JP2014099433A - 遮光領域を有する反射型マスク及び反射型マスクの製造方法 - Google Patents

遮光領域を有する反射型マスク及び反射型マスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】EUV露光用の反射型マスクの遮光領域の形成において、追加の吸収層を積層させたり、あるいは反射層をエッチング除去したりせずに、遮光性を高めた遮光領域を有する反射型マスク及びその製造方法を提供する。
【解決手段】吸収体パターンによって形成された転写パターン領域の周囲に、EUV光を遮光するための遮光領域が設けられており、前記遮光領域は、反射層の中間に設けた前記EUV光の位相を調整する位相調整層と、前記反射層上に設けた吸収層とを有し、前記遮光領域において、前記位相調整層より上側にある上部反射層で反射した前記EUV光と、前記位相調整層より下側にある下部反射層で反射した前記EUV光との位相差が、165度〜190度の範囲にあることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、極端紫外光(Extreme Ultra Violet:以後、EUVと記す)を用いてマスクパターンをウェハ上に転写するためのEUV露光用の反射型マスクに関し、さらに詳しくは、露光フィールド境界におけるオーバー露光を防止するための遮光領域を有する反射型マスク及び反射型マスクの製造方法に関するものである。
半導体デバイスの微細化に伴い、現在、ArFエキシマレーザを用いた光学式の投影露光装置により、フォトマスクを用いてウェハ上にパターン転写する露光方法が行なわれている。これらの光学式の投影露光装置による露光方法では、いずれ解像限界に達するため、電子線描画装置による直描やインプリントリソグラフィやEUVリソグラフィのような新しいパターン形成方法が提案されている。
これらの新しいリソグラフィ技術の中でも、紫外線露光の短波長化の極限と見なされているEUV露光は、エキシマレーザよりもさらに短波長である波長13.5nm程度のEUV光を用い、マスクパターンを通常1/4程度に縮小してウェハ上のレジストに転写する露光技術であり、半導体デバイス用の次世代リソグラフィ技術として注目されている。EUV露光においては、短波長のために屈折光学系が使用できないため、反射光学系が用いられ、マスクとしては反射型マスクが提案されている。
このEUV露光用反射型マスク(以後、反射型マスクと記す)は、EUV光を反射する多層膜構造の反射層と、この反射層上にEUV光を吸収する吸収層で形成され、露光装置を用いてウェハ等の被転写体に転写されるべきパターン(以下、吸収体パターンと称する)とを、少なくとも備えたマスクである。
図11は、従来の反射型マスク110を用いたEUV露光の概念図である。図11に示す反射型マスク110は、基板111上に多層膜構造でEUV光を反射する反射層112を有し、反射層112上にEUV光を吸収する吸収層113からなる吸収体パターンが形成された構造となっている。反射型マスクに入射したEUV光115A、115Bは、反射層112では反射され、吸収層113では吸収され、反射されたEUV光116Aによりウェハ上に縮小転写パターン122が形成される。
EUV露光では、EUV光115(115A;115B)はEUVマスク110面に対し垂直な方向から数度(例えば、6度)傾いた方向から入射される。従って、吸収層113パターンの膜厚が厚いと、パターン自身の影が生じ、露光時に転写されたパターンのエッジ部分がぼけるなどのシャドーイングと呼ばれる現象により鮮明な転写像が得られなくなるため、パターン形成上、吸収層113の厚さは薄い方がより好ましい。この点から、吸収層113は、露光光の波長に対し、吸収係数が大きい方が有利であり、吸収層113の膜厚は、露光光であるEUV光115を十分に吸収できる厚さであって、かつ可能な限り薄い方が望ましい。
しかしながら、吸収層113の厚さを薄くした場合、以下のような露光フィールド境界部におけるレジストのオーバー露光の問題が生じる。
図11に示すように、EUV露光では、フォトマスクのステッパー露光と同様に、反射型マスク110上のパターン領域を、反射型マスク110上に設置されるブレード117によって矩形状の露光フィールドに区切り、ステップアンドリピート方式によりウェハ120に多面付け露光される。ここで、上述のように、吸収層113の膜厚を薄くした場合には、吸収層113からなる転写パターンから放射される第2の反射光116Bの強度が高まり、ブレード117境界近傍に相当する露光フィールド121外周の重なり部において、ウェハ120上のレジストが多重露光により、オーバー露光されてしまう。
図12は、EUV露光による上記の問題点の説明図であり、ウェハ120上に4つの露光フィールドが転写された状態を例示している。図12に示すように、ウェハ上のフィールド境界周辺では、露光時の隣り合うショットにより2重あるいは4重に露光が重なり合ってフィールド重なり部123となって多重露光されるために、レジストが不適切に感光しレジストダメージが生じる。例えば、ポジ型レジストを用いた場合、1回の露光ショットでは適正露光であっても、フィールド121が重なり合う部分のレジストは多重露光によりオーバー露光となり、レジスト現像後にレジストの膜減りの問題やパターン仕上がり寸法の変動の問題が生じる。
上記の露光フィールド121境界での遮光の問題を解決するために、マスクの転写パターン領域の周辺に遮光領域を設けた反射型マスクが提案されている(特許文献1参照)。ここで、上記の転写パターン領域とは、ウェハ等の被転写体に転写される露光フィールドに対応した反射型マスク上のパターン領域のことであり、上記の遮光領域とは、転写パターン領域の周囲に設けられたEUV光の反射を低減させた領域のことであり、遮光領域を設けることにより、ウェハ上で隣り合う露光フィールドの境界部におけるレジストのオーバー露光を防止する。
特許文献1には、遮光領域を設けたEUV露光用反射型マスクの代表的な例として、図9及び図10に示すような2つの方式が開示されている。図9に示す反射型マスク90は、転写パターン領域97の周囲の遮光領域98の吸収層を2段構造に積層(以後、吸収層積層方式とも言う)した反射型マスクであり、第1の吸収層93の上に、第2の吸収層96を設けて破線内に示す遮光領域98としている。図10に示す反射型マスク100は、転写パターン領域107の周囲の遮光領域の反射層102をエッチング加工で除去(以後、反射層加工方式とも言う)し、破線内に示す遮光領域108とした反射層加工方式の反射型マスクである。
特開2009−212220号公報
しかしながら、EUV用の遮光領域を形成するために、図9に示す吸収層を積層させて作成する上述の吸収層積層方式、あるいは図10に示す反射層を掘り込んで除去して作成する反射層加工方式による遮光領域を有する反射型マスクを製造するには、以下のような問題があった。
図9に示すような吸収層積層方式の反射型マスクの製造方法については、特許文献1において、吸収体パターンを構成する第1の吸収層93の上に、遮光領域98を構成する第2の吸収層96を積層し、第2の吸収層96の上に形成したレジストパターンをエッチングマスクにして、第2の吸収層96と第1の吸収層93をエッチング加工して、第2の吸収層96と第1の吸収層93の両方の厚さの転写パターンと遮光領域パターンを形成し、次いで、転写パターン領域97の第2の吸収層96からなる転写パターンのみを除去して上記のような吸収体積層方式の反射型マスクを得る方法が提案されている。
しかし、上記のように、第2の吸収層96と第1の吸収層93の両方をエッチング加工して転写パターンを形成することは、第1の吸収層のみをエッチング加工して転写パターンを形成することに比べて厚膜のエッチングとなり、エッチング時のレジストダメージによるマスクパターンの劣化が生じ、精度良く転写パターンを形成することは困難であった。また、第1の吸収層の転写パターンに損傷を与えずに、転写パターン領域97の第2の吸収層からなる転写パターンのみを除去することも困難であった。また、転写パターン領域97に転写すべきメインパターンを作成後に上部吸収層を作成する製造方法では、製造途中の洗浄プロセスで使用した硫酸イオンなどが基板上に残留して吸収体パターン作成時のレジストプロセスに影響し、寸法精度に悪影響を及ぼす問題が発生していた。
一方、図10に示す反射層を除去する反射層加工方式の反射型マスクについては、Mo層とSi層を交互に設けて一組の層とした40層(例えば、厚さ274nm)に及ぶ多層膜構造の反射層102を深掘りエッチングして、遮光領域108の反射層102を除去する必要があるが、この反射層の除去は容易ではなく、工程が長くなるという問題を生じていた。さらに、反射層加工方式の反射型マスクにおいては、反射層102を構成するMo層とSi層を交互に積層した多層膜の側面が、遮光領域108において露出した構造となるため、マスク洗浄時に露出している多層の反射層102の側面が損傷してしまう恐れや、多層の反射層102の一部が側面から溶出して転写パターンに欠陥が生じてしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、EUV露光用の反射型マスクの遮光領域の形成において、追加の吸収層を積層させたり、あるいは反射層をエッチング除去したりせずに、反射型マスク上の遮光領域の遮光性を高め、ウェハ上の露光フィールド境界部のオーバー露光を抑制できる遮光領域を有する反射型マスク及び反射型マスクの製造方法を提供することである。
本発明の請求項1の発明に係る反射型マスクは、基板と、前記基板の主面上に形成されたEUV光を反射する多層膜の反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収層で形成された吸収体パターンと、を少なくとも備えたEUV露光用の反射型マスクであって、前記吸収体パターンによって形成された転写パターン領域の周囲に、前記EUV光を遮光するための遮光領域が設けられており、前記遮光領域は、前記反射層の中間に設けた前記EUV光の位相を調整する位相調整層と、前記反射層上に設けた前記吸収層とを有し、前記遮光領域において、前記位相調整層より上側にある上部反射層で反射した前記EUV光と、前記位相調整層より下側にある下部反射層で反射した前記EUV光との位相差が、165度〜190度の範囲にあることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2の発明に係る反射型マスクは、請求項1に記載の反射型マスクにおいて、前記位相調整層が、シリコン(Si)膜よりなることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3の発明に係る反射型マスクは、請求項2に記載の反射型マスクにおいて、前記位相調整層のシリコン膜の厚みが、3.0nm〜3.6nmの範囲にあることを特徴とするものである。
本発明の請求項4の発明に係る反射型マスクは、請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスクにおいて、前記反射層が、シリコン(Si)膜とモリブデン(Mo)膜とを1ペアとし、交互に成膜した40ペアの多層膜で構成されており、前記位相調整層が、前記反射層への前記EUV光の入射側から10ペアから12ペアの範囲の多層膜の下側に接して設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5の発明に係る反射型マスクは、請求項1から請求項4までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスクにおいて、前記位相調整層が、前記位相調整層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、前記下部反射層を保護する第1のキャッピング層の上に設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6の発明に係る反射型マスクは、請求項1から請求項5までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスクにおいて、前記上部反射層の上に、前記吸収層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、前記上部反射層を保護する第2のキャッピング層が設けられていることを特徴とするものである。
本発明の請求項7の発明に係る反射型マスクは、請求項1から請求項6までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスクにおいて、前記第1のキャッピング層及び前記第2のキャッピング層が、ルテニウム(Ru)膜よりなることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項8の発明に係る反射型マスクの製造方法は、基板と、前記基板の主面上に形成されたEUV光を反射する多層膜の反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収層で形成された吸収体パターンと、を少なくとも備え、前記吸収体パターンによって形成された転写パターン領域の周囲に、前記EUV光を遮光するための遮光領域が設けられており、前記遮光領域は、前記反射層の中間に設けた前記EUV光の位相を調整する位相調整層と、前記反射層上に設けた前記吸収層とを有し、前記遮光領域において、前記位相調整層より上側にある上部反射層で反射した前記EUV光と、前記位相調整層より下側にある下部反射層で反射した前記EUV光との位相差が、165度〜190度の範囲にあるEUV露光用の反射型マスクの製造方法であって、前記基板上にシリコン(Si)膜とモリブデン(Mo)膜とを1ペアとし、前記Si膜とMo膜を交互に成膜して所定のペア数の前記下部反射層を形成する工程と、前記下部反射層上に前記位相調整層を成膜する工程と、前記位相調整層をパターンニングして前記遮光領域とする領域にパターンニングした位相調整層を形成する工程と、前記パターンニングした位相調整層を覆って前記Si膜と前記Mo膜とを交互に成膜して所定のペア数の前記上部反射層を形成する工程と、前記上部反射層上に前記吸収層を形成する工程と、前記吸収層をパターンニングして転写パターン領域及び遮光領域を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の請求項9の発明に係る反射型マスクの製造方法は、請求項8に記載の反射型マスクの製造方法において、前記下部反射層上に、前記位相調整層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、前記下部反射層を保護する第1のキャッピング層を設けてから前記位相調整層を成膜する工程を有することを特徴とするものである。
本発明の請求項10の発明に係る反射型マスクの製造方法は、請求項8または請求項9に記載の反射型マスクの製造方法において、前記上部反射層上に、前記吸収層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、前記上部反射層を保護する第2のキャッピング層を設けてから前記吸収層を形成する工程を有することを特徴とするものである。
本発明のEUV露光用の反射型マスクによれば、遮光領域となる反射層の中間に位相調整層を挿入することにより、位相調整層の上下の反射層において反射光の位相を望ましくは180度ずらし、打ち消しあうように調整することにより、EUV光の反射率を低減させ、良好な遮光特性を得ることができる。そのため、従来の吸収層を2層構造に積層した遮光領域や反射層をエッチング除去して作成した遮光領域を形成することによるメインパターンの加工精度低下や、欠陥を生じるなどの問題を発生せずに、良好な遮光特性を持つ反射型マスクを得ることができる。
本発明のEUV露光用反射型マスクの製造方法によれば、遮光領域を有するEUV露光用の反射型マスクの製造において、従来の吸収層を2層構造に積層した遮光領域や反射層をエッチング除去して作成した遮光領域を形成することによるメインパターンの加工精度低下や、欠陥を生じるなどの問題を発生せずに、良好な遮光特性を持つ高品質の反射型マスクを作製することができる。
本発明の反射型マスクの一例を示す図であり、図1(a)はマスク全体の平面模式図、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面模式図、図1(c)は図1(b)における位相調整層と上下の反射層の部分拡大図である。 本発明の反射型マスクの遮光領域における位相調整層の作用効果を説明する断面模式図である。 反射型マスクの反射層のペア数と反射率との関係を示すグラフである。 本発明の反射型マスクの遮光領域における位相調整層の厚みと反射率との関係を示すグラフである。 本発明の反射型マスクの遮光領域における位相調整層上の反射層のペア数と反射率との関係を示すグラフである。 本発明の反射型マスクの他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の反射型マスクの他の実施形態の遮光領域における位相調整層と上下の反射層を説明する断面模式図である。 本発明の反射型マスクの製造方法の一例を説明する工程断面模式図である。 従来の吸収層積層方式の遮光領域を有する反射型マスクの例を示す断面図である。 従来の反射層加工方式の遮光領域を有する反射型マスクの例を示す断面図である。 反射型マスクを用いたEUV露光の概念図である。 EUV露光の露光フィールド境界部における多重露光の説明図である。
以下、本発明の遮光領域を有する反射型マスク、及び反射型マスクの製造方法について、図面を参照しながら実施形態を説明する。
<反射型マスク>
(実施形態)
図1は、遮光領域を有する本発明の反射型マスク10の実施形態の一例を示す図であり、図1(a)はマスク全体の平面模式図、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面模式図、図1(c)は図1(b)の矩形破線内における位相調整層と上下の反射層の部分拡大図である。図1に示すように、反射型マスク10の一方の主面(表面)上には、転写パターン領域14と遮光領域15が形成されている。ここで、転写パターン領域14は、ウェハなどの被転写体に転写される露光フィールドに対応した反射型マスク10上のパターン領域であり、破線で示す枠内の矩形トラック状の遮光領域15は、転写パターン領域14の周辺に設けられたEUV光の反射を低減させた領域で、EUV露光時に多重露光となる領域に設けられている。例えば、外形6インチ角の反射型マスクにおいて、転写パターン領域14の面積は100mm×130mm程度であり、遮光領域15の幅は概ね2mm〜25mm程度である。なお、遮光領域15よりもさらに外側は、露光時に露光装置に備えられているブレードを用いて遮光することができる。
図1に示すように、本実施形態の反射型マスク10は、基板11の一方の主面(表面)上にEUV光を反射する多層の反射層12と、その反射層12上にEUV光を吸収する吸収層13で形成された吸収体パターン13aと、を少なくとも備え、吸収体パターン13aによって形成された転写パターン領域14の周囲に、EUV光を遮光するための遮光領域15が設けられている。遮光領域15は、反射層12の中間に設けたEUV光の位相を調整する位相調整層16と、反射層12上に設けた吸収層13とを有し、図1(c)に示すように、遮光領域15において、位相調整層16より上側のEUV光の入射光側にある上部反射層12aで反射したEUV光と、位相調整層16より下側の基板面側にある下部反射層12bで反射したEUV光との位相差が、165度〜190度の範囲にあるものである。遮光領域15の吸収層13の膜厚は、吸収体パターン13aの膜厚と同じである。
本発明において、位相調整層16より上側の反射層とは、位相調整層16を設けた後に形成する反射層であり、EUV光の入射光側にある反射層を意味する。また、位相調整層16より下側の反射層とは、位相調整層16を設ける前に形成する反射層であり、位相調整層16よりも基板面側にある反射層を意味する。なお、本発明の遮光領域を構成する位相調整層16は、遮光領域のみに限定されず、基板外周部の末端にまで延長されていてもよい。
本発明において、上記の位相調整層としては、シリコン(Si)膜が好ましい。通常、多用されているモリブデン(Mo)膜とシリコン(Si)膜からなる多層膜の反射層のSi膜と同一材料であり、反射層中に挿入し易く、屈折率がほぼ1で空気と同じであり、所定の位相差の制御が容易であるからである。Si膜を位相調整層とした場合、位相調整層の上下の反射光の位相差をほぼ180度とするための位相調整層の挿入位置と膜厚については後述する。
(作用効果)
本発明のEUVマスクにおいては、上記の従来の遮光領域のように、追加の吸収層を積層させたり、反射層をエッチング除去したりせず、位相調整層を設けることにより遮光領域を形成する。次に、図面に基づいて、本発明の反射型マスクの位相調整層の作用効果について説明する。
図2は、本発明の反射型マスクの遮光領域における位相調整層の作用効果を説明する断面模式図である。図1と同じ部位を示す場合には同じ符号を用いている。基板及び吸収層は省略してある。
図2において、反射型マスクに入射したEUV光は反射層12によって反射されるが、位相調整層のない転写パターン領域14では、入射したEUV光は反射層の各層で反射し、反射光R11、R12に例示されるように、反射層の各層で反射した反射光の位相はそろっており、通常の反射が行われる。
一方、位相調整層16を有する遮光領域15では、入射したEUV光は、位相調整層16より上側にある上部反射層12aで反射した反射光R21と位相調整層16より下側にある下部反射層12bで反射した反射光R22とを生じる。あらかじめ、上部反射層12aで反射した反射光R21と、下部反射層12bで反射した反射光R22との位相差を180度ずらすように設定しておくことにより、反射光は相互に打ち消しあい、遮光領域におけるEUV光の反射率を0に近づけることができ、良好な遮光特性が示される。
遮光領域の反射光の位相差は180度異ならせることが最も効果的であるが、本発明においては、遮光領域の反射層上には吸収体パターンを形成するときに成膜される吸収層も設けられているので、EUV光の反射光の位相差が165度〜190度の範囲であれば、遮光領域として十分な遮光効果を得ることができる。
本発明によれば、反射層によるEUV光の反射率を通常の60数%から、位相調整層を設けることにより数%以下に低減することができ、さらに遮光領域に吸収層を残すことで、遮光領域の反射率を0.1%〜0.3%程度に低下させることができる。
(位相調整層)
次に、本発明において、位相調整層を反射層の何層目に設けるのが好ましいかについて説明する。
図1に示す多層の反射層12は、EUV露光に用いられるEUV光を高い反射率で反射する材料が用いられ、通常、モリブデン(Mo)膜とシリコン(Si)膜からなる多層膜が多用されており、例えば、4.2nm厚のSi膜と2.8nm厚のMo膜とを1ペアとし、各40層(40ペア)積層した多層膜よりなる反射層が挙げられ、13.4nmのEUV光を入射角6.0度で入射したときの多層の反射層12の反射率は、通常、60%以上を示すように設定されている。
図3は、反射層がSi膜とMo膜とを1ペアとし、Si膜とMo膜を交互に成膜した多層膜で構成した場合の反射型マスクにおける、反射層のペア数とEUV光の反射率との関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。ここで、消衰係数としては、Siが0.0025、Moが0.00646、屈折率は、Siが0.999、Moが0.921を用いた。
図3に示すように、通常多用されている反射層40ペアで反射率63%程度、10ペアで反射率約30%、12ペアで反射率34%程度なので、EUV光の入射側から数えて反射層が10ペアから12ペア付近に位相調整層を挟めば、位相調整層の上下の反射層の反射率強度がほぼ等しくつり合って、遮光領域の反射率は最低になる。
次に、本発明において、位相調整層の好ましい膜厚について説明する。
図4は、本発明の反射型マスクの遮光領域において、位相調整層としてシリコン(Si)膜を用いた場合の位相調整層の厚みと反射率との関係を示すグラフであり、EUV光の入射側から数えて反射層が10ペアの下側に接してSi膜の位相調整層を設けた場合である。
図4に示されるように、位相調整層のSi膜の厚み3.0nm〜3.6nmにおいてEUV光の反射率は3%〜8%の範囲で10%以下となり、厚み3.4nmにおいてEUV光の反射率は3%と最低となり、位相差は180度となる。本発明においては、位相調整層の厚みが3.0nm〜3.6nmの範囲を好ましいとするものである。位相調整層の厚みが3.0nm未満もしくは3.8nmを超えると、EUV光の反射率が高くなり、遮光効果が低下してくるからである。
図5は、本発明の反射型マスクの遮光領域において、位相調整層として厚み3.4nmのSi膜を用いた場合の位相調整層上の反射層(上部反射層)のペア数と反射率との関係を示すグラフである。
図5に示されるように、位相調整層上の反射層(上部反射層)のペア数は、10ペアから12ペアの範囲において、反射率は2%〜6%と極めて低反射となり、遮光特性が高いことが示される。本発明においては、位相調整層が、反射層へのEUV光の入射側から10ペアから12ペアの範囲の多層膜の下側に接して設けられていることを好ましい実施形態とするものである。
(実施形態の他の例)
本発明の実施形態の他の例について説明する。
図6は、本発明の反射型マスクの他の実施形態である。図1と同じ部位を示す場合には同じ符号を用いている。図6に示す反射型マスク20は、位相調整層16をパターンニングするときのエッチング停止層となり、下部反射層12bを保護する第1のキャッピング層17の上に、位相調整層16が設けられているものである。転写パターン領域14では、第1のキャッピング層17の上下の反射層(上部反射層12aと下部反射層12b)で反射光の位相がずれないことが必要である。遮光領域15では、位相調整層16の上側にある上部反射層12aと位相調整層16の下側でキャッピング層17の下にある下部反射層12bとで、反射光の位相差が165度〜190度の範囲にある反射型マスクである。
また、図6に示す反射型マスク20は、上部反射層12aの上に、吸収層13をパターンニングするときのエッチング停止層となり、上部反射層12aを保護する第2のキャッピング層18が設けられているものである。
多層の反射層12の反射率を高めるには屈折率の大きいMoを最上層とするのが好ましいが、Moは大気で酸化され易くて反射率が低下するので、酸化防止やマスク洗浄時における保護のための保護膜として、スパッタリング法などによりSiやRuを成膜し、キャッピング層を設けることがある。Ruをキャッピング層とした場合には、後述のバッファ層を用いない構造とすることができる。
本発明の反射型マスクにおいて、上記の第1のキャッピング層及び第2のキャッピング層の材料としては、ルテニウム(Ru)の薄膜が好ましい。上記のように、Ru膜は位相調整層や吸収層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、Ru膜は2.5nm〜2.8nm程度の薄い膜厚で用いることができ、Ru膜の上下の反射層で反射光の位相がそろう厚みでの、反射率の低下が少ないからである。
図7は、本発明の反射型マスクの他の実施形態の遮光領域における位相調整層と上下の反射層を説明する断面模式図であり、反射層が10ペアの下に位相調整層を挿入した場合の例である。図7において吸収層及び基板は省略してある。図1と同じ部位を示す場合には、同じ符号を用いている。遮光領域において第1のキャッピング層17の上に位相調整層16を設け、上部反射層12aの上に第2のキャッピング層18を設けた反射型マスクの位相調整層と上下の反射層の周辺を示す断面模式図である。図7(a)は概要断面図であり、図7(b)は、図7(a)の円で囲った位相調整層16周辺の部分拡大模式図である。第1のキャッピング層17の上に設けられた位相調整層16は、上側にSi膜4.2nmとMo膜2.8nmを1ペアとする10ペアの多層膜の反射層のSi膜と接し、位相調整層としてのSi膜の厚みは3.4nmである。
(反射型マスクの構成要素と材料)
本発明の反射型マスクは、上記の位相調整膜及びキャッピング層以外の他の構成要素、材料として、従来の反射型マスクの構成要素、材料を適用することが可能であるが、図1を用いて以下に説明する。
(基板)
図1に示す本発明の反射型マスク10の基板11としては、パターン位置精度を高精度に保持するために低熱膨張係数を有し、高反射率および転写精度を得るために平滑性、平坦度が高く、マスク製造工程の洗浄などに用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましく、石英ガラス、SiO2−TiO2系の低熱膨張ガラス、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスなどのガラス基板、さらにはシリコンを用いることもできる。マスクブランクスの平坦度としては、例えば、パターン領域において50nm以下が求められている。
(反射層)
上記のように、図1に示す多層の反射層12は、EUV露光に用いられるEUV光を高い反射率で反射する材料が用いられ、MoとSiからなる多層膜が多用されており、例えば、4.2nm厚のSiと2.8nm厚のMoとを各40層積層した多層膜よりなる反射層が挙げられる。それ以外には、特定の波長域で高い反射率が得られる材料として、Ru/Si、Mo/Be、Mo化合物/Si化合物、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜およびSi/Ru/Mo/Ru周期多層膜なども用いることができる。ただし、材料によって最適な膜厚は異なる。
MoとSiからなる多層膜の場合、DCマグネトロンスパッタ法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でSi膜を成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でMo膜を成膜し、これを1周期として、30〜60周期、好ましくは40周期積層されて、多層の反射層が得られる。
(吸収層)
図1に示すように、マスクの転写パターン領域14において吸収体パターン13aを形成し、EUV光を吸収する吸収層13の材料としては、Ta、TaB、TaBNなどのTaを主成分とする材料、Cr、Crを主成分としN、O、Cから選ばれる少なくとも1つの成分を含有する材料などが、膜厚30nm〜100nm程度の範囲、より好ましくは50nm〜85nmの範囲で用いられる。吸収体パターン13aは、公知のリソグラフィ方法で形成される。
(他の構成要素)
本発明の反射型マスクは、上記の構成要素に加えて、他の構成要素が用いられていてもよい。すなわち、本発明の反射型マスクは、吸収体パターン13aを形成する吸収層13が必ずしも多層の反射層12に直接に接していなくてもよい。吸収層13をパターン状にドライエッチングする時に下層の多層の反射層12に損傷を与えるのを防止するために、通常、反射層12と吸収層13との間にバッファ層(不図示)が設けられる。また、マスク検査時の検査光の反射コントラストを上げるために、吸収層13の上に反射防止層(不図示)を設ける場合もある。以下に、上記の他の構成要素の材料について説明する。
(バッファ層)
EUV露光に用いられるEUV光を吸収する吸収層13をドライエッチングなどの方法でパターンエッチングして吸収体パターン13aを形成するときに、下層の多層の反射層12に損傷を与えるのを防止するために、必要に応じてCrNなどを用いてバッファ層が設けられる。Ruをキャッピング層とした場合には、バッファ層を用いない構造とすることができる。
(反射防止層)
また、マスクパターン検査時の検出感度を上げるために、吸収層13上に検査光(波長250nm)に対して低反射とした反射防止層を設ける場合もある。反射防止層の材料としては、例えば、タンタルの酸化物(TaO)、酸窒化物(TaNO)、タンタルホウ素酸化物(TaBO)などが挙げられ、膜厚5nm〜30nm程度の範囲で用いられる。
(導電層)
EUV露光用の反射型マスクでは、マスクを露光装置に設置する場合、通常、マスクのパターンと反対側の主面(裏面)上に設けた導電層を用いて静電チャックで行われる。導電層の材料としては、導電性を示す金属や金属窒化物などの薄膜を設けたものであり、例えば、クロム(Cr)や窒化クロム(CrN)などを厚さ20nm〜150nm程度に成膜して用いられる。
本発明のEUV露光用の反射型マスクによれば、遮光領域となる反射層の中間に位相調整層を挿入することにより、位相調整層の上下でEUV光の反射光の位相を望ましくは180度ずらし、打ち消しあうように調整することにより、EUV光の反射率を低減させ、さらに吸収層を併用することにより、良好な遮光特性を得ることができる。そのため、従来の吸収層を2層構造に積層した遮光領域や反射層をエッチング除去して作成した遮光領域を形成することによるメインパターンの加工精度低下や、欠陥を生じるなどの問題を発生せずに、良好な遮光特性を持つ反射型マスクを得ることができる。
<反射型マスクの製造方法>
次に、本発明のEUV露光用の反射型マスクの製造方法について説明する。図8は、図6に示す本発明の反射型マスクの製造方法の一例を説明する工程断面模式図である。
図8において、図6と同じ部位と材料を示す場合には、同じ符号を用いている。なお、本発明の製造方法における反射型マスクの各構成要素、材料は、上記の反射型マスクに記載した内容と同様であるので、説明は省略する。
先ず、基板11を準備し、図8(a)に示すように、基板11の一方の主面上に、シリコン(Si)膜とモリブデン(Mo)膜とを1ペアとし、Si膜とMo膜を交互に成膜して所定のペア数の下部反射層12bを形成する。
次に、図8(b)に示すように、下部反射層12b上に第1のキャッピング層17を成膜し、次いで位相調整層16を成膜する。
次に、上記の位相調整層16をパターンニングして、図8(c)に示すように、遮光領域とする領域にパターンニングした位相調整層16を形成する。パターンニングは、従来公知のリソグラフィ技術が用いられる。例えば、位相調整層上に電子ビームレジストを塗布してレジスト膜を形成し、電子ビームでパターン露光し、現像した後、レジスト膜をマスクにして露出した位相調整層をドライエッチングし、遮光領域にパターンニングした位相調整層16を形成する。
次に、図8(d)に示すように、パターンニングした位相調整層16を覆って、再び反射膜となるSi膜とMo膜とを交互に成膜して所定のペア数の上部反射層12aを形成し、次いで、上部反射層12a上に第2のキャッピング層18を形成する。
次に、図8(e)に示すように、上記の第2のキャッピング層上に吸収層13を成膜して形成する。
次に、吸収層13上に電子ビームレジストを塗布し、電子ビーム露光して転写パターン領域14にレジストパターン71を形成し、吸収層13をドライエッチングして転写パターン領域14に吸収体パターン13aを形成し、レジストパターンを剥離し、図8(f)に示すように、転写パターン領域14及び遮光領域15を有する本発明のEUV露光用の反射型マスク20が得られる。
本発明のEUV露光用反射型マスクの製造方法によれば、遮光領域を有するEUV露光用の反射型マスクの製造において、従来の吸収層を2層構造に積層した遮光領域や反射層をエッチング除去して作成した遮光領域を形成することによるメインパターンの加工精度低下や、欠陥を生じるなどの問題を発生せずに、良好な遮光特性を持つ高品質の反射型マスクを作製することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく述べる。
基板として、光学研磨された大きさ6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板を用い、基板の一方の主面上に、イオンビームスパッタ法により、Siターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜して、これを1ペアとして30ペア積層してMoとSiの多層膜よりなる下部反射層を形成した。
次に、上記の下部反射層の最表面のSi膜の上にRu膜を2.5nmの厚みにスパッタリング法で成膜して第1のキャッピング層を形成した。第1のキャッピング層のRu膜は位相調整層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、下部反射層を保護するものである。
次に、Ru膜よりなる第1のキャッピング層上に位相調整層としてSi膜を3.4nmの厚みに成膜した。次に、位相調整層としてのSi膜上に電子ビームレジストを塗布してレジスト膜を形成し、電子ビームで遮光領域をパターン露光し、現像し、レジスト膜をマスクにして露出した位相調整層をCF4ガスでドライエッチングした後、レジスト膜を剥離し、遮光領域にパターンニングした位相調整層を形成した。
次に、パターンニングした位相調整層を覆って、再び、Si膜を厚み4.2nm、Mo膜を厚み2.8nmと交互に成膜して10ペアの上部反射層を形成し、この上部反射層上に第2のキャッピング層のRu膜を2.5nm成膜した。第2のキャッピング層のRu膜は、吸収層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、上部反射層を保護するものである。
次に、第2のキャッピング層のRu膜上に、DCマグネトロンスパッタ法によりTaターゲットを用いて、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、TaN膜を60nmの厚さで成膜し吸収層を形成した。
次に、上記の吸収層TaN膜の上に電子ビーム用レジストを塗布し、電子ビーム描画装置を用いて転写パターン領域にマスクパターンを描画し、現像してレジストパターンを形成した。
次に、上記のレジストパターンの開口部から露出する吸収層のTaN膜をCl2ガスでドライエッチングして、転写パターン領域に吸収体パターンを形成し、次いでレジストパターンを剥離し、転写パターン領域の周囲に遮光領域を有する反射型マスクを得た。
本実施例の反射型マスクは、反射層の中間に位相調整層を設けて遮光領域とし、遮光領域において、位相調整層より上側にある上部反射層で反射したEUV光と、位相調整層より下側にある下部反射層で反射したEUV光との位相差が、ほぼ180度となるようにして、反射光が相互に打ち消しあって反射率が0に近づき、遮光領域の吸収層と合わせて良好な遮光特性を得ることができた。
10、20 反射型マスク
11 基板
12 反射層
12a 上部反射層
12b 下部反射層
13 吸収層
13a 吸収体パターン
14 転写パターン領域
15 遮光領域
16 位相調整層
17 第1のキャッピング層
18 第2のキャッピング層
115A、115B EUV入射光
116A、116B EUV反射光
117 ブレード
120 ウェハ
121 フィールド
122 転写パターン
90、100、110 反射型マスク
91、101、111 基板
92、102、112 反射層
93、103、113 吸収層
97、107 転写パターン領域
98、108 遮光領域

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板の主面上に形成されたEUV光を反射する多層膜の反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収層で形成された吸収体パターンと、を少なくとも備えたEUV露光用の反射型マスクであって、
    前記吸収体パターンによって形成された転写パターン領域の周囲に、前記EUV光を遮光するための遮光領域が設けられており、
    前記遮光領域は、前記反射層の中間に設けた前記EUV光の位相を調整する位相調整層と、前記反射層上に設けた前記吸収層とを有し、
    前記遮光領域において、前記位相調整層より上側にある上部反射層で反射した前記EUV光と、前記位相調整層より下側にある下部反射層で反射した前記EUV光との位相差が、165度〜190度の範囲にあることを特徴とする反射型マスク。
  2. 前記位相調整層が、シリコン(Si)膜よりなることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスク。
  3. 前記位相調整層のシリコン膜の厚みが、3.0nm〜3.6nmの範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の反射型マスク。
  4. 前記反射層が、シリコン(Si)膜とモリブデン(Mo)膜とを1ペアとし、交互に成膜した40ペアの多層膜で構成されており、前記位相調整層が、前記反射層への前記EUV光の入射側から10ペアから12ペアの範囲の多層膜の下側に接して設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスク。
  5. 前記位相調整層が、前記位相調整層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、前記下部反射層を保護する第1のキャッピング層の上に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスク。
  6. 前記上部反射層の上に、前記吸収層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、前記上部反射層を保護する第2のキャッピング層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスク。
  7. 前記第1のキャッピング層及び前記第2のキャッピング層が、ルテニウム(Ru)膜よりなることを特徴とする請求項1から請求項6までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスク。
  8. 基板と、前記基板の主面上に形成されたEUV光を反射する多層膜の反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収層で形成された吸収体パターンと、を少なくとも備え、前記吸収体パターンによって形成された転写パターン領域の周囲に、前記EUV光を遮光するための遮光領域が設けられており、
    前記遮光領域は、前記反射層の中間に設けた前記EUV光の位相を調整する位相調整層と、前記反射層上に設けた前記吸収層とを有し、前記遮光領域において、前記位相調整層より上側にある上部反射層で反射した前記EUV光と、前記位相調整層より下側にある下部反射層で反射した前記EUV光との位相差が、165度〜190度の範囲にあるEUV露光用の反射型マスクの製造方法であって、
    前記基板上にシリコン(Si)膜とモリブデン(Mo)膜とを1ペアとし、前記Si膜とMo膜を交互に成膜して所定のペア数の前記下部反射層を形成する工程と、
    前記下部反射層上に前記位相調整層を成膜する工程と、
    前記位相調整層をパターンニングして前記遮光領域とする領域にパターンニングした位相調整層を形成する工程と、
    前記パターンニングした位相調整層を覆って前記Si膜と前記Mo膜とを交互に成膜して所定のペア数の前記上部反射層を形成する工程と、
    前記上部反射層上に前記吸収層を形成する工程と、
    前記吸収層をパターンニングして転写パターン領域及び遮光領域を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする反射型マスクの製造方法。
  9. 前記下部反射層上に、前記位相調整層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、前記下部反射層を保護する第1のキャッピング層を設けてから前記位相調整層を成膜する工程を有することを特徴とする請求項8に記載の反射型マスクの製造方法。
  10. 前記上部反射層上に、前記吸収層をパターンニングするときのエッチング停止層となり、前記上部反射層を保護する第2のキャッピング層を設けてから前記吸収層を形成する工程を有することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の反射型マスクの製造方法。
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