JP2012212271A - 運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自車両の進路を横切る他車両を対象として運転支援を行うに際し、他車両を検知できなくなった場合であっても、運転者に対して他車両に関する情報を告知する運転支援装置を提供する。
【解決手段】運転支援装置は、自車両の進路を横切る他車両(対向車51,52,53,54)を対象としてその影響を回避する運転支援を行う。運転支援装置は、インフラ通信途切れが起こった場合や対向車の検知ミスが起こった場合、他車両が検知できなくなった直前の車速及び交差点までの距離から前記他車両の位置を推定することにより運転支援を行う。これより、他車両を検知できなくなった場合であっても、運転者に対して他車両に関する情報を告知することができる。
【選択図】図2
【解決手段】運転支援装置は、自車両の進路を横切る他車両(対向車51,52,53,54)を対象としてその影響を回避する運転支援を行う。運転支援装置は、インフラ通信途切れが起こった場合や対向車の検知ミスが起こった場合、他車両が検知できなくなった直前の車速及び交差点までの距離から前記他車両の位置を推定することにより運転支援を行う。これより、他車両を検知できなくなった場合であっても、運転者に対して他車両に関する情報を告知することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は車両を運転する運転者の運転操作を支援する運転支援装置に関する。
車両の交通環境にあって、例えば自車両の進行方向を横切る車両の有無などの情報を運転者に通知することにより、運転者による車両の運転操作を支援する運転支援装置がある。このような運転支援装置により行われる支援の一つに、特に交差点右折時等において対向車に関する情報を運転者に提供する運転支援がある。
ここで、このような車両が交差点を右折等する際の運転支援は、自車両の進路を横切る車両について順次適切に提供されることが望まれており、従来から順次接近してくる対向車に応じて適切な運転支援を提供するための技術が種々提案されている。例えば、自車両が交差点を右折する場合、右折が完了するまでに必要となる時間から推定した対向車との必要距離と、右折開始前における対向車の位置と、を自車両の運転者に表示する運転支援装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかし、特許文献1において、他車両を検知できなくなった場合、運転者に対して他車両に関する情報を告知できなくなったり、他車両に関する誤った情報を告知することになったりする恐れがある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、他車両を検知できなくなった場合であっても、運転者に対して前記他車両に関する情報を告知する運転支援装置を提供することである。
上記の課題を解決するために本発明にかかる運転支援装置は、外部から取得する他車両に関する情報に基づいて自車両の運転者に対して運転支援を行う運転支援装置であって、前記他車両に関する情報を取得できなくなった場合、前記他車両が検知できなくなった直前の車速及び交差点までの距離から前記他車両の位置を推定することにより情報の告知を行うことをすることを特徴とする。
本発明によれば、他車両を検知できなくなった場合であっても、運転者に対して他車両に関する情報を告知することができる。
以下、本発明にかかる運転支援装置を具体化した実施形態について図を参照しながら説明する。図1は運転支援装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両10には車両10を運転する運転者(ドライバ)に対してその運転操作を支援するための各種制御等を行う運転支援コントロールコンピュータ(運転支援ECU)11が設けられている。運転支援ECU11は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース、メモリ等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。本実施形態では、運転支援ECU11は、運転支援、特に右折支援にかかる各種制御を実行するとともに、各種条件に基づいて運転支援を行うべきタイミングを決定してタイミングに沿って運転支援(右折支援)に関する情報や信号を出力する。そのため、運転支援ECU11には、運転支援を実行するための各種プログラムや、支援に用いられる各種パラメータなどが予め記憶されている。各種パラメータには、運転支援のタイミング等の演算に用いられる車両10の特性や性能を示す値などが含まれる。
運転支援ECU11には、車両10のブレーキの制御等を行うブレーキコントロールコンピュータ(ブレーキECU)12と、車両10のエンジンの制御等を行うエンジンコントロールコンピュータ(エンジンECU)13とが、CAN(Control Area Network)などの車載ネットワークを介してそれぞれ通信可能に接続されている。また、車両10のステアリングの制御等を行う操舵コントロールコンピュータ(操舵ECU)14もCANなどの車載ネットワークを介して通信可能に接続されている。なお上記各ECU12〜14は、上記運転支援ECU11と同様に、それぞれ各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース、メモリ等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。
ブレーキECU12は、車両10のブレーキ装置の制御を行うECUであって、車速センサ40やブレーキセンサ43等の各種センサが接続されているとともに、各種センサからの信号に基づいて車両10のブレーキ装置の制御を通じて当該車両10に制動力を発生させる。具体的には、車速センサ40からの信号に基づいて把握される車両10の速度、ブレーキセンサ43のブレーキ踏込量の信号等に基づいて要求される制動力を算出してブレーキ装置を制御する。
エンジンECU13には、車両10のエンジンの運転制御を行うECUであって、アクセル踏込量を検出するアクセルセンサ44や吸入空気量を検出するセンサ等が接続されるとともに、スロットルバルブの駆動回路、燃料噴射弁の駆動回路等の各種機器の駆動回路が接続されている。エンジンECU13は、上記各センサから入力した検出信号に基づいて把握されるエンジンの運転状態等を検知するとともに、上記各種機器の駆動回路の指令信号を出力する。こうしてエンジンの運転制御がエンジンECU13を通じて実施される。
操舵ECU14は、車両10のステアリングの制御を行うECUであって、ジャイロセンサ42、操舵角センサ45等の各種センサに接続されるとともに、各種センサからの信号に基づいて、電動アシスト制御などによるステアリングの制御を行う。
運転支援ECU11には、カーナビゲーション20と、各種情報を読み書き可能に保持するデータベース21とがCANなどの車載ネットワークを介してそれぞれ通信可能に接続される。
カーナビゲーション20は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)等を利用して車両の現在位置を検出するとともに、予め記憶された道路地図情報を参照して、運転者に走行目的地までの車両10の走行経路等の案内を行う。カーナビゲーション20には、図示しない表示装置、入力装置、及び音声装置が設けられている。
表示装置は、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、車室内のセンターコンソール付近に設置される。表示装置には、カーナビゲーション20から入力される画像データ等に対応した画像が表示される。これより、カーナビゲーション20は、例えば車両10の現在位置とその周辺の地図とを組み合わせた画像データを出力して、車両10の位置とその周辺の地図とが組み合わされた画像を表示装置に表示させる。表示装置はカーナビゲーション20から、地図表示の画像データや、ドライバに対して注意を喚起するために運転支援ECU11から入力された運転支援の情報(警告情報など)に応じた通知表示(警告表示)等の画像データも入力される。
入力装置は、例えば、表示装置と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、各種の入力操作に使用される。
音声装置は、音や音声を発生する装置であり、カーナビゲーション20から入力された音・音声データ等に対応した音や音声が出力される。音声装置には、音・音声データとして、カーナビゲーション20から、経路案内や交通情報などの音声情報や、運転支援ECU11からの運転支援の情報に対応している運転者への注意を喚起するための音声情報などが入力される。
本実施形態のカーナビゲーション20は、データベース21に予め記憶された道路地図情報を取得して利用する。また、カーナビゲーション20は、車両10の位置に関する位置情報や、現在位置周辺の情報として抽出した道路地図情報などを運転支援ECU11に送信する。
データベース21は、ナビゲーション処理に使用する道路地図情報(地図データベース)など各種情報を格納する装置であり、格納装置として不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)が用いられる。
道路地図情報は、地図に関する情報であり、道路や道路地図の背景を表示するためのデータや、交差点の名称などから成るデータ等により構成されている。道路地図情報は道路の形状、道路における交差点や横断歩道の情報などの道路付属情報が含まれている。具体的には、道路地図情報は、道路付属情報として、信号機が設けられた対象交差点の位置、道路の道路形状、トンネル、横断歩道、事故多発地点、路面状態などの情報が含まれる。
このことから、カーナビゲーション20から運転支援ECU11に送信される道路地図情報にも上述の道路付属情報等が含まれる。
さらに、運転支援ECU11には、運転支援に基づく各種情報(警告情報)に応じた通知を出力する出力装置(マンマシンインターフェイス)、例えばスピーカ25が電気的に接続されていている。出力装置は、運転支援にかかる通知に基づいて、ドライバへの注意を喚起するための警報音等を発生する装置であり、運転支援ECU11からの信号に応じた警報音などが出力される。なお、出力装置は、上述のスピーカに限られるものではない。
運転支援ECU11には、車車間通信装置30、インフラ通信装置31、全地球測位システム(GPS)32、車載カメラ33、及び車載レーダ34などの各種情報取得装置がそれぞれ電気的に接続されている。
車車間通信装置30は、車両の位置情報や走行情報などの各種情報を車両10の周辺に位置する他車両との間で無線通信により相互に伝達する、いわゆる車車間通信を行う通信装置である。車車間通信では、通信可能エリア内の複数の車両のそれぞれとの間で定期的に車両情報を授受する。車両情報は、車両毎に一意に付与された車両ID、車両のGPSにより検出された車両の絶対位置、車両の速度、車両の進行方向、及び車両の車種・車高の情報等が含まれている。車車間通信装置30は、車車間通信にて受信された他車両に車両情報を運転支援ECU11に送信する。これより、運転支援ECU11には他車両の車両情報が入力されるとともに、運転支援ECU11がその車両10の周辺に位置する他車両の走行状態を把握することができるようになっている。
インフラ通信装置31は、赤外線信号などの光信号により道路に設けられる光ビーコン装置B1(図2参照。)と通信を行う通信装置である。そして、インフラ通信装置31は、光ビーコン装置B1から送信されるインフラ情報信号を受信するとともに、当該受信したインフラ情報信号を運転支援ECU11に送信する。これにより、運転支援ECU11がインフラ情報を把握することができるようになっている。例えば、インフラ通信装置31は、光ビーコン装置B1を介して、インフラ情報の一つとして、VICS(Vehicle Information and Communication System)センタから配信される道路交通情報を受信する。この道路交通情報には、例えば、渋滞区間、渋滞度等の渋滞情報、通行止め等の通行規制情報等が含まれる。また、インフラ情報には、光ビーコン装置B1が設けられている周囲の道路の道路状況(交差点形状、曲率、勾配、車線数を含む)などこの道路に付随した付随情報や、地上設備等により検出された周辺の他車両の移動体情報なども含まれる。
GPS32は、車両10の絶対位置を検出するためにGPS衛星信号を受信するとともに、受信されたGPS衛星信号に基づき車両10の位置を検出する。GPS32は検出された車両10の位置情報を運転支援ECU11に送信する。これにより、運転支援ECU11は、車両10の位置を把握することができる。
車載カメラ33は、ルームミラーの裏側に設置された光学式のCCDカメラなどにより車両10前方の所定範囲を撮像するとともに、撮像された撮像画像に基づく画像信号を運転支援ECU11に送信する。運転支援ECU11は、この車載カメラ33により撮像された画像信号に基づいて、前方の信号の状態(信号の色等)や前方の先行車や対向車の状態を抽出する。そして抽出された前方の信号状態や前方の対向車等に基づいて右折支援を行い車両10が安全に右折できる状況であるか否かを判定することができる。
車載レーダ34は、レーザ光を車両前方の所定範囲に照射することにより、そのレーザ光を反射する前方車両等の反射物体との距離、相対速度、方位等を検出する。これらの検出結果は、各反射物体に、運転支援ECU11に送信される。これにより、運転支援ECU11は、車両10前方にある他車両などの移動体や障害物などの有無や種類を判別したり、離間距離を把握したりすることができる。
さらに、運転支援ECU11には、車速センサ40、加速度センサ41、ジャイロセンサ42、ブレーキセンサ43、アクセルセンサ44、及び操舵角センサ45などの各種センサがそれぞれ電気的に接続されている。
車速センサ40は、検出した車輪の回転速度に応じた信号を運転支援ECU11に送信する。
加速度センサ41は、検出した車両の加速度に応じた信号を運転支援ECU11に送信する。
ジャイロセンサ42は、検出した車両の進行方向に応じた信号を運転支援ECU11に送信する。
ブレーキセンサ43は、検出したドライバによるブレーキペダルの操作の有無やブレーキペダルの踏込量に応じた信号を運転支援ECU11に送信する。
アクセルセンサ44は、を検出するとともに、検出したドライバによるアクセルペダルの操作の有無やペダルの踏込量に応じた信号を運転支援ECU11に送信する。
操舵角センサ45は、検出したステアリングの操舵角の変化量に応じた信号を運転支援ECU11に送信し、運転支援ECU11は受け取った信号に基づいて操舵角を算出するようになっている。
上記各センサからの各種信号は、それぞれ所定の周期で運転支援ECU11に送信されることから、運転支援ECU11は、上記伝達される各種信号に基づいて、車両10の位置、速度、方向等の車両状況を逐次把握することができるようになっている。
また、運転支援ECU11には、車速/車間制御(ACC:Adaptive Cruise Control)スイッチや、衝突回避緩和制御(PCS:Pre−Crash Safety)スイッチなどの各種操作スイッチ46が電気的に接続されている。
次に、本実施形態の運転支援装置が運転支援を行う交通環境の一態様について、図に従って説明する。図2は、運転支援が行なわれる交通環境について示す図である。
図2に示すように、交通環境には、主道路R1と、主道路R1に交差するとともに交差する地点に交差点C1を形成する交差路R2とが設けられている。主道路R1は、交差路R2に交差する交差点C1の手前に光ビーコン装置B1が設置されている。
光ビーコン装置B1は、交差点C1の手前数百メートル〜十数メートルの位置に設置されている。光ビーコン装置B1には、交差点C1の位置情報や信号機S1の信号情報や、交差点C1周辺の交通情報が地上のインフラ装置等を介して伝達される。例えば、光ビーコン装置B1には、交差点C1周辺の交通情報として、車両10の対向車線を走行する対向車(他車両)51,52,53,54の走行情報(移動体情報)なども伝達される。光ビーコン装置B1の通信範囲内となる路上の位置P1を走行する際、インフラ通信装置31を介して交通情報を含むインフラ情報を受信する。これより、運転支援ECU11は、交差点C1の位置情報や信号機S1の信号情報を把握するとともに、対向車線を対向車51,52,53,54がそれぞれの走行車線を走行していることを把握することができる。対向車51,52,53,54の把握について、把握可能な位置や時期、情報内容やその精度にそれぞれ相違があるものの、車車間通信装置30や車載カメラ33などを併用して把握することができる。
これより車両10は、インフラ情報通信や、車車間通信や、車載カメラの撮像画像などに基づいて取得された情報などによって、それぞれ対向車51,52,53,54が交差点C1に進入する前、例えば、数十秒前から交差点C1を通過するまでの間、把握することができるようになっている。対向車を把握できる時間は、インフラ装置の設置状態、交通環境、車両の速度などの諸条件により変動する。
本実施形態では、交通環境において、車両10は主道路R1を進行して光ビーコン装置B1の近傍の位置P1を通り交差点C1に進入してから、進路T1に示すように、交差点C1を右折して交差路R2に進入する。車両10は、進路T1に従って交差点C1を右折するとき、進行している主道路R1の走行中の車線(左車線)から、主道路R1の右側の対向車線を横切って交差路R2に進入するようになっている。車両10が交差点C1を右折する際、車両10が横切ることとなる対向車線を対向車51,52,53,54がそれぞれの車速で走行してくるものとする。車両10が交差点C1を右折するとき右折に対しての運転支援、すなわち右折支援が行われる。
続いて、交通環境において運転支援装置により行う運転支援(右折支援)の態様について、図に従って説明する。
図3は、交差点C1に到達した車両10に対する運転支援において、対向車51,52,53,54の状態を示している。図3において、横軸は各対向車51,52,53,54について示しており、縦軸はそれぞれ車速と、交差点までの距離と、TTC(Time To Collision)と、最小TTCと、注意喚起対象とを示している。なお、交差点までの距離は、例えば、検知車両(対向車)の先端部と、自車両側の右折待ち最先端部との距離である。TTCは各車両の交差点進入までの所要時間を表しており、ここでは、交差点までの距離/速度で算出している。最小TTCは、それぞれ算出されたそれぞれのTTCの値の最小値である車両を特定するようになっている。注意喚起対象車両は、注意喚起の閾値を3.0sec〜4.0secと設定した場合、最小TTCと特定されている車両であって、TTCが閾値より小さい車両である。
図3に示すように、対向車51は交差点までの距離が20mとなっており、対向車52,53,54と比較して最小値となっている。しかし、対向車51は車速が10km/hであって対向車52と比較して小さな値となっている。これより、対向車51のTTCは7.2secであり、対向車52のTTCは2.88secとなっており、他の対向車53,54と比較しても、対向車52のTTCが最も小さい値となっているため、対向車52が最小TTCとなっていると特定される。また、注意喚起の閾値を3.0secと設定すると、注意喚起対象車両は対向車52であり、車両10の運転者へ注意を促すために警告表示や警告音などの情報告知をする。
しかし、上記のように、対向車についての情報を逐一取得できる理想状態であるとよいが、インフラ通信の通信障害が起こること(断続的に途切れる等)により、車両10は注意喚起対象車両についての情報を更新できない場合が考えられる。そこで、インフラ通信途切れが起こった場合、注意喚起を行うか否かについて図4を用いて説明する。
図4は、図3に示した注意喚起対象車両(対向車52)についての情報を取得できない場合、車両10に対する注意喚起の態様を示している。図4において、横軸は通信途切れが起こる直前の時間から0.5sec間隔で経過した時間について示しており、縦軸はそれぞれ車速と、交差点までの距離と、TTC(仮TTC)と、注意喚起の有無とを示している。TTC(仮TTC)は、インフラ通信途切れが起こる直前の車速(50km/h)を維持した状態で算出される。
対向車52はインフラ通信途切れが起こる前、図3に示すように、注意喚起対象車両と特定されていることにより注意喚起が行われる。対向車52はインフラ通信途切れが起こってから約3.0sec後に通過が想定される、すなわち、TTC(仮TTC)が0secと算出されると、注意喚起が終了するようになっている。なお、インフラ通信途切れが起こる直前に、注意喚起対象車両(対向車52)の加速傾向を検出した場合、直前に減速することが考えられるため、インフラ通信途切れが起こった後も一定の車速と仮定するとよい。一方、インフラ通信途切れが起こる直前に、注意喚起対象車両(対向車52)の減速傾向を検出した場合、減速傾向が継続すると仮定し、減速度一定で速度変動を算出することによりTTC(仮TTC)を算出するとよい。ただし、注意喚起対象車両(対向車52)の交差点までの距離が0mとなる前に車速が0km/hとなる場合、車両10の運転者に対して車速が0km/hとなった時点で注意喚起を停止するとよい。
インフラ通信が通常状態に復帰したときは、図3に示したように、理想状態時の処理に戻す。一方、注意喚起対象車両の注意喚起が終了しても、インフラ通信途切れが起こったままである場合、インフラ通信が途絶継続中であることを車両10の運転者に告知するようにすることが望ましい。
また、インフラ通信が図3に示すように理想状態であっても、光ビーコン装置B1等の検知センサが検知ミスした場合(例えば、大型車による車両の遮蔽や、逆光、雨天時等による。)、車両10は注意喚起対象車両についての情報を更新できない場合が考えられる。例えば、図3において、対向車52が注意喚起対象車両であって、TTCが2.88secであるが、対向車52を検知ミスにより検知できなくなることが想定される。車両10は対向車52を検知できなくなり、最小TTCを保持している車両は対向車54となる。
注意喚起の閾値を3.0secと設定すると、対向車54のTTCは6.0secであるため、対向車54は注意喚起対象車両でないと認識され、注意喚起が中止してしまう。このような対向車の検知ミスが起こる場合を鑑みて、最小TTCが急激に増加した場合、運転支援ECU11は対向車の検知ミスが起こったと判断する。最小TTCが急激に増加した場合とは、車両の特性など物理的に考慮して非常に困難な急加速状態を示すTTCの変化である。
運転支援ECU11は検知ミスと判断すると、図4に示すようにインフラ通信途切れが起こったときと同様の処理が行われる。検知ミスと判断された対向車52は、検知ミスが起こる直前の車速を維持した状態とみなし、TTC(仮TTC)が算出される。対向車(検知車両)にIDナンバーを振り分けることにより、運転支援ECU11は最小TTCの急激な増加の際に、IDの切り替わりがあることを認識することによって、検知ミスが発生したと判断することが望ましい。また、対向車52の検知ミスが起こった後に対向車51が加速する場合、対向車52の仮TTCと対向車51のTTCとを比較し、対向車51のTTCが最小TTCと算出されると注意喚起対象車両を対向車51に変更する。運転支援ECU11は注意喚起対象車両が対向車52から対向車51に変更された場合、対向車52の仮TTCを算出する処理を停止するようにしてもよい。
上記のように実施される運転支援(右折支援)の処理手順について、図に従って説明する。図5は、運転支援(右折支援)の処理手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態の右折支援は、車両10の運転者がインフラ通信システムを起動させることにより、右折するときに逐次実行される。
右折支援が開始されると、図5に示すように、運転支援ECU11はステップ510において、右折支援サービスが可能か否かを判断する。右折支援サービスが可能であるか否かは、車両10の位置が交差点C1から一定範囲内であることや、車両10の速度が右折に適切な速度以下であることや、車両10の方向指示器が右方向に操作されていることなどを条件として判断される。すなわち、これらの条件のうちの任意の一つもしくは複数を用いることにより、運転支援ECU11は右折支援サービスが可能か否かを判断する。右折支援サービスが不可能であると判断された場合、運転支援ECU11は運転支援を終了する。
右折支援サービスが可能であると判断された場合、ステップ520に進み、運転支援ECU11は通過待ちにより回避する必要のある車両があるか否かを判断する。回避する必要のある車両があることは、把握した車両に対向車が含まれていることや、対向車の車速が交差点を通行するものと予想される速度以上であることや、対向車が所定時間以内に交差点に進入すると予測されることなどを条件に判断される。回避の必要のある車両がないと判断された場合、運転支援ECU11は右折支援サービスを終了する。車両10が交差点C1から離れていくことなどにより右折支援サービスが不可能と判断されるような場合も同様に、運転支援ECU11は右折支援サービスを終了する。
回避の必要な車両があると判断された場合、運転支援ECU11はステップ520からステップ530に進み、対向車のTTCを算出する。TTCの算出方法は上述したとおりであり、運転支援ECU11はステップ540に進む。運転支援ECU11は、ステップ540において、インフラ通信の途切れが起こったか否かを判断する。インフラ通信の途切れが起こっていないと判断された場合、運転支援ECU11はステップ550に進み、対向車の検知ミスがあるか否かを判断する。
運転支援ECU11は、ステップ540において、インフラ通信途切れがあると判断した場合、あるいは、ステップ550において、対向車の検知ミスがあると判断した場合、ステップ560に進む。なお、インフラ通信途切れがあるか否かを判断するステップ540と、対向車の検知ミスがあるか否かを判断するステップ550と、はどちらが先に処理を行ってもよい。運転支援ECU11は、ステップ560において、上述したようにインフラ通信途切れと、対向車の検知ミスと、の対象車両の仮TTCを算出する。
運転支援ECU11は対抗車両の検知ミスがないと判断した場合、ステップ570に進む。また、同様に運転支援ECU11は仮TTCを算出するとステップ570に進む。運転支援ECU11はステップ570において、ステップ530において算出した対向車のTTC及びステップ560において算出した対向車の仮TTCから、最小TTCとなる車両を特定する。
運転支援ECU11は最小TTCとなる車両を特定すると、ステップ580に進み、最小TTCが注意喚起の閾値以上か否かを判断する。最小TTCが注意喚起の閾値より小さい場合、運転支援ECU11は右折支援サービスを終了する。一方、最小TTCが注意喚起の閾値以上の場合、ステップ590に進み、運転支援ECU11は右折支援(注意喚起)を実施する。
本実施形態により、車両10の進路を横切る複数の対向車からなる車両を対象に、インフラ通信の途切れ及び対向車の検知ミスが起こっても、運転者に対して対向車に関する情報を適切に告知することができるようになる。
本実施形態の運転支援装置によれば、以下の効果も得られるようになる。
運転支援装置は、インフラ通信の途切れが起こった場合や対向車の検知ミスが起こった場合において、注意喚起する対向車を変更することなく注意喚起を継続することができ、ロバスト性の高い運転支援を提供することができる。また、運転支援装置は、注意喚起がいつまでも止まらないような不要作動も防止することができる。これより、インフラ通信の途切れや対向車の検知ミスが起こったとしても、それらの異常を感じさせない運転支援を提供することが出来る。また、運転支援装置は注意喚起対象車両のうち最も危険性の高い車両を対象に注意喚起を実施するので、運転者にとって情報過多にならず、運転者は最も危険性の高い車両に対してのみ注意を向けることができ、対向車の認知、判断が煩雑にならない。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記実施形態によれば、カーナビゲーション20はデータベース21との間で地図情報等の授受を行うようにしているが、地図情報等を格納するデータベースを有していてもよい。またカーナビゲーション20とデータベース21とが直接通信するようにしてもよい。
更に、上記実施形態によれば、インフラ通信装置31は、光ビーコン装置と光通信を行うようにしているが、ビーコン装置等と無線通信を行うようにしてもよい。
更に、上記実施形態によれば、車載レーダ34は、レーザ光を用いて物体を検出するようにしているが、ミリ波やマイクロ波などの電波や超音波などを用いて物体を検出するようにしてもよい。
更に、上記実施形態によれば、交差点C1に信号機S1が設けられているとしたが、交差点に信号機が設けられていなくてもよい。また、交差点C1にて運転支援を行うようにしたが、道路への合流、道路からの離脱、複数車線間での車線変更などのさいに行ってもよい。これより、交通環境に関わらず、車両の進路を横切る(交差したり、合流したりする)恐れのある車両を対象として運転支援を行うことができる。
更に、上記実施形態によれば、運転支援として右折支援としたが、交差点の直進や、車両の左折(例えば、自車両の左からのすり抜け車両を対象にする)や、道路への合流(車線変更)などとしてもよい。また、上記実施形態によれば、左側通行を考慮した運転支援(特に右折支援)としたが、右側通行を採用している国を考慮して、上記実施形態による右折支援を左折支援に適用するようにしてもよい。これより、運転支援装置の適用可能性が向上する。
更に、上記実施形態によれば、運転支援(右折支援)の告知方法が警告音や警告表示としたが、ブレーキECUが運転支援ECUから伝達される運転支援に関する信号に基づいて車両の減速や停止を支援するための制御、例えば、予備制動やアシストブレーキを行うようにしてもよい。
更に、上記実施形態において、運転支援の内容は、エンジンECUが運転支援ECUから伝達される運転支援に関する信号に基づいて車両の減速や停止を支援するための制御、例えばエンジン回転数を抑制したり、エンジンへの燃料供給を停止したり(ヒューエルカット)する制御等を行ってもよい。
10…車両、11…運転支援コントロールコンピュータ(運転支援ECU)、25…スピーカ、51(52,53,54)…対向車、C1…交差点、R1…主道路、R2…交差路、S1…信号機
Claims (3)
- 外部から取得する他車両に関する情報に基づいて自車両の運転者に対して運転支援を行う運転支援装置であって、
前記他車両に関する情報を取得できなくなった場合、前記他車両が検知できなくなった直前の車速及び交差点までの距離から前記他車両の位置を推定することにより自車両の運転支援を行う運転支援装置。 - 前記運転支援は、交差点に到達する時間が最も短い前記他車両に関する情報を運転者に告知する運転支援である請求項1に記載の運転支援装置。
- 前記運転支援の対象となる前記自車両の進路を横切る前記他車両の存在する交通環境が交差点である請求項1及び請求項2に記載の運転支援装置。
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