JP2012162057A - 量子化装置、量子化方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成装置1の量子化装置200は、画像データを取得する取得部201と、閾値マトリクスを記憶する記憶部202と、画像データ及び閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化処理部203と、を備え、量子化処理部203は、画像データを構成する複数の画素のうち、X方向に沿って隣接する複数の液滴に対応する2以上の画素を一組の画素とし、閾値マトリクスの閾値に基づいて、各組の画素に含まれる2以上の画素のいずれか一以上について液滴を吐出する場合にその組の画素に含まれる2以上の画素のいずれか一のみに液滴の吐出を割り当てる。
【選択図】図4
Description
このような構成において、画像形成時にL1とL2の間の距離W1だけ射出タイミングをずらして射出することによって、ノズル密度よりも高いX方向の記録密度のドット列を記録媒体P上に形成することが可能となる。ノズル列がL1、L2の2ラインの場合は、ノズル列L1、L2のノズルの各々により形成されるY方向のドット列D1、D2は互いに隣接することが望ましい(図20参照)。
ヘッド部Hの各ノズル列は、Y方向に沿って搬送される記録媒体Pに対して所定のドットピッチW2の間隔でインクの液滴を記録媒体に付着させるようインクを吐出することでドットを形成する。図20(C)に示すように、記録媒体Pの搬送方向について一のノズル列L1よりも下流側に位置する他のノズル列L2によるインクの吐出は、ノズル列L1によるインクの吐出タイミングに対して、ノズルピッチW1の幅に対応する記録媒体Pの搬送時間の経過後に行われる。このようにして、ヘッド部Hは、一のノズル列L1により形成されたY方向のドット列D1、D1の間に、ドット列D1、D1の各ドットに対してX方向に隣接するドットに対応する他のノズル列L2のドット列D2を形成する。
図21に、光沢筋を生じた画像の一例を示す。図21(A)は光沢筋を生じた画像の一例を示し、図21(B)は、光沢筋を生じた画像のドット配置の模式図である。また、図21(B)において点線で囲ってある領域が図21(A)に対応している。
ドット列D2のインクは、ドット列D1のインクが記録媒体に吐出されてからノズルピッチW1の幅に対応する記録媒体Pの搬送時間を経過した後に吐出される。このため、ある程度乾燥、固化したドット列D1、D1の間に新たなドット列D2が形成されるといった場合、ドット列D2がドット列D1、D1に挟まれる形となって畝を生じることから、Y方向に沿った光沢筋を生じさせることとなる。
なお、ドット率は、記録媒体に形成する画像の元データである画像データを構成する複数の画素のうちドットを形成する画素の割合を示す。図22のグラフでは、画像データを構成する全ての画素についてドットを形成する場合をドット率100とし、全ての画素についてドットを形成しない場合をドット率0としている。
また、図22に示すグラフでは、光沢度の評価値として、日本工業規格(JIS)の規格番号Z8741に規定される鏡面光沢度の測定方法により求められた60度反射率の評価値を用いている。
また、図22に示すドット率と光沢度との対応関係は、コート紙の記録媒体上に形成されたドットの光沢度の一例を示す。
図22に示すように、ドット率が大きくなると、X方向の光沢度とY方向の光沢度とが剥離することがわかる。実際に目視評価では、このX方向の光沢度とY方向の光沢度が乖離しているドット率付近では、光沢が方向感を持って分布しているように見える。つまり光沢筋を生じさせることとなる。
このように、従来技術による光沢筋の抑止方法はいずれも、光沢筋を抑止するための構成を画像形成のための構成(画像形成部)とは別に設ける必要があることから、画像形成装置のコスト上昇を免れない。
画像形成装置1は、画像形成部10、インタフェース20、制御部30、表示入力部40、量子化装置200等を備え、これらの各構成はバス2により接続される。
図示しないが、画像形成装置1は複数の色のインクを用いて画像形成を行うことができるインクジェットプリンタであり、画像形成部10は複数の色の各々についてヘッド部H、駆動部11、インクカートリッジ12等を備える。
ここで、ヘッド部Hは、記録媒体Pにおける所定の一方向(例えばX方向)に沿って設けられてインクを記録媒体Pへ吐出する複数のノズル(例えばノズル列L1、L2等)を有する。また、搬送部13は、記録媒体Pを所定の一方向と略直交する他方向(例えばY方向)へ搬送する。
そして、他方向に沿って互いに隣接するよう記録媒体Pへ吐出された複数のインクの液滴の隣接距離(ドットピッチW2)に比して、所定の一方向に沿って互いに隣接する複数のインクの液滴(Y方向のドット列D1,D2)を吐出する複数のノズル(互い違いに配置されたノズル列L1、L2の各々のノズル)の他方向に沿った隣接距離(ノズルピッチW1)の方が大きく設けられている。つまり、本実施形態のヘッド部Hは、ワンパスプリンタで用いられているヘッドであり、X方向に沿って形成される記録媒体P上の複数のドットの密度(つまりX方向の記録密度)が、ノズルを隣接させて配置されるノズル列のノズル密度(つまりノズル密度)よりも高くなる。そして、そのノズルをY方向にも分布させ、全ノズルのノズル位置をX軸上に投影させたときにぞれぞれのノズル位置が重ならないように配置することによって、Y方向に分布させない1列のノズル列では実現できなかった高い記録密度を実現している(例えば、図19参照)。ヘッド部Hは、画像形成時にL1とL2の間の距離W1だけ射出タイミングをずらして射出することにより、ノズル密度よりも高いX方向の記録密度のドット列を記録媒体P上に形成する。ノズル列がL1、L2の2ラインの場合は、ノズル列L1、L2のノズルの各々により形成されるY方向のドット列D1、D2は互いに隣接することが望ましい(図20参照)。
即ち、ヘッド部Hは、液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、インクを記録媒体へ吐出するノズルを記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が、所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段として機能する。また、搬送部13は、記録媒体を搬送方向へ搬送する。そして、画像形成手段(例えば、ヘッド部H)における所定の距離が、ノズルから吐出されたインクによって記録媒体に形成される記録ドットが搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい。
なお、本実施形態の搬送部13は、ヘッド部Hに対して記憶媒体を移動させるよう搬送を行っているが、記憶媒体に対してヘッド部Hを移動させるよう搬送を行ってもよい。
以下は本発明を実施するに当たり構築した実験環境である。具体的にはX方向に600[DPI](Dot per Inch)のノズル密度を持ったのノズル列を搬送方向であるY方向に離して2列配置している。その2列間のノズル位置に関しては、X方向に対して一方のノズル列が他方のノズル列に対してノズルピッチの半分だけずれて配置させている。こうすることで実質上1200[DPI]のノズル密度を実現する構成とした。一般的に高いノズル密度を実現するためには図20のように搬送方向に離れて配置された複数のノズル列を配置することによって搬送方向に直交する方向のノズル密度を挙げる手段がとられている。
図2に、量子化装置200の構成の一例を示す。
量子化装置200は、取得部201、記憶部202、量子化処理部203及び出力部204を備える。
ここで、取得部201は、画像データを取得する取得手段として機能する。
本実施形態の閾値マトリクスは、所定の画素領域に対応する各画素に閾値が設定されたデータである。所定の画素領域は、例えば画像データを構成する画素の並びに沿った所定の一方向(X方向)及び当該一方向に直交する他方向(Y方向)に沿う256×256[画素]の画素領域である。図3に示すように、閾値マトリクスの各画素には閾値が設定されている。各画素の閾値は、画像データを構成する画素領域のうち、当該所定の画素領域に対応する画素領域の各画素についてドット形成を行うか否かを判定するための閾値である。
図3に例示し、本実施形態で用いる閾値マトリクスは256×256[画素]であるが、閾値マトリクスが有する閾値の数、即ち閾値マトリクスに対応する画素領域における画素の数及び並びは任意に設定することができる。例えば、画像データの全部をカバーするサイズとしてもよい。
ここで、記憶部202は、画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶手段として機能する。
ハーフトーン処理において、量子化処理部203は、まず、画像をn値化するn値化処理を行う(ステップS1)。具体的には、量子化処理部203は、取得部201から多値の画像データが入力されると、記憶部202から閾値マトリクスを読み出す。次に、量子化処理部203は、画像データの画素領域のうち所定の画素領域(例えば256×256[画素])の範囲の各画素の画素値と、閾値マトリクスに設定された各画素の閾値とをそれぞれ比較する。そして、量子化処理部203は、比較結果に基づいて当該所定の画素領域における各画素のドットの形成/非形成を決定する。
図4に示す例では、n値化処理の一例として、2値化処理後の画像データに含まれる一部の各画素のON/OFFを処理結果R1として示しているが、量子化処理部203は、2以上の自然数nについてn値化処理を行うことができる。
図4に示す例では、組分け処理の一例として、X方向に沿って隣接する2つの画素を一組の画素のグループとした処理結果R2を示しているが、所定の一方向(X方向)に沿って隣接する3つ以上の画素を一組の画素のグループとすることもできる。
ここで、量子化処理部203は、画像データを構成する複数の画素のうち、所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする組分け手段として機能する。
具体的には、再配置処理において、量子化処理部203は、各組の画素の値に応じた濃度のドットを、各組に含まれる画素数未満の画素位置に割り当てる処理、つまり多値化処理においてカウントされた一組の画素の値(総吐出数M)に応じたインクの吐出を、画素のグループ内に含まれる画素数(N)のうちN−1画素以下の画素数の画素位置に割り当てる処理を行う。
また、閾値マトリクスの所定の画素領域のX方向の画素数をxmax、Y方向の画素数をymaxとする。
具体的には、量子化処理部203は、yがymaxより小さいか否か判定する(ステップS11)。yがymaxより小さい場合(ステップS11:YES)、量子化処理部203は、xがxmaxより小さいか否か判定する(ステップS12)。
なお、所定の画素領域内の(x,y)が取りうる値は、(0,0)〜(xmax−1,ymax−1)である。
Dither(x_adrs,y_adrs)>Dither(x_adrs+1,y_adrs)…(3)
式(3)は、Dither(x_adrs,y_adrs)により参照される閾値マトリクスの閾値が、Dither(x_adrs+1,y_adrs) により参照される閾値より大きい場合に満たされる。
したがって、一組に含まれる画素の数を2ではなくNとして一般化することができる。この場合、それぞれの画素位置に対応する閾値は、Dither(x_adrs,y_adrs), Dither(x_adrs+1,y_adrs)、…、Dither(x_adrs+N-1,y_adrs)のように記述することができる。このとき、式(3)で例示した2の閾値の比較はN個の閾値の大小比較となり、その比較結果により対応する閾値大きい画素から順にInput(x,y)をOutputに配置していく。
例えば、画素数N=3、量子化数n=2、再配置後の出力レベルが0,1,2、メインで出力するドットレベルDOTNUM=2のとき、組分け処理で得られたInput(x,y)は0から3の値をとりうる。したがって、Input(x,y)>DOTNUMのとき、最も対応する閾値が大きい画素にはDOTNUMを、次に対応する閾値が大きい出力画素位置にはInput(x、y)−DOTNUMを、最も対応する閾値が小さい出力画素位置には0を再配置する。Input(x、y)≦DOTNUMのときは、最も対応する閾値が大きい出力画素画素には1を、それ以外には0をInput(x、y)=0ときは、すべての出力画素位置に0を代入する。ただし、N=3の場合、S16においてx→x+3となる。なお、DOTNUMはその画素で表現できる階調数の最大値とする。
ステップS11においてyがymaxより大きい(ステップS11:NO)場合、量子化処理部203は、再配置処理を終了する。
再配置処理の終了により、ハーフトーン処理は終了する。
また、本実施形態の画像形成部10のノズルは通常、一の画素に対して1[dpd]のインクを吐出するものであり、2[dpd]のインクを吐出する場合、ノズルは一の画素に対して1[dpd]のインクを2回連続して吐出する、もしくは1dpdのインクを2滴相当量の液滴を吐出できる駆動波形を用いて1回駆動で吐出する。
本実施形態においてN=2としたが、基本的にはNは小さい方が好ましい。N=2の場合、一組の画素群のサイズはX方向に40[μm]、Y方向に20[μm]となる。したがって、pが小さければ、図4のステップS1の処理結果R1であるもともとの量子化パターンを崩さずに再配置が可能となる。本発明の場合、再配置によるドット位置の変化は最大でも20[μm]であり、20[μm]の変化は人間には判断の付かないレベルの移動ですむ。
また、一組の画素がN個(Nは2以上の整数)である場合、量子化処理部203は、再配置処理により、多値化された一単位の値即ち一組の画素の値に応じた液量の液滴を、当該一単位に対応する組の画素に含まれるN個の画素のうちN−1個以下の画素に液滴の吐出を割り当てる。即ち、量子化処理部203は、カウントされた総吐出数に応じたインクの吐出を、グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる割当手段として機能する。例えば、N=3の場合、量子化処理部203は、多値化された一単位の値即ち一組の画素の値に応じた液量の液滴を、当該一単位に対応する組の画素に含まれる3個の画素のうち2個以下の画素に液滴の吐出を割り当てる。N=4以上の場合でも、同様である。また、量子化処理部203は、閾値マトリクスの閾値に基づいてグループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント手段として機能する。
このため、例えば、n値化処理の時点でドット占有率(ドットを形成する画素/選択可能な画素)×100が100%である画像データが、再配置処理完了後には一組の画素数が2画素の場合はドット占有率50%に、一組の画素数が3画素の場合はドット占有率が66%に変換されて画像データとして出力される。
図7に、本実施形態の画像形成装置1により記録媒体に形成された画像のドット率と光沢筋の光沢度との対応関係の一例をグラフで示す。
図7に示すように、本実施形態の量子化装置200によるハーフトーン処理を経ることにより、ドット率の大小に関らず、X方向の光沢度とY方向の光沢度との差異を小さく抑えることができる。特に、ドット率が大きくなるほどその効果は顕著であり、X方向の光沢度とY方向の光沢度との間に生じる差異を良好に抑止することができることから、X方向の光沢度とY方向の光沢度とが剥離することによるY方向に沿う光沢筋の出現を良好に抑止することができる。よって、図6(A)、(B)に示すように、本実施形態の量子化装置200によるハーフトーン処理を経ることにより、記録媒体に形成される画像における搬送方向に沿った光沢筋の出現を良好に抑止することができる。
また、再配置処理に用いる閾値マトリクスを記録媒体の光沢度やインクの光沢度に応じて選択するようにしてもよい。
図9に、空間周波数の異なる閾値マトリクスを用いてハーフトーン処理を施した画像データのドット配置の比較例を模式図で示す。
図8、図9に示す三つの例はそれぞれ、左のものほど再配置処理に用いた閾値マトリクスの空間周波数が高く、右のものほど再配置処理に用いた閾値マトリクスの空間周波数が低い。量子化装置200は、再配置処理に用いる閾値マトリクスの空間周波数に応じて、出力画像の光沢度の抑止度合いを制御することができる。再配置処理に用いる閾値マトリクスの空間周波数が低いほど、光沢度が抑止される傾向を示す。
図12において○が紙と印画部との光沢違和感が少ない、×が紙と印画部との光沢違和感が大きい、△はその間である。この結果と図10から、光沢度とそこに用いる再配置パターンの関係を導いた。
図13のフローチャートは、これらの実験結果を踏まえて作成されたものである。その閾値マトリクスを変更する処理の判断には、記録媒体の光沢度を用いた。
量子化処理部203は、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が20未満であるか否か判定する(ステップS21)。画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が20未満である場合(ステップS21:YES)、量子化処理部203は、低周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS22)。
一方、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が20未満でない場合(ステップS21:NO)、量子化処理部203は、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満であるか否か判定する(ステップS23)。画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満である場合(ステップS23:YES)、量子化処理部203は、中周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS24)。一方、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満でない場合(ステップS24:NO)、量子化処理部203は、高周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS25)。
ステップS22、S24、S25のいずれかの処理後、量子化処理部203は、記録媒体の光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理を終了する。
量子化処理部203は、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満であるか否か判定する(ステップS31)。画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満である場合(ステップS31:YES)、量子化処理部203は、中周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS32)。一方、画像形成に用いられる記録媒体の光沢度が30未満でない場合(ステップS31:NO)、量子化処理部203は、高周波パターンの閾値マトリクスを選択する(ステップS33)。
ステップS32、S33のいずれか一方の処理後、量子化処理部203は、インクの光沢度に応じた閾値マトリクスの選択処理を終了する。
上記の記載では記録媒体の光沢度に応じた閾値マトリクスの選択と、インクの光沢度に応じた閾値マトリクスの選択とを個別に記載しているが、記録媒体の光沢度とインクの光沢度との組み合わせに基づいて閾値マトリクスの周波数を選択するようにしてもよい。
図16(A)は、エッジ部の検出の処理対象とする注目画素P4を中心とする周囲の画素P0〜P3、P5〜P8の位置関係を例示する図である。図16(B)は、図16(A)に示す画素の位置関係に基づいてエッジの検出を行うためのプログラムコードの一例を示す図である。
このような画素の配置において、量子化処理部203は、まず、以下の式(4)〜(7)を用いて、変数SV0、SV2、SH0、SH2の値を求める。ここで、変数SV0は、注目画素の左上から左下にかけて連続する3画素の画素値の和であり、変数SV2は、注目画素の右上から右下にかけて連続する3画素の画素値の和であり、変数SH0は、注目画素の左上から右上にかけて連続する3画素の画素値の和であり、変数SH2は、注目画素の左下から右下にかけて連続する3画素の画素値の和である。
SV0=p0+p3+p6…(4)
SV2=p2+p5+p8…(5)
SH0=p0+p1+p2…(6)
SH2=p6+p7+p8…(7)
図16(B)を参照して説明すると、abs(SV0-SV2)はSV0とSV2の差の絶対値を示し、abs(SH0-SH2)はSH0とSH2の差の絶対値を示す。また、threshは所定の閾値を示す。そして、out_edge_image[t]は注目画素P4がエッジ部であるか否かの判定結果を示す変数であり、注目画素P4がエッジ部と判定された場合にout_edge_image[t]の値が255に設定され、そうでない場合にout_edge_image[t]の値が0に設定される。量子化処理部203は、out_edge_image[t]の値が255の場合に組分け処理、多値化処理及び再配置処理を行わず、そうでない場合に組分け処理、多値化処理及び再配置処理を行う。
ここで、量子化処理部203は、画像データを構成する複数の画素の画素値の差異に基づいて形成されるエッジ部を検出する検出手段として機能する。
なお、所定の閾値(thresh)は任意に設定することができる。
図17(A)、(B)に示すように、エッジ部の検出を行わなず、全画素に組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施を含むハーフトーン処理を施した場合に比して、エッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行ったハーフトーン処理の出力画像は、画像の輪郭の解像度低下が抑止された画像となる。つまり、エッジ部の検出に応じた組分け処理、多値化処理及び再配置処理の実施/不実施の決定処理を行うことにより、ドット列の畝により生じる光沢筋の出現をより良好に抑止することができる。加えて、輪郭の解像度低下が低減されることにより、画像の輪郭がより鮮明となるので、画質が向上する。
さらに、エッジ部以外の部分については上記の組分け処理、多値化処理及び再配置処理を含むハーフトーン処理が行われるので、画像全体についても光沢筋の出現を良好に抑止することができる。
図18に、ノズル列が搬送方向に対して直交しない所定の角度をもって配置された一例を示す。
例えば、図18のノズル列L3〜L6に示すように、ノズル列が記録媒体Pの搬送方向(Y方向)に対して直交しない所定の角度をもって、斜めに配置されてもよい。この場合、記録媒体Pの搬送方向に直行する方向(X方向)に並んだノズルの並びを擬似的なノズル列(例えば、図18の擬似ノズル列F1〜F5)とみなすことで、上記の実施形態と同様の制御及び処理を適用することができる。
10 画像形成部
11 駆動部
12 インクカートリッジ
13 搬送部
20 インタフェース
30 制御部
40 表示入力部
200 量子化装置
201 取得部
202 記憶部
203 量子化処理部
204 出力部
H ヘッド部
Claims (8)
- 液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が、前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、を備え、前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置により、前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置であって、
前記画像データを取得する取得手段と、
前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶手段と、
取得した前記画像データ及び前記記憶手段に記憶された前記閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化手段と、を備え、
前記量子化手段は、
前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする組分け手段と、
前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント手段と、
前記総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる割当手段と、を備えることを特徴とする量子化装置。 - 前記割当手段は、前記一組のグループに含まれる各画素に対応する前記閾値マトリクスの閾値の大小関係に基づいて、前記インクの吐出を割り当てる画素を決定することを特徴とする請求項1に記載の量子化装置。
- 前記記憶手段は、空間周波数が異なる複数の閾値マトリクスを記憶し、前記インクの光沢度が高いほど低い空間周波数の閾値マトリクスを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の量子化装置。
- 前記記憶手段は、空間周波数が異なる複数の閾値マトリクスを記憶し、前記記録媒体の光沢度が低いほど低い空間周波数の閾値マトリクスを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の量子化装置。
- 前記画像形成手段は2以上の多階調表現が可能であり、
前記割当手段は、前記総吐出数を前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に液滴の吐出を割り当てる際、前記グループ内のある画素で吐出する吐出数を増加させることで、前記一組のグループ内の吐出する画素数を減らすことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の量子化装置。 - 前記画像データを構成する複数の画素の画素値の差異に基づいて形成されるエッジ部を検出する検出手段をさらに備え、
前記量子化手段は、前記検出手段により前記エッジ部として検出された部分に対して、前記組分け手段、吐出数カウント手段及び前記割当手段による処理を施さないことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の量子化装置。 - 液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が、前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、を備え、前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置により、前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置であって、
前記画像データを取得する工程と、
取得した前記画像データ及び前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化工程と、を有し、
前記量子化工程は、
前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする工程と、
前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント工程と、
前記吐出数カウント工程でカウントされた総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる工程と、を有することを特徴とする量子化方法。 - 液滴の状態で記録媒体へ付着した後に固化するインクと、
前記インクを前記記録媒体へ吐出するノズルを前記記録媒体における所定の一方向に並べたノズル列が前記所定の一方向に略直交する搬送方向に所定の距離で複数配置され、かつ、前記複数のノズル列のノズル位置が前記一方向に前記一方向に互いに重ならないように配置された画像形成手段と、前記記録媒体又は前記画像形成手段の少なくとも一方を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、
前記記録媒体に形成される画像を構成する各画素位置において前記記録ドットを形成するか否かを判断するための量子化を行う量子化装置と、を備え、
前記画像形成手段における所定の距離が、前記ノズルから吐出された前記インクによって前記記録媒体に形成される記録ドットが前記搬送方向に隣接する最小距離よりも大きい画像形成装置であって、
前記量子化装置は、
前記画像データを取得する取得手段と、
前記画像データの一部又は全部を構成する複数の画素の各々の画素値に対する複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶手段と、
取得した前記画像データ及び前記記憶手段に記憶された前記閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化手段と、を備え、
前記量子化手段は、
前記画像データを構成する複数の画素のうち、前記所定の一方向に沿って隣接する複数の記録ドットに対応する複数の画素を一組のグループとする組分け手段と、
前記閾値マトリクスの閾値に基づいて前記グループ内の各画素で吐出される前記インクの総吐出数をカウントする吐出数カウント手段と、
前記吐出数カウント手段でカウントされた総吐出数に応じた前記インクの吐出を、前記グループ内に含まれる画素の総数未満の画素数の画素位置に割り当てる割当手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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