JP2014108030A - 電動モータ及びファンモータ - Google Patents

電動モータ及びファンモータ Download PDF

Info

Publication number
JP2014108030A
JP2014108030A JP2012261911A JP2012261911A JP2014108030A JP 2014108030 A JP2014108030 A JP 2014108030A JP 2012261911 A JP2012261911 A JP 2012261911A JP 2012261911 A JP2012261911 A JP 2012261911A JP 2014108030 A JP2014108030 A JP 2014108030A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball bearings
bearing holder
bearing
stator
electric motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012261911A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6007084B2 (ja
Inventor
Hironori Masuyama
浩規 増山
Hiroshi Kimura
浩 木村
Keiichi Hosoi
啓一 細井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuba Corp
Original Assignee
Mitsuba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuba Corp filed Critical Mitsuba Corp
Priority to JP2012261911A priority Critical patent/JP6007084B2/ja
Publication of JP2014108030A publication Critical patent/JP2014108030A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6007084B2 publication Critical patent/JP6007084B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2380/00Electrical apparatus
    • F16C2380/26Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】玉軸受の機能を損なうことなく、軸受ホルダに対し、玉軸受及び回転軸の抜け止めを確実に行なうことができる電動モータ及びファンモータを提供する。
【解決手段】複数のティース部18bにそれぞれコイル10が巻装されているステータ11と、ステータ11の径方向中央に固定され、2つの玉軸受93,94が内嵌されている軸受ホルダ60と、2つの玉軸受93,94を介し、ステータ11に対して回転自在に支持されている回転軸13と、回転軸13に設けられ、ステータ11を覆うように形成されたロータヨーク28と、ロータヨーク28に、ステータ11と対向するように配置された複数のマグネット30とを備え、軸受ホルダ60に、2つの玉軸受93,94の相対位置を保持するカラー70を設けると共に、凸部64を設けた。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば自動車のラジエータ冷却用に用いられる電動モータ及びファンモータに関するものである。
ファンモータに用いられる電動モータとしては、例えば、モータプレートに筒状の軸受ホルダ(軸受ハウジング)を固定し、この軸受ホルダにコイルが巻装されているステータが外嵌固定されているものがある。軸受ホルダには、2つの玉軸受が保持されており、これら2つの玉軸受を介してロータの回転軸が回転自在に支持されている。
ここで、軸受ホルダの内周面には段差により縮径部が形成されており、この縮径部の両端にそれぞれ玉軸受が保持されている。そして、縮径部の両端に形成された段差部に、各玉軸受の外輪が当接している。一方、回転軸の一端には、抜け止め用のワッシャが取り付けられていると共に、他端には、雄ネジ部が刻設されている。
そして、雄ネジ部にロックナットを螺入することにより、2つの玉軸受の内輪が軸方向内側へと押圧される。一方、縮径部の両端に形成された段差部により、玉軸受の外輪の軸方向内側への移動が規制される。これにより、軸受ホルダに対する2つの玉軸受及び回転軸の位置決めが行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−312594号公報
ところで、上述の従来技術にあっては、ロックナットを締めつけることにより、2つの玉軸受の外輪と内輪とに、それぞれ逆方向の力が加わることになる。このため、ロックナットの締め付け力によっては、玉軸受内部の内輪と外輪の間に設けられた複数のボール部材の摺動性が悪化し、玉軸受の機能を損なう恐れがあるという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、玉軸受の機能を損なうことなく、軸受ホルダに対し、玉軸受及び回転軸を確実に固定することができる電動モータ及びファンモータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電動モータは、複数のティース部にそれぞれコイルが巻装されているステータと、前記ステータの径方向中央に固定され、2つの玉軸受が内嵌されている軸受ホルダと、前記2つの玉軸受を介し、前記ステータに対して回転自在に支持されている回転軸と、前記回転軸に設けられ、前記ステータを覆うように形成されたロータヨークと、前記ロータヨークに、前記ステータと対向するように配置された複数の磁極とを備えた電動モータであって、前記軸受ホルダに、前記2つの玉軸受の相対位置を保持する保持部を設けると共に、前記2つの玉軸受の少なくとも一方の前記軸受けホルダに対する移動を規制する規制部を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、2つの玉軸受の内輪と外輪とに、それぞれ逆方向の力が加わることを防止しつつ、軸受ホルダに対する玉軸受の移動を規制することができる。この結果、玉軸受の機能を損なうことなく、軸受ホルダに対して玉軸受及び回転軸の抜け止めを確実に行なうことができる。
本発明に係る電動モータは、前記規制部は、前記軸受ホルダの内周面に突出形成された凸部であることを特徴とする。
この場合、前記軸受ホルダは、金属板を筒状に形成してなり、前記規制部は、前記軸受ホルダの周壁の一部を径方向内側に切起して形成された切起し部としてもよい。
このように構成することで、簡素な構造で玉軸受の機能を損なうことなく、軸受ホルダに対し、玉軸受及び回転軸の抜け止めを確実に行なうことができる。
本発明に係る電動モータは、前記規制部は、前記2つの玉軸受の内輪に接触しないように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、規制部が玉軸受の内輪に接触し、この内輪の回転を阻害してしまうことを防止できる。
本発明に係る電動モータは、前記規制部は、前記軸受ホルダの内周面の一部に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、最小限の規制部で効率よく、軸受ホルダに対する玉軸受及び回転軸の固定を行うことができる。
また、軸受ホルダの内周面の全周に渡って規制部を設ける場合と比較して、軸受ホルダの内周面の真円度が悪化してしまうことを防止できる。
本発明に係る電動モータは、前記規制部は、前記2つの玉軸受の間に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、軸受ホルダ内のデッドスペースを有効利用して玉軸受の移動を規制することができる。つまり、規制部を設けることにより、軸受ホルダの軸長が長くなってしまうことを防止できる。
本発明に係る電動モータは、前記2つの玉軸受のうちの第1玉軸受を、前記軸受ホルダに圧入固定とする一方、前記2つの玉軸受のうちの第2玉軸受を、前記軸受ホルダに挿入とし、前記保持部は、前記回転軸に外嵌され、前記2つの玉軸受の各内輪の間に配置される筒状のスペーサ部材であり、前記スペーサ部材の軸方向の長さを、前記第1玉軸受と、前記規制部の前記第2玉軸受側の端面との間の距離よりも長く設定したことを特徴とする。
このように構成することで、簡素な構造で、軸受ホルダに対する玉軸受及び回転軸の抜け止めを確実に行うことができる。
本発明に係るファンモータは、電動モータと、前記電動モータに取り付けられ、前記電動モータの回転に伴って回転するファンブレードとを備え、前記電動モータは、複数のティース部にそれぞれコイルが巻装されているステータと、前記ステータの径方向中央に固定され、2つの玉軸受が内嵌されている軸受ホルダと、前記2つの玉軸受を介し、前記ステータに対して回転自在に支持されている回転軸と、前記回転軸に設けられ、前記ステータを覆うように形成されたロータヨークと、前記ロータヨークに、前記ステータと対向するように配置された複数の磁極とを備え、前記回転軸が水平方向に沿うように配置され、前記軸受ホルダは、金属板を筒状に形成してなるファンモータであって、前記軸受ホルダに、前記2つの玉軸受の相対位置を保持する保持部を設けると共に、周壁の一部に水抜き孔を形成し、前記水抜き孔を形成する際に径方向内側に切起された切起し部を、前記2つの玉軸受の少なくとも一方の前記軸受けホルダに対する移動を規制する規制部として構成したことを特徴とする。
このように構成することで、水抜き孔を形成する際に切起された切起し部を利用し、2つの玉軸受の内輪と外輪とに、それぞれ逆方向の力が加わることを防止しつつ、軸受ホルダに対する玉軸受の移動を規制することができる。このように、製造工数を増大させることなく、玉軸受の機能を損なうことを防止し、且つ軸受ホルダに対して玉軸受及び回転軸の抜け止めを確実に行なうことができる。
本発明に係るファンモータは、前記切起し部は、前記2つの玉軸受の内輪に接触しないように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、切起し部が玉軸受の内輪に接触し、この内輪の回転を阻害してしまうことを防止できる。
本発明に係るファンモータは、前記切起し部は、前記2つの玉軸受の間に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、軸受ホルダ内のデッドスペースを有効利用して玉軸受の移動を規制することができる。つまり、切起し部を設けることにより、軸受ホルダの軸長が長くなってしまうことを防止できる。
本発明に係るファンモータは、前記2つの玉軸受のうちの第1玉軸受を、前記軸受ホルダに圧入固定とする一方、前記2つの玉軸受のうちの第2玉軸受を、前記軸受ホルダに挿入とし、前記保持部は、前記回転軸に外嵌され、前記2つの玉軸受の各内輪の間に配置される筒状のスペーサ部材であり、前記スペーサ部材の軸方向の長さを、前記第1玉軸受と、前記切起し部の前記第2玉軸受側の端面との間の距離よりも長く設定したことを特徴とする。
このように構成することで、簡素な構造で、軸受ホルダに対する玉軸受及び回転軸の抜け止めを確実に行うことが可能なファンモータを提供できる。
本発明によれば、2つの玉軸受の内輪と外輪とに、それぞれ逆方向の力が加わることを防止しつつ、軸受ホルダに対する玉軸受の移動を規制することができる。この結果、玉軸受の機能を損なうことなく、軸受ホルダに対して玉軸受及び回転軸の抜け止めを確実に行なうことができる。
また、水抜き孔を形成する際に切起された切起し部を利用し、2つの玉軸受の内輪と外輪とに、それぞれ逆方向の力が加わることを防止しつつ、軸受ホルダに対する玉軸受の移動を規制することができる。このように、製造工数を増大させることなく、玉軸受の機能を損なうことを防止し、且つ軸受ホルダに対して玉軸受及び回転軸の抜け止めを確実に行なうことができる。
本発明の第1実施形態におけるファンモータの縦断面図である。 図1のA部拡大図である。 本発明の第2実施形態における軸受ホルダの縦断面図である。
(第1実施形態)
(ファンモータ)
次に、この発明の第1実施形態を図1、図2に基づいて説明する。
図1は、ファンモータの縦断面図、図2は、図1のA部拡大図である。尚、図1中矢印Fは、車両の前方側を指している。以下の説明においては、矢印Fの指す方向を「前方」、矢印Fの指す方向と逆の方向を「後方」などと称して説明する(以下の第2実施形態についても同様)。
図1、図2に示すように、ファンモータ1は、車両のラジエータ冷却用として用いられ、図示しない(図中、ファンモータ1の右側に配置される)ラジエータの車体後方側に設置される。このファンモータ1は、駆動部である電動モータ2と、電動モータ2によって回転駆動されるファン本体3とを備えている。
(電動モータ)
電動モータ2は、所謂アウタロータ型のブラシレスモータであって、後述するステータコア18の径方向外側に向かって放射状に突出する複数のティース18bに励磁用の複数のコイル10が巻装されたステータ11と、ステータ11を支持するブラケット12と、ブラケット12に回転自在に支持されるロータ14と、ロータ14の回転をフィードバックしてコイル10の通電を制御する制御ユニット15とを備えている。そして、ファンモータ1は、ロータ14の回転軸13が前後方向に沿うように車体(不図示)に配置されている。
尚、以下の説明において、車体にファンモータ1を取り付けた状態で、ファンモータ1の鉛直方向下方(図1における下方)を単に下方と称し、ファンモータ1の鉛直方向上方(図1における上方)を単に上方と称して説明する(以下の第2実施形態についても同様)。
(ブラケット)
ブラケット12は、略円板状に形成されたものであって、その外周縁部に締結部である複数の固定アーム12aが延設されている。固定アーム12aは、ファン本体3の周囲を取り囲んで送風を案内するファンシュラウド16に締結固定されている。ファンシュラウド16は、ラジエータの後方側に固定設置されるようになっている。
また、ブラケット12の前方側には、外周部に略円筒状の水浸入規制壁25が一体成形されている。この水浸入規制壁25は、後述のロータヨーク28やファンボス34と協働してラビリンス部91を形成し、電動モータ2とファン本体3の間の空間に水が浸入しにくくなるように構成されたものである。
さらに、ブラケット12の前方側には、水浸入規制壁25よりも直径が小さく設定された第1円筒壁26と、この第1円筒壁26よりも直径が小さく設定された第2円筒壁27が一体成形されている。これら円筒壁26,27は、後述のステータコア18やロータヨーク28と協働してラビリンス部92を形成し、電動モータ2の内部に水が浸入しにくくなるように構成されたものである。すなわち、ブラケット12の上部外周側から、電気的接合部や制御ユニット15の配置されている中心側に流入しようとする水滴を各円筒壁26,27の外周面に沿わせて下方に滴下させるようになっている。
また、ブラケット12の前方側における円筒壁27の内側には、径方向略中央にボス部50が前方に向かって突設されている。ボス部50は略円筒状に形成されており、内周面51が、基端側に形成された縮径部51aと、この縮径部51aから前方に向かって徐々に拡径するように形成された傾斜部51bと、傾斜部51bの前端に形成され縮径部51aよりも拡径形成された拡径部51cとにより構成されている。
さらに、ボス部50の前端には、ステータ11のステータコア18が載置されるステータ台座部52が形成されている。ステータ台座部52は、ボス部50の拡径部51cに対応する箇所の外周部を、全周に渡って切除することにより形成される。拡径部51cの外周部を、全周に渡って切除することにより、ステータ台座部52の内周縁には、リング部53が形成される。また、ステータ台座部52には、ステータコア18を固定するための雌ネジ部54が複数箇所形成されている。
(ステータ)
ステータコア18は磁性鋼板を多数積層してなり、略円環状のコア本体18aを有している。このコア本体18aが、ステータ台座部52に載置されている。そして、コア本体18aの内周面の一部が、リング部53に外嵌された状態になっている。また、コア本体18aには、ステータ台座部52の雌ネジ部54に対応する箇所に、複数の貫通孔55が形成されている。各貫通孔55に、前方側からボルト56を挿通し、雌ネジ部54に螺入することによって、ステータ台座部52にコア本体18aが締結固定される。
また、コア本体18aには、径方向外側に向かって放射状に突出する複数のティース18bが一体成形されている。各ティース18bには、コイル10が巻装されている。
ティース18bの先端は、ブラケット12に形成されている第1円筒壁26と第2円筒壁27との間に至るまで延出している。このように形成されたティース18bと、各円筒壁26,27とによりラビリンス部92が形成される。
(軸受ホルダ)
さらに、ボス部50の内側には、ロータ14の回転軸13を回転自在に支持するための軸受ホルダ60が内嵌されている。軸受ホルダ60は、金属板に深絞り加工を施したものであって、2段の段付き形状に形成された段付円筒部61と、段付円筒部61の前端に屈曲形成された外フランジ部62とにより構成されている。
段付円筒部61は、ボス部50の内周面51の縮径部51aに内嵌される縮径円筒部61aと、ボス部50の内周面51の拡径部51cに内嵌される拡径円筒部61bと、これら縮径円筒部61aと拡径円筒部61bとを連結する段差部61cとにより構成されている。
縮径円筒部61aの外径は、ボス部50の縮径部51aに挿入となる寸法に設定されている。また、拡径円筒部61bの外径は、ボス部50の拡径部51cに挿入となる寸法に設定されている。
また、軸受ホルダ60をボス部50に取り付けた状態では、縮径円筒部61aの前端(前方側)は、ボス部50の内周面51の傾斜部51bと拡径部51cとの接続部分に位置している。一方、縮径円筒部61aの後端(後方側)は、ボス部50の後端(後方側)から若干突出している。また、拡径円筒部61bは、縮径円筒部61aの前端(前方側)からステータコア18の前端面(前方側)に至るまで延在されている。そして、外フランジ部62は、ステータコア18の前方側においてコア本体18aに当接した状態になっている。
外フランジ部62には、コア本体18aの各貫通孔55に対応する箇所に、複数の貫通孔63が形成されている。この貫通孔63にもボルト56が挿通される。すなわち、ボルト56によって、ボス部50のステータ台座部52に、コア本体18a及び外フランジ部62が共締めされた状態になっている。
また、縮径円筒部61aの段差部61c寄りには、上方の一部にプレス加工によって径方向内向きに突起(ボス)が形成され、これにより、軸受ホルダ60の内周面に凸部64が形成されている。さらに、縮径円筒部61aの段差部61c寄りには、下方の一部に水抜き孔65が形成されている。
そして、縮径円筒部61aには、凸部64及び水抜き孔65よりも後方に、回転軸13の後端を回転自在に支持するためのリヤ側玉軸受(第2玉軸受)93が挿入されている。また、拡径円筒部61bには、回転軸13の前側を回転自在に支持するためのフロント側玉軸受(第1玉軸受)94が圧入されている。これにより、2つの玉軸受93,94の間に、それぞれ凸部64と水抜き孔65とが設けられた状態になる。
ここで、縮径円筒部61aに形成された水抜き孔65は、軸受ホルダ60内に侵入した水を排水する役割を有している。また、縮径円筒部61aに形成された凸部64は、リヤ側玉軸受93の軸方向への移動を規制する役割を有している。
すなわち、リヤ側玉軸受93が、フロント側玉軸受94側に向かって(前方に向かって)移動しようとすると、リヤ側玉軸受93の外輪93bが凸部64に当接し、リヤ側玉軸受93のフロント側玉軸受94側への移動が規制されるようになっている。
尚、凸部64の縮径円筒部61aからの突出高さH1は、リヤ側玉軸受93の外輪93bのみに接触する高さ(言い換えると、内輪93aに凸部64が接触しない高さであり、玉軸受の内輪と外輪の間に配される複数のボール部材、又は複数のボール部材を保持する保持器やボール部材を保護するカバー体と接触しない高さ)に設定されている。これは、リヤ側玉軸受93の内輪93a及び外輪93b共に凸部64に接触してしまうと、リヤ側玉軸受93と凸部64との間で生じる摺動摩擦抵抗により、内輪93aと外輪93bとがそれぞれ別個に回転しにくくなるからである。このような場合、リヤ側玉軸受93の機能が損なわれてしまう。
また、リヤ側玉軸受93の後端面(後方)には、ウェーブワッシャ95が配置され、さらにウェーブワッシャ95よりも後方に、ウェーブワッシャサポート96が配置されている。ウェーブワッシャサポート96は、ウェーブワッシャ95が軸受ホルダ60から抜け落ちるのを防止するためのものであって、縮径円筒部61aの内側に圧入固定されている。
(ロータ)
このように構成された軸受ホルダ60に、ロータ14の回転軸13が回転自在に支持されている。回転軸13は、段付き状に形成されており、2つの玉軸受93,94に回転自在に支持されている軸本体21と、軸本体21の前方に段差により拡径形成されたロータヨーク支持部22と、ロータヨーク支持部22の前方に段差により縮径形成されたファン支持部23と、ファン支持部23の前方に段差により縮径形成された不図示の雄ネジ部とを有している。
軸本体21の後方は、リヤ側玉軸受93よりも後方に突出しており、この突出した部位に雄ネジ部(不図示)が刻設されている。そして、雄ネジ部にナット97を螺入することにより、リヤ側玉軸受93の内輪93aには、軸方向外側にナット97が当接する。さらに、フロント側玉軸受94の内輪94aには、ロータヨーク支持部22の段差面22aが当接する。そして、リヤ側玉軸受93とフロント側玉軸受94とが互いに近接する方向に向かって押圧される。
また、軸本体21には、リヤ側玉軸受93とフロント側玉軸受94との間に、円筒状のカラー(スペーサ部材)70が外嵌されている。このカラー70の両端が、それぞれリヤ側玉軸受93の内輪93aの軸方向内側と、フロント側玉軸受94の内輪94aの軸方向内側とに当接する。これにより、リヤ側玉軸受93及びフロント側玉軸受94の変位が規制され、これらリヤ側玉軸受93及びフロント側玉軸受94に対し、軸本体21が回転自在に支持される。このように、カラー70は、2つの玉軸受93,94の相対位置を保持する保持部71としての役割を有している。
ここで、カラー70の全長をL1とし、拡径円筒部61bに圧入されているフロント側玉軸受94と、縮径円筒部61aに形成されている凸部64のリヤ側玉軸受93側の端面64aとの間の距離をL2としたとき、全長L1と距離L2は、
L1>L2・・・(1)
を満たすように設定されている。
回転軸13のロータヨーク支持部22には、ロータ14を構成するロータヨーク28が支持されている。ロータヨーク28は有底筒状に形成されており、底部28aの径方向中央に嵌合部32が形成されている。そして、ロータヨーク28の開口部28bをブラケット12側に向けた状態で、嵌合部32にロータヨーク支持部22が圧入されている。すなわち、ロータヨーク28は、ステータ11をその前面(前方)から覆うように形成されている。
ここで、嵌合部32の形成方法について具体的に説明する。
まず、ロータヨーク28の底部28aにバーリング加工を施し、ブラケット12側に向かって立ち上がるバーリング部32aを形成する。この後、バーリング部32a内に不図示の円柱状の治具を挿入する。この円柱状の治具の直径は、ロータヨーク支持部22の直径よりもやや小さくなるように設定されている。
続いて、バーリング部32aの先端を軸方向に押圧し、バーリング部32aを僅かに座屈変形させる。すると、バーリング部32aの肉厚が底部28aの肉厚よりも僅かに厚くなると共に、バーリング部32aの内径が治具の直径とほぼ同一になり、嵌合部32が形成される。
このように嵌合部32を形成することにより、バーリング部32aの肉厚が十分確保され、ロータヨーク支持部22への圧入力を十分確保することができる。このため、回転軸13とロータヨーク28とを強固に固定できる。
また、ロータヨーク28の周壁28cには、内周面に複数のマグネット30が周方向に沿って磁極が順番となるように設けられている。そして、これらマグネット30は、ステータ11のティース18bの外周面に径方向で対向した状態になっている。さらに、ロータヨーク28の周壁28cには、開口部28b側の縁部に、径方向外側に向かって補強フランジ部33が屈曲形成されている。
この補強フランジ部33を含むロータヨーク28の開口部28b側の縁部は、ロータ14を組み付けた状態において、ブラケット12の水浸入規制壁25と第1円筒壁26との間に臨まされている。そして、水浸入規制壁25、第1円筒壁26及びロータヨーク28の周壁28cによって、ラビリンス部92が形成される。
尚、補強フランジ部33は、ロータヨーク28の周壁28cの外周面に滴下した水滴が、周壁28cの開口部28b側に流れ込むのを規制する規制壁としても機能する。
(ファン本体)
回転軸13のファン支持部23には、ファン本体3が支持されている。ファン本体3は、有底筒状のファンボス34と、ファンブレード35とが樹脂により一体成形されたものである。そして、ファンボス34の開口部34aをブラケット12側に向けた状態で、ファンボス34の底壁34bがファン支持部23に取り付けられる。
より具体的には、ファンボス34の底壁34bには、径方向中央に開口部36が形成されている。この開口部36には、金属プレート37が開口部36を閉塞するように設けられている。
金属プレート37は、例えば、インサート成形によりファンボス34と一体化されている。金属プレート37は、ファン本体3を回転軸13に直接固定するための軸固定部を構成するものである。金属プレート37の径方向中央には、回転軸13のファン支持部23が内嵌される嵌合孔38が形成されている。
ここで、ファン支持部23には、Dカット(一方取り)加工が施されている。これにより、ファン支持部23は、断面D字状になっている。一方、金属プレート37の嵌合孔38もファン支持部23の形状に対応するように、D字状に形成されている。このようにファン支持部23と嵌合孔38とを形成することにより、ファン支持部23に金属プレート37を嵌め込んだ状態で、ファン支持部23と金属プレート37との相対回転を防止することができる。
また、ファン支持部23に金属プレート37を嵌め込む際、ファン支持部23に座金39を取り付けた後から金属プレート37を嵌め込むようになっている。座金39を取り付けることにより、ロータヨーク28とファンボス34との間に所定のクリアランスが確保でき、ロータヨーク28にファンボス34が接触してしまうことが防止される。
そして、ファン支持部23に座金39及び金属プレート37を取り付けた後、回転軸13の前端(前方)に形成されている不図示の雄ねじ部にナット40を螺入する。これにより、ファン支持部23に座金39及び金属プレート37が共締めされ、回転軸13とファン本体3とが一体化される。
また、回転軸13にファン本体3を取り付けた状態では、ファンボス34の周壁34cにおける開口部34a側の縁部が、水浸入規制壁25の径方向外側おいて、この水浸入規制壁25とラップするようになっている。このように、水浸入規制壁25、ファンボス34の周壁34c及びロータヨーク28の周壁28cによって、ラビリンス部91が形成される。
(ファンモータの組み立て方法)
次に、ファンモータ1の組み立て方法について説明する。
まず、単品状態の軸受ホルダ60に2つの玉軸受93,94及びカラー70を組み付ける。具体的には、まず、軸受ホルダ60の拡径円筒部61bにフロント側玉軸受94を圧入する。このとき、フロント側玉軸受94を軸受ホルダ60の外フランジ部62から定寸となるよう圧入する。これにより、フロント側玉軸受94の位置決めが行われる。
続いて、フロント側玉軸受94に治具となるシャフト(不図示)を挿入する。尚、治具の軸径は、回転軸13の軸径とほぼ同等か、それよりもやや細くなる程度に設定されている。
次に、不図示の治具に、縮径円筒部61aの開口側からカラー70を挿入する。続いて、縮径円筒部61aに、リヤ側玉軸受93を挿入する。このとき、カラー70の端面に当接するまでリヤ側玉軸受93を挿入する。
次に、縮径円筒部61aの開口側からウェーブワッシャ95を挿入する。そして、その上からウェーブワッシャサポート96を縮径円筒部61aの内周面に圧入する。この後、治具を抜き取って、軸受ホルダ60への2つの玉軸受94,94及びカラー70の組み付けが完了し、軸受ホルダ60のユニットが完成する。この組み付けが完了した状態では、ウェーブワッシャ95によって、リヤ側玉軸受93に与圧がかかった状態となる。
続いて、ブラケット12のボス部50に形成されたステータ台座部52にステータ11を載置する。そして、ステータ11側からボス部50の内周面51にユニット化された軸受ホルダ60を挿入する。このとき、ステータコア18のコア本体18aに、軸受ホルダ60の外フランジ部62が当接するまで軸受ホルダ60を挿入する。
この後、ステータコア18の貫通孔55の位置と、軸受ホルダ60の外フランジ部62に形成されている貫通孔63の位置とを合わせ、これら貫通孔55,60に、外フランジ部62の上からボルト56を挿入する。そして、ボス部50のステータ台座部52に、ステータ11及び軸受ホルダ60を共締めする。これにより、ステータ11と軸受ホルダ60の組み付けが完了する。
次に、フロント側玉軸受94側から、軸受ホルダ60内に、回転軸13を挿入する。ここで、回転軸13のロータヨーク支持部22には、予めロータヨーク28が圧入固定されている。軸受ホルダ60内に回転軸13を挿入した後、軸本体21の先端(後端)に形成された不図示の雄ネジ部に、ナット97を螺入する。
これにより、リヤ側玉軸受93の内輪93aの軸方向外側に、ナット97が当接する。さらに、フロント側玉軸受94の内輪94aに、ロータヨーク支持部22の段差面22aが当接する。また、カラー70の両端に、それぞれリヤ側玉軸受93の内輪93aの軸方向内側とフロント側玉軸受94の内輪94aの軸方向内側とが当接する。そして、軸受ホルダ60に対する回転軸13の抜け方向の変位が規制され、軸受ホルダ60へのロータ14の組み付けが完了する。
ここで、カラー70の両端に、それぞれリヤ側玉軸受93の内輪93aの軸方向内側とフロント側玉軸受94の内輪94aの軸方向内側とが当接するので、回転軸13にナット97を締め込むことにより生じる荷重は、各玉軸受93,94の内輪93a,94aにかかり、各玉軸受93,94の外輪93b,94bにかかることがない。
次に、回転軸13のファン支持部23に座金39を挿入し、さらにこの上からファン本体3の金属プレート37を挿入する。そして、ファン支持部23の先端(前端)に形成された不図示の雄ネジ部に、ナット40を螺入する。これにより、ファン支持部23に座金39及び金属プレート37が共締めされ、回転軸13へのファン本体3の組み付けが完了する。そして、ブラケット12に制御ユニット15を組み付け、ファンモータ1の組み立てが完了する。
(ファンモータ及び軸受ホルダの作用)
このような構成のもと、ステータ11のティース18bに巻装されている複数のコイル10に選択的に電流を供給することにより磁界が生じ、この磁界とロータヨーク28に設けられているマグネット30との間で、磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、ロータ14とファン本体3とが一体となって回転し、ラジエータに向けて冷却風を供給する。
ここで、例えば、抜け荷重以上の想定外の荷重がかかる等により、軸受ホルダ60の拡径円筒部61bに対するフロント側玉軸受94の圧入力が低下した場合について説明する。
軸受ホルダ60の段付円筒部61は、後部に縮径円筒部61aが形成されているので、拡径円筒部61bに対するフロント側玉軸受94の圧入力が低下した場合、段付円筒部61の段差部61cによって、フロント側玉軸受94の後方(縮径円筒部61a側)への移動が規制される。
一方、拡径円筒部61bに対するフロント側玉軸受94の圧入力の低下により、フロント側玉軸受94が前方へ移動する恐れがある。このような場合、2つの玉軸受93,94、カラー70及び回転軸13が一体化されているので、フロント側玉軸受94の前側への移動に伴い、リヤ側玉軸受93も前方へ移動する。
すると、軸受ホルダ60の凸部64に、リヤ側玉軸受93の外輪93bが当接する。これにより、リヤ側玉軸受93の前方への移動が規制される。これに伴って、フロント側玉軸受94、カラー70及び回転軸13の前方への移動が規制される。このため、抜け荷重以上の想定外の荷重がかかる等により、軸受ホルダ60から2つの玉軸受93,94やロータ14が脱落してしまうのが防止される。
(効果)
したがって、上述の第1実施形態によれば、軸受ホルダ60の内周面に凸部64を形成することにより、簡素な構造で、軸受ホルダ60に対する2つの玉軸受93,94の移動を確実に規制することができる。また、軸受ホルダ60に回転軸13を固定する際、回転軸13の雄ネジ部(不図示)にナット97を締め込むことにより生じる荷重は、各玉軸受93,94の内輪93a,94aにかかり、各玉軸受93,94の外輪93b,94bにかかることがないので、2つの玉軸受93,94の内輪93a,94aと外輪93b,94bとに、それぞれ逆方向の力が加わることを防止できる。
よって、2つの玉軸受93,94の機能を損なうことを防止しつつ、2つの玉軸受93,94及び回転軸13の抜け止めを確実に行なうことが可能になる。
また、凸部64の縮径円筒部61aからの突出高さH1が、リヤ側玉軸受93の外輪93bのみに接触する高さに設定されている。このため、リヤ側玉軸受93と凸部64との間で生じる摺動摩擦抵抗により、内輪93aと外輪93bとがそれぞれ別個に回転しにくくなってしまうことを防止できる。よって、リヤ側玉軸受93の機能が損なわれてしまうことを確実に防止できる。
さらに、凸部64を、軸受ホルダ60の縮径円筒部61aの一部のみに形成することにより、最小限の突起で効率よく、軸受ホルダ60に対する2つの玉軸受93,94の移動を規制することができる。また、縮径円筒部61aの内周面に、全周に渡って凸部64を形成する場合と比較して、縮径円筒部61aの真円度が悪化してしまうことを防止できる。このため、軸受ホルダ60の製造コストの増大を防止することができる。
そして、2つの玉軸受93,94の間に、凸部64が形成されているので、軸受ホルダ60内のデッドスペースを有効利用して2つの玉軸受93,94の移動を規制することができる。つまり、2つの玉軸受93,94の移動を規制するために凸部64を形成しても、軸受ホルダ60の軸長が長くなってしまうことを防止できる。
また、カラー70の全長をL1とし、拡径円筒部61bに圧入されているフロント側玉軸受94と、縮径円筒部61aに形成されている凸部64のリヤ側玉軸受93側の端面64aとの間の距離をL2としたとき、全長L1と距離L2は、式(1)を満たすように設定されている。このため、回転軸13の雄ネジ部(不図示)にナット97を締め込む際、リヤ側玉軸受93の内輪93aにカラー70が当接するよりも先に外輪93bと凸部64とが当接してしまうことを防止できる。
ここで、リヤ側玉軸受93の内輪93aにカラー70が当接するよりも先に外輪93bと凸部64とが当接してしまうと、内輪93aには、ナット97によって前方側に押圧される荷重がかかる。一方、外輪93bには、凸部64に当接することによって後方側に押圧される荷重がかかる。
すなわち、リヤ側玉軸受93の内輪93aにカラー70が当接するよりも先に外輪93bと凸部64とが当接してしまうことを防止できることにより、リヤ側玉軸受93の内輪93aと外輪93bとに、それぞれ逆方向の力が加わることを防止できる。このため、リヤ側玉軸受93の機能を損なうことを確実に防止し、且つ凸部64を形成するだけという簡素な構造で、軸受ホルダ60に対するリヤ側玉軸受93、フロント側玉軸受94及び回転軸13の抜け止めを確実に行うことができる。
また、軸受ホルダ60に内嵌される2つの玉軸受93,94のうち、リヤ側玉軸受93を、縮径円筒部61aに対して挿入とする一方、フロント側玉軸受94を、拡径円筒部61bに対して圧入としている。ここで、挿入とされる縮径円筒部61aの真円度等の寸法管理は、圧入とされる拡径円筒部61bの真円度等の寸法管理よりも緩やかになる。
すなわち、2つの玉軸受93,94を、何れも軸受ホルダ60に対して圧入とせず、フロント側玉軸受94のみを圧入とすることにより、軸受ホルダ60の製造コストを低減することが可能になる。また、フロント側玉軸受94のみを圧入すればよいので、2つの玉軸受93,94の両方を圧入する場合と比較して組み付け作業性を向上させることができる。
さらに、軸受ホルダ60の縮径円筒部61aにリヤ側玉軸受93を挿入とすることに加え、このリヤ側玉軸受93を縮径円筒部61aに組み付けるにあたって、縮径円筒部61aにリヤ側玉軸受93を挿入した後、ウェーブワッシャ95を挿入している。そして、その上からウェーブワッシャサポート96を縮径円筒部61aに圧入し、リヤ側玉軸受93に与圧をかけている。このため、軸受ホルダ60、2つの玉軸受93,94及びカラー70の寸法バラツキを吸収しつつ、リヤ側玉軸受93に適正な与圧をかけることにより、各玉軸受の転走面(ボール部材の摺動)を安定させることができる。この結果、ファンモータ1の寿命を延命化させることができる。
尚、軸受ホルダ60に2つの玉軸受93,94の何れも圧入としてしまう場合、僅かなガタによる振動や、継時劣化等による軸受ホルダ60の剛性低下により、各玉軸受93,94の転走面を安定させることが困難になってしまう。このため、効果的にファンモータ1の寿命を延命化させることが困難になってしまう。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図3は、第2実施形態における軸受ホルダの縦断面図であって、図2に対応している。
この第2実施形態において、ファンモータ1は、車両のラジエータ冷却用として用いられ、図示しないラジエータの車体後方側に設置される点、ファンモータ1は、駆動部である電動モータ2と、電動モータ2によって回転駆動されるファン本体3とを備えている点は、前述の第1実施形態と同様である。
また、電動モータ2は、所謂アウタロータ型のブラシレスモータであって、ステータ11と、ブラケット12と、ロータ14と、制御ユニット15とを備えている点、ロータ14の回転軸13が前後方向に沿うように車体(不図示)に配置されている点も、前述の第1実施形態と同様である。
さらに、ブラケット12のボス部50内嵌された軸受ホルダ160に、ロータ14の回転軸13が回転自在に支持されている点も、前述の第1実施形態と同様である。また、軸受ホルダ160は、金属板に深絞り加工を施したものであって、2段の段付き形状に形成された段付円筒部61と、段付円筒部61の前端に屈曲形成された外フランジ部62とにより構成されている点も、前述の第1実施形態と同様である。
(軸受ホルダ)
ここで、前述の第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態では、軸受ホルダ60の内周面に凸部64が形成されているのに対し、第2実施形態では、軸受ホルダ160に凸部64に代わって切起し部164が形成されている点にある。
図3に示すように、切起し部164は、縮径円筒部61aの下方の段差部61c寄りに水抜き孔165を形成する際、縮径円筒部61aの一部を径方向内向きに切起すことにより形成される金属片である。
ここで、切起し部164の縮径円筒部61aからの突出高さH2は、リヤ側玉軸受93の外輪93bのみに接触する高さに設定されている。
また、軸受ホルダ60に圧入されているフロント側玉軸受94と、切起し部164のリヤ側玉軸受93側の端面164aとの間の距離をL3としたとき、カラー70の全長L1と距離L3は、
L1>L3・・・(2)
を満たすように設定されている。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、水抜き孔165を形成する際に切起された切起し部164を利用し、製造工数を増大させることなく、2つの玉軸受93,94の移動を確実に規制しつつ、2つの玉軸受93,94の機能を損なうことを防止できる。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の第1実施形態では、リヤ側玉軸受93の軸受ホルダ60に対する移動を規制するために、縮径円筒部61aの2つの玉軸受93,94の間に、凸部64を形成した場合について説明した。また、上述の第2実施形態では、リヤ側玉軸受93の軸受ホルダ160に対する移動を規制するために、縮径円筒部61aの2つの玉軸受93,94の間に、切起し部164を形成した場合について説明した。
しかしながら、これらに限られるものではなく、軸受ホルダ60,160に、2つの玉軸受93,94のうち、少なくとも何れか一方の移動を規制するものが形成されていればよい。
より具体的には、例えば、以下のような構成が挙げられる。
(1)縮径円筒部61aの内周面に、全周に渡って凸部64を形成する。
(2)軸受ホルダ60に、水抜き孔65をプレス加工により形成し、この際に水抜き孔65の開口周縁に形成されるバリを、リヤ側玉軸受93の軸受ホルダ60に対する移動を規制するものとして利用する。
(3)軸受ホルダ60,160の内周面に、凸部や円環状のリングを別途取付け、これら凸部や円環状のリングを、2つの玉軸受93,94の軸受ホルダ60,160に対する移動を規制するものとして利用する。
(4)縮径円筒部61aの2つの玉軸受93,94の間に、凸部64や切起し部164を形成せずに、拡径円筒部61bのフロント側玉軸受94よりも前側、つまり、拡径円筒部61bと外フランジ部62との接続部分に、凸部64や切起し部164を形成する。
また、上述の実施形態では、ファンモータ1として利用される電動モータ2の軸受ホルダ60,160に、リヤ側玉軸受93の移動を規制する凸部64や切起し部164を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、軸受ホルダ60,160を用いて2つの玉軸受93,94を支持する構造のさまざまな電動モータに、玉軸受93,94の移動を規制するための凸部64や切起し部164等を採用することが可能である。
1 ファンモータ
2 電動モータ
3 ファン本体
10 コイル
11 ステータ
13 回転軸
14 ロータ
28 ロータヨーク
30 マグネット(磁極)
35 ファンブレード
60,160 軸受ホルダ
64 凸部
65,165 水抜き孔
70 カラー(スペーサ部材)
71 保持部
93 リヤ側玉軸受(玉軸受:第2玉軸受)
94 フロント側玉軸受(玉軸受:第1玉軸受)
164 切起し部

Claims (11)

  1. 複数のティース部にそれぞれコイルが巻装されているステータと、
    前記ステータの径方向中央に固定され、2つの玉軸受が内嵌されている軸受ホルダと、
    前記2つの玉軸受を介し、前記ステータに対して回転自在に支持されている回転軸と、
    前記回転軸に設けられ、前記ステータを覆うように形成されたロータヨークと、
    前記ロータヨークに、前記ステータと対向するように配置された複数の磁極とを備えた電動モータであって、
    前記軸受ホルダに、前記2つの玉軸受の相対位置を保持する保持部を設けると共に、前記2つの玉軸受の少なくとも一方の前記軸受けホルダに対する移動を規制する規制部を設けたことを特徴とする電動モータ。
  2. 前記規制部は、前記軸受ホルダの内周面に突出形成された凸部であることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
  3. 前記軸受ホルダは、金属板を筒状に形成してなり、
    前記規制部は、前記軸受ホルダの周壁の一部を径方向内側に切起して形成された切起し部であることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
  4. 前記規制部は、前記2つの玉軸受の内輪に接触しないように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電動モータ。
  5. 前記規制部は、前記軸受ホルダの内周面の一部に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電動モータ。
  6. 前記規制部は、前記2つの玉軸受の間に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電動モータ。
  7. 前記2つの玉軸受のうちの第1玉軸受を、前記軸受ホルダに圧入固定とする一方、前記2つの玉軸受のうちの第2玉軸受を、前記軸受ホルダに挿入とし、
    前記保持部は、前記回転軸に外嵌され、前記2つの玉軸受の各内輪の間に配置される筒状のスペーサ部材であり、
    前記スペーサ部材の軸方向の長さを、前記第1玉軸受と、前記規制部の前記第2玉軸受側の端面との間の距離よりも長く設定したことを特徴とする請求項6に記載の電動モータ。
  8. 電動モータと、
    前記電動モータに取り付けられ、前記電動モータの回転に伴って回転するファンブレードとを備え、
    前記電動モータは、
    複数のティース部にそれぞれコイルが巻装されているステータと、
    前記ステータの径方向中央に固定され、2つの玉軸受が内嵌されている軸受ホルダと、
    前記2つの玉軸受を介し、前記ステータに対して回転自在に支持されている回転軸と、
    前記回転軸に設けられ、前記ステータを覆うように形成されたロータヨークと、
    前記ロータヨークに、前記ステータと対向するように配置された複数の磁極とを備え、
    前記回転軸が水平方向に沿うように配置され、
    前記軸受ホルダは、金属板を筒状に形成してなるファンモータであって、
    前記軸受ホルダに、前記2つの玉軸受の相対位置を保持する保持部を設けると共に、周壁の一部に水抜き孔を形成し、
    前記水抜き孔を形成する際に径方向内側に切起された切起し部を、前記2つの玉軸受の少なくとも一方の前記軸受けホルダに対する移動を規制する規制部として構成したことを特徴とするファンモータ。
  9. 前記切起し部は、前記2つの玉軸受の内輪に接触しないように形成されていることを特徴とする請求項8に記載のファンモータ。
  10. 前記切起し部は、前記2つの玉軸受の間に設けられていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のファンモータ。
  11. 前記2つの玉軸受のうちの第1玉軸受を、前記軸受ホルダに圧入固定とする一方、前記2つの玉軸受のうちの第2玉軸受を、前記軸受ホルダに挿入とし、
    前記保持部は、前記回転軸に外嵌され、前記2つの玉軸受の各内輪の間に配置される筒状のスペーサ部材であり、
    前記スペーサ部材の軸方向の長さを、前記第1玉軸受と、前記切起し部の前記第2玉軸受側の端面との間の距離よりも長く設定したことを特徴とする請求項10に記載のファンモータ。
JP2012261911A 2012-11-30 2012-11-30 電動モータ及びファンモータ Active JP6007084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012261911A JP6007084B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 電動モータ及びファンモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012261911A JP6007084B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 電動モータ及びファンモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014108030A true JP2014108030A (ja) 2014-06-09
JP6007084B2 JP6007084B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=51029069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012261911A Active JP6007084B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 電動モータ及びファンモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6007084B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016167942A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 アスモ株式会社 ブラシレスモータ
WO2016203929A1 (ja) * 2015-06-17 2016-12-22 株式会社ミツバ 車両用電動モータ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60111351U (ja) * 1983-12-28 1985-07-27 松下電器産業株式会社 小型電動機
JPH1056753A (ja) * 1996-08-08 1998-02-24 Mitsuba Corp 電動モータのアーマチュアシャフト軸支構造
JP2001157407A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Tokyo Parts Ind Co Ltd ヘリコイド方式の予圧調節機構を備えた小型モータ
JP2002199692A (ja) * 2000-12-27 2002-07-12 Minebea Co Ltd ステッピングモータ及び、ステッピングモータ装置とその駆動方法
JP2010041854A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Mitsuba Corp 電動モータ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60111351U (ja) * 1983-12-28 1985-07-27 松下電器産業株式会社 小型電動機
JPH1056753A (ja) * 1996-08-08 1998-02-24 Mitsuba Corp 電動モータのアーマチュアシャフト軸支構造
JP2001157407A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Tokyo Parts Ind Co Ltd ヘリコイド方式の予圧調節機構を備えた小型モータ
JP2002199692A (ja) * 2000-12-27 2002-07-12 Minebea Co Ltd ステッピングモータ及び、ステッピングモータ装置とその駆動方法
JP2010041854A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Mitsuba Corp 電動モータ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016167942A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 アスモ株式会社 ブラシレスモータ
CN105978211A (zh) * 2015-03-10 2016-09-28 阿斯莫株式会社 无刷电动机
CN105978211B (zh) * 2015-03-10 2019-10-01 株式会社电装 无刷电动机
WO2016203929A1 (ja) * 2015-06-17 2016-12-22 株式会社ミツバ 車両用電動モータ
JP2017011791A (ja) * 2015-06-17 2017-01-12 株式会社ミツバ 車両用電動モータ
CN107210642A (zh) * 2015-06-17 2017-09-26 株式会社美姿把 车用电动机
CN107210642B (zh) * 2015-06-17 2019-02-15 株式会社美姿把 车用电动机
US10720811B2 (en) 2015-06-17 2020-07-21 Mitsuba Corporation Electric motor for vehicle, electric motor bearing holder tube part with water drain structure concave recessed parts

Also Published As

Publication number Publication date
JP6007084B2 (ja) 2016-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080247689A1 (en) Motor
US20100148602A1 (en) Oil retainer cooling assembly for an electric motor
JP2024003017A (ja) アウタロータ型モータ
JP6007084B2 (ja) 電動モータ及びファンモータ
JP5913028B2 (ja) 電動ポンプ
JP2007143379A (ja) ブラシレスモータ
KR101519205B1 (ko) 캔드 모터 펌프
JP6964135B2 (ja) 電動機及び電動機の組立方法
JPWO2018087887A1 (ja) 回転電機の固定子およびその製造方法
JP5155632B2 (ja) ブラシレスモータ
JP5824019B2 (ja) 回転電機
JP2016131445A (ja) モータ装置
WO2018066109A1 (ja) アウターローター型回転電機
JP2008106632A (ja) 二輪車用スタータモータ
KR20170098906A (ko) 드럼 세탁기
JP2014126048A (ja) ギア及び該ギアを用いた電動機
JP2009183058A (ja) ステータコアの固定方法、及びブラシレスモータ
JP5796376B2 (ja) 電動モータのロータ
JP2008043157A (ja) インナーロータおよびインナーロータを備えた発電機
JPWO2019111879A1 (ja) モータ付きギアシステム
JP2006010000A (ja) 締結構造
JP2005218169A (ja) 電動モータ
CN111162622B (zh) 旋转电机及旋转电机的制造方法
JP2014087231A (ja) 回転電機
JP2007247456A (ja) 燃料ポンプおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6007084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150