JP2012162057A - 量子化装置、量子化方法及び画像形成装置 - Google Patents

量子化装置、量子化方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より低コストで光沢筋を抑止する。
【解決手段】画像形成装置1の量子化装置200は、画像データを取得する取得部201と、閾値マトリクスを記憶する記憶部202と、画像データ及び閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化処理部203と、を備え、量子化処理部203は、画像データを構成する複数の画素のうち、X方向に沿って隣接する複数の液滴に対応する2以上の画素を一組の画素とし、閾値マトリクスの閾値に基づいて、各組の画素に含まれる2以上の画素のいずれか一以上について液滴を吐出する場合にその組の画素に含まれる2以上の画素のいずれか一のみに液滴の吐出を割り当てる。
【選択図】図4

Description

本発明は、量子化装置、量子化方法及び画像形成装置に関する。
インクジェット方式の画像形成装置の一形態として、記録媒体に形成される複数のドットのうち所定の一方向(例えばX方向)に沿って形成される複数のドットの幅に応じた複数のノズルを備えた画像形成手段であるヘッド部を有し、X方向について記録媒体とヘッド部とを相対移動させず、当該一方向に略直交した方向(例えばY方向)に沿って記録媒体又はヘッド部を搬送して画像形成を行うワンパスプリンタが知られている。
このワンパスプリンタで用いられているヘッドの一形態として、X方向に沿って形成される記録媒体上の複数のドットの密度(つまりX方向の記録密度)が、ノズルを隣接させて配置されるノズル列のノズル密度(つまりノズル密度)よりも高い場合がある。この場合は、そのノズルをY方向にも分布させ、全ノズルのノズル位置をX軸上に投影させたときにぞれぞれのノズル位置が重ならないように配置することによって、Y方向に分布させない1列のノズル列では実現できなかった高い記録密度を実現できる。その一例を図19に示す。図19に示されているワンパスプリンタのヘッド部Hでは、記録解像度より低いノズル密度でありX方向に並んだノズル列L1、L2を並行に配置し、L1とL2のY方向の距離(ノズル列間ピッチW1)が、印刷媒体上でY方向に連続する複数のドットの間隔(Y方向のドット間ピッチW2)よりも大きく設けられている。例えば、比較的大きなアクチュエータを持つピエゾ方式のインクジェットの場合はW1>W2となることが多い。
このような構成において、画像形成時にL1とL2の間の距離W1だけ射出タイミングをずらして射出することによって、ノズル密度よりも高いX方向の記録密度のドット列を記録媒体P上に形成することが可能となる。ノズル列がL1、L2の2ラインの場合は、ノズル列L1、L2のノズルの各々により形成されるY方向のドット列D1、D2は互いに隣接することが望ましい(図20参照)。
図20に、図19に示すヘッド部により形成される画像の一例を示す。なお、図20では、記録媒体Pに形成されるドット列の明示を目的として、ヘッド部Hと記録媒体Pとの位置関係をX軸方向についてずらして示している。
ヘッド部Hの各ノズル列は、Y方向に沿って搬送される記録媒体Pに対して所定のドットピッチW2の間隔でインクの液滴を記録媒体に付着させるようインクを吐出することでドットを形成する。図20(C)に示すように、記録媒体Pの搬送方向について一のノズル列L1よりも下流側に位置する他のノズル列L2によるインクの吐出は、ノズル列L1によるインクの吐出タイミングに対して、ノズルピッチW1の幅に対応する記録媒体Pの搬送時間の経過後に行われる。このようにして、ヘッド部Hは、一のノズル列L1により形成されたY方向のドット列D1、D1の間に、ドット列D1、D1の各ドットに対してX方向に隣接するドットに対応する他のノズル列L2のドット列D2を形成する。
上記のように、一のノズル列L1によって先行して形成されたY方向のドット列D1、D1の間に他方のノズル列L2で形成されるY方向のドット列D2を形成する画像形成を行う場合、記録媒体に形成された画像に光沢筋を生じさせることがある。
図21に、光沢筋を生じた画像の一例を示す。図21(A)は光沢筋を生じた画像の一例を示し、図21(B)は、光沢筋を生じた画像のドット配置の模式図である。また、図21(B)において点線で囲ってある領域が図21(A)に対応している。
ドット列D2のインクは、ドット列D1のインクが記録媒体に吐出されてからノズルピッチW1の幅に対応する記録媒体Pの搬送時間を経過した後に吐出される。このため、ある程度乾燥、固化したドット列D1、D1の間に新たなドット列D2が形成されるといった場合、ドット列D2がドット列D1、D1に挟まれる形となって畝を生じることから、Y方向に沿った光沢筋を生じさせることとなる。
図22は、従来技術により記録媒体に形成された画像のドット率に対するX方向及びY方向の光沢度との対応関係の一例を示すグラフである。
なお、ドット率は、記録媒体に形成する画像の元データである画像データを構成する複数の画素のうちドットを形成する画素の割合を示す。図22のグラフでは、画像データを構成する全ての画素についてドットを形成する場合をドット率100とし、全ての画素についてドットを形成しない場合をドット率0としている。
また、図22に示すグラフでは、光沢度の評価値として、日本工業規格(JIS)の規格番号Z8741に規定される鏡面光沢度の測定方法により求められた60度反射率の評価値を用いている。
また、図22に示すドット率と光沢度との対応関係は、コート紙の記録媒体上に形成されたドットの光沢度の一例を示す。
図22に示すように、ドット率が大きくなると、X方向の光沢度とY方向の光沢度とが剥離することがわかる。実際に目視評価では、このX方向の光沢度とY方向の光沢度が乖離しているドット率付近では、光沢が方向感を持って分布しているように見える。つまり光沢筋を生じさせることとなる。
このような光沢筋を抑止する方法として、画像を形成する各色のインクの上にさらに透明インクを付加する方法や(例えば特許文献1)、記録媒体に付着したインクを定着させる定着装置を別途設ける方法(例えば特許文献2)が知られている。
特開2004−338298号公報 特開平11−105310号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、透明インクを付加するための構成(ノズル等)、当該構成を画像形成装置に設けるためのスペース、透明インクそのものの調達及び備蓄等を必要とするし、特許文献2に記載の方法では、定着装置、定着装置を画像形成装置に設けるためのスペース等を必要とする。
このように、従来技術による光沢筋の抑止方法はいずれも、光沢筋を抑止するための構成を画像形成のための構成(画像形成部)とは別に設ける必要があることから、画像形成装置のコスト上昇を免れない。
本発明の課題は、より低コストで光沢筋を抑止することである。
請求項1に記載の発明は、液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が、前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、を備え、前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置により、前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置であって、前記画像データを取得する取得手段と、前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶手段と、取得した前記画像データ及び前記記憶手段に記憶された前記閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化手段と、を備え、前記量子化手段は、前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする組分け手段と、前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント手段と、前記総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる割当手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の量子化装置であって、前記割当手段は、前記一組のグループに含まれる各画素に対応する前記閾値マトリクスの閾値の大小関係に基づいて、前記インクの吐出を割り当てる画素を決定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の量子化装置であって、前記記憶手段は、空間周波数が異なる複数の閾値マトリクスを記憶し、前記インクの光沢度が高いほど低い空間周波数の閾値マトリクスを用いることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の量子化装置であって、前記記憶手段は、空間周波数が異なる複数の閾値マトリクスを記憶し、前記記録媒体の光沢度が低いほど低い空間周波数の閾値マトリクスを用いることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の量子化装置であって、前記画像形成手段は2以上の多階調表現が可能であり、前記割当手段は、前記総吐出数を前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に液滴の吐出を割り当てる際、前記グループ内のある画素で吐出する吐出数を増加させることで、前記一組のグループ内の吐出する画素数を減らすことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の量子化装置であって、前記画像データを構成する複数の画素の画素値の差異に基づいて形成されるエッジ部を検出する検出手段をさらに備え、前記量子化手段は、前記検出手段により前記エッジ部として検出された部分に対して、前記組分け手段、吐出数カウント手段及び前記割当手段による処理を施さないことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が、前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、を備え、前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置により、前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置であって、前記画像データを取得する工程と、取得した前記画像データ及び前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化工程と、を有し、前記量子化工程は、前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする工程と、前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント工程と、前記吐出数カウント工程でカウントされた総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる工程と、を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置と、を備え、前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置であって、前記量子化装置は、前記画像データを取得する取得手段と、前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶手段と、取得した前記画像データ及び前記記憶手段に記憶された前記閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化手段と、を備え、前記量子化手段は、前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする組分け手段と、前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント手段と、前記吐出数カウント手段でカウントされた総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる割当手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で、同一ノズルで搬送方向に連続吐出し続けるパターンを隣接するノズルを含めた複数ノズルを用いて吐出するパターンに変更ができる。こうすることで、課題であった同一ノズルで搬送方向に連続吐出することによる光沢筋を抑制することができる。
本発明の一実施形態による量子化装置を備える画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。 量子化装置の構成の一例を示すブロック図である。 閾値マトリクスの一部の一例を示す図である。 ハーフトーン処理の大まかな流れを示すフローチャートと、各処理の処理結果を模式化して示した図とを対応付けた説明図である。 再配置処理の流れの一例を示すフローチャートである。 ハーフトーン処理を施された画像データの出力例を示す図である。図6(A)はハーフトーン処理を施された画像データに基づいて記録媒体に形成された画像の一例を示す図である。図6(B)は、ハーフトーン処理を施された画像データのドット配置の模式図である。 本実施形態の画像形成装置1により記録媒体に形成された画像のドット率と光沢筋の光沢度との対応関係の一例を示すグラフである。 空間周波数の異なる閾値マトリクスを用いてハーフトーン処理を施した画像データによる出力画像の比較例を示す図である。 空間周波数の異なる閾値マトリクスを用いてハーフトーン処理を施した画像データのドット配置の比較例を示す模式図である。 紙の種類による紙自身の光沢度の測定結果を示す図である。 3種類の異なるインクについてワイヤーバーで均一に塗布した場合の表面光沢度の結果を示す図である。 インクAを用いた場合で、それぞれのパターン(以下、高周波パターン、中周波パターン、低周波パターンとする)を代表的な記録媒体に形成し、その印画部と紙の間の光沢違和感の目視評価を行った結果を示す図である。 記録媒体の光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。 低光沢インク(インクC)を用いた場合で、それぞれのパターンを代表的な記録媒体に形成し、その印画部と紙の間の光沢違和感の目視評価を行った結果を示す図である。 インクの光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。 エッジ部の検出及び組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施有無の決定に係る説明図である。図16(A)は、エッジ部の検出の処理対象とする注目画素P4を中心とする周囲の画素P0〜P3、P5〜P8の位置関係を例示する図である。図16(B)は、図16(A)に示す画素の位置関係に基づいてエッジの検出を行うためのプログラムコードの一例を示す図である。 エッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行ったハーフトーン処理の効果を例示する図である。図17(A)は、エッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行ったハーフトーン処理の出力の一例を示す図である。図17(B)は、エッジ部の検出を行わなず、全画素に組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施を含むハーフトーン処理を施した出力の一例を示す図である。 ノズル列が搬送方向に対して直交しない所定の角度をもって配置された一例を示す図である。 Y方向のノズルピッチがY方向のドットピッチよりも大きく設けられているワンパスプリンタのヘッド部Hの一例を示す図である。 図19に示すヘッド部により形成される画像の一例を示す図である。 光沢筋を生じた画像の一例を示す図である。図21(A)は光沢筋を生じた画像の一例を示す図である。図21(B)は、光沢筋を生じた画像のドット配置の模式図である。 従来技術により記録媒体に形成された画像のドット率と光沢筋の光沢度との対応関係の一例を示すグラフである。
以下、図を参照して本発明の実施の形態の例を詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態による量子化装置200を備える画像形成装置1の主要構成を示す。
画像形成装置1は、画像形成部10、インタフェース20、制御部30、表示入力部40、量子化装置200等を備え、これらの各構成はバス2により接続される。
画像形成部10は、例えば図20に示すように複数のノズル列を有するヘッド部H、ヘッド部Hを駆動させる駆動部11、ノズル列から吐出されるインクを備蓄するインクカートリッジ12、記録媒体Pを搬送する搬送部13等を備える。
図示しないが、画像形成装置1は複数の色のインクを用いて画像形成を行うことができるインクジェットプリンタであり、画像形成部10は複数の色の各々についてヘッド部H、駆動部11、インクカートリッジ12等を備える。
ここで、ヘッド部Hは、記録媒体Pにおける所定の一方向(例えばX方向)に沿って設けられてインクを記録媒体Pへ吐出する複数のノズル(例えばノズル列L1、L2等)を有する。また、搬送部13は、記録媒体Pを所定の一方向と略直交する他方向(例えばY方向)へ搬送する。
そして、他方向に沿って互いに隣接するよう記録媒体Pへ吐出された複数のインクの液滴の隣接距離(ドットピッチW2)に比して、所定の一方向に沿って互いに隣接する複数のインクの液滴(Y方向のドット列D1,D2)を吐出する複数のノズル(互い違いに配置されたノズル列L1、L2の各々のノズル)の他方向に沿った隣接距離(ノズルピッチW1)の方が大きく設けられている。つまり、本実施形態のヘッド部Hは、ワンパスプリンタで用いられているヘッドであり、X方向に沿って形成される記録媒体P上の複数のドットの密度(つまりX方向の記録密度)が、ノズルを隣接させて配置されるノズル列のノズル密度(つまりノズル密度)よりも高くなる。そして、そのノズルをY方向にも分布させ、全ノズルのノズル位置をX軸上に投影させたときにぞれぞれのノズル位置が重ならないように配置することによって、Y方向に分布させない1列のノズル列では実現できなかった高い記録密度を実現している(例えば、図19参照)。ヘッド部Hは、画像形成時にL1とL2の間の距離W1だけ射出タイミングをずらして射出することにより、ノズル密度よりも高いX方向の記録密度のドット列を記録媒体P上に形成する。ノズル列がL1、L2の2ラインの場合は、ノズル列L1、L2のノズルの各々により形成されるY方向のドット列D1、D2は互いに隣接することが望ましい(図20参照)。
即ち、ヘッド部Hは、液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、インクを記録媒体へ吐出するノズルを記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が、所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段として機能する。また、搬送部13は、記録媒体を搬送方向へ搬送する。そして、画像形成手段(例えば、ヘッド部H)における所定の距離が、ノズルから吐出されたインクによって記録媒体に形成される記録ドットが搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい。
なお、本実施形態の搬送部13は、ヘッド部Hに対して記憶媒体を移動させるよう搬送を行っているが、記憶媒体に対してヘッド部Hを移動させるよう搬送を行ってもよい。
以下は本発明を実施するに当たり構築した実験環境である。具体的にはX方向に600[DPI](Dot per Inch)のノズル密度を持ったのノズル列を搬送方向であるY方向に離して2列配置している。その2列間のノズル位置に関しては、X方向に対して一方のノズル列が他方のノズル列に対してノズルピッチの半分だけずれて配置させている。こうすることで実質上1200[DPI]のノズル密度を実現する構成とした。一般的に高いノズル密度を実現するためには図20のように搬送方向に離れて配置された複数のノズル列を配置することによって搬送方向に直交する方向のノズル密度を挙げる手段がとられている。
インタフェース20は、外部の機器との間でデータ伝送を行う。インタフェース20は、例えばネットワークインターフェースカード(Network Interface Card、NIC)等の通信装置を有し、回線を通じて外部の機器とデータ伝送を行う。インタフェース20によるデータ伝送は、有線/無線を問わず、またそのプロトコルやその他の接続形式に関する条件(例えば規格等)を問わない。
制御部30は、図示しないCPU,RAM,ROM等を備えるコンピュータであり、ソフトウェア処理により画像形成装置1の動作制御を行う。CPUは、ROM内に記憶されたプログラムと協働し、RAMに展開されたプログラムやデータ等に従って画像形成装置1の動作制御を行う。RAMは、CPUの処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。ROMは、CPUによって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
表示入力部40は、画像形成装置1の動作に係る表示を行う機能を有する表示装置であると共に、画像形成装置1に対して、画像形成及び量子化装置200の量子化に係る各種の入力を行うための入力装置として機能する。表示入力部40は、例えばタッチパネル方式の表示入力装置や各種のボタン、キー等を有する。
量子化装置200は、画像形成部10により記録媒体Pに形成される画像の元データとなる画像データの量子化を行う。
図2に、量子化装置200の構成の一例を示す。
量子化装置200は、取得部201、記憶部202、量子化処理部203及び出力部204を備える。
取得部201は、量子化処理を施す対象となる画像データを取得して量子化処理部203へ入力する。取得部201は、例えばインタフェース20を介して外部の機器から入力される画像データや、制御部30により画像処理を施された画像データ等を取得する。
ここで、取得部201は、画像データを取得する取得手段として機能する。
記憶部202は、閾値マトリクスを記憶する記憶装置であり、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の記憶装置又はこれらの組み合わせにより構成される。
図3に、閾値マトリクスの一部の一例を示す。
本実施形態の閾値マトリクスは、所定の画素領域に対応する各画素に閾値が設定されたデータである。所定の画素領域は、例えば画像データを構成する画素の並びに沿った所定の一方向(X方向)及び当該一方向に直交する他方向(Y方向)に沿う256×256[画素]の画素領域である。図3に示すように、閾値マトリクスの各画素には閾値が設定されている。各画素の閾値は、画像データを構成する画素領域のうち、当該所定の画素領域に対応する画素領域の各画素についてドット形成を行うか否かを判定するための閾値である。
図3に例示し、本実施形態で用いる閾値マトリクスは256×256[画素]であるが、閾値マトリクスが有する閾値の数、即ち閾値マトリクスに対応する画素領域における画素の数及び並びは任意に設定することができる。例えば、画像データの全部をカバーするサイズとしてもよい。
ここで、記憶部202は、画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶手段として機能する。
また、画像データの一部又は全部を構成する複数の画素(X方向に沿って並ぶ複数の画素及びY方向に沿って並ぶ複数の画素)と閾値マトリクスの複数の閾値とは、一対一の関係を有する。そして、画像データの各画素と、ヘッド部Hのノズルにより形成される一つのドットとは一対一の関係を有する。
量子化処理部203は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成され、取得部201から入力された画像データと、記憶部202に記憶された閾値マトリクスと、に基づいて、画像データの量子化(ハーフトーン処理)を行う。ここで、量子化処理部203は、画像データ及び閾値マトリクスに基づいて、画像データに基づいて記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において記録ドットを形成するか否かを判断するための当該画像データの量子化を行う量子化手段として機能する。
ハーフトーン処理は、閾値マトリクスの所定の画素領域の大きさを一単位として、画像データの全画素に対して行われる。例えば、画像データの画素領域が所定の画素領域(例えば256×256[画素])より大きな画素領域を有する場合、画像データの画像領域を所定の画素領域単位で区切り、区切られた各画素領域に対してハーフトーン処理を行う。
図4は、ハーフトーン処理の大まかな流れを示すフローチャートと、各処理の処理結果を模式化して示した図とを対応付けた説明図である。
ハーフトーン処理において、量子化処理部203は、まず、画像をn値化するn値化処理を行う(ステップS1)。具体的には、量子化処理部203は、取得部201から多値の画像データが入力されると、記憶部202から閾値マトリクスを読み出す。次に、量子化処理部203は、画像データの画素領域のうち所定の画素領域(例えば256×256[画素])の範囲の各画素の画素値と、閾値マトリクスに設定された各画素の閾値とをそれぞれ比較する。そして、量子化処理部203は、比較結果に基づいて当該所定の画素領域における各画素のドットの形成/非形成を決定する。
図4に示す例では、n値化処理の一例として、2値化処理後の画像データに含まれる一部の各画素のON/OFFを処理結果R1として示しているが、量子化処理部203は、2以上の自然数nについてn値化処理を行うことができる。
n値化処理の後、量子化処理部203は、所定の一方向(X方向)に沿って隣接する複数の画素を一組の画素とする組分け処理を行う(ステップS2)。ここで、組分けされた一組の画素は、例えば図20、図21に示す記録媒体P上におけるY方向に沿って隣接するドット列D1、D2と直交するX方向に隣接する複数の画素の組である。
図4に示す例では、組分け処理の一例として、X方向に沿って隣接する2つの画素を一組の画素のグループとした処理結果R2を示しているが、所定の一方向(X方向)に沿って隣接する3つ以上の画素を一組の画素のグループとすることもできる。
ここで、量子化処理部203は、画像データを構成する複数の画素のうち、所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする組分け手段として機能する。
組分け処理の後、量子化処理部203は、前記n値化処理で用いた閾値マトリクスの閾値を用いて組分けされた各組の画素をnよりも大きい値で多値化する多値化処理を行う(ステップS3)。多値化処理において、量子化処理部203は、各組に含まれる複数の画素の各々のON/OFF(2値化処理の場合。n値化処理の場合は各々のn値化結果)に応じて各組の画素の値を決定する。例えば、図4に示す例のように、2つの画素を一組の画素とする組分け処理がなされた後の多値化処理において、量子化処理部は、一組の画素に含まれる2つの画素が共にON(ONを値1に対応させ、OFFを0に対応させる)である場合にその組の画素の値を2とし、2つの画素のいずれか一方がONであって他方がOFFである場合にその組の画素の値を1とし、一組の画素に含まれる2つの画素が共にOFFである場合にその組の画素の値を0とする。つまり、一組の画素内で発生する液滴(もしくは液滴に関連する値)をカウントしているのである。図4に示す処理結果R3は、上記の処理結果R2について多値化処理を行った結果、つまりそれぞれの組で発生するドット数(もしくは液滴に関連する値)をカウントした結果である。N個の画素を一組とした場合のカウント結果を数式で表すと次の式(1)、(2)に示す通りとなる。
なお、多値化処理後の各組の画素の値が取りうる値の幅は、組分け処理において一組の画素とした画素の数とステップ1のn値化処理におけるnに応じる。例えば、n=2の場合、2つの画素を一組の画素とした場合(N=2)は0〜2、3つの画素を一組の画素とした場合(N=3)は0〜3…等である。つまり、n値化処理結果をN画素を1つの組とした場合、多値化処理後の各組の画素の値が取りうる値の幅は0〜N×nとなる。
多値化処理後、量子化処理部203は、再配置処理を行う(ステップS4)。再配置処理において、量子化処理部203は、閾値マトリクスに基づいてドットの配置を決定する。また、再配置処理において、量子化処理部203は、各組の画素の値に基づいてドットの濃度を決定する。
具体的には、再配置処理において、量子化処理部203は、各組の画素の値に応じた濃度のドットを、各組に含まれる画素数未満の画素位置に割り当てる処理、つまり多値化処理においてカウントされた一組の画素の値(総吐出数M)に応じたインクの吐出を、画素のグループ内に含まれる画素数(N)のうちN−1画素以下の画素数の画素位置に割り当てる処理を行う。
以下、再配置処理の流れを、図5のフローチャートを用いて説明する。図5のフローチャートは、図4のステップS1において2値化処理を、ステップS2においてX方向に2画素、Y方向に1画素の2つの画素を一組とした場合でのフローチャートである。また、図5及び図5を用いた説明において、処理の対象った所定の画素領域内におけるX方向の画素の位置を示す。再配置処理の開始時における(x,y)の初期値は(0,0)である。
また、閾値マトリクスの所定の画素領域のX方向の画素数をxmax、Y方向の画素数をymaxとする。
まず、量子化処理部203は、(x,y)が所定の領域内であるか否かのチェックを行う。
具体的には、量子化処理部203は、yがymaxより小さいか否か判定する(ステップS11)。yがymaxより小さい場合(ステップS11:YES)、量子化処理部203は、xがxmaxより小さいか否か判定する(ステップS12)。
なお、所定の画素領域内の(x,y)が取りうる値は、(0,0)〜(xmax−1,ymax−1)である。
ステップS12において、xがxmaxより小さい場合(ステップS12:YES)、量子化処理部は、以下の不等号式(3)が満たされるか否か判定する(ステップS13)。
Dither(x_adrs,y_adrs)>Dither(x_adrs+1,y_adrs)…(3)
式(3)は、Dither(x_adrs,y_adrs)により参照される閾値マトリクスの閾値が、Dither(x_adrs+1,y_adrs) により参照される閾値より大きい場合に満たされる。
式(3)において、Dither(a,b)は閾値マトリクスの所定の画素領域における座標(a,b)に設定された閾値で本実施例ではa,bともに0〜255までの数値を取りうる。また、x_adrsは、xを256で除算したあまりの値を示し、y_adrsは、yを256で除算したあまりの値でどのx、yに対しても閾値領域における座標の領域を超えないように適用することができる。つまり、x_adrs、y_adrsはそれぞれ閾値マトリクスを参照するためのアドレス値を指している。なお、x_adrs+1は、xを256で除算したあまりの値に1を加算した値であるが、後述するステップS16にあるようにxの変数を変化させていくとx_adrsのとりうる数字は0,2,4、・・・、254となる。したがって、x_adrs+1であっても0〜255の閾値領域における座標の領域を超えることがない。
式(3)が満たされる場合(ステップS13:YES)、量子化処理部203は、(x,y)のドット値に(x,y)を含む組の画素の値を設定し、(x+1,y)のドット値に0を設定する(ステップS14)。一方、式(3)が満たされない場合(ステップS13:NO)、量子化処理部203は、(x,y)のドット値に0を設定し、(x+1,y)のドット値に(x,y)を含む組の画素の値を設定する(ステップS15)。ステップS14の処理後又はステップS15の処理後、量子化処理部203は、xの値に2を加算し(ステップS16)、ステップS12の処理へ戻る。図5のフローチャートでは、(x,y)のドット値をOutput(x,y)、(x+1,y)のドット値をOutput(x+1,y)、(x,y)を含む組の画素の値、即ちその組の中に形成すべき液滴量をInput(x,y)として示している。
本実施例では2画素を一組とし、一組のドット数に基づいてカウントされた吐出量に応じたドットを当該組に含まれる2画素のうちのどちらかで形成する方法であるが、一例であり、これに限らない。例えば、一組の画素数が3画素の場合、一組のドット数に基づいてカウントされた吐出量について、一組に含まれる2画素以下で一組内の吐出量を再現できれば良い。
したがって、一組に含まれる画素の数を2ではなくNとして一般化することができる。この場合、それぞれの画素位置に対応する閾値は、Dither(x_adrs,y_adrs), Dither(x_adrs+1,y_adrs)、…、Dither(x_adrs+N-1,y_adrs)のように記述することができる。このとき、式(3)で例示した2の閾値の比較はN個の閾値の大小比較となり、その比較結果により対応する閾値大きい画素から順にInput(x,y)をOutputに配置していく。
例えば、画素数N=3、量子化数n=2、再配置後の出力レベルが0,1,2、メインで出力するドットレベルDOTNUM=2のとき、組分け処理で得られたInput(x,y)は0から3の値をとりうる。したがって、Input(x,y)>DOTNUMのとき、最も対応する閾値が大きい画素にはDOTNUMを、次に対応する閾値が大きい出力画素位置にはInput(x、y)−DOTNUMを、最も対応する閾値が小さい出力画素位置には0を再配置する。Input(x、y)≦DOTNUMのときは、最も対応する閾値が大きい出力画素画素には1を、それ以外には0をInput(x、y)=0ときは、すべての出力画素位置に0を代入する。ただし、N=3の場合、S16においてx→x+3となる。なお、DOTNUMはその画素で表現できる階調数の最大値とする。
ステップS12においてxがxmaxより大きい(ステップS12:NO)場合、量子化処理部203は、xの値を0とし、yの値に1を加算して(ステップS17)、ステップS11の処理へ戻る。
ステップS11においてyがymaxより大きい(ステップS11:NO)場合、量子化処理部203は、再配置処理を終了する。
再配置処理の終了により、ハーフトーン処理は終了する。
出力部204は、量子化処理部203によりハーフトーン処理を施された画像データを出力する。制御部30は、出力部204から出力された画像データに基づいて、画像形成部10に画像形成を行わせる。
画像形成部10は、ハーフトーン処理により再配置されたドットの配置及び濃度値に応じた画像形成を行う。具体的には、画像形成部10のヘッド部Hのノズルは、濃度値が0の画素についてはインクを吐出せず、濃度値が1の画素については1[dpd]のインクを吐出し、濃度値が2の画素については2[dpd]のインクを吐出する。
なお、本実施形態では記録解像度が1200×1200DPIなので、1[dpd]のインクのドットは、3ピコリットル([pl])の液滴量により形成されるドットを用いた。また、2[dpd]のインクのドットとは、6ピコリットル([pl])のインクにより形成されるドットを用いた。1[dpd]のインクのドットの径は35[μm]、2[dpd]のインクのドットの径は42[μm]を想定している。
また、本実施形態の画像形成部10のノズルは通常、一の画素に対して1[dpd]のインクを吐出するものであり、2[dpd]のインクを吐出する場合、ノズルは一の画素に対して1[dpd]のインクを2回連続して吐出する、もしくは1dpdのインクを2滴相当量の液滴を吐出できる駆動波形を用いて1回駆動で吐出する。
本実施形態においてN=2としたが、基本的にはNは小さい方が好ましい。N=2の場合、一組の画素群のサイズはX方向に40[μm]、Y方向に20[μm]となる。したがって、pが小さければ、図4のステップS1の処理結果R1であるもともとの量子化パターンを崩さずに再配置が可能となる。本発明の場合、再配置によるドット位置の変化は最大でも20[μm]であり、20[μm]の変化は人間には判断の付かないレベルの移動ですむ。
上記の説明及び図4に示す組分け処理の処理結果R2から再配置処理の処理結果R4までの例示にあるように、一組の画素に含まれる2つの画素が共にONである場合、その組の画素の値は2となる。そして、再配置処理後の当該組の画素の一方に2[dpd]の画素が配置される。また、一組の画素に含まれる2つの画素のいずれか一方がONであり、他方がOFFである場合、その組の画素の値は1となる。そして、再配置処理後の当該組の画素の一方に1[dpd]の画素が配置される。このように、量子化処理部203は、再配置処理により、各組の画素に含まれる2の画素のいずれか一以上について液滴を吐出する場合に、その組の画素に含まれる2の画素のいずれか一のみに液滴の吐出を割り当てる。
また、一組の画素がN個(Nは2以上の整数)である場合、量子化処理部203は、再配置処理により、多値化された一単位の値即ち一組の画素の値に応じた液量の液滴を、当該一単位に対応する組の画素に含まれるN個の画素のうちN−1個以下の画素に液滴の吐出を割り当てる。即ち、量子化処理部203は、カウントされた総吐出数に応じたインクの吐出を、グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる割当手段として機能する。例えば、N=3の場合、量子化処理部203は、多値化された一単位の値即ち一組の画素の値に応じた液量の液滴を、当該一単位に対応する組の画素に含まれる3個の画素のうち2個以下の画素に液滴の吐出を割り当てる。N=4以上の場合でも、同様である。また、量子化処理部203は、閾値マトリクスの閾値に基づいてグループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント手段として機能する。
さらに、量子化処理部203は、一組のグループ内の総吐出数MをN−1画素以下の画素数の画素位置に液滴の吐出を割り当てる際、グループ内のある一画素で吐出する階調値を増加させることで、一組のグループ内の吐出する画素数を減らす処理を行う。例えば、一組のグループ(画素の組)に含まれる画素の数が2であり、画素の組の値(総吐出数M)が2である場合、量子化処理部203は、グループ内の2画素のうちいずれか一方の画素で吐出する階調値を増加させる(例えば、2[dpd]とする)濃度値を設定することで、一組のグループ内の吐出する画素数を減らす処理を行う。N=3の場合も同様であり、例えば、一組のグループ(画素の組)に含まれる画素の数が3であり、画素の組の値(総吐出数M)が3である場合、量子化処理部203は、グループ内の3画素のうちいずれか1画素で吐出する階調値を増加させ(例えば、2[dpd]とする)、他の1画素の階調値を維持し(例えば、1[dpd]とする)、残りの1画素にインクを吐出させない濃度値を設定することで、一組のグループ内の吐出する画素数を減らす処理を行う。
このため、例えば、n値化処理の時点でドット占有率(ドットを形成する画素/選択可能な画素)×100が100%である画像データが、再配置処理完了後には一組の画素数が2画素の場合はドット占有率50%に、一組の画素数が3画素の場合はドット占有率が66%に変換されて画像データとして出力される。
図6に、ハーフトーン処理を施された画像データの出力例を示す。図6(A)は、ハーフトーン処理を施された画像データに基づいて記録媒体に形成された画像の一例を示し、図6(B)は、ハーフトーン処理を施された画像データのドット配置の模式図である。また、図6(B)において点線で囲ってある領域が図6(A)に対応している。
図7に、本実施形態の画像形成装置1により記録媒体に形成された画像のドット率と光沢筋の光沢度との対応関係の一例をグラフで示す。
図7に示すように、本実施形態の量子化装置200によるハーフトーン処理を経ることにより、ドット率の大小に関らず、X方向の光沢度とY方向の光沢度との差異を小さく抑えることができる。特に、ドット率が大きくなるほどその効果は顕著であり、X方向の光沢度とY方向の光沢度との間に生じる差異を良好に抑止することができることから、X方向の光沢度とY方向の光沢度とが剥離することによるY方向に沿う光沢筋の出現を良好に抑止することができる。よって、図6(A)、(B)に示すように、本実施形態の量子化装置200によるハーフトーン処理を経ることにより、記録媒体に形成される画像における搬送方向に沿った光沢筋の出現を良好に抑止することができる。
なお、上記の実施形態では、n値化処理に用いる閾値マトリクスと再配置処理に用いる閾値マトリクスとを同一のものとしているが、それぞれ別の閾値マトリクスを用いてもよい。
また、再配置処理に用いる閾値マトリクスを記録媒体の光沢度やインクの光沢度に応じて選択するようにしてもよい。
図8に、図5のフローにおいて、n値化処理におけるディザパターンは変えずに、再配置工程において振り分ける際に用いているDither(a,b)の空間周波数を異ならせたときの実際の印画結果の写真を示している。このようにn値化処理に用いるディザパターンは変えないので全体の粒状感や空間分解能を変えずに、光沢の部分のみを変更可能となる。このように再配置工程によって光沢感が大きく変動することがわかる。
図9に、空間周波数の異なる閾値マトリクスを用いてハーフトーン処理を施した画像データのドット配置の比較例を模式図で示す。
図8、図9に示す三つの例はそれぞれ、左のものほど再配置処理に用いた閾値マトリクスの空間周波数が高く、右のものほど再配置処理に用いた閾値マトリクスの空間周波数が低い。量子化装置200は、再配置処理に用いる閾値マトリクスの空間周波数に応じて、出力画像の光沢度の抑止度合いを制御することができる。再配置処理に用いる閾値マトリクスの空間周波数が低いほど、光沢度が抑止される傾向を示す。
一方、インク及び記録媒体はそれぞれ固有の光沢度を示す。インク、記録媒体ともに、高い光沢度を示すもの、低い光沢度を示すものがそれぞれ存在する。また、記録媒体の光沢度に対してインクの光沢度が大きく剥離する場合、出力画像の光沢筋の出現が顕著となる傾向がある。そこで、空間周波数の異なる複数の閾値マトリクスを予め用意し、記録媒体の光沢度やインクの光沢度に基づいて再配置処理に用いる閾値マトリクスを選択することで、より良好に光沢筋の出現を抑止することができる。
記録媒体の種類として、例えば塗工紙(コート紙、アート紙)、微塗工紙、非塗工紙(上質紙)等がある。これらは記録媒体の表面に施された加工が異なり、異なる光沢度を示す。さらに、これらの紙の種類について光沢度を抑止したマット仕様、光沢度を上げた光沢仕様等が存在するため、個々の記録媒体が示す光沢度は千差万別である。一方で、同一種類の同一仕様である記録媒体はほぼ同一の光沢度を示すので、記録媒体の種類や仕様に応じて光沢度を予め測定し、光沢度を示す値を保持しておくことができる。図10に紙の種類による紙自身の光沢度の測定結果を示した。このようにアート紙、コート紙系では大体30〜50、微塗工紙では20〜30、上質紙、マッドコート紙では5〜20程度の光沢度を示す。本実施形態では、光沢度を所定の範囲(例えば10〜90)の範囲で管理し、光沢度に応じた閾値マトリクスの選択を行っている。記録媒体の種類、仕様と光沢度との対応関係は予め制御部30のROMや記憶部202に記憶することができる。また、画像形成に用いる記録媒体の種類、仕様は表示入力部40等を介して設定することができる。また図11には3種類の異なるインク(例えば、インクA,インクB,インクC)についてワイヤーバーで均一に塗布した場合の表面光沢度の結果を示した。
本実施形態を考える上で、まず再配置時のそれぞれのパターンと紙種との違和感について実験を試みた。このような実験を行った理由は、光沢感の環境変動による。つまり光沢感は記録媒体、印画環境(インク種、記録媒体による表面張力、印画直後から硬化までの時間)によって大きく変わる可能性が高い。図12はインクAを用いた場合で、100%記録率のドットパターンをそれぞれの再配置パターン(図5のS13で用いる)(以下、高周波パターン、中周波パターン、低周波パターンとする)で再配置し、を代表的な記録媒体に形成したときの、その印画部と紙の間の光沢違和感の目視評価を行った結果である。ここで高周波、中周波、低周波の再配置パターンは図5のステップS13のように周波数空間の異なるディザマトリクスをそのまま用いても良いし、比較条件に応じて階調数を減らしても良い。具体的には、図4のステップS2における組分け処理の組が1×2画素の場合、その組分け内において隣接2画素で大小比較ができればよい。つまり、この組分け内に0と1があれば破綻無く処理が可能である。つまり比較パターンは2値で表現が可能である。同様に考えると、組分け処理の組が1×4画素である場合、その組内での順位付けができればよいので各組分けにおいて0から4までを割り振った5値のパターンであれば良いことがわかる。また本発明において、高周波、中周波、低周波とは、そのパターンのウィナースペクトルピークが相対的に高いか低いかをあらわしている。つまり、低周波パターンと中周波パターンを比較すると、そのウィナースペクトルのピーク周波数は中周波の方が高周波側に位置する。ただし、空間周波数と光沢度の関係の特定は実際の印刷結果に基づく。したがって図12のようにインク、解像度、印刷媒体等の印画条件を固定して光沢度の比較を行うのである。例えば、図10及び図12に基づいて各々の光沢度を比較した場合、再配置パターンによって得られる印刷データで記録媒体に印刷したものの光沢度を比較していることと同様となる。
図12において○が紙と印画部との光沢違和感が少ない、×が紙と印画部との光沢違和感が大きい、△はその間である。この結果と図10から、光沢度とそこに用いる再配置パターンの関係を導いた。
図13のフローチャートは、これらの実験結果を踏まえて作成されたものである。その閾値マトリクスを変更する処理の判断には、記録媒体の光沢度を用いた。
量子化処理部203は、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が20未満であるか否か判定する(ステップS21)。画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が20未満である場合(ステップS21:YES)、量子化処理部203は、低周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS22)。
一方、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が20未満でない場合(ステップS21:NO)、量子化処理部203は、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満であるか否か判定する(ステップS23)。画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満である場合(ステップS23:YES)、量子化処理部203は、中周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS24)。一方、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満でない場合(ステップS24:NO)、量子化処理部203は、高周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS25)。
ステップS22、S24、S25のいずれかの処理後、量子化処理部203は、記録媒体の光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理を終了する。
また、図11にあるようにインクも各種の種類や仕様に応じて様々な光沢度を示す。本実施形態では当該方法を用いてインクの光沢度を求めている。インクの種類、仕様と光沢度との対応関係は予め制御部30のROMや記憶部202に記憶することができる。また、画像形成に用いるインクの種類、仕様は表示入力部40等を介して設定することができる。
図11は実際にワイヤーバーでインクA,インクB,インクCについて均一に塗布したときの光沢度を表している。なお、ワイヤーバーで均一に塗布し、その後定着させたインクの光沢度は、インク表面の皺の入り方による影響を強く受ける傾向があり、皺が入りにくいインクのほうがより高い光沢度を示す。皺が入りやすい低光沢インク(図11のインクC)を用いて画像形成を行った場合、記録媒体に形成された画像のドット率が100%に近くになっても、それほど高い光沢度を示さない。。このような低光沢インクを各種代表的な記録媒体に適用したときの例を図14に示した。このように低光沢インクを用いた場合は、相対的に高い周波数パターンを用いる方が印画部と紙の間の光沢違和感の小さい、良好な画像を得ることができる。
図15のフローチャートを用いて、低光沢インクの光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理の流れを例示する。
量子化処理部203は、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満であるか否か判定する(ステップS31)。画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満である場合(ステップS31:YES)、量子化処理部203は、中周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS32)。一方、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満でない場合(ステップS31:NO)、量子化処理部203は、高周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS33)。
ステップS32、S33のいずれか一方の処理後、量子化処理部203は、インクの光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理を終了する。
量子化処理部203は、少なくともステップS4の再配置処理の前に記録媒体、インクの光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理を行い、再配置処理に用いる閾値マトリクスを決定する。
上記の記載では記録媒体の光沢度に応じた閾値マトリクスの選択と、インクの光沢度に応じた閾値マトリクスの選択とを個別に記載しているが、記録媒体の光沢度とインクの光沢度との組み合わせに基づいて閾値マトリクスの周波数を選択するようにしてもよい。
以上、本実施形態の画像形成装置1によれば、量子化処理部203が、X方向に沿って隣接するN個の画素を一組の画素とし、閾値マトリクスの閾値に基づいて、各グループ(各々の画素の組)で何画素分に対応するインクの吐出を行うかをカウントした総吐出数M(例えば、画素の組の値)を特定し、総吐出数Mに応じたインクの吐出を、グループに含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てるので、ドットの液滴がX方向に隣接するのを好適に抑止することができ、X方向について隣接するドット列の形成の時間差に起因する光沢筋の発生を好適に抑止することができる。しかも、光沢筋の発生の抑止をハーフトーン処理により行うので、画像形成装置に光沢筋を抑止するための構成を画像形成部とは別に設ける必要がなくなり、より低コストで光沢筋を抑止することができる。
さらに、量子化処理部203は、一組のグループに含まれるそれぞれの画素に対応する閾値マトリクスの閾値の大小関係に基づいて液滴の吐出を割り当てる画素を決定するので、閾値マトリクスに設定された閾値に応じてドットの配置を決定することができる。
さらに、インクの光沢度が高いほど低い空間周波数の閾値マトリクスを用いることで、記録媒体の光沢度とインクの光沢度との剥離を良好に抑止できることから、良好に光沢筋の出現を抑止することができる。
さらに、記録媒体の光沢度が低いほど低い空間周波数の閾値マトリクスを用いることで、記録媒体の光沢度とインクの光沢度との剥離を良好に抑止できることから、良好に光沢筋の出現を抑止することができる。
さらに、量子化処理部203は、一組のグループ内の総吐出数MをN−1画素以下の画素数の画素位置に液滴の吐出を割り当てる際、グループ内のある一画素で吐出する階調値を増加させることで、一組のグループ内の吐出する画素数を減らすので、画素数の減少によりドットの密度を低下させることにより、ドットの液滴がX方向に隣接するのを好適に抑止することができ、X方向について隣接するドット列の形成の時間差に起因する光沢筋の発生を好適に抑止することができる。
さらに、一組の画素に含まれる画素を2つに限らず、3以上の値(n)とし、一組に含まれる画素の数に応じたn+1化処理を行うことで、ドットの液量及び径に対応する濃淡とドットの配置パターンとをより多彩とすることができる。
なお、本発明の実施の形態は、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、画像データに含まれる画像の有無又は隣接する複数の画像の色の差異により形成される画像のエッジ部を検出し、エッジ部として検出された部分について組分け処理、多値化処理及び再配置処理を行わないようにしてもよい。
エッジ部の検出及び組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施有無の決定について、図16(A)、(B)を参照して説明する。
図16(A)は、エッジ部の検出の処理対象とする注目画素P4を中心とする周囲の画素P0〜P3、P5〜P8の位置関係を例示する図である。図16(B)は、図16(A)に示す画素の位置関係に基づいてエッジの検出を行うためのプログラムコードの一例を示す図である。
図16(A)に示すように、注目画素P4を基準とし、Y方向を上下方向、X方向を左右方向とした場合、注目画素P4の上下左右に隣接する、画素P1、P7、P3、P5があり、注目画素P4の左上、右上、左下、右下に隣接する画素P0、P2、P6、P8がある。以下、画素P0〜P8の画素値をp0〜p8とする。
このような画素の配置において、量子化処理部203は、まず、以下の式(4)〜(7)を用いて、変数SV0、SV2、SH0、SH2の値を求める。ここで、変数SV0は、注目画素の左上から左下にかけて連続する3画素の画素値の和であり、変数SV2は、注目画素の右上から右下にかけて連続する3画素の画素値の和であり、変数SH0は、注目画素の左上から右上にかけて連続する3画素の画素値の和であり、変数SH2は、注目画素の左下から右下にかけて連続する3画素の画素値の和である。
SV0=p0+p3+p6…(4)
SV2=p2+p5+p8…(5)
SH0=p0+p1+p2…(6)
SH2=p6+p7+p8…(7)
そして、量子化処理部203は、SV0とSV2の差又はSH0とSH2との差が所定の閾値以上である場合、注目画素P4をエッジ部であると判定し、組分け処理、多値化処理及び再配置処理を行わない。
図16(B)を参照して説明すると、abs(SV0-SV2)はSV0とSV2の差の絶対値を示し、abs(SH0-SH2)はSH0とSH2の差の絶対値を示す。また、threshは所定の閾値を示す。そして、out_edge_image[t]は注目画素P4がエッジ部であるか否かの判定結果を示す変数であり、注目画素P4がエッジ部と判定された場合にout_edge_image[t]の値が255に設定され、そうでない場合にout_edge_image[t]の値が0に設定される。量子化処理部203は、out_edge_image[t]の値が255の場合に組分け処理、多値化処理及び再配置処理を行わず、そうでない場合に組分け処理、多値化処理及び再配置処理を行う。
ここで、量子化処理部203は、画像データを構成する複数の画素の画素値の差異に基づいて形成されるエッジ部を検出する検出手段として機能する。
なお、所定の閾値(thresh)は任意に設定することができる。
図17(A)は、エッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行ったハーフトーン処理の出力の一例を示す図である。図17(B)は、エッジ部の検出を行わなず、全画素に組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施を含むハーフトーン処理を施した出力の一例を示す図である。
図17(A)、(B)に示すように、エッジ部の検出を行わなず、全画素に組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施を含むハーフトーン処理を施した場合に比して、エッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行ったハーフトーン処理の出力画像は、画像の輪郭の解像度低下が抑止された画像となる。つまり、エッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行うことにより、ドット列の畝により生じる光沢筋の出現をより良好に抑止することができる。加えて、輪郭の解像度低下が低減されることにより、画像の輪郭がより鮮明となるので、画質が向上する。
さらに、エッジ部以外の部分については上記の組分け処理、多値化処理及び再配置処理を含むハーフトーン処理が行われるので、画像全体についても光沢筋の出現を良好に抑止することができる。
特に、図17(A)、(B)に例示するように、文字画像を含む画像の場合、画質の向上を目的として、より高解像度の画像、高密度でノズル配置がなされたヘッド部Hによる画像形成が求められる。このような条件下で文字画像を含む画像データに基づく画像形成を行う場合には、エッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行うことにより、ドット列の畝により生じる光沢筋の出現をより良好に抑止し、かつエッジ部では十分な解像度を維持した良好な画質を得ることができる。
なお、上記の実施形態では、量子化処理部203が、ハーフトーン処理に含まれる各種処理、記録媒体、インクの光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理、エッジ部の検出処理及びエッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行っているが、これらの処理の一部又は全部について、専用の処理部を設けてもよい。
また、上記の実施形態では、2[dpd]のインクを吐出する場合、ノズルは1[dpd]のインクを2回連続して吐出するものとしているが、ドットの濃淡(dpd)に応じて個別のノズルを備えるヘッド部を用意してもよい。
また、上記の実施形態では、ヘッド部Hのノズル列が記録媒体Pの搬送方向に対して直交しているが、一例であり、これに限らない。
図18に、ノズル列が搬送方向に対して直交しない所定の角度をもって配置された一例を示す。
例えば、図18のノズル列L3〜L6に示すように、ノズル列が記録媒体Pの搬送方向(Y方向)に対して直交しない所定の角度をもって、斜めに配置されてもよい。この場合、記録媒体Pの搬送方向に直行する方向(X方向)に並んだノズルの並びを擬似的なノズル列(例えば、図18の擬似ノズル列F1〜F5)とみなすことで、上記の実施形態と同様の制御及び処理を適用することができる。
また、上記の実施形態では、量子化装置200は画像形成装置1の一構成であるが、量子化装置を独立した装置として設けてもよい。
1 画像形成装置
10 画像形成部
11 駆動部
12 インクカートリッジ
13 搬送部
20 インタフェース
30 制御部
40 表示入力部
200 量子化装置
201 取得部
202 記憶部
203 量子化処理部
204 出力部
H ヘッド部

Claims (8)

  1. 液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が、前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、を備え、前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置により、前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置であって、
    前記画像データを取得する取得手段と、
    前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶手段と、
    取得した前記画像データ及び前記記憶手段に記憶された前記閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化手段と、を備え、
    前記量子化手段は、
    前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする組分け手段と、
    前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント手段と、
    前記総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる割当手段と、を備えることを特徴とする量子化装置。
  2. 前記割当手段は、前記一組のグループに含まれる各画素に対応する前記閾値マトリクスの閾値の大小関係に基づいて、前記インクの吐出を割り当てる画素を決定することを特徴とする請求項1に記載の量子化装置。
  3. 前記記憶手段は、空間周波数が異なる複数の閾値マトリクスを記憶し、前記インクの光沢度が高いほど低い空間周波数の閾値マトリクスを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の量子化装置。
  4. 前記記憶手段は、空間周波数が異なる複数の閾値マトリクスを記憶し、前記記録媒体の光沢度が低いほど低い空間周波数の閾値マトリクスを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の量子化装置。
  5. 前記画像形成手段は2以上の多階調表現が可能であり、
    前記割当手段は、前記総吐出数を前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に液滴の吐出を割り当てる際、前記グループ内のある画素で吐出する吐出数を増加させることで、前記一組のグループ内の吐出する画素数を減らすことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の量子化装置。
  6. 前記画像データを構成する複数の画素の画素値の差異に基づいて形成されるエッジ部を検出する検出手段をさらに備え、
    前記量子化手段は、前記検出手段により前記エッジ部として検出された部分に対して、前記組分け手段、吐出数カウント手段及び前記割当手段による処理を施さないことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の量子化装置。
  7. 液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が、前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、を備え、前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置により、前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置であって、
    前記画像データを取得する工程と、
    取得した前記画像データ及び前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化工程と、を有し、
    前記量子化工程は、
    前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする工程と、
    前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント工程と、
    前記吐出数カウント工程でカウントされた総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる工程と、を有することを特徴とする量子化方法。
  8. 液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、
    前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、
    前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置と、を備え、
    前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置であって、
    前記量子化装置は、
    前記画像データを取得する取得手段と、
    前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶手段と、
    取得した前記画像データ及び前記記憶手段に記憶された前記閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化手段と、を備え、
    前記量子化手段は、
    前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする組分け手段と、
    前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント手段と、
    前記吐出数カウント手段でカウントされた総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる割当手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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