JP2014100795A - 画像処理装置、記録装置および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、記録装置および画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の記録素子を用いて画像を記録する際に、記録素子間の記録特性のばらつきを補正することに起因した周波数むらを低減する。
【解決手段】複数のディザマスクの中から最も空間周波数の高い1つのディザマスクを選択するステップS602。選択されたディザマスクと、エリアごとの吐出量レベル値T[X]とから、粒状度R[X]を求めるステップS603。隣接する各エリア間の粒状度差ΔR[X]をエリア全域にわたって算出するステップS604。求めた粒状度ΔR[X]の中の最大値を求め、この最大粒状度差と判定閾値ΔRThと比較する。最大値が閾値ΔRThを下回れば、選択しているディザマスクを使用することを決定し、一方、ΔR[X]の最大値が閾値ΔRTh以上のときは、選択中のディザマスクより空間周波数が1段階低いディザマスクを選択するステップS607。選択されたディザマスクについて上記処理を繰り返す。
【選択図】図15

Description

本発明は、画像処理装置、記録装置および画像処理方法に関し、詳しくは、ヘッドシェーディングなど、記録素子間の記録特性のばらつきに起因した濃度むらを抑制するための補正処理が施された画像データに対する、ディザ法などによる量子化処理に関するものである。
この種の濃度むらを抑制する補正処理の一例として、特許文献1に記載されるようなヘッドシェーディング(HS)技術が知られている。このHS技術は、記録素子としての、ノズル個々のインク吐出特性(記録特性)に関する情報に応じて補正を行う処理である。例えば、画像データに対して、あるノズルの吐出量が標準より多いという情報である場合には、そのノズルに対応した上記画像データが示す階調値を小さくする補正を行う。逆に、あるノズルの吐出量が標準より少ない場合には、そのノズルに対応した画像データが示す階調値を大きくする補正を行う。これにより、最終的に記録されるインクドットの数を増、減させ、画像データに対して記録画像において実現される濃度をノズル間でほぼ均一にすることができる。
特開平10−13674号公報
しかしながら、上記HS技術などの補正処理を行うと、その補正された画像データが量子化されて最終的に記録されるドットの数が吐出量などの記録特性の大小に応じて異なるため、ドットの配置パターン、すなわち空間周波数が、記録素子間で異なることがある。その結果、記録素子ごとの濃度むらは低減できても、新たに記録素子間の空間周波数の違いによるむらを生じることがある。
例えば、記録素子としてのノズルAのインク吐出量は標準であり、それに隣接するノズルBの吐出量は標準よりも多い場合、ノズルBが記録する位置にはノズルAによるドットよりも大きなドットが形成される。そして、このような記録ヘッドに対し、HS処理による補正を行うと、その補正したデータを量子化して得られる記録データに基づく記録では、ノズルBの記録位置には、ノズルAが記録するドットの数よりも少ない数のドットが記録される。この結果、ノズルAがドットを記録する一定の面積の領域とノズルBがドットを記録する同じ面積の領域との間でドット数が異なり、同じ量子化処理を行っても、それらのドット配置パターンが異なる。そして、このようなドット配置パターンの相違がドットの空間周波数の差となり、その差が周波数むらとして視認されることになる。すなわち、HS処理によって、ノズルごとの濃度むらは解決できても、記録されるドットの空間周波数がノズルごとに異なってしまい、その結果として周波数むらという新たな問題を派生する。
本発明は、この問題を解決し、複数の記録素子を用いて画像を記録する際に、記録素子間の記録特性のばらつきを補正することに起因した周波数むらを低減することが可能な画像処理装置、記録装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
そのために本発明では、複数の記録素子を配列した記録素子列を用いて記録を行うための記録データを生成する画像処理装置であって、前記記録素子列の複数の記録素子を分割して得られる複数の記録素子群にそれぞれ対応した処理単位ごとに、当該記録素子群の記録素子に対応した画素の画像データを当該記録素子群の記録素子の記録特性に応じて補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された画像データを量子化マスクを用いて量子化する手段であって、前記処理単位ごとに当該処理単位に対応する記録素子群で記録した単位領域の記録画像において求められる粒状度の、前記単位領域の間の差がより小さくなる量子化マスクを、空間周波数特性が異なる少なくとも2つ以上の量子化マスクの中から選択して量子化を行う量子化手段と、を具えたことを特徴とする。
以上の構成によれば、処理単位ごとに記録素子群で記録した単位領域の記録画像において求められる粒状度の、単位領域の間の差がより小さくなる量子化マスクが、空間周波数特性が異なる量子化マスクの中から選択されて量子化が行われる。これにより、複数の記録素子を用いて画像を記録する際に、記録素子間の記録特性のばらつきを補正することに起因した周波数むらを低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタを模式的に示す図である。 本発明に使用可能な一実施形態の記録ヘッドの構成を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る記録システムを示すブロック図である。 (a)および(b)は、吐出量が等しい記録ヘッドのドット配置パターンを説明する図である。 (a)および(b)は、吐出量が異なる記録ヘッドのドット配置パターンを説明する図である。 (a)および(b)は、図5の記録ヘッドにHS処理を行ったドット配置パターンを説明する図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタが実行する画像処理の構成を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態に係るHS処理のパラメータ生成処理およびHS処理をそれぞれ示すフローチャートである。 (a)および(b)は、記録ヘッド内のノズル群と、その記録するエリアを説明する図である。 各ノズル群における標準的な吐出量からの濃度差をエリアごとに示す図である。 各ノズル群における濃度差から算出した吐出量レベル値をエリアごとに示す図である。 (a)〜(d)は、空間周波数の異なる2種類のディザマスクで、吐出量レベル値の異なるドット数を量子化したドット配置パターンを説明する図である。 (a)および(b)は、図12のドット配置パターンの空間周波数分散を説明するための図である。 各ノズル群における吐出量レベル値から算出した粒状度差をエリアごとに示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数むら低減に係るディザマスク選択処理を示すフローチャートである。 空間周波数の異なる4種類のディザマスクで、吐出量最大の粒状度をシミュレートした値を示す図である。 空間周波数の異なる4種類のディザマスクで、吐出量最大の粒状度差をシミュレートした値を示す図である。 空間周波数の異なる4種類のディザマスクで、吐出量最小の粒状度をシミュレートした値を示す図である。 空間周波数の異なる4種類のディザマスクで、吐出量最小の粒状度差をシミュレートした値を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数むら低減に係るディザマスク選択処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る粒状度差の判定閾値の指定を説明する図である。 本発明に使用可能な一実施形態の記録ヘッドの構成を説明する図である。 図22の記録ヘッドの拡大図と吐出量レベル値を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置であるプリンタを模式的に示す図である。本実施形態のプリンタはフルラインタイプの記録装置であり、図1に示すように、記録ヘッド101〜104を備える。記録ヘッド101〜104の夫々には、図2にて後述されるように、記録媒体106の幅に対応した同じ種類のインクを吐出する複数の、記録素子としてのノズルを図のx方向に配列したノズル列(記録素子列)が設けられている。記録ヘッド101〜104は、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する記録ヘッドである。これら複数種類のインクを吐出する記録ヘッド101〜104は、記録媒体の搬送方向である図のy方向に沿って配列している。
図2は、記録ヘッド101〜104それぞれのノズル配列の詳細を示す図である。図2に示すように、それぞれの記録ヘッド(101)には、複数の吐出基板1011〜1013が、図1に示すx方向に沿って配列されている。そして、個々の吐出基板にノズルおよび吐出のための熱エネルギーを発生するヒータ、インク流路などが設けられている。それぞれの記録ヘッド(101)において、1つの吐出基板は、600dpiで図中x方向に配列する複数のノズルからなるノズル列を、相互に2400dpi相当の距離だけずれて4列配列している(不図示)。これにより、各記録ヘッドは、全体として2400dpiの密度でx方向に配列する複数のノズルからなるノズル列を構成している。すなわち、図2は、図示の簡略化のため、上記4列のノズル列をつなぎ合わせたノズル配列を、2400dpiの密度で配列する1列のノズル列(10111〜10114、10121〜10124、10131〜10134)として示している。また、図2は、1つの基板あたりのノズル数を、図示および説明の簡略化のため4つとして示している。
図1を再び参照すると、記録媒体106は、搬送ローラ105(および他の不図示のローラ)がモータ(不図示)の駆動力によって回転することにより、図中x方向と交差するy方向に搬送される。記録媒体106が搬送される間に、記録ヘッド101〜104それぞれの複数のノズルからは、記録媒体106の搬送速度に対応した周波数で、記録データに従った吐出動作が行われる。これにより、各色のドットが記録データに対応して所定の解像度で形成され、記録媒体106上に画像が記録される。
y方向における記録ヘッド101〜104よりも搬送方向下流側の位置には、スキャナ107が備えられている。このスキャナ107は、x方向に所定のピッチで読み取り素子を配列し、図8(a)にて後述されるHS処理の補正パラメータを生成する際に記録媒体に記録したパッチの濃度を読み取るなど、画像読み取りに用いられる。そして、読み取り結果としてRGBデータを出力する。
なお、本発明を適用可能な記録装置は、以上説明したフルラインタイプの装置に限られない。例えば、記録ヘッドやスキャナを記録媒体の搬送方向と交差する方向に走査して記録を行う、いわゆるシリアルタイプの記録装置にも本発明を適用することができる。また、本実施形態はインク色毎に記録ヘッドを備える例を用いているが、1つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出する形態であってもよい。さらに、1つの吐出基板上に複数色のインクに対応したノズル列を配列した形態であってもよい。
図3は、図1に示したプリンタとホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)300を有して構成される記録システムを示すブロック図である。
ホストPC300は、主に以下の要素を有して構成される。CPU301は、記憶部であるHDD303やRAM302に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM302は、揮発性の記憶部であり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD303は、不揮発性の記憶部であり、同じくプログラムやデータを保持する。データ転送I/F(インターフェース)304はプリンタ100との間におけるデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F305は、キーボードやマウス等のHID(Human Interface Device)を制御するI/Fであり、ユーザは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F306は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ100は、主に以下の要素を有して構成される。CPU311は、ROM313やRAM312に保持されているプログラムに従い、後述するHS処理に関する実施形態の処理を実行する。RAM312は、揮発性の記憶部であり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM313は不揮発性の記憶部であり、後述するHS処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。
データ転送I/F314はPC300との間におけるデータの送受信を制御する。ヘッドコントローラ315は、図1に示したそれぞれの記録ヘッド101〜104に対して記録データを供給するとともに、記録ヘッドの吐出動作を制御する。具体的には、ヘッドコントローラ315は、RAM312の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む。そして、CPU311が、制御パラメータと記録データをRAM312の所定のアドレスに書き込むことにより、ヘッドコントローラ315によって処理が起動され、記録ヘッドからのインク吐出が行われる。スキャナコントローラ317は、図1に示したスキャナ107の個々の読み取り素子を制御しつつ、これらから得られたRGBデータをCPU311に出力する。
画像処理アクセラレータ316は、CPU311よりも高速に画像処理を実行可能なハードウェアである。具体的には、画像処理アクセラレータ316は、RAM312の所定のアドレスから画像処理に必要なパラメータとデータを読み込む。そして、CPU311が上記パラメータとデータをRAM312の上記所定のアドレスに書き込むことにより、画像処理アクセラレータ316が起動され、上記データに対し所定の画像処理が行われる。本実施形態では、後述されるHS処理部で用いる補正テーブルのパラメータを作成する処理をCPU311によるソフトウェアで行う。一方、HS処理部の処理を含む、記録の際の画像処理については、画像処理アクセラレータ316によるハードウェア処理で行う。なお、画像処理アクセラレータ316は必須な要素ではく、プリンタの仕様などに応じて、CPU311による処理のみで上記のテーブルパラメータの作成処理および画像処理を実行してもよいことはもちろんである。
以上説明した記録システムにおいて、複数のノズル間の吐出特性のばらつきに起因した濃度むらを補正するHS処理によって生じる空間周波数むらを低減するための実施形態を以下に説明する。
図4(a)および(b)は、HS処理の処理単位であるノズル群(記録素子群)の4つのノズルの吐出量が同じ記録ヘッドと、そこから吐出されたインクによって形成されるドットの配置パターンを説明する図である。図4(a)は、ブラックインクを吐出する記録ヘッド101におけるノズル配列を示している。同図は、説明および図示の簡略化のため、図2にて上述した記録ヘッドにおけるノズル列のうち、8つのノズルのみが示されている。それぞれ4つのノズル(10111〜10114、10121〜10124)からなるそれぞれのノズル群1011、1012は後述されるHS処理の処理単位に対応し、その配列密度は600dpiである。また、ノズル群1011、1012は、それぞれ相互に異なる吐出基板1011、1012におけるノズル群として示されている(図4(a)では、この点で、同じ参照符号を用いている)。以上の図4(a)に示す例は、各ノズル群の4つのノズルが同じ、標準的な吐出量で、かつノズル群間でも吐出量が同じ例を示している。
なお、以下の説明は、ノズル群の吐出基板が異なるか否かに係わらず妥当するものであることはそれらの説明から明らかである。すなわち、吐出基板が異なる場合、製造精度などの点から基板ごとに吐出特性(吐出量)が異なる場合があり得る。しかし、基板が同じであってもそれに設けられる複数のノズル間で、製造上の誤差や使用履歴などによって吐出特性が異なることがあり、このような場合にも本発明が適用できることはもちろんである。
図4(b)は、図4(a)に示す記録ヘッドを用いて、記録媒体106に記録された50%デューティのベタ画像におけるドット配置を示す図である。なお、図4(a)および(b)は、個々のノズルの大きさとそれぞれのノズルによって記録されるドットの大きさを、等しい大きさで示しているが、これは説明上両者を対比するためであって、実際の記録ヘッドないし装置においてこれらの大きさが等しいわけではないことはもちろんである。また、各ノズルからの吐出量はノズル径以外の原因によっても異なり得るものであるため、必ずしもノズル径が異なるとは限らないが、本図では、吐出量が大きいノズルを大きな円で示して説明する。
記録ヘッド101の8つのノズル10111〜10114、10121〜10124は、総て標準的な量のインクを標準的な方向に吐出可能であり、記録媒体106には同じ大きさのドットが一定の間隔で記録される。その結果、記録媒体106における、同じ所定の面積を有した領域1061および領域1062にそれぞれ記録されるドットの配置パターンは等しく、それぞれの領域間の空間周波数は等しいものとなる。つまり、HS処理単位に対応した、隣接するノズル群1011、1012で記録される領域1061と領域1062との間で空間周波数の差はなく、よって周波数むらは生じない。すなわち、この場合、HS処理単位のノズル群1011、1012それぞれの吐出量が標準的な量であることから、図8(a)にて後述される処理で生成されるHSパラメータは、補正量がゼロ(画像データの補正をしない)となるものである。その結果、50%デューティのベタ画像の画像データに対してHS処理を行っても、図4(b)に示すパターンと同じドット配置パターンが記録されることになる。
一方、図5(a)および(b)は、ノズル群1011とノズル群1012との間で、吐出量が異なる記録ヘッドと、そこから吐出されたインクによって記録されるドットの配置パターンを表す図であり、図4(a)および(b)と同様の図である。図5(b)に示すドット配置パターンも50%デューティのベタ画像の記録状態を示している。
ここで、図5(a)に示す記録ヘッドは、ノズル群1011の4つのノズル10111〜10114は標準の吐出量で、ノズル群1012の4つのノズル10121〜10124は標準よりも多い吐出量であるとする。このような記録ヘッドを用いる場合、上記ノズル群に対応した領域ごとに異なる濃度として視認されることがある。図に示す例では、ノズル群1011の4つのノズルを用いて記録される領域1061では、濃度が標準なベタ画像が記録される。一方、ノズル群1012の4つノズルを用いて記録される領域1062では、吐出量が多いことによって形成される個々のドットが標準の場合より大きくなり、領域1061に比べて濃度が高いベタ画像が記録される。つまり、領域1061と領域1062との間で、視認される濃度が異なることがある。なお、図5(b)に示す例は、各ノズル群の4つのノズル間で吐出量が同じ例を示しているが、4つのノズル間で吐出量が異なり、その結果、形成されるドットの大きさが異なることもあることはもちろんである。図5(b)に示す例は、説明を簡略化するための例示である。また、HS処理では、後述されるように、処理単位である各ノズル群の吐出特性(上例では吐出量)は4つのノズルの特性の平均で表されることから、各ノズル群について1つの吐出量として扱っても支障はない。
図5(a)および(b)で上述したような吐出特性を有する記録ヘッドを用いる場合、図8(a)で後述する処理で生成されるHSパラメータは、補正量がゼロでない(画像データの補正をする)ものである。そして、その結果として、HS処理では、補正量がゼロでない、画像データの補正が行われる。
図6(a)および(b)は、このようにHS処理によって画像データの補正が行われた画像データに対して、ディザマスクの従来の適用を行って量子化したデータに基づく記録を説明する図である。
図6(a)は、図5(a)と同じ内容を示しており、HS処理単位に対応するノズル群ごとに吐出特性(記録特性)が異なる記録ヘッドであることを示している。この記録ヘッドを用いる場合、HS処理では、ノズル群1012に対応する処理単位の画像データに対して、その画素値(階調値)を小さくする補正が行われる。より詳細には、処理単位の画像データにおける4つのノズルに対応するそれぞれの画素の階調値を小さくする補正が行われる。
そして、このHSの補正が行われた画像データに対して、ディザマスクの従来の適用を行って量子化したデータに基づく記録を行うと、図6(b)に示すドットの配置が得られる。すなわち、ノズル群1012に対応する領域1062に記録されるドットの数が、ノズル群1011に対応する領域1061に記録されるドットの数よりも少なくなる記録が行われる。なお、図6(b)は、図5(b)に示す例と同じく、50%デューティのベタ画像の画像データを記録する例を示している。
ここで、図において右側のノズル群1012のノズル10121〜10124から吐出されるインクで形成されるそれぞれのドットの面積が、左側のノズル群1011のノズル10111〜10114から吐出されるインクで形成されるそれぞれのドットの面積の2倍であるとする。この場合、HS処理によって、ノズル群1012のノズル10121〜10124それぞれで所定領域1062に記録するドットの数を、ノズル群1011のノズル10111〜10114それぞれで領域1061に記録するドットの数の約1/2(2ドット→1ドット)とする。この結果、記録媒体に対するドットの被覆面積を、領域間でほぼ同等にすることができる。このように、HS処理では、記録媒体上の領域ごとに検出される濃度がほぼ一様になるように、各領域に記録されるドット数を調整する。なお、実際には、被覆面積と検出される濃度は必ずしも比例関係になっていないが、本実施形態では、2倍の面積のドットの数を1/2とする例を用いて説明する。
図6(b)に示すように、HS処理で画像データが補正されない記録データに基づく領域1061では標準の大きさのドットが1つおきに規則正しく配置されている。図に示す例では、領域1061の単位面積(最大ドット数4×4=16)あたり8個のドットが配置されている。これに対し、HS処理で画像データの画素値が小さくされた記録データに基づく領域1062では標準より大きいドットが領域1061とは異なる(領域1061より疎となる)位置に配置されることになる。図に示す例では、単位面積あたり4個のドットが配置されている。このようにドットの配置パターンが異なることによって、領域ごとにドット配置の空間周波数が異なる。そして領域間での空間周波数の差が、周波数むらとなって視認されることがある。図6(b)に示す例では、領域1061のドット配置パターンはドットが密に並んでいるのでより高周波、領域1062のドット配置パターンはドットが疎に並んでいるのでより低周波となる。また、ドットが単位面積の半分以上を占めるようになると、ドットが配置されない部分が疎になるため、その空間周波数は低周波になる。つまり、ドットが全く記録されない領域と、ドットで埋め尽くされた領域の空間周波数は等しくなる。そして、このドット配置パターンの空間周波数から、ドットの粒状性を算出することができる。その算出方法は、例えば、既知のRMS粒状度やウィナースペクトルなどを用いることができる。
以上説明したように、HS処理では、領域1061に記録されるドットの面積の和=領域1062に記録されるドットの面積の和となるように、記録されるドットの数が調整される。これにより、領域1061の光吸収特性によって観察される濃度が、領域1062の光吸収特性によって観察される濃度を等しくし、両方の領域はほぼ同色で同じ濃度として視認される。
しかしながら、上述したように、領域1061と領域1062とでは、ドット配置パターンが異なることによって空間周波数が異なり、それが周波数むらとして視認され記録画像の画質の低下を招くことがある。
なお、このような吐出特性のばらつきは、例えば大、中、小の3段階のドットによって記録を行う4値の記録装置など、ドットの大きさを変更できる多値の記録装置においても生じることがある。従って、2値の記録装置に限らず3値以上の多値記録装置にも本発明を適用することができる。
以下で説明する本発明のそれぞれの実施形態は、量子化処理によって、以上のような空間周波数の差を低減するものである。
(第1実施形態)
図7は、本発明の第1実施形態にかかる、インクジェットプリンタが実行する画像処理の構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態は、図3に示したプリンタ100の制御、処理のための各要素によって画像処理部を構成するものである。なお、本発明の適用はこの形態に限られないことはもちろんである。例えば、図3に示したPC300において画像処理部が構成されてもよく、あるいは画像処理部の一部がPC300において構成され、その他の部分がプリンタ100において構成されてもよい。本明細書では、これらの画像処理部を画像処理装置と称する。
図7に示すように、入力部401はホストPC300から受信した画像データを、画像処理部402へ出力する。画像処理部402は、入力色変換処理部403、インク色変換処理部404、HS処理部405、TRC処理部406、量子化処理部407を有して構成される。
画像処理部402において、先ず、入力色変換処理部403は、入力部401から受信した入力画像データを、プリンタの色再現域に対応した画像データに変換する。入力する画像データは、本実施形態では、モニタの表現色であるsRGB等の色空間座標中の色座標(R,G,B)を示すデータである。入力色変換処理部403は、各8ビットのR,G,Bの入力画像データを、マトリクス演算処理や三次元LUTを用いた処理等、既知の手法によって、プリンタの色再現域の画像データ(R´,G´,B´)に変換する。本実施形態では、三次元ルックアップテーブル(3DLUT)を用い、これに補間演算を併用して変換処理を行う。なお、本実施形態において、画像処理部402において扱われる8ビットの画像データの解像度は2400dpiであり、量子化処理部407の量子化によって得られる2値データの解像度も2400dpiである。
インク色変換処理部404は、入力色変換処理部403によって処理されたR、G、B各8ビットの画像データをプリンタで用いるインクの色信号データによる画像データに変換する。本実施形態のプリンタ100はブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを用いることから、RGB信号の画像データは、K、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像データに変換される。この色変換も、上述の入力色変換処理部と同様、三次元ルックアップテーブルに補間演算を併用して行う。なお、他の変換手法として、上述と同様、マトリクス演算処理等の手法を用いることもできる。
HS(Head Shading)処理部405は、インク色信号の画像データを入力して、インク色ごとにそれぞれ8ビットデータに対して、上述したように、記録ヘッドを構成する各ノズルの吐出特性に応じた補正をする処理を行う。
TRC(Tone Reproduction Curve)処理部406は、HS処理された各8ビットのインク色信号からなる画像データに対して、インク色毎に、出力部408で記録されるドットの数を調整するための補正を行う。一般に、記録媒体に記録されるドットの数と、その数のドットによって記録媒体で実現される光学濃度は線形関係にない。このため、TRC処理部407は、この関係を線形にすべく各8ビットの画像データを補正して記録媒体に記録されるドットの数を調整する。
量子化処理部407は、TRC処理部407で処理された各8ビット256値のインク色の画像データに対して量子化処理を行い、記録「1」または非記録「0」を表す1ビットの2値データを生成する。なお、例えば、8ビットの画像データを、直接2値データ(ドットデータ)に変換する形態に限られず、一度数ビットの多値データに量子化してから、ドット配列パターンを用いて最終的に2値データに変換する形態であってもよい。また、量子化処理の方法も、本実施形態のようにディザ法を用いてもよいし、誤差拡散法などの他の疑似中間調による処理化方法を用いてもよい。
この量子化処理部407は、図12以降で後述されるように、上記HS処理で補正するノズルの吐出特性のばらつき(違い)に応じて、その量子化処理の態様を切り替える。
出力部408は、量子化によって得られた2値データ(ドットデータ)に基づいて、記録ヘッドを駆動し記録媒体に各色のインクを吐出して記録を行う。本実施形態において、出力部408は、図1に示した記録ヘッド101〜104を備えた記録機構によって構成される。
上述したHS処理部405で用いる補正パラメータの生成処理について次に説明する。HS処理は、記録媒体上の、HS処理単位に対応したノズル群で記録する単位領域ごとに測定される濃度に応じて生成される補正パラメータによって、その処理単位の画像データを補正する処理である。
図8(a)は、本実施形態のHS処理部405で用いる変換テーブルの補正パラメータを生成するための、CPU311が実行する処理を示すフローチャートである。本実施形態では、このパラメータ生成処理を、プリンタの製造時やプリンタを所定期間使用したとき、あるいは所定量の記録を行ったときに、強制的あるいは選択的に実行する。また、例えば、記録を行うたびに、その動作前に実行するようにしてもよい。すなわち、この生成処理はいわゆるキャリブレーションとして行うことができ、これにより、変換テーブルの内容であるテーブルパラメータを更新することができる。
HS処理部のテーブルパラメータ生成処理が開始されると、先ず、ステップS502で、図1に示した各記録ヘッドの総てのノズルからインクを吐出して記録媒体に測定用画像(パッチ)を記録する。この場合、C、M、Y、Kそれぞれについて、信号値が0または255の測定用画像を用いる。例えば、シアンインクの濃度を測定するための測定用画像は、(C,M,Y,K)=(255,0,0,0)とし、マゼンタインクの濃度を測定するための測定用画像は、(C,M,Y,K)=(0,255,0,0)とすることができる。
以下、図7に示した各部に対応付けて、測定用画像の記録を説明する。測定用画像を記録する際、入力部401は、所定のメモリから測定用画像データを読み出す。この測定用画像データは、上述した、インク色C、M、Y、Kのデータである。そして、この測定用画像データは、入力色変換処理部403、インク色変換処理部404、HS処理部405の処理を経ずに、TRC処理部406に入力する(以下、デバイス色画像データD[X]という)。このような経路は、図7においてバイパス経路として破線409で示されている。バイパス経路による処理は、例えば入力値=出力値となるようなテーブルを用意し、デバイス色画像データD[X]はTRC処理部406に入力されるが、Xによらず入力値のまま出力されるような処理が行われてもよい。
その後、TRC処理部406、および後述する本実施形態のディザマスク切り替えをしない、通常の処理の量子化処理部407によって、通常の記録時の画像データに対する処理と同様の処理を行い、出力部408で記録媒体106に測定用画像を記録する。
ここで、Xは、HS処理の処理単位を特定する値であり、処理単位のx方向における位置を示している。すなわち、Xは、図1で示した記録ヘッド101〜104それぞれにおいて、x方向に配列する複数のノズルを、4ノズルからなるノズル群に分けたときの各ノズル群に対応する画像データを補正する際の処理単位を示している。そして、デバイス色画像データD[X]は、処理単位Xに対応する4ノズルで記録するべき4ノズルそれぞれに対応した画像データである。
図9(a)は、処理単位ごとの対応するノズル群を示している。これらノズル群ごとに、その処理単位の画像データに対してHS処理を行うための、補正パラメータとしての一次元ルックアップテーブルが割り当てられている。
図9(b)は、上述したステップS502で記録された測定用画像の記録状態を説明する図である。それぞれのノズル群に対応した単位領域(以下、「エリア」ともいう)は、HS処理の処理単位Xに対応付けられている。図9(b)に示す例は、ノズルのうち、第2エリア1012に対応する第2ノズル群1012の4つのノズルが標準より多い吐出量である例を示している。その結果、吐出量が標準より多いノズルを含む第2エリアの濃度が他のエリアの標準的な濃度より高い測定用画像が記録される。
再び図8(a)を参照すると、次のステップS503では、ステップS502で記録媒体106に記録された測定用画像の濃度をスキャナ107で測定し、エリア[X]ごとの濃度情報B[X]を得る。本実施形態において、スキャナの解像度すなわちスキャナに配列する読み取り素子の配列ピッチは特に限定されるものではない。記録ヘッドの記録解像度2400dpiより高解像であってもよいし低解像であっても良い。また、スキャナ107は、図1で示したように、必ずしも記録ヘッドと同様のフルラインタイプでなく、図1のx方向に移動しながら所定の周期で側色を行うシリアルタイプのものであっても良い。また、プリンタとは別体に用意されているスキャナであっても構わない。この場合、例えば、スキャナとプリンタを信号接続しスキャナから測定結果を自動的に入力するようにしてもよい。さらに、濃度情報B[X]は、必ずしもRGB情報でなくてもよく、例えば、測色器で測定したL***等、いずれの形式であってもよい。どのような形態でどのような解像度で測色を行うにせよ、平均化などの様々な処理を施すことによって、4ノズル分に相当するエリアの測色結果B[X]が適切に得られれば、本実施形態に適用することができる。このように、デバイス色画像データD[X]が測定用画像として記録媒体に記録され、図1に示した記録ヘッド101により記録される。そして、スキャナ107によって、各ノズル群(本実施形態では4ノズル)に対応したエリア(単位領域)ごとに、濃度情報B[X]が取得される。ちなみに、記録ヘッド101はブラックインクを吐出する記録ヘッドであり、そのデバイス色画像データD[X]を(C,M,Y,K)=(0,0,0,255)とすれば、ブラックインクのみを吐出した測定用画像となる。
以下、第1エリアに対応する処理単位をX=1、第2エリアに対応する処理単位をX=2で特定し、また、第1エリアの濃度情報をB[1]=(R1,G1,B1)、第2エリアの濃度情報をB[2]=(R2,G2,B2)として説明する。
ステップS504では、目標濃度A=(Rt,Gt,Bt)とステップS503で取得した濃度色情報B[X]から、エリア[X]の濃度変動量T[X]を算出する。ここで、目標濃度Aは、例えばブラックインクの場合、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)の信号を、本実施形態のプリンタで記録および測色した場合の目標となる測色値である。実際には、標準吐出量のノズルを用いて記録した画像をスキャナ107で測色した結果とすることができる。
本処理では、最初に、濃度色情報B[X]と目標濃度Aの差分を濃度差分量S[X]とし、その値を算出する。
濃度差分量S[1]=B[1]−A=(R1−Rt,G1−Gt,B1−Bt)
濃度差分量S[2]=B[2]−A=(R2−Rt,G2−Gt,B2−Bt)
本実施形態において、第1エリアに対応する第1ノズル群(図9(a))は、標準吐出量であるので、基本的にR1=Rt、G1=Gt、B1=Btとなり、濃度差分量はS[1]=0となる。一方、第2エリアに対応するノズル群は、標準より大きな吐出量で記録されるので、目標濃度A(Rt,Gt,Bt)より値の小さい(濃度の高い)値が検出される。次に、この濃度差分量Sから濃度変動量Tを求める。これは、目標濃度(標準吐出量)と比較した吐出量の変動量を相対的に表したものであり、標準吐出量からの増減割合で示す。図10は、各エリア[X]に対する濃度変動量T[X]の関係を示す図である。濃度変動量Tの算出方法は、予め濃度差分量Sと濃度変動量Tの関係をテーブルデータ化しておきテーブル判定で求めてもよいし、例えば濃度差分量S[X]/目標濃度Aのように関数的に求めてもよい。
再び図8(a)を参照すると、次に、ステップS505で、各エリア[X]の濃度変動量T[X]から、吐出量レベル値H[X]を求める。本実施形態では、簡単に、濃度変動量T[X]に対する閾値判定を行い、その結果に応じて吐出量レベル値H[X]を決定する。この閾値判定は、図10に示すように、濃度変動量がどの範囲(・・・、0%〜+5%、5%〜+10%、・・・)に属するかに応じて吐出量レベル値H[X]を定めるものである。例えば、標準的な吐出量に比べて吐出量が+2%のエリア[8]では、図11に示すように吐出量レベル値が3となる。次に、以上のように求めた吐出量レベル値H[X]に基づいて、プリンタ100のRAM312に、予め保持してある、吐出量に応じた複数の一次元ルックアップテーブルの中から、一次元ルックアップテーブルを決定する。図11は、この決定された、各エリア[X]に対する吐出量レベル値H[X]の関係を示す図である。例えば、図10に示す例において、標準的な吐出量に比べて吐出量が+2%のエリア[8]では、図11に示すように吐出量レベル値が3となる。そして、この吐出量レベル値3に対応して、HDD303に保持された3番目の一次元ルックアップテーブルを選択し、このテーブルをエリア[8]に適用する。ところで、濃度変動量T[X]からエリアごとの一次元ルックアップテーブルを決定する方法は、上述した閾値判定だけでなく、濃度変動量T[X]に応じて動的に作成してもよい。
次に、ステップS506では、処理単位Xに対応するエリア[X]の吐出量レベル値H[X]から決定された、処理単位Xごとの一次元ルックアップテーブルを、HS処理の補正パラメータとし、これをRAM312に記憶する。
図8(b)は、図8(a)に示す処理で生成した補正パラメータを用いたHS処理およびそれに基づく記録処理を示すフローチャートである。図7にて上述したように、HS処理部405は、先ず、ステップS507で、処理単位Xごとにそれに対応する補正パラメータを用いて、デバイス色画像データD[X]を補正し、補正後のデバイス色画像データD’[X]を生成する。詳しくは、デバイス色画像データD[X]における4つの画素それぞれの画素値を、処理単位Xに対応する同じ補正パラメータで補正し、4つの画素の補正後のそれぞれの画素値からなるデバイス色画像データD’[X]を得る。
次に、ステップS508で、この画像データD’[X]の4つの画素の画素値に対して、TRC処理部406の処理および、量子化処理部407による、図12以降で後述される、ディザマスクの切り替え処理を含む量子化処理を行い、出力部408で記録媒体106に画像を記録する。なお、上例では、HSの処理単位を4ノズルからなるノズル群に対応するものとしたが、処理単位に対応するノズルの数は問わない。また、記録ヘッド全域に渡って吐出量を判定した結果は、PC303のHDD303に格納しておく。これは、後述する量子化処理の切り換えにおいて、参照するパラメータとなる。
以上説明したHS処理の補正パラメータの生成では、図6(a)に示したノズル群1012の4つのノズル10121〜10124の場合、図6(b)の領域1062に示すように、ドット数が約半数に抑えられるようなパラメータが作成される。また、ノズル群1011の4つのノズル10111〜10114の場合、図6(b)の領域1061に示すように、ドット数が変更されないようなパラメータが作成される。つまり、吐出量レベル値が標準値に比べて大きいほど、記録媒体に記録するドット数は低減される。一方、吐出量レベル値が標準値に比べて小さいほど、記録媒体に記録するドット数は増加される。
以上説明したように、処理単位XごとにHS処理を行うことにより、ドット数制御が行われる。それにより、それぞれの処理単位に対応するエリア間で濃度はおおよそ一様になる。しかし、図6(b)などで前述したように、エリア[X]ごとに、ドット配置パターンの空間周波数が異なることがある。その結果、そのエリア[X]間の周波数の差が周波数むらとなって現れる。このドット配置パターンの差が大きいほど、周波数むらの視認性が高まる。つまり、図11において、吐出量レベル値H[X]のそれぞれの差分値が大きいほど、周波数むらが大きくなる。
以下に、本発明の一実施形態に係る、量子化処理の切り変えによって周波数むらを低減する処理ついて説明する。最初に、図11に示したエリア[X]の吐出量レベル値H[X]から、吐出量のばらつき度合い(吐出量の差)を算出する。上述したように、この吐出量のばらつき度合いが大きいと、記録媒体に記録される画像の周波数むらが視認されやすくなり、逆にばらつき度合いが小さいと周波数むらは視認されにくくなる。
本実施形態では、吐出量のばらつき度合いを、吐出量レベル値H[X]の最大値と最小値との差分として定義する。図11に示すような吐出量レベル値H[X]の分布では、最大値が第3エリアの吐出量レベル値H[3]=5であり、最小値が第4エリアの吐出量レベル値H[4]=1となる。従って、吐出量レベル値の差分値ΔHは、
吐出量レベル値の差分値ΔH=|H[3]−H[4]|=4
となる。この差分値が大きいほど、記録媒体に記録される画像のドット配置パターンが異なる。一方、吐出量レベル値H[X]の最大値と最小値との差がない場合、すなわちΔH=0の場合、エリア[X]間の吐出量差はほぼ均一であり、HS処理を行っても周波数むらは発生しにくい。
なお、吐出量のばらつき度合いは、上述のように吐出量レベル値H[X]の最大値と最小値の差分でもよいし、各エリア[X]ごとに隣接する吐出量レベル値H[X]の差分値を総和した値と定義してもよい。また、比較する吐出量レベル値は隣接する値に限らず、例えば、記録媒体に記録される画像において、任意の距離ごとに吐出量レベル値H[X]を抽出し、その差分値を総和した値として定義してもよい。この任意の距離とは、例えば人間の視覚特性を考慮した距離が一例として考えられる。人間の目には、およそ1.0cycle/mmの空間周波数のむらが最も視認しやすい。これを考慮して、むらが最も視認しやすい距離を設定し、その距離ごとの吐出量レベル値H[X]の差分値を取ってもよい。算出された吐出量のばらつき度合いは、プリンタ100のRAM312に格納される。
量子化処理部407における量子化処理の切り換えは、以上説した吐出量のばらつき度合いに応じて行う。具体的には、例えば、PC300のHDD303から複数のディザマスクを予め読み出してこれらをプリンタ100のRAM312に保持しておく。保持しておく複数のディザマスクは、空間周波数の異なるマスクである。そして、吐出量のばらつき度合いに基づいて、周波数むらが最も低減される1つのディザマスクを選択する。ここで、ディザマスクの空間周波数とは、本実施形態では、8ビットの画像データの画素値である階調値の範囲0〜255の中央値128を入力したときに、ドットを記録する旨の2値データ“1”を出力するそれぞれのディザ閾値の配置パターンの空間周波数と定義されるものである。
一般的に、空間周波数の高いディザマスクほど、それによって量子化された記録データに基づく記録画像は粒状性の低い高画質な画像となる。ところが、空間周波数の高いディザマスクを用いると、ドット数またはそれらの配置が異なる2種類のドット配置パターンがある場合、その空間周波数の差分値、すなわち粒状度の違いが大きくなる。一方、空間周波数の低いディザマスクほど記録媒体に記録される画像の粒状性は高くなるが、ドット数またはそれらの配置が異なる2種類のドット配置パターンがある場合、その粒状度の違いは空間周波数の高いディザマスクを用いる場合に比べて小さくなる。
以下に、このようなドット配置パターンの違いに起因した粒状度の違いが、空間周波数の低いディザマスクほど小さくなる、という着想に基づいたディザマスクの切り換えについて説明する。以下の説明では、標準的な吐出量(吐出量差0%)に対して、吐出量が10%多いノズル群(最大吐出ノズル群)、吐出量が10%少ないノズル群(最小吐出ノズル群)を例に挙げる。そして、これらのうち2つのノズル群からなるドット配置パターンの空間周波数の差を周波数むらとする。
先ず、空間周波数の異なる複数のディザマスクを予め定め、これらをRAM312に格納する。先ず、一例として、吐出量が標準的な場合のノズル群に対して、粒状度を最も低くすることができるディザマスクAを用意する。このディザマスクAを基準とし、その閾値配置パターンの空間周波数を所定量低くしたディザマスクをディザマスクBとする。本実施形態で用意するディザマスクは少なくとも2つ以上を用意する。ディザマスクAを基準に、さらに段階的に空間周波数を低くしていったものを、ディザマスクC、ディザマスクDとして複数用意することが望ましい。
次に、吐出量が異なる複数のノズル群を用意する。例えば、標準的なノズル群、最大吐出量のノズル群、最小吐出量のノズル群ほか、吐出量が段階的に多くあることが望ましい。
そして、画像処理部402(図7)において、例えば、図8(a)にて前述したように、HS処理405(図7)を実行せず、また、上記用意した複数のディザマスクを切り替えて用いて量子化を行い、その結果に基づいて、上記複数のノズル群を用いて記録媒体に画像をそれぞれ記録する。記録画像は、図8(a)にて前述したように、測定用画像が望ましい。
以上の処理によって、ディザマスクの個数とノズル群の個数を乗算した数の測定用画像が記録される。そして、それぞれの測定用画像をスキャナ107で読み取り、読み取り結果に基づいてディザマスクと吐出量との組み合わせごとの粒状度を算出する。この結果をテーブルパラメータとして、プリンタ100のRAM312に格納しておく。これにより、ノズル群の吐出量が分かれば、各ディザマスクを用いた量子化による記録画像の粒状度を得ることができる。
さらに、本実施形態では、画質的に許容できる粒状度を予め調べておき、粒状度閾値を作成しておく。これは、実際に様々な粒状度の画像を記録し、人間の視覚にどの粒状度まで許容できるか否かによって実験的に求めることができる。この粒状度閾値をRThとする。上述したディザマスクA〜Dに対して、最大吐出量のノズル群と最小吐出量のノズル群における粒状度をそれぞれ求め、これらと粒状度閾値RThと比較する。そして、粒状度が、粒状度閾値RThを下回るディザマスクのみを、プリンタ100のRAM312に保持しておく。例えば、ディザマスクA、Bの粒状度は粒状度閾値RThを下回り、ディザマスクC、Dの粒状度が粒状度閾値RThを上回る場合、RAM312にはディザマスクA、Bのみを保持する。これにより、吐出量が製造工程においてばらつく範囲内(+10%〜−10%)であれば、RAM312に格納されているディザマスクのいずれかを使用することにより、記録される画像の粒状度は許容できる範囲内のものとなる。
以上のように、ディザマスクと吐出量の組み合わせごとの粒状度を記載したテーブルパラメータを保持することにより、画像を記録媒体に記録することなく、粒状度を求めることができる。
次に、以上のようにして用意された複数のディザマスクの中から、周波数むらを低減する最適なディザマスクを選択する。先ず、予め人間の目に周波数むらとして視認できる閾値の粒状度差を定めておく。これは、記録媒体に記録された異なる2つのドット配置パターンを用い、その粒状度差を算出する。このような粒状度差が異なる複数のドット配置パターンの組についてそれらの粒状度差を求める。そして、粒状度差を順に変化させて行き、周波数むらとして視認できる粒状度差の最小値を判定閾値ΔRThとする。このようにΔRThは実験的に求めることが望ましいが、その方法は問わない。本実施形態では、ΔRTh=3として以下に説明する。
図12は、吐出量レベル値が異なる2つのノズル群によって、空間周波数が異なる2つのディザマスクA、Bによって量子化された記録データに基づき、それぞれ記録されるドット配置パターンを説明する図である。ここでは、ディザマスクのサイズは16×16画素(=256画素)とし、量子化される画像データの画素値は総ての画素について「128」である。また、ディザマスクAは、上述したように高周波マスクで、ディザマスクBがディザマスクAに比べて低周波のマスクである。画素値が「128」の画像データの入力に対して、吐出量が標準的な場合のノズル群についてはHS処理で補正がなされずにそのままの、画素値が「128」の画像データが出力される。この画像データに対する量子化において、吐出量が標準的な場合のノズル群に対して最も粒状度を低くできるディザマスクAと、それより周波数が低いディザマスクBを用いると、それぞれ図12(a)、(b)に示すドット配置パターンが得られる。これらの図を比較して明らかなように、ディザマスクAで形成されるドット配置パターンの方が、ディザマスクBのそれに比べて、空間周波数は高くなる。また、同じ画素値が「128」の画像データの入力に対して、吐出量が最大吐出量レベルのノズル群についてはHS処理で画素値が小さくされる補正がなされて、画素値が「115」の画像データが出力される。この画像データに対する量子化において、同じく、ディザマスクAとディザマスクBを用いると、それぞれ図12(c)、(d)に示すドット配置パターンが得られる。
上記で比較される2つのノズル群の吐出量は、図10に示すように、0%と+10%であるため、言い換えれば10%の吐出量差がある。標準吐出レベルのノズル群が128ドット打つ場合、記録媒体に記録される濃度とドット数が比例関係にあると仮定すると、HS処理によって、最大吐出レベルのノズル群に対応する画素値「128」は、90%の画素値「115」に補正される。そして、その補正された画像データディザマスクを用いて量子化されそれに基づいて記録が行われる。この場合の、ディザマスクA、Bで形成されるドットの配置パターンは、それぞれ図12(c)、(d)に示すものとなる。
図13(a)および(b)は、上記で示した標準吐出量レベルと最大吐出量レベルにおける、ドット配置パターンの空間周波数特性を説明する図である。これらの図の横軸はドット配置パターンの空間周波数、縦軸はその周波数成分(スペクトル)を示している。図13(a)はディザマスクAを、図13(b)はディザマスクBをそれぞれ用いる場合の周波数特性を示している。また、図13(a)および(b)において、標準吐出量レベルの周波数特性が実線で示され、最大吐出量レベルの周波数特性が点線で示されている。さらに、これらの図において、スペクトルが現れる周波数、すなわち、ドット配置パターンの空間周波数をそれぞれfA115、fA128で示されている。
図13(a)および(b)において、ディザマスクAとディザマスクBによる特性を最大吐出量レベルにおいて比較すると、ディザマスクAの方が高周波であるため、fA115>fB115である。また、標準吐出量レベルにおいて比較しても、ディザマスクAの方が空間周波数は高く、fA128>fB128の関係である。
ところで、一般にディザマスクは、それによって形成されるドット配置パターンが、ドット数が0から255まで増えるに従い、その空間周波数も一様に上がり、およそ中間階調において最も高周波になるよう設計される。それに従えば、高周波数のディザマスクほど、ドット数の変化による空間周波数の差Δfが大きくなる。ドット数が128ドットと115ドットでの、ディザマスクA、Bの空間周波数の差をそれぞれΔfA、ΔfBとすると、
ΔfA=fA128−fA115
ΔfB=fB128−fB115
となり、図13(a)および(b)に示すように、ΔfA>ΔfBとなる。
すなわち、空間周波数が低いディザマスクBの方が、ドット数ないしドット配置パターンが変化した場合の、ドット配置パターン間の周波数差は小さくなる。換言すれば、空間周波数が低いディザマスクを用いることによって、異なるドット配置パターンの空間周波数の差を低減することができる。このように、吐出量差が大きいほど、空間周波数の低いディザマスクを使用することにより、粒状度差、すなわち周波数むらを低減することができる。
図11に示すように、エリア[X]ごとに吐出量レベル値が決定され、これに基づいて、デバイス画像データの階調値に対してディザマスクA、Bで量子化処理した場合のドットの数、すなわちドット配置パターンを求めることができる。その結果、ディザマスクごとにエリア[X]における粒状度を決定することができる。
図14は、図11に示すエリア[X]ごとの吐出量レベルから求めた、ディザマスクAとディザマスクBで量子化した場合の粒状度差を示す図である。ディザマスクAを用いた場合の、エリア[X]における粒状度をRa[X]とし、隣接するエリア間の粒状度差をΔRa[X]とするとき、以下のように粒状度差を求めることができる。
粒状度差ΔRa[X]=|Ra[X]−Ra[X−1]|
図において、このディザマスクAを用いた場合の粒状度差は黒丸で示されている。ディザマスクBにおける粒状度差ΔRb[X]も、同様に求めることができ、図において、ディザマスクBを用いた場合の粒状度差は白丸で示されている。
図14に示すディザマスクAを用いた場合の例において、ΔRa[X]が最も大きいのは、第2エリアと第3エリアとの間の粒状度差ΔRa[2]と、第3エリアと第4エリアとの間の粒状度差ΔRa[3]であり、その値は4である。一方、ディザマスクAを用いた場合の粒状度差ΔRb[X]が最も大きい位置は、ディザマスクAと同様にX=2とX=3であるが、その値は2である。
ここで、上述したように、粒状度差の視認限界ΔRThを本実施形態ではΔRTh=3としている。図14において、ΔRa[X]の最大値は4であり、ΔRThを超える。つまり、図11に示す例の吐出量レベルにおいてディザマスクAを使用すると、第2エリアと第3エリアの間で周波数むらが視認されることになる。一方、ディザマスクBに係るΔRb[X]の最大値は2であるため、総てのエリアに渡ってΔRThを超えるエリアが存在しない。すなわち、視認される周波数むらが生じないことになる。また、ディザマスクBは、図11に示す吐出量レベルにおいて、予め定めた画質的に許容できる粒状度閾値を下回っているので、ディザマスクBを使用することにより、粒状度を許容しつつ周波数むらを視認限界以下に低減することができる。
図15は、以上説明した、周波数むらを低減するディザマスクを選択する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS602で、PC300のHDD303から読み出してRAM312に保持している複数のディザマスクの中から最も空間周波数の高い1つのディザマスクを選択する。次に、ステップS603で、選択されたディザマスクと、エリアごとの吐出量レベル値T[X]とから、上述したテーブルを参照して、粒状度R[X]を求める。さらに、ステップS604で、隣接する各エリア間の粒状度差ΔR[X]をエリア全域にわたって算出する。
ステップS605では、ステップS604で求めた粒状度ΔR[X]の中の最大値を求め、この最大粒状度差と判定閾値ΔRThと比較する。ΔR[X]の最大値が閾値ΔRThを下回れば、選択しているディザマスクを使用することを決定し、処理を終了する。一方、ΔR[X]の最大値が閾値ΔRTh以上のときは、ステップS606で、選択しているディザマスクより空間周波数が低いディザマスクがRAM312にあるか否かを判定する。ないときは、選択しているディザマスクを使用することを決定し、処理を終了する。空間周波数がより低いディザマスクがあるときは、ステップS607で、選択中のディザマスクより空間周波数が1段階低いディザマスクを選択する。そして、ステップS603に戻り、新しく選択されたディザマスクについて上記処理を繰り返す。
以上の処理によって、粒状度が許容できる複数のディザマスクの中から、周波数むらが視認限界を下回る中で画像を記録できるディザマスクを決定することができる。その結果、決定されたディザマスクを量子化処理部407で使用することにより、HS処理405を行ったことにより発生する周波数むらを、粒状度の許容範囲内で低減することができる。
以上のように、ディザマスクと吐出量レベル値H[X]の組み合わせから粒状度を算出するテーブルパラメータを予め保持しておき、最大吐出量レベル値での粒状度と最小吐出量レベル値での粒状度の差分値ΔRから最適なディザマスクを選択する方法について述べた。本実施形態では、ΔR[X]を算出する際に、隣接したエリア間で差分を取ったが、上述したように人間の視覚特性を考慮し、例えば記録媒体上で1.0cycle/mmの間隔で差分を取ってもよい。本発明では、ディザマスクを用いて説明を行ったが、それに限らず、誤差拡散法などの他の疑似中間調処理を用いてもよい。さらには、粒状度の差分ではなく、最大吐出量レベル値での粒状度と最小吐出量レベル値での粒状度の比率を用いてもよい。
なお、本実施形態において、記録ヘッドの吐出量が標準(0%)に比べて+10%〜−10%の範囲でばらつくプリントシステムA、+16%〜−16%の範囲でばらつくプリントシステムBを想定し、粒状度のシミュレートを行った。まず、空間周波数が異なる4つのディザマスクA、B、C、D(256×256画素)を用意する。ディザマスクAとは一般的に知られるブルーノイズマスクであり、その空間周波数に対して、空間周波数を3.125%下げたマスクをディザマスクB、6.25%下げたマスクをディザマスクC、9.375%下げたマスクをディザマスクDとする。それらを用いて、吐出量が+10%のノズル群と+16%のノズル群における、それぞれの粒状度Rを算出した。その結果を図16に示す。ここで、入力されるインク信号値は160(8bit)とした。本実験では、許容できる粒状度閾値をRThが1.00になるよう、算出された粒状度を規格化している。図16から分かるように、ディザマスクAは高画質な高周波マスクのため、吐出量が標準(0%)から最大吐出量+16%までばらついても、その粒状度Rは全て許容できる範囲内にある。また、ディザマスクBも粒状度Rは全て許容できる。一方、ディザマスクCまで空間周波数が下がると、標準吐出量(0%)のヘッドでは粒状度Rが許容できるものの、+10%ではその粒状度Rが許容限界RThを超えてしまう。図16より、プリントシステムA、Bにおいては、ディザマスクA、Bを使用する限りでは、それらの粒状度は許容できるが、ディザマスクC以上に空間周波数が下がるマスクでは、使用できないことが言える。
次に、図17に、上記4つのディザマスクにおける、プリントシステムAとBの粒状度差ΔRとの関係を示す。図中の実線は、プリントシステムAにおいて標準吐出量(0%)と最大吐出量(+10%)の粒状度差ΔRを、図中の破線は、プリントシステムBにおいて標準吐出量(0%)と最大吐出量(+16%)の粒状度差ΔRをそれぞれ表す。ここで、許容できる粒状度差ΔRThを図中に示す値(0.15)とする。この値は経験的に求めればよい。全てのディザマスクにおいて、吐出量差が16%の粒状度差の方が、10%の粒状度差より値が大きくなっている。これは前述したとおり、吐出量の差が大きい方が、記録媒体上で視認される粒状度の差も大きくなってしまうことを示している。図17から、ディザマスクAにおける吐出量16%の粒状度差が、許容できる粒状度差ΔRThを上回ってしまうことが分かる。すなわち、標準吐出量のヘッドと最大吐出量+16%のヘッドが隣接した場合、ディザマスクAを使用すると、周波数むらが目立ってしまうと言える。
ディザマスクを指定する場合、図16に示す許容できる粒状度RThと、図17に示す許容できる粒状度差ΔRThの両方を満たさなければ、プリントシステムで使用することはできない。上記2つの図より、プリントシステムAにおいては、ディザマスクAとBを使用することができる。ただし、ディザマスクAの方が高画質な高周波マスクのため、この場合はディザマスクAを用いることが望ましい。一方、プリントシステムBの場合、ディザマスクAを使用すると、許容できる粒状度差ΔRThを超えてしまう。すなわち周波数むらが視認されてしまうことになる。この場合はディザマスクBを使用することにより、RTh、ΔRThともに満たすことができる。
図18および図19は、プリントシステムAにおける吐出量が−10%、プリントシステムBにおける吐出量が−16%の場合を示す図である。吐出量が標準より減少する記録ヘッドを用いても、上記と定性的に同様のことが言える。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数ノズルを用いて画像を記録する際に、複数のノズル間の吐出特性のばらつきをHS処理にて補正したことに起因するドット配置パターンの違い、すなわち周波数むらを低減することが可能となる。すなわち、この周波数むらを低減するために、ノズル間の吐出特性から粒状度を算出し、隣接するエリア間の粒状度差を求める。この粒状度差に応じて、予め保持した複数の量子化処理の中から1つを選択し、量子化処理を行う。これにより、従来のHS処理では解決できなかった、周波数むらを低減することができる。高画質化を図る上では、単位領域は1ノズルに対応する領域であることが望ましいが、処理速度やメモリ容量を考慮して適宜領域を設定することが可能である。
また、以上では、HS処理の処理単位に対応するノズル群の4つのノズルが総て同じ吐出量である場合を例に説明したが、1つのノズル群の中で各ノズルの吐出特性がまちまちであることは十分あり得る。このような場合であっても、同一エリアにおける平均の粒状度を取得し、それに基づく色差を4つのノズルの全てによって補正するような変換処理を行えば、上述した効果を得ることができる。
また、周波数むらを低減できるディザマスクを複数保持することは、記録ヘッドの製造工程によって発生する吐出量のばらつきの制限値(本実施形態では+10%〜−10%)を上げることも可能になる。図16、17を用いて説明する。仮にディザマスクAしか持たないプリントシステムの場合、図17に示すように吐出量のばらつきが+10%生じる記録ヘッドを使用する限りにおいては、粒状度差ΔRはΔRThを下回り、周波数むらを発生させることなく画像を記録することができる。一方、吐出量のばらつきが+16%生じる記録ヘッドになると、粒状度差ΔRがΔRThを上回ってしまう。この場合、プリントシステムにディザマスクAしか所持していないと、吐出量のばらつきが+16%〜−16%の記録ヘッドは、粒状度の最大値がたとえ許容できる粒状度(RTh)を下回っていても、使用できないことになる。ところが、図17のようにディザマスクBを持つことにより、たとえ吐出量のばらつきが+16%%生じる記録ヘッドであっても、許容できる粒状度(RTh)を満たしつつ粒状度差ΔRをΔRTh以下に抑えることができる。つまり、空間周波数の異なるディザマスクを複数持つことで、従来に比べて記録ヘッドの製造工程における吐出量のばらつきの制限値を上げることが可能となる。
(第2実施形態)
上述した第1の実施形態では、エリア[X]ごとの粒状度R[X]を求める際に、予め作成したテーブルパラメータを参照する例について説明した。本実施形態では、任意のディザマスクを選択し、測定用画像を記録媒体に記録し、それをスキャナで読み取り、その読み取り結果からエリア[X]ごとの粒状度R[X]を求める例に関するものである。
図20は、本実施形態に係るディザマスクを選択する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS702で、HS処理405を行い、その処理単位に対応するノズル群の吐出特性に応じて画像データの補正を行う。次に、ステップS703で、PC300のHDD303から読み出してRAM312に保持している複数のディザマスクの中から最も空間周波数の高い1つを選択し、画像処理アクセラレータ316に設定する。そして、ステップS704で、TRC処理406と、選択しているディザマスクによる量子化処理407を行い、記録媒体に画像を記録する。
次に、ステップS705で、記録された画像をスキャナで読み取り、エリアごとに粒状度R[X]を算出する。さらに、ステップS706で、隣接する各エリア間の粒状度差ΔR[X]をエリア全域に渡って算出する。
ステップS707では、以上のように求めた粒状度差ΔR[X]の最大値を求め、閾値ΔRThと比較する。粒状度差ΔR[X]の最大値がΔRThを下回れば、選択しているディザマスクを使用することを決定し、処理を終了する。粒状度差ΔR[X]の最大値がΔRTh以下であるときは、ステップS708で、選択しているディザマスクより空間周波数が低いディザマスクがRAM312にあるか否かを判定する。ないときは、選択しているディザマスクを使用することを決定し、本処理を終了する。より空間周波数が低いディザマスクがあるときは、ステップS709で、選択しているディザマスクより空間周波数が1段階低いディザマスクを選択し、画像処理アクセラレータ316に設定する。続いて再びステップS704に戻り、新しく選択されたディザマスクにて上記処理を繰り返す。
以上の処理によれば、粒状度が許容できる複数のディザマスクの中から、周波数むらが視認限界を下回る中で画像を記録できるディザマスクを決定することができる。その結果、決定されたディザマスクを量子化処理部407で使用することにより、HS処理405を行ったことにより発生する周波数むらを、粒状度の許容範囲内で最小に低減することができる。
以上のように、HS処理を行って記録媒体に記録された画像をスキャナ107で読み取って粒状度を算出し、使用可能なディザマスクを判定する形態について説明した。この形態では、記録媒体から直接粒状度を測定するので、プリントシステムの個体誤差に左右されず、第1の実施形態と比べてより精度の高い粒状度判定を行うことができる。本実施形態では、ΔR[X]を算出する際に、隣接したエリア間で差分を取ったが、上述したように人間の視覚特性を考慮し、例えば記録媒体上で1.0cycle/mmの間隔で差分を取ってもよい。本発明では、ディザマスクを用いて説明を行ったが、それに限らず、誤差拡散法などの他の疑似中間調処理を用いてもよい。
(第3実施形態)
上記第1の実施形態では、ディザマスクの切り換えに用いる粒状度差の閾値ΔRThを、予め定めた一意の値とするものである。そして、どの吐出量レベル値、どの空間周波数においても常時ΔRThを用いて判定を行う形態に関するものである。本実施形態は、この閾値判定に用いる粒状度差ΔRThを、吐出量レベル値と空間周波数の2つの要因によって求める形態に関するものである。
ドットサイズが人間の視覚的に十分無視できるほど小さい場合は、粒状度差を判定する処理(図15のステップS605)において一意に判定閾値ΔRThを設定することができる。しかし、ドットサイズが大きくなるにつれて視認しやすくなり、その粒状性が高まる。このため、ドットサイズが粒状度に大きく影響を及ぼすほどになると、それに応じて判定閾値ΔRThを変化させることが望ましい。本実施形態では、ドットサイズを吐出量レベル値を用いて判定する。すなわち、ドットサイズが大きくなるほど、吐出量レベル値が上がるため、吐出量レベル値が大きくなるほどΔRThの値を小さくする。このΔRThの設定は、製造工程の吐出量のばらつき範囲内において、実験的に求めてもよいし、RMS粒状度など一般に知られた粒状度算出方法を用いて求めてもよい。
一方、ディザマスクによって形成されるドット配置パターンも、その空間周波数によって上記同様に判定閾値ΔRThを変えることが望ましい。例えば、ドットが密集した配置パターン、すなわちドット配置パターンが低周波である場合、ドット同士が近づくためにそれが大きなドットとして視認されやすくなる。つまり、粒状性が高まることになる。そのため、粒状度差を判定する処理(図15のステップS605)では、ドット配置パターンの空間周波数が低いほど、判定閾値ΔRThの値を大きくする。ドット配置パターンの空間周波数が少しでも低くなれば、粒状性が目立ってしまうので、次のディザマスクに切り換えやすくすることが望ましい。逆に、ドット配置パターンの空間周波数が高いほど、判定閾値ΔRThの値を小さくする。空間周波数が高いほど粒状性は目立ちにくく、従ってディザマスクを切り換える頻度を下げればよい。すなわちΔRThの値を大きくすればよい。これにより、粒状度差を判定する処理(図15のステップS605)の工程数を減らすことができ、また用意する空間周波数の高いディザマスクの数を減らすこともできる。具体的な方法としては、ディザマスクごとに、入力される画素値とドット配置パターンの空間周波数の関係を、テーブルデータとして保持しておく。これは予め実験的に作成することができる。使用するディザマスクと入力される画素値から、テーブルパラメータを参照してドット配置パターンの空間周波数を求める。
以上、吐出量レベル値とドット配置パターンの空間周波数の2つの変数によって、粒状度差の判定閾値ΔRThを決定する形態について説明した。図21は、この2つの変数と判定閾値ΔRThとの関係を示す図である。同図において、縦方向に吐出量レベル値、横方向にドット配置パターンの空間周波数を記す。表中のΔRThの数値は、図17に示したのと同様に、規格化した数値を示している。吐出量レベル値が上がるほど(図の下へ行くほど)ΔRThは小さくなる。これは、ドットサイズが大きくなるにつれて粒状性が目立ちやすくなるため、より最適なディザマスクに切り換えやすくするためである。一方、ドット配置パターンの空間周波数が上がるほど(図の右へ行くほど)ΔRThは大きくなる。空間周波数が高くなるにつれて粒状性が低下するので、必要以上にディザマスクを切り換えなくて済むよう設定される。
また、記録ヘッドの特性やプリントシステムの容量などに応じて、吐出量レベル値とドット配置パターンの空間周波数のうち、いずれか一つだけでΔRThを決定しても構わない。HS処理を行う際のディザマスクに応じて、ΔRThを変えてもよい。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、図2にて説明したような複数の吐出基板1011〜1013がノズル配列方向に隣接して配置されている記録ヘッドを用いる形態に関するものである。本実施形態では、図22に示すように、複数の吐出基板が互い違いに配置されている記録ヘッドを用いる形態に関する。この記録ヘッドは、吐出基板が1つおきにノズル配列垂直方向にずれていて、隣同士の吐出基板が一定の幅だけ重複した場所に配置された構造となっている。図22では、吐出基板1011の右端と吐出量基板1012の左端がノズル群(4ノズル)2つ分重複している。重複するノズル群の数は本実施形態では問わない。
図23(a)は、図22の記録ヘッドの重複部分を拡大した図である。吐出基板1011のノズル群10112と、吐出基板1012のノズル群10121が重複し、ノズル群10113とノズル群10122が重複する構造となる。このような記録ヘッドの構造では、インクの吐出量の組み合わせ比率を、図23(b)に示すようにすることが望ましい。単位面積あたり12ドット記録する画素値が入力された場合を想定する。吐出基板1011において、ノズル群10111は12ドットを記録する。ノズル群10112は12ドットの2/3倍、すなわち8ドットを記録する。この場合、例えば1ノズルにつき2ドット記録すればよい。ノズル群10113は12ドットの1/3倍、すなわち4ドットを記録する。この場合、例えば1ノズルにつき1ドット記録すればよい。一方、吐出基板1012においては、ノズル群10121は12ドットの1/3倍、すなわち4ドットを記録する。ノズル群10122は12ドットの2/3倍、すなわち8ドットを記録する。ノズル群10123は12ドットを記録する。こうして、ノズル群ごとの組み合わせ比率を変えることで、各エリアでは全て12ドットが記録されることになる。
ところが、ノズル群10112と10121でドットサイズが異なる場合、HS処理によって、第2エリア(X=2)では、記録されるドット配置パターン内でサイズの異なるドットが点在することになる。つまり、第1の実施形態と比べて、ノズル群が重複するエリア[X]の粒状度は高くなる。そのため、図23(a)の重複するエリア[X]に対しては、第1の実施形態で用いた粒状度判定と異なるテーブルパラメータで粒状度を判定する。1つの例としては、ノズル群10112の吐出量を隣接するノズル群10111の吐出量と略同一とみなし、ドット配置パターンにおいてノズル群10111の吐出量のドットが全体の2/3ドット記録されると仮定する。一方、ノズル群10121の吐出量を、ノズル群が重複しない最も近いノズル群10123の吐出量と略同一とみなし、ドット配置パターンにおいてノズル群10121の吐出量のドットが全体の1/3ドット記録されると仮定する。予め、それぞれの吐出量レベル値と、それぞれの組み合わせ比率との関係をテーブルパラメータとして保持しておき、それを参照することで、粒状度をより精度よく求めることができる。記録ヘッドの製造工程において、同一の吐出基板内の隣接するノズル群間の吐出量ばらつきより、異なる吐出基板同士の吐出量ばらつきの方が、一般的に大きいため、こうした処理方法を取ることが望ましい。また、別の例として、第2の実施形態に記載したように、HS処理を行って記録媒体に記録された画像をスキャナ107で読み取って粒状度を算出することで、吐出量レベル値からテーブルパラメータを参照して粒状度を推定するより、同様の結果が得られる。
さらには、粒状度差を判定する処理においても、ノズル群が重複するエリアと重複しないエリアとで、異なる判定処理を行うこともできる。一例として、重複するエリアに対しては、第3の実施形態に記載したように、吐出量レベル値とドット配置パターンの空間周波数の2つの変数によって得られた粒状度差の判定閾値ΔRThを用いてもよい。図21に示すテーブルパラメータを、上述した組み合わせ比率ごとに作成する方法が考えられる。
なお、各吐出基板において、吐出量のばらつきがドット配置パターンの粒状度に影響を及ぼさない範囲であれば、図22に示す記録ヘッドにおける粒状度判定ならびに粒状度差判定は、第1の実施形態の記録ヘッドを用いた場合と同様の処理を行ってもよい。
(他の実施形態)
なお、これまで第1の実施形態〜第4の実施形態を説明してきたが、それぞれの処理内容についてはあくまで一例である。記録ヘッドの全長における周波数むらの低減が実現できる構成であれば、どのような構成をも用いることができる。本発明の実施形態では、複数の量子化マスクの中から1つを選択したが、例えば、記録ヘッド全長においてエリアごとにそれぞれ異なる量子化マスクを用いて量子化処理を行うことができれば、本発明が課題とするような周波数むらは目立たなくなるため、必ずしも全てのエリアを1つの量子化マスクで行わなくても良い。
また、以上の実施形態では、ノズル列をノズルの配列方向に複数に分割して複数のノズル群とし、1ノズル群を4つのノズルとした。そして、1ノズル群によって規定される記録媒体上の単位領域を1つのエリアとし、粒状度判定を行う最小単位として設定した。前述したように本発明はこのような単位に限定されるものではなく、より多くのノズルで規定される領域を一単位としてもよいし、1ノズルを1ノズル群としても構わない。更に、個々のエリアに含まれるノズル数は必ずしも同数でなくても良く、個々のエリアに含まれるノズル数をデバイスの特性に応じて適宜設定してもよい。複数のインクを吐出する複数のノズル列において、記録媒体上の同じ領域を記録するノズル群の組みごとにそれぞれ変換テーブルが対応していればよい。
また、本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクを用いる形態で説明したが、本発明はこれに限るものではなく、2色以上のインクを用いる形態であればよい。例えば、前述の4色の他に、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレット、ライトシアン、ライトマゼンタ、グレイ、ライトグレイのインクのうちのいずれかを用いる形態であってもよい。
また、上記実施形態は、ディザマトリクスが2値化に用いられる形態に関するものであるが、本発明の適用はこの形態に限られない。例えば、256値の画像データを4値のデータに量子化し、この4値のデータが示す各レベルに対応したドット配置パターンを用いて2値化を行う形態であってよい。また、上述した実施形態は、インクジェット方式の記録装置に関するものであるが、この形態に限られず、例えば熱転写などによってドットを形成する方式の記録装置であってもよい。
100 プリンタ
101〜104 記録ヘッド
107 スキャナ
311 CPU
312 RAM
313 ROM
318 画像処理アクセラレータ
300 PC
303 HDD

Claims (9)

  1. 複数の記録素子を配列した記録素子列を用いて記録を行うための記録データを生成する画像処理装置であって、
    前記記録素子列の複数の記録素子を分割して得られる複数の記録素子群にそれぞれ対応した処理単位ごとに、当該記録素子群の記録素子に対応した画素の画像データを当該記録素子群の記録素子の記録特性に応じて補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された画像データを量子化マスクを用いて量子化する手段であって、前記処理単位ごとに当該処理単位に対応する記録素子群で記録した単位領域の記録画像において求められる粒状度の、前記単位領域の間の差がより小さくなる量子化マスクを、空間周波数特性が異なる少なくとも2つ以上の量子化マスクの中から選択して量子化を行う量子化手段と、
    を具えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記処理単位ごとの、当該対応する記録素子群の記録特性に基づいて、前記単位領域に記録される記録画像における粒状度を求める粒状度算出手段をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記粒状度算出手段は、前記記録素子群の記録特性と前記量子化マスクの組み合わせごとの粒状度を予め定めておき、前記記録素子群の記録特性と前記量子化マスクをそれぞれ指定することにより粒状度を算出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記粒状度算出手段は、前記補正手段によって補正された画像データに基づいて記録を行い、前記記録された画像を測定手段によって測定し、前記測定された結果から前記処理単位ごとの粒状度を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
  5. 前記量子化手段は、複数の前記単位領域のうち所定の間隔にある単位領域それぞれの粒状度の差を算出し、その差に応じて前記少なくとも2つ以上の量子化マスクの中から選択することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記量子化手段は、予め定めた閾値を用いて前記粒状度の差の大きさを判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記粒状度の差の大きさを判定する閾値は、前記記録素子群の記録特性および前記量子化マスクそれぞれに応じて形成されるドット配置パターンの両方またはいずれか一方に基づいて生成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 複数の記録素子を配列した記録素子列を用い、記録データに基づいて記録を行う記録装置であって、
    前記記録素子列の複数の記録素子を分割して得られる複数の記録素子群にそれぞれ対応した処理単位ごとに、当該記録素子群の記録素子に対応した画素の画像データを当該記録素子群の記録素子の記録特性に応じて補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された画像データを量子化マスクを用いて量子化する手段であって、前記処理単位ごとに当該処理単位に対応する記録素子群で記録した単位領域の記録画像において求められる粒状度の、前記単位領域の間の差がより小さくなる量子化マスクを、空間周波数特性が異なる少なくとも2つ以上の量子化マスクの中から選択して量子化を行う量子化手段と、
    を具えたことを特徴とする記録装置。
  9. 複数の記録素子を配列した記録素子列を用いて記録を行うための記録データを生成するための画像処理方法であって、
    前記記録素子列の複数の記録素子を分割して得られる複数の記録素子群にそれぞれ対応した処理単位ごとに、当該記録素子群の記録素子に対応した画素の画像データを当該記録素子群の記録素子の記録特性に応じて補正する補正工程と、
    前記補正工程で補正された画像データを量子化マスクを用いて量子化する工程であって、前記処理単位ごとに当該処理単位に対応する記録素子群で記録した単位領域の記録画像において求められる粒状度の、前記単位領域の間の差がより小さくなる量子化マスクを、空間周波数特性が異なる少なくとも2つ以上の量子化マスクの中から選択して量子化を行う量子化工程と、
    を有したことを特徴とする画像処理方法。
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