JP6885049B2 - 印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムを記録した媒体 - Google Patents
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Description
特許文献1では、ノズルの出力データと、該ノズルに隣接するノズルのうちいずれか一方の出力データとの論理和をとることにより、前記出力メモリーの出力データを変更する出力データ変更手段を有している。これにより、ノズルの目詰まりにより目詰まり部分のドットが付されないとしても、隣接する位置にドットが付される。すなわち、目詰まりした不良ノズル(吐出不良)によって出力データが欠落した場合でも、欠落した部分の出力データが隣接したノズルにより印字されるため、この欠落した部分の出力データを保持することができる。
また、マルチサイズドットを用いるインクジェット記録装置のノズル抜け対策についても、未だ改善の余地が残されていた。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明が適用される印刷システムのブロック図である。
同図において、プリンター(液滴吐出装置)10の印刷ヘッド11はインクタンクから供給される4色あるいは6色の色インクをノズルから吐出する。印刷ヘッド11a〜11dは、所定位置に固定されており、プラテン12がプラテンモーター13によって回転駆動されることで用紙が印刷ヘッド11a〜11dと交差して搬送される。印刷ヘッド11a〜11dは、長手方向に向かって千鳥状にジグザグに配置されており、用紙の幅方向の全幅にわたってノズルが用紙に対面する。これにより、印刷ヘッド11a〜11dは用紙上を相対的に移動するといえる。
制御回路20は、専用のICを組み合わせて構成され、機能的にはCPU、ROM、RAMを備えている。制御回路20は、印刷ヘッド11a〜11d、プラテンモーター13、フィードモーター14の駆動を制御する。制御回路20には、操作パネル・表示部16が装着されており、操作パネル・表示部16にてユーザによる所定の操作を受け付け、また、所定の表示を行わせる。前記ハードウェアを総称して印刷機構と呼ぶ。
ラインプリンターの場合、いずれかのノズルが目詰まりしてインク滴を吐出しなくなったまま、用紙が搬送されて印刷を行うと、目詰まりしたノズルに対面するドット位置には一切インク滴が付着されず、白スジとして表れる。なお、各ノズルが、目詰まりした不良ノズルであるか否かは、確認用チャートを使って判断することができるほか、所定の駆動信号を各ノズルの駆動素子に供給することで判断することができる。
このような白スジは、ラインプリンターだけではなく、シリアルプリンターでも生じる。
用紙の送り方向にノズルが配向された印刷ヘッド17は、キャリッジモーター18にて駆動されるベルト19によって所定の範囲を往復駆動される。このように印刷ヘッド17が用紙の搬送に合わせて往復動するタイプのプリンターは、各種の呼び方があるものの、ここではシリアルプリンターと呼ぶ。
シリアルプリンターの場合、ノズルが目詰まりした場合、印刷ヘッド17が駆動される用紙の幅方向に向かって白スジが生じることがある。
アプリケーションから印刷処理を選択する場合、多くのアプリケーションでは、RGB多値データを出力する。このRGB多値の印刷データは、OSおよびプリンタードライバーに入力される。なお、プリンター10がタブレットやスマートホンなどから印刷の指示を受ける場合もあり、その場合は、OSやプリンタードライバーが存在せず、プリンター10が直にRGB多値データを入力することもあり得る。
このCMYK2値データは、印刷媒体にインク滴が印刷されるときの、ドットの位置であるドット位置、及び、当該ドット位置に吐出するインクの量とを含むものである。すなわち、CMYK2値データは、ドット位置、及び、当該ドット位置に吐出するインクの量、が関連付けられた印刷データに相当する。また、媒体にインク滴を吐出させるドット位置を少なくとも有しているといえる。従って、RGB多値データに基づいて、CMYK2値データを生成する過程がデータ生成部に相当する。この例では、アプリケーションがRGB多値データを生成しているので、前記のような過程を経ているが、アプリケーションがCMYK多値データを生成する場合もあるなど、データ生成部は各種のバリエーションを含む。この場合は、CMYK多値データからCMYK2値データへの変換処理が該当する。また、ネットワークを介して直にCMYK2値データが供給されるのであれば、同CMYK2値データを入力する処理がデータ生成部に相当する。
CMYK2値データが得られたら、白スジが生じる向きに沿ってノズル列に対応したデータに分解する。上述したように、ラインプリンターは用紙の搬送方向に白スジが生じる。プリンタードライバーの生成するデータにも依存するが、CMYK2値データが用紙の幅方向のラスターデータであれば、各ノズルに供給する印刷データは用紙の送り方向であるから直交することになる。このときに、各ノズルごとに供給されるべき印刷データを特定する処理をノズル列分解と呼ぶ。ノズル列分解することで実際に隣接するドット位置と、各ドット位置に対応する印刷データとが対応することになる。むろん、プリンタードライバーが用紙の送り方向に沿って印刷データを生成している場合は、ノズルの位置に基づいて印刷データを切り出せばノズル列分解されたことになる。ノズル番号1,2,3,・・・に対応する印刷データは図に示すア、イ、ウ、・・・の印刷データである。
また、シリアルプリンターの場合は、ノズルピッチとドットピッチとが一致している場合は、1パスで印刷領域の全ドット位置を印刷できることになるが、ノズルピッチとドットピッチとが一致していない場合、複数パスで印刷領域の全ドット位置を印刷できることになる。複数パスで印刷する場合には、ラスターデータから各パスで印刷するときのノズルに対応した印刷データを抽出し、各パス毎の印刷データを生成する。この処理をパス分解と呼ぶ。
ノズル列分解は、1パスであっても複数パスであっても、現実に順次隣接することになる印刷データを特定していく処理を行なう。例えば、ノズル番号2が吐出するドット位置に隣接するのはノズル番号4とノズル番号5が吐出するドット位置である。
この割付処理は、割り付ける位置の特定と、割り付けるインク量の算定との二つの要素を含んでいる。
図5は、割り付ける位置の特定における優先度を示しており、(a)は奇数番目のピクセル用のものであり、(b)は偶数番目のピクセル用のものである。奇数番目と偶数番目は、印刷開始位置からのドット位置の順番である。
この例では、2×5画素の範囲(領域)に対して、優先度を設定してある。不良ノズルから吐出されるドット列の位置を3行目とすると、この3行目のドットが欠落する。これを抜けピクセルと呼ぶことにする。3行目左列の抜けピクセルによる欠落ドットのインク量を優先度に基づいて、順次、近隣のドット位置に割り付ける。近隣のドット位置に割り付けるというのは、そのドット位置にインク滴を付着せしめる現実のノズルを特定しつつ、そのノズルに対して供給される印刷データのインク量を割り増ししていくということである。異なる優先度が割り振られているのは、次の理由による。各ドット位置にはインク量の上限があるため、近隣のドット位置にインク量を割り増していくとしても、その上限を超えて割りますことはできない。このため、優先度の高いドット位置で割り増しを賄いきれない場合には、順次、優先度の低いドット位置を特定し、そのドット位置で割り増せるだけのインク量を割り増していく。この過程で、割り付ける位置の特定と、割り付けるインク量の算定との二つの要素を実行している。
ここにおいて、nは5以上の整数で印刷データにおいてノズル列方向と交差する方向の画素数であり、mは自然数で印刷データにおいてノズル列方向の画素数である。
第1の優先度の画素:1画素上の画素、
第2の優先度の画素:1画素下の画素、
第3の優先度の画素:1画素上の右の画素、
第4の優先度の画素:1画素下の右の画素、
第5の優先度の画素:2画素上の画素、
第6の優先度の画素:2画素下の画素、
第7の優先度の画素:2画素上の右の画素、
第8の優先度の画素:2画素下の右の画素
となっている。概ね、3行目左列の画素を基準として、近い順に、上下に交互に割り振りながら優先度が下がっている。
優先度情報は、抜けピクセル(第1の位置)に対して近い順に各画素の優先度が高くなるようにしてある。
なお、(a)の優先度と、(b)の優先度は、上下が逆転するように設定してある。これにより、優先度が1のドット位置は、奇数番目では上に位置し、偶数番目では下に位置する。このようにしておかない場合、抜けピクセルに対して常に上の位置に欠落ドットのインク量が割り振られることになるが、奇数番目と偶数番目とで逆転させておけば、上下に順番に割り振られる傾向が生じ、不自然さを解消できる。
同図(a)は、元データを示している。ノズル列分解された印刷データであり、媒体上に付されるドットを吐出する各ノズルに供給される印刷データである。ノズルの並びが媒体上のドット位置と一致するのであれば、現実のノズル列に対する印刷データと一致する。
ノズルはマルチドットサイズに対応しているので、0=ドットなし、1=小ドット、2=中ドット、3=大ドットを表している。以後、各ドット位置について、左上の画素を基準として右方向をx方向とし、下方向をy方向とし、各画素を(x,y)座標で特定することとする。左上の画素位置は(1,1)、右下の画素は(7,5)である。
x座標値が1であるから奇数番目であり、図5(a)の優先度の情報を参照すると、優先度が高い(図の中では1が最も優先度が高く、8が最も優先度が低い)のは(1,2)の画素である。すなわち、抜けピクセル(1,3)の画素を第1のドット位置としたときに、優先度の情報に基づいて(1,2)の画素を第3のドット位置として特定した。
インク量の算定過程は、以下のステップ1〜ステップ6の処理を実行する。
ステップ1:第1のドット位置のインク量取得(現在存在する不足インク量)
ステップ2:第3のドット位置のインク量取得
ステップ3:第1のドット位置のインク量と第3のドット位置のインク量を加算(加算値とする)
ステップ4:加算値と「3」のいずれか小さい値を加算後の第3のドット位置のインク量とする
ステップ5:加算値から加算後の第3のドット位置のインク量を減算し、正なら余り値として繰り越す
ステップ6:第1のドット位置のインク量を「0」にする
以上の処理により、第1のドット位置のインク量を第3のドット位置に割り付ける処理に対応する。むろん、これを印刷データの修正という手法で実現する。この処理を実行するのがデータ修正部に相当する。
A:抜けピクセル(第1のドット位置)のドット値=3
B:隣接ピクセル(第3のドット位置)のドット値(加算前)=1
B’:隣接ピクセル(第3のドット位置)のドット値(加算後)=(Min(3,A+B)=3
C:余りドット値=(A+B)−B’=1
このように、第3のドット位置のインク量は「1」から「3」へ割り増しされ、不足量を補い切れていない「1」が余りドット値となる。
なお、第1のドット位置のドット値はステップ6において「0」とされる。不良ノズルの検出自体が誤りであると、元データが残っていると不良ノズルと考えていたノズルからも吐出され、インク量がダブることになるからである。通常、「0」とすればよいが、実質的にインク滴を付さないような値も含まれる。このように、データ修正部は、第1のドット位置のインクの量をインク滴を付さないインク量としている。
余りドット値が正の値となるというのは、第3のドット位置だけでは第1のドット位置のインク量の不足分を賄いきれないということであるから、濃度が不足するということになる。このため、図5の優先度の情報に基づいて、次に優先度の高い第4のドット位置を特定する。すると、(1,4)の画素が第4のドット位置であることが分かる。
なお、第3のドット位置に対して第4のドット位置は、前順位のドット位置に対する後順位のドット位置という関係になる。以降、第4のドット位置に対して第5のドット位置というように、前順位のドット位置に対いsて後順位あるいは次順位のドット位置と呼ぶ。
ステップ7:前回の余り地の取得(現在存在する不足インク量)
ステップ8:前回のドット位置を基準とした次の優先度のドット位置(ex.第4のドット位置)のインク量取得
ステップ9:前回のドット位置を基準とした次の優先度のドット位置(ex.第4のドット位置のインク量と第4のドット位置)のインク量を加算(加算値とする)
ステップ10:加算値と「3」のいずれか小さい値を加算後における次の優先度のドット位置(ex.第4のドット位置)のインク量とする
ステップ11:加算値から、加算後における次の優先度のドット位置(ex.第4のドット位置)のインク量を減算し、正なら余り値として繰り越す
以上の処理を前回の修正後の元データ(図6(b))に対して具体的に実行すると、以下のようになる。
B:隣接ピクセル(第4のドット位置)のドット値(加算前)=3
B’:隣接ピクセル(第4のドット位置)のドット値(加算後)=(Min(3,C+B)=3
C:今回の余りドット値=(C+B)−B’=1
図6(c)は、以上の割付処理がされた結果を示している。
第4のドット位置を特定したものの、印刷データは既にインク量が最大となっており、不足量を受け入れられないため、余りドット値も減らないままとなる。
この処理を繰り返していき、余りドット値がなくなるか、優先度が最低の画素となるまで続ける。
C:前回の余りドット値=1
B:隣接ピクセル(第5のドット位置)のドット値(加算前)=3
B’:隣接ピクセル(第5のドット位置)のドット値(加算後)=(Min(3,C+B)=3
C:今回の余りドット値=(C+B)−B’=1
余りドット値があるので、さらに、修正後の元データ(図6(d))に対して具体的に実行すると、以下のようになる。
C:前回の余りドット値=1
B:隣接ピクセル(第6のドット位置)のドット値(加算前)=2
B’:隣接ピクセル(第6のドット位置)のドット値(加算後)=(Min(3,C+B)=3
C:今回の余りドット値=(C+B)−B’=0
余りドット値がなくなったので、これ以降の処理は行わない。割付先の画素は8画素有るから、8回まで処理を繰り返すことができる。
8回を超えるということは、最初に設定した5x2画素の範囲を超えて割り付ける処理を行うことになる。しかし、本実施例では、たとえ余りドット値が生じた場合でも、この5x2画素の範囲を超えて割り付ける処理は行わないようにしている。繰り返し回数を制限して処理時間の短縮と、実際の効果の度合いを考慮して、このようにしている。
図7(a)を参照すると、x座標値が2であるから偶数番目であり、図5(b)の優先度の情報を参照すると、最も優先度が高いのは(2,4)の画素である。すなわち、抜けピクセル(2,3)の画素を第1のドット位置としたときに、優先度の情報に基づいて(2,4)の画素を第3のドット位置として特定する。
A:抜けピクセル(第1のドット位置)のドット値=2
B:隣接ピクセル(第3のドット位置)のドット値(加算前)=3
B’:隣接ピクセル(第3のドット位置)のドット値(加算後)=(Min(3,A+B)=3
C:余りドット値=(A+B)−B’=2
なお、最初の元データでは、第3のドット位置のインク量が「2」であったが、最初の抜けピクセルのインク量を割付処理した結果、次の抜けピクセルの処理を開始する時点で元データが修正されている。具体的には(2,2)と(2,4)の画素のインク量が「2」から「3」へと割り増しされており、これらの画素で不足インク量を割り付けることはできない。
そして、優先度が「3」となる(3,4)の画素でドット値が2となると、ステップ7〜ステップ11を実行し、初めて不足インク量を賄うことができるようになる。このとき、
C:前回の余りドット値=2
B:隣接ピクセル(第4のドット位置)のドット値(加算前)=2
B’:隣接ピクセル(第4のドット位置)のドット値(加算後)=(Min(3,C+B)=3
C:今回の余りドット値=(C+B)−B’=1
となる。この結果を、図7(c)に示す。
C:前回の余りドット値=1
B:隣接ピクセル(第5のドット位置)のドット値(加算前)=2
B’:隣接ピクセル(第5のドット位置)のドット値(加算後)=(Min(3,C+B)=3
C:今回の余りドット値=(C+B)−B’=0
となる。この結果を、図7(d)に示す。
余りドット値が0となることにより、割付処理を終える。
まず、ステップS100では、不良ノズルの情報を取得する。不良ノズルは、1つに限られず、複数の情報があれば所定の記憶エリアに記憶する。処理の便宜上、不良ノズルは、一方の端からノズルの列の順に採番しているものとする。
・まず、第i番目を基準として、その前後に他の不良ノズルがあるかを判断する。
・また、その不良ノズルが第i番目の不良ノズルによる抜けピクセルを第1のドット位置として適用した優先度情報の範囲に含まれるかを判断する。
また、図10は、他の不良ノズルに該当する場合の優先度情報の修正を示す図である。
「第1番目の不良ノズル(第5行目))があるときに、その前後である第2番目の不良ノズル(第6行目)があり」、「第2番目の不良ノズル(第6行目)が第1番目の不良ノズル(第5行目)による抜けピクセルを第1のドット位置として適用した優先度情報の範囲(5x1画素の範囲)に含まれる」。
従って、ステップS135にて、抜けピクセルを回避するように優先度情報を修正する。具体的には、第1の不良ノズル(第5行目)に対する優先度情報を取得し、第2の不良ノズル(第6行目)による抜けピクセルの行(第6行目)が該当する画素を特定し(5x1画素の範囲において、上から4行目)、同画素をスキップして抜けピクセルから離れる方向へと画素範囲を拡張する。この例では、優先度情報の第6行目をスキップさせて、第6行目を第7行目に移動させ、第7行目を第8行目へと移動させる。抜けピクセルを除くと優先度情報が適用される画素の範囲は、第3,4行目と、第7,8行目の範囲となる。
・第1の不良ノズルによる抜けピクセルの画素(第1のドット位置)優先度情報の画素の範囲を特定し、
・第2の不良ノズルによる抜けピクセルの画素(第2のドット位置)が優先度情報の画素の範囲に含まれるか特定し、
・同画素(第2のドット位置)をスキップして第1の不良ノズルの抜けピクセル(第1のドット位置)から離れる方向へと優先度情報の画素範囲を拡張する。
このようにして、第2のドット位置に基づいて、当該第2のドット位置と重ならないように優先度情報の領域を拡張して修正している。
次に、図10(b)では、第1の不良ノズルは第5行目であり、第2の不良ノズルは第7行目である。この場合、具体的には、第1の不良ノズル(第5行目)に対する優先度情報を取得し、第2の不良ノズル(第7行目)による抜けピクセルの行(第7行目)が該当する画素を特定し(5x1画素の範囲において、上から5行目)、同画素をスキップして抜けピクセルから離れる方向へと画素範囲を拡張する。この例では、優先度情報の第7行目をスキップさせて、第7行目を第8行目に移動させている。抜けピクセルを除くと優先度情報が適用される画素の範囲は、第3,4行目と、第6,8行目の範囲となる。
すなわち、
「第1の不良ノズルによる抜けピクセルの画素(第1のドット位置)優先度情報の画素の範囲を特定」した後、
「第2の不良ノズルによる抜けピクセルの画素(第2のドット位置)が優先度情報の画素の範囲」には含まれず、
「同画素(第2のドット位置)をスキップして第1の不良ノズルの抜けピクセル(第1のドット位置)から離れる方向へと優先度情報の画素範囲を拡張する」ことはしない。
・「第2の不良ノズルによる抜けピクセルの画素(第2のドット位置)が優先度情報の画素の範囲」には含まれない。
この例では、優先度情報の範囲が第7行目で重複する。しかし、第7行目の画素もインク滴を吐出することは可能であるから、割付処理をしてインク量を振り替える処理をすれば、その処理が無駄になることはない。
図10(e)の例でも、
・「第2の不良ノズルによる抜けピクセルの画素(第2のドット位置)が優先度情報の画素の範囲」には含まれない。
この例では、優先度情報の範囲も重複しない。従って、割付処理をしてインク量を振り替える処理をすれば、その処理が無駄になることはない。
割付処理を終えたら、ステップS160にて、変数iの値を「1」だけ増やし、ステップS110に戻って、他の不良ノズルの有無の判断を行う。
なお、前記各処理を実行するハードウェアおよびソフトウェアとによって印刷制御装置を構成しており、また、当該印刷制御装置が実行する処理の工程が印刷制御方法に相当する。制御回路20やPC40にて前記処理手順に沿って実行させるプログラムは、印刷制御プログラムに相当し、これを記録するROMやハードディスクなどの媒体が印刷制御プログラムを記録した媒体に相当する。
先の第1実施形態では、割付処理を実施することで不足するインク量を考慮して抜けピクセルのドットを周囲に割り付けている。一方、割付処理として、インク量を考慮しないことも可能である。この場合、抜けピクセルにインク滴を付すことになっている場合、優先度情報に基づいて次順位の割付ドット位置を特定し、当該ドット位置がインク滴を付さないことになっていれば、代わりにインク滴を付すこととする。
ステップS140〜S155にて、多値データに基づいてインク量を反映していたものを、ステップS240〜S255の処理では、抜けピクセルのインク滴を優先度情報に基づいて別のドット位置に移動させる処理となる。
先の第1実施形態と第2実施形態では、優先度情報を予め拡張して割付処理を行っているが、優先度情報を拡張しないで、第2のドット位置を回避して第3のドット位置を特定することも可能である。
図12は、図8と同様、この割付処理をコンピューターが実行するプログラムに反映させたときのフローチャートを示している。ステップS300〜S325の処理は、ステップS100〜S125の処理と同じである。
一方、割付処理の中では、ステップS345にて優先度情報に基づいて次順位となる割付のドット位置を特定した後、ステップS346にて、他の不良ノズルがあるか判断し、他の不良ノズルがある場合には、ステップS347にて、他の不良ノズルに対応する抜けピクセルを回避するように次順位の割付ドット位置を特定する。
しかし、優先度情報で「2」と記された第2順位のドット位置は第2の不良ノズルの抜けピクセルの位置となっているから、ステップS345にて、優先度情報に基づいて次順位の割付ドット位置として第6行目が特定された場合、ステップS346にて、他の不良ノズルの有無を判定し、あると判断されるとステップS347にて、他の不良ノズルに対応する抜けピクセルを回避するように次順位の割付ドット位置を特定する。従って、第6行目は他のノズルに対応する抜けピクセルであるから、これを回避する次順位の割付ドット位置である第3行目が次順位の割付ドット位置となる。
以上の処理を、不足インク量がなくなるか、優先度情報に基づく次順位のドット位置が無くなるまで繰り返す。
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
Claims (8)
- 媒体にインクを吐出する複数のノズルのうち、第1の不良ノズルと第2の不良ノズルの位置を取得する位置情報取得部と、
媒体にインク滴を吐出させるドット位置を有する印刷データを生成するデータ生成部と、
前記印刷データにおいて、前記第1の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第1のドット位置を特定し、前記第2の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第2のドット位置を特定し、前記第1のドット位置を基準として各画素単位で所定の領域内で優先度の順位が設定された優先度情報に基づいて、前記第1のドット位置と前記第2のドット位置とは異なる第3のドット位置を特定する特定部と、
前記第1のドット位置へのインク滴の吐出の情報を前記第3のドット位置に割り付ける割付処理に対応する前記印刷データの修正をするデータ修正部と、を備え、
前記優先度情報は、前記第1の不良ノズルに対応する第1の優先度情報と、前記第2の不良ノズルに対応する第2の優先度情報とで、異なるものであることを特徴とする印刷制御装置。 - 媒体にインクを吐出する複数のノズルのうち、第1の不良ノズルと第2の不良ノズルの位置を取得する位置情報取得部と、
媒体にインク滴を吐出させるドット位置を有する印刷データを生成するデータ生成部と、
前記印刷データにおいて、前記第1の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第1のドット位置を特定し、前記第2の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第2のドット位置を特定し、前記第1のドット位置を基準として各画素単位で所定の領域内で優先度の順位が設定された優先度情報に基づいて、前記第1のドット位置と前記第2のドット位置とは異なる第3のドット位置を特定する特定部と、
前記第1のドット位置へのインク滴の吐出の情報を前記第3のドット位置に割り付ける割付処理に対応する前記印刷データの修正をするデータ修正部と、を備え、
前記データ生成部が生成する印刷データは、前記ドット位置、及び、当該ドット位置に吐出するインクの量、が関連付けられた印刷データであり、
前記割付処理は、前記第1のドット位置のインク量を前記第3のドット位置に割り付ける処理であり、
前記特定部が、前記優先度情報に基づいて前順位のドット位置とは異なる後順位のドット位置を特定し、 前記データ修正部が、前記前順位のドット位置に割り付けて賄いきれないインク量を、前記後順位のドット位置に割り付ける処理に対応した前記印刷データの修正をすることを特徴とする印刷制御装置。 - 前記特定部は、前記第2のドット位置に基づいて、当該第2のドット位置と重ならないように前記優先度情報の領域を拡張して修正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置。
- 前記特定部は、前記第1の不良ノズルに対応する前記第1のドット位置を基準とした前記優先度情報と前記第2のドット位置の情報とから、前記割付処理を適用できない画素を特定し、当該画素をスキップして割付先の画素を特定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置。
- 媒体にインクを吐出する複数のノズルのうち、第1の不良ノズルと第2の不良ノズルの位置を取得する工程と、
媒体にインク滴を吐出させるドット位置を有する印刷データを生成する工程と、
前記印刷データにおいて、前記第1の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第1のドット位置を特定し、前記第2の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第2のドット位置を特定し、前記第1のドット位置を基準として各画素単位で所定の領域内で優先度の順位が設定された優先度情報に基づいて、前記第1のドット位置と前記第2のドット位置とは異なる第3のドット位置を特定する工程と、
前記第1のドット位置へのインク滴の吐出の情報を前記第3のドット位置に割り付ける割付処理に対応する前記印刷データの修正をする工程とを実施し、
前記優先度情報は、前記第1の不良ノズルに対応する第1の優先度情報と、前記第2の不良ノズルに対応する第2の優先度情報とで、異なるものであることを特徴とする印刷制御方法。 - 媒体にインクを吐出する複数のノズルのうち、第1の不良ノズルと第2の不良ノズルの位置を取得する位置情報取得工程と、
媒体にインク滴を吐出させるドット位置を有する印刷データを生成するデータ生成工程と、
前記印刷データにおいて、前記第1の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第1のドット位置を特定し、前記第2の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第2のドット位置を特定し、前記第1のドット位置を基準として各画素単位で所定の領域内で優先度の順位が設定された優先度情報に基づいて、前記第1のドット位置と前記第2のドット位置とは異なる第3のドット位置を特定する特定工程と、
前記第1のドット位置へのインク滴の吐出の情報を前記第3のドット位置に割り付ける割付処理に対応する前記印刷データの修正をするデータ修正工程と、を実施し、
前記データ生成工程で生成する印刷データは、前記ドット位置、及び、当該ドット位置に吐出するインクの量、が関連付けられた印刷データであり、
前記割付処理は、前記第1のドット位置のインク量を前記第3のドット位置に割り付ける処理であり、
前記特定工程で、前記優先度情報に基づいて前順位のドット位置とは異なる後順位のドット位置を特定し、
前記データ修正工程で、前記前順位のドット位置に割り付けて賄いきれないインク量を、前記後順位のドット位置に割り付ける処理に対応した前記印刷データの修正
を実施することを特徴とする印刷制御方法。 - 媒体にインクを吐出する複数のノズルのうち、第1の不良ノズルと第2の不良ノズルの位置を取得する機能と、
媒体にインク滴を吐出させるドット位置を有する印刷データを生成する機能と、
前記印刷データにおいて、前記第1の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第1のドット位置を特定し、前記第2の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第2のドット位置を特定し、前記第1のドット位置を基準として各画素単位で所定の領域内で優先度の順位が設定された優先度情報に基づいて、前記第1のドット位置と前記第2のドット位置とは異なる第3のドット位置を特定する機能と、
前記第1のドット位置へのインク滴の吐出の情報を前記第3のドット位置に割り付ける割付処理に対応する前記印刷データの修正をする機能と、
をコンピューターに実現させ、前記優先度情報は、前記第1の不良ノズルに対応する第1の優先度情報と、前記第2の不良ノズルに対応する第2の優先度情報とで、異なるものであることを特徴とする印刷制御プログラムを記録した媒体。 - 媒体にインクを吐出する複数のノズルのうち、第1の不良ノズルと第2の不良ノズルの位置を取得する位置情報取得機能と、
媒体にインク滴を吐出させるドット位置を有する印刷データを生成するデータ生成機能と、
前記印刷データにおいて、前記第1の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第1のドット位置を特定し、前記第2の不良ノズルが不良でない場合にインク滴を吐出して媒体に印刷される第2のドット位置を特定し、前記第1のドット位置を基準として各画素単位で所定の領域内で優先度の順位が設定された優先度情報に基づいて、前記第1のドット位置と前記第2のドット位置とは異なる第3のドット位置を特定する特定機能と、
前記第1のドット位置へのインク滴の吐出の情報を前記第3のドット位置に割り付ける割付処理に対応する前記印刷データの修正をするデータ修正機能と、をコンピューターに実現させ、
前記データ生成機能で生成する印刷データは、前記ドット位置、及び、当該ドット位置に吐出するインクの量、が関連付けられた印刷データであり、
前記割付処理は、前記第1のドット位置のインク量を前記第3のドット位置に割り付ける処理であり、
前記特定機能で、前記優先度情報に基づいて前順位のドット位置とは異なる後順位のドット位置を特定し、 前記データ修正機能で、前記前順位のドット位置に割り付けて賄いきれないインク量を、前記後順位のドット位置に割り付ける処理に対応した前記印刷データの修正をすることを特徴とする印刷制御プログラムを記録した媒体。
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