JP2014101549A - 電気化学セル、及びこのセルを用いた減酸素装置、並びにこの減酸素装置を用いた冷蔵庫 - Google Patents

電気化学セル、及びこのセルを用いた減酸素装置、並びにこの減酸素装置を用いた冷蔵庫 Download PDF

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Abstract

【課題】単純な構成で、電解質膜との界面での反応速度及び給電性能を夫々向上できるとともに、反応電位に基づく腐食が起こり難い電気化学セルを提供する。
【解決手段】電気化学セル1は、アノード11と、カソード31と、これらの間に挟まれた電解質膜35とを具備する。アノード11とカソード31とのうちの少なくとも一方の電極を、一体に構成された導電性の一枚板で形成する。少なくとも一方の電極は、電解質膜35に接する第一の面、及び第一の面から厚み方向に離間した第二の面13を有する。この少なくとも一方の電極は、第一の面に開放される複数の第一の孔部14と、第二の面13に開放される複数の第二の孔部15とを有し、第二の孔部15が第一の孔部14の一部に連通されている。各第一の孔部14を各第ニの孔部15より小さくするともに、第一の面の開口密度を第二の面13の開口密度より大きくしたことを特徴としている。
【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、例えば電気分解をする電解セル等に使用される電気化学セル、及びこのセルを用いた減酸素装置、並びにこの減酸素装置を用いた冷蔵庫に関する。
従来からエクスパンド、又はエッチング、或いはパンチングによって加工された導電性の多孔体が、電解セルや電池等に用いられる電極や電極基材として使われている。
例えば、水酸化ナトリウムの製造に使用される電気化学セルのアノードの基材としては、メッシュ構造のチタン板上に触媒が塗りつけられた触媒被覆チタンメッシュが用いられる。メッシュ構造のチタン板は、触媒の担体としてだけでなく、ガス等反応対象物質の拡散経路、給電体としての役割も同時に担っている。
この水酸化ナトリウム製造における反応式は次の通りである。
カソードでの反応 2HO+2e→H+2OH
アノードでの反応 2Cl→Cl+2e
全反応 2HO+2NaCl→2NaOH+Cl+H
水酸化ナトリウム製造のアノードの基材としてチタンを用いる理由は、アノード電位が非常に高電位になるためである。ステンレス、銅、ニッケルなどをアノードの基材として用いた場合、アノード電位が高電位になると、溶出が起こることがある。
基材材質の選択に関しては、所望の反応のときに電極にかかる電位で溶けにくいものを選ぶのが好ましい。例えば、前記反応式において水素発生を伴うカソードの基材としては、チタン以外に、ステンレス、銅、カーボンなどを用いることができる。
前記例では基材としての多孔体を示したが、PtやNi、Pdなどのそれ自体触媒作用がある材料を、多孔構造に加工することによって、多孔体電極として用いることも可能である。
ここで、エクスパンド、エッチング、パンチングなどの大量生産可能な方法によって、ある厚みの導電性板からなる基材に多数の孔を開口する場合、基材厚が薄いほど、小径な開口を加工することが可能になる。一般的には加工性の問題から基材厚よりも開口間距離を短くすることは難しい。このため、可能な限り単位面積あたりに大量の孔を開けようとした場合(開口数密度を上げたい場合)、基材厚が薄いほど、開口間距離が短くなるので、有利である。
このような多孔構造の基材を用いた電極は、ゼロギャップ電気化学セルの電極等に用いられている。ゼロギャップ電気化学セルでは、電極が固体電解質膜に隙間なく密着して配設される。
この電気化学セルでの電気化学反応は、イオンが移動可能な電解質膜と触媒の界面で起こる。反応対象物質や生成物の物質移動を考えると、開口間距離が短いほど、電解質膜と電極が密着した狭いパスを移動する距離が短い。拡散距離が短いほど、拡散抵抗が抑えられるので、電気化学セルに掛かる電圧は減少する。
また、電気化学セルで反応が進行するためのもう一つの重要な因子として反応面積が挙げられる。反応面積は、多孔構造の基材を用いた電極の開口率が小さいほど大きくなる。このことから、同じ開口率では、開口密度が高いほど、高い反応速度を実現できるので、電極基材が薄いほど有利である。
ところで、電極の基材を薄くした場合、基材自体の導電パスが細くなり、集電抵抗が増加することが予想される。そのため、メッシュ構造をなした電極基材に、集電板や給電板を接合して、集電抵抗を下げることが試みられている。
しかし、この構成において、集電板や給電板にも電解質イオンの進入がある場合、電極基材と同様、反応の起きている電位(以下反応電位と称す)で溶け出さない材質を選んで、集電板や給電板を形成する必要がある。
さらに、前記反応電位で溶け出さない材料であっても、チタンやアルミニウムのように表面に酸化被膜が形成される材料で集電板や給電板を形成した場合は、電極との接触抵抗が増大してしまう。そのため、集電板や給電板を形成する材料が直接電極に接して酸化しないように、集電板や給電板を形成する材料の表面に、耐腐食性物質をコーティングする必要がある。
例えば、水を電解する電解セルのアノードには、1.23VvsRHEよりも高い電位が掛かる。このため、この電位で溶けにくい白金(Pt)で、導電板や給電板となるチタンの表面を、スパッタやめっきによって被覆したアノードを用いなければならない。
特開2006−63419号公報
実施形態は、単純な構成で、電解質膜との界面での反応速度及び給電性能を夫々向上できるとともに、反応電位に基づく腐食が起こり難い電気化学セル、及びこのセルを用いた減酸素装置、並びにこの減酸素装置を用いた冷蔵庫を提供することにある。
前記課題を解決するために、実施形態の電気化学セルは、アノードと、カソードと、これらの間に挟まれた電解質膜とを具備する。アノードとカソードとのうちの少なくとも一方の電極を、一体に構成された導電性の一枚板で形成する。少なくとも一方の電極は、電解質膜に接する第一の面、及び第一の面から厚み方向に離間した第二の面を有する。この少なくとも一方の電極は、第一の面に開放される複数の第一の孔部と、第二の面に開放される複数の第二の孔部とを有し、第二の孔部が第一の孔部の一部に連通されている。各第一の孔部を各第ニの孔部より小さくするともに、第一の面の開口密度を第二の面の開口密度より大きくしたことを特徴としている。
第1の実施形態に係る電気化学セルに用いられるアノードを概略的に示す斜視図である。 図1のF2−F2線に沿って示すアノードの概略的断面図である。 図1のアノードの一部を拡大して示す断面図である。 第1の実施形態に係る電気化学セルのセル電圧とアノードの第一の面の開口密度との関係を示すグラフである。 図1の電気化学セルを電解セルとして備えた電気化学装置の構成を模式的に示す断面図である。 第2の実施形態に係る減酸素装置の一例を模式的に示す断面図である。 第2の実施形態に係る減酸素装置の他の例を模式的に示す断面図である。 第2の実施形態に係る減酸素装置の更に他の例を模式的に示す断面図である。 第3の実施形態に係る冷蔵庫を模式的に示す図である。
(第1の実施の形態)
図5中符号1で示す第1実施形態の電気化学セルは、アノード11と、カソード31と、これらの間に挟まれた電解質膜35とを備えている。
アノード11は、電気化学セル1の電極をなす部材であり、触媒の担体としてだけでなく、ガス等の反応対象物質の拡散経路、及び集電体や給電体としての役割も同時に担っている。このアノード11は、電極基材(アノード基材と称することもできる)と、この基材の一面に形成される触媒層16(図3参照)とで構成される場合と、電極基材そのもので構成される場合とがある。
アノード11の電極基材は、一体に構成された導電性の一枚板で形成されている。この一枚板からなるアノード11は、図2及び図3に示すように第一の面12及び第二の面13を有している。第一の面12は、電解質膜35に接する面であって、反応面(電解面)として機能する。第二の面13は、第一の面12から厚み方向に離間した面であり、例えば第一の面12と平行である。電解質膜35に接しない第二の面13は、給電面として機能する。
アノード11の触媒層(アノード触媒層とも称する)を支持する電極基材をなす元素として、Ta、Ti、SUS、Ni等の金属元素、又はカーボン等を挙げることができる。これらの元素はアノード11の反応電位によって使い分けられる。こうした元素を選択する基準は、一般的にpH-電位図などにより確認することが可能である。例えば、水酸化ナトリウム製造に使用されるアノードの電極基材の場合、NiやSUSは溶出してしまうため用いることができず、チタン(Ti)を用いる必要がある。
電極基材自体が触媒として機能して反応に活性を持つ場合は、この基材そのものでアノード11を形成することができるので、この電極は触媒層を要しない。こうした電極基材をなす元素として、例えば白金(Pt)を挙げられる。更に、アノード11は、電気化学セル1の使用条件に応じて反応とともに電極が消耗する溶性電極として用いることも可能である。
図2及び図3に示すようにアノード11は、多孔構造である。すなわち、アノード11は、複数の第一の孔部14と、複数の第二の孔部15を有しており、第二の孔部15は第一の孔部14の一部に連通されている。各第一の孔部14は第一の面12に夫々開放されており、各第二の孔部15は第二の面13に夫々開放されている。
図2に示すように各第二の孔部15が形成されたアノード11の第二の面13側の領域の厚みT3は、各第一の孔部14が形成されたアノード11の第一の面12側の領域の厚みT2より、厚い。これにより、第二の孔部15は第一の孔部14より電極基材の厚み方向に深く形成されている。
更に、図3に示すように各第二の孔部15は、これに連通された第一の孔部14側ほど(言い換えれば、第一の面12に近付くほど)狭く、かつ、第二の面13側ほど(言い換えれば、第一の孔部14から遠ざかるほど)広く形成されている。
以上説明した一体構造の構成のアノード11は、導電性の電極基材を、例えば種々のエッチング溶液を用いてウェットエッチングすることで製造できる。この場合、一枚板からなる電極基材の片面ずつエッチングしてもよく、又は電極基材の両面を同時にエッチングすることも可能であり、マスキングとエッチングの方法は限定されない。
電極基材を片面ずつエッチングするには、所定の開口を複数有したマスク部材でエッチングする片面を覆うと共に、他方の面全体をマスク部材で覆った状態で、エッチングをすればよい。又、電極基材の両面を同時にエッチングするには、所定の開口を複数有したマスク部材で電極基材の両面を夫々覆った状態で、エッチングをすればよい。
さらに、エッチングの種類もウェットエッチング以外にフォトエッチングなどが考えられ、アノード11の製造に適用可能である。なお、アノード11は、エッチングによる作製以外に、レーザーや精密切削などによる加工で製造することも可能である。
各第一の孔部14は各第二の孔部15より小さく形成されている。更に、第一の面12での第一の孔部14の開口密度は、第二の面13での第二の孔部15の開口密度より大きい。
この場合、第一の孔部14の数は、30個/cm以上であることが好ましく、更に200個/cm以上とすることがより好ましい。これは、図4に示した試験結果に基づいて設定されたものである。
図4は、図1及び図2に示した構成でかつ第一の孔部14の数が様々なサンプルを作成し、これらのサンプルを電気化学セルのアノードに用いて、これらセルのアノードとカソード間に掛かる電圧を測定した結果である。
この結果、第一の孔部14の開口密度が30個/cm未満ではセル電圧が急激に上昇することが確かめられた。これとともに、第一の孔部14の開口密度が30個/cmから200個/cm未満までは、セル電圧が徐々に低下する傾向が確かめられた。更に、第一の孔部14の開口密度が200個/cmを超えると、この開口密度より低い場合と比較して、セル電圧が急に低下する傾向が確かめられた。したがって、電気化学セル1に掛かるセル電圧を1.2V以下に抑制する上で、第一の孔部14の開口率を以上のように設定することが好ましい。
一方、第二の面13の開放された第二の孔部15の数は、必要な集電性能もしくは給電性能に応じて調整すればよく、例えば30個/cm以下に設定されている。
触媒層16を有するアノード11では、その電極基材の第一の面12上に図示しないアノード触媒層が形成される。この触媒層16を形成する触媒材料は、アノード11での反応に応じて使い分ける必要がある。
例えば、電解水素発生や水素酸化・メタノール酸化などを行なう燃料電池用のアノードの触媒層を形成する材料としては、白金系触媒(PtCo、PtFe、PtNi、PtPd、PtIr、PtRu、PtSnなども含む)を用いることがより好ましい。しかし、その他金属触媒、窒素置換炭素触媒、酸化物触媒などを用いることもできる。
また、食塩電解用アノードや酸素発生用アノードの触媒層を形成する材料としては、白金、パラジウムなどの金属触媒や鉛酸化物、イリジウム複合酸化物、ルテニウム複合酸化物、酸化物触媒などを用いることができる。これらの触媒の作製方法としては、熱分解法、ゾルゲル法、錯体重合法、スパッタ法等が挙げられる。前記酸化物をなす複合金属としては、Ti,Nb,V,Cr,Mn,Co,Zn,Zr,Mo,Ta,W,Tl,RuとIrのうち少なくともいずれか一種の金属が挙げられる。
アノード11の対極をなすカソード31は、多孔構造に形成された電極をなす部材である。このカソード31は、チタン以外に、ステンレスや銅、カーボンなどを用いることができる。
前記構成のアノード11は、ソーダ電解や水分解用の電極として好適に使用できるが、これらの用途に限られることなく、一般的なゼロギャップ電極として用いることが可能である。
アノード11の対極をなすカソード31は、電極基材(カソード基材と称することもできる)と、この基材の一面に形成される触媒層(カソード触媒と称される)とで構成される場合と、電極基材そのもので構成される場合とがある。
カソード31の触媒層を支持する電極基材をなす元素としては、Ta、Ti、SUS、Ni等の金属元素、カーボン又はカーボンから構成されるガス拡散層(GDL)等を挙げることができる。これらの元素はカソード31の反応電位によって使い分けられる。燃料電池や減酸素素子用の酸素還元酸化反応用触媒としては、白金系触媒(Pt、PtCo、PtFe、PtNi、PtPd、PtIr、PtRu、PtSnなども含む)がより好ましいが、その他金属触媒、窒素置換炭素触媒、酸化物触媒などを用いることもできる。
また、食塩電解用カソードや酸素発生用カソードとしては、銀やパラジウム、白金などが好ましく、その他金属触媒、窒素置換炭素触媒、酸化物触媒、さらには炭素などを用いることもできる。
カソード31の触媒層は、電極基材上に、スパッタにより作製することができ、又は、触媒粉末を水、アルコール等で分散させた縣濁液を電極基材に直接塗布して製作することができる。なお、前記したような電極基材上への触媒塗布だけでなく、電極基材自体が触媒として機能して反応に活性を持つ場合は、この基材そのものでカソード31を形成することができるので、この電極には触媒層を要しない。こうした電極基材をなす元素として、例えば白金(Pt)が挙げられる。更に、アノード11は、電気化学セル1の使用条件に応じて反応と共に電極が消耗する溶出電極として用いることも可能である。
電解質膜35には、高分子電解質膜、例えば、陽イオン交換固体高分子電解質膜、具体的には、カチオン交換性の膜、又はアニオン交換性の膜、或いは炭化水素系の膜を用いることができる。カチオン交換性の膜としては、NAFION(イー アイ デュポン社:登録商標)112,115,117、フレミオン(旭硝子株式会社:登録商標)、ACIPLEX(旭化成株式会社:登録商標)、ゴアセレクト(ダブリュー.エル.ゴア アンド アソシエーツ社:登録商標)が挙げられる。アニオン交換性の膜としては、株式会社トクヤマ製のA201等が挙げられる。
前記構成の電気化学セル1は、電解質膜35をアノード11とカソード31とで挟んだ状態で、ホットプレスすることにより、電解質膜35とアノード11を接合するとともに、電解質膜35とカソード31を接合して製作される。
この電気化学セル1を電解セルとして備えた電気化学装置2を図5に示す。図5に示した電解容器10内は、仕切り部材例えば仕切り壁3と電気化学セル1とによってカソード室4とアノード室5に仕切られている。仕切り壁3に電気化学セル1が取付けられている。これにより、例えば、電気化学セル1は、これを構成する各部材の接合方向が上下方向と同じとなるように電解容器10内に配設されている。この電気化学セル1のアノード11は電解容器10の下部を占めるアノード室5に臨んでおり、カソード31は電解容器10の上部を占めるカソード室4に臨んでいる。
電気化学装置2は、更に電圧印加手段例えば直流の電源6と、電圧検知手段例えば電圧計7と、電流検知手段例えば電流計8と、制御手段9を有している。
電源6の両極はアノード11とカソード31に電気的に接続されている。電源6は、制御手段9による制御にしたがって電気化学セル1に電圧を印加する。電圧計7は、アノード11とカソード31に電気的に接続されていて、電気化学セル1に掛かるセル電圧を検出する。その検出情報は制御手段9に供給される。電流計8は、電気化学セル1に対する電圧印加回路に挿入されていて、電気化学セル1を流れるセル電流を検出する。その検出情報は制御手段9に供給される。制御手段9は、それが有するメモリに記憶されたプログラムに従い、前記検出情報に応じて電源6による電気化学セル1に対する電圧の印加もしくは負荷を制御する。
なお、電気化学セル1が電池反応に用いられる場合、このセルに対して電圧が負荷される。電気化学セル1が電池反応以外の反応例えば減酸素反応等に用いられる場合、そのセルに対して電圧が印加される。なお、電池反応をする電気化学装置2として実施する場合、電源6は省略される。
電気化学装置2は、そのカソード室4及びアノード室5に反応対象物質が供給された状態で、アノード11とカソード31との間に電圧を印加若しくは負荷して、電解のための電気化学反応、又は電池反応のための電気化学反応を進行させる。
前記構成の電気化学セル1が有したアノード11は一体に構成された導電性の一枚板で形成されているので、このアノード11は電極と集電部材(又は給電部材)を兼ねている。これにより、アノード11に対して集電部材を設置すること必要がないので、電気化学セル1の構成部品が削減される。その上、アノード11に対して集電部材を設置した場合のように、反応電位に基づく腐食に対する耐性を集電部材に与えるための特殊な加工をする必要がない。したがって、電気化学セル1の構成を単純化でき、集電部材とアノードの界面腐食も起こらない。
この電気化学セル1での電気化学反応は、電解質膜35とアノード11の第一の面12との界面で起こる。この場合、集電部材を兼ねた一体構造のアノード11には、その集電部材に相当する部位との界面が存在しない。このため、電解質イオンがアノード11に侵入するにも拘らず、このイオンは拡散しないため、反応電位に基づくアノード11の腐食が起こり難い。
これとともに、多孔構造のアノード11は、電解質膜35と接する第一の面12に開放された複数の第一の孔部14が、第二の面13に開放された複数の第二の孔部15より小さいとともに、第一の面12の開口密度が第二の面13の開口密度より大きいので、電解質膜35との界面での反応速度を向上することができる。
更に、アノード11は集電部材を兼ねているので、その全体の厚みT1は、第一の孔部14が形成された領域の厚みT2に比較して厚い。これにより、アノード11の集電抵抗が下がって、給電性能を向上できる。その上、本実施形態では、第二の孔部15が形成されたアノード11の第ニの面13側の領域の厚みT3が、第一の孔部14が形成されたアノード11の第一の面12側の領域の厚みT2より、厚いので、給電性能を更に向上できる。
また、アノード11の第二の孔部15は、これに連通された第一の孔部14側ほど狭く第二の面13側ほど広く形成されている。このため、アノード11での反応により生成される例えば水等の生成物を、第二の孔部15から円滑に流出させることが可能であり、前記生成物のアノード11への滞留による反応低下を抑制することができる。
図5に示す電気化学セル1及びこれを備えた電気化学装置2を作製し、この電気化学装置2を用いて水電解特性評価を行った。この実施例1で用いたアノード11は、既述のように一体に構成された導電性の一枚板で形成された電極基材を有している。
この実施例1では以下説明するカソード31を用いた。Pt/C(田中貴金属工業株式会社製)705mgに水5ccと5wt%NAFION(登録商標)溶液を3mL混合する。この混合液を超音波で30分間分散させる。それにより形成された懸濁液を、撥水処理(20wt%)されたカーボンペーパー(CETEK製 GDL25BC、厚み0.32mm、面積235cm)上にスプレーし、乾燥させた。乾燥したカーボンペーパーを3×4cmに切り取り、それをカソード31とした。
更に、実施例1では以下説明するアノード11を用いた。塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、あらかじめ、10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理した。こうして調整された溶液を、アノード11の電極基材の第一の面12に塗布した後、乾燥と焼成をした。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない。焼成は450℃で10分間行なった。こうした塗布と乾燥と焼成を5回繰り返した電極基材を、3cm×4cmに切り出して、それをアノード11とした。
なお、この場合、電極基材は、チタン製で、その厚みT1(図2参照)は0.5mmで、そのうち、第一の孔部14を含んだ領域の厚みT2は0.15mm、第二の孔部15を含んだ領域の厚みT3は0.35mmである。更に、第一の孔部14と第二の孔部15との連通部に網の目を作って残された線状部位の幅W(図1参照)は0.1mm、前記線状部位で作られた菱形をなす開口の長い方の幅LW(図1参照)は0.57mmである。また第二面13に残る幅広の線状部のWは1.0mm、LWは2.0mmである。菱形に開放された第二の孔部15の角度θ(図1参照)は120°である。なお、前記線状部位の幅Wは電極基材の厚みT1との関係において、T1≦Wの式を満たして形成される。
次に、以上のようにして作成したアノード11とカソード31で、ポリマーの電解質膜35である厚さ50μmのNAFION(登録商標)211を両側から挟み、これを、150℃、0.36MPaの圧力で3分間ホットプレスして、実施例1で用いた膜電極接合体である電気化学セル1を作製した。
この実施例1の電気化学装置2は、アノード室5およびカソード室4に夫々純水を入れた状態で、電気化学セル1の電極間、つまり、アノード11とカソード31間に、電源6により電圧をかけて、運転した。それにより、水の電気分解が起こって、アノード11から酸素が発生し、カソード31から水素が発生した。
この場合の反応式は以下の通りである。
カソード31での反応 H→2H+2e
アノード11での反応 2HO→2O+4e+4H
全反応 2HO→2H+O
前記実施例1の電気化学装置2での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で44.6mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は、1.94Vであった。また、運転開始から50時間電解した後のインピーダンス抵抗は47mΩであり、そのときの電解電圧は1.94Vであった。
(比較例1)
第一の面の開口径と第二の面の開口径及び開口密度が同じで、前記実施例1と同じ厚みの電極基材(チタン製、厚み0.5mm、Wが1.0mm、LWが2.0mm、θが120°)に、実施例1と同様にイリジウム酸化物をアノード触媒としてコーティングして作製された多孔構造のアノードを用意した。このアノードを備えた比較例1の電気化学装置を作成して、実施例1と同じ条件で水の電気分解を行なった。
この比較例1の電気化学装置での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で52mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は2.28Vであった。
これに対して、電極基材と集電部材とが一体に形成されたアノード11を備えた実施例1の電気化学装置2では、抵抗及び電解電圧が比較例1より低いので、優位性は明らかである。
(比較例2)
チタン製の電極基材(T1が0.1mm、Wが0.1mm、LWが0.57mm、θが120°)に、実施例1と同様にイリジウム酸化物をアノード触媒としてコーティングして作製された多孔構造のアノードを用意した。このアノードに、表面に耐食処理がされていないチタン製の給電板(厚みが0.4mm、Wが1.0mm、LWが2.0mm、θが120°)を重ね合わせたアノード接合体を用意した。このアノード接合体を備えた比較例2の電気化学装置を作成して、実施例1と同じ条件で水の電気分解を行なった。
この比較例2の電気化学装置での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で52mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は1.95Vであった。また、運転開始から50時間電解した後のインピーダンス抵抗は500mΩであり、そのときの電解電圧は3.00Vであった。
この比較例2の結果は、耐食処理が施されていないチタン板を給電板に用いても腐食してしまうことを示している。
これに対して、電極基材と集電部材とが一体に形成されたアノード11を備えた実施例1の電気化学装置2は、運転開始から50時間電解した後においても、抵抗及び電解電圧を比較例2より低く維持できるので、優位性は明らかである。
(比較例3)
チタン製の電極基材(T1が0.1mm、Wが0.1mm、LWが0.57mm、θが120°)に、実施例1と同様にイリジウム酸化物をアノード触媒としてコーティングして作製された多孔構造のアノードを用意した。このアノードに、表面に耐食処理がされていないチタン製の給電板(厚みが0.4mm、Wが1.0mm、LWが2.0mm、θが120°)を重ね合わせ、これらをスポット溶接したアノード接合体を用意した。スポット溶接は、3×4cmの大きさのアノード接合体に対して1cm置きに行ない、そのスポット溶接面積は4mmとした。このアノード接合体を備えた比較例3の電気化学装置を作成して、実施例1と同じ条件で水の電気分解を行なった。
この比較例3の電気化学装置での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で51mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は1.95Vであった。また、運転開始から200時間電解後のインピーダンス抵抗は200mΩであり、そのときの電解電圧は2.5Vであった。
この結果は、イリジウム酸化物を、塗布した電極基板と塗布していない給電板とを溶接により接合したアノード接合体を備える電気化学装置では、特性が不十分であることを示している。こうした現象は以下のように考えられる。即ち、溶接した箇所しか導電パスが無いので、電気化学装置の長期運転後には、溶接した箇所以外の金属間界面での腐食が時間の経過と共に進行する。その結果、メッシュ構造の電極基材と給電板との間での導電パスの絶対量が足りずに、インピーダンス抵抗が上がった。
これに対して、電極基材と集電部材とが一体に形成されたアノード11を備えた実施例1の電気化学装置2は、運転開始から200時間電解した後においても、抵抗及び電解電圧を比較例3より低く維持できるので、優位性は明らかである。
実施例1と同様に電気化学セル1を備えて図5に示した電気化学装置2を構成して食塩電解を行った。この場合、カソード室4には純水を入れるとともに、アノード室5にはNaCl水溶液具体的には飽和食塩水を入れた状態で、電気化学セル1の電極間、つまり、アノード11とカソード31間に、電源6により電圧をかけて、運転した。それにより、電気分解が起こって、アノード11から塩素が発生し、カソード31では水酸化ナトリウムが生成された。
この実施例2の電気化学装置2での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で45mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は、1.50Vであった。また、運転開始から200時間電解した後のインピーダンス抵抗は45mΩであり、そのときの電解電圧は1.52であった。
(比較例4)
第一の面の開口径と第二の面の開口径及び開口密度が同じで、実施例1と同じ厚みの電極基材(チタン製、T1が0.5mm、Wが1.0mm、LWが2.0mm、θが120°)に、実施例1と同様にイリジウム酸化物をアノード触媒としてコーティングして作製された多孔構造のアノードを用意した。このアノードを備えた比較例4の電気化学装置を作成して、実施例2と同じ条件で食塩電解を行なった。
この比較例4の電気化学装置での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で47mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は1.73Vであった。
これに対して、電極基材と集電部材とが一体に形成されたアノード11を備えた実施例2の電気化学装置2は、抵抗及び電解電圧が比較例4より低いので、優位性は明らかである。
(比較例5)
チタン製の電極基材(T1が0.1mm、Wが0.1mm、LWが0.57mm、θが120°)に、実施例1と同様にイリジウム酸化物をアノード触媒としてコーティングして作製された多孔構造のアノードを用意した。このアノードに、表面に耐食処理がされていないチタン製の給電板(厚みが0.4mm、Wが1.0mm、LWが2.0mm、θが120°)を重ね合わせたアノード接合体を用意した。このアノード接合体を備えた比較例2の電気化学装置を作成して、実施例2と同じ条件で食塩電解を行なった。
この比較例5の電気化学装置での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で45mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は1.51Vであった。また、運転開始から200時間電解した後のインピーダンス抵抗は450mΩであり、そのときの電解電圧は2.80Vであった。
この結果は、耐食処理が施されていないチタン板を給電板に用いても腐食してしまうことを示している。
これに対して、電極基材と集電部材とが一体に形成されたアノード11を備えた実施例2の電気化学装置2は、運転開始から200時間電解した後においても、抵抗及び電解電圧を比較例5より低く維持できるので、優位性は明らかである。
(比較例6)
チタン製の電極基材(T1が0.1mm、Wが0.1mm、LWが0.57mm、θが120°)に、実施例1と同様にイリジウム酸化物をアノード触媒としてコーティングして作製された多孔構造のアノードを用意した。このアノードに、表面に耐食処理がされていないチタン製の給電板(厚みが0.4mm、Wが1.0mm、LWが2.0、θが120°)を重ね合わせ、これらをスポット溶接したアノード接合体を用意した。スポット溶接は、3×4cmの大きさのアノード接合体に対して1cm置きに行ない、そのスポット溶接面積は4mmとした。このアノード接合体を備えた比較例6の電気化学装置を作成して、実施例1と同じ条件で食塩電解を行なった。
この比較例6の電気化学装置での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で46mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は1.50Vであった。また、運転開始から200時間電解後のインピーダンス抵抗は190mΩであり、そのときの電解電圧は2.0Vであった。
この結果は、イリジウム酸化物を、塗布した電極基板と塗布していない給電板とを溶接により接合したアノード接合体を備える電気化学装置では、特性が不十分であることを示している。こうした現象は以下のように考えられる。即ち、溶接した箇所しか導電パスが無いので、電気化学装置の長期運転後には、溶接した箇所以外の金属間界面での腐食が時間の経過と共に進行する。その結果、メッシュ構造の電極基材と給電板との間での導電パスの絶対量が足りずに、インピーダンス抵抗が上がった。
これに対して、電極基材と集電部材とが一体に形成されたアノード11を備えた実施例2の電気化学装置2は、運転開始から200時間電解した後においても、抵抗及び電解電圧を比較例6より低く維持できるので、優位性は明らかである。
(第2の実施の形態)
第2実施形態は、第1実施形態で説明した電気化学セル1を備えて減酸素装置、酸素濃縮装置、加湿装置、又は除湿装置として用いられる電気化学装置を示している。したがって、第1実施形態と同じ構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
図6に概略的に示した第一の電気化学装置2Aは、電気化学セル1と、電解容器10と、仕切り部材例えば封止材21と、電圧印加手段例えば直流の電源6と、制御手段9を有している。
電気化学セル1は、これを構成する各部材の接合方向を上下方向と直交するように電解容器10内に配設されて、封止材21を介して電解容器10に支持されている。これら電気化学セル1と封止材21によって、電解容器10がカソード室4とアノード室5に仕切られている。電気化学セル1のアノード11はアノード室5に臨んでおり、カソード31はカソード室4に臨んでいる。
電源6の両極はアノード11とカソード31に電気的に接続されている。電源6は、制御手段9による制御にしたがって電気化学セル1に電圧を印加する。制御手段9は、それが有するメモリに記憶されたプログラムに従い、電源6による電気化学セル1に対する電圧の印加を制御する。この第一の電気化学装置2Aにおいて、電気化学セル1は電解容器10に対して脱着可能となるように半固定状態に支持されていてもよい。
図7に概略的に示した第二の電気化学装置2Bが有する電解容器10は、カソード室4を区画する第一の容器部材10aと、アノード室5を区画する第二の容器部材10bとで形成されている。これら第一の容器部材10aと第二の容器部材10bは脱着可能に接続される。電気化学セル1は、第一の容器部材10aと第二の容器部材10bの一方、例えば第一の容器部材10aに封止材21を介して支持されている。この場合、電気化学セル1はそれが取付けられる方の容器部材に対して脱着可能となるように半固定状態に支持されていてもよい。なお、以上説明した以外の構成は、図6に示した第一の電気化学装置2Aと同じである。
前記構成の第一の電気化学装置2Aと第二の電気化学装置2Bの運転は、電解質膜35に酸性のものを用い、アノード室5に水を供給するとともに、カソード室4に空気が供給される状態で行われる。この運転により、第一の電気化学装置2Aと第二の電気化学装置2Bのアノード11では、水を酸素とプロトンに分解する反応が生じる。そのため、第一の電気化学装置2Aと第二の電気化学装置2Bとは、酸素濃縮装置又は除湿装置として機能する。
この場合におけるアノード11とカソード31での反応は以下の通りである。
カソード31での反応 2O+4e+4H→2H
アノード11での反応 2HO →2O+4e+4H
一方、前記運転により、電解質膜35に酸性のものを用いた電解セル(電気化学セル1)を備えた第一の電気化学装置2Aと第二の電気化学装置2Bのカソード31では、カソード室4に供給される酸素と、アノード11で発生し電解質膜35を通ってカソード31にイオン伝導するプロトンとが反応して、水が生成される。これにより、第一の電気化学装置2Aと第二の電気化学装置2Bは、減酸素装置又は加湿装置として機能する。
又、第一の電気化学装置2Aと第二の電気化学装置2Bにおいて、その電解質膜35に中性またはアルカリ性のものを用いた構成では、アノード11で水が消費され、カソード31で水が生成される反応を生じる。
つまり、電解質膜35に酸性のものを用いた場合とは逆に機能する。この場合におけるアノード11とカソード31での反応は以下の通りである。
カソード31での反応 O+2HO+4e→4OH
アノード11での反応 4OH→O+2HO+4e
したがって、第一の電気化学装置2Aと第二の電気化学装置2Bを、加湿を目的とする加湿装置や除湿を目的とする除湿装置として実施する場合は、電解容器10を給水容器又は貯水容器として用いればよい。
図8に概略的に示した第三の電気化学装置2Cは、空気中の酸素濃度より低い酸素濃度を得る減酸素装置としての実施例である。この第三の電気化学装置2Cは、減酸素セルとして使用される電気化学セル1と、減酸素容器として使用される電解容器10と、仕切り部材例えば封止材21と、電圧印加手段例えば直流の電源6と、制御手段9を有している。
電気化学セル(減酸素セル)1は、これを構成する各部材の接合方向を上下方向と直交するように電解容器10内に配設されて、封止材21を介して電解容器10に支持されている。これら電気化学セル1と封止材21によって、電解容器10がカソード室4とアノード室5に仕切られている。電気化学セル1のアノード11はアノード室5に臨んでおり、カソード31はカソード室4に臨んでいる。
電源6の両極はアノード11とカソード31に電気的に接続されている。電源6は、制御手段9による制御にしたがって電気化学セル1に電圧を印加する。制御手段9は、それが有するメモリに記憶されたプログラムに従い、電源6による電気化学セル1に対する電圧の印加を制御する。この第三の電気化学装置2Cにおいて、電気化学セル1は電解容器10に対して脱着可能となるように半固定状態に支持されていてもよい。
この第三の電気化学装置(減酸素装置)2Cが有する電解質膜35には酸性のものが使用される。第三の電気化学装置2Cのカソード室4は減酸素室として用いられる。電解容器10は扉23を有している。扉23は、減酸素下に置きたい食品等の物品をカソード室4に出し入れする際に開閉される。第三の電気化学装置2Cのアノード室5は水タンクとして用いられる。
電解容器10は、供給管24と排出管25を有している。供給管24は、アノード室5の内外を連通して取付けられていて、アノード室5に水を供給する。排出管25はアノード室5の内外を連通して電解容器10の上部に取付けられていて、アノード11で生成された酸素をアノード室5外に排出する。
第三の電気化学装置2Cにおいて、電解容器10には物品の出し入れが可能な扉や、吸気管、排気管、給水管、排水管等の気体、液体または物質を供給し排出するための部材を備えてもよい。これらの扉や管は、装置の目的および用途に応じて任意の形状および機能のものを採用することができる。
第三の電気化学装置2Cにおいて、制御手段9によって、吸排気、給排水、密閉領域等を切り替えて、減酸素、酸素濃縮、除湿、又は加湿のいずれかの動作が営まれるように制御してもよい。これとともに、酸素濃度計や湿度計を設けて、第三の電気化学装置(減酸素装置)の動作による効果を容易に確認できるようにしてもよい。更に、任意の酸素濃度または湿度になるように制御してもよい。これらの制御は、マイコンやFPGAなどのプログラム可能なICを用いた制御手段9によって電子的に制御してもよいし、手動で制御してもよい。
実施例1,2と同様に電気化学セル1を備えて図8に示した第三の電気化学装置(減酸素装置)2Cを構成した。
この実施例3では以下説明するカソード31を用いた。Pt/C(田中貴金属工業株式会社製)705mgに水5ccと5wt%NAFION(登録商標)溶液を3mL混合する。この混合液を超音波で30分間分散させる。それにより形成された懸濁液を、撥水処理(20wt%)されたカーボンペーパー(CETEK製 GDL25BC、厚み0.32mm、面積235cm)上にスプレーし、乾燥させた。乾燥したカーボンペーパーを3×4cmに切り取り、それをカソード31とした。
更に、実施例3では以下説明するアノード11を用いた。塩化イリジウム(IrCl3・nH2O)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、あらかじめ、10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理した。こうして調整された溶液を、アノード11の電極基材の第一の面12に塗布した後、乾燥と焼成をした。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なった。こうした塗布と乾燥と焼成を5回繰り返した電極基材を、3cm×4cmに切り出して、それをアノード11とした。
なお、この場合、この電極基材は、チタン製で、その厚みT1(図2参照)は0.5mmで、そのうち、第一の孔部14を含んだ領域の厚みT2は0.15mm、第二の孔部15を含んだ領域の厚みT3は0.35mmである。更に、第一の孔部14と第二の孔部15との連通部に網の目を作って残された線状部位の幅W(図1参照)は0.1mm、前記線状部位で作られた菱形をなす開口の長い方の幅LW(図1参照)は0.57mmである。また第二面13に残る幅広の線状部のWは1.0mm、LWは2.0mmである。菱形に開放された第二の孔部15の角度θ(図1参照)は120°である。なお、前記線状部位の幅Wは電極基材の厚みT1との関係において、T1≦Wの式を満たして形成される。
次に、以上のようにして作成したアノード11とカソード31で、ポリマーの電解質膜35である厚さ50μmのNAFION(登録商標)211を両側から挟み、これを、150℃、0.36MPaの圧力で3分間ホットプレスして、膜電極接合体である電気化学セル(減酸素セル)1を作製した。
この実施例3の電気化学装置2Cは、アノード室5に純水を入れるとともに、カソード室4に空気を供給した状態で、電気化学セル1の電極間、つまり、アノード11とカソード31間に、電源6により電圧をかけて、運転した。それにより、水の電気分解が起こって、アノード11での反応により水が消費されて酸素が発生し、カソード31での反応により酸素が消費されて水が生成された。
この実施例3の電気化学装置2Cでの100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で44.6mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は、1.13Vであった。
(比較例7)
第一の面の開口径と第二の面の開口径及び開口密度が同じで、実施例3と同じ厚みの電極基材(チタン製、T1が0.5mm、Wが1.0mm、LWが2.0mm、θが120°)に、実施例1と同様にイリジウム酸化物をアノード触媒としてコーティングして作製された多孔構造のアノードを用意した。このアノードを備えた比較例7の電気化学装置を作成して、実施例3と同じ条件で電解(減酸素運転)を行なった。
この比較例4の電気化学装置での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で52mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は1.57Vであった。
これに対して、電極基材と集電部材とが一体に形成されたアノード11を備えた実施例1の電気化学装置2では、抵抗及び電解電圧が比較例7より低いので、優位性は明らかである。
実施例1,2と同様に電気化学セル1を備えて図8に示した第三の電気化学装置(減酸素装置)2Cを構成した。この場合、電気化学セル1のアノード11及びカソード31には、実施例3と同じ条件で作製したものを用いた。この第三の電気化学装置2Cのアノード室5に加湿空気を供給するとともに、カソード室4に乾燥空気を供給した状態で、電気化学セル1の電極間、つまり、アノード11とカソード31間に、電源6により電圧をかけて、運転した。
それにより、電気分解が起こり、アノード11での反応により空気中の水分が消耗されて酸素が生成し、カソード31での反応により酸素が消耗されて水が生成した。
このとき、アノード室5への供給空気湿度に対して、アノード室5から流出される空気の湿度が下がっていることを確認した。具体的には、アノード室5の供給管24に、供給空気を25℃、300CCM、飽和湿度で送ったところ、50mA/cmの電解電圧で、排出管25を通ってアノード室5外に排出される空気の湿度が51%に低下したことを確認した。
又、図8に示した第三の電気化学装置(減酸素装置)2Cでの100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で45mΩであり、このときに50mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は1.3Vであった。
(比較例8)
第一の面の開口径と第二の面の開口径及び開口密度が同じで、実施例3と同じ厚みの電極基材(チタン製、T1が0.5mm、Wが1.0mm、LWが2.0mm、θが120°)に、実施例1と同様にイリジウム酸化物をアノード触媒としてコーティングして作製された多孔構造のアノードを用意した。このアノードを備えた比較例8の電気化学装置を作成して、実施例4と同じ条件で電解(減酸素運転)を行なった。
この比較例8の電気化学装置での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で46mΩであり、そのときに50mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は2.3Vであった。
これに対して、電極基材と集電部材とが一体に形成されたアノード11を備えた実施例1の電気化学装置2は、抵抗及び電解電圧を比較例8より低く維持できるので、優位性は明らかである。
実施例3で説明した第三の電気化学装置(減酸素装置)2Cを作成した。ただし、この実施例5の電気化学装置2Cにおいては、カソード31にもアノード11と同様な一体構造のものを用いた。
即ち、カソード31は、その両面の開口密度が異なる多孔構造となるように、純粋なPt板(厚みT1が0.5mm)をエッチングにより加工し、その後3cm×4cmに切り出して作製した。この場合、カソード31の厚みT2が0.35mm、T1が0.15mmとなるようにエッチングした。更に、カソード31の構成は、アノード11について説明した図1の構成と同じであり、エッチングにより加工されたカソード31の第一の面の構成は、Wが1.0mm、LWが2.0mm、θが120°である。これとともに、同じくエッチングにより加工されたカソード31の第二の面の構成は、Wが0.1mm、LWが0.57mm、θが120°である。
アノード11の作製は次の通りである。即ち、塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、あらかじめ、10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理した。こうして調整された溶液を、アノード11の電極基材の第一の面12に塗布した後、乾燥と焼成をした。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なった。こうした塗布と乾燥と焼成を5回繰り返した電極基材を、3cm×4cmに切り出して、それをアノード11とした。
この場合、電極基材は、チタン製で、その厚みT1(図2参照)は0.5mmで、そのうち、第一の孔部14を含んだ領域の厚みT2は0.15mm、第二の孔部15を含んだ領域の厚みT3は0.35mmである。更に、第一の孔部14と第二の孔部15との連通部に網の目を作って残された線状部位の幅W(図1参照)は0.1mm、前記線状部位で作られた菱形をなす開口の長い方の幅LW(図1参照)は0.57mmである。また第二面13に残る幅広の線状部のWは1.0mm、LWは2.0mmである。菱形に開放された第二の孔部15の角度θ(図1参照)は120°である。なお、前記線状部位の幅Wは電極基材の厚みT1との関係において、T1≦Wの式を満たして形成される。
次に、以上のようにして作成したアノード11とカソード31で、ポリマーの電解質膜35である厚さ50μmのNAFION(登録商標)211を両側から挟み、これを、150℃、0.36MPaの圧力で3分間ホットプレスして、膜電極接合体である電気化学セル1を作製した。
こうして形成された電気化学セル1を減酸素セルとして用いた実施例5の電気化学装置(減酸素装置)2Cを運転した。具体的には、そのアノード室5に純水を供給するとともに、カソード室4に空気を供給した状態で、電気化学セル1の電極間、つまり、アノード11とカソード31間に、電源6により電圧をかけて、減酸素装置を運転した。
それにより、電気分解が起こり、アノード11での反応により水が消耗されて酸素が生成し、カソード31での反応により酸素が消耗されて水が生成した。
実施例5の電気化学装置(減酸素装置)での100kHzインピーダンス抵抗は、運転開始後1時間で40mΩであり、そのときに200mA/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧は1.2Vであった。
(第3の実施の形態)
図9は減酸素装置40を備えた冷蔵庫41の概念図である。図9に示す冷蔵庫41が備える冷蔵庫本体42に減酸素室43を有している。なお、冷蔵庫41を模式的に示した図9において、他の冷蔵室や冷凍室との識別を容易にするために、減酸素室43は平行斜線を付して示した。
保存空間である減酸素室43を区画した図示しない壁には冷媒が流通される。それにより、減酸素室43は、出し入れされる野菜などの保存対象物を低温下で保存可能である。保存対象物を出し入れするために、減酸素室43は冷蔵庫本体42の前面に開口されている。この開口は開閉部材で開閉され、開閉部材が閉じられた状態で減酸素室43は密閉状態に保持されるようになっている。
減酸素室43を開閉する開閉部材は、冷蔵庫本体42に回動可能に枢着された断熱性の開閉扉でもよく、或いは、減酸素室43にその前面開口を通って前後方向に移動される引出しの前壁を兼ねる断熱性の開閉蓋であってもよい。
冷蔵庫41が備える減酸素装置40には、電気化学セルを減酸素セルとして備えた減酸素装置、例えば図8に示した減酸素装置を用いることができる。この場合、減酸素装置40は、そのカソード31(図8参照)が減酸素室43内の酸素と反応できるとともに、アノード11(図8参照)に図示しない給水手段を経由した水が供給されるように配設される。なお、図8に示した電気化学装置を減酸素装置40として備えた冷蔵庫41の場合、図8に示した扉23を冷蔵庫41の開閉扉として実施すればよい。
図9の冷蔵庫41では、冷蔵庫本体42の1室が減酸素室43になっているが、冷蔵庫本体42の1室のうちの一部が減酸素室43であってもよい。減酸素装置40は冷蔵庫本体42内のどの位置に配置してもよい。生鮮食品を保存する庫内で減酸素動作を行うと、食品の酸化を抑えることができる。又、冷蔵庫41において、電気化学セルを減酸素セルとして用いた減酸素装置40の代わりに、電気化学セルを電解セルとして備えた加湿装置又は除湿装置を用いてもよい。
また、図9では図示しない制御部によって、吸排気、給排水、密閉領域等を切り替えて、減酸素運転と、除湿運転と、加湿運転のいずれかの動作になるように制御可能な装置を、減酸素装置40の代わりに備えてもよい。更に、酸素濃度計や湿度計を冷蔵庫本体42に設けて、減酸素装置40の減酸素運転による効果を容易に確認できるようにしてもよい。また、任意の酸素濃度または湿度になるように制御してもよい。これらの制御は、マイコンやFPGAなどのプログラム可能なICを用い電子的制御で実現してもよいし、手動制御により実現してもよい。
図9に示した冷蔵庫41の減酸素装置40は、そのアノード11とカソード31との間に電圧を印加して減酸素運転を行なう。こうして、減酸素装置40を動作させると、減酸素セルを流れる電流に応じて減酸素室43内の酸素濃度が、所定の時間内で理論通りに減少し、約21%から約10%まで濃度が低下したことを確認した。
図9に示した冷蔵庫41では、扉23(図8参照)が閉じられるに伴って、この扉23の閉じ状態において減酸素装置40が運転される。これに伴い、食品などが収容される減酸素室(つまり、カソード室)43内の酸素濃度を減少するため、酸化による食品の腐食を抑え、食品の保存期間を延ばすことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、明細書中で説明した元素の一部は元素記号で記載したものもある。
1…電気化学セル、2,2A,2B…電気化学装置、2C…電気化学装置(減酸素装置)、4…アノード室、5…カソード室(減酸素室)、6…電源(電圧印加手段)、10…電解容器、11…アノード、12…アノードの第一の面、13…アノードの第二の面、14…第一の孔部、15…第二の孔部、16…触媒層、T2…アノードの第一の面側の領域の厚み、T3…アノードの第二の面側の領域の厚み、23…扉(開閉部材)、31…カソード、35…電解質膜、40…減酸素装置、41…冷蔵庫、42…冷蔵庫本体、43…減酸素室

Claims (7)

  1. アノードと、カソードと、これらの間に挟まれた電解質膜とを具備する電気化学セルにおいて、
    前記アノードとカソードのうちの少なくとも一方の電極が、一体に構成された導電性の一枚板で形成されていて、前記電解質膜に接する第一の面、及び前記第一の面から厚み方向に離間した第二の面を有しているとともに、
    前記少なくとも一方の電極が、前記第一の面に開放される複数の第一の孔部と、前記第二の面に開放される複数の第二の孔部とを有し、前記第二の孔部が前記第一の孔部の一部に連通されており、
    前記各第一の孔部が前記各第ニの孔部より小さく、前記第一の面の開口密度が前記第二の面の開口密度より大きいことを特徴とする電気化学セル。
  2. 前記少なくとも一方の電極において、前記各第二の孔部が形成された前記第ニの面側の領域の厚みが、前記各第一の孔部が形成された前記第一の面側の領域の厚みより、厚いことを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記第一の孔部の数が、30個/cm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学セル。
  4. 前記第二の孔部が、これに連通された前記第一の孔部側ほど狭く前記第二の面側ほど広く形成されていることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の電気化学セル。
  5. 前記複数の第一の孔部が開放された前記第一の面に触媒層が形成されていることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の電気化学セル。
  6. 開閉部材で開閉される減酸素室を形成する電解容器と、
    請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の電気化学セルからなり、前記電解容器に取付けられて、前記電気化学セルが有したアノードで水を電気分解するとともに前記電気化学セルが有したカソードで前記減酸素室内の酸素を還元する減酸素セルと、
    この減酸素セルに電圧を印加する電圧印加手段と、
    を具備することを特徴とする減酸素装置。
  7. 減酸素室を有した冷蔵庫本体と、
    この冷蔵庫本体に前記減酸素室を開閉可能に取付けられ、閉じられた状態で前記減酸素室を密閉状態に保持する開閉部材と、
    請求項6に記載の減酸素装置であって、この装置が有する減酸素セルのカソードが前記減酸素室の酸素と反応するように前記冷蔵庫本体に配設された前記減酸素装置と、
    を具備することを特徴とする冷蔵庫。
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