JP2011082746A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像処理装置の自動カラー白黒判定処理の性能は、画像読取装置の性能の影響を大きく受ける。通常は、起こりうる一番厳しい条件を想定した画像処理係数を同一機種の全ての画像処理装置に一律適用するため、画像処理装置によっては、画像読取装置の性能を十分に生かしていないという状況が生じていた。
【解決手段】画像読取装置で読み取った画像データがカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する画像処理装置に対し、前記判定の際に用いるパラメータを設定する装置であって、前記画像読取装置の読み取り特性を取得する手段と、前記取得した読み取り特性に応じた前記パラメータを設定するパラメータ設定手段と、を備えたことを特徴とする装置。
【選択図】図7
【解決手段】画像読取装置で読み取った画像データがカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する画像処理装置に対し、前記判定の際に用いるパラメータを設定する装置であって、前記画像読取装置の読み取り特性を取得する手段と、前記取得した読み取り特性に応じた前記パラメータを設定するパラメータ設定手段と、を備えたことを特徴とする装置。
【選択図】図7
Description
本発明は、原稿画像を自動でカラー白黒判定する装置、その制御方法、プログラム及び当該装置を備えた画像処理装置、に関する。
画像読取装置(スキャナ)で原稿を読み取り、得られた原稿画像がカラー原稿であるか白黒原稿であるかを、自動で判定する自動カラー白黒判定(ACS:Auto Color Selection)機能を備えた複合機が従来から存在する。
そして、このような複合機は、コンビニエンスストアや図書館などさまざまなシーンにおける課金方式の出力サービスに使用されている。このような出力サービスにおいては、自動カラー白黒判定機能による判定の結果に従って印刷出力が行われ、それに応じた課金がされる。例えば、カラー原稿と判定された場合にはカラーによって印刷出力されて40円/枚が課金され、白黒原稿と判定された場合には白黒によって印刷出力されて10円/毎が課金される、といった具合である。
しかしながら、白黒原稿かカラー原稿かの自動判定をすべての製品において常に高精度で行うことは難しい。というのは、たとえ同一型番・同一仕様の複合機であっても備えているスキャナにはそれぞれ個体差があり、その読み取り特性には多少なりともバラつきが存在するためである。
つまり、ある複合機のスキャナは非常に正確に画像を読み取ることができる一方で、別の複合機のスキャナは一定レベル以上ではあるもののそれほど正確に画像を読み取ることができないという状況が生まれる。
このようなスキャナの個体差に起因したACS機能の性能のバラつきが製品間で生じないようにするため、これまではACS機能における画像処理係数(パラメータ)を統一していた。すなわち、極めて高い正確性で画像を読み取ることができるスキャナを備えている複合機に対しても、その性能を抑えるようなパラメータ設定を行うことで、スキャナの個体差に基づく製品間の性能のバラつきを吸収していた。言い換えれば、本来、高いACS性能を発揮できるにもかかわらず、その能力を十分に発揮できていない複合機が少なからず存在することになっていた。
本発明は、画像読取装置で読み取った画像データがカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する画像処理装置に対し、前記判定の際に用いるパラメータを設定する装置であって、前記画像読取装置の読み取り特性を取得する手段と、前記取得した読み取り特性に応じた前記パラメータを設定するパラメータ設定手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、スキャナの性能に応じたACS機能のパラメータを設定することができる。そのため、ユーザは、使用する複合機のスキャナの性能を最大限発揮した状態で、ACS機能を使用することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(前提となる技術)
図1は、従来のACS機能を備えた画像処理装置(複合機)の構成の一例を示す機能ブロック図である。
(前提となる技術)
図1は、従来のACS機能を備えた画像処理装置(複合機)の構成の一例を示す機能ブロック図である。
例えば、複写を実施する場合、まず、不図示の画像読取装置(スキャナ)から入力された画像データが、入力特性補正処理部102に入力される。入力特性補正処理部102は、スキャナの読取デバイスが持つ各チャンネル間の色ずれなど、個々のスキャナの特性に応じた補正を画像データに対して行う。入力特性補正処理部102で補正処理された画像データは、入力色処理部103と像域分離処理部110とに入力される。
入力色処理部103は、周知の技術を用い、階調補正や色空間変換処理などの種々の画像処理を実施する。入力色処理部103で処理された画像データは、空間フィルタ処理部104及び色判定処理部111にそれぞれ入力される。
像域分離処理部110は、周知の技術を用い、補正処理された画像データから、画素単位の属性信号を生成する。属性信号とは、後述する各種画像処理の処理内容を切り替える信号である。また、属性とは、文字と写真(非文字や下地)を示すものである。あるいは、文字、網点、下地などに、より細かく分類することもある。本実施例では、説明の簡略化のため、文字と写真を示す属性信号とする。像域分離処理部110で生成された属性信号は、空間フィルタ処理部104、地色除去処理部105、出力色処理部106、出力階調補正処理部107及び画像形成処理部108にそれぞれ入力される。
空間フィルタ処理部104は、像域分離処理部110で生成された属性信号に基づき、文字用と写真用の空間フィルタ処理を1画素単位で切り替えて実施する。空間フィルタ処理部104で処理された画像データは、地色除去処理部105に入力される。
地色除去処理部105は、画像データの下地レベルを抽出し、適切なレベルを除去する。このとき、属性信号に基づき、文字部と写真部とで除去する地色レベルを制御する。地色除去処理部105で処理された画像データは、出力色処理部106に入力される。
出力色処理部106は、属性信号に基づき、文字用と写真用の色処理とを実施する。文字部に対しては、文字の再現性を重視し、たとえば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどで印字される画像処理装置においては、黒い文字は、ブラック単色で印字するような色処理を実施する。逆に、写真部に対しては、写真の再現性を重視した色処理を実施する。出力色処理部106で処理された画像データは、出力階調補正処理部107に入力される。
出力階調補正処理部107は、属性信号に基づき、文字部と写真部とに対し、それぞれ文字用と写真用の階調補正処理を実施する。出力階調補正処理部107で処理された画像データは、画像形成処理部108に入力される。
画像形成処理部108は、属性信号に基づき、文字部と写真部とに対し、それぞれ文字用と写真用の画像形成処理を実施する。文字部に対しては、文字の再現性を重視し、たとえば、誤差拡散処理、あるいは、高線数のディザ処理を実施する。写真部に対しては、写真の滑らかで安定した階調再現性を重視し、低線数のディザ処理などの画像形成処理を実施する。
そして、画像形成処理部108で処理された画像データが不図示のプリンタ部にて印刷出力処理される。
上述の処理においては、文字用と写真用の係数を切り替えて実施する構成を説明したが、これに限るものではない。たとえば、文字用と写真用の処理をそれぞれ行い、属性信号に基づき画素単位で処理後の画像データを選択する構成をとってもよい。
色判定処理部111は、既に説明した空間フィルタ処理と並行して、画像データのそれぞれの画素が、有彩色か無彩色かを、一画素単位で判定し、後述の色判定信号を生成する。生成された色判定信号は、カラー白黒判定処理部112に入力される。
カラー白黒判定処理部112は、画像データがカラー画像か白黒画像かを判定する処理を行う。この判定結果は、CPU113に入力され、最終的に画像データがカラー原稿か白黒原稿かの決定がなされる。CPU113は、その決定結果を、出力色処理部106などに与える。画像データがカラー原稿の場合にはカラー原稿用の出力色処理が実施され、画像データが白黒原稿の場合には白黒用の出力色処理が実施される。
ここで、色判定処理部111の詳細について、図2及び図3を用いて説明する。色判定処理部111は、色空間変換回路201と色判定回路202により構成される。図2は、色判定処理部111における処理の流れを示したフローチャートである。
まず、入力色処理部103で入力色処理された画像データとしてのRGB信号が、色空間変換回路201に入力される。
色空間変換回路201は、入力されたRGB信号を、Lab信号に変換する。ここで、Labとは、Lab色空間のことであり、均等知覚色空間として1976年にCIE(Commission Internationale de l‘Eclairage:国際照明委員会)より提案された色空間である。Lは明度(明るさ)、aは赤から緑への色度、bは青から黄色への色度を表わしている。 Lab色空間ではこの3次元色空間における変化量とその変化によって受ける視覚の色変化の印象とが比例するように補正されているため、精度の高い色判別が可能になる。
色空間変換回路201で生成されたLab信号は、色判定回路202に入力される。色判定回路202は、各画素が有彩色か無彩色かを一画素単位で判定し、色判定信号を出力する。具体的には、Lab信号のab値を直交座標系にマッピングし、その画素が有彩色であるか無彩色であるかを判定して、有彩色信号と無彩色信号とで構成される色判定信号を出力する処理を行う。図3は、直交座標系にマッピングされたab値の一例を示した図である。a軸301、b軸302は、直交座標系のそれぞれの軸を表す。有彩色であるか無彩色であるかの判定において、たとえば彩度を基準とした場合、この座標系では、a軸301とb軸302の交点が色成分ゼロの点(原点)になる。そして、マッピングされたab値が原点から離れている程(つまり、aとbの値が大きい程)彩度は大きくなる。
ある画素が有彩色であるか無彩色であるかは、マッピングされたab値と所定の閾値とを比較することにより判定される。図3において円形の斜線領域304の輪郭線303が、閾値の一例を示している。この場合には、例えば当該円の半径rを表す値が閾値として設定されることになる。ここで、半径rは、以下のような式で表現される。
すなわち、半径rは、aの二乗とbの二乗を足したものの平方根として与えられる。そして、ある画素のab値が、閾値としての輪郭線303の内側、つまり斜線領域304上にある場合(点305)にはその画素は無彩色と判定され、輪郭線303の外側(斜線領域304の外)にある場合(点306)には有彩色と判定される。
ここでは、閾値としての輪郭線303が真円となる場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。楕円状であっても、任意の線分を結んだ多角形状であってもよい。また、色判定処理部111で使用する色空間としてLab空間を例に説明したが、Lab空間に限定されるものではない。他の色空間を用いて色判定処理を実施しても構わないし、簡易的な変換式に置き換えても構わない。さらに、説明した色判定方法は一例にすぎず、他の手法を用いても構わない。
次に、カラー白黒判定処理部112の詳細について、図4を用いて説明する。図4の401は入力された画像データの一例であり、赤色でアルファベット「F」を表す色文字402と下地となる白色の背景部403とから成り立っている。たとえばこのような画像データ401が色判定処理部111で処理されると、411のような色判定信号が出力されることになる。すなわち、有彩色信号412(赤色の色文字402が存在する部分)と無彩色信号413(白色の背景部403が存在する部分)とからなる色判定信号411が生成され、出力される。この色判定信号411に対し、所定の条件に基づき、マッチング処理を実施する。具体的には、画像データに所定のパターンを照らし合わせ、パターンを満足するような有彩色の画素群の出現頻度を算出する。所定のパターンは、複数の画素によって構成され、任意の形状にすることができる。421は、パターンの一例であり、水平方向に有彩色が連続して6画素存在するかどうかを判断可能なパターンとなっている。このパターン421を色判定信号411に重ねると、431に示すようになる。図から明らかなように、有彩色信号412に対し、パターン421にマッチするのは、432の場合である。433や434の場合は、パターン421の一部を満足するが、パターン421を構成する6画素全部は満たさない。よって、色判定信号411中の有彩色信号412に対し、パターン421を用いてマッチング処理を行った場合にパターンを満足するのは432の1回のみとなる。マッチング処理により所定のパターンを満足すると判定された有彩色の画素の集まりは有彩色群とみなされ、算出された有彩色群の出現回数が判定結果としてCPU113に通知される。
CPU113では、受け取った出現回数を基に画像データがカラー画像であるか白黒画像であるかを決定する。具体的には、たとえば、受け取った出現回数と予め定めた所定の回数とを比較し、所定の回数に達しているかどうかによりカラー画像か白黒画像かを決定する。所定の回数は任意に設定可能であり、出現回数が1回以上であれば画像データはカラーであると決定するようにしてもよいし、あるいは、複数回の出現を条件にカラーと決定するようにしてもよい。また、本実施例では、マッチング処理に用いるパターンとして水平方向に有彩色が連続するパターンを用いたが、これに替えて垂直方向に有彩色が連続するパターンとしてもよい。あるいは、水平と垂直の両方のパターンを併用して判断するようにしてもよい。さらに、マッチング処理において、パターンのサイズを小さくし、同一ライン上にパターンが複数回出現した場合に出現回数を1回とするようにしてもよい。この場合、パターンの合致が複数回出現したラインの数をCPU113に通知することになる。このように、マッチング処理で用いるパターンの形状や大きさ及び最終的にカラー画像と決定する際の条件を適宜設定することで、判定レベルを任意に変更することが可能となる。
(誤判定の原理と従来の対応策)
上述のように、入力された画像データの各画素に対する色判定処理を経て、画像データがカラー画像なのか白黒画像なのかが決定されて、その画像データに適した処理が実施される。
上述のように、入力された画像データの各画素に対する色判定処理を経て、画像データがカラー画像なのか白黒画像なのかが決定されて、その画像データに適した処理が実施される。
ところが、白黒原稿であるはずの画像データを誤ってカラー原稿と判定してしまうことがある。以下、誤判定が生じる原理と従来行われている対策について説明する。
図5の501は画像データの一例であり、アルファベット「F」を示す黒色の文字502、下地である白色の背景部503及び色ずれにより発生した色画素部504とから成り立っている。
ここで、スキャナの読取デバイスは、読み取り対象の原稿に対して水平方向に配置され、それが垂直方向に移動することにより画像が読み取られる。その読み取り動作中に、文字502のエッジ部で突発的な振動が発生すると、黒い文字のエッジ部分に、色のにじみを伴う領域が発生する。この色にじみを伴う領域が色画素部504である。
このような色画素部504を含んだ画像501が色判定処理部111で処理されると、511のような色判定信号が生成される。つまり、黒文字部502及び背景部403は無彩色信号513であるが、色画素部504については有彩色信号512となった色判定信号511が生成される。
そして、カラー白黒判定処理部112において、図4のパターン421を用いたマッチング処理がこの色判定信号511についてなされると、521に示すように有彩色信号512部分についてパターン421を満足することになる。その結果、パターンに合致する出現回数が1回としてCPU113に通知される。カラー画像と判断する基準を出現回数が1回以上としていれば、CPU113は、画像データ501をカラー画像と決定することになる。
しかし、実際の原稿は、白地に黒でアルファベット「F」が印字されている白黒原稿であり、カラー原稿ではない。このように、読み取り時に発生した色ずれによって、白黒原稿がカラー原稿と誤って判定されることになる。
そこで、このような誤判定の発生を回避するため、従来は、以下のような対策がなされていた。
1つは、カラー白黒判定処理で用いる有彩色を判定するためのパラメータを変更することである。たとえば、図5の530のように水平方向に連続する画素数を増やしたり、あるいは図5の540のように水平方向に連続する複数の画素が垂直方向に複数のラインで連続して出現することが条件となるようにパラメータを設定し、カラーと判定されにくくしていた。この方法により誤判定を抑制することは可能になるが、一方で、小さな文字や短い線画に対するカラー白黒判定処理の精度が低下するという問題が生じることになる。
そこで、色判定回路202の閾値を変更することで、色ずれによって生じた色にじみ(色画素部)を無彩色と判定する対策も採られていた。以下、図を参照しつつ説明する。
まず、色ずれにより生じる色画素部504の色度をLab空間に変換し、直交座標系にab値をマッピングした結果、図3の点306のようになったと仮定する。図3においては、円形の斜線領域304の輪郭線303が閾値を示しているので、これをそのまま適用すれば、ab値は有彩色と判定されることになる。そこで、斜線領域304を、例えば図6の604に示すように拡げ、点306が内側に収まるような輪郭線603を閾値として設定することにより、色画素部504は無彩色と判定されるようになる。
そもそも突発的な色ずれの発生は、スキャナを構成する部品やその組み立て精度に依存し、また、自動原稿給送装置を持つスキャナの場合、搬送する紙のサイズ、紙のこし、紙の重さ(坪量)などの利用環境の影響も受ける。そのため、色ずれを発生させる様々な条件の組合せを考慮し、起こり得る一番厳しい条件においても耐性があるような閾値を設定し、誤判定を回避するようにしている。
しかしながら、いずれの対処方法も、自動カラー白黒判定処理の性能を、いわば犠牲にする方法である。すなわち、前者の方法では小さいサイズの色領域の検出を不可能にし、後者の方法では色判定の感度を落としているためにカラー画像を誤って白黒画像と判定する危険を生じさせることになる。
したがって、上記のような対処方法を採用するにしても、その犠牲にする程度を最小限にすることが望ましいが、現実はそうなっていない。最初に述べたように、製品間の性能のバラつきをなくすために、特殊な紙の場合を含めた起こり得る一番厳しい条件を想定したパラメータが同一機種の全ての画像処理装置に一律に適用されている。そのため、結果的に多くの利用者に本来提供できるはずの能力を提供できていない。特に、一般的な紙(サイズ、こし、重さ(坪量)などが通常の値の紙)を用いる利用者に対しては、本来得られるはずの性能よりも低い性能での利用を強いる結果になっている。
(従来技術の問題点)
上記のような現状の中でACS機能の性能低下を補うために、従来から、スキャナの読取デバイスのチャンネル間(例えば、RGBの3チャンネル間)の色ずれ量に着目した補正処理が行われていた。まず、色ずれ量は以下のようにして算出される。
上記のような現状の中でACS機能の性能低下を補うために、従来から、スキャナの読取デバイスのチャンネル間(例えば、RGBの3チャンネル間)の色ずれ量に着目した補正処理が行われていた。まず、色ずれ量は以下のようにして算出される。
図14は、色ずれ量を算出する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ1401において、CPU113は、スキャナにて印刷チャートを読み込む。印刷チャートは、図12に示すような白黒で印刷されたチャートであり、規則的に密に並んだ平行線(万線)により構成される。万線は、たとえば、4lpm(Line/mm)の間隔で印刷される。この万線に垂直方向でスキャナを走査させて画像データを読み取る。
次に、ステップ1402において、CPU113は、読み取った画像データから、チャンネル毎に万線のエッジ位置を算出する。具体的には、例えば、図12の矢印で示すライン上をサンプリングして得られたすべての画素の平均値Xと、矢印上の連続する画像信号プロファイルとがクロスする点を算出する。算出されたエッジ位置は小数点で表され、たとえば、図13のようになる。図13において、201は1.30、202は5.40、203は10.50、の数値座標をそれぞれ示している。
ステップ1403において、RGBすべてのチャンネルについて万線のエッジ位置が算出されたかどうかが判定され、すべて算出された場合にはステップ1404に進む。
ステップ1404において、CPU113は、平均値Xとクロスした座標位置の差分をチャンネル毎に算出する。
そして、ステップ1405において、CPU113は、得られた座標位置の差分から、色ずれ量を算出する。ステップ1405における処理の内容を、以下、具体例を用いて説明する。
まず、
R:1.30、5.40、10.50
G:1.20、5.25、10.40
B:1.10、5.20、10.40
という座標位置がそれぞれ得られたと仮定する。ここで、RとBのチャンネルに着目すると、3ヶ所の座標の差分は、それぞれ、0.20(1.30−1.10)、0.20(5.40−5.20)、0.10(10.50−10.40)となる。
R:1.30、5.40、10.50
G:1.20、5.25、10.40
B:1.10、5.20、10.40
という座標位置がそれぞれ得られたと仮定する。ここで、RとBのチャンネルに着目すると、3ヶ所の座標の差分は、それぞれ、0.20(1.30−1.10)、0.20(5.40−5.20)、0.10(10.50−10.40)となる。
これらの平均値を取ると、0.17となり、この値が、同じ白黒エッジを読み取ったときにチャンネル間でどれだけずれているかを示す値、すなわち、色ずれ量(単位:画素)となる。算出された色ずれ量は、不図示の記憶部に格納され、保持される。
色ずれ量は、理論的には1画素以上となり得るが、そのようなスキャナはもはや正常な性能を有しているとはいえないので、実質上は最大でも1.0(画素)未満となる。
なお、上述した一連の色ずれ量の算出に関する処理は、不図示の記憶部に格納された色ずれ量算出プログラムをCPU113で実行することによりなされる。そして、算出された色ずれ量は別途記憶部に格納され保持される。
スキャナの読取デバイスに起因する色ずれは恒常的に発生するものであり、色ずれ量が0になるように、画像処理での位相の補正や、あるいは読取デバイスの読み取りタイミングの補正がなされる。一方、搬送部に起因する色ずれは突発的に発生し、これについては、その色ずれ量の大きさに依存する色にじみの色度の量を測り、それが無彩色となるように設計されている。これにより、ACS機能の性能低下を一定程度補うことができる。
しかしながら、黒い文字や線画のエッジ部で色にじみが発生する原因は、必ずしも色ずれだけではない。特に、搬送部に起因した突発的に発生するエッジ部の色にじみは、RGBのチャンネル間の空間周波数応答(以下、「MTF(Modulation Transfer Function)」、と呼ぶ)の違い(差)も大きな要因となっている。
たとえば、CCDセンサーなどの読取デバイスは、それぞれ、R、G、Bのカラーフィルタで覆われた3本のラインセンサーから構成される。3本のラインセンサーは、互いに平行に配置されるが、通常、ライン幅の整数倍の間隔がセンサー間に存在する。そのため、使用時には、ライン間分の読み取り遅延をチャンネル間で補正している。
この3本のラインセンサーが、紙送り方向にR、G、Bの順番でエッジ部を読み取る場合において、例えば、Rチャンネルがエッジを読んでいる瞬間に突発的な色ずれが発生したとする。この場合であっても、数ライン遅れてエッジを読むBチャンネルは、色ずれの影響を受けないことがある。色ずれの影響を受けるにしても、RとBとでは時間差があるので、発生する色ずれ量は異なる。このように、突発的な色ずれによってエッジに色にじみが発生するとき、チャンネル間(たとえば、RとG)のMTFの差が大きいと、色ずれの際に発生する色にじみの色度も大きくなってしまう。逆に言えば、突発的な色ずれが発生しても、チャンネル間のMTFの差が十分に小さければ、突発的な色ずれによるエッジ部の色にじみは抑制される。その一方で、色ずれの量が小さくても、チャンネル間のMTFの差が大きい場合には、色にじみは発生することになる。なお、説明の便宜上、以下では、チャンネル間のMTFの差を「色間MTF差」と呼ぶこととする。
突発的な色ずれの発生頻度とその際に発生する色ずれ量の予測は困難であるのに対し、色間MTF差はスキャナに固有の値であるため、スキャナ毎に予め測定することが可能である。そこで、本発明においては、予め測定可能で、かつスキャナに固有の値である色間MTF差を、自動カラー白黒判定処理の性能を高めるのに利用する。
(色間MTF差)
本発明における、色間MTF差を用いた自動カラー白黒判定処理の性能を高める方法について説明する前に、色間MTF差について詳しく説明する。
本発明における、色間MTF差を用いた自動カラー白黒判定処理の性能を高める方法について説明する前に、色間MTF差について詳しく説明する。
まず、周波数毎の応答特性であるMTFの算出は、厳密にはサイン波を用いる必要があるものの、通常は、夫々の空間周波数に対応する万線をもちいて簡易的に算出される。すなわち、別々の空間周波数に対応した複数の黒の万線をスキャナで読み取ることによって算出するのが一般的である。
しかしながら、本実施形態においてはさらに簡略化し、特定の空間周波数での応答特性を算出し、これをMTFと定義した上で、チャンネル毎の色間MTF差を算出する。
図15は、色間MTF差を算出する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップ1501において、CPU113は、紙の地の色を基準とする白Vsw及び十分広い面積のパッチを印刷したインクの色を基準とする黒Vsbを取得する。白Vswは、真っ白な紙をスキャナで読み取ることで得られ、黒Vsbは、真っ黒な紙をスキャナで読み取ることにより得られる。それぞれ、白Vswは、例えば250といった値となり、黒Vsbは、例えば5といった値となる。
ステップ1502において、CPU113は、特定の空間周波数nの万線をスキャナで読み取って、信号値を得る。なお、空間周波数nは任意に設定可能であるが、例えば、細かい文字の先鋭性を考慮した場合には、150線〜200線(Line/inch)程度が妥当である。
次に、ステップ1503において、CPU113は、万線部において読み取られた信号値の最大値VnMaxと最小値VnMinの値を取得する。ここで、VnMax、VnMinは、それぞれ0から255の範囲に入る値であり、例えば、220(VnMax)と20(VnMin)のような値となる。
そして、ステップ1504において、CPU113は、取得した白Vsw黒、Vsb、最大値VnMax及び最小値VnMinを用いて、以下の計算式に当てはめ、空間周波数nでの応答特性であるMTFを得る。
MTF=(VnMax−VnMin)/(白Vsw−黒Vsb)
MTF=(VnMax−VnMin)/(白Vsw−黒Vsb)
例えば、上記に例示した数値におけるMTFは、
(220−20)/(250−5)=0.816
となる。
(220−20)/(250−5)=0.816
となる。
特定の空間周波数nにおけるMTFが、チャンネル毎に算出されると、ステップ1505に進む。
ステップ1505において、CPU113は、算出されたMTFから、色間MTF差を算出する。
例えば、空間周波数が150線の場合において、R、G、Bの各チャンネルにつき、それぞれ、R:0.8、G:0.7、B:0.6のMTFが算出されたとする。この場合、RとGの色間MTF差として0.1(0.8−0.7)、GとBの色間MTF差として0.1(0.8−0.7)、RとBの色間MTF差として0.2(0.8−0.6)が、それぞれ算出されることになる。
最後に、ステップ1506において、CPU113は、算出された色間MTF差から、後述のパラメータ設定処理に利用する色間MTF差を決定する。決定の際の基準としては、例えば、最も値の大きい色間MTF差を選択することや、或いは、算出された色間MTF差の値の平均値とすることが考えられる。さらには、複数の空間周波数nについてそれぞれ色間MTF差を算出し、そこから最大値又は平均値を得るようにしてもよい。上の具体例において、決定の際の基準が「最も値の大きい色間MTF差の選択」であった場合には、0.2が色間MTF差として決定されることになる。
なお、上述した一連のMTFに関する処理は、不図示の記憶部に格納された色間MTF差算出プログラムをCPU113で実行することによりなされる。そして、ステップ1506で決定され色間MTF差の値は、次に述べるパラメータ設定処理に利用するため別途記憶部に格納され保持される。
なお、上述した一連のMTFに関する処理は、不図示の記憶部に格納された色間MTF差算出プログラムをCPU113で実行することによりなされる。そして、ステップ1506で決定され色間MTF差の値は、次に述べるパラメータ設定処理に利用するため別途記憶部に格納され保持される。
(パラメータ設定処理)
本発明においては、上述のようにして得られた色間MTF差を自動カラー白黒判定処理に利用する。実施形態1においては、色間MTF差を利用して、自動カラー白黒判定処理における色判定回路202のパラメータである閾値を設定する。以下、本実施形態に係る色判定回路202の閾値を設定する処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
本発明においては、上述のようにして得られた色間MTF差を自動カラー白黒判定処理に利用する。実施形態1においては、色間MTF差を利用して、自動カラー白黒判定処理における色判定回路202のパラメータである閾値を設定する。以下、本実施形態に係る色判定回路202の閾値を設定する処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップ701において、画像処理装置のCPU113は、不図示の記憶部に格納されている色間MTF差の値を取得する。
ステップ702において、CPU113は、取得した色間MTF差の値と、予め設定された所定の値αとを比較する。ここで、予め設定された所定の値は、自動カラー白黒判定処理において誤判定を生じさせない色判定感度を見極めるための、色間MTF差の基準となる値である。本実施形態では、色判定感度を高い・中庸・低いの3段階で区分するので、αとβの2つの値がユーザによって予め設定されることになる。所定の値αとβは、α<βの関係にあり、その結果、色間MTF差の値が小さいほど色判定感度は高く設定されることになる。このステップ702において、色間MTF差の値が、所定の値αよりも小さい場合には、ステップ703に進む。一方、色間MTF差の値がαより大きい場合にはステップ704に進む。
ステップ703において、CPU113は、色判定処理部111の色判定回路202に、色判定感度が高くなるような閾値を設定する。すなわち、図3の例で言えば、円形の斜線領域304がより小さくなるような円の半径(例えば、r=0.025)を閾値として設定する。
ステップ704において、CPU113は、取得した色間MTF差の値と、所定の値βとを比較する。色間MTF差の値が、所定の値βよりも小さい場合には、ステップ705に進む。一方、色間MTF差の値がβより大きい場合にはステップ706に進む。
ステップ705において、CPU113は、色判定処理部111の色判定回路202に、色判定感度が中庸となるような閾値を設定する。すなわち、図3の例で言えば、ステップ703において設定されたものよりも斜線領域304がより大きくなるような円の半径(例えば、r=0.05)を閾値として設定する。
ステップ706において、CPU113は、色判定処理部111の色判定回路202に、色判定感度が低くなるような閾値を設定する。すなわち、図3の例で言えば、ステップ705において設定されたものよりも斜線領域304がさらに大きくなるような円の半径(例えば、r=0.1)を閾値として設定する。
仮に、所定の値α、βの値がそれぞれ0.1と0.3であり、色間MTF差の値が0.2であったとすれば、色判定感度が中庸となるような閾値が色判定回路202に設定されることになる。
以上のようにして、色判定処理部111の色判定回路202に対する閾値の設定が完了すると、処理を終了する。
なお、上記の例では、予め設定される所定の値をαとβの2つとし、色判定回路202に設定する色判定感度の種類を高い・中庸・低いの3段階としたが、これに限るものではない。たとえば、所定の値を4つにし、色判定感度の種類を5段階に区分してもよい。色判定感度の種類を増やすことによって、個々のスキャナの性能に適したより緻密な色判定感度の設定が可能となる。
さらに、本実施形態においては、画像処理装置の内部ですべての処理を行う場合について説明したが、MTFの算出を含む一連の処理を、画像処理装置とは別個の装置で行うようにしてもよい。その場合、画像処理装置の外部にある別個の装置で決定されたパラメータ(閾値)は、不図示の外部I/Fを介して画像処理装置に取り込まれ、色判定回路202に設定されることになる。
以上、説明したように、色間MTF差の値に応じて色判定回路202のパラメータ(閾値)を決定することで、ACS機能の性能を調整することが可能となる。また、個々のスキャナの性能に応じた閾値が設定されることから、読み取り精度が高いスキャナを備えた複合機では、その性能を生かしたACS機能の提供が可能となる。
(第2実施形態)
第1の実施形態では、読取デバイス毎に固有の特性である色間MTF差に着目し、算出した色間MTF差の値に応じて、色判定回路202で用いるパラメータ(閾値)を設定し、ACS機能の性能を最適化した。第2の実施形態では、色判定回路202で用いる閾値の決定に際し、色間MTF差だけでなく、色ずれ量も利用する態様について説明する。
第1の実施形態では、読取デバイス毎に固有の特性である色間MTF差に着目し、算出した色間MTF差の値に応じて、色判定回路202で用いるパラメータ(閾値)を設定し、ACS機能の性能を最適化した。第2の実施形態では、色判定回路202で用いる閾値の決定に際し、色間MTF差だけでなく、色ずれ量も利用する態様について説明する。
図9は、本実施形態に係る色判定回路202の閾値を設定する処理の流れを示したフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って詳細に説明するが、実施形態1に係る図7のフローチャートと共通する部分については簡略化ないしは省略し、ここでは差異点を中心に説明する。
まず、ステップ901において、CPU113が、不図示の記憶部に格納されている色ずれ量と、色間MTF差の値を取得する。なお、ここで記憶部から取得される色ずれ量及び色間MTF差は、第1の実施形態の場合と同様、本処理に先立って算出される。すなわち、色ずれ量算出プログラム及び色間MTF差算出プログラムが前もって実行されることにより得られる。
次に、ステップ902において、CPU113は、取得した色ずれ量の値と予め設定された所定の値γとを比較する。ここで、所定の値γは、自動カラー白黒判定処理において誤判定を生じさせない色判定感度を見極めるための、色ずれ量の基準となる値(例えば、0.3(画素))である。この値は、ユーザによって予め設定され、通常、1.0(画素)以下の値をとる。所得した色ずれ量の値が所定の値γより小さい場合にはステップ903、大きい場合にはステップ905に進む。
ステップ903において、CPU113は、取得した色間MTF差の値と予め設定された所定の値δとを比較する。この場合において、所定の値δは、実施形態1におけるαやβと同種の、ユーザによって予め設定された任意の値である。取得した色間MTF差の値がδより小さければステップ904に進んで色判定感度が高くなるような閾値、δより大きければステップ906に進んで色判定感度が中庸となるような閾値が、それぞれ色判定回路202に設定される。
ステップ905においても、ステップ903と同様の処理が行われる。すなわち、取得した色間MTF差の値がδより小さければステップ906に進んで色判定感度が中庸になるような閾値、δより大きければステップ907に進んで色判定感度が低くなるような閾値が、それぞれ色判定回路202に設定されることになる。
つまり、本実施形態においては、色ずれ量と色間MTF差の値が共に小さい場合には、色感度が高くなるような閾値(第1の閾値)が色判定回路202に設定される。一方、色ずれ量の値は小さいが色間MTF差の値は小さくない場合、又は色ずれ量の値は小さくないが色間MTF差の値は小さい場合には、色感度が中庸となるような閾値(第2の閾値)が色判定回路202に設定される。そして、色ずれ量の値と色間MTF差の値が共に小さくない場合には、色判定感度が低くなるような閾値(第3の閾値)が色判定回路202に設定されることになる。
なお、上述のような方法以外にも、例えば図11に示すようなグラフを利用してもよい。図11は、色間MTF差を縦軸、色ずれ量を横軸に取ったグラフであり、9つに分割された各領域に閾値としての値A〜Eが割り当てられている。ここで、A〜Eの各値は、A<B<C<D<Eの関係を有しており、Aの場合に最も色判定感度が高くなり、Eの場合に最も色判定感度が低くなるような値である。図11から明らかなように、最低の色判定感度となるような閾値Eが色判定回路202に設定されることになるのは、色ずれ量と色間MTF差が共に大きい場合だけである。例えば、色ずれ量は大きくても色間MTF差が小さければ、設定される閾値は、色判定感度が中庸となるような値「C」となる。
このように、色ずれ量と色間MTF差の双方を使用することにより、読取デバイスの特性に応じてより細やかに閾値を設定することが可能となり、ACS機能の性能を最大限に発揮させることが可能となる。
(第3実施形態)
第1及び第2の実施形態では、色間MTF差を、色判定処理部111における色判定回路202のパラメータの設定に利用する場合について説明した。次に、カラー白黒判定処理部112におけるパラメータの設定に利用する態様、すなわち、画像データから有彩色群を抽出する際に用いる画素群のパターンの設定に色間MTF差を利用する態様について、第3の実施形態として説明する。
第1及び第2の実施形態では、色間MTF差を、色判定処理部111における色判定回路202のパラメータの設定に利用する場合について説明した。次に、カラー白黒判定処理部112におけるパラメータの設定に利用する態様、すなわち、画像データから有彩色群を抽出する際に用いる画素群のパターンの設定に色間MTF差を利用する態様について、第3の実施形態として説明する。
図8及び図10は、本実施形態におけるカラー白黒判定処理部112の有彩色判定用のパターン421を設定する処理の流れを示したフローチャートである。図8及び図10は、それぞれ実施形態1に係る図7及び実施形態2に係る図9のフローチャートに対応している。フローチャートの大部分は互いに共通しているので、以下では差異点を中心に説明することとする。
まず、図8に示すフローチャートの場合は、色間MTF差のみを、有彩色判定用のパターン421の設定に利用する。ステップ801、802、804は、図7のフローチャートのステップ701、702、704と同じ処理であり説明を省略する。
ステップ803、805、806において、CPU113は、カラー白黒判定処理部112の有彩色判定用のパターン421を、目的の有彩色領域抽出感度となるように設定する。具体的には、ステップ803では有彩色領域の抽出感度が高くなるように、構成する画素数の少ない小さなパターンを設定する。ステップ805では有彩色領域の抽出感度が中庸になるように、構成する画素数が通常である中庸の大きさのパターンを設定する。ステップ806では有彩色領域の抽出感度が低くなるように、構成する画素数の多い大きなパターンをそれぞれ設定する。
さらに、色ずれ量と色間MTF差の両方を、有彩色判定用のパターン421の変更に利用する場合には、図10のフローチャートとなる。各ステップの内容は、ステップ1001〜1003、1005については図9のステップ901〜903、905に対応し、ステップ1004、1006、1007については図8の803、805、806にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、カラー白黒判定処理部112におけるマッチング処理において使用される有彩色判定用のパターンについて、読取デバイスの性能に応じた最適な設定が可能になる。
(第4実施形態)
第1乃至第3の実施形態において、スキャナで読み取る際の突発的な色ずれの発生する位置が特定可能な場合には、当該位置で測定した色ずれ量や色間MTF差を利用することがより望ましい。
第1乃至第3の実施形態において、スキャナで読み取る際の突発的な色ずれの発生する位置が特定可能な場合には、当該位置で測定した色ずれ量や色間MTF差を利用することがより望ましい。
そもそも突発的な色ずれは、スキャナの読取デバイスに装着される不図示の原稿自動給送装置(ADF:Auto Document Feeder)において発生しやすい。ADFにおいては、読み取り対象の原稿を自動で給送するため、紙搬送経路にガイドや搬送用のローラーなどが存在する。このガイドやローラーに紙が当たる瞬間、あるいは、ガイドやローラーから紙が外れる瞬間に発生するショックが読取センサーに伝搬し、色ずれが発生することが多い。特に、紙が重かったり、こしがあったりする場合には、発生するショックも大きくなる。また、ガイドやローラーは一定の間隔で配置されるため、紙サイズが小さいと、ガイドやローラーの支持部分から外れることが多くなり、結果、ショックも発生しやすくなってしまう。
そこで、色ずれの発生頻度が高い箇所を特定することが可能な場合には、その位置において測定された色ずれ量や色間MTF差を用いるのが有効となる。これにより、色ずれの発生しやすい箇所で測定された値を基に読取デバイスの性能が決定されることになるため、最終的に色判定回路202に設定される閾値の精度も向上することになる。
加えて、色ずれ量や色間MTF差の値は、スキャナの組み立て時における調整工程などで、特定のパターンを記載したチャートを読み取り、記憶部(不図示)に格納しておくことが望ましい。また、サービスマンなどによるスキャナの読取デバイス交換時には、同様の作業を行うことが望ましい。また、調整が困難な場合には、交換部品に色ずれや色間MTF差などの値を記載しておき、サービスマンが交換時に設定できることが望ましい。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
301 a軸
302 b軸
303 輪郭線
304 斜線領域
305 マッピングされたab値
306 マッピングされたab値
401 画像データ
402 色文字
403 背景部(下地)
411 色判定信号
412 有彩色信号
413 無彩色信号
421 有彩色判定用パターン
501 画像データ
502 黒文字部
503 白色の背景部(下地)
504 色ずれにより発生した色画素部
511 色判定信号
512 有彩色信号
513 無彩色信号
603 輪郭線
604 斜線領域
302 b軸
303 輪郭線
304 斜線領域
305 マッピングされたab値
306 マッピングされたab値
401 画像データ
402 色文字
403 背景部(下地)
411 色判定信号
412 有彩色信号
413 無彩色信号
421 有彩色判定用パターン
501 画像データ
502 黒文字部
503 白色の背景部(下地)
504 色ずれにより発生した色画素部
511 色判定信号
512 有彩色信号
513 無彩色信号
603 輪郭線
604 斜線領域
Claims (9)
- 画像読取装置で読み取った画像データがカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する画像処理装置に対し、前記判定の際に用いるパラメータを設定する装置であって、
前記画像読取装置の読み取り特性を取得する手段と、
前記取得した読み取り特性に応じた前記パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
を備えたことを特徴とする装置。 - 前記画像処理装置は、前記画像データの各画素が有彩色か無彩色かを判定する色判定手段を備え、
前記パラメータは、前記色判定手段において前記画像データの各画素が有彩色か無彩色かを判定する際に用いる閾値であり、
前記読み取り特性は、前記画像読取装置のチャンネル間のMTFの差であることを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 前記パラメータ設定手段は、前記チャンネル間のMTFの差が小さいほど、無彩色であると判定されやすい閾値に設定することを特徴とする請求項2に記載の装置。
- 前記画像処理装置は、前記画像データの各画素が有彩色か無彩色かを判定する色判定手段を備え、
前記パラメータは、前記色判定手段において前記画像データの各画素が有彩色か無彩色かを判定する際に用いる閾値であり、
前記読み取り特性は、前記画像読取装置のチャンネル間のMTFの差及び色ずれ量であることを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 前記画像処理装置は、前記画像データの各画素が有彩色か無彩色かを判定する色判定手段を備え、
前記パラメータは、前記色判定手段において前記画像データの各画素が有彩色か無彩色かを判定する際に用いる閾値であり、
前記パラメータ設定手段は、前記取得したチャンネル間のMTFの差及び色ずれ量とそれぞれに対応する所定の値とを比較する比較手段を有し、
前記比較手段は、
色ずれ量が所定の値より小さくかつチャンネル間のMTFの差が所定の値よりも小さい場合に第1の閾値を設定し、
色ずれ量が所定の値よりも小さくかつチャンネル間のMTFの差が所定の値よりも大きい場合、又は色ずれ量が所定の値よりも大きくかつチャンネル間のMTFの差が所定の値よりも小さい場合に第2の閾値を設定し、
色ずれ量が所定の値よりも大きくかつチャンネル間のMTFの差が所定の値よりも大きい場合に第3の閾値を設定し、
前記第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値の順に、無彩色であると判定されやすいことを特徴とする請求項4に記載の装置。 - 前記画像処理装置は、前記画像データから有彩色の画素群の出現頻度を算出するカラー白黒判定手段を備え、
前記パラメータは、前記カラー白黒判定手段において前記画像データから有彩色の画素群を抽出する際に用いる画素群のパターンであり、
前記読み取り特性は、前記画像読取装置のチャンネル間のMTFの差であることを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 画像読取装置で読み取った画像データがカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する画像処理装置に対し、前記判定の際に用いるパラメータを設定する方法であって、
前記画像読取装置の読み取り特性を取得するステップと、
前記取得した読み取り特性に応じた前記パラメータを設定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。 - コンピュータに、請求項7に記載の方法を実行させるためのプログラム。
- 画像読取装置を備えた画像処理装置であって、
前記画像読取装置で読み取った画像データがカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する手段と、
前記画像読取装置の読み取り特性を取得する手段と、
前記判定手段における判定の際に利用するパラメータを、前記取得した読み取り特性に応じて設定するパラメータ設定手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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