JP2014105544A - 制振構造 - Google Patents

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雅人 小山
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Abstract

【課題】振動に応じてオイルダンパを効果的に伸縮させることができ、振動の減衰効果を高めることができる制振構造を提供する。
【解決手段】制振構造1では、層間変形に伴って、上部梁2及び上部支持体7が下部梁3及び下部支持体8に対して水平方向に移動し、これに伴いオイルダンパ30が上部支持体7および下部支持体8の間で伸縮する。オイルダンパ30の伸縮により、層間変形によって生じた力を確実にオイルダンパ30に伝達する。これにより、振動に応じてオイルダンパ30を効果的に伸縮させ、振動の減衰効果を高める。
【選択図】図1

Description

本発明は、梁と柱とを備える建物の制振構造に関する。
従来、制振構造については数多くの研究開発がなされており、特に、オイルダンパを用いた制振構造が公知となっている。特許文献1には、逆V字形状あるいはV字形状を成すブレースの先端部分と梁との間にオイルダンパが介装された構造物の制振構造が開示されている。
特開平5−311920号公報
ところで、特許文献1のようにブレースと梁との間にオイルダンパを介装する場合、オイルダンパのストローク伸縮量を確保して振動の減衰効果を発揮させるためには、ブレースの幅を大きくして剛性を高めるとともに、制振構造を導入するための広い空間が必要となり開口部の設置位置に制約が生じるという問題があった。このように、オイルダンパを介装した制振構造を導入するには種々の制約が生じるため、オイルダンパを導入してもそのストローク伸縮量を確保できず、振動の減衰効果を十分に発揮できていないという課題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、振動に応じてオイルダンパを効果的に伸縮させることができ、振動の減衰効果を高めることができる制振構造を提供することを目的とする。
本発明の制振構造は、上部梁と、下部梁と、上部梁と下部梁との間に立設された2本の柱と、2本の柱それぞれの上端寄りの位置に接合され、当該接合箇所から垂下する上部支持体と、2本の柱それぞれの下端寄りの位置に接合され、当該接合箇所から起立すると共に高さ方向の所定領域において上部支持体に対向する下部支持体と、所定領域に配置されると共に上部支持体および下部支持体に接合され、層間変形に伴って上部支持体および下部支持体の間で伸縮するオイルダンパと、を備える。
この制振構造によれば、層間変形に伴って、上部梁及び上部支持体が下部梁及び下部支持体に対して水平方向に移動し、これに伴いオイルダンパが上部支持体および下部支持体の間で伸縮する。よって、層間変形によって生じた力を確実にオイルダンパに伝達させることができる。したがって、変位に応じてオイルダンパを効果的に伸縮させることができ、振動の減衰効果を高めることができる。
本発明の制振構造は、上部支持体または下部支持体に接合され、上部梁の延在方向と直交する水平方向の両側からオイルダンパを覆うカバー部材を有する。この構成によれば、層間変形が生じ、オイルダンパが縮退する方向に力が作用した場合、オイルダンパは少なくとも一方のカバー部材に接触するので、オイルダンパの面外方向へのぶれを規制することができ、オイルダンパをスムーズに縮退させることができる。
本発明の制振構造は、上部支持体に接合されたカバー部材である上部カバー部材と、下部支持体に接合されたカバー部材である下部カバー部材とを有する。この構成によれば、上部支持体には上部カバー部材が接合され、下部支持体には下部カバー部材が接合されるため、サイドカバーの上部支持体からの持ち出し長さ、および、サイドカバーの下部支持体からの持ち出し長さを小さくすることができ、オイルダンパの面外方向へのぶれを一層効果的に規制することができる。
本発明の制振構造において、上部カバー部材および下部カバー部材は、上部梁の延在方向と直交する水平方向において互いに重なる重なり部分を有する。この構成によれば、上部カバー部材および下部カバー部材は、重なり部分において互いに重なるため、オイルダンパが縮退する方向に力が作用した際の、オイルダンパからの反力による上部支持体および下部支持体の先端部分(自由端側)の面外方向へのぶれが規制される。これに伴って、オイルダンパの面外方向へのぶれも規制され、オイルダンパをスムーズに縮退させることができる。
上部支持体及び下部支持体は、柱に接合するためのクサビ部を備え、柱は、上部支持体及び下部支持体に接合するためのクサビ受け部を備え、クサビ部及びクサビ受け部は、水平方向に対して傾斜して形成される勾配面をそれぞれ有し、上部支持体及び下部支持体が2本の柱のそれぞれに接合されるとき、クサビ部の勾配面とクサビ受け部の勾配面とが当接する。この構成によれば、上部支持体及び下部支持体側のクサビ部の勾配面と、柱側のクサビ受け部の勾配面とが当接することにより、層間変形が生じた場合における上部支持体及び下部支持体と柱との接合部の滑りが抑制されることとなり、より一層効果的にオイルダンパを伸縮させることができる。
本発明によれば、振動に応じてオイルダンパを効果的に伸縮させることができ、振動の減衰効果を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る制振構造の正面図である。 図1中の柱及び上部支持体の接合部分を示す断面図である。 図1中のオイルダンパ付近を拡大して示す正面図である。 (a)は図5のIVA−IVA線断面図であり、(b)は図5のIVB−IVB線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る制振構造の正面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、第1実施形態の制振構造1は、鉄骨造の軸組を有する建物に用いられる構造である。この建物は、鉄骨柱である柱4,6と、鉄骨梁である上部梁2及び下部梁3とを接合して構成された軸組を有する多層建物である。図示しない柱に架け渡された上部梁2及び下部梁3によってALC(軽量気泡コンクリート)パネルからなる床が支持されており、各階層は下階の床と上階の床とによって挟まれた領域に形成される。
制振構造1は、たとえば地震などにより建物に振動が発生し、水平方向の変位である層間変形が生じた場合に、振動を効果的に減衰させるためのものである。制振構造1は、建物の複数階のそれぞれに設けられている。以下の説明では、一つの階層を例として、制振構造1について説明する。なお、制振構造1が1階部分に設けられる場合には、下部梁3は、鉄筋コンクリート製の基礎梁となる。
制振構造1は、水平方向に延びる上部梁2および下部梁3と、上部梁2および下部梁3の間に立設された2本の柱4,6と、2本の柱4,6の間に設けられた上部支持体7および下部支持体8とを備える。上部梁2および下部梁3は、H形鋼などからなる。上部梁2および下部梁3は、対向するようにして互いに平行に延在する。
柱4,6の下端部は、下部梁3の上面3aにボルト接合されている。これにより、柱4,6は、下部梁3に立設されている。柱4,6のそれぞれは、角形鋼管からなる柱本体4a,6aと、柱本体4a,6aの下端に溶接されたジョイントボックス4b,6bと、柱本体4a,6aの上端に形成された円柱状の突出部4c,6cとを有する。上部梁2の下フランジ2aには、柱4,6の直上位置において、ジョイントボックス13,14がボルト接合により取り付けられている。突出部4c,6cのそれぞれは、ジョイントボックス13,14に形成された嵌入孔に嵌入されている。突出部4c,6cとジョイントボックス13,14との間には、若干の隙間が形成されている。
上記構成により、柱4,6の上端部は、上部梁2に対して鉛直ローラー接合されている。鉛直ローラー接合とは、上下方向の力は伝達しないが、水平方向の力は伝達する接合構造である。すなわち、柱4,6のそれぞれには、上部梁2から上下方向の力が伝達されず、水平方向の力のみが伝達される構造となっている。なお、柱4,6が鉛直ローラー接合される場合に限られず、柱4および柱6の少なくとも一方が、上部梁2に対して、上下方向の力が伝達されるようにボルト接合されてもよい。その場合、上部梁2からの荷重は、柱4および柱6の少なくとも一方により支持され、下部梁3に伝達される。
上部支持体7は、柱本体4a,6a(柱4,6)の上端寄りの位置に接合され、その接合箇所から垂下している。上部支持体7は、柱本体4a,6a間で水平方向に延在する上部横架材10と、上部横架材10の延在方向の両端部70,70(図1の左右の端部)を柱本体4a,6aに接合する接合部42,41と、上部横架材10の下端に接合されて垂下する縦材12,15と、縦材12,15の間に設けられた連結板17とを備える。
上部横架材10は、上部梁2と平行に延在しており、たとえばH形鋼およびこれに溶接された補剛用の鋼板からなる。上部横架材10の両端部70には、柱本体4a,6aに対面する鋼板製の端板70aが設けられる。
図2に示されるように、接合部41は、上部横架材10の端部70を柱本体6aにボルト接合するためのボルト71と、端部70に形成された一対のクサビ部72,72と、柱本体6aの表面から突出してクサビ部72,72を受け入れる一対のクサビ受け部73,73と、柱本体6aの内面側に配置され、ボルト71に螺合するタップ孔が形成された裏当て板74と、を備えている。
上部横架材10の端部70に設けられた端板70aには、ボルト71が挿通される孔70bが形成されている。クサビ部72,72は、孔70bを挟むようにして上下に設けられており、端部70に対面する柱本体6aの表面には、クサビ部72,72に対応して上下一対のクサビ受け部73,73が設けられている。柱本体6aには、一対のクサビ受け部73,73で挟まれた部位にボルト71が挿通する孔71aが形成されており、その裏側には裏当て板74が納められている。
端板70a側のクサビ部72と柱本体6a側のクサビ受け部73とには、それぞれ、水平方向に対して傾斜する勾配面72a,73aが形成されている。これらの勾配面72a,73a同士が、ボルト71の螺合によって摺接し、クサビ部72がクサビ受け部73に嵌り込み、強固に固定される。
図1に示されるように、接合部42は、接合の対象が柱4となる以外は接合部41と同様の要素や部材を備えており、同様の要素や部材には接合部41と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
上部横架材10の下端に接合された縦材12および縦材15は、上部横架材10の延在方向(上部梁2の延在方向)に所定の間隔を有し、互いに平行に配置されている。縦材12,15は、たとえば溝形鋼からなる。縦材12,15の上端は、上部横架材10の下端に溶接されている。本実施形態では、一方(図示左側)の縦材15よりも他方(図示右側)の縦材12の方が長い。
連結板17は、縦材12,15同士を連結する。連結板17の両端縁(図1の左右の端縁)は、縦材12および縦材15の互いに対向する側面に沿って溶接されている。連結板17の上下方向の長さは、縦材15の長さに略等しい。よって、上記の縦材12は、縦材15および連結板17の下端から下方に延出している。なお、連結板17には、軽量化のための円形の孔が多数形成されている。
下部支持体8は、柱本体4a,6a(柱4,6)の下端寄りの位置に接合され、その接合箇所から起立している。下部支持体8は、柱本体4a,6a間で水平方向に延在する下部横架材11と、下部横架材11の延在方向の両端部70,70(図1の左右の端部)を柱本体4a,6aに接合する接合部44,43と、下部横架材11の上端に接合されて起立する縦材22,25と、縦材22,25の間に設けられた連結板27とを備える。
下部横架材11は、下部梁3と平行に延在しており、たとえばH形鋼およびこれに溶接された鋼板からなる。下部横架材11の両端部70には、柱本体4a,6aに対面する鋼板製の端板70aが設けられる。
接合部43,44は、上述した接合部41,42と同様の要素や部材を備えており、同様の要素や部材には接合部41,42と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
上記のような接合部41〜44を採用することにより、柱4、柱6、上部支持体7、および下部支持体8をそれぞれ別体として現場に搬入することができる。よって、各パーツが小さくなり、搬入しやすい。さらには、現場での組立ても容易である。
下部横架材11の上端に接合された縦材22および縦材25は、下部横架材11の延在方向(下部梁3の延在方向)に所定の間隔を有し、互いに平行に配置されている。縦材22,25は、たとえば溝形鋼からなる。縦材22,25の下端は、下部横架材11の上端に溶接されている。本実施形態では、一方(図示右側)の縦材22よりも他方(図示左側)の縦材25の方が長い。
連結板27は、縦材22,25同士を連結する。連結板27の両端縁(図1の左右の端縁)は、縦材22および縦材25の互いに対向する側面に沿って溶接されている。連結板27の上下方向の長さは、縦材22の長さに略等しい。よって、上記の縦材25は、縦材22および連結板27の上端から上方に延出している。縦材25と、上記した上部支持体7の縦材12とは、上部梁2および下部梁3の延在方向において対向している。なお、連結板27には、軽量化のための円形の孔が多数形成されている。
上部支持体7と下部支持体8とは、形状や寸法が全く同一であり、同一構面内において互いに180度回転対称の関係となるように取り付けられている。
上記の構成を有する上部支持体7および下部支持体8では、高さ方向の所定領域A(図3参照)において、下部支持体8の縦材25の端縁は、上部支持体7の縦材12の端縁に対向している。すなわち、上部支持体7および下部支持体8は、高さ方向の所定領域Aにおいて互いに対向している。言い換えれば、上部支持体7および下部支持体8は、上部梁2および下部梁3の延在方向に対向している。以下の説明において、この所定領域Aをオーバーラップ領域Aという。
本実施形態の制振構造1は、4本のオイルダンパ30a〜30d(図3参照)から構成されるオイルダンパ30と、上部支持体7に接合されてオイルダンパ30を覆う2枚のサイドカバー(上部カバー部材)16と、下部支持体8に接合されてオイルダンパ30を覆う2枚のサイドカバー(下部カバー部材)26とを備える。
上部支持体7および下部支持体8は、略水平方向に沿って配置された4本のオイルダンパ30a〜30dによって、互いに連結されている。言い換えれば、上部支持体7および下部支持体8は、オイルダンパ30a〜30dを支持している。オイルダンパ30は、オーバーラップ領域Aに配置されている。オイルダンパ30は、縦材12の下端部であるダンパ取付部分31および縦材25の上端部であるダンパ取付部分32に接合されている。ダンパ取付部分31およびダンパ取付部分32は、略等しい高さに位置する。
図4(a)に示されるように、オイルダンパ30は、シリンダ部等を含む固定部36が縦材12に接合され、ロッド部等を含む伸縮部37が縦材25に接合されている。オイルダンパ30を構成する各オイルダンパ30a〜30dは、層間変形に伴って、上部支持体7および下部支持体8の間で略水平方向に伸縮する。
図1に示されるように、上部梁2と上部支持体7のダンパ取付部分31との距離は、下部梁3と下部支持体8のダンパ取付部分32との距離と略等しくされている。すなわち、オイルダンパ30は、上部梁2と下部梁3との中間位置に設けられている。
図3に示されるように、本実施形態におけるオーバーラップ領域Aの大部分は、ダンパ取付部分31およびダンパ取付部分32が形成される領域に重複している。したがって、オーバーラップ領域Aも、上部梁2と下部梁3との中間位置に設けられている。
2枚のサイドカバー16は、上部支持体7の下端部において、上部梁2の延在方向と直交する水平方向(図1の紙面垂直方向;以下、面外方向という)から見て重なるようにして設けられている。2枚のサイドカバー16は、縦材12および縦材15の両側面に溶接されて、互いに所定の間隔を有して対面している。サイドカバー16には、軽量化のための円形の孔が多数形成されてもよい。
2枚のサイドカバー26は、下部支持体8の上端部において、面外方向から見て重なるようにして設けられている。2枚のサイドカバー26は、縦材22および縦材25の両側面に溶接されて、互いに所定の間隔を有して対面している。サイドカバー26には、軽量化のための円形の孔が多数形成されてもよい。
このように、縦材12は、上部支持体7に対するオイルダンパ30の取り付け機能と、サイドカバー16の取り付け機能とを兼ね、縦材25は、下支持体8に対するオイルダンパ30の取り付け機能と、サイドカバー26の取り付け機能とを兼ねている。
図4(a)は、図1のIVA−IVA線断面図である。図4(a)に示されるように、2枚のサイドカバー16は、面外方向の両側からオイルダンパ30を覆っている。2枚のサイドカバー26は、面外方向の両側からオイルダンパ30を覆っている。サイドカバー26が接合される縦材25の幅は、サイドカバー16が接合される縦材12の幅よりも小さくなっている。
図3に示されるように、サイドカバー16には、斜辺部16aが形成されている。サイドカバー26には、斜辺部26aが形成されている。サイドカバー16およびサイドカバー26のそれぞれは、面外方向において互いに重なる重なり部分16bおよび重なり部分26bを有している(図4(a)も参照)。重なり部分16bは、斜辺部16aにそって形成される。重なり部分26bは、斜辺部26aに沿って形成される。重なり部分16bと重なり部分26bとの間には、僅かな隙間が形成されている。
次に、制振構造1に層間変形が加えられたときの動作について説明する。たとえば、上部梁2に、図1の右方向への力が加えられると、上部梁2が下部梁3に対して右側に移動する。これに伴い、鉛直ローラー接合された2本の柱4,6が右側に傾き、上部支持体7が下部支持体8に対して右側に平行移動する。このとき、オイルダンパ30(各オイルダンパ30a〜30d)が上部梁2の移動分だけ伸長する。また、上部梁2に、図1の左方向への力が加えられると、上部梁2が下部梁3に対して左側に移動する。これに伴い、鉛直ローラー接合された2本の柱4,6が左側に傾き、上部支持体7が下部支持体8に対して左側に平行移動する。このとき、オイルダンパ30(各オイルダンパ30a〜30d)が上部梁2の移動分だけ縮退する。地震時には、このような動作の繰り返しによりエネルギーが吸収され、振動が減衰される。
本実施形態の制振構造1によれば、層間変形に伴って、上部梁2及び上部支持体7が下部梁3及び下部支持体8に対して水平方向に移動し、これに伴いオイルダンパ30が上部支持体7および下部支持体8の間で伸縮する。よって、層間変形によって生じた力を確実にオイルダンパ30に伝達させることができる。したがって、変位に応じてオイルダンパ30を効果的に伸縮させることができ、振動の減衰効果を高めることができる。
また、層間変形が生じ、オイルダンパ30が縮退する方向に力が作用した場合、オイルダンパ30はカバー部材16またはカバー部材26に接触するので、オイルダンパ30の面外方向へのぶれを規制することができ、オイルダンパ30をスムーズに縮退させることができる。
また、上部支持体7にはサイドカバー16が接合され、下部支持体17にはサイドカバー26がそれぞれ接合されるため、すなわち、カバー部材が2つの部材に分かれるため、サイドカバー16の上部支持体7からの持ち出し長さ、および、サイドカバー26の下部支持体17からの持ち出し長さを小さくすることができ、オイルダンパ30の面外方向へのぶれを一層効果的に規制することができる。
また、サイドカバー16およびサイドカバー26は、重なり部分16b,26bにおいて互いに重なるため、オイルダンパ30が縮退する方向に力が作用した際の、オイルダンパ30からの反力による上部支持体7および下部支持体17の先端部分(自由端側)の面外方向へのぶれが規制される。これに伴って、オイルダンパ30の面外方向へのぶれも規制され、オイルダンパ30をスムーズに縮退させることができる。
また、制振構造1では、上部支持体7および下部支持体8が2本の柱4,6の各々に接合されるとき、上部横架材10側のクサビ部72の勾配面72aと柱6側のクサビ受け部73の勾配面73aとが当接するようになっている(図2参照)。このような構成とすることにより、層間変形が生じた場合における上部支持体7と柱6との接合部の滑りが抑制されることとなり、より一層効果的にオイルダンパ30を伸縮させることができる。なお、上部支持体7と柱4との関係、上部横架材10と柱6との関係、下部支持体8と柱4との関係においても同様である。
図5は、第2実施形態に係る制振構造1Aの正面図である。図5に示す制振構造1Aが図1および図2に示した制振構造1と違う点は、重なり部分16bおよび重なり部分26bを有するサイドカバー16およびサイドカバー26に代えて、重なり部分を有しないサイドカバー16Aおよびサイドカバー26Aを用いた点である。この場合、サイドカバー16Aの斜辺部16aとサイドカバー26の斜辺部26aとの間には隙間29が形成される(図4(b)も参照)。
このような制振構造1Aによっても、層間変形によって生じた力を確実にオイルダンパ30に伝達させることができる。さらに、サイドカバー16Aおよびサイドカバー26Aによって、オイルダンパ30の面外方向へのぶれが効果的に規制される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。オーバーラップ領域Aの大部分が、ダンパ取付部分31およびダンパ取付部分32が形成される領域に重複している場合に限られず、オーバーラップ領域Aのごく一部分が、ダンパ取付部分31およびダンパ取付部分32が形成される領域に重複していてもよい。オイルダンパ30a〜30dは、略水平方向以外の方向に配置されてもよい。オイルダンパの本数は1本であってもよいし、4本以外の複数本であってもよい。オイルダンパ30は、上部梁2と下部梁3との中間位置ではなく、上部梁2寄りまたは下部梁3寄りに設けられてもよい。サイドカバー16およびサイドカバー26を省略してもよい。
1,1A…制振構造、2…上部梁、3…下部梁、4,6…柱(2本の柱)、7…上部支持体、8…下部支持体、30…オイルダンパ、16,16A…サイドカバー(上部カバー部材)、16b…重なり部分、26,26A…サイドカバー(下部カバー部材)、26b…重なり部分、72…クサビ部、73…クサビ受け部、72a,73a…勾配面(水平方向に対して傾斜して形成される勾配面)。

Claims (5)

  1. 上部梁と、
    下部梁と、
    前記上部梁と前記下部梁との間に立設された2本の柱と、
    前記2本の柱それぞれの上端寄りの位置に接合され、当該接合箇所から垂下する上部支持体と、
    前記2本の柱それぞれの下端寄りの位置に接合され、当該接合箇所から起立すると共に高さ方向の所定領域において前記上部支持体に対向する下部支持体と、
    前記所定領域に配置されると共に前記上部支持体および前記下部支持体に接合され、層間変形に伴って前記上部支持体および前記下部支持体の間で伸縮するオイルダンパと、
    を備えることを特徴とする制振構造。
  2. 前記上部支持体または前記下部支持体に接合され、前記上部梁の延在方向と直交する水平方向の両側から前記オイルダンパを覆うカバー部材を有することを特徴とする請求項1に記載の制振構造。
  3. 前記上部支持体に接合された前記カバー部材である上部カバー部材と、前記下部支持体に接合された前記カバー部材である下部カバー部材とを有することを特徴とする請求項2に記載の制振構造。
  4. 前記上部カバー部材および前記下部カバー部材は、前記上部梁の延在方向と直交する水平方向において互いに重なる重なり部分を有することを特徴とする請求項3に記載の制振構造。
  5. 前記上部支持体及び前記下部支持体は、前記柱に接合するためのクサビ部を備え、
    前記柱は、前記上部支持体及び前記下部支持体に接合するためのクサビ受け部を備え、
    前記クサビ部及び前記クサビ受け部は、水平方向に対して傾斜して形成される勾配面をそれぞれ有し、
    前記上部支持体及び前記下部支持体が前記2本の柱のそれぞれに接合されるとき、前記クサビ部の勾配面と前記クサビ受け部の勾配面とが当接することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の制振構造。
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JP2021060109A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 江戸川木材工業株式会社 制震装置

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