以下、本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法を具体化した一実施の形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態の運転支援装置及び運転支援方法が適用される車両は、支援対象とされる車両の周辺に存在する人物や車両等の移動体である対象物の情報を取得する移動体情報取得部100を有している。また、車両は、当該車両の状態に関する情報を取得する車両状態取得部110を有している。
移動体情報取得部100は、車両に搭載されて該車両の周辺環境を撮像する車載カメラ101、支援対象となる車両の周辺に存在する物体を検知するミリ波レーダ102、無線通信機能を有する通信部103を備えている。
車載カメラ101は、ルームミラーの裏側に設置された光学式のCCDカメラなどにより車両前方の所定範囲を撮像する。車載カメラ101は、撮像した撮像画像に基づく画像信号を運転支援部200に出力する。
ミリ波レーダ102は、例えば、支援対象となる車両の周辺に存在する物体と該車両との距離を測定する距離測定機能や、物体と該車両との相対速度を測定する速度測定機能を有している。ミリ波レーダ102は、該車両の周辺に存在する物体を検出すると、検出結果を示す信号を運転支援部200に出力する。
通信部103は、例えば、支援対象となる車両の周辺に存在する他車両との車車間通信を通じて、他車両の走行速度や緯度経度を示す情報を取得する。通信部103は、取得した情報を運転支援部200に出力する。また、通信部103は、道路に設けられる光ビーコンアンテナとの路車間通信を行う。通信部103は、光ビーコンアンテナとの路車間通信を通じて、インフラ情報信号を取得する。通信部103は、インフラ情報信号を受信すると、受信したインフラ情報信号を運転支援部200に出力する。なお、インフラ情報信号には、例えば、交差点までの距離や交差点に設けられた信号機の信号サイクルや道路線形、及び光ビーコンアンテナが設けられている道路の道路状況(交差点形状、曲率、勾配、車線数を含む)が含まれる。また、インフラ情報信号には、道路に付随した付随情報や、地上設備等により検出された交差点周辺の他車両などの移動体の情報も含まれる。
車両状態取得部110は、例えば、アクセルセンサ111、ブレーキセンサ112、加速度センサ113、ジャイロセンサ114、及び車速センサ115等によって構成されている。各センサ111〜115は、当該センサ111〜115の検出結果に基づき運転支援を行う運転支援部200に電気的に接続されている。
アクセルセンサ111は、ドライバによるアクセルペダルの操作によって変化するアクセルの踏込み量を検出し、この検出したアクセルの踏込み量に応じた信号を車載の運転支援部200に出力する。ブレーキセンサ112は、ドライバによるブレーキペダルの操作の有無を検出し、この検出した操作の有無に応じた信号を運転支援部200に出力する。加速度センサ113は、車両の加速度を検出し、この検出した加速度に応じた信号を運転支援部200に出力する。ジャイロセンサ114は、車両進行方向を検出し、この検出した進行方向に応じた信号を運転支援部200に出力する。車速センサ115は、車両の速度である車速を検出し、この検出した車速に応じた信号を運転支援部200に出力する。
移動体位置算出部120は、支援対象となる車両の進行方向前方を走行する先行車両等の第1の移動体の位置や速度等を求める先行車両特定部121を有している。また、移動体位置算出部120は、支援対象となる車両の進行方向前方とは異なる方向から進行する歩行者等の第2の移動体の位置や速度等を求める歩行者特定部122を有している。
先行車両特定部121は、例えば、車載カメラ101から入力された画像信号が示す撮像画像を解析することにより、支援対象となる車両の進行方向前方を走行する先行車両等の第1の移動体の存在を検知し、検知した第1の移動体の位置を特定する。
また、先行車両特定部121は、例えば、ミリ波レーダ102から入力された信号から、第1の移動体から支援対象となる車両までの距離、及び該移動体の移動速度を求める。また、先行車両特定部121は、例えば、ミリ波レーダ102から入力された信号に基づき、第1の移動体の移動方向を特定する。さらに、先行車両特定部121は、通信部103からインフラ情報が入力されると、このインフラ情報に基づき、第1の移動体から支援対象となる車両までの距離、移動体の移動速度、及び移動体の移動方向を特定する。先行車両特定部121は、特定結果を示す信号を運転支援部200に出力する。
また同様に、歩行者特定部122は、車両状態取得部110が取得した情報に基づき、支援対象となる車両の進行方向とは異なる方向から該車両に接近する歩行者等の第2の移動体の位置、移動速度、移動方向、及び該車両から該第2の移動体までの距離等を特定する。そして、歩行者特定部122は、特定結果を示す信号を運転支援部200に出力する。
なお、こうした移動体の特定は、例えば、車載カメラ101の撮像結果、ミリ波レーダ102から入力される信号、及び通信部103から入力されるインフラ情報の少なくとも一つに基づいて行われる。
運転支援部200は、支援対象となる車両とその周辺に存在する移動体との衝突を回避するための衝突回避支援を行う。運転支援部200は、支援対象となる車両やその周辺に存在する移動体が特定の地点に到達するまでの時間を算出する時間算出部201を有している。また、運転支援部200には、各種情報をドライバに伝達する車載のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)300、及び介入制動を行う車載の介入制御装置310が接続されている。なお、本実施の形態では、HMI300及び介入制御装置310により支援要素が構成される。
本実施の形態の時間算出部201は、支援対象となる車両の周辺に存在する2以上の移動体の移動軌跡が交差する交差地点に各移動体が到達するまでの時間を予測する先行車両予測部210を有している。
先行車両予測部210は、支援対象となる車両の進行方向の前方を進行する先行車両等の第1の移動体と、該進行方向とは異なる方向から進行する歩行者や他車両等の第2の移動体とに関する到達時間を算出する。なお、例えば第2の移動体は、第1の移動体とは異なる方向から先行車両に接近し、先行車両の前方もしくは後方を横断することが予測される移動体である。
先行車両予測部210は、先行車両等の第1の移動体の将来の移動軌跡と歩行者等の第2の移動体の将来の移動軌跡とが交差する交差地点に第1の移動体が到達する第1の時間TTC(Time To Collision)を算出するTTC算出部211を有している。
また、先行車両予測部210は、支援対象となる車両の進行方向前方を横断することが予測される歩行者等の第2の移動体が交差地点に到達する第2の時間TTV(Time To Vehicle)を算出するTTV算出部212を有している。
TTC算出部211は、第1の移動体の走行速度を「V」、第1の移動体に対する第2の移動体の相対位置を「x」、及び第2の移動体の速度を「vx」とするとき、以下の式(1)に基づき第1の時間TTCを算出する。
TTC=x/(V−vx) …(1)
なお、TTC算出部211は、先行車両等の第1の移動体の走行速度「V」を、移動体情報取得部100が取得した情報に基づき求める。また、TTC算出部211は、歩行者等の第2の移動体の位置「x」及び第2の移動体の速度「vx」を、移動体情報取得部100が取得した情報に基づき求める。
TTV算出部212は、歩行者等の第2の移動体に対する自車両の相対位置を「y」、及び第2の移動体の速度を「vy」とするとき、以下の式(2)に基づき第2の時間TTVを算出する。
TTV=y/(vy) …(2)
なお、TTV算出部212は、第1の移動体に対する第2の移動体の相対位置「y」、及び該第2の移動体の速度「vy」を、移動体情報取得部100から入力された信号に基づいて求める。
TTC算出部211及びTTV算出部212は、算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVを示す情報を、支援対象となる車両に対する衝突回避支援の抑制を行う支援抑制部220に出力する。
支援抑制部220は、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率を算出する比率算出部221と、比率算出部221が算出した比率に基づき衝突回避支援の抑制の要否を判定する抑制判定部222とを有している。
比率算出部221は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVを示す情報が入力されると、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率を算出する。本実施の形態の比率算出部221は、例えば、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率を以下の式(A)に基づいて算出する。
比率=第2の時間TTV/第1の時間TTC …(A)
上記式(A)に示されるように、本実施の形態では、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率は、第2の移動体に基づく第2の時間TTVを、第1の移動体に基づく第1の時間TTCで割った値に相当する。
比率算出部221は、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率を算出すると、算出した比率を示す情報を抑制判定部222に出力する。抑制判定部222は、入力された情報が示す比率が、「1」未満であるか否かを判定する。
ここで、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であるとき、第1の時間TTCの絶対値は第2の時間TTVの絶対値よりも大きくなる。つまり、第1の移動体の将来の移動軌跡と第2の移動体の将来の移動軌跡とが交差する交差地点には、歩行者等の第2の移動体が第1の移動体よりも先に到達することとなる。そして、第2の移動体が交差地点を通過した後に第1の移動体が該交差地点に到達することとなる。このため、歩行者等の第2の移動体は、支援対象となる車両の先行車両の前方を横断することとなり、該車両とその先行車両と間を歩行者等の第2の移動体が横断することはない。
逆に、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」以上であるとき、第1の時間TTCの絶対値は第2の時間TTVの絶対値よりも小さくなる。つまり、第1の移動体の将来の移動軌跡と第2の移動体の将来の移動軌跡とが交差する交差地点には、支援対象となる車両の先行車両等の第1の移動体が第2の移動体よりも先に到達することとなる。そして、第1の移動体が交差地点を通過した後に第2の移動体が該交差地点に到達することとなる。このため、歩行者等の第2の移動体は、支援対象となる車両の進行方向前方に現れる可能性が高くなる。
よって、抑制判定部222は、入力された情報が示す比率が、「1」未満であるとき、第2の移動体と支援対象となる車両との衝突を回避するための衝突回避支援の抑制が必要であると判定する。逆に、抑制判定部222は、入力された情報が示す比率が、「1」以上であるとき、第2の移動体と支援対象となる車両との衝突を回避するための衝突回避支援の抑制が不要であると判定する。
抑制判定部222は、抑制「要」と判定したとき、第2の移動体に対する衝突回避支援を抑制するための抑制指令を、衝突回避支援の制御を行う支援制御部242に出力する。なお、このとき抑制判定部222は、先行車両予測部210から入力された第1の時間TTC及び第2の時間TTVを示す情報を支援制御部242に出力する。
一方、支援制御部242は、抑制「否」と判定したとき、第2の移動体に対する衝突回避支援の発動を要請する要請指令を自車両予測部230に出力する。
自車両予測部230は、支援対象となる車両の将来の移動軌跡と先行車両等の上記第2の移動体の将来の移動軌跡とが交差する交差地点に支援対象となる車両が到達する第3の時間TTCを算出するTTC算出部231を有している。また、自車両予測部230は、支援対象となる車両の将来の移動軌跡と歩行者等の上記第2の移動体の将来の移動軌跡とが交差する交差地点に第2の移動体が到達する第4の時間TTVを算出するTTV算出部232を有している。
TTC算出部231は、支援対象となる車両の進行方向前方に先行車両が存在しないときに、支援対象となる車両の状態に関する情報が車両状態取得部110から入力されると、第3の時間TTCを算出する。また、TTC算出部231は、支援対象となる車両の進行方向前方に先行車両が存在するときであっても、要請指令が抑制判定部222から入力されると、第3の時間TTCを算出する。
TTC算出部231は、支援対象となる車両の走行速度を「V」、第2の移動体の支援対象となる車両との相対位置を「x」、及び第2の移動体の速度を「vx」とするとき、以下の式(3)に基づき第3の時間TTCを算出する。
TTC=x/(V−vx) …(3)
なお、TTC算出部231は、支援対象となる車両の走行速度「V」を、車速センサ115等の検出結果に基づき求める。また、TTC算出部231は、第2の移動体の位置「x」及び移動体の速度「vx」を、移動体情報取得部100から入力された信号に基づいて求める。
そして、TTC算出部231は、算出した第3の時間TTCを示す情報を支援制御部242に出力する。
なお、第3の時間TTCは、上記第1の時間TTCに相当する時間である。よって、支援対象となる車両の進行方向前方に先行車両が存在するときに要請指令が抑制判定部222から入力されると、第1の時間TTCに相当する時間が再算出されることとなる。
TTV算出部232は、支援対象となる車両の進行方向前方に先行車両が存在しないときに、歩行者等の第2の移動体の位置、速度等に関する情報が歩行者特定部122から入力されると、第4の時間TTVを算出する。また、TTV算出部232は、支援対象となる車両の進行方向前方に先行車両が存在するときであっても、要請指令が抑制判定部222から入力されると第4の時間TTVを算出する。そして、TTV算出部232は、算出した第4の時間TTVを示す情報を支援制御部242に出力する。
TTV算出部232は、第2の移動体に対する支援対象となる車両の相対位置を「y」、及び第2の移動体の速度を「vy」とするとき、以下の式(4)に基づき第4の時間TTVを算出する。
TTV=y/(vy) …(4)
なお、TTV算出部232は、支援対象となる車両に対する第2の移動体の相対位置「y」、及び第2の移動体の速度「vy」を、移動体情報取得部100から入力された信号に基づいて求める。
なお、第4の時間TTVは、上記第2の時間TTVに相当する時間である。よって、支援対象となる車両の進行方向前方に先行車両が存在するときに要請指令が抑制判定部222から入力されると、第2の時間TTVに相当する時間が再算出されることとなる。
支援制御部242は、第3の時間TTC及び第4の時間TTVを示す情報が入力されると、マップ記憶部241に記憶されているマップを参照して、歩行者等の第2の移動体と支援対象となる車両との衝突を回避するための衝突回避支援の要否を判定する。
支援制御部242は、衝突回避支援「要」と判定したとき、第3の時間TTC及び第4の時間TTVに基づき支援態様を決定する。本実施の形態の支援制御部242は、例えば、第3の時間TTC及び第4の時間TTVに基づき、HMI300及び介入制御装置310のうちから支援要素を選択する。支援制御部242は、選択した支援要素に対する制御信号を生成する。支援制御部242は、制御信号として、例えば、HMI300による警告を発動させるための警告指示信号を生成する。そして、支援制御部242は、生成した警告指示信号をHMI300に出力する。警告指示信号には、例えば、支援対象となる車両との衝突が予測される移動体の位置、移動体までの距離、及び衝突までの予測時間等が含まれる。
また、支援制御部242は、介入制御装置310による介入制動を実行させるための介入制動情報を生成する。そして、支援制御部242は、生成した介入制動情報を介入制御装置310に出力する。介入制動情報には、例えば、支援対象となる車両と第2の移動体との衝突を回避するために必要な減速量を示す情報等が含まれている。
なお、支援制御部242は、支援抑制部220から抑制指令が入力されると、第2の移動体を回避対象とした警告指示信号及び介入制動情報の出力を停止する。そして、支援制御部242は、HMI300及び介入制御装置310による支援動作を停止させるための停止指令をHMI300及び介入制御装置310に出力する。これにより、HMI300及び介入制御装置310による支援量が「0」となる。
また、支援制御部242は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVを示す情報と抑制指令とが支援抑制部220から入力されると、マップ記憶部241に記憶されているマップを参照して、先行車両等の第1の移動体と支援対象となる車両との接近を回避するための警告の要否を判定する。そして、支援制御部242は、例えば、警告「要」と判定したとき、先行車両との接近を報知する警告を、HMI300を介して行う。
HMI300は、例えば、音声装置、ヘッド・アップ・ディスプレイ、ナビゲーションシステムのモニタ、及びメータパネル等によって構成されている。HMI300は、支援制御部242から警告指示信号が入力されると、例えば、進行方向前方に人物や車両が存在することをドライバに警告したり、ヘッド・アップ・ディスプレイ等に警告文を表示したりする。
なお、HMI300は、警告動作中、すなわち衝突回避支援の実行中に、支援制御部242から停止指令が入力されると、警告動作を停止する。これにより、一旦発動した衝突回避支援が解除される。また、これにより、HMI300による支援量が「0」となる。
介入制御装置310は、例えば、車両のブレーキアクチュエータを制御するブレーキ制御装置、ステアリングアクチュエータを制御するステアリング制御装置等の各種制御装置等を制御可能な装置である。介入制御装置310は、支援制御部242から介入制動情報が入力されると、介入制動情報に基づきブレーキ制御装置等を制御する。これにより、車両の走行速度が低下すると第3の時間TTCと第4の時間TTVとの相対関係が変化し、支援対象となる車両が交差地点に到達する以前に歩行者等の第2の移動体が交差地点を通過することとなる。すなわち、支援対象となる車両と第2の移動体との異常接近が抑止される。
なお、介入制御装置310は、介入制動中、すなわち衝突回避支援の実行中に、支援制御部242から停止指令が入力されると、介入制動を停止する。これにより、一旦発動した衝突回避支援が解除される。また、これにより、介入制御装置310による支援量が「0」となる。
次に、図2〜図5を参照して、本実施の形態の運転支援装置及び運転支援方法による衝突回避支援態様を詳述する。
図2に例示するように、信号機SGが設置された交差点SCに支援対象となる車両Crの進行方向前方に先行車両Cfが存在し、各先行車両Cf、Cfの進行方向に交差する方向から歩行者Tgが交差点SCに向かっていたとする。
なお、ここでの例では、先行車両Cfが第1の移動体に相当し、歩行者Tgが第2の移動体に相当する。
また、先行車両Cfと歩行者Tgとの交差地点Poに先行車両Cfが到達する時間が、上記第1の時間TTCに相当する。また、歩行者Tgが交差地点Poに到達する時間が、上記第2の時間TTVに相当する。つまり、交差地点Poは、予想される先行車両Cfの移動軌跡と予想される移動体の移動軌跡との交点である。
また、支援対象となる車両Crと歩行者Tgとの交差地点Poに車両Crが到達する時間が、上記第3の時間TTCに相当する。また、これに対し、歩行者Tgが交差地点Poに到達する時間が、上記第4の時間TTVに相当する。
マップ記憶部241には、図3に示すように、縦軸が第1の時間TTC[s]、及び横軸が第2の時間TTV[s]に規定されたマップM1が記録されている。マップM1において、原点「0」は、図2における先行車両Cfと歩行者Tgとの交差地点Poに対応する。
なお、本実施の形態では、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差する交点によって、それら第1の時間TTC及び第2の時間TTVの相対関係が示される。
マップM1において、第1の時間TTCもしくは第2の時間TTVが大きくなると、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が原点から離れる。そして、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が原点から離れるほど、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの算出時点における先行車両Cfと歩行者Tgとが互いに交差地点Poから離れた場所に位置することとなる。
また、本実施の形態のマップM1には、歩行者Tgや他車両等の第2の移動体との衝突を回避するための衝突回避動作を先行車両Cf(第1の移動体)が行わないと予測される回避不要エリアF1が設定されている。さらに、マップM1には、先行車両Cfにて衝突回避動作が行われることが予測される回避動作エリアF2が設定されている。
回避不要エリアF1及び回避動作エリアF2は、例えば、実験データ等に基づいて規定されたエリアである。なお、回避不要エリアF1及び回避動作エリアF2は、ドライバのアクセル特性やブレーキ特性等の運転特性の学習結果に基づき設定されることも可能である。
なお、マップM1において、回避不要エリアF1は上記非支援領域に相当し、回避動作エリアF2は上記支援領域に相当する。
回避動作エリアF2は、y=fx(TTC,TTV)の関数に囲まれた領域である。回避動作エリアF2と回避不要エリアF1との境界を形成する右肩上がりの2つの直線S1及びS2は、第1の時間TTCと第2の時間TTVとの差分(TTC−TTV)により設定されている。なお、直線S1が第1の時間TTCの縦に交わるときの時間T1には、例えば1〜3秒に相当する時間が設定されている。同様に、直線S2が第2の時間TTVの横軸に交わるときの時間T2にも、例えば1〜3秒に相当する時間が設定されている。
図3に示すように、回避動作エリアF2は、通常の減速操作や制動による減速回避行動が行われることが予測される減速回避エリアF21と、急ブレーキや緊急制動による緊急回避行動が行われることが予測される緊急回避エリアF22とに分割されている。なお、先行車両Cfにおける衝突回避は、例えば、ドライバの操作や衝突回避支援を実行可能な運転支援システムにより行われる。
緊急回避エリアF22は、減速回避エリアF21よりも原点0寄りに位置し、原点0からの所定範囲に位置する。また、緊急回避エリアF22は、先行車両Cfと歩行者Tgとの交差地点Poに最も近い位置に規定されている。
回避不要エリアF1は、回避動作エリアF2以外の部分であり、先行車両Cfが、当該先行車両Cfと歩行者Tgとの衝突を回避するための操作や運転支援による回避行動を必要としないエリアである。例えば、図3において回避不要エリアF1内に位置するポイントPa1(TTV,TTC)では、第1の時間TTC<第2の時間TTVとなっている。
第1の時間TTC<第2の時間TTVが成立するときには、先行車両Cfが交差地点を通過してから一定以上の時間が経過した後に、歩行者Tgが交差地点Poに到達することとなる。一方、このとき先行車両Cfに後続する支援対象の車両Crにとっては、歩行者Tgが車両Crの進行方向前方に現れる可能性が高くなる。このため、支援対象となる車両Crにおいて、該車両Crと歩行者Tgとの衝突を回避するための衝突回避支援が必要となる。
よって、回避不要エリアF1のうち、第1の時間TTC<第2の時間TTVとなるエリアF11、換言すれば、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」よりも大きくなるエリアは、支援対象となる車両Crにおいて、該車両Crと歩行者Tgとの衝突を回避するための衝突回避支援が必要となる可能性が高いエリアである。
逆に、回避不要エリアF1内に位置するポイントPa2(TTV,TTC)は、第1の時間TTC>>第2の時間TTVとなっている。第1の時間TTC>>第2の時間TTVが成立するときには、歩行者Tgが交差地点Poを通過してから一定以上の時間が経過した後に、先行車両Cfが交差地点Poに到達することとなる。
そしてこのときには、交差地点Poを、歩行者Tg、先行車両Cf、及び支援対象となる車両Crの順に通過することとなる。よって、歩行者Tgが、先行車両Cf及び支援対象となる車両Crの進行方向前方に存在する交差地点Poを横断する際には、車両Crの直前には先行車両Cfが存在した状態となる。このため、支援対象となる車両Crの直前には先行車両Cfが存在し、歩行者Tgが現れることがないため、車両Crでは歩行者Tgを対象とした衝突回避支援が不要な状況となる。
よって、回避不要エリアF1のうち、第1の時間TTC>第2の時間TTVとなるエリアF11、換言すれば、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」よりも小さくなるエリアは、支援対象となる車両Crにおいて、該車両Crと歩行者Tgとの衝突を回避するための衝突回避支援が不要となる可能性が高いエリアである。
そこで、本実施の形態では、支援対象となる車両Crの進行方向前方に存在する交差地点Poに向かう歩行者Tgが存在したとしても、この歩行者Tgが先行車両Cfよりも先に交差地点Poを通過することが予測される際には、衝突回避支援が不要として車両Crでの衝突回避支援が抑制されることとなる。
図4に示すように、マップ記憶部241には、縦軸が第3の時間TTC[s]、及び横軸が第4の時間TTV[s]に規定されたマップM2が記録されている。マップM2において、原点「0」は、図2における車両Crと歩行者Tg(第2の移動体)との交差地点Poに対応する。
マップM2において、第3の時間TTCもしくは第4の時間TTVが大きくなると、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点が原点から離れる。そして、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点が原点から離れるほど、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの算出時点における車両Crと歩行者Tgとが、互いに交差地点Poから離れた場所に位置することとなる。
また、本実施の形態のマップM2には、支援対象となる車両Crと、歩行者Tgや他車両等の第2の移動体との衝突を回避するための衝突回避支援が発動されない非支援領域A1が設定されている。また、マップM2には、衝突回避支援が発動される支援領域A2が設定されている。非支援領域A1及び支援領域A2は、例えば、実験データ等に基づいて規定されたエリアである。
なお、非支援領域A1及び支援領域A2は、ドライバのアクセル特性やブレーキ特性等の運転特性の学習結果に基づき設定されることも可能である。
本実施の形態では、上記算出された第3の時間TTC及び第4の時間TTVのマップM2上における相対位置が、非支援領域A1に位置するときには衝突回避支援の発動条件が不成立となる。逆に、上記算出された第3の時間TTC及び第4の時間TTVのマップM2上における相対位置が、支援領域A2に位置するときには衝突回避支援の発動条件が成立する。
支援領域A2は、y=fx(TTC,TTV)の関数に囲まれた領域である。支援領域A2と非支援領域A1との境界を形成する右肩上がりの2つの直線S1及びS2は、第3の時間TTCと第4の時間TTVとの差分(TTC−TTV)により設定されている。なお、直線S1が第3の時間TTCの縦に交わるときの時間T1には、例えば1〜3秒に相当する時間が設定されている。同様に、直線S2が第4の時間TTVの横軸に交わるときの時間T2にも、例えば1〜3秒に相当する時間が設定されている。
図4に示すように、支援領域A2は、運転支援の緊急度に応じてHMIエリアA21、介入制動エリアA22、及び緊急介入制動エリアA23に分割されている。
HMIエリアA21は、支援領域A2のうち、第3の時間TTCと第4の時間TTVとの原点0から最も離れた位置に規定されている。HMIエリアA21は、ドライバに対して移動体の存在や車両Crと移動体との異常接近を警告する運転支援が行われるエリアである。なお、このHMIエリアA21に規定された運転支援は、上記算出された第3の時間TTC及び第4の時間TTVが当該HMIエリアA21に位置するときに行われる。
介入制動エリアA22は、制動などの介入制動が行われるエリアであり、HMIエリアA21よりも原点0寄りに位置する。緊急介入制動エリアA23は、支援対象となる車両Crと歩行者Tg等の第2の移動体との衝突を回避するために急制動等の緊急介入が行われるエリアであり、原点0からの所定範囲に位置する。緊急介入制動エリアA23は、支援領域A2の中で最も原点0寄りに位置し、車両Crと第2の移動体との交差地点Poに最も近い位置に規定されている。
非支援領域A1は、支援領域A2以外の部分であり、車両Crと移動体との衝突を回避するための運転支援を必要としないエリアである。例えば、図4において非支援領域A1内に位置するポイントPa1(TTV,TTC)は、第3の時間TTC<<第4の時間TTVとなっている。第3の時間TTC<<第4の時間TTVが成立するときには、車両Crが交差地点を通過してから一定以上の時間が経過した後に、移動体が交差地点Poに到達することとなる。逆に、非支援領域A1内に位置するポイントPa2(TTV,TTC)は、第3の時間TTC>>第4の時間TTVとなっている。第3の時間TTC>>第4の時間TTVが成立するときには、移動体が交差地点を通過してから一定以上の時間が経過した後に、車両Crが交差地点Poに到達することとなる。よって、非支援領域A1では、車両Cr及び移動体が交差地点Poに到達するタイミングが一定時間以上異なり、車両Crと移動体との距離が一定以上離れているために、運転支援が不要となる。
そして、本実施の形態の支援制御部242は、上記算出された第3の時間TTC及び第4の時間TTV並びにマップM2に基づき、発動条件の成否を判定する。支援制御部242は、上記算出された第3の時間TTC及び第4の時間TTVが、支援領域A2を構成するHMIエリアA21、介入制動エリアA22、及び緊急介入制動エリアA23のいずれかに位置するとき、衝突回避支援の発動条件が成立したと判定する。
支援制御部242は、第3の時間TTC及び第4の時間TTVが算出されると、これら第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交差する交点が、マップM2上の何れのエリアに位置するかを特定する。
ここで、図5に例示するように、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交差する位置(交点)が点P1(Ta、Tb)であるとき、点P1は非支援領域A1に位置する。よって、支援制御部242は、衝突回避支援の発動条件が不成立であると判定する。一方、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交差する位置が点P2(Tc、Td)であるとき、点P2は支援領域A2に位置する。よって、支援制御部242は、衝突回避支援の発動条件が成立したと判定する。
なお、本実施の形態では、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交差する交点によって、それら第3の時間TTC及び第4の時間TTVの相対関係が示される。
次に、図6〜図8を参照して、本実施の形態の運転支援装置及び運転支援方法の作用を説明する。
図6に示すように、まずステップS100において、支援対象となる車両Crの進行方向とは異なる方向から該車両Crに接近してくる歩行者Tg等の第2の移動体が検知されると、第2の移動体の位置、移動方向、及び移動速度、すなわち速度ベクトルが検出される。
次いで、支援対象となる車両Crの進行方向前方に存在する先行車両Cf等の第1の移動体が検知されると、この第1の移動体の位置、移動方向、及び移動速度、すなわち速度ベクトルが検出される(ステップS101:YES、S102)。
次いで、先行車両等の第1の移動体の位置、移動方向、及び移動速度が検出されると、第1の時間TTC及び第2の時間TTVが算出される(ステップS103)。そして、算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVが上記マップM1上に適用され、第1の時間TTC及び第2の時間TTVが交差する位置、すなわち第1の時間TTC及び第2の時間TTVの相対関係が特定される。
次いで、ステップS104にて、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が算出され、この比率が「1」未満であるか否かに基づき、先行車両Cf(第1の移動体)の前方を歩行者Tg(第2の移動体)が横断するか否かが判定される。
ここで、図7に示すように、比率が「1」未満であるときには、支援対象となる車両Cr及び先行車両Cfの進行方向前方に交差する方向から進行してくる歩行者Tg1は、先行車両Cfよりも先に交差地点Poを通過する。すなわち、歩行者Tg1は、先行車両Cfの前方を横断し、支援対象となる車両Crと先行車両Cfとの間を横断しない。
よって、支援対象となる車両Crでは、歩行者Tg1が衝突回避支援の対象から除外され、第1の時間TTC及び第2の時間TTVとマップM1とに基づき、先行車両Cfの減速可能性が判定される(図6 ステップS105)。
ここでは、先の図3において、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が回避動作エリアF2に属するとき、先行車両Cfの減速可能性が高いと判定される(図6 ステップS105:YES)。
そして、支援対象となる車両Crでは、先行車両Cfを対象としたHMI300の作動フラグが「1」とされ、HMI300を通じた警告が行われる(ステップS106、S107)。これにより、先行車両Cfの減速に伴う該先行車両Cfと支援対象となる車両Crとの接近を警告する案内がHMI300によって行われる(ステップS118)。
一方、図8に示すように、比率が「1」以上であるときには、支援対象となる車両Cr及び先行車両Cfの進行方向前方に交差する方向から進行してくる歩行者Tg2は、先行車両Cfの後に交差地点Poを通過する。このため、歩行者Tg2は、支援対象となる車両Crと先行車両Cfとの間を横断する可能性が高い。
よって、図6にステップS110として示すように、支援対象となる車両Crでは、交差地点Poに該車両Crが到着する第3の時間TTCと、交差地点Poに歩行者Tg2が到着する第4の時間TTVとが算出される。そして、算出された第3の時間TTC及び第4の時間TTVとマップM2とに基づき、歩行者Tg2を回避対象とした衝突回避支援の要否が判定される(ステップS111)。
この判定ではまず、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点の位置が支援領域A2に属するか否かが判断される(ステップS112)。
そして、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点が支援領域A2の範囲内に属するとき(ステップS112:YES)、HMI300の作動フラグが「1」とされる(ステップS113)。
次いで、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点が、介入制動の対象範囲、すなわち介入制動エリアA22もしくは緊急介入制動エリアA23の範囲内に属するか否かが判定される(ステップS114)。
そして、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点が介入制動の対象範囲に属さないとき(ステップS114:NO)、歩行者Tg2の存在の報知や減速を促す案内がHMI300により行われる(ステップS118)。
一方、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点が介入制動の対象範囲に属するとき(ステップS114:YES)、第3の時間TTC及び第4の時間TTV並びにマップM2に基づき、介入制御装置310に対する制御量が算出される(ステップS115)。
そして、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点が介入制動の対象範囲のうちの介入制動エリアA22に属するとき(ステップS116:NO)、ステップS115で算出された制御量に基づき介入制動が行われる(ステップS118)。また併せて、第2の移動体の存在を報知する案内や、ブレーキの案内がHMI300により行われる。
また、第3の時間TTC及び第4の時間TTVの交点が介入制動の対象範囲のうちの緊急介入制動エリアA23に属するとき(ステップS116:YES)、歩行者Tg2が急制動回避の対象として特定され、歩行者Tg2との衝突を回避するための回避制御量が算出される(ステップS117)。そして、算出された回避制御量に基づき、緊急介入制動が行われる(ステップS118)。また併せて、第2の移動体の存在を報知する案内や、急ブレーキの案内がHMI300により行われる。
また、ステップS101にて、先行車両Cf等の第1の移動体が存在しないと判定されたときにも、ステップS110〜ステップS118の処理が同様に実行される。
以上説明したように、本実施の形態にかかる運転支援装置及び運転支援方法によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)運転支援部200が、第1の移動体の移動軌跡と第2の移動体の移動軌跡とが交差する交差地点に第1の移動体の移動体が到達する第1の時間及び第2の移動体の移動体が到達する第2の時間を算出する時間算出部201を備えた。また、運転支援部200が、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が小さいほど、衝突回避支援の抑制を行う支援抑制部220を備えた。このため、支援対象となる車両の直前に現れることのない第2の移動体、換言すれば、衝突回避支援の対象とされる必要性の低い移動体に対する衝突回避支援が抑制される。これにより、運転支援の的確な発動を通じて運転支援の適正化が図られることとなる。
(2)支援抑制部220は、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であるときの衝突回避支援の制御量を、該比率が「1」以上であるときの衝突回避支援の制御量よりも小さくする処理を衝突回避支援の抑制として行った。よって、第2の移動体が第1の移動体よりも先に上記交差地点を通過する可能性が高く、衝突回避支援の必要性が低い状況下では、衝突回避支援の制御量が小さくされることで、ドライバに対する違和感も大幅に減少する。
(3)支援抑制部220は、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であるとき、第2の移動体を前記衝突回避支援による回避対象から除外する処理を衝突回避支援の抑制として行った。このため、衝突の可能性が低い第2の移動体に対する衝突回避支援の発動が抑制される一方で、他の移動体との衝突が予測されるときには他の移動体に対する衝突回避支援が発動される。これにより、衝突回避支援による支援機能を維持しつつも、衝突の可能性が低い移動体に対する衝突回避支援の発動が抑制されることとなる。
(4)時間算出部201は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVを算出する先行車両予測部210と、第3の時間TTC及び第4の時間TTVを算出する自車両予測部230とを備えた。そして、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であるとき、自車両予測部230が、第1の時間TTC及び第2の時間TTVに相当する第3の時間TTC及び第4の時間TTVを算出した。このため、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であり、支援対象となる車両と第2の移動体との衝突が予測されるときには、衝突回避支援に用いられる第3の時間TTC及び第4の時間TTVが算出される。そして、算出された第3の時間TTC及び第4の時間TTVに基づいて、第2の移動体との衝突を回避するための衝突回避支援が行われる。これにより、衝突回避の必要性が低い状況下では衝突回避支援が適正に抑制されつつも、衝突回避の必要性が高まると衝突回避支援が的確に実行されることとなる。
(5)衝突回避支援が、複数の支援要素に基づき行われた。そして、支援抑制部220は、抑制「要」のときに複数の支援要素の各支援量を「0」とすることにより、複数の支援要素の各支援量を低減させた。これにより、衝突回避支援の必要性が低いときには、支援量の低減された支援要素による最低限の衝突回避支援が行われる。
(6)複数の支援要素が、衝突回避用の案内を行うHMI300、及び支援対象となる車両に対する標準の介入制動及び緊急の介入制動を行う介入制御装置310によって構成された。これにより、HMI300による警告を通じて衝突回避支援が行われるときであれ、必要性の低い状況下での警告が抑制され、HMI300による衝突回避支援の適正化が図られることとなる。また、これにより、介入制御装置310による介入制動を通じて衝突回避支援が行われるときであれ、必要性の低い状況下での介入制動が抑制され、介入制動を通じた衝突回避支援の適正化が図られることとなる。
(7)運転支援部200が、マップ記憶部241を備えた。マップ記憶部241には、回避不要エリアF1と回避動作エリアF2とが記憶されたマップM1が記憶された。そして、このマップM1の参照を通じて、衝突回避支援の抑制の要否が判定された。これにより、衝突回避支援の抑制の要否が容易に判定されることとなる。また、マップ記憶部241には、非支援領域A1と支援領域A2とが記憶されたマップM2が記憶された。そして、このマップM2の参照を通じて、支援対象となる車両と第2の移動体との衝突を回避するための衝突回避支援が行われた。これにより、衝突回避支援にかかる処理負荷の低減が図られることとなる。
(8)第1の移動体として、支援対象となる車両Crの進行方向前方を走行する先行車両Cfが選定された。また、第2の移動体として、支援対象となる車両の進行方向とは異なる方向から進行する歩行者Tgが選定された。これにより、歩行者Tgが先行車両Cfの前後のいずれを横断するかによって衝突回避支援の要否が変化したとしても、歩行者Tgと先行車両Cfとの位置関係に応じて衝突回避支援の抑制が的確に行われることとなる。
(9)運転支援部200が、支援対象となる車両の移動軌跡と第2の移動体の移動軌跡とが交差する交差地点Poに該車両が到達する第3の時間TTCと、交差地点Poに第2の移動体が到達する第4の時間TTVとの関係に基づき、それら車両と第2の移動体との衝突を回避する支援を行った。これにより、急ブレーキや急制動等を要求せずとも、緩やかな減速で車両と移動体との異常な接近が抑止されやすくなり、円滑な運転支援が行われることとなる。
(10)マップMの支援領域A2が、緊急度に応じてHMIエリアA21、介入制動エリアA22、及び緊急介入制動エリアA23に分割された。また、支援制御部242は、支援対象とする車両の第1の時間TTCと第2の時間TTVとの相対関係がHMIエリアA21、介入制動エリアA22、及び緊急介入制動エリアA23のいずれに属するかに基づいて各別の運転支援を行った。これにより、分割された領域の別に緊急度に応じた運転支援が設定されることで、支援対象となる車両と移動体との相対的な位置関係に応じたレベルの運転支援が行われることとなる。また、これによりレベル毎の運転支援の発動が適正に行われることとなる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・自車両予測部230は、抑制判定部222から要請指令を受けたことを条件に第3の時間TTC及び第4の時間TTVを算出した。これに限らず、自車両予測部230は、第2の移動体に関する情報が移動体位置算出部120から入力されたことをもって第3の時間TTC及び第4の時間TTVを算出してもよい。
・時間算出部201が、第1の時間TTC及び第2の時間TTVを算出する先行車両予測部210と、第3の時間TTC及び第4の時間TTVを算出する自車両予測部230とによって構成された。これに限らず、先の図1に対応する図として図9に示すように、時間算出部201Aが、TTC算出部202及びTTV算出部203のみによって構成されてもよい。この構成によれば、TTC算出部202及びTTV算出部203は、まず、先行車両等の第1の移動体と支援対象となる車両の進行方向とは異なる方向から接近してくる第2の移動体とに関する第1の時間TTC及び第2の時間TTVを算出する。そして、TTC算出部202及びTTV算出部203は、それぞれ算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVを支援抑制部220に出力する。TTC算出部202及びTTV算出部203は、要請指令が支援抑制部220から入力されると、支援対象となる車両の移動軌跡が第2の移動体との交差地点に到達するまでの時間を第1の時間TTC、第2の移動体が交差地点に到達するまでの時間を第2の時間TTVとして再算出する。TTC算出部202及びTTV算出部203は、再算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVに関する情報を支援制御部242に出力する。支援制御部242は、入力された第1の時間TTC及び第2の時間TTVに関する情報に基づいて衝突回避支援を行う。これによれば、時間算出部201Aがより簡易な構成となる。
・支援対象となる車両の進行方向と直交する方向から接近する移動体が、衝突回避支援の抑制の対象となる第2の移動体とされた。これに限らず、第2の移動体は、支援対象となる車両の進行方向と異なる方向から進行してくる移動体であればよい。
・介入制動が行われる際の支援要素として、HMI300及び介入制御装置310が選定された。また、緊急介入制動が行われる際の支援要素として、HMI300及び介入制御装置310が選定された。これに限らず、介入制動が行われる際の支援要素として、HMI300のみ、もしくは介入制御装置310のみが選定されてもよい。同様に、緊急介入制動が行われる際の支援要素として、HMI300のみ、もしくは介入制御装置310のみが選定されてもよい。
・第1の時間TTC、第2の時間TTV、第3の時間TTC、及び第4の時間TTVが、上記式(1)〜(4)に基づき算出された。これに限らず、或る時刻に至るまでの過去の速度履歴から、支援対象となる車両、第1の移動体、第2の移動体の進路、進行方向における交差地点の存在が推定されてもよい。そして、推定結果に基づき、第1の時間TTC、第2の時間TTV、第3の時間TTC、及び第4の時間TTVが求められてもよい。これによれば、例えば、第1の時間TTC、第2の時間TTV、第3の時間TTC、及び第4の時間TTVの移動軌跡に基づく線形予測や、複数の履歴に基づく統計分布に基づき、推定が行われる。
・衝突回避支援の抑制の要否が、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であるか否かに基づき判定されてもよい。これに限らず、先の図3に対応する図として図10に例示するように、比率が「1」以上であって回避不要エリアF1と回避動作エリアF2とを区画する直線S2に沿った規定値F1αに基づき、衝突回避支援の抑制の要否が判定されてもよい。これによれば、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点Pb1が、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が規定値F1α以上となる領域F13に属するとき、第2の移動体が支援対象となる車両とその先行車両との間を横断すると予測される。そして、この予測結果に基づき、第2の移動体が回避対象とされた衝突回避支援が行われる。逆に、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点Pb2が、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が規定値F1α未満となる領域F14に属するとき、第2の移動体が支援対象となる車両の先行車両の前方を横断すると予測される。そして、この予測結果に基づき、第2の移動体に対する衝突回避支援が不要と判定される。
・衝突回避支援の抑制として、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVが規定値未満であるとき、第2の移動体が回避対象から除外される処理、及び実行中の衝突回避支援が解除される処理が行われた。これに限らず、衝突回避支援の抑制は、第2の移動体が回避対象から除外される処理、及び実行中の衝突回避支援が解除される処理のいずれか一方であってもよい。また、衝突回避支援の抑制としては、衝突回避支援に際して選定される支援要素の数を低減させる処理、及び複数の支援要素の各支援量を低減させる処理の少なくとも1つの処理の実行であってもよい。これによれば、衝突回避支援に際して選定される支援要素の数を低減させる処理を通じて、抑制「否」のときにはHMI300及び介入制御装置310の2つの支援要素が選択される。一方、抑制「要」のときにはHMI300もしくは介入制御装置310の一つの支援要素が選択される。また、複数の支援要素の各支援量を低減させる処理を通じて、抑制「否」のときには抑制「要」のときよりも、介入制御装置310の制御量が低減される。また、介入制御装置310による警告が、抑制「否」のときには抑制「要」のときよりも小さい音声や縮小された画像により行われる。
・衝突回避支援の抑制が、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が基準値未満であるか否かに基づき行われた。これに限らず、比率が小さくなるにつれて、比率の低減に応じて衝突回避支援による支援量が低減されてもよい。また、比率が小さくなるにつれて、支援要素の組み合わせ数が、3、2、1といった態様で低減されてもよい。これによれば、先の図1に対応する図として図11に示すように、例えば、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率の閾値として、2つの閾値Fa及び閾値Fb(Fa<Fb)が規定される。これにより、マップM1は、閾値Fa及び閾値Fbにより、閾値Fa未満の領域F31(比率「小」)、閾値Fa以上であって閾値Fb未満の領域F32(比率「中」)、閾値Fb以上の領域F33(比率「大」)に分割される。そして、例えば、衝突回避支援の抑制として、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が領域F31に属するとき、HMI300による案内が行われてもよい。また、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が領域F32に属するとき、介入制御装置310による規定値未満の制御量に基づく介入制動が行われてもよい。さらに、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が領域F33に属するとき、介入制御装置310による規定値以上の制御量に基づく介入制動が行われてもよい。また、衝突回避支援の抑制が、領域F31、F32、F33に応じて、HMI300による警告態様が変化したり、介入制御装置310の制御量が変化したりすることにより行われてもよい。
・介入制動と緊急介入制動とが一つの介入制御装置310によって行われた。これに限らず、介入制動を行う制御装置と緊急介入制動を行う制御装置とによって、支援要素が構成されてもよい。また、支援要素として、HMI300、介入制動を行う制御装置、及び緊急介入制動を行う制御装置の組み合わせ態様が適宜選択されてもよい。また、支援要素としては、衝突回避支援のための減速を行うブレーキ制御装置、エンジン制御装置、減速を案内する音声装置や表示装置であってもよく、適宜変更されることが可能である。
・介入制動もしくは緊急介入制動が行われるとき、HMI300によるHMI制御も共に行われた。これに限らず、介入制動の実行条件が満たされたとき、介入制動のみが行われてもよい。また、緊急介入制動の実行条件が満たされたとき、緊急介入制動のみが行われてもよい。
・車両状態取得部110が、アクセルセンサ111、ブレーキセンサ112、加速度センサ113、ジャイロセンサ114、及び車速センサ115等によって構成された。これに限らず、車両状態取得部110は、アクセルセンサ111、ブレーキセンサ112、加速度センサ113、ジャイロセンサ114、及び車速センサ115の少なくとも1つによって構成されてもよい。そして、少なくも一つのセンサの検出結果に基づく演算を通じて、第1の時間TTCが算出されてもよい。また、支援対象となる車両の緯度経度を検出するGPSによって車両状態取得部110が構成されてもよい。これによれば、GPSにより検出される車両の緯度経度に基づき、車両の走行速度が算出され、第1の時間TTCが算出されることとなる。この他、車両状態取得部110は、第1の時間TTCの算出に用いることのできる情報を取得可能なものであればよい。
・移動体情報取得部100が、車載カメラ101、ミリ波レーダ102、及び通信部103によって構成された。これに限らず、移動体情報取得部100は、車載カメラ101、ミリ波レーダ102、及び通信部103の少なくとも1つによって構成されてもよい。この他、第2の時間TTVの算出に用いることのできる移動体の情報を取得可能なものであれば、移動体情報取得部100を構成することが可能である。
・上記各実施の形態では、マップM2の支援領域A2が、HMIエリアA21、介入制動エリアA22、及び緊急介入制動エリアA23の3つに分割された。さらに、支援領域A2が4つ以上に分割され、分割された領域毎に運転支援態様が設定されてもよい。また、支援領域A2が、2つもしくは1つの領域によって規定され、規定された領域に各種の運転支援態様が設定されてもよい。なお、分割される支援領域A2がHMIエリアA21のみによって構成されるときには、上記介入制御装置310が割愛される構成となる。逆に、分割される支援領域A2が介入制動エリアA22もしくは緊急介入制動エリアA23のみによって構成されるときには、上記HMI300が割愛される構成となる。また、支援領域A2に設定される運転支援の態様は任意であり、適宜変更されることが可能である。
・マップ記憶部241に記憶されたマップM1、M2に基づいて衝突回避支援が行われた。これに限らず、第1の時間TTC、第2の時間TTV、第3の時間TTC、第4の時間TTVの相対関係に基づき衝突回避支援が行われるものであればよい。例えば、第1の時間TTC、第2の時間TTV、第3の時間TTC、第4の時間TTVの各値が規定された値に該当するか否かに基づき、衝突回避支援の発動条件の成否が判定されてもよい。
・支援対象となる車両の移動軌跡と移動体の移動軌跡とが交差する一例として、各移動軌跡が直交するときが想定された。そして、この各移動軌跡を示す第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき衝突回避支援が行われた。これに限らず、衝突回避支援に用いられる各移動軌跡は、同じ地点で交差する軌跡であればよく、それらの交差するときの角度は、90°未満の角度であっても、90°を超える角度であってもよい。
・第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であるとき、第2の移動体を衝突回避支援による回避対象から除外する処理が行われた。これに限らず、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であるとき、衝突回避支援の発動を所定期間停止する処理が行われてもよい。これによれば、支援対象となる車両に接近するものの衝突の可能性が低い第2の移動体が該車両の周辺に存在するときには、衝突回避支援の発動が所定期間停止される。よって、第2の移動体が車両の周辺に存在する所定期間、衝突回避支援が抑制され、この第2の移動体に対し不要な衝突回避支援が行われることもない。また、これら各処理の一が選択的に実行されてもよく、各処理が適宜組み合わされて実行されてもよい。これにより、各処理を通じた衝突回避支援の抑制効果も高められることとなる。
・また、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が「1」未満であるとき、第2の移動体を衝突回避支援による回避対象から除外する処理が行われてもよい。この処理を通じて、例えば、第2の移動体に対しては、回避対象と識別されるための識別条件が通常よりも厳しく設定されることで、第2の移動体が回避対象として判定され難くなる。よって、第2の移動体との衝突可能性が低い状況下では、支援対象となる車両で衝突回避支援が行われ難くなる。また、衝突回避支援の抑制として、衝突回避支援の支援量を低減させる処理が行われてもよい。この処理を通じて、例えば、衝突回避支援による減速量、操舵量の低減、減速や操舵の案内に際しての情報量の低減が行われることで、衝突の可能性が低い第2の移動体に対する衝突回避支援の効果が低減される。このため、第2の移動体との衝突可能性が低い状況下では、必要最小限に抑制された制御量に基づく衝突回避支援衝が行われることとなる。さらに、衝突回避支援の抑制として、衝突回避支援の解除に用いられる解除条件を緩和する処理が行われてもよい。この処理を通じて解除条件が緩和されることにより、支援対象となる車両との衝突の可能性が低い第2の移動体に対して衝突回避支援が発動されたとしても、一旦発動された衝突回避支援が容易に解除されることとなる。よって、必要性の低い衝突回避支援が後発的に抑制されることとなる。さらに、こうした各処理の一が選択的に実行されてもよく、各処理が適宜組み合わせて実行されてもよい。これによれば、各処理を通じた衝突回避支援の抑制効果も高められることとなる。
・また一方、衝突回避支援の抑制として、第2の移動体が衝突回避支援による回避対象であると判定され難くする処理が行われてもよい。この処理を通じて、例えば、第2の移動体に対しては、回避対象と識別されるための識別条件が通常よりも厳しく設定されることで、第2の移動体が回避対象として判定され難くなる。よって、第2の移動体との衝突可能性が低い状況下では、支援対象となる車両で衝突回避支援が行われ難くなる。また、衝突回避支援の抑制として、衝突回避支援の支援量を低減させる処理が行われてもよい。この処理を通じて、例えば、衝突回避支援による減速量、操舵量の低減、減速や操舵の案内に際しての情報量の低減が行われることで、衝突の可能性が低い第2の移動体に対する衝突回避支援の効果が低減される。このため、第2の移動体との衝突可能性が低い状況下では、必要最小限に抑制された制御量に基づく衝突回避支援衝が行われることとなる。さらに、衝突回避支援の抑制として、衝突回避支援の解除に用いられる解除条件を緩和する処理が行われてもよい。この処理を通じて解除条件が緩和されることにより、支援対象となる車両との衝突の可能性が低い第2の移動体に対して衝突回避支援が発動されたとしても、一旦発動された衝突回避支援が容易に解除されることとなる。よって、必要性の低い衝突回避支援が後発的に抑制されることとなる。また、こうした各処理の一が選択的に実行されたり、各処理が適宜組み合わせて実行されたりすることにより、各処理を通じた衝突回避支援の抑制効果も高められることとなる。
・第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が小さいほど、衝突回避支援の抑制が行われた。これに限らず、第1の時間TTCに対する第2の時間TTVの比率が小さいほど、衝突回避支援の抑制が行われてもよい。
・運転支援部200が車両に搭載された。これに限らず、運転支援部200は、例えば、スマートフォン等の多機能電話機器にインストールされるアプリケーションプログラムによって構成されてもよい。これによれば、多機能電話機器は、当該多機能電話機器に保有される地図情報や、インターネットワーク等を介して取得可能な交通情報等に基づいて、抑制条件の成否を判定する。なお、多機能電話機器は、例えば、音声案内や画像による案内を通じて運転支援を行う。これにより、ナビゲーションシステムを備えない車両においても運転支援とその適正化が図られることとなる。また、多機能電話機器は、汎用性が高いことから、より多くの場面での運転支援とその適正化が図られることともなる。なお、多機能電話機器は一般に、GPSを有していたり、地図情報を保有していることが多い。このため、GPSが取得する緯度経度情報や地図情報に基づけば、支援対象となる車両の位置が特定されたり、支援対象となる車両の走行環境が特定されたりすることが可能である。そして、この特定可能な車両の位置や走行環境に基づけば、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの算出も可能となる。また、多機能電話機器は、多くのユーザが所有している。よって、運転支援部200が当該多機能電話機器に設けられることで、適正な運転支援がより多くの場面で実現されることとなる。
・第1の移動体として、支援対象となる車両の進行方向前方を走行する先行車両が選定された。また、第2の移動体として、支援対象となる車両の進行方向前方とは異なる方向から進行する歩行者が選定された。これに限らず、第2の移動体が車両等の移動体であってもよい。