JP2014099543A - プリント基板およびプリント基板の製造方法 - Google Patents

プリント基板およびプリント基板の製造方法 Download PDF

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亮太 望月
Koichi Okada
浩一 岡田
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綾香 中澤
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Abstract

【課題】振動環境下においても熱伝導部材を安定して保持しえるプリント基板およびプリント基板の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの貫通孔が設けられた絶縁基板と、絶縁基板の両面に形成された導体パターン層と、貫通孔の内壁と絶縁基板の両面に形成された導体パターン層とを被覆する第1の金属めっき層と、貫通孔中に第1の金属めっき層と密着して配置された金属製の熱伝導部材と、絶縁基板の両面に、導体パターン層と熱伝導部材の端面とを連続被覆して形成された第2の金属めっき層とを備えるプリント基板を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント基板およびプリント基板の製造方法に関する。
近年、電子機器の高出力化、高性能化に伴い、プリント基板に配設される半導体部品等の高い発熱性が問題となっている。この問題を解消するために、下記の特許文献1では、半導体チップの電源グランドと半導体チップの発熱を放散させる役割とを兼ねるダイパターンを設けたプリント基板が提案されている。半導体チップは、ダイパターン上に配置されている。ダイパターンの領域内には、プリント基板を貫通するサーマルビアホールが複数設けられている。サーマルビアホールは、ダイパターンで受けた半導体チップの熱を、半導体チップの設けられていないプリント基板の裏面側へ逃がす役割を有している。
ところが、特許文献1のプリント基板では、熱伝導率の高い金属層部分がダイパターン部分のみであり、近年広く用いられている高出力電子部品の放熱に十分に対応することができない。そこで、下記の特許文献2および特許文献3では、発熱部品の放熱性をより向上させるために、プリント基板に設けた貫通孔に熱伝導部材を挿入し、発熱部品が熱伝導部材と対向する位置に配置されたプリント基板が提案されている。これにより、プリント基板の表面側に設けられた発熱部品の熱が、熱伝導部材を通じてプリント基板の裏面側に伝わり、プリント基板の裏面においても放熱を行うことができる。
特開平11−154717号公報 特許第3174393号公報 特開2010−263003号公報
しかしながら、特許文献2および特許文献3のプリント基板は、熱伝導部材の挿入により高い放熱性を有するものの、電子機器の使用環境によっては、プリント基板に挿入した熱伝導部材の抜けや落下が生じるおそれがある。以下、図7および図8により説明する。
図7は、熱伝導部材115を挿入したプリント基板110の断面図である。図8は、図7のプリント基板110の製造工程を示す断面図である。
図7に示すように、プリント基板110は、絶縁基板111と、絶縁基板111の両面に形成された導体パターン層112と、絶縁基板111および導体パターン層112を貫通する貫通孔113と、貫通孔113に圧入された金属製の熱伝導部材115とを備える。プリント基板110は、以下のようにして作製される。まず、絶縁基板111の両面に、例えば銅箔からなる導体層112aを設けた後、絶縁基板111および導体層112aを貫通する貫通孔113を設ける(図8(a))。次に、貫通孔113から突出する形状の熱伝導部材115を、貫通孔113に挿入する(図8(b))。続いて、貫通孔113に挿入した熱伝導部材115をプレス金型117でプレス加工して、貫通孔113に圧入する(図8(c))。最後に、エッチング処理等により導体層112aの一部を除去して、所定のパターン形状を有する導体パターン層112を形成し、プリント基板110を得る。
熱伝導部材115が挿入されたプリント基板110では、図7に示すように、熱伝導部材115の両端と導体パターン層112との間に隙間が発生し、熱伝導部材115と導体パターン層112とが互いに良好に接続されないおそれがある。この場合には、熱伝導部材115は、主として貫通孔113の内壁面と熱伝導部材115の側壁面との間の摩擦力で保持される。
絶縁基板111は、近年の実装密度の向上や、高信頼性の要求に対応すべく、難燃性や低導電率を実現し、スルーホールめっきによる両面プリント配線板や多層板に適したガラス・エポキシ板等で構成される。この場合、絶縁基板111と熱伝導部材115とが互いに異なる材料で形成される。このため、貫通孔113の内壁面と熱伝導部材115との間の摩擦力が低く、貫通孔113内における熱伝導部材115の保持力が十分でない。プリント基板110は、携帯用電子機器や自動車等に広く用いられるため、振動環境下に晒されることが多い。プリント基板110が振動環境下に長時間晒される場合、熱伝導部材115の保持力は、特許文献3のように熱伝導部材115をプレス加工により圧入した場合においても十分でない。また、特許文献2および特許文献3に記載のプリント基板では、熱伝導部材115を覆う金属めっき層をさらに設けているものの、熱伝導部材115の保持力を向上させるには不十分である。
また、熱伝導部材115が電気的接続を兼ねる部品である場合、導体パターン層112と熱伝導部材115との間の電気的接続が取れなくなるおそれがある。
本発明は、斯かる実情に鑑み、振動環境下においても絶縁基板の貫通孔に挿入された熱伝導部材が貫通孔内に安定的に保持されるプリント基板およびプリント基板の製造方法を提供しようとするものである。
本発明のプリント基板は、少なくとも1つの貫通孔が設けられた絶縁基板と、
絶縁基板の両面に形成された導体パターン層と、
貫通孔の内壁と絶縁基板の両面に形成された導体パターン層とを被覆する第1の金属めっき層と、
貫通孔中に第1の金属めっき層と密着して配置された金属製の熱伝導部材と、
絶縁基板の両面に、導体パターン層と熱伝導部材の端面とを連続被覆して形成された第2の金属めっき層とを備えることを特徴とする。
本発明のプリント基板の製造方法は、絶縁基板の両面に導体層を形成し、
絶縁基板と導体層とを貫通する貫通孔を少なくとも1つ形成し、
貫通孔の内壁と導体層の表面とを被覆する第1の金属めっき層を形成し、
貫通孔から突出する形状を有する金属製の熱伝導部材を貫通孔に挿入し、
熱伝導部材を、熱伝導部材の軸方向にプレス加工して、貫通孔の内壁に形成された第1の金属めっき層と熱伝導部材とを密着させ、
絶縁基板の表面に露出する第1の金属めっき層と熱伝導部材の端面とを連続して被覆する第2の金属めっき層を、絶縁基板の両面にそれぞれ形成し、
積層して形成された導体層、第1の金属めっき層および第2の金属めっき層の一部を除去して、回路パターンを形成することを特徴とする。
本発明のプリント基板によれば、金属製の熱伝導部材が、第1の金属めっき層と密着した状態で貫通孔内に配置される。このため、熱伝導部材と第1の金属めっき層との間に高い摩擦力が生じ、熱伝導部材が貫通孔内にしっかりと保持される。また、熱伝導部材は、第2の金属めっき層により、第1の金属めっき層との界面に隙間を生じることなく貫通孔内に保持される。
本発明のプリント基板の製造方法によれば、金属製の熱伝導部材がプレス加工によって貫通孔内に圧入され、貫通孔の内壁面に形成された第1の金属めっき層と密着する。また、第2の金属めっき層により、第1の金属めっき層と熱伝導部材の端面とが接続される。このため、第1の金属めっき層と第2の金属めっき層と熱伝導部材の端部との界面に隙間が生じない。
本発明によれば、振動環境下においても絶縁基板の貫通孔に挿入された熱伝導部材が貫通孔内に安定的に保持されるという優れた効果を奏し得る。
本発明のプリント基板の一構成例を示す断面図である。 本発明のプリント基板の製造方法の一例を示す断面図である。 本発明のプリント基板の他の構成例を示す断面図である。 本発明のプリント基板の他の構成例を示す断面写真である。 従来および本発明のプリント基板の振動試験後の熱伝導部材挿入部分の外観を示す写真である。 従来および本発明のプリント基板の熱伝導部材挿入部分の断面を示す写真である。 熱伝導部材を挿入した従来のプリント基板の構成を示す断面図である。 図7に示す従来のプリント基板の製造方法を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態におけるプリント基板およびプリント基板の製造方法を、添付図面を参照して説明する。
1.本発明の実施の形態
(1−1)プリント基板の構成
図1は、本発明にかかるプリント基板10の断面構造を示す断面図である。図1に示すように、プリント基板10は、絶縁基板11と、導体パターン層12と、貫通孔13と、第1の金属めっき層であるスルーホールめっき層14と、熱伝導部材15と、第2の金属めっき層である表面めっき層16とを備える。プリント基板10の表面には、半導体部品等の電子部品(図示せず)が実装される。
絶縁基板11は、絶縁層11aのみで構成された単層構造である。導体パターン層12は、絶縁基板11の両面に設けられ、所定のパターン形状を有する。導体パターン層12が設けられた絶縁基板11は、電子部品が実装される絶縁基板の一部分に貫通孔13を備える。貫通孔13の内壁は、スルーホールめっき層14により被覆される。スルーホールめっき層14は、貫通孔13の内壁と絶縁基板11の両面に形成された導体パターン層12の表面とを被覆する。熱伝導部材15は、スルーホールめっき層14が設けられた貫通孔13内に圧入され、プリント基板10の表面に設けられた電子部品の熱をプリント基板10の裏面に拡散する。絶縁基板11の両面には、表面めっき層16が形成される。表面めっき層16は、絶縁基板11の表面および裏面のそれぞれにおいて、導体パターン層12と熱伝導部材15の端面とを連続的に被覆する。積層して形成された導体パターン層12、スルーホールめっき層14および表面めっき層16により、回路パターン20が形成される。
絶縁基板11(絶縁層11a)は、低導電率であり、難燃性、耐熱性、耐湿性、寸法安定性、耐薬品性等に優れ、スルーホールめっきを設けた両面プリント配線板に適した材料からなることが好ましい。このような材料としては、FR−4(Flame Retardant Type4)、FR−5(Flame Retardant Type5)、CEM−3(Composite Epoxy Material Grade3)またはBT(Bismaleimide-Triazine)レジン等が挙げられる。
導体パターン層12は、従来用いられる金属材料、例えば銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)もしくはチタン(Ti)等、またはこれら金属材料を主体とする合金等からなる。
スルーホールめっき層14は、例えば銅からなり、無電解銅めっきにより形成される。
スルーホールめっき層14は、銅以外の金属材料、例えばコバルト(Co)、ニッケルもしくは銀等、またはこれら金属材料を主体とする合金等であってもよい。スルーホールめっき層14の厚みは、20μm以上40μm以下であることが好ましい。
熱伝導部材15は、熱伝導率が高く、加工性に優れる金属材料で形成されることが好ましい。金属材料同士の接触により熱伝導部材15が抜けにくくなるとともに、熱伝導部材15を介して電子部品の熱がよく拡散されるからである。このような金属材料としては、例えば銅、ニッケルまたはアルミニウム等が挙げられる。
なお、金属材料同士の界面には大きな摩擦力が生じ、同種の金属同士の界面にはさらに大きな摩擦力が生じる。金属材料同士は結合しやすく、同種の金属材料同士は異種の金属材料同士と比較してより結合しやすいためである。このため、熱伝導部材15は、スルーホールめっき層14と同種の金属材料で形成されることがより好ましい。熱伝導部材15が貫通孔13内でより安定的に保持されるからである。
熱伝導部材15の直径は、貫通孔13の直径よりもやや小さく、貫通孔13に挿入可能な形状とされる。また、熱伝導部材15の体積は、熱伝導部材15挿入前の貫通孔13の容積に対して101%以上110%以下であることが好ましい。熱伝導部材15の体積が101%未満である場合には、熱伝導部材15がプレス加工により貫通孔13に圧入されても熱伝導部材15がスルーホールめっき層14に十分に密着しないおそれがある。また、熱伝導部材15の体積が110%以上である場合には、プレス加工時の圧力によって絶縁基板11が破損するおそれがある。ここで、上述の貫通孔13の容積は、スルーホールめっき層14形成後の容積とする。
表面めっき層16は、例えば無電解めっき、電解めっき、イオンプレーティング、スパッタリングまたは真空蒸着等により形成される。表面めっき層16は、めっき加工性や、表面めっき層16に対して付与したい耐腐食性、強度等の性質に合わせて選択された金属材料からなることが好ましく、特に銅からなることが好ましい。
(1−2)プリント基板の製造方法
図2(a)〜図2(f)は、図1のプリント基板10の製造工程を示す断面図である。プリント基板10は、以下のようにして製造される。
まず、絶縁基板11の両面に、例えば銅箔を貼り付けることにより導体層12aを設ける。導体層12aは、パターン形成前の一様な層である。この後、絶縁基板11および導体層12aを貫通する貫通孔13を形成する(図2(a))。貫通孔13は、切削ドリル加工や打ち抜き加工等によって形成される。次に、貫通孔13の内壁の表面と絶縁基板11の両面に設けられた導体層12aの表面とに、スルーホールめっき層14を形成する(図2(b))。
貫通孔13から突出する形状の熱伝導部材15を、表面にスルーホールめっき層14が形成された貫通孔13に挿入する(図2(c))。プレス加工前の熱伝導部材15としては、スルーホールめっき層14形成後の貫通孔13の直径よりもやや小さい直径を有する柱状部材を用いる。貫通孔13への挿入を容易とするためである。貫通孔13に挿入した熱伝導部材15をプレス金型17で熱伝導部材15の軸方向にプレス加工して、熱伝導部材15を塑性変形させ、熱伝導部材15を貫通孔13に圧入する(図2(d))。これにより、熱伝導部材15は、貫通孔13内でスルーホールめっき層14と密着する。
熱伝導部材15の圧入後、表面めっき層16を形成する(図2(e))。表面めっき層16は、スルーホールめっき層14と熱伝導部材15の端面とを連続的に被覆するように形成される。最後に、積層して形成された導体層12a、スルーホールめっき層14および表面めっき層16の一部をエッチング処理等により除去して、回路パターン20を形成する(図2(f))。図1および図2(f)において、導体パターン層12は、所定のパターン形状に形成された導体層12aである。回路パターン20は、積層された導体パターン層12、スルーホールめっき層14および表面めっき層16の一部が除去されて、所定のパターン形状に形成された層である。
回路パターン20は、例えば、下記の手順により形成される。表面めっき層16の表面に感光性樹脂被膜を形成し、所定の回路パターン20に対応する位置の感光性樹脂被膜が残存するように感光性樹脂被膜の一部を感光させる。続いて、感光性樹脂被膜の一部をエッチング処理により除去する。最後に、残存した感光性樹脂被膜をマスクとして導体層12a、スルーホールめっき層14および表面めっき層16にエッチング処理を施す。これにより、所定形状を有する回路パターン20が形成される。
以上のようにして作製したプリント基板10では、スルーホールめっき層14と熱伝導部材15と表面めっき層16との間に隙間が形成されない。このため、導体パターン層12、スルーホールめっき層14、熱伝導部材15および表面めっき層16が一体となり、熱伝導部材15が貫通孔13内でしっかりと保持される。
(1−3)変形例
本発明のプリント基板10は、絶縁基板11の代わりに、図3で示すような、絶縁層21aと導体層(内層)21bとが積層された多層構造の絶縁基板21を備えてもよい。絶縁基板21の絶縁層11aは、FR−4からなることが好ましい。図4は、変形例のプリント基板10の断面写真である。
本発明のプリント基板10において、スルーホールめっき層14は、熱伝導部材15と密着して、振動環境下においても熱伝導部材15の抜けや落下を防止する機能を有していればよい。プリント基板10では、熱伝導部材15によって電子部品の熱が拡散されるからである。このため、スルーホールめっき層14は、熱伝導率の低い金属材料で形成されてもよい。
また、本発明のプリント基板10において、熱伝導部材15の保持力は、スルーホールめっき層24と熱伝導部材15との界面における摩擦力に大きく依存する。このため、少なくともスルーホールめっき層24の表面と熱伝導部材15の表面とが、同種の金属材料で形成されれば、スルーホールめっき層24の表面と熱伝導部材15の表面とがそれぞれ異なる金属材料で形成された場合よりも高い保持力を得ることができる。例えば、スルーホールめっき層14の表面と熱伝導部材15の表面とが、摩擦係数の大きい同種の金属材料で形成され、熱伝導部材15の中心部材が熱伝導率の高い金属材料で形成されてもよい。これにより、スルーホールめっき層14と熱伝導部材15との間には大きな摩擦力が生じて、熱伝導部材15が抜けにくくなる。また、電子部品の熱は、熱伝導部材15の中心部材を介して良好に拡散される。
以下、絶縁基板に設けた貫通孔に熱伝導部材を挿入し、絶縁基板表面に回路パターンを形成したプリント基板を、条件を変えて作製し、各プリント基板の振動環境下における熱伝導部材の保持力を評価した。
<条件1>
条件1では、次のようにしてプリント基板を作製した。
まず、厚さ1.0mmの絶縁基板の両面に、導体層である厚さ35μmの銅(Cu)箔層を貼り付けた。なお、絶縁基板として、図3で示すような、FR−4からなる絶縁層と銅からなる導体層(内層)とが積層された多層基板を用いた。両面に導体層が設けられた絶縁基板に、切削ドリル加工によって直径5.05mmの貫通孔を形成した。導体層の表面と貫通孔の内壁とに、無電解めっきにより、銅からなる厚さ25μmのスルーホールめっき層を設けた。
続いて、銅によるスルーホールめっき層を設けた貫通孔内に、熱伝導部材を挿入した。熱伝導部材としては、直径5.0mm、体積が熱伝導部材挿入前の貫通孔の容積の104%である銅ピンを用いた。銅ピンをプレス金型により銅ピンの軸方向にプレス加工して、貫通孔内に銅ピンを圧入した。
貫通孔に圧入された銅ピンの端面とスルーホールめっき層の表面とに、無電解めっきにより、銅からなる厚さ15〜40μmの表面めっき層を形成した。最後に、積層して形成された導体層、スルーホールめっき層および表面めっき層の一部をエッチング処理により除去して回路パターンを形成し、プリント基板を得た。
<条件2>
条件2では、次のようにしてプリント基板を作製した。
まず、厚さ1.0mmのFR−4からなる絶縁基板の両面に、導体層である厚さ35μmの銅層を貼り付けた。なお、絶縁基板として、図1で示すような、絶縁層(FR−4)のみからなる単層基板を用いた。両面に導体層が設けられた絶縁基板に、切削ドリル加工によって直径5.05mmの貫通孔を形成した。次に、貫通孔内に、熱伝導部材である条件1と同様の銅ピンを挿入し、銅ピンをプレス加工して貫通孔内に銅ピンを圧入した。
貫通孔に圧入された銅ピンの端面と導体層の表面とに、無電解めっきにより、銅からなる厚さ15〜40μmの表面めっき層を形成した。最後に、積層して形成された導体層および表面めっき層の一部をエッチング処理により除去して回路パターンを形成し、プリント基板を得た。
[プリント基板の評価]
上述のようにして得たプリント基板のそれぞれについて、以下のような各試験を行い、銅ピンの保持状態を評価した。
(a)振動試験
プリント基板を振動試験機にて振動させ、目視および実体顕微鏡にて銅ピンの状態を確認した。まず、プリント基板を動電式振動試験装置(IMV株式会社製、動電式振動試験装置VS−2000A−140)にセットして、プリント基板をX・Y軸方向(水平方向)に振動させる振動試験を行った後、プリント基板をZ軸方向(鉛直方向)に振動させる振動試験を行った。振動試験では、条件1または条件2で作製したプリント基板をそれぞれ5サンプルずつ(条件1:サンプル1−1〜サンプル1−5、条件2:サンプル2−1〜サンプル2−5)準備して評価を行った。
ここで、振動試験の試験条件は以下のようにした。
加振周波数:10Hz〜150Hz
加速度:2G
加振方向:X方向、Y方向およびZ方向
試験時間:各方向それぞれ2時間
(b)断面観察試験
上述の各条件で作製したプリント基板を、プリント基板の貫通孔に圧入された銅ピンの軸方向(プリント基板の厚さ方向)に切断し、金属顕微鏡を使用して銅ピンと回路パターンを観察した。断面観察試験では、条件1または条件2で作製したプリント基板をそれぞれ5サンプルずつ(条件1:サンプル1−1〜サンプル1−5、条件2:サンプル2−1〜サンプル2−5)準備して評価を行った。
(c)押出試験
上述の各条件で作製したプリント基板の銅ピン部分に、押出試験機(株式会社島津製作所製、万能試験機AG−1kNX)にて銅ピンの軸方向に圧力をかけ、銅ピンがプリント基板から落下した際の圧力を測定した。押出試験では、条件1または条件2で作製したプリント基板をそれぞれ5サンプルずつ(条件1:サンプル1−1〜サンプル1−5、条件2:サンプル2−1〜サンプル2−5)準備して評価を行った。
以下の表1に、プリント基板の評価結果を示す。
図5(a)〜図5(d)は、振動試験後におけるサンプル1−1〜サンプル1−4それぞれの銅ピン挿入部分の状態を示す写真である。図5(e)〜図5(h)は、振動試験後におけるサンプル2−1〜サンプル2−4それぞれの銅ピン挿入部分の状態を示す写真である。
図6(a)および図6(b)は、断面観察試験により確認したサンプル1−1およびサンプル2−1それぞれの銅ピン挿入部分の断面を示す写真である。
上述の評価結果より、以下のことが確認された。振動試験において、条件1により作製した本発明のプリント基板では銅ピンの浮きや落下は確認されなかった。一方、条件2により作製したプリント基板では、銅ピンの浮きが確認された。
銅ピン挿入部分の断面観察試験において、本発明のプリント基板では、銅ピンとスルーホールめっき層と表面めっき層との境界に隙間が形成されていなかった。一方、条件2により作製したプリント基板では、回路パターンと銅ピンとの間に隙間が確認された。
押出試験において、スルーホールめっき層を備える本発明のプリント基板の銅ピン落下時の圧力は、スルーホールめっき層を備えない条件2のプリント基板の銅ピン落下時の圧力と比較して、100[N/mm]以上高くなった。また、本発明のプリント基板の平均圧力は、条件2のプリント基板の平均圧力と比較して130[N/mm]以上高くなった。
以上の結果より、本発明のプリント基板では、条件2のプリント基板と比較して銅ピンの保持力が顕著に向上することが確認された。これは、本発明のプリント基板では、銅ピンとスルーホールめっき層との間の摩擦力が向上したからであると考えられる。加えて、スルーホールめっき層と表面めっき層とを形成することにより、銅ピンと回路パターンとが一体に接続され、プリント基板表面においても銅ピンの保持力が向上したからであると考えられる。
10,110・・・プリント基板
11,21,111・・・絶縁基板
12,112・・・導体パターン層
12a,112a・・・導体層
13,113・・・貫通孔
14・・・スルーホールめっき層(第1の金属めっき層)
15,115・・・熱伝導部材
16・・・表面めっき層(第2の金属めっき層)
17,117・・・プレス金型
20・・・回路パターン
21a・・・絶縁層
21b・・・内層

Claims (6)

  1. 少なくとも1つの貫通孔が設けられた絶縁基板と、
    前記絶縁基板の両面に形成された導体パターン層と、
    前記貫通孔の内壁と前記絶縁基板の両面に形成された前記導体パターン層とを被覆する第1の金属めっき層と、
    前記貫通孔中に前記第1の金属めっき層と密着して配置された金属製の熱伝導部材と、
    前記絶縁基板の両面に、前記導体パターン層と前記熱伝導部材の端面とを連続被覆して形成された第2の金属めっき層と、
    を備えるプリント基板。
  2. 互いに密着する前記第1の金属めっき層の表面と前記熱伝導部材の表面とが、同種の金属材料で形成された
    請求項1に記載のプリント基板。
  3. 前記第1の金属めっき層の表面と前記熱伝導部材の表面とが、銅で形成された
    請求項2に記載のプリント基板。
  4. 前記第1の金属めっき層全体と前記熱伝導部材全体とが、銅で形成された
    請求項3に記載のプリント基板。
  5. 絶縁基板の両面に導体層を形成し、
    前記絶縁基板と前記導体層とを貫通する貫通孔を少なくとも1つ形成し、
    前記貫通孔の内壁と前記導体層の表面とを被覆する第1の金属めっき層を形成し、
    前記貫通孔から突出する形状を有する金属製の熱伝導部材を該貫通孔に挿入し、
    前記熱伝導部材を、該熱伝導部材の軸方向にプレス加工して、前記貫通孔の内壁に形成された前記第1の金属めっき層と該熱伝導部材とを密着させ、
    前記絶縁基板の表面に露出する前記第1の金属めっき層と前記熱伝導部材の端面とを連続して被覆する第2の金属めっき層を、該絶縁基板の両面にそれぞれ形成し、
    積層して形成された前記導体層、前記第1の金属めっき層および前記第2の金属めっき層の一部を除去して、回路パターンを形成する、
    プリント基板の製造方法。
  6. 前記熱伝導部材の体積が、該熱伝導部材が挿入される前の該貫通孔の容積に対して101%以上110%以下である
    請求項5に記載のプリント基板の製造方法。
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