JP6192327B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、印刷機で印字する際に、入力された複数色かつ/または単色を含むデジタル画像データに対して、印字を行うための印字データにする画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
編集された画像データ、あるいは、光学的にスキャンして得られた画像データなどに対して、文字部と写真部に画像をわけて、それぞれ画像処理を行う方法が知られている。
特許文献1では、コンピュータで連続階調データと二値データをそれぞれエンコードし、プリンタに転送、インクジェットプリンタでデコードする。その後、プリンタにおいて、連続階調データは、ハーフトーニング処理が行われ、二値カラーデータとなる。そして、二値データと二値カラーデータとが合成されて印字データとなり、印字されることが記載されている。
米国特許公開2009/002739号明細書
編集された画像データ、あるいは、光学的にスキャンして得られた画像データなどには、写真、イメージ画像データと文字画像データが存在する。文字画像データの連続階調データに対するインク色変換を行わない。しかしながら特許文献1に記載の方法では、被印字用媒体の種類によっては付与するインク量が適切なものとならず、印字物の画質が所望のものとならない場合がある。その上、プリントヘッドの製造ばらつき等を考慮して画像データを補正する処理を行う際に、画像データと文字データとに同じ補正を適用することは必ずしも適切とはならない。
本願発明は上記課題を鑑みなされたものであり、文字データ、写真、イメージ画像データにともに適切なインク量が設定された2値の記録用のデータを生成することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、インクを吐出するための複数のノズルが配列されたノズル列によって記録媒体にドットを形成することにより画像を形成するための画像処理装置であって、元画像データから分割されたイメージ属性の画像の第1の画像データと文字属性の画像第2の画像データとを取得する取得手段と、前記第1の画像データに対して、前記複数のノズルのインクの吐出特性に関する情報に基づき、前記複数のノズルの吐出特性のばらつきに起因する記録媒体上の記録領域における単位領域間の濃度差を低減するように、単位領域毎に、各単位領域を記録する前記ノズル列のノズルに対応するデータの階調値の補正を行う第1の補正手段と、前記第2の画像データに対して、前記ノズル列の前記複数のノズルのインクの吐出特性に関する情報に基づき、前記第1の補正手段による前記第1の画像データに対する補正よりも弱い程度で、前記複数のノズルの吐出特性のばらつきに起因する記録媒体上の記録領域における単位領域間の濃度差を低減するように、前記単位領域毎に、各単位領域を記録する前記ノズル列のノズルに対応するデータの階調値の補正を行う第2の補正手段と、前記第1の補正手段によって補正された前記第1の画像データに基づいて、前記第1の画像を形成するためのドットの形成の有無を示す第1のドットデータを生成し、前記第2の補正手段によって補正された前記第2の画像データに基づいて、前記第2の画像を形成するためのドットの形成の有無を示す第2のドットデータを生成する生成手段と、前記第1のドットデータおよび前記第2のドットデータを合成し、前記ノズル列によって記録媒体にドットを形成するためのデータを生成する合成手段と、を有する画像処理装置である。
以上の本発明によれば、写真、イメージ画像と文字画像でそれぞれに適した補正が行われた上で印字を行うことができ、高画質の記録を行うことが可能となる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタを模式的に示す図である。 本発明に使用可能な一実施形態の記録ヘッドの構成を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る記録システムを示すブロック図である。 (a)および(b)は、吐出量が等しい記録ヘッドのドット配置パターンを説明する図である。 (a)および(b)は、吐出量が異なる記録ヘッドのドット配置パターンを説明する図である。 (a)および(b)は、図5の記録ヘッドにHS処理を行ったドット配置パターンを説明する図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタが実行する画像処理の構成を示す図である。 本発明の実施形態で行うHS処理を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、記録ヘッド内のノズル群と、その記録するエリアを説明する図である。 各ノズル群における標準的な吐出量からの濃度差をエリアごとに表したグラフである。 各ノズル群における濃度差から算出した吐出量レベル値をエリアごとに表したグラフである。 (a)および(b)は、通常のHS処理による細線のドット配置パターンを説明する図である。 (a)および(b)は、文字HS処理による細線のドット配置パターンを説明する図である。 本発明の一実施形態で、写真HS処理と文字HS処理のインクドット間引き量を表したグラフである。 本発明の一実施形態で、写真と文字のデータ合成をインク色変換部の後に行う記録システムを示すブロック図である。 本発明の一実施形態で、写真と文字のデータを圧縮してプリンタに転送する記録システムを示すブロック図である。 本発明の一実施形態で、写真と文字のデータを像域分離処理で分割する記録システムを示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出して記録を行う装置としてのインクジェット記録装置であるプリンタを模式的に示す図である。本実施形態のプリンタはフルラインタイプの記録装置であり、図1に示すように、記録ヘッド101〜104を備える。記録ヘッド101〜104のそれぞれには、記録媒体106の幅に対応した同じ種類のインクを吐出するノズル(吐出口)を複数備え、これらが配列したノズル列(吐出口列)が、1200dpiのピッチでx方向(所定方向)に配列されている。記録ヘッド101〜104は、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する吐出ヘッドとしての記録ヘッドである。これら複数種類のインクを吐出する記録ヘッド101〜104が、図のようにy方向に沿って並列することにより、本実施形態の記録ヘッドが形成されている。
図2は、記録ヘッド101のノズル配列を示す図である。図のように記録ヘッド101には、複数の吐出基板1011〜1013がノズル配列方向に沿って配置されている。各吐出基板にはそれぞれノズル配列方向に延びる4列のノズル列が配列している。そして、記録媒体上の対応する領域に対して、記録ヘッド101〜104がそれぞれ複数色のインクを吐出することで、画像を記録する。
図1に戻る。記録媒体106は、搬送ローラ105(および他の不図示のローラ)がモータ(不図示)の駆動力によって回転することにより、図中y方向に搬送される。記録媒体106が搬送される間に、記録ヘッド101〜104それぞれの複数のノズルからは、記録媒体106の搬送速度に対応した周波数で、記録データに従った吐出動作が行われる。これにより、各色のドットが記録データに対応して所定の解像度で記録され、記録媒体106一頁分の画像が形成される。
y方向における記録ヘッド101〜104よりも下流の位置には、記録ヘッド101〜104と並列する状態で所定のピッチで読み取り素子が配列したスキャナ107が配備されている。スキャナ107は、記録ヘッド101〜104で記録した画像を読み取り、RGBの多値データとして出力することができる。
なお、本発明を適用可能な記録装置は、以上説明したフルラインタイプの装置に限られない。例えば、記録ヘッドやスキャナを記録媒体の搬送方向と交差する方向に走査して記録を行う、いわゆるシリアルタイプの記録装置にも本発明を適用することはできる。また、本実施形態はインク色毎に記録ヘッドを備える例を用いているが、1つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出する形態であってもよい。さらに、1つの吐出基板上に複数色のインクに対応したノズル列を配列した形態であってもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る記録システムを示すブロック図である。同図に示すように、この記録システムは、図1に示したプリンタ100と、そのホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)200を有して構成される。
ホストPC200は、主に以下の要素を有して構成される。CPU201は、記憶手段であるHDD203やRAM202に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM202は、揮発性のストレージであり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD203は、不揮発性のストレージであり、同じくプログラムやデータを保持する。後述する量子化マスクもHDD203に記憶される。本実施形態では、データ転送I/F(インターフェース)204はプリンタ100との間におけるデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F205は、キーボードやマウス等のHID(Human Interface Device)を制御するI/Fであり、ユーザは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F206は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ100は、主に以下の要素を有して構成される。CPU211は、ROM213やRAM212に保持されているプログラムに従い、後述する各実施形態の処理を実行する。RAM212は、揮発性のストレージであり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM213は不揮発性のストレージであり、後述する処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。
データ転送I/F214はホストPC200との間におけるデータの送受信を制御する。ヘッドコントローラ215は、図1に示したそれぞれの記録ヘッド101〜104に対して記録データを供給するとともに、記録ヘッドの吐出動作を制御する。具体的には、ヘッドコントローラ215は、RAM212の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む構成とすることができる。そして、CPU211が、制御パラメータと記録データをRAM212の上記所定のアドレスに書き込むと、ヘッドコントローラ215により処理が起動され、記録ヘッドからのインク吐出が行われる。スキャナコントローラ217は、図1に示したスキャナ107の個々の読み取り素子を制御しつつ、これらから得られたRGBデータをCPU211に出力する。
画像処理アクセラレータ216は、CPU211よりも高速に画像処理を実行可能なハードウェアである。具体的には、画像処理アクセラレータ216は、RAM212の所定のアドレスから画像処理に必要なパラメータとデータを読み込む構成とする。そして、CPU211が上記パラメータとデータをRAM212の上記所定のアドレスに書き込むと、画像処理アクセラレータ216が起動され、上記データに対し所定の画像処理が行われる。本実施形態では、後述される量子化マスクの判定処理をCPU211によるソフトウェア処理で行う。一方、量子化処理部の処理を含む記録の際の画像処理については、画像処理アクセラレータ216によるハードウェア処理で行う。なお、画像処理アクセラレータ216は必須な要素ではなく、プリンタの仕様などに応じて、CPU211による処理のみで上記のテーブルパラメータの作成処理および画像処理を実行してもよい。
以上説明した記録システムにおいて、複数のノズル間の吐出特性のばらつきに起因する濃度むらをHS処理にて補正するための実施形態を以下に説明する。
図4(a)〜(b)は、吐出基板上の各ノズルにおいて、吐出量が全て同じ場合の記録ヘッドと、そこからと出されたインクによって表現されるドット配置パターンについて説明する図である。図4(a)の101は、第1のインクであるKインクを吐出する記録ヘッドを示している。同図では、説明および図示の簡略化のため、記録ヘッドにおけるノズル列のうち、8つのノズルのみが示されている。図4(b)は、図4(a)のノズルを用いて、記録媒体106に記録された50%デューティのベタ画像の記録状態を示す図である。すなわち、100%デューティに比べて、2つに1つの割合でインクドットが吐出されるモデルである。記録媒体106において、図4(a)の左側の4ノズルを用いて記録される領域を第1エリア、右側の4ノズルで記録される領域を第2エリアと称する。なお、本図では、個々のノズルの大きさとそれぞれのノズルによって記録されるドットの大きさを、等しい大きさで示しているが、これは説明上両者の対応をとるためであって、実際にこれらの大きさが等しいわけではない。また、各ノズルからの吐出量はノズル径以外の原因によっても異なるものであるため、必ずしもノズル径が異なるとは限らないが、本図では、吐出量が大きいノズルを大きな円で示して説明する。
記録ヘッド101の8つのノズル10111〜10114、10121〜10124は、全て標準的な量のインクを標準的な方向に吐出可能であり、記録媒体106には同じ大きさのドットが一定の間隔で記録される。一方、図5(a)〜(b)は、吐出基板上の各ノズルにおいて、吐出量が吐出基板ごとに異なる場合の記録ヘッドと、そこから吐出されたインクによって表現されるドット配置パターンを表す図である。図5(a)は各記録ヘッドのノズルを示す図であり、図5(b)は、図5(a)に示すノズルを用いて、記録媒体106に記録された50%デューティのベタ画像の記録状態を示す図である。
ここで、記録ヘッド101の8つのノズルのうち、図中左側の4つのノズル10111〜10114は標準の吐出量、右側の4つのノズル10121〜10124は標準よりも多い吐出量であるとする。この記録ヘッド101のように吐出量にばらつきのある記録ヘッドを用いる場合、記録媒体上に同じ色の画像を記録したとしても、領域によって異なる濃度になる場合がある。本図の場合、図中左側に示された4つのノズルを用いて記録される領域(第1エリア)では、濃度が標準なベタ画像が記録される。一方、図中右側に示された4つノズルを用いて記録される領域(第2エリア)では、それぞれのドットが大きいため、第1エリアに比べて濃度が高いベタ画像が記録される。つまり、第1エリアと第2エリアとで、濃度が異なってしまうのである。
このような吐出特性を有する記録ヘッドを用いる場合に、HS処理による画像データの補正が行われる。それを図6(a)〜(b)を使って説明する。記録ヘッド101のノズルのうち、右側の4ノズル10121〜10124に対応する画像データに対して、濃度が低減するように補正が行われる。具体的には、右側の4ノズル10121〜10124が記録するドットの数が、左側の4ノズル10111〜10114が記録するドットの数よりも少なく抑えられるように、ドットの形成の有無をドットの記録(1)或いは非記録(0)で定めるドットデータ(2値データ)が生成される。図6(b)は、右側4ノズルでインクを50%デューティで記録するベタ画像の画像データに対し、HS処理を行った後に、記録媒体106に記録される画像を説明するための図である。図において、10611はノズル10111により記録されたドット、10621はノズル10121により記録されたドットを示している。例として、右側4ノズル10121〜10124から吐出されたドットの記録媒体上での面積が、左側4ノズル10121〜10124から吐出されたドットの記録媒体上での面積の2倍であると仮定する。この場合、前述のHS処理によって、右側4ノズル10121〜10124からの吐出回数を、左側4ノズル10111〜10114のから吐出回数の約1/2(2ドット→1ドット)とすることで、記録媒体に対する被覆面積をほぼ同等にすることができる。このように、HS処理では、記録媒体上の領域毎に検出される濃度がほぼ一様になるように、各領域に記録されるドット数を調整する。尚、実際には、被覆面積と検出される濃度は必ずしも比例関係になっていないが、本実施形態では、2倍の面積のドットの数を1/2とする例を用いて説明する。
以上述べたように、HS処理では、1061の面積の和=1062の面積の和となるように、記録されるドットの数が調整される。よって、1061の光吸収特性によって観察される濃度が、1062の光吸収特性によって観察される濃度と等しければ、両方のエリアの濃度はほぼ同色に見える。
なお、このような吐出特性のばらつきは、例えば大、中、小の3段階のドットによって記録を行う4値の記録装置など、ドットの大きさを変更できる多値の記録装置においても生じることがある。従って、2値の記録装置に限らず3値以上の多値記録装置にも本発明を適用することができる。
(第1実施形態)
図7は、本発明の第1の実施形態に係る、インクジェットプリンタに対応した画像処理装置が実行する画像処理の構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態は、図3に示したプリンタ100の制御、処理のための各要素によって画像処理部を構成する。なお、本発明の適用はこの形態に限られない。例えば、図3に示したホストPC200において画像処理部が構成されてもよく、あるいは画像処理部の一部がホストPC200において構成され、その他の部分がプリンタ100において構成されてもよい。以下では第1の属性の画像としてイメージとしての写真、第1の属性と異なる第2の属性の画像として文字を例示して説明を行なう。
図7に示すように、写真/文字レンダリング部301でホストPC200で保持する画像データをレンダリングする。次に、レンダリングされた画像データを写真/文字分割部302で写真画像データ(第1の画像データ)と文字画像データ(第2の画像データ)に分割する。本実施形態では、入力画像データとして予め写真画像データと文字画像データに分かれた画像データを扱う。例えば、TIFFファイル形式で、フルカラー画像データとモノクロ画像データの2つのレイヤーを保持し、フルカラー画像データを写真画像データ、モノクロ画像データを文字画像データとすればよい。または、PDFファイル形式で、写真画像データはビットマップデータとし、文字画像データはベクトルデータとして保持してもよい。さらには、画像のレンダリングインテントを参照し、パーセプチュアルを写真画像データとし、カラリメトリックを文字画像データとしてもよい。その他、画像データに対して、写真/文字の識別情報を記載したファイル形式を作成し、識別情報に従って写真/文字判定を行ってもよく、写真画像データと文字画像データが識別できれば、その方法は問わない。なお、本実施形態では、写真画像データを8ビットRGB信号値から成る画像データとする。一方、文字画像データは、写真画像データと同様8ビットRGB信号値でもよいし、1ビットの2値画像データでもよい。また、以下の説明においては、8ビットRGB信号値の多値画像データとして扱う。分割されたそれぞれの画像データは、写真/文字データ送信部204からプリンタ100の写真/文字データ受信部214に転送される。なお、写真画像データと文字画像データは同じ解像度とする。
プリンタ100が受信した画像データは、写真/文字データ受信部214で写真画像データと文字画像データに分割される。写真画像データは、第1の生成手段を構成する、写真入力色変換部303、写真インク色変換部304、写真HS処理部305、写真TRC処理部306、写真量子化処理部307を経て第1のドットデータである写真量子化データとなる。一方、文字画像データは、第2の生成手段を構成する、文字入力色変換部308、文字インク色変換部309、文字HS処理部310、文字TRC処理部311、文字量子化処理部312を経て第2のドットデータである文字量子化データとなる。
写真画像データを処理する処理部303〜307において、先ず、写真入力色変換部303は、写真/文字データ受信部214から受信した写真入力画像データを、プリンタの色再現域に対応した画像データに変換する。入力する画像データは、本実施形態では、モニタの表現色であるsRGB等の色空間座標中の色座標(R、G、B)を示すデータである。写真入力色変換部303は、各8ビットのR、G、Bの入力画像データを、マトリクス演算処理や三次元LUTを用いた処理等の既知の手法によって、プリンタの色再現域の画像データ(R´、G´、B´)に変換する。本実施形態では、三次元ルックアップテーブル(3DLUT)を用い、これに補間演算を併用して変換処理を行う。
写真インク色変換部304は、本実施形態の第1変換手段として写真入力色変換部303によって処理されたR´、G´、B´各8ビットの画像データをプリンタで用いるインクの色信号データによる画像データに変換する。本実施形態のプリンタ100はブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを用いることから、RGB信号の画像データは、第1のインク色データとしての、K、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像データに変換される。この色変換も、上述の入力色変換処理部と同様、三次元ルックアップテーブルに補間演算を併用して行う。なお、他の変換手法として、上述と同様、マトリクス演算処理等の手法を用いることもできる。また、インクの数はK、C、M、Yの4色を例に挙げたが、濃度の薄いライトシアン(Lc)やライトマゼンタ(Lm)やグレー(Gy)のインクなど、その他のインクを追加してもよい。
写真HS(Head Shading)処理部305は、インク色信号の画像データを入力して、インク色ごとにそれぞれ8ビットデータを、記録ヘッドを構成する各ノズルの吐出する液滴の体積である吐出量に応じたインク色信号の画像データに変換する処理を行う。すなわち、HS処理部305は、一次元ルックアップテーブルを用いて、HS処理と同様の処理を行う。HS処理の詳細な説明は後述する。
写真TRC(Tone Reproduction Curve)処理部306は、写真HS処理された各8ビットのインク色信号からなる写真画像データに対して、インク色毎に、量子化データ印刷部314で記録されるドットの数を調整するための補正を行う。一般に、記録媒体に記録されるドットの数と、その数のドットによって記録媒体で実現される光学濃度は線形関係にない。よって、写真TRC処理部306は、この関係を線形にすべく各8ビットの画像データを補正して記録媒体に記録されるドットの数を調整する。
写真量子化処理部307は、写真TRC処理部306で処理された各8ビット256値のインク色の写真画像データに対して量子化処理を行い、記録(1)または非記録(0)を表す1ビットの2値データを生成する。ただし、本発明を適用する上で、写真量子化処理部307の形態は特に限定されるものではない。例えば、8ビットの画像データを、直接2値データ(ドットデータ)に変換する形態であってもよいし、一度数ビットの多値の階調値をもつデータに量子化してから、最終的に2値データに変換する形態であってもよい。また量子化処理方法は、ディザ法を用いることが好ましい。後述する量子化データを合成する際、例えば誤差拡散法を用いたのでは、誤差の伝搬が2つの画像データで異なるため、紙面上にプリントされるインクドットが互いに重なり合ってしまうことがある。ディザ法では、画素毎にインクドットの吐出制御を行うため、2つの量子化データを合成しても、他の画素に影響を及ぼすことはないので、本実施形態において有用である。
一方、文字画像データを処理する処理部308〜312において、写真画像データを処理する方法と同様に、文字入力色変換部308で、文字入力画像データを、プリンタの色再現域に対応した画像データに変換する。文字インク色変換部309で、R、G、B各8ビットの画像データをプリンタで用いるインクの色信号データによる画像データに変換する。文字HS処理部310で、インク色ごとにそれぞれ8ビットデータを、記録ヘッドを構成する各ノズルの吐出量に応じたインク色信号の画像データに変換する処理を行う。文字TRC処理部311で、インク色毎に、量子化データ印刷部314で記録されるドットの数を調整するための補正を行う。文字量子化処理部312で、各インク色の文字画像データに対して量子化処理を行い、記録(1)または非記録(0)を表す1ビットの2値データを生成する。
こうして、写真画像データを量子化したデータと文字画像データを量子化したデータを、第3の生成手段としての量子化データ合成部313にて合成してドットデータを生成する。量子化によって得られた2値データ(ドットデータ)は、画素位置毎に、どのインクを吐出するかが記録されたものである。通常、画像中における写真部の占有領域と文字部の占有領域は排他的であり、したがって、写真部でインクを吐出する画素位置では、文字部のインクは吐出しない。逆に、文字部のインクを吐出する画素位置では、写真部のインクは吐出しない。そのため、量子化データ合成部313では、2つの量子化データを単純加算することで、合成データを作成することができる。また、写真部と文字部の画素が排他的でない場合でも、どちらかの画像データに優先順位を付けることで、量子化データ合成できることは言うまでもない。
量子化データ印刷部314は、量子化によって得られた2値データ(ドットデータ)に基づいて、記録ヘッドを駆動し記録媒体に各色のインクを吐出して記録を行う。本実施形態において、量子化データ印刷部314とは、図1に示した記録ヘッド101〜104を備えた記録機構によって構成される。
ここで、本実施形態における写真インク色変換部304と文字インク色変換部309について詳細に説明する。写真インク色変換部304は、8ビットRGB信号値からなる入力画像データを、K、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像データに変換する。その際、写真を高画質に再現させるため、例えば(R´、G´、B´)=(16、16、16)などの黒は、Kインクのみではなく、C、M、Yのインクも組み合わせて、記録媒体106に黒を再現する。一例を挙げると、(R´、G´、B´)=(16、16、16)の黒をKインクのみで再現する場合は、(K、C、M、Y)=(240、0、0、0)となる。しかし、C、M、Yインクを組み合わせると、(K、C、M、Y)=(235、128、128、96)といったように、Kインクを減らしてC、M、Yインクを追加することで、Kインクのみでは再現できない色味を再現することができる。そうすることで、黒色の周辺色との階調を滑らかに再現することができる。すなわち、階調性を高めることができる。さらには、(R´、G´、B´)=(0、0、0)の黒において、(K、C、M、Y)=(255、0、0、0)で黒を再現するよりも、例えば(K、C、M、Y)=(255、128、128、0)とする。このように、他のインクを追加することで、Kインクだけでは再現できない濃度の高い黒をプリントすることができる。
一方、文字インク色変換部309は、8ビットモノクロ信号値(すなわち1チャネル)からなる入力画像データを、Kのみの8ビットの色信号からなる画像データに変換する。上記の例にあるような(R´、G´、B´)=(16、16、16)の黒は、(Gy)=(16)と表される。文字部は、写真部のような階調再現を高めるよりも、文字の視認性を高める必要があるため、上記の例にあるような((Gy)=(16)の黒は、(K、C、M、Y)=(240、0、0、0)となるKインクのみで再現すればよい。このようにして、同じ黒でも、写真部と文字部とで記録媒体106に吐出するインク色を変えることで、写真部では階調を高め、文字部では視認性を高める印刷を行うことができる。そのために、本実施形態では、ホストPC200で入力画像データを写真部と文字部とに分割している。
また、本実施形態において、入力画像データの写真部と文字部を分割して処理する他の理由として、細線の視認性がある。図1のプリントシステムにおいて、K、C、M、Yの記録ヘッドのうち、全てが精確な位置にインクを吐出できるとは限らない。例えば、入力画像データに(R´、G´、B´)=(16、16、16)の黒の細線が描かれている場合、K、C、M、Yインクの全てを組み合わせて記録媒体106に黒の細線を再現した場合、4つのインクのうち、少なくともいずれか1色がずれてしまう。その結果、細線がぼけて見えてしまい、視認性が低下してしまうことがある。逆に、Kインクのみで黒の細線を再現した場合、他の記録ヘッドとの位置ずれが発生しないため、細線は他のインクによってぼけることはなく、視認性を高めることができる。こうした理由から、入力画像データの写真部と文字部を分割してインク色変換処理することが必要となる。
さらに、本実施形態において、入力画像データの写真部と文字部を分割して処理する別の理由として、同じ黒の入力画像データに対して、写真部と文字部ともにKインクのみを吐出する場合でも、その打ち込み量を異ならせたい場合がある。すなわち、(R´、G´、B´)=(16、16、16)の黒に対して、写真部においては(K、C、M、Y)=(240、0、0、0)となるようKインクを吐出する。一方、文字部においては、文字のコントラストを高めるために、(K、C、M、Y)=(250、0、0、0)となるようKインクを吐出する。こうすることで、同じ黒の入力画像データでも文字の方が濃くプリントすることができ、よって文字の視認性を高めることができる。または、普通紙のように、インクが滲むメディア媒体を用いる場合、(R´、G´、B´)=(16、16、16)の黒に対して、文字部に(K、C、M、Y)=(240、0、0、0)となるようなKインクを吐出すると、小さな文字や複雑な文字はKインクが滲んでしまい、視認性が低下する場合がある。そのようなメディア媒体にプリントする際は、Kインクの吐出量を減らすようインク色変換を行うこともできる。上記例では、(K、C、M、Y)=(220、0、0、0)とすることで、インク吐出量を抑え、滲みの少ない文字を再現することができる。こうした理由からも、入力画像データの写真部と文字部を分割してインク色変換処理することが必要となる。
次に、HS処理における吐出量の判定方法について説明する。この吐出量判定は、ノズルから吐出されるインクドットの大きさを判定するものであり、その判定結果によってHS処理での一次元ルックアップテーブルが決定され、最終的に各インクの記録媒体上のドット数が決まる。また、後述する量子化処理の切り換え判定を行うためのパラメータとしても使用される。
HS処理は、記録媒体上の記録領域における単位領域毎に、各単位領域を記録するノズルに対応した画像データに対して変換テーブルを用いて変換する処理である。これにより、ノズルの吐出量ばらつきに起因する単位領域間の濃度差を低減することができる。このHS処理を行うためには単位領域に対応する所定数のノズル群に対応したデータ毎に変換テーブルを生成しなければならないが、生成する際には、各単位領域に対してどのノズルが対応するかが既に定められている必要がある。つまり、HS処理を行う前には、記録媒体の記録領域上の各単位領域と、ノズルとの対応が割り当てられている必要がある。
図8は、本実施形態の写真HS処理部305、または文字HS処理部310で用いる変換テーブルのパラメータを生成するために、CPU211が実行する各工程を説明するフローチャートである。本実施形態において、このようなパラメータ生成処理は、プリンタの製造時やプリンタを所定期間使用したとき、あるいは所定量の記録を行ったときに、強制的あるいは選択的に実行される。また、例えば、記録を行うたびに、その動作前に実行するようにしてもよい。すなわち、当該処理はいわゆるキャリブレーションとして行うことができ、これにより、変換テーブルの内容であるテーブルパラメータが更新される。以下、写真HS処理部305で行う処理について説明するが、文字HS処理部310の動作も写真HS処理部305と同様である。
写真HS処理部305のテーブルパラメータ生成処理が開始されると、まず、ステップ402で、図1に示した各記録ヘッドの全てのノズルからインクを吐出して記録媒体に測定用画像を記録する。この場合、K、C、M、Yそれぞれについて、信号値が0または255の測定用画像を用いる。例えば、シアンインクの濃度を測定するための測定用画像は、(K、C、M、Y)=(0、255、0、0)とし、マゼンタインクの濃度を測定するための測定用画像は、(K、C、M、Y)=(0、0、255、0)とすればよい。
以下、図5(a)に対応付けて、測定用画像の記録方法を説明する。測定用画像を記録する際、画像データ(R、G、B)は、写真入力色変換部303の処理を経ずに、写真インク色変換部304に入力する(以下、デバイス色画像データD[X]という)。このような経路は、図7においてバイパス経路として破線315で示されている。バイパス経路による処理は、例えば入力値=出力値となるようなテーブルを用意し、デバイス色画像データD[X]は写真インク色変換部304に入力されるが、Xによらず入力値のまま出力されるような処理が行われてもよい。
その後、写真HS処理部305、写真TRC処理部306、写真量子化処理部307にて、通常データと同様の処理を施し、量子化データ印刷部314で記録媒体106に測定用画像を記録する。この過程で、(R、G、B)で表される測定用画像の画像データは、写真インク色変換部304によってインクの色信号による画像データ(K、C、M、Y)に変換される。この際、例えば測定用画像の画像データが(R、G、B)=(0、255、255)であれば、その信号値は、(K、C、M、Y)=(0、255、0、0)の画像データ、すなわち、シアンインクが100%記録されるデータに変換される。その後、写真HS処理部305およびそれ以降の処理によって、(K、C、M、Y)=(0、255、0、0)の画像データは、図5(b)に示すドットデータとなって記録される。
ここで、Xとは、図1で示した記録ヘッド101〜104において、x方向における各色のノズルの位置を4ノズル単位で示す情報である。本実施形態のHS処理では、複数のノズルのうち、4ノズルで1ノズル群という単位として処理を施し、この1ノズル群単位で各ノズル群に対応する画像データを補正する。そして、デバイス色画像データD[X]とは、各インク色のXに相当する4ノズルで記録するべき画像データである。図9(a)にその状態を示す。簡略化のため、4つのノズルからなるノズル群を並べた記録ヘッドを図示する。これらノズル群のそれぞれにHS処理を行う一次元ルックアップテーブルが割り当てられている。
図9(b)は、上記ステップ402における測定用画像の記録状態を説明するための図である。インクを吐出する記録ヘッド101のノズルのうち、第2エリアに相当する4つのノズルが標準より多い吐出量である場合を示している。そのため、吐出量が標準より多いノズルを含む第2エリアに濃度差が生じ、他のエリアの標準的な濃度とは異なる測定用画像が記録される。
再び図8を参照する。ステップ403では、ステップ402で記録媒体106に記録された測定用画像を、スキャナ107で測定し、各エリア[X]に対応する濃度情報B[X]を得る。本実施形態において、スキャナの解像度すなわちスキャナに配列する読み取り素子の配列ピッチは特に限定されるものではない。記録ヘッドの記録解像度1200dpiより高解像であってもよいし低解像であってもよい。また、スキャナ107は、図1で示したように、必ずしも記録ヘッドと同様のフルラインタイプでなく、図1のx方向に移動しながら所定の周期で側色を行うシリアルタイプのものであってもよい。また、プリンタとは別体に用意されているスキャナであっても構わない。この場合、例えば、スキャナとプリンタを信号接続しスキャナから測定結果を自動的に入力するようにしてもよい。更に、濃度情報B[X]は、必ずしもRGB情報でなくてもよく、例えば、測色器で測定したL*a*b*等、いずれの形式であってもよい。どのような形態でどのような解像度で測色を行うにせよ、平均化などの様々な処理を施すことによって、4ノズル分に相当するエリアの濃度情報B[X]が適切に得られれば、濃度情報B[X]を本実施形態に適用することができる。このように、デバイス色画像データD[X]が測定用画像として記録媒体に記録され、図1に示した記録ヘッド101により記録される。そして、スキャナ107によって、各ノズル群(本実施形態では4ノズル)に対応したエリア(単位領域)ごとに、濃度情報B[X]が取得される。ちなみに、記録ヘッド101はKインクを吐出する記録ヘッドであり、そのデバイス色画像データD[X]を(K、C、M、Y)=(255、0、0、0)とすれば、Kインクのみを吐出した測定用画像となる。
以下、第1エリアをX=1、第2エリアをX=2として、また、第1エリアの濃度情報をB[1]=(R1、G1、B1)、第2エリアの濃度情報をB[2]=(R2、G2、B2)として説明する。
ステップ404では、目標濃度A=(Rt、Gt、Bt)とステップ403で取得した濃度情報B[X]から、各エリア[X]の濃度変動量T[X]を算出する。ここで、目標濃度Aとは、例えばKインクの場合、(K、C、M、Y)=(255、0、0、0)の信号を、本実施形態のプリンタで記録および測色した場合の目標となる測色値である。実際には、標準吐出量のノズルを用いて記録した画像をスキャナ107で測色した結果とすることができる。
最初に、濃度情報B[X]と目標濃度Aの差分を濃度差分量S[X]とし、その値を算出する。
濃度差分量S[1]=B[1]−A=(R1−Rt、G1−Gt、B1−Bt)
濃度差分量S[2]=B[2]−A=(R2−Rt、G2−Gt、B2−Bt)
本例において、第1エリアは、Kインクは標準吐出量であるので、基本的にR1=Rt、G1=Gt、B1=Btとなり、濃度差分量はS[1]=0となる。一方、第2エリアは、Kインクは標準より大きな吐出量で記録されるので、目標濃度A(Rt、Gt、Bt)より値の小さい(濃度の高い)値が検出される。次に、この濃度差分量Sより濃度変動量Tを求める。これは、目標濃度(標準吐出量)と比較した吐出量の変動量を相対的に表したものであり、標準吐出量からの増減割合で示す。図10に、各エリア[X]に対する濃度変動量T[X]の関係を図示する。濃度変動量Tの算出方法は、予め濃度差分量Sと濃度変動量Tの関係をテーブルデータ化しておきテーブル判定で求めてもよいし、例えば濃度差分量S[X]/目標濃度Aのように関数的に求めてもよい。
再び図8を参照する。ステップ405では、各エリア[X]の濃度変動量T[X]から、吐出量レベル値H[X]を判定する。本実施形態では簡単に、濃度変動量T[X]を閾値判定し、その結果に応じて吐出量レベル値H[X]を決定する。ホストPC200のHDD203には予め、吐出量に応じた複数の一次元ルックアップテーブルを保持しておき、吐出量レベル値H[X]の判定結果より適応すべき一次元ルックアップテーブルをエリアごとに決定していく。図11に、各エリア[X]に対する吐出量レベル値H[X]の関係を示す。例えば、図10において、標準的な吐出量に比べて吐出量が+2%のエリア[8]では、図11における吐出量レベル値が3となる。そこで、HDD203に保持された3番目の一次元ルックアップテーブルを、エリア[8]に適用するという処理になる。ところで、濃度変動量T[X]からエリアごとの一次元ルックアップテーブルを決定する方法は、上述した閾値判定だけでなく、濃度変動量T[X]に応じて動的に作成してもよい。
ステップ406では、各エリア[X]の吐出量レベル値H[X]から決定されたエリアごとの一次元ルックアップテーブルより、写真HS処理部305で使用されるHSテーブルパラメータを作成し、RAM212にセットされる。こうして得られたHSテーブルパラメータを、ステップ407にてデバイス色画像データD[X]に施すことによって、補正デバイス色画像データD’[X]が作成される。その後、ステップ408にてこの画像データに、写真TRC処理部306、写真量子化処理部307にて、通常データと同様の処理を施す。そして、量子化データ印刷部314で記録媒体106に測定用画像を記録することで、各エリア[X]で濃度が一様な記録画像を得ることができる。なお、この一次元ルックアップテーブルは、本実施形態では4ノズルごとに1つ持つことを示したが、ノズルの数は問わない。また、記録ヘッド全域に渡って吐出量を判定した結果は、ホストPC200のHDD203に格納しておく。これは、後述する量子化処理の切り換えにおいて、参照するパラメータとなる。
以上述べたように、HS処理は図6(a)に示す記録ヘッド101のノズル10121〜10124に対して、図6(b)の1062に示すように、ドット数が約半数に抑えられるようなパラメータが作成される。また、記録ヘッド101のノズル10111〜10114については、図6(b)の1061に示すように、ドット数が変更されないようなパラメータが作成される。つまり、吐出量レベル値が標準値に比べて大きいほど、記録媒体に記録するドット数は低減される。一方、吐出量レベル値が標準値に比べて小さいほど、記録媒体に記録するドット数は増加される。
上記で説明したように、各エリア[X]でHS処理による補正を反映することにより、ドット数制御が行われる。それにより、各エリア[X]の濃度はおおよそ一様にすることができる。従来、濃度むらは、写真などの紙面上に一様にプリントされた場合に目立つ。そのため、これまでは主に写真画像を扱うプリントシステムにおいて用いられてきた。しかしながら、紙面上にインクを吐出する面積が、写真に比べて少ない文字画像データにおいても、HS処理を行うことは有用である。例えば太文字書体や大きな文字で書かれた文書画像などをプリントする際に、Kインクの記録ヘッドに濃度むらがあれば、文字毎に濃度が異なってしまい、紙面全体において濃度むらを視認できてしまう。また、紙面全体に文字が書かれた画像をプリントする際も、写真画像に濃度むらが発生するのと同様に視認できてしまう。そのため、本実施形態では、写真画像データのみならず、文字画像データにもHS処理を行うことで、高画質なプリントを行うことができる。
次に、写真HS処理部305と文字HS処理部310の相違について説明する。上記で、HS処理の説明を行ったが、以下に記載するように、写真画像データと文字画像データとで、解像度の違いによる視認性やインクの吐出特性が異なるため、写真HS処理部305と文字HS処理部310で行うHS処理もそれらに応じて変える必要がある。
写真HS処理部305と文字HS処理部310を分ける1つ目の理由として、文字のエッジの再現性がある。図6(a)(b)に示すように、HS処理を行うことで、単位面積あたりの濃度を均一にすることはできるが、インクドットを間引くために、文字などの細線をプリントした場合に、そのエッジ部分に凹凸が発生してしまう。例えば、ノズル2つ分で細線を描く場合の様子を図12(a)(b)に示す。図12(左側)がドットサイズが標準でHS処理を行わない場合のドット配置パターンであり、図12(右側)がドットサイズが大きいためにHS処理を行った場合のドット配置パターンである。図12(右側)のようにHS処理を行うと、紙面上に描かれる細線の幅は不均一となり、エッジが凹凸するために文字の鮮鋭度が低下したり、直線が曲がって見えてしまうことがある。このような場合、HS処理によって文字の濃度を精確に補正するよりも、上記エッジ弊害の方が大きくなり、文字の視認性が低下してしまうことになる。一方、写真HS処理では、画像中にこうしたエッジを形成する頻度は、文字に比べて圧倒的に少なく、逆に階調性を再現するために、精確な濃度調整を行わなければならない。こうした文字画像と写真画像の特性を鑑みて、文字HS処理においては、写真HS処理に比べて、インクドットを間引く数を低減させる。または、濃度が薄い場合でもインクドットを増加させる数を低減させる。その様子を図13(a)(b)に示す。通常ならHS処理でインクドットを4つ間引くところを、文字HS処理では、1つしか間引かないようにする。すなわち、文字HS処理部310の補正の程度を、写真HS処理部305の程度より小さくするのである。その補正度合いの一例を図14に示す。上述したように通常のHS処理では、濃度変動量が増加するにつれ、インクドットを間引く個数を増やしていく。しかしながら、本実施形態では、文字HS処理のインクドットを間引く個数、または増やす個数は、写真HS処理に比べて少なくなるよう設定する。紙面上にプリントされる文字の被覆面積は、写真に比べて十分に小さいので、文字部に発生する濃度むらは写真部に発生する濃度むらより、人間の目に視認性は低い。そのため、文字HS処理は、図14のように写真HS処理よりインクドットを間引く数、増やす数を少なくすることで、文字領域の濃度むらを視認できない最小限で行いつつも、文字のエッジを鮮鋭に保つことができる。
記録ヘッドのインク吐出量が増大した場合(濃度変動量Tが大きくなった場合)、文字HS処理部310において、任意のメディア媒体に対してインク打ち込み量が最大になるまでインクドット間引きは行わず、インク打ち込み量を超える時点で、溢れる量のインクドットを間引くという方法も挙げられる。上述したように、写真画像データに比べて文字画像データにおける濃度むらは、写真画像データにおける濃度むらより視認性が低い。そのため、文字HS処理部310では、文字のエッジの再現性を重視して、インク打ち込み量が溢れる限界までHS処理は行わず、それによって文字のエッジを維持する。さらに濃度変動量Tが増大してインク打ち込み量が限界にきた時点で、インクを溢れさせないようHS処理を行う。こうすることで、文字のエッジを最大限に維持しつつ、インク溢れによる記録装置の故障を防ぐことができる。
写真HS処理部305と文字HS処理部310を分ける2つ目の理由として、文字の細線の再現性がある。図6(a)(b)において、ノズル4つ分で1つのHSテーブルパラメータを保持しているが、文字画像データには図12のようにノズル4つ未満で形成される細線が含まれることがある。図6(b)のように、ノズル4つ分のエリア1062でインクドットの吐出する/しないを制御していたのでは、細線に対してインクドットを吐出しない領域が続いてしまうことがある。それによって、紙面上で細線が途切れてしまうといった弊害が発生してしまうことがある。そこで、文字HS処理部310においては、図6(b)よりも細かく、例えばノズル2つ分で1つのHSテーブルパラメータを保持することが望ましい。一方、写真画像データにおいては、階調性が画質に影響を及ぼす方が高く、文字画像データほど少ないノズル数でHS処理を制御する必要はない。また、HSテーブルパラメータ容量を削減するためにも、写真HS処理部305では、文字HS処理部310より多くのノズル数で1つのHSテーブルパラメータを保持すればよい。(1つのエリアにおけるドット数は写真HS処理の方が多くなる。)こうして、写真HS処理部305と文字HS処理部310を分けて、それぞれHSテーブルパラメータの数を変えることで、文字領域の細線を再現しつつ、HS処理全体のHSテーブルパラメータ容量を小さくすることができる。
写真HS処理部305と文字HS処理部310を分ける3つ目の理由として、染料系インクと顔料系インクの浸透特性の違いがある。染料系ブラックインクと顔料系ブラックインクを持つプリンタの場合、一般的に写真部は染料系ブラックインクを、文字部は顔料系ブラックインクを用いてプリントを行う。また、染料系インクの記録ヘッドも顔料系インクの記録ヘッドも、製造コストを鑑みて一般的には同じ工程で製造される。そのため、記録ヘッドのノズル径が同じであり、吐出されるインクドットの大きさもほぼ同じとなる。しかしながら、顔料系インクに対して染料系インクはメディア媒体に浸透しやすいため、紙面上にインクが広がり、したがってそのドット径が大きくなる。一方、顔料系インクは染料系インクに比べてメディア媒体に浸透しにくく、表面に残りやすい。そのため、紙面上でのドット径は染料系インクほど大きくはならない。その結果、紙面上に吐出される複数のインクの重なり方が、顔料系インクと染料系インクで異なるため、単位面積あたりの濃度もインク吐出数によって変わってしまう。すなわち、こうした特性により、単位面積あたりの濃度に違いが生じ、染料系インクを用いる写真部のHS処理部と、顔料系インクを用いる文字部のHS処理部とを分けて、それぞれ別の処理を行う必要がある。
写真HS処理部305と文字HS処理部310を分ける4つ目の理由として、写真画像データと文字画像データの入力解像度に対する濃度の違いがある。本実施形態では、写真画像データと文字画像データを同じ解像度として扱ってきたが、それぞれ異なる解像度として同様の処理を行うことができる。文字画像は解像度が高いほど文字の視認性が向上する。一方、写真画像は解像度より階調性が画質に影響を与えるため、文字画像ほどの解像度は必要ない。すなわち、写真画像データの解像度を文字画像データの解像度より下げることで、文字の視認性はそのままに、画像データ全体のデータ容量を抑えることができ、画像データの転送負荷を低減することができる。例えば、文字画像データの解像度を1200dpi、写真画像データの解像度を600dpiとする。図7の処理フローに沿って、それぞれ量子化処理まで行い、写真量子化処理部307において写真画像データを600dpiから1200dpiに拡大する。その際、写真画像データを600dpiで処理するので、処理負荷も低減することができる。その次に、量子化データ合成部にて同じ解像度の画像データを合成し、量子化データ印刷をする。もしくは、写真/文字データ受信部214において、写真画像データを600dpiから1200dpiに解像度拡大してもよい。この場合、解像度拡大方法は、一般的に知られているニアレストネイバー法でもバイキュービック法でよく、その手法は本実施形態では問わない。ここで、画像データの解像度が異なると、同じ画素信号値でも紙面上に吐出されるインクのドット配置パターンも異なる。例えば、(K、C、M、Y)=(192、0、0、0)のように、任意のインクで中間色が吐出される場合、1200dpiと600dpiとで量子化処理部におけるドット配置パターンが異なる。それにより、単位面積あたりのインクドットの重なり方が異なってしまうことがある。そのため、紙面上に吐出されるインクの濃度も、高解像度と低解像度で異なってしまう。本実施形態では、この点も鑑み、写真画像データと文字画像データを異なる解像度で処理する際には、それぞれのHS処理でHSテーブルパラメータを使い分けている。それにより、解像度が異なる複数の画像データを扱う場合に、ドット配置パターンが異なっても、HS処理の程度を異ならせることによって、一様な濃度補正を行うことができる。
以上、述べたように、本発明は写真HS処理部305と文字HS処理部310を分けることで、写真画像データと文字画像データのそれぞれに対応した高画質化処理を行っている。なお、上記4つの例は任意に組み合わせてもよい。例として、染料系インクと顔料系インクの記録ヘッドを持つ印刷装置において、文字のエッジの再現性を考慮したHS処理の補正度合いを決定する場合を挙げる。この場合、文字HS処理部310の補正度合いは、染料系インクのみの印刷装置と比べて強くしてもよい。なぜなら、顔料系インクが紙面上にプリントされるインクドットサイズが、染料系インクのみの印刷装置と比べて小さくなるため、文字HS処理ではインクドットを間引いてもエッジの鮮鋭度が低下しにくいからである。このように、インク吐出特性や解像度の違いによって文字HS処理の補正度合いを決定することは自由であり、また、こうした任意の組み合わせによるHS処理の補正度合いは、経験的に決定されてもよい。
本実施形態では、文字画像データを8ビットの多値画像データとして扱ってきたが、2値画像データでもかまわない。例えば、黒の画素を信号値1とし、白の画素を信号値0とする。文字インク色変換部309で、黒の画素(K)=(1)に対して、インクの吐出特性を(K、C、M、Y)=(240、0、0、0)のように定義する。文字HS処理部310で、Kインクの記録ヘッドの吐出特性を、濃度が高ければKの値を下げ、濃度が低ければKの値を上げるようHS処理すればよい。その後は図7の処理フローに沿って量子化データを印刷する。
本実施形態では、文字画像データを8ビット1チャネルのモノクロ画像データとして扱ってきたが、例えば写真画像データと同様に8ビットRGBの3チャネル画像データとしても同様の処理を行うことができる。これにより、文字画像データは黒文字だけでなく、カラー文字も対応できるようになる。例えば、(R、G、B)=(255、0、255)のマゼンタにおいて、紙面上にプリントする写真画像データのマゼンタと文字画像データのマゼンタを異ならせたい場合がある。詳細な数値は割愛するが、写真画像データは、周辺色との階調性を高めるために、周辺色に近いインク組み合わせのインク色変換を行う。一方、文字画像データは、視認性を高めるために、マゼンタインクのみでプリントを行う。その後は図7の処理フローに沿って量子化データを印刷する。写真部におけるマゼンタと、文字部におけるマゼンタを異なる色として紙面にプリントするために、入力画像データを写真画像データと文字画像データに分割する。先に述べたように、文字のような細線を紙面上に再現する場合、異なるインク同士の色ずれが生じるため、たとえカラー文字であっても単色のインクでプリントすることが望ましい。
以上、説明したように、本実施形態では、ホストPC200で入力画像を写真画像データと文字画像データに分割し、プリンタ100に転送する。プリンタ100では、写真画像データと文字画像データに対してそれぞれ、入力色変換処理、インク色変換処理、HS処理、TRC処理、量子化処理を行う。その後に、量子化画像データを合成し、量子化画像データをプリントする。これにより、写真画像データと文字画像データで、それぞれの画質に応じたインク色変換処理を行うことが可能となる。また、写真画像データと文字画像データのそれぞれにHS処理を行うことで、記録ヘッドの吐出量差による濃度むらを低減することが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、分割された写真画像データと文字画像データは、それぞれ量子化処理が終了した後に合成していた。本実施形態では、2つの画像データの合成をHS処理の次に行う。図15を用いてその処理フローを説明する。プリンタ100で行われる写真HS処理部305と文字HS処理部310までの処理は、第1実施形態と同じである。第2実施形態では、2つの画像データがHS処理された後に、インク色データ合成部501にて合成する。次に、合成された画像データをTRC処理部502、量子化処理部503を経て量子化処理まで行う。量子化データは、第1実施形態と同様に、量子化データ印刷部314に送られ、印刷される。
第1実施形態では、写真画像データと文字画像データに別々のTRC処理と量子化処理を行っていた。しかし、第2実施形態のように、HS処理の直後に2つの画像データを合成することで、TRC処理、量子化処理を1回で行うことができる。写真画像データと文字画像データに施すTRC処理、量子化処理が同じであれば、このように2つのデータを合成した後にそれぞれの処理をかければよい。それによって、処理速度を高めることが可能になる。
(第3実施形態)
第1実施形態では、分割された写真画像データと文字画像データは、それぞれ非圧縮のままプリンタ100に転送していた。この場合、転送処理に負荷がかかるため、本実施形態では、2つの画像データをホストPC200でデータ圧縮して転送を行う。図16を用いてその処理フローを説明する。写真/文字分割部302で分割された写真画像データは、写真JPEG圧縮部601にてJPEGデータに圧縮される。一方、文字画像データは、文字RL圧縮部602にてRUNLENGTH圧縮が行われる。圧縮された2つの画像データは、写真/文字圧縮データ送信部204にて、プリンタ100に転送される。その際、画像データの転送方法は、1つずつ別々に転送してもよいし、2つの画像データを連結して1つに合成して転送してもよい。
次に、プリンタ100の写真/文字圧縮データ受信部214にて、圧縮された画像データを受信する。受信された画像データは、写真画像データと文字画像データに分割され、それぞれ写真JPEG解凍部603と文字RL解凍部604に送られる。ここで写真画像データと文字画像データが解凍され、その後は第1実施形態と同様に、写真/文字それぞれの入力色変換部、インク色変換部、HS処理部、TRC処理部、量子化処理部を経て、量子化データ合成部313にて2つの量子化データを合成する。最後に、量子化データを量子化データ印刷部314に送り、プリントを行う。
このように、ホストPC200とプリンタ100の間のI/Fで写真/文字画像データを圧縮することにより、転送負荷を低減することができる。本実施形態では、写真画像データに対してJPEG圧縮を行ったが、特にこれに限定されるものではなく、他の不可逆圧縮でもよい。写真画像データに不可逆圧縮を行うことで、可逆圧縮より圧倒的にデータ容量を抑えることができる。一方、文字画像データに対してもRUNLENGTH圧縮だけに限らず、他の可逆圧縮でもよい。文字画像データはディテールを再現することが必要であり、特に小さな文字に不可逆圧縮を行ってしまうと、データ解凍する際に文字が潰れてしまう。そのため、可逆圧縮を行う必要がある。本実施形態では、文字画像データが2値データであったり、1チャネルモノクロデータであることを考慮して、可逆圧縮を行っても、データ容量を大幅に削減することができる。
(第4実施形態)
第1実施形態では、予め写真画像データと文字画像データが分割された画像データを、入力画像データとして用いていた。第4実施形態では、写真部と文字部が混在する画像データを扱う。例えば、写真と文字が混在する原稿をスキャナなどの読み取り装置で読み取った画像データなどである。もしくは、写真画像データと文字画像データを1つのレイヤーに合成した後のPDFファイルでもよい。その処理フローを図17に示す。ホストPC200の写真/文字レンダリング部301でレンダリングされた入力画像データは、写真/文字像域分離部701で像域分離される。
この像域分離処理は、一般的に知られている方法でよい。例えば、入力画像データのエッジ量と画素信号値から写真部と文字部に分割する方法などが挙げられる。この方法は、入力画像データに対して、画素毎にエッジ抽出フィルタを掛け、エッジ量が予め定めた閾値以上であるか否かを判定する。かつ、その画素のRGB信号値が予め定めた閾値以下であるか否かを判定する。仮に、エッジ量が閾値以上あり、RGB信号値が閾値以下であれば、その画素はエッジの高い黒文字と判定できる。そしてそれ以外の画素を写真部と判定する。第1〜3実施形態では、文字画像データは予め分割されていて、そのまま入力色変換、インク色変換、HS処理、TRC処理、量子化処理を行っていた。第4実施形態では、像域分離処理を行うことで、その判定閾値を変えることができる。その結果、黒文字のみ文字画像データとして処理する場合や、カラー文字も含めて文字画像データとして処理する場合など、任意に文字画像データとして扱う文字を変更することができる。

Claims (17)

  1. インクを吐出するための複数のノズルが配列されたノズル列によって記録媒体にドットを形成することにより画像を記録するための画像処理装置であって、元画像データから分割されたイメージ属性の画像の第1の画像データと文字属性の画像第2の画像データとを取得する取得手段と、
    前記第1の画像データに対して、前記複数のノズルのインクの吐出特性に関する情報に基づき、前記複数のノズルの吐出特性のばらつきに起因する記録媒体上の記録領域における単位領域間の濃度差を低減するように、単位領域毎に、各単位領域を記録する前記ノズル列のノズルに対応するデータの階調値の補正を行う第1の補正手段と、
    前記第2の画像データに対して、前記ノズル列の前記複数のノズルのインクの吐出特性に関する情報に基づき、前記第1の補正手段による前記第1の画像データに対する補正よりも弱い程度で、前記複数のノズルの吐出特性のばらつきに起因する記録媒体上の記録領域における単位領域間の濃度差を低減するように、前記単位領域毎に、各単位領域を記録する前記ノズル列のノズルに対応するデータの階調値の補正を行う第2の補正手段と、
    前記第1の補正手段によって補正された前記第1の画像データに基づいて、前記第1の画像を形成するためのドットの形成の有無を示す第1のドットデータを生成し、前記第2の補正手段によって補正された前記第2の画像データに基づいて、前記第2の画像を形成するためのドットの形成の有無を示す第2のドットデータを生成する生成手段と、
    前記第1のドットデータおよび前記第2のドットデータを合成し、前記ノズル列によって記録媒体にドットを形成するためのデータを生成する合成手段と、を有する画像処理装置。
  2. 前記生成手段は、ディザ法による量子化処理を使用して前記第1のドットデータおよび前記第2のドットデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1の画像データと前記第2の画像データとは、多値の階調値を示す画像データであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記取得手段は、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを受け取りデータ解凍を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1の補正手段は、データの階調値の補正を行うための補正パラメータとして、前記複数のノズルの配列方向において前記複数のノズルうちの第1の数のノズル相当のサイズの単位領域毎に保持されたパラメータを用い、前記第2の補正手段は、データの階調値の補正を行うための補正パラメータとして、前記複数のノズルの配列方向において前記複数のノズルうちの前記第1の数より小さい第2の数のノズル相当のサイズの単位領域毎に保持されたパラメータを用いることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記ノズル列をさらに備えることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記複数のノズルからのインクの吐出特性を測定するための測定用画像を記録媒体に記録し、読取手段によって前記測定用画像を読み取った結果に基づく前記情報を取得する情報取得手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記読取手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記第1の補正手段および前記第2の補正手段による補正は、それぞれ、前記生成手段によって生成されるドットデータが示すドット数を減らすようにする補正であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. インクを吐出するための複数のノズルが配列されたノズル列によって記録媒体にドットを形成することにより画像を記録するための画像処理方法であって、元画像データを分割してイメージ属性の画像の第1の画像データと文字属性の画像の第2の画像データとを取得する取得工程と、
    前記第1の画像データに対して、前記ノズル列の前記複数のノズルのインクの吐出特性に関する情報に基づき、前記複数のノズルの吐出特性のばらつきに起因する記録媒体上の記録領域における単位領域間の濃度差を低減するように、単位領域毎に、各単位領域を記録する前記ノズル列のノズルに対応するデータの階調値の補正を行う第1の補正工程と、
    前記第2の画像データに対して、前記ノズル列の前記複数のノズルのインクの吐出特性に関する情報に基づき、前記第1の補正工程による前記第1の画像データに対する補正よりも弱い程度で、前記複数のノズルの吐出特性のばらつきに起因する記録媒体上の記録領域における単位領域間の濃度差を低減するように、前記単位領域毎に、各単位領域を記録する前記ノズル列のノズルに対応するデータの階調値の補正を行う第2の補正工程と、
    補正された前記第1の画像データに基づいて前記第1の画像を形成するためのドットの形成の有無を示す第1のドットデータを生成し、補正された前記第2の画像データに基づいて前記第2の画像を形成するためのドットの形成の有無を示す第2のドットデータを生成する生成工程と、
    前記第1のドットデータおよび前記第2のドットデータを合成し、前記ノズル列によって記録媒体にドットを形成するためのデータを生成する合成工程と、
    を有する画像処理方法。
  11. 前記生成工程において、ディザ法による量子化処理を行って前記第1のドットデータおよび前記第2のドットデータを生成することを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  12. 前記第1の画像データと前記第2の画像データとは、多値の階調値を示す画像データであることを特徴とする請求項10または11に記載の画像処理方法。
  13. 前記取得工程は前記第1の画像データと前記第2の画像データとを、圧縮された形態からデータ解凍することを含むことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  14. 前記第1の補正工程は、データの階調値の補正を行うための補正パラメータとして、前記複数のノズルの配列方向において前記複数のノズルうちの第1の数のノズル相当のサイズの単位領域毎に保持されたパラメータを用い、前記第2の補正工程は、データの階調値の補正を行うための補正パラメータとして、前記複数のノズルの配列方向において前記複数のノズルうちの前記第1の数より小さい第2の数のノズル相当のサイズの単位領域毎に保持されたパラメータを用いることを特徴とすることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  15. 前記複数のノズルからのインクの吐出特性を測定するための測定用画像を記録媒体に記録し、読取手段によって前記測定用画像を読み取り、読みとり結果に基づく前記情報を取得する情報取得工程をさらに備えることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  16. 前記第1の補正工程および前記第2の補正工程による補正は、それぞれ、前記生成工程によって生成されるドットデータが示すドット数を減らすようにする補正であることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  17. 請求項10乃至16のいずれか1項に記載の画像処理方法の工程をコンピュータにより実行させるためのプログラム。
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