JP2014108978A - スチレン系樹脂補強用ゴム組成物 - Google Patents

スチレン系樹脂補強用ゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴム補強スチレン系樹脂組成物の製造時におけるゴム粒子径の制御が容易であり、光沢と耐衝撃性のバランスに優れるゴム補強スチレン系樹脂組成物が得られるスチレン系樹脂補強用ゴム組成物の提供。
【解決手段】(a)成分として、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴムと、(b)成分として、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴムと、を含有するゴム組成物であって、前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(a)成分を10〜55質量部、前記(b)成分を90〜45質量部含有し、ハロゲンが10×10-4質量部以下であるスチレン系樹脂補強用ゴム組成物及びそれを用いたゴム補強スチレン系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂補強用ゴム組成物及びそれを用いたゴム補強スチレン系樹脂組成物に関する。
従来より、光沢と衝撃特性のバランスがとれたゴム強化スチレン系樹脂組成物を提供するためのゴム組成物の検討が種々行われている。
例えば、特許文献1においては、75%より小さいシス1,4−構造含量を有する星型分岐ジエンゴムと50%より小さいシス1,4−構造含量を有する線状ジエンゴムからなり、且つ星型分岐ジエンゴムの粘度が線状ジエンゴムの粘度よりも小さいこと特徴とするゴムを用いることによって光沢と高衝撃性が良好なビニル芳香族ポリマーが得られることが開示されている。
特許文献2においては、スチレン−ブタジエン共重合ゴムとポリブタジエンとの組み合わせを特徴とする技術が提案されている。
特許文献3においては、カップリング度が50%以上であるポリブタジエンゴムと少なくとも50重量%の高分子鎖が5本以上結合された星状の形状を有するポリブタジエンとの併用であることを特徴とする耐衝撃性スチレン系樹脂についての提案がなされている。
ところで、前記特許文献1〜3の実施例等で記載されている分岐ジエン系ゴムは、有機溶媒中で有機リチウム触媒の存在下共役ジエン系モノマー等を重合して得られる活性末端を有する共役ジエン系ゴムにハロゲン系カップリング剤を反応させて、分子量を増大せしめた共役ジエン系ゴムであるが、塩素イオン等のハロゲンが含まれていると、スチレン系樹脂組成物の製造において反応装置等の腐食の問題や製造時(反応時)のグラフト性に影響を与えてゴム粒子径の制御がしにくい等の問題がある。
そのため、非ハロゲン系カップリング剤を使用として、分岐ジエン系ゴムを製造する方法として、例えば特許文献4においては、エポキシ系カップリング剤を使用する方法が、特許文献5においてはアルコキシシラン化合物をカップリング剤として使用する方法についての提案がなされている。
特表2002−536515号公報 特開昭63−301210号公報 特開昭61−266448号公報 特許第2538629号明細書 特許第3841485号明細書
しかしながら、前記特許文献1は、星型分岐ジエンゴムと線状ジエンゴムからなる粘度の最適範囲は記載されておらず、光沢と衝撃強度とのより望ましいバランスを得るためには更なる改善の余地がある。また、ゴム補強スチレン系樹脂組成物製造時におけるグラフト性やゴム粒子径制御の観点からも更なる改善の余地がある。
前記特許文献2及び3には、分岐ジエン系ゴムと線状ジエン系ゴムからなる組み合わせは記載されておらず、光沢と衝撃強度との望ましいバランスを得るためには改善の余地がある。
さらに、前記特許文献4及び5には、非ハロゲンのジエン系ゴムと線状ジエン系ゴムの組み合わせは記載されておらず、光沢と衝撃強度との望ましいバランスを得るためには更なる改善の余地があり、また、ゲル量やゲル粒子径も更なる改善の余地がある。
以上のとおり、従来のスチレン系樹脂補強用ゴムには、スチレン系樹脂組成物製造時における反応装置等の腐食やゴム粒子径の制御や、光沢と耐衝撃性のバランスの観点から、改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、ゴム補強スチレン系樹脂組成物の製造時における反応装置等の腐食の問題を低減し、ゴム粒子径の制御が容易であり、光沢と耐衝撃性のバランスに優れるゴム補強スチレン系樹脂組成物を提供できるスチレン系樹脂補強用ゴム組成物及びそれを用いたゴム補強スチレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比を有する2種類の共役ジエンを混合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1](a)成分として、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴムと、(b)成分として、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴムと、を含有するゴム組成物であって、
前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(a)成分を10〜55質量部、前記(b)成分を90〜45質量部含有し、ハロゲンが10×10-4質量部以下であるスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
[2]前記(a)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が、前記(b)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)よりも小さい、前記[1]に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
[3]前記(a)成分と前記(b)成分の混合物の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が40〜70mPa・sである、前記[1]又は[2]に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
[4]前記(a)成分が、アルキルリチウム開始剤で重合され、アルコキシシリル化合物を用いてカップリングされた共役ジエン系ゴムである、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
[5]前記(a)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が20〜55mPa・sである、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
[6]前記(b)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が70〜150mPa・sである、前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
[7]前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたゴム補強スチレン系樹脂組成物。
[8]スチレン系重合体からなるマトリックスと、(a)成分として、前記マトリックス中に分散した、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴムと、(b)成分として、前記マトリックス中に分散した、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴムと、を含有し、前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(a)成分を10〜55質量部、前記(b)成分を90〜45質量部含有し、ハロゲンが10×10-4質量部以下である、ゴム補強スチレン系樹脂組成物。
本発明によれば、ゴム補強スチレン系樹脂組成物の製造時における反応装置等の腐食の問題を低減し、ゴム粒子径の制御が容易であり、光沢と耐衝撃性のバランスに優れるゴム補強スチレン系樹脂組成物を提供できるスチレン系樹脂補強用ゴム組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
[スチレン系樹脂補強用ゴム組成物]
本実施形態は、(a)成分として、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴムと、(b)成分として、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴムとを含有するゴム組成物であって、前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(a)成分を10〜55質量部、前記(b)成分を90〜45質量部含有し、ハロゲンが10×10-4質量部以下であるスチレン系樹脂補強用ゴム組成物である。
本実施形態において、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)を算出する際の、5質量%スチレン溶液粘度(SV)の単位はmPa・sを用いる。
本実施形態のゴム組成物は、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴム((a)成分)とムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴム((b)成分)を特定量含有することにより、高い衝撃特性を有し、光沢性に優れたゴム補強スチレン系樹脂組成物を提供でき、また、スチレン系樹脂組成物製造時におけるゴム粒子径の制御が容易となる。
本実施形態においてムーニー粘度(ML1+4100℃)は、ムーニー粘度計(島津製作所製、「SMV−202」)を用い、JIS K6300(ISO289−1)に準拠し、測定する。測定温度を100℃とし、まず、試料を1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定し、その値をムーニー粘度とする。
本実施形態において5質量%スチレン溶液粘度(SV)とは、スチレン中5質量%のゴム濃度にて25℃で測定した溶液粘度(SV)であり、具体的には共役ジエン系ゴム2.385gをスチレン50mLに溶解させ、キャノンフェンスケ型粘度計を用いて25℃で測定する。本実施形態において、5質量%スチレン溶液粘度(SV)はmPa・sの単位を用いる。
<共役ジエン系ゴム>
(a)成分及び(b)成分は、いずれも共役ジエン系ゴムである。ここで、共役ジエン系ゴムとは、共役ジエン系モノマー由来の繰り返し単位を含有する重合体をいう。
前記共役ジエン系モノマーは、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエンが挙げられ、特に好ましいのは1,3−ブタジエンである。
本実施形態に用いられる共役ジエン系ゴムのミクロ構造は、例えば、共役ジエンモノマーとしてブタジエンを用いる場合には、1,2−ビニル結合の含有量(以下、「1,2−ビニル含量」という場合がある。)は、10〜80%、シス−1,4結合含有量は、10〜85%の範囲にあることが好ましいが、特に1,2−ビニル含量が12〜40%のものが好ましい。
前記1,2−ビニル含量の調整法は、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、共役ジエン系モノマーの重合時、重合系にジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、等のエーテル類;ジメチルアミンなどのアミン類;ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィドなどのチオエーテル類を添加して重合を行うことによって、共役ジエン系ゴム中の1,2−ビニル含量を所望の範囲に調整できる。
1,2−ビニル結合は分子鎖に均一に存在してもよく、あるいは、分子鎖に沿って漸減的に変化するように存在してもよく(特公昭47−875号公報)、さらにはブロック的に結合するように存在してもよい(米国特許第3301840号明細書)。1,2−ビニル結合が分子鎖中に均一になるようにする方法は、特に限定されないが、例えば重合開始温度を30〜90℃とし、できる限り定温重合する方法等が採用され、また、1,2−ビニル結合を分子鎖に沿って漸減的に変化するようにする方法は、特に限定されないが、例えば、重合を昇温下で実施する方法、すなわち、通常重合開始温度を30〜80℃とし、重合終了温度を85〜120℃とする方法、又は重合中に上記1,2ービニル含量調整剤を漸増的に添加する方法等が採用される。
本実施形態に用いる共役ジエン系ゴムの製造方法は、特に限定されないが、例えば、共役ジエン系モノマーを配位重合、アニオン重合又はカチオン重合等により重合する方法が挙げられる。前記重合方法のうち、構造の制御の容易さの観点からはアニオン重合が好ましい。
前記共役ジエン系モノマーは、特に限定されず、前記の共役ジエンが挙げられ、特に好ましいのは1,3−ブタジエンである。
前記アニオン重合は、特に限定されず、公知の方法が適用でき、例えば、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物等の開始剤を用いるアニオンリビング重合が挙げられる。
前記炭化水素溶媒は、特に限定されず、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられ、好ましい例としては、ヘキサン、シクロヘキサンが挙げられる。
前記有機リチウム化合物とは、モノ有機リチウム化合物又は多官能性有機リチウム化合物であり、あるいはモノ有機リチウム化合物と多官能性有機リチウム化合物との混合物であってもよい。モノ有機リチウム化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、ベンジルリチウム等が挙げられるが、好ましくは、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが用いられる。多官能性有機リチウム化合物としては、例えば、ジリチオメタン、1,4ージリチオブタン、1,6ージリチオヘキサン、1,4ージリチオシクロヘキセン、1,4ージリチオー2ーエチルシクロヘキサン、1,3ージリチオー4ーフェニルブタン、1,2ージリチオー1,2ージフェニルーエタン、1,10ージリチオデカン、1,20ージリチオエイコサン、1,1ージリチオジフェニレン、1,4ージリチオベンゼン、1,5ージリチオナフタレン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオイソプレン、ジリチオジイソプレン、ジリチオポリイソプレン、2,2’ー2”ートリリチオーpーターフェニル、1,3,5ートリリチオベンゼン、1,3,5ートリリチオー2,4,6ートリエチルベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエン及びジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物等が挙げられる。
前記重合では、ゲルの生成を抑制する効果が向上する観点から、重合系中に、モノマーや不活性溶媒とともにプロパジエン、1,2−ブタジエン等のアレン類を添加してもよい。
<(a)成分>
本実施形態のゴム組成物は、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8の共役ジエン系ゴムである(a)成分を含有する。
(a)成分のML1+4100℃/SVが0.8以上であることにより、(a)成分の共役ジエン系ゴムのコールドフローの変化率が小さくなり、本実施形態のゴム組成物として用いるときの取り扱い性が良好となり、粉砕時の付着滞留が少なくなり、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.1以上である。一方、(a)成分のML1+4100℃/SVが1.8以下であることにより、本実施形態のゴム組成物をスチレン系樹脂に使用した場合にゲル粒子径サイズの大きい粒子の生成を抑制でき、光沢が良好になり、好ましくは1.7以下、より好ましくは1.6以下である。
(a)成分のML1+4100℃/SVを0.8〜1.8とする方法は、特に限定されないが、例えば、共役ジエン系モノマーを炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を用いて共役ジエンを重合し、活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムを得た後、得られた共役ジエン系ゴムを、さらにカップリング反応させることにより調整する方法がある。所望の溶液粘度とムーニー粘度を達成するよう、共役ジエン系ゴムの分枝や分子量を制御する種々の手段を用いうる。例えば、カップリング率を高めると、ML1+4100℃/SVは増加する傾向にあり、カップリング率を低く調整すると、ML1+4100℃/SVは減少する傾向にある。
前記カップリング反応で用いられるカップリング剤は、特に限定されないが、カップリング率調整(反応性)の点から、次の一般式(1)で表わされるアルコキシシラン化合物を好適に使用できる。
X −Si−(OR)4-X ・・・(1)
(式中、Rは同一又は異なる炭素数1〜10のアルキル基、アリール基を表わす。Xは0又は1の整数である。)
前記一般式(1)で表わされるアルコキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上任意に組み合わせて使用することができる。好ましいカップリング剤としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。
前記カップリング剤の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、前記活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムを製造する際に使用される有機リチウム化合物触媒1モルに対して、0.05モル倍以上であり、より好ましくは0.1〜0.4倍モルの範囲である。活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムと該化合物との反応時間は、広範囲にわたって調整できるが、通常は反応時間が1分〜60分間、好ましくは1分〜30分間である。これら化合物は、そのまま用いてもよいし、溶媒に溶解して用いてもよいが、溶媒を用いる場合は活性リチウムに対して不活性である炭化水素溶媒を用いる。
前記炭化水素溶媒は、特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等を挙げることができる。
前記カップリング反応において、カップリング剤の添加方法は、特に限定されないが、バッチ式又は連続式に添加する方法が一般的に用いられる。バッチ式の場合、分子量分布Mw/Mnが1.1〜1.4の共役ジエン系ゴムが得られ、連続方式の場合、分子量分布Mw/Mnが1.5〜2.5の共役ジエンゴムが得られる。ここで、Mwはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって得られるポリスチレン換算の重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量である。
分子量分布Mw/Mnが1.1〜1.9であればコールドフローが改善され、スチレン系樹脂に使用した場合にゲル粒子径サイズ調整に優れる。
活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムと前記カップリング剤の反応温度は50〜130℃の範囲が好ましい。更に好ましくは80℃〜110℃である。反応温度が130℃以下の場合、カップリング効率が向上し、本実施形態のムーニー粘度(ML1+4100℃)とスチレン中5質量%のゴム濃度にて25℃で測定した溶液粘度(SV)の比(ML/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴムを効率よく得られる。50℃以上の場合、前記活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムと前記カップリング剤との反応性が向上し、また反応槽を冷却する特別な操作を要しない観点から工業的実施にあたって好ましい。
前記カップリング反応では、必要に応じて、カップリング反応後、得られた共役ジエン系ゴムの溶液に、失活剤、中和剤等を添加してもよい。
前記失活剤は、特に限定されず、例えば水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。
前記中和剤は、特に限定されず、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸(炭素数9〜11個で、10個を中心とする、分岐の多いカルボン酸混合物)等のカルボン酸;無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
さらに、ゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤の添加は、ゴム用安定剤の着色抑制のため、失活剤や中和剤を添加したのちに実施するのが好ましい。
ゴム補強スチレン系樹脂中のゲル粒子を高光沢に適した平均粒子径に調整するための観点から、(a)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が20〜55mPa・sであることが好ましく、より好ましくは20〜50mPa・s、さらに好ましくは25〜45mPa・sである。(a)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が20mPa・s以上の場合、ゴムのコールドフローは改善される方向であり、50mPa・s以下の場合、ゴム補強スチレン系樹脂中のゲル粒子を高光沢に適した平均粒子径の調整が容易となる。
ゴム補強スチレン系樹脂を得る際に、耐衝撃性と光沢のバランスを効果的に図るためには、スチレン系樹脂のゲル粒子の形態と粒子サイズの調整が重要であり、(a)成分のSVが、(b)成分のSVよりも小さいことは、そのような調整を容易にする点から好ましい。
<(b)成分>
本実施形態のゴム組成物は、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴムである(b)成分を含有する。(b)成分のML1+4100℃/SVが0.3以上であることにより共役ジエン系ゴムのコールドフローの変化率が小さくなり、本実施形態のゴム組成物としたときの取り扱い性、粉砕時の付着滞留が少なくなる等が良好となり、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.45以上である。一方、(b)成分のML1+4100℃/SVが0.6以下であることにより、溶解性や熱安定性(ゲル生成)を改善でき、本実施形態のゴム組成物をスチレン系樹脂に使用した場合に(a)成分と(b)成分を組み合わせることによる効果、すなわちビニル芳香族モノマーへの溶解する際に相溶し、ゲル粒子径サイズの調整がしやすくなり、好ましくは0.55以下、より好ましくは0.5以下である。(b)成分のML1+4100℃/SVを0.3〜0.6に調整する方法としては、共役ジエン系モノマーを炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を用いて共役ジエンを重合し、カップリング反応を行なわないか少量カップリング反応させ、分子量を制御する種々の手段を用いうる。ここで、カップリング反応は、特に限定されないが、例えば前記のような方法を用いることができる。例えば、共役ジエン重合後の反応槽での加熱滞留時間をながくしたり、わずかにカップリングさせると、ML1+4100℃/SVは増加する傾向にあり、共役ジエン重合後の反応槽の滞留時間を短くしたり、反応温度を低くすると、ML1+4100℃/SVは減少する傾向にある。
ゴム補強スチレン系樹脂中のゲル粒子の形態(ゴム成分が密であるか疎であるか)及びゲル量を調整するための観点から、(b)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)は、70〜150mPa・sであることが好ましく、より好ましくは70〜130mPa・s、さらに好ましくは75〜120mPa・s、特に好ましくは80〜110mPa・sである。(b)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が70mPa・s以上である場合、ゴム補強スチレン系樹脂中のゲル粒子の形態が、ゴム成分が疎であるサラミ粒子となり、150mPa・s以下の場合、ゴム補強スチレン系樹脂中に大粒子が少なく、高光沢に適したゲル粒子の平均粒子径に調整が容易となる。
<組成>
本実施形態のゴム組成物は、前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(a)成分を10〜55質量部、前記(b)成分を90〜45質量部含有する。
前記(a)成分が10質量部以上、(b)成分が90質量部以下であることにより、ゴム補強スチレン系樹脂組成物としたときに、光沢性に優れ、ゲル粒子径も小さくなる。前記(a)成分が55質量部以下、(b)成分が45質量部以上であることにより、ゴム補強スチレン系樹脂組成物としたときに、耐衝撃特性が良好となり、ゲル量も多い。前記(a)成分を20〜50質量部、前記(b)成分を80〜50質量部含有することが好ましく、前記(a)成分を30〜45質量部、前記(b)成分を70〜55質量部含有することがより好ましい。
本実施形態のゴム組成物は、ゴム補強スチレン系樹脂を得る際に、耐衝撃性と光沢のバランスの観点から(a)成分と(b)成分の混合物の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が30〜80mPa・sであることが好ましく、より好ましくは35〜75mPa・s、さらに好ましくは40〜70mPa・sである。
本実施形態のゴム組成物中に存在する共役ジエン系ゴムの組み合わせは、5質量%スチレン溶液粘度(SV)が20〜55mPa・sである(a)成分と5質量%スチレン溶液粘度(SV)が70〜150mPa・sである(b)成分が好ましい。
<ハロゲン含有量>
本実施形態のゴム組成物は、前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対するハロゲン含有量が以下である。ハロゲンが10×10-4質量部以下であることにより、スチレン系樹脂組成物の製造時における反応装置等の腐食を防止し、製造時(反応時)のグラフト性に影響を与えてゴムの粒子径を制御することができる。好ましくは、7×10-4質量部以下であり、より好ましくは5×10-4質量部以下である。
本実施形態のゴム組成物は、ゴム製造段階等でハロゲンを実質含まないことにより、ハロゲンを10×10-4質量部以下にすることができる。ハロゲンを実質含まないとは、共役ジエン系ゴムの重合において、使用するモノマー、溶媒、触媒、カップリング剤、その他の添加剤等含めて原材料にハロゲンを用いない、ということである。
<その他の成分>
本実施形態のゴム組成物は、ゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を含有することが好ましい。
ゴム用安定剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系化合物;トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト等の有機フォスファイト系化合物;2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−O−クレゾール等の含イオウフェノール系化合物;あるいはn−オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等とトリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト等のフェノール系と有機フォスファイト系の組み合わせ等の種々の公知の安定剤を使用できる。
また(a)成分、(b)成分以外のゴム成分を含んでいてもかまわない。(a)成分、(b)成分以外のゴムとしては、例えば、(a)成分、(b)成分以外の共役ジエン系ゴム、ランダムブタジエン−スチレン共重合体、ブロックブタジエン−スチレン共重合体、天然ゴム、等が挙げられる。
[ゴム補強スチレン系樹脂組成物]
本実施形態のゴム補強スチレン系樹脂組成物は、前記のゴム組成物を用いたゴム補強スチレン系樹脂組成物である。本実施形態のゴム組成物を用いているため、光沢性と耐衝撃特性のバランスに優れる。
本実施形態のゴム補強スチレン系樹脂組成物は、スチレン系重合体からなるマトリックスと、(a)成分として、前記マトリックス中に分散した、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴムと、(b)成分として、前記マトリックス中に分散した、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴムと、を含有し、前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(a)成分を10〜55質量部、前記(b)成分を90〜45質量部含有し、ハロゲンが10×10-4質量部以下である、ゴム補強スチレン系樹脂組成物を包含する。
<ゴム補強スチレン系樹脂組成物の製造方法>
ゴム補強スチレン系樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、連続バルク重合及び溶液重合がある。重合は、熱重合あるいは開始剤の存在下に行なわれる。
一般的には、まず本実施形態の共役ジエン系ゴムをビニル芳香族モノマーに溶解し、必要に応じてトルエン、エチルベン等の溶媒、流動パラフィン、ミネラルオイル、有機ポリシロキサン等の内部潤滑剤、酸化防止剤、メルカプタン類やα−メチルスチレン二量体等を加え、無触媒の熱重合の場合は、通常95〜200℃の温度において加熱重合し、またラジカル開始剤存在下の開始剤重合においては、通常より低温、例えば60〜180℃の温度でスチレンの重合操作が継続される。
スチレン系樹脂組成物の製造に用いる代表的なビニル芳香族モノマーの例としては、スチレン、アルファメチルスチレン、ビニルトルエンの全異性体等があり、特に好ましくはスチレンである。ビニル芳香族モノマーはまた他の共重合性モノマーと組合せることもできる。これらの共重合性モノマーの例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタクリレート、アクリル酸及びメチルアクリレート等のアクリルモノマー、マレイミド、フェニルマレイミド及び無水マレイン酸がある。ビニル芳香族モノマーの重合は予め溶解させたジエンの存在下に行われ衝撃変性又はグラフトゴム含有生成物をもたらす。これらの例は米国特許第3,123,655号、第3,346,520号、第3,639,522号及び第4,409,369号に記載されている。
ビニル芳香族モノマーに最初に溶かすゴムの量は、特に限定されず、目的とするゴム補強スチレン系樹脂組成物中のゴムの所望の濃度、重合中の転化率及び溶液の粘度に依存する。典型的には、ビニル芳香族モノマーに最初に溶かすゴムの量は、組成物の合計重量に基いて、6質量%以上、好ましくは6.5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、特に好ましくは8.0質量%以上、15質量%以下、好ましくは14質量%以下、より好ましくは13質量%以下、特に好ましくは12質量%以下である。
開始剤を使用する場合にはビニル芳香族モノマーの重合及び重合促進条件下にゴム粒子にポリマーの所望のグラフトを付与することのできる適宜の開始剤がある。代表的な開始剤としては、3級ブチルパーオキシベンゾエート及び3級ブチルパーオキシアセテート、3級ブチルパーオキシオクトエート、ジベンゾイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、1,1−ビス3級ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,3−ビス3級ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びジクミルパーオキシド等の過酸化物開始剤がある。所望により、光化学開始技術を用いうる。好ましい開始剤には3級ブチルパーオクトエート、3級ブチルイソプロピルパーカーボネート、ジベンゾイルパーオキシド、3級ブチルパーオキシベンゾエート、1,3−ビス3級ブチルパーオキシシクロヘキサン及び3級ブチルパーオキシアセテートがある。
前記開始剤の量は、特に限定されず、用いる開始剤、ポリマーグラフト率及び塊状重合を行う条件を含む種々の因子に依存する濃度範囲で用いうる。開始剤はビニル芳香族モノマーの重量に基いて通常0〜2000ppm、好ましくは100〜1500ppmの量で用いられる。
ゴム補強スチレン系樹脂の製造の際に用いられる溶媒は、特に限定されず、代表的な溶媒としては、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族又は置換芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、オクタン等の5以上の炭素原子を有する、置換又は非置換、直鎖又は分枝鎖飽和脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の5又は6の炭素原子を有する脂環族又は置換脂環族炭化水素がある。好ましい溶媒には置換芳香族炭化水素があり、特にエチルベンゼン及びキシレンが好ましい。一般に、溶媒は重合中の処理性と熱移動を改善するに十分な量で用いられる。これらの量は用いるゴム、モノマー及び溶媒、装置及び所望の重合度によって変わる。用いる場合溶媒は通常、溶液の合計重量に基いて、約35重量%以下、好ましくは2〜25重量%用いられる。
ゴム補強スチレン系樹脂の製造時に、可塑剤、たとえば鉱油、流動促進剤、潤滑剤、抗酸化剤、触媒、離型剤、又はアルキルメルカプタン、たとえばn−ドデシルメルカプタン、を含む連鎖移動剤等の重合助剤その他の物質を加えてもよい。用いる場合、連鎖移動剤は、それを加える重合混合物の合計重量に基づいて0.001〜0.5重量%存在させうる。
ゴム補強スチレン系樹脂の重合後、生成物中のゴムの架橋、未反応モノマー及び用いた場合の溶媒その他の揮発分の除去は公知の手段を用いて実施される。たとえば重合混合物を脱気装置に入れ加温、たとえば200〜300℃、真空下にモノマー及び他の揮発分をフラッシュ除去する等の方法がある。
生成したポリマーは洗浄、乾燥し、必要に応じてペレット又は粉末にして使用に供する。以上の外に、これらの方法を改善、改良した従来公知の方法によっても、ゴム補強スチレン系樹脂組成物が得られる。
本実施形態のスチレン系樹脂用ゴム組成物を用いて得られたゴム補強スチレン系樹脂組成物は、従来の耐衝撃性スチレン系樹脂と比較してハロゲンを含有せず、スチレン系樹脂組成物の製造において反応装置等の腐食の問題や製造時(反応時)のグラフト性に影響を与えてゴム粒子径の制御がしにくい等の問題を改善し、光沢と耐衝撃性のバランスに優れため、TV,VTR等の電子機器、エアコン、冷蔵庫等の家庭電気製品、OA事務機器等の一般機器、文具、玩具、レジャースポーツ用品、家庭用品、建材・住宅部品、食品容器など広範囲に多種多様な用途に使用し得るという工業的に極めて優れた効果を奏する。
以下、実施例により本実施形態の具体的な実施態様を示すが、これは本発明の趣旨をより具体的に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
なお、共役ジエン系ゴム及びゴム組成物の分析は下記に示す方法により行なった。
(1)分子量分布(Mw/Mn)
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(東ソー社製
「HLC−8320」)を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレン(Shodex STANDARD KIT「SM−105」)を使用した検量線に基づいて重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
カラムは、ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumn SuperMP(HZ)−Hとカラム:東ソー社製 TSKgel G6000H、G5000H、G4000Hの3本直列に接続し構成したものを使用した。
オーブン温度35℃、THF流量1.0mL/分の条件で、HLC−8320GPC付属のRI検出器を用いた。
測定試料5mgを5mLのTHFに溶解して測定溶液として、測定溶液50μLをGPC測定装置に注入して測定した。
(2)1,2−ビニル含量
測定用の試料0.1gを10mLの二硫化炭素で完全に溶解後、0.5mmセルを使用して赤外分光光度計(パーキンエルマー社製、「Spectrum 100」)を使用してスペクトルを測定した。
次いで、得られたスペクトルをMorero法(LA Chimica Industria 41,758(1959))にてビニル量を求めた。
(3)5質量%スチレン溶液粘度(5wt%SV)
共役ジエン系ゴム2.385gをスチレン50mLに溶解させ、キャノンフェンスケ型粘度計を用いて25℃で測定した。
(4)ムーニー粘度
ムーニー粘度計(島津製作所製、「SMV−202」)を用い、JIS K6300(ISO289−1)に準拠し、ムーニー粘度を測定した。測定温度は100℃とした。
まず、試料を1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML1+4100)とした。
(5)コールドフロー
コールドフロー測定は、40mm×40mm×厚み(H0)50mmの試料に、25℃で1kgの荷重を掛けて60分間放置後の厚み(H100)から、前記厚みの変化率(%)を測定した。以下の式で厚みの変化率を評価した。この値が大きいほど、共役ジエン系ゴムは変形しやすいと判断した。
厚みの変化率(%)=(H0−H100)×100/H0
(6)ハロゲン含有量
サンプルをイオンクロマトグラフ用前処理装置(三菱アナリテック社製自動燃焼装置、「AQF−100型」)にて燃焼させて発生したガスを炭酸水素ナトリウム・炭酸ナトリウムの混合溶液に溶解吸収させる。この溶解液をイオンクロマトグラフ(Dionex社製、「ICS−1500」)を用いてピークを測定し、検量線からハロゲン濃度を算出する。
ゴム補強スチレン系樹脂組成物の分析及び評価は下記に示す方法により行なった。
(7)ゲル量、Swelling Index
ゴム補強スチレン系樹脂組成物(サンプル)をトルエンに溶解させたのち、遠心分離機で溶解分と未溶解分(ゲル)に分離して、溶解液を除いて未溶解分の量を測定した(WetGel)。さらに未溶解分を真空乾燥にて未溶解分に取り込まれたトルエンを除去して真空乾燥後の未溶解分を測定した(DryGel)。
ゲル量とSwelling Indexは、測定した未溶解分の量(WetGel、DryGel)より、下記式により算出した。
ゲル量(%)=(DryGel/サンプル量)×100
Swelling Index=(WetGel/DryGel)
(8)ゲル粒子径
ゴム補強スチレン系樹脂組成物をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解後、溶解液の入ったサンプル瓶を超音波洗浄器にて2時間かけて、ゲル粒子を分散させた後、レーザー方式粒度分布測定器(HORIBA製、「LA−920」)を用いて、DMFの入ったバッチセルにゲル粒子を分散させた溶解液を滴下して測定し、平均粒子径を求めた。
(9)メルトフローレート(MFR)
JIS−K−7210の試験方法に従って、試験温度200℃、荷重5kgにて測定した。
(10)アイゾット衝撃強度(Izod)
射出成型した厚さ3.2mmの試験片(ノッチあり)を用いて、JIS−K−7110に従って測定した。
(11)光沢
射出成型した試験片を用いて、ASTMD−523に従ってゲート部とエンドゲート部の光沢度(入射角60°)を測定し平均した。
以下、具体的な共役ジエン系ゴムの重合例と実施例と比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
量は特に断りのない限り質量部又は質量%で示す。
[製造例1](共役ジエン系ゴム(重合体A))
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製した1,3−ブタジエン700gとシクロヘキサン5000gを加え、次いで1,2−ビニル含量の調整剤としてテトラヒドロフランをシクロヘキサンに対して150ppm添加し、更に有機リチウム化合物開始剤として1,3−ブタジエン100質量部当り0.12質量部のn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液を加えて、65℃にて重合を開始した。1,3−ブタジエンを完全に重合させて活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムを得た後、この活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムに有機リチウム化合物1モルに対して0.15モルのテトラエトキシシランを添加し、30分間カップリング反応させた後、得られた共役ジエン系ゴム溶液に共役ジエン系ゴム(ポリマー)100質量部当りの10質量部の水を添加し、更に二酸化炭素を添加した。二酸化炭素は、0.3MPa(ゲージ圧)の圧力下、有機リチウム化合物1モルに対して1モル添加し、二酸化炭素と水と重合体溶液を混合接触させた。
こうして得られた共役ジエン系ゴム溶液に安定剤として、n−オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−O−クレゾールをポリマー100質量部当りそれぞれ0.3質量部及び0.1質量部添加し、スチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により乾燥させ、表1に示す5%スチレン溶液粘度(SV)が44mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が37、ML1+4100℃/SVが0.84の共役ジエン系ゴムである重合体Aを得た。
[製造例2](共役ジエン系ゴム(重合体B))
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製した1,3−ブタジエン700gとシクロヘキサン5000gを加え、次いで1,2−ビニル含量の調整剤としてテトラヒドロフランをシクロヘキサンに対して150ppm添加し、更に有機リチウム化合物開始剤として1,3−ブタジエン100質量部当り0.16質量部のn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液を加えて、65℃にて重合を開始した。1,3−ブタジエンを完全に重合させて活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムを得た後、この活性リチウム末端を有する共役ジエン系ゴムに有機リチウム化合物1モルに対して0.32モルのテトラメトキシシランを添加し、10分間カップリング反応させた。更に共役ジエン系ゴム溶液に共役ジエン系ゴム(ポリマー)100質量部当りの10質量部の水を添加し、更に二酸化炭素を添加した。二酸化炭素は、0.3MPa(ゲージ圧)の圧力下、有機リチウム化合物1モルに対して1モル添加し、二酸化炭素と水と共役ジエン系ゴム溶液を混合接触させた。
こうして得られた共役ジエン系ゴム溶液に安定剤として、n−オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−O−クレゾールをポリマー100質量部当りそれぞれ0.3質量部及び0.1質量部添加し、スチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により乾燥させ、表1に示す5%スチレン溶液粘度(SV)が28mPa・s、ムーニー粘度(ML粘度1+4100℃)が42、ML1+4100℃/SVが1.50の共役ジエン系ゴムである重合体Aを得た。
[製造例3](共役ジエン系ゴム(重合体C))
内容積11Lで、内部の高さと直径の比(L/D)が4であり、底部に入口、頂部に出口を有し、撹拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブ(撹拌機付きの槽型反応器)を2基直列に連結し、1基目を重合反応器として、2基目をカップリング反応器とした。
予め、水分等の不純物を除去した、1,3−ブタジエンを42.2g/分、1,2−ブタジエンを0.008g/分、n−ヘキサンを198.8g/分の条件で混合し、温度を15℃に調整しながら1基目反応器の底部に連続的に供給した。更に、有機リチウム化合物開始剤としてn−ブチルリチウムを1.2mmol/分の速度で、1基目反応器の底部へ供給し、反応器出口の内温を100℃となるように重合反応を継続させた。
2基目の反応器の温度を100℃に保ち、1基目頂部から流出する共役ジエン系ゴム溶液を連続的に底部から供給し、更にカップリング剤としてテトラメトキシシランを0.32mmol/分の速度で2基目反応器の底部から添加し、カップリング反応を実施した。2基目反応器の頂部から流出した共役ジエン系ゴム溶液に、水を共役ジエン系ゴム100質量部あたり10.0質量部添加し、その後、炭酸ガスを、添加したn−ブチルリチウムに対しモル比で1:1.5となる条件で連続的に添加し、更にステアリン酸、n−オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−O−クレゾールを、共役ジエン系ゴム100質量部あたりそれぞれ0.035g、0.1g、0.1gとなるように連続的に添加し、カップリング反応を終了させた。得られた共役ジエン系ゴム溶液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により乾燥させ、表1に示す5%スチレン溶液粘度(SV)が33mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が40、ML1+4100℃/SVが1.21の共役ジエン系ゴムである重合体Cを得た。
[製造例4](共役ジエン系ゴム(重合体D))
内容積11Lで、内部の高さと直径の比(L/D)が4であり、底部に入口、頂部に出口を有し、撹拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブ(撹拌機付きの槽型反応器)を2基直列に連結し、1基目を重合反応器として、2基目をカップリング反応器とした。
予め、水分等の不純物を除去した、1,3−ブタジエンを42.2g/分、1,2−ブタジエンを0.008g/分、n−ヘキサンを198.8g/分の条件で混合し、温度を15℃に調整しながら1基目反応器の底部に連続的に供給した。更に、有機リチウム化合物開始剤としてn−ブチルリチウムを1.2mmol/分の速度で、1基目反応器の底部へ供給し、反応器出口の内温を100℃となるように重合反応を継続させた。
2基目の反応器の温度を100℃に保ち、1基目頂部から流出する共役ジエン系ゴム溶液を連続的に底部から供給し、更にカップリング剤として四塩化珪素を0.24mmol/分の速度で2基目反応器の底部から添加し、カップリング反応を実施した。2基目反応器の頂部から流出した共役ジエン系ゴム溶液に、水を共役ジエン系ゴム100質量部あたり10.0質量部添加し、その後、炭酸ガスを、添加したn−ブチルリチウムに対しモル比で1:1.5となる条件で連続的に添加し、更にステアリン酸、n−オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−O−クレゾールを、共役ジエン系ゴム100質量部あたりそれぞれ0.035質量部、0.1質量部、0.1質量部となるように連続的に添加し、カップリング反応を終了させた。得られた共役ジエン系ゴム溶液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により乾燥させ、表1に示す5%スチレン溶液粘度(SV)が37mPa・s、ムーニー粘度(ML粘度1+4100℃)が45、ML1+4100℃/SVが1.22の共役ジエン系ゴムである重合体Dを得た。
[製造例5](共役ジエン系ゴム(重合体E))
内容積11Lで、内部の高さと直径の比(L/D)が4であり、底部に入口、頂部に出口を有し、撹拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブ(撹拌機付きの槽型反応器)を2基直列に連結し、1基目を重合反応器として、2基はカップリング反応させずに重合反応器とした。
予め、水分等の不純物を除去した、1,3−ブタジエンを42.2g/分、1,2−ブタジエンを0.008g/分、n−ヘキサンを198.8g/分の条件で混合し、温度を15℃に調整しながら1基目反応器の底部に連続的に供給した。更に、有機リチウム化合物開始剤としてn−ブチルリチウムを0.389mmol/分の速度で、1基目反応器の底部へ供給し、反応器出口の内温を100℃となるように重合反応を継続させた。
2基目の反応器の温度を100℃に保ち、1基目頂部から流出する共役ジエン系ゴム溶液を連続的に底部から供給し、そのまま2基目反応器の頂部から流出した共役ジエン系ゴム溶液に、水を共役ジエン系ゴム100gあたり10.0g添加し、その後、炭酸ガスを、添加したn−ブチルリチウムに対しモル比で1:1.5となる条件で連続的に添加し、更にステアリン酸、n−オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−O−クレゾールを、共役ジエン系ゴム100gあたりそれぞれ0.035g、0.1g、0.1gとなるように連続的に添加し、カップリング反応を終了させた。得られたジエン系ゴム溶液をスチームストリッピングにより溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により乾燥させ、表1に示す5%スチレン溶液粘度(SV)が120mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が42、ML1+4100℃/SVが0.35の共役ジエン系ゴムである重合体Eを得た。
[製造例6](共役ジエン系ゴム(重合体F))
内容積11Lで、内部の高さと直径の比(L/D)が4であり、底部に入口、頂部に出口を有し、撹拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブ(撹拌機付きの槽型反応器)を2基直列に連結し、1基目を重合反応器として、2基はカップリング反応させずに重合反応器とした。
予め、水分等の不純物を除去した、1,3−ブタジエンを42.2g/分、1,2−ブタジエンを0.008g/分、n−ヘキサンを198.8g/分の条件で混合し、温度を15℃に調整しながら1基目反応器の底部に連続的に供給した。更に、有機リチウム化合物開始剤としてn−ブチルリチウムを0.480mmol/分の速度で、1基目反応器の底部へ供給し、反応器出口の内温を100℃となるように重合反応を継続させた。
2基目の反応器の温度を100℃に保ち、1基目頂部から流出する共役ジエン系ゴム溶液を連続的に底部から供給し、そのまま2基目反応器の頂部から流出した共役ジエン系ゴム溶液に、水を共役ジエン系ゴム100gあたり10.0g添加し、その後、炭酸ガスを、添加したn−ブチルリチウムに対しモル比で1:1.5となる条件で連続的に添加し、更にステアリン酸、n−オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−O−クレゾールを、共役ジエン系ゴム100gあたりそれぞれ0.035g、0.1g、0.1gとなるように連続的に添加し、カップリング反応を終了させた。得られたジエン系ゴム溶液をスチームストリッピングにより溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により乾燥させ、表1に示す5%スチレン溶液粘度(SV)が60mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が28、ML1+4100℃/SVが0.47の共役ジエン系ゴムである重合体Fを得た。
5%スチレン溶液粘度が70mPa・s未満である共役ジエン系重合体Fはコールドフローの変化率が50%を越えておりベール成形後に形状変化することが予想される。
[実施例1]
以下に示す塊状重合法によりゴム補強ポリスチレン樹脂を製造した。
4.275質量部の重合体A及び5.225質量部の「ジエン35AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が85mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が33、ML1+4100℃/SVが0.39であるポリブタジエンゴム)をスチレン90.5質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
[実施例2]
2.4質量部の重合体A及び5.6質量部の「ジエン35AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が85mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が33、ML1+4100℃/SVが0.39であるポリブタジエンゴム)をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
[実施例3]
4.0質量部の重合体B及び4.0質量部の「ジエン35AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が85mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が33、ML1+4100℃/SVが0.39であるポリブタジエンゴム)をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、更にミネラルオイル0.5質量部を添加して、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
[実施例4]
2.4質量部の重合体C及び5.6質量部の「ジエン35AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が85mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が33、ML1+4100℃/SVが0.39であるポリブタジエンゴム)をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
[実施例5]
0.9質量部の重合体C及び5.1質量部の「ジエン35AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が85mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が33、ML1+4100℃/SVが0.39であるポリブタジエンゴム)をスチレン94質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
[実施例6]
4.0質量部の重合体C及び4.0質量部の重合体Eをスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
[実施例7]
2.4質量部の重合体C及び5.6質量部の重合体Fをスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
実施例2及び実施例4と同様に、「ジエン35AE」の代わりに共役ジエン系重合体Fの比率を70wt%としたが、共役ジエン系重合体Fの5%SVが60mPa・sであると、ゲル量が低下傾向にあり、Izodも低めとなる。したがって、(b)のSVが≧70であるとよりゲル量とIzodが改良され、好ましい。
[比較例1]
8.0質量部の重合体Cをスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
5wt%SVが33mPa・sとSVが低い共役ジエン系ゴム(重合体C)のみ使用しているため、ゲル粒子径は小さく高光沢が得られるが、SVが高い共役ジエン系ゴムをも含有する実施例4〜7に比べて、形成されるゲル粒子の形態がポリスチレンの内包が少ないゴム成分が密な粒子となり、ゲル量も12.3wt%と低く、耐衝撃強度であるIzodが低い。
[比較例2]
5.6質量部の重合体C及び2.4質量部の「ジエン35AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が85mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が33、ML1+4100℃/SVが0.39)をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
比較例2は、70質量%の共役ジエン系重合体Cと30質量%の「ジエン35AE」とのブレンドであるため、比較例1よりは少し改善されたものの、重合体Cの比率が高いために、ゲル量は15.8wt%と低く、Izodが低い。
[比較例3]
2.4質量部の重合体D及び5.6質量部の「ジエン35AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が85mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が33、ML1+4100℃/SVが0.39)をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
重合体Dはハロゲンを含む共役ジエン系ゴムであり、ハロゲンを含まない共役ジエン系ゴムを使用した実施例2及び実施例4と比較して、ゲル粒子径が大きくなり、光沢が劣る。
[比較例4]
8.0質量部の「ジエン35AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が85mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が33、ML1+4100℃/SVが0.39)をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(金型温度60℃、ノズル先端温度220℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表2に示す。
5%SVが85mPa・sの共役ジエン系ゴムである「ジエン35AE」のみでは、実施例と同じ塊状重合条件下でのゲル粒子径が2.2μmとなり、光沢が劣る。
本発明のゴム組成物を用いて得られるゴム補強スチレン系樹脂組成物は、従来の耐衝撃性スチレン系樹脂と比較してハロゲンを含有せず、スチレン系樹脂組成物の製造において反応装置等の腐食の問題や製造時(反応時)のグラフト性に影響を与えてゴム粒子径の制御がしにくい等の問題を改善し、光沢と耐衝撃性のバランスに優れため、TV,VTR等の電子機器、エアコン、冷蔵庫等の家庭電気製品、OA事務機器等の一般機器、文具、玩具、レジャースポーツ用品、家庭用品、建材・住宅部品、食品容器など広範囲に多種多様な用途に使用し得るものであり、有用である。

Claims (8)

  1. (a)成分として、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴムと、
    (b)成分として、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴムと、
    を含有するゴム組成物であって、
    前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(a)成分を10〜55質量部、前記(b)成分を90〜45質量部含有し、ハロゲンが10×10-4質量部以下であるスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
  2. 前記(a)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が、前記(b)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)よりも小さい、請求項1に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
  3. 前記(a)成分と前記(b)成分の混合物の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が40〜70mPa・sである、請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
  4. 前記(a)成分が、アルキルリチウム開始剤で重合され、アルコキシシリル化合物を用いてカップリングされた共役ジエン系ゴムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
  5. 前記(a)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が20〜55mPa・sである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
  6. 前記(b)成分の5質量%スチレン溶液粘度(SV)が70〜150mPa・sである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂補強用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたゴム補強スチレン系樹脂組成物。
  8. スチレン系重合体からなるマトリックスと、
    (a)成分として、前記マトリックス中に分散した、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.8〜1.8である共役ジエン系ゴムと、
    (b)成分として、前記マトリックス中に分散した、ムーニー粘度(ML1+4100℃)と5質量%スチレン溶液粘度(SV)の比(ML1+4100℃/SV)が0.3〜0.6である共役ジエン系ゴムと、
    を含有し、前記(a)成分と(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(a)成分を10〜55質量部、前記(b)成分を90〜45質量部含有し、ハロゲンが10×10-4質量部以下である、ゴム補強スチレン系樹脂組成物。
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