した状態を示す断面図である。図3では、当該断面のうち、熱交換用配管40及びその近傍における断面のみを部分的に示している。
図3に示したように、保護管20の内部に形成された空間30の高さ(基礎杭1の直径方向に沿った高さ)は、往路配管41及び復路配管42の外径よりも僅かに大きい程度である。その結果、空間30に収納された往路配管41及び復路配管42は、基礎杭1の外周面に沿って並んだ状態となっている。換言すれば、往路配管41から土壌までの距離と、復路配管42から土壌までの距離とが略同一となるように、熱交換用配管40が配置されている。
このような構成により、熱交換用配管40の内部を流れる熱媒体と土壌との間の熱交換が、熱交換用配管40の全体において均等に行われることとなる。
空間30のうち、往路配管41と復路配管42との間の部分には、断熱材60が配置されている。断熱材60は、往路配管41と復路配管42との間で熱交換が行われてしまうことを防止するために配置されたものであって、本実施形態においては発泡ポリウレタンにより形成されている。断熱材60は、熱交換用配管40のうち上端から下端までの略全体(保護管20に収納された部分の略全体)に沿って配置されている。
断熱材60は、互いに隣接する往路配管41と復路配管42との間で熱交換が行われてしまい、地中の熱を地表側で効率的に利用できなくなることを防止するためのものである。このため、往路配管41を流れる熱媒体の温度と、復路配管42を流れる熱媒体の温度との差が大きいような部分に配置された際に、特にその効果を発揮する。この点に鑑みれば、断熱材60は、本実施形態のように熱交換用配管40のうち上端から下端までの略全体に配置するのではなく、熱交換用配管40のうち上端近傍のみに配置するような態様としてもよい。
空間30のうち、往路配管41、復路配管42、及び断熱材60が配置されている部分以外の部分には、珪砂70が充填されている。珪砂70は、往路配管41と土壌との間、及び復路配管42と土壌との間における熱交換をそれぞれ促進するためのものであり、本発明における「熱伝導促進材料」に該当する。このような熱伝導促進材料としては、珪砂70の他に、例えば水やセメントミルク等、断熱材60よりも熱伝導率の高い種々の材料を用いることができる。空間30に珪砂70を充填することにより、熱交換用配管40と土壌との熱交換効率を向上させている。
次に、基礎杭1を地中に埋設する方法について説明する。基礎杭1を地中に埋設する際は、それに先立って、まずそれぞれのコンクリート杭10に保護管20を締結固定し、コンクリート杭10の外周面に沿って空間30を形成することが行われる(第一工程)。
続いて、土壌を掘削することにより形成された杭孔HLの内部に、コンクリート杭10を降下させてゆく(第二工程)。その具体的な方法は、従来から行われている基礎杭の埋設方法と略同一である。すなわち、コンクリート杭10を重機で吊下げた状態で、コンクリート杭10を杭孔HLの内部に向けてゆっくりと降下させる。コンクリート杭10の上端部が地表GLよりも高い状態のうちに一度降下を止め、この状態において、当該コンクリート杭の上端部(金属プレート11)に対して別のコンクリート杭10の下端部(金属プレート12)を当接させる。このとき、下方側のコンクリート杭10に締結固定された保護管20の位置と、上方側のコンクリート杭10に締結固定された保護管20の位置とが一致するよう、周方向における位置合わせが行われる。
隣接する二つの保護管20の位置が一致した状態で、コンクリート杭10同士を溶接固定する。このとき、保護管20同士の溶接は行われないが、保護管20の端部同士の隙間は殆ど無く、ある程度水密な状態となっている。このため、保護管20の外部(杭孔HLの内部)に水やセメントミルクMGが存在したとしても、少なくとも基礎杭1の埋設作業が完了するまでの間は、当該水等は空間30に殆ど侵入しない。
その後、コンクリート杭10の降下を再開させる。以降は、コンクリート杭10の降下、及び、その上端部に対する別のコンクリート杭10の溶接固定を繰り返すことで、基礎杭1の形成と埋設が同時に進行してゆく。最も下方に位置するコンクリート杭10が杭孔HLの底部近傍に到達した時点で、基礎杭1の形成及び埋設が完了する。図4は、この時点における基礎杭1の状態を模式的に示したものである。図4に示したように、基礎杭1は鉛直方向に沿って地中に埋設されており、保護管20の内部に形成された直線状の空間30も、鉛直方向に沿って配置されている。この時点では、空間30には未だ熱交換用配管40が配置されていない。
基礎杭1の埋設が完了した後、最も上方に位置する保護管20の上端部から、熱交換用配管40が空間30に挿入される。熱交換用配管40は、往路配管41と復路配管42との接続部(U字部分)から先に挿入され、当該部分が空間30の下端部近傍に到達するまで挿入される。このとき、往路配管41と復路配管42との間には断熱材60が予め取り付けられており、熱交換用配管40の挿入と同時に断熱材60も空間30に挿入される。熱交換用配管40に対して断熱材60を予め取り付けておくための方法としては、例えば、往路配管41、断熱材60、復路配管42を、上下方向の数か所において互いに固縛することで仮固定しておく等、種々の方法を用いることができる。
ところで、基礎杭1を地中に埋設する際は、全てのコンクリート杭10が互いに溶接固定された後においても、基礎杭1が所定の深度に到達して定着するまでに一定の時間を要する。しかし、熱交換用配管40を空間30に挿入し始めるタイミングは、全てのコンクリート杭10が互いに溶接固定された後であればよい。すなわち、基礎杭1が所定の深度で定着する前の時点であっても、熱交換用配管40の挿入を開始することができる。
一方、基礎杭1の埋設が完了し、所定期間が経過した後に熱交換用配管40の挿入を行ってもよい。例えば、基礎杭1の杭頭が土壌で覆われた状態としたまま数日間経過した後、根伐り工程を経て杭頭を再度露出させた状態で、熱交換用配管40の挿入を行ってもよい。この場合、基礎杭1の埋設が完了した時点で保護管20の上端部に蓋を取り付けておき、空間30に異物が入ってしまうことを防止する必要がある。
空間30に対する熱交換用配管40の挿入が完了すると、図5に示したように、最も上方に位置する保護管20の上端部、すなわち、空間30の開口部から、熱交換用配管40が上方に向けて突出した状態となっている。往路配管41の上端と復路配管42の上端とは、いずれも地表GLよりも高い位置に配置されている。
熱交換用配管40の挿入が完了した後、空間30の開口部から、熱交換用配管40の周囲に珪砂70を充填する。尚、既に述べたように、熱交換用配管40の周囲に充填することができる熱伝導促進材料は珪砂70に限られず、珪砂70に替えて水を用いることができる。この場合は、熱交換用配管40を空間30に挿入するよりも前の時点で、先に空間30に水を充填しておいてもよい。更に、全てのコンクリート杭10が互いに溶接固定された後の早い時点で空間30に水を充填し、当該水を加圧した状態としておけば、基礎杭1の周囲の泥土圧に抗することができるため、空間30の内部に泥水等が侵入することを防止することができる。
以上のように、熱交換用配管40を地中に埋設する作業は、質量の大きい基礎杭1を地中に埋設する作業が完了した後に行われる。従って、熱交換用配管40を地中に埋設する過程で、熱交換用配管40が土壌からの力を受けるなどして破損してしまう可能性は非常に低いものとなっている。また、直線状の空間30に対して上方から熱交換用配管40を挿入するという簡単な作業であるため、熱交換用配管40の埋設作業に必要な時間や人員を削減することが可能となっている。更に、作業の安全性も確保することができる。
尚、第二工程において基礎杭1を地中に埋設するための方法としては、上記のようなものに限られず、従来から行われている種々の方法を採用することができる。例えば、掘削用の螺旋状羽根を最下端のコンクリート杭10に取り付けて、基礎杭1を中心軸回りに回転させるような埋設方法を採用してもよい。この場合、上記螺旋状羽根が生じさせる地中への推進力を利用することとなる。
本実施形態においては、基礎杭1の外周面に一つの空間30を形成している。しかし、本発明の実施形態としてはそのようなものに限られず、複数の空間30を形成してもよい。例えば、一つのコンクリート杭10に対し三つの保護管20を、上面視において120度等配となる位置に取り付けてもよい。この場合、基礎杭1の軸方向に沿った直線状の空間30が三本形成されることとなり、それぞれの空間30に熱交換用配管40が配置される。すなわち、一つの基礎杭1に対し三本の熱交換用配管40が配置される。
一つの基礎杭1に対し配置される熱交換用配管40の本数は、基礎杭1の周囲の土壌から取り出すことのできる総熱量(又は、土壌に排出することのできる総熱量)を考慮しながら、任意に決定することができる。
本実施形態においては、断面が略矩形となるように形成された保護管20の一部(第一平板21、第二平板22、第三平板23)を本発明の保護板として用いる例を説明したが、本発明の実施形態としてはこのような態様に限定されない。例えば、図6に示したように、保護管20から第四平板24を取り除いたようなものを、本発明の保護板として用いてもよい。
図6は、本発明の第二実施形態に係る基礎杭1aを、その長手方向に対して垂直な面(水平面)で切断した状態を示す断面図である。図6では、当該断面のうち、熱交換用配管40a及びその近傍における断面のみを部分的に示している。基礎杭1aは、保護板の形状においてのみ基礎杭1と相違しており、他については基礎杭1と同様の構成となっている。
図6に示したように、本実施形態における保護板20aは、基礎杭1aの外周面に対して略平行に配置された第一平板21aと、第一平板21aのうち水平方向(コンクリート杭10aの周方向)における両端部からそれぞれ基礎杭1aの外周面に向かって延びる第二平板22a及び第三平板23aとを有している。第一平板21aと基礎杭1aの外周面とが対向しており、第二平板22aと第三平板23aとが対向している。
保護板20aの内側には、第一平板21a、基礎杭1aの外周面、第二平板22a、及び第三平板23aによって区画された空間30aが形成されている。第二平板22aのうち基礎杭1aの外周面と当接する端部には、基礎杭1aの外周面に対して略平行なフランジ25aが形成されている。同様に、第三平板23aのうち基礎杭1aの外周面と当接する端部には、基礎杭1aの外周面に対して略平行なフランジ25aが形成されている。これらフランジ25aが基礎杭1aの外周面に当接しており、フランジ25aは、図示しないボルトによって基礎杭1aの外周面に締結固定されている。図6及び以上の説明からも明らかなように、保護板20aは、一枚の鉄板を曲げ加工することによって作成することができる。保護板20aの材質としては、鉄以外にも種々の金属を用いることができる。
基礎杭1の場合と同様に、基礎杭1aにおいても、それぞれのコンクリート杭10aに締結固定された保護板20aが、基礎杭1aの中心軸方向に沿って一直線状に並んでいる。
複数の保護板20aをこのように配置することにより、それぞれの内部に形成された空間30aは互いに連通し、全体で一つの空間30aを成している。当該空間30aは、基礎杭1aの軸方向に沿った直線状の空間となっている。空間30aは、最も上部に配置された保護板20aの上端において外部に開口している。一方、最も下部に配置された保護板20aの下端は閉塞されている。すなわち、空間30aはその上端のみにおいて外部空間と連通している。
複数の保護板20aの配置について、図7を参照しながら説明する。図7(A)は、基礎杭1aにおける複数の保護板20aの配置を模式的に説明するための断面図である。図7(A)は、基礎杭1aの中心軸を含む面により基礎杭1a及び保護板20aを切断した状態の一部を模式的に示している。
図7(A)に示したように、第一平板21aの下端部近傍においては、空間30aの高さ(基礎杭1aの直径方向に沿った高さ)が僅かに低くなるように、第一平板21aの一部が滑らかに屈曲している。当該部分には、その下方に配置された第一平板21aの上端部が外側から重なっている。第一平板21a同士がこのように重なることで、両者間の隙間は殆ど無く、ある程度水密な状態となっている。
空間30aの内側から見ると、下方側にある第一平板21aの上端面Suが、上方側にある第一平板21aによって隠蔽されているということもできる。第一平板21aの上端面Suが隠蔽されているため、熱交換用配管40を空間30aに上方から挿入する際においては、熱交換用配管40の下端が第一平板21aの上端面Suに当たってしまうようなことがない。すなわち、熱交換用配管40aの下端部分が保護板20a同士の境界部分に引っ掛ってしまうことがなく、スムーズに熱交換配管40aを挿入することが可能となっている。
比較のために、第一平板21aの下端部近傍が屈曲していない場合の例を図7(B)に示した。このような構成において、第一平板21a同士の隙間をなくすためには、下方側にある第一平板21aの上端面Suと、上方側にある第一平板21aの下端面Sdとを当接させる必要がある。しかしながら、全ての第一平板21aの端面同士を、位置ずれが全くない状態で当接させることは困難である。このため、図7(B)に示したように、水平方向に沿った位置ずれが生じてしまう場合がある。また、鉛直方向に沿った位置ずれが生じて隙間が空いてしまう場合もある。
いずれの場合においても、第一平板21aの上端面Suの一部が、空間30aの内側から見て露出した状態となり得る。その結果、上方から熱交換配管40aを挿入する際に、熱交換配管40aの下端が上端面Suに当たってしまい、熱交換配管40aの挿入を妨げてしまう可能性がある。これに対し、図7(A)に示した本実施形態においては、第一平板21a同士が基礎杭1aの直径方向に重なっているため、水平方向に沿った位置ずれが生じてしまうことがない。また、鉛直方向に沿った位置ずれが生じた場合であっても、第一平板21aの上端面Suの一部が空間30aの内側に露出してしまうことがない。
本発明の他の実施形態について、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の第三実施形態に係る基礎杭1bを、その長手方向に対して垂直な面で切断した状態を示す部分断面図である。
図8に示したように、本実施形態においては、コンクリート杭10bの外周面に溝Gが形成されている。溝Gは、基礎杭1bの軸方向に沿ってコンクリート杭10bの外周面に凹設された溝であり、その深さは、往路配管41及び復路配管42の外径よりも僅かに大きい程度となっている。尚、このような溝Gを凹設するにあたっては、欠損による基礎杭1bの強度低下が許容範囲に収まるよう、留意すべきである。
溝Gは、平板状の保護板20bによって外側から覆われており、当該保護板20bと溝Gの内面とによって、空間30bが区画されている。本実施形態では、保護板20bの材質は鉄であるが、鉄以外にも種々の金属を用いることができる。
保護板20bは、図示しないボルトによってコンクリート杭10bに締結固定されている。熱交換用配管40bは、空間30bの内部に収納されている。
空間30bに収納された往路配管41b及び復路配管42bは、基礎杭1bの外周面に沿って並んだ状態となっている。換言すれば、往路配管41bから土壌までの距離と、復路配管42bから土壌までの距離とが略同一となるように、熱交換用配管40bが配置されている。
このような構成により、熱交換用配管40bの内部を流れる熱媒体と土壌との間の熱交換が、熱交換用配管40bの全体において均等に行われることとなる。
空間30bのうち、往路配管41bと復路配管42bとの間の部分には、断熱材60bが配置されている。断熱材60bは、往路配管41bと復路配管42bとの間で熱交換が行われてしまうことを防止するために配置されたものであって、本実施形態においては発泡ポリウレタンにより形成されている。断熱材60bは、熱交換用配管40bのうち上端から下端までの略全体(空間30bに収納された部分の略全体)に沿って配置されている。
断熱材60bは、互いに隣接する往路配管41bと復路配管42bとの間で熱交換が行われてしまい、地中の熱を地表側で効率的に利用できなくなることを防止するためのものである。このため、往路配管41bを流れる熱媒体の温度と、復路配管42bを流れる熱媒体の温度との差が大きいような部分に配置された際に、特にその効果を発揮する。この点に鑑みれば、断熱材60bは、本実施形態のように熱交換用配管40bのうち上端から下端までの略全体に配置するのではなく、熱交換用配管40bのうち上端近傍のみに配置するような態様としてもよい。
空間30bのうち、往路配管41b、復路配管42b、及び断熱材60bが配置されている部分以外の部分には、珪砂70bが充填されている。珪砂70bは、往路配管41bと土壌との間、及び復路配管42bと土壌との間における熱交換をそれぞれ促進するためのものであり、本発明における「熱伝導促進材料」に該当する。このような熱伝導促進材料としては、珪砂70bの他に、例えば水やセメントミルク等、断熱材60bよりも熱伝導率の高い種々の材料を用いることができる。空間30bに珪砂70bを充填することにより、熱交換用配管40bと土壌との熱交換効率を向上させている。
尚、溝Gを覆う保護板20bの形状は、図8に示したような平板状のものに限られない。例えば、図9に示したような形状としてもよい。この場合、保護板20bは断面がコノ字型となっており、基礎杭1bの外周面と略平行な第一平板21bの両端に、溝Gの内側面にそれぞれ当接する第二平板22b、及び第三平板23bが形成されている。
このような構成であれば、熱交換用配管40bやこれを覆う保護板20bは、基礎杭1bの側面から外方に突出しない。このため、基礎杭1bを地中に埋設する際に、保護板20bが土壌から受ける反力の大きさを抑制することが可能となっている。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1,1a,1b:基礎杭
10,10a,10b:コンクリート杭
11,12:金属プレート
20:保護管
20a,20b:保護板
21,21a,21b:第一平板
22,22a,22b:第二平板
23,23a,23b:第三平板
24:第四平板
25,25a:フランジ
30,30a,30b:空間
40,40a,40b:熱交換用配管
41,41b:往路配管
42,42b:復路配管
60,60b:断熱材
70,70a,70b:珪砂
G:溝
GL:地表
HL:杭孔
MG:セメントミルク
Sd:下端面
Su:上端面

Claims (8)

  1. 地中において土壌との熱交換を行うための熱交換用配管を備えた基礎杭であって、
    前記熱交換用配管は前記基礎杭の外周面に沿って配置されており、
    前記基礎杭の外周面には、前記熱交換用配管のうち地表よりも下方に位置する部分の全体を外側から覆う保護板が取り付けられていることを特徴とする基礎杭。
  2. 前記保護板と前記基礎杭との間には、前記基礎杭の軸方向に沿った直線状の空間が形成されており、
    前記熱交換用配管は、前記空間内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の基礎杭。
  3. 前記熱交換用配管は、
    地上側から地中側に向かって熱媒体が内部を流れる往路配管と、地中側から地上側に向かって熱媒体が内部を流れる復路配管とを有するU字管であって、
    互いに平行な前記往路配管と前記復路配管とが、前記基礎杭の外周面に沿って並んだ状態で、前記空間内に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の基礎杭。
  4. 前記往路配管と前記復路配管との間には断熱材が配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の基礎杭。
  5. 前記断熱材は、前記空間のうち前記往路配管と前記復路配管との間の部分にのみ配置されており、
    前記空間のうちその他の部分には、前記断熱材よりも熱伝導率の高い熱伝導材料が充填されていることを特徴とする、請求項4に記載の基礎杭。
  6. 前記保護板は、前記基礎杭の軸方向に沿って複数に分割されており、
    互いに隣接する二つの前記保護板のうち下方側に配置された前記保護板の上端部が、その上方側に配置された前記保護板の下端部に対して外側から重ねられていることを特徴とする、請求項2に記載の基礎杭。
  7. 前記基礎杭の外周面には、前記基礎杭の軸方向に沿って溝が凹設されており、
    前記熱交換用配管は前記溝の内部に収納されていることを特徴とする、請求項2に記載の基礎杭。
  8. 基礎杭の外周面に保護板を取り付けることにより、前記基礎杭と前記保護板との間に、前記基礎杭の軸方向に沿った直線状の空間を形成する第一工程と、
    前記保護板が取り付けられた前記基礎杭を、鉛直方向に沿って地中に埋設する第二工程と、
    熱交換用配管を、前記空間の上端部分から前記空間内に挿入する第三工程と、を有することを特徴とする基礎杭の埋設方法。
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