JP2014095857A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧部材の径の熱膨張によりニップ幅偏差が生じても軸方向の定着性を均一に保つようにする。
【解決手段】可撓性を有する無端状の定着ベルト21と、定着ベルト21に圧接しつつ回動する加圧ローラ31と、定着ベルト21の内周面側に配設され、軸方向の加熱領域の異なる2以上の加熱体からなるヒータ25と、定着ベルト21の内周面側に固設されて定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接する固定部材26と、を備え、加圧ローラ31と定着ベルト21とのニップ部において、加熱および加圧がなされることで用紙P上の未定着トナー像Tを用紙Pに定着させる定着装置20において、加圧ローラ31の径に関する情報を取得する径情報取得手段と、径情報取得手段が取得した加圧ローラ31の径に関する情報に基づいて、ヒータ25を制御して定着ベルト21の軸方向の温度分布を変化させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。さらに詳述すると、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に装着される定着装置に関する。
従来から、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置として、電子写真方式を利用した画像形成装置が種々考案されており公知技術となっている。その画像形成プロセスは、像担持体である感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化し、現像された画像を転写装置により記録媒体(用紙、記録紙、記録材、転写材ともいう)に転写して画像を担持させ、圧力や熱等を用いる定着装置によって記録紙上のトナー画像を定着する過程により成立している。
定着装置では、対向するローラもしくはベルトもしくはそれらの組み合わせにより構成された定着部材及び加圧部材が当接してニップ部(定着ニップ部)を形成するように配置されており、例えば、定着ローラと加圧ローラとを圧接させてニップ部を形成するローラ定着装置では、内部にハロゲンヒータ等の加熱手段を備え、加熱されながら互いに押圧されて回転する2本の回転体(定着ローラ、加圧ローラ)のニップ部に、未定着トナー像を載せた記録媒体を通過させ、熱および圧力を加え、トナー像を熱で溶融すると同時に両部材間の圧力によって記録媒体上に定着させている。
近年、定着装置の省エネ化や、ウェイトタイム短縮に対する要求の高まりを受けて、定着ローラの代わりにベルトや薄膜フィルム等、無端状のベルト部材(定着ベルト)を定着部材として用いることで、定着装置の低熱容量化を実現するとともに、また記録媒体への熱伝達効率の改善を図り、加熱に要する待ち時間であるウォームアップ時間やファーストプリント時間を大幅に短縮した、いわゆるオンデマンドタイプの定着装置が広く採用されている。
ところで、定着装置において、加圧部材(加圧ローラ)が熱膨張により外径が変化すると、記録媒体の搬送速度が変化する。加圧部材の温度は、加圧部材の長手方向(軸方向)において端部の方が中央部よりも放熱し易いため、中央部が端部より温度が高くなり、中央部がより熱膨張するため加圧部材の外径は中央部の方が大きい、いわゆるクラウン形状となる。また、加圧部材の軸方向において径偏差が生じていると、軸方向におけるニップ幅(記録媒体の搬送方向におけるニップ部の長さ)にも変化が生じることとなる(ニップ幅偏差という)。
このような状態で記録媒体を搬送すると、中央部の方が記録媒体の送りスピードが速くなるため、記録媒体の端部が記録媒体の中央部に引っ張られて、記録媒体に紙しわが発生しやすい。これは、特に、一般に紙のこしが弱い紙(薄紙など)において顕著である。
そこで、加圧部材の長手方向において、中央部よりも両端部の外径を大きくした形状、いわゆる逆クラウン形状とすることが既に知られている。しかしながら、加圧部材を逆クラウン形状とした場合も、加圧部材の熱膨張、放熱によりクラウン量は変動していくため、加圧部材の軸方向において径偏差が生じないようにすることは困難である。
このように、軸方向にニップ幅偏差が生じると、軸方向における定着性の変化により面内の光沢度ムラの増加やトナーオフセット等が生じることに繋がる。
このような問題に関して、例えば、特許文献1には、加圧ローラの軸方向の中央部に送風して外側から冷却する中央部冷却ファンを設け、定着ローラから加圧ローラを離間させた状態で、中央部冷却ファンを作動させて加圧ローラの温度分布を中央部温度≦端部温度となるように制御した後に中央部冷却ファンを停止して、連続画像形成における最初の加熱処理を行わせることで、連続画像形成の最初から最後まで、記録材の外側への引張り条件が揃った加熱処理が行われて、記録材しわや端部の画像乱れを押さえる画像形成装置が開示されている。
また、特許文献2にも、定着体及び加圧体の軸線方向におけるニップの通紙領域内の端部側の温度が中央部側の温度より高くなるように設定する定着装置が開示されている。
また、特許文献3には、定着部材の用紙幅方向における温度分布を、通紙される用紙枚数に応じて変更可能として、複数枚のシート材を同時に処理した場合でもスキュー発生を防いで、レジストずれ及びシワ発生を防止する定着装置が開示されている。
上記特許文献1に記載の技術では、加圧ローラの軸方向の中央部と端部に設けられた温度検知手段の検知に基づいて、加圧ローラの温度分布を調整しているが、上記ニップ幅偏差は、加圧部材の径の熱膨張により変化するため、定着性を軸方向で均一化できないという問題があった。
また、特許文献2に記載の技術も、加圧ローラの温度分布を調整しているが、上記ニップ幅偏差は、加圧部材の径の熱膨張により変化するため、定着性を軸方向で均一化できないという問題があった。
また、特許文献3に記載の発明も、定着部材の温度分布を調整するとともに、ニップ幅偏差に対しては、加圧位置を変更することにより対応しているが、加圧位置を変更するための加圧機構を設ける必要があり、構成が複雑になるという問題があった。
このように、加圧ローラの熱膨張変動により軸方向のニップ幅偏差が生じることによる軸方向の定着性の均一化には課題が残されていた。
そこで本発明は、加圧部材の径の熱膨張によりニップ幅偏差が生じても軸方向の定着性を均一に保つことができる定着装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、可撓性を有する無端状のベルト部材と、該ベルト部材に圧接しつつ回動する加圧部材と、前記ベルト部材の内周面側に配設され、軸方向の加熱領域の異なる2以上の加熱体からなる加熱手段と、前記ベルト部材の内周面側に固設されて前記ベルト部材を介して前記加圧部材に圧接する固定部材と、を備え、前記加圧部材と前記ベルト部材とのニップ部において、加熱および加圧がなされることで記録媒体上の未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、前記加圧部材の径に関する情報を取得する径情報取得手段と、前記径情報取得手段が取得した前記加圧部材の径に関する情報に基づいて、前記加熱手段を制御して前記ベルト部材の軸方向の温度分布を変化させるものである。
本発明によれば、加圧部材の径の熱膨張によりニップ幅偏差が生じても軸方向の定着性を均一に保つことができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の一実施形態の全体構成を示す断面図である。 中央部加熱ヒータおよび端部加熱ヒータの軸方向での加熱領域を示す模式図である。 (A)軸方向における中央部加熱ヒータの配熱量、(B)軸方向における端部加熱ヒータの配熱量を示すグラフである。 加圧ローラと、その表面温度を検知する温度検知手段の模式図である。 加圧ローラの表面温度とニップ幅の関係を示すグラフの一例である。 軸方向の中央部の径L1に対して、両端部の径L2が大きく構成された逆クラウン形状を有する加圧ローラの模式図である。 加圧ローラの表面温度と、中央部および端部での熱膨張率の関係を示すグラフである。 加圧ローラの表面温度と、中央部および紙幅毎の端部での熱膨張率の関係を示すグラフである。 マーカが付された加圧ローラと、マーカを読み取る反射センサの模式図である。 加圧ローラと、その中央部および端部の表面温度を検知する温度検知手段の模式図である。
以下、本発明に係る構成を図1から図11に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(画像形成装置)
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるタンデム型カラープリンタの全体構成を説明する概略構成図である。図1を参照して、この画像形成装置の内部構成の概要及び動作について説明する。
画像形成装置1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y,102M,102C,102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y,4M,4C,4Kが並設されている。
各作像部4Y,4M,4C,4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kが配設されている。
また、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(図示せず)等が配設されている。
そして、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kは、不図示の駆動モータによって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程)。
その後、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光の照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程)。
その後、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面は、現像部76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程)。
その後、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程)。
このとき、感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程)。
最後に、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。
中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。4つの1次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。
そして、1次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kの1次転写ニップを順次通過する。
こうして、感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。
この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。
このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。
そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。
こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置20の位置に搬送される。
そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。
排紙ローラ対99によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
(定着装置)
次に、画像形成装置1が備える定着装置20の基本構成及び動作について説明する。図2は、定着装置20の一例を示す概略断面図である。
本実施形態に係る定着装置(定着装置20)は、可撓性を有する無端状のベルト部材(定着ベルト21)と、該ベルト部材に圧接しつつ回動する加圧部材(加圧ローラ31)と、ベルト部材の内周面側に配設され、軸方向の加熱領域の異なる2以上の加熱体(ヒータ25A,25B)からなる加熱手段と、ベルト部材の内周面側に固設されてベルト部材を介して加圧部材に圧接する固定部材(固定部材26)と、を備え、加圧部材とベルト部材とのニップ部において、加熱および加圧がなされることで記録媒体(用紙P)上の未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、加圧部材の径に関する情報を取得する径情報取得手段(サーミスタ34等)と、径情報取得手段が取得した加圧部材の径に関する情報に基づいて、加熱手段を制御してベルト部材の軸方向の温度分布を変化させるものである。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
すなわち、以下に詳述するように、加圧部材の径についての情報に基づいて、加圧部材の中央部と端部の径の差による軸方向のニップ幅偏差の量を把握し、それに応じてベルト部材の軸方向の温度分布を調整することで軸方向の定着性を均一に確保するものである。
図2に示すように、定着装置20は、ベルト部材としての定着ベルト21、固定部材26、伝熱部材22、補強部材23、加熱手段としてのヒータ25A,25B、加圧部材としての加圧ローラ31、サーミスタ24等の温度検知手段、接離機構51〜53、等で構成される。また、定着装置20は、図示しない制御手段により各種の制御がなされる。
ここで、定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転(走行)する。定着ベルト21は、内周面側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜100μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わり柚子肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。この離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が確保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。なお、本実施形態では、定着ベルト21の直径が30mm程度に設定されている。
また、ニップ部の位置で定着ベルト21の外周面に当接する加圧ローラ31は、直径が30〜40mm程度であって、中空構造の芯金32上に弾性層33を形成したものである。
加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。また、定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。
固定部材26は、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、LCP(液晶ポリマー)等の耐熱樹脂材料等で構成される。固定部材26と、定着ベルト21との間に、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性部材を設けることにより、ニップ部において記録媒体Pの表面の微小な凹凸にベルト表面が追従して、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わり柚子肌画像の防止に効果がある。
固定部材26は、加圧ローラ31側の面が加圧ローラ31の曲率にならうように断面形状が凹状に形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
図2においては、ニップ部を形成する固定部材26の断面形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成する固定部材26の形状を平面状に形成したり、平面から凹形状に連続的に変化するように形成したりしても良い。
ニップ形状を任意の形状とすることによって、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対してほぼ平行となる場合には、記録媒体Pにシワが発生するのを防止する効果がある。また、凹状の断面形状に近づけることによって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高くなり、定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
伝熱部材22は、肉厚が0.2mm以下のパイプ状部材である。伝熱部材22の材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属)を用いることができる。伝熱部材22の肉厚を0.2mm以下に設定することで、定着ベルト21の加熱効率を向上することができる。
伝熱部材22は、ニップ部を除く位置で定着ベルト21の内周面に近接もしくは接触するように形成され、ニップ部の位置には内部に凹状に形成されるとともに開口部が形成された凹部が設けられている。ここで、常温時における定着ベルト21と伝熱部材22とのギャップA(ニップ部を除く位置のギャップ)は、0mmより大きく1mm以下とすることが好ましい(0mm<A≦1mm)。
これにより、伝熱部材22と定着ベルト21とが摺接する面積が大きくなって定着ベルト21の磨耗が加速する不具合を抑止するとともに、伝熱部材22と定着ベルト21とが離れ過ぎて定着ベルト21の加熱効率が低下する不具合を抑止することができる。
さらに、伝熱部材22が定着ベルト21に近設されることで、可撓性を有する定着ベルト21の円形姿勢がある程度維持されるため、定着ベルト21の変形による劣化・破損を軽減することができる。
また、伝熱部材22と定着ベルト21との摺動抵抗を低下させるために、伝熱部材22の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成したり、定着ベルト21の内周面にフッ素を含む材料からなる表面層を形成したりすることもできる。なお、図2では、伝熱部材22の断面形状がほぼ円形になるように形成したが、伝熱部材22の断面形状が多角形になるように形成しても良い。
伝熱部材22は、その幅方向両端部が定着装置20の図示しない側板に固定支持されている。そして、伝熱部材22は、ハロゲンヒータやカーボンヒータなどにより構成されたヒータ25A,25Bの輻射熱(輻射光)により加熱されて定着ベルト21を加熱する。
すなわち、伝熱部材22がヒータ25A,25Bによって直接的に加熱されて、伝熱部材22を介して定着ベルト21がヒータ25A,25Bによって間接的に加熱されることになる。ヒータ25A,25Bは、伝熱部材22の中心ではなく、ニップ部の上流側を効率的に加熱可能な位置に設けられる。
なお、ヒータ25A,25Bの出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ24によるベルト表面温度の検知結果に基づいておこなわれる。また、このようなヒータ25A,25Bの出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
このように、定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、伝熱部材22によって定着ベルト21が周方向にわたってほぼ全体的に加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。なお、図2において、ヒータ25A,25Bの例としてハロゲンヒータを用いたが、加熱手段の種類はハロゲンヒータに限定されるものではなく、例えば誘導加熱方式の加熱手段を有する定着装置であっても良い。
また、加熱手段からの熱を定着ベルト21に均一に伝達し、かつ駆動時の定着ベルト21の走行安定性を確保する手段が別途用意されている場合には、伝熱部材22を有さず、定着ベルト21を直接加熱する方式としても良い。その場合は、定着装置全体としての熱容量の内、伝熱部材22の熱容量が排除されるため、より昇温性能や省エネ性能に優れた定着装置を構成することができる。
補強部材23は、ニップ部を形成する固定部材26を補強、支持するためのもので、定着ベルト21の内周面側に固設されている。また、補強部材23は、幅方向の長さが固定部材26と同等になるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の図示しない側板に固定支持されている。
補強部材23が固定部材26、定着ベルト21介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部において固定部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。なお、補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄合金等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
また、ヒータ25A,25Bがハロゲンヒータなど輻射熱を利用して加熱する方式の加熱手段である場合には、補強部材23におけるヒータ25A,25Bに対向する面の一部または全部に、断熱部材を設けたり、BA(ブライトアニール)処理や鏡面研磨処理を施したりすることもできる。ヒータ25A,25Bから補強部材23に向かう輻射熱(補強部材23を加熱する熱)が断熱もしくは反射されて伝熱部材22の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21(伝熱部材22)の加熱効率がさらに向上することになる。
加圧ローラ31には不図示の駆動機構の駆動ギヤに噛合するギヤが設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の不図示の側板に軸受を介して回転自在に支持されている。なお、加圧ローラ31の内部には、ハロゲンヒータ等の加熱手段を設けることもできる。
また、加圧ローラ31の弾性層33を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、固定部材26に生じる撓みを軽減することができる。さらに、加圧ローラ31の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ31側に移動しにくくなるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
また、図2では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径と同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
また、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも大きくなるように形成することもできるが、定着ベルト21の直径と加圧ローラ31の直径との関係によらず、加圧ローラ31の加圧力が伝熱部材22に作用しないように構成されている。
さらに、定着装置20には、定着ベルト21に対して加圧ローラ31を接離する接離機構51〜53が設けられている。接離機構は、加圧レバー51、偏心カム52、加圧スプリング53で構成される。加圧レバー51は、一端側に設けられた支軸51aを中心として定着装置20の図示しない側板に回転自在に支持されている。
加圧レバー51の中央部は、加圧ローラ31の軸受に当接している。なお、軸受は側板に形成された長穴に移動可能に保持されている。また、加圧レバー51の他端側には加圧スプリング53が接続され、さらに加圧スプリング53の保持板に偏心カム52(不図示の駆動モータによって回転可能に構成されている)が係合している。
このような構成により、偏心カム52の回転により、加圧レバー51が支軸51aを中心にして回転して、加圧ローラ31が図2の破線矢印方向に移動することになる。すなわち、通常の定着工程時には、偏心カム52の回転方向の姿勢が図2の状態になって、加圧ローラ31は定着ベルト21を加圧して所望のニップ部を形成する。これに対して、通常の定着工程時以外のとき(ジャム処理時や待機時等)には、偏心カム52の回転方向の姿勢が図2の状態から180度回転して、加圧ローラ31は定着ベルト21から離脱する(又は、定着ベルト21を減圧する)。
以下、上述のように構成された定着装置20の、通常時の動作について簡単に説明する。画像形成装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25A,25Bに電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。
これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、図1における2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。
未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、伝熱部材22(ヒータ25A,25B)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強された固定部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、記録媒体Pの表面のトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
(加熱手段)
図3は、ヒータ25A,25Bの定着ベルト21の軸方向での加熱領域を示す模式図である。また、図4(A)は、軸方向におけるヒータ25Aの配熱量、図4(B)は軸方向におけるヒータ25Bの配熱量を示すグラフである。
図2に示すように、加熱手段としてのヒータ25A,25Bは、定着ベルト21の内周面側に配設されている。また、ヒータ25は、図3、図4に示すように、中央部側を中心とした加熱領域(発光分布)を有するハロゲンヒータ25A(第一加熱体、中央部加熱ヒータ)と、端部側を中心とした加熱領域(発光分布)を有するハロゲンヒータ25B(第二加熱体、端部加熱ヒータ)とで構成されている。なお、ヒータ25A,25Bの配置位置およびその位置関係は一例であって、これに限られるものではない。
ヒータ25A,25Bは、制御手段により、それぞれ独立で出力制御が可能となっており、例えば、端部の温度を中央部の温度よりも高く制御することが可能となっている。
(径情報取得手段)
上述のように、加圧ローラ31は軸方向において熱膨張による径偏差が生じ、これにより、軸方向におけるニップ幅には変化が生じる。このニップ幅の変化が生じると、記録媒体への軸方向の加熱分布が不均一となり、定着性が軸方向で均一に得られないこととなる。
そこで、本実施形態に係る定着装置は、加圧ローラ31の径に関する情報を取得する径情報取得手段を有し、この径情報取得手段の検知に基づいて、ヒータ25を制御して定着ベルト21の軸方向の温度分布を変化させるようにしている。
この径情報取得手段は、加圧ローラ31の軸方向の中央部に加圧ローラ31の表面温度を検知する温度検知手段を有している。本実施形態では、図2、図5に示すように、温度検知手段として接触式のサーミスタ34が配設されている。なお、温度検知手段は、接触式のサーミスタに限られず、非接触サーミスタやサーモパイル、NCセンサなどを用いることもできる。
ここで、サーミスタ34の検知結果(すなわち、加圧ローラの表面温度)と軸方向におけるニップ端部のニップ幅とニップ中央部のニップ幅との関係は、例えば、図6のグラフのように示される。
そこで、本実施形態では、径情報取得手段は、サーミスタ34により検知された加圧ローラ31の表面温度と、図6に示す加圧ローラ31の表面温度とニップ幅の関係性に従って、加圧ローラ31の径に関する情報(本実施形態では、ニップ幅)を取得するものである。なお、図6に示す加圧ローラ31の表面温度とニップ幅の関係については、予め径情報取得手段が有していればよい。すなわち、本実施形態の径情報取得手段は、少なくとも温度検知手段と、加圧ローラ31の表面温度とニップ幅の関係を記憶した記憶手段からなるものである。
そして、制御手段は、このニップ幅偏差に基づいて、ニップ部で用紙P上のトナーTが受ける熱量が軸方向で一定となるように定着ベルト21の軸方向の温度分布を設定するものである。
これにより、加圧ローラ31の熱膨張でニップ幅偏差が生じ、ニップ時間が軸方向で異なってもトナーTに与える熱量を一定とすることができ、軸方向の定着性を均一にすることができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明に係る定着装置の他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は適宜省略する。
上述のように、加圧ローラ31の長手方向において、中央部よりも両端部の外径を大きくした逆クラウン形状とすることが好ましい。
図7に示す加圧ローラ31は、軸方向の中央部の径L1に対して、中央部から130mm離れた両端部の径L2が120〜200μm程度径を大きく構成された逆クラウン形状となっている。
加圧ローラ31にクラウン量をつけて逆クラウン形状とするには、例えば、加圧ローラ31の弾性層33の厚みを軸方向で変えることによることができる。また、逆クラウン形状とするために、加圧ローラ31の芯金32の径を変えても良いし、表層の厚みを変えても良い。
このように、加圧ローラ31を逆クラウン形状とすることで、ニップ部で用紙Pを搬送する速度が中央部よりも両端部の方が速くなり、用紙Pを外側に引張る力が働き、紙しわの発生を抑えることができる。
[第3の実施形態]
図8にクラウン量のついた加圧ローラ31の中央部と端部の熱膨張率の例を示す。なお、本実施形態における加圧ローラ31は、クラウン量のついたゴム層の表層に離型層(PFAチューブ)が設けられており、中央部と端部で同じ径となっている。
図8に示すように、加熱により中央部と端部で熱膨張率に差が生じ、加圧ローラ31の表面温度が上昇するに従いクラウン量が減少する。したがって、軸方向のニップ幅に偏差が生じる。
そこで、本実施形態では、径情報取得手段は、サーミスタ34により検知された加圧ローラ31の表面温度と、図8に示す加圧ローラ31の表面温度と、中央部および端部での熱膨張率の関係性に従って、加圧ローラ31の径に関する情報を取得するものである。なお、熱膨張率が既知となれば、ニップ幅偏差が既知となる。なお、図8に示す加圧ローラ31の表面温度と、中央部および端部での熱膨張率の関係については、予め径情報取得手段が有していればよい。すなわち、本実施形態の径情報取得手段は、少なくとも温度検知手段と、加圧ローラ31の表面温度と熱膨張率の関係を記憶した記憶手段からなるものである。
そして、制御手段は、このニップ幅偏差に基づいて、ニップ部で用紙P上のトナーTが受ける熱量が軸方向で一定となるように定着ベルト21の軸方向の温度分布を設定するものである。
これにより、加圧ローラ31の熱膨張でニップ幅偏差が生じ、ニップ時間が軸方向で異なってもトナーTに与える熱量を一定とすることができ、軸方向の定着性を均一にすることができる。
[第4の実施形態]
また、用紙Pの紙種を検知する紙種検知センサを備え、サーミスタ34により検知された加圧ローラ31の表面温度と紙種検知センサの検知結果に応じた加圧ローラ31の径の情報に基づいて、ヒータ25を制御して定着ベルト21の軸方向の温度分布を変化させることも好ましい。
本実施形態では、用紙Pの紙幅を検知する用紙幅検知センサ(不図示)を用紙Pの搬送経路途中に設け、用紙幅検知センサの検知結果に応じて、定着ベルト21の軸方向におけるニップの通紙領域内の端部側と中央部側との温度分布を決定するようにしている。
本実施形態では、径情報取得手段は、サーミスタ34により検知された加圧ローラ31の表面温度と、図9に示す加圧ローラ31の表面温度と、中央部および紙幅毎(紙幅150mm、200mm、300mm)の端部での熱膨張率の関係に従って、加圧ローラ31の径に関する情報を取得するものである。なお、図9に示す加圧ローラ31の表面温度と、中央部および紙幅毎の端部での熱膨張率の関係については、予め径情報取得手段が有していればよい。
そして、制御手段は、この紙種検知センサで検知された用紙Pの紙幅毎の熱膨張率によるニップ幅偏差に基づいて、ニップ部で用紙P上のトナーTが受ける熱量が軸方向で一定となるように定着ベルト21の軸方向の温度分布を設定するものである。
これにより、加圧ローラ31の熱膨張でニップ幅偏差が生じ、ニップ時間が軸方向で異なってもトナーTに与える熱量を一定とすることができ、軸方向の定着性を均一にすることができる。
[第5の実施形態]
上記実施形態では、径情報取得手段が温度検知手段(サーミスタ34)を有する例を説明したが、径情報取得手段は、マーカを読み取るマーカ読取手段を有し、マーカ読取手段によるマーカの読み取り間隔に基づいて、加圧部材の径を測定するものであっても良い。図10に加圧ローラ31および径情報取得手段の模式図を示す。
図10に示すように、加圧ローラ31の中央部の表面に径測定用のマーカ35を付しておき、このマーカ35をマーカ読取手段である非接触の反射センサ36により読み取るものである。反射センサ36によるマーカ35の検出間隔、すなわち、加圧ローラ31の1周分の時間に基づいて、加圧ローラ径を算出することができる。
なお、中央部の加圧ローラ径(測定箇所)と端部の加圧ローラ径との関係を予め有するものであっても、マーカ35および反射センサ36を、例えば、中央部と端部の複数箇所設けることにより、加圧ローラ径の情報をより正確に取得するようにしても良い。
そして、制御手段は、加圧ローラ径に基づいて、ニップ部で用紙P上のトナーTが受ける熱量が軸方向で一定となるように定着ベルト21の軸方向の温度分布を設定する。
これにより、加圧ローラ31の熱膨張でニップ幅偏差が生じ、ニップ時間が軸方向で異なってもトナーTに与える熱量を一定とすることができ、軸方向の定着性を均一にすることができる。
[第6の実施形態]
図11に示すように、加圧ローラ31の中央部と端部にそれぞれ接触式のサーミスタ(中央部サーミスタ)34Aとサーミスタ(端部サーミスタ)34Bを設置して、サーミスタ34Aと34Bにより加圧ローラ31の中央部と端部の表面温度情報を検知することも好ましい。このサーミスタ34A,34Bによりそれぞれ検知された加圧ローラ31の中央部、端部での表面温度と、それぞれについての加圧ローラ31の表面温度とニップ幅の関係に従って、加圧ローラ31の径に関する情報を取得するものである。
本実施形態では、加圧ローラ31の中央部と端部の径の情報を得ることができるため、より高精度でニップ幅偏差に対して定着ベルト21の軸方向の温度分布を設定することができる。
また、印刷要求があった際に、サーミスタ34Aと34Bによる加圧ローラ31の表面温度を検出し、中央部の方が端部よりも大きい場合、加圧ローラ31の均熱化処理を行う制御を行うことも好ましい。これにより、中央部が端部よりも紙の送り速度が速い状態で通紙することを防ぎ、紙しわの発生を防ぐことができる。この均熱化処理は、例えば、給紙の許可を遅らせて、所定時間ヒータを所定温度にすること、またはヒータをオフにすることで均熱化するものである。
この均熱化処理は、また、印刷要求があった際に、サーミスタ34Aと34Bによる加圧ローラ31の表面温度を検出し、端部の温度が中央部の温度よりも所定温度以上(例えば、30℃以上)高い場合、加圧ローラ31の均熱化処理を行う制御を行うことも好ましい。これにより、端部が中央部よりも紙の送り速度が速すぎる状態で通紙することを防いで、後端跳ねや乱れを防ぐことができる。
[第7の実施形態]
以上説明した実施形態において加圧ローラ31の径の情報に基づいて行うヒータ25A,25Bの加熱制御は、用紙Pがニップ部を通過する際に行うことが好ましい。
すなわち、定着ベルト21の軸方向の温度分布の設定は、用紙Pがニップ部を通過するタイミングに合わせて設定され、それ以外の時には軸方向で一定温度となるように設定しておけばよい。
仮に、常に定着ベルト21の温度が中央部より端部を低くなるようにした場合、定着ベルト21から熱を受ける加圧ローラ31の温度も中央部に対して端部が低くなるため、加圧ローラ31の端部の熱膨張率が小さくなり、クラウン量が減少し、紙しわが発生し易くなってしまう。
このため、通紙中以外は加圧ローラ31の軸方向の温度を一定に保つために定着ベルト21の軸方向の温度分布は一定に設定することが好ましい。
また、以上説明した構成による定着装置20を備えた画像形成装置(図1)とすることにより、軸方向の定着性を均一に保つことができる定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
1 画像形成装置本体
3 露光部
4Y,4M,4C,4K 作像部
5Y,5M,5C,5K 感光体ドラム
12 給紙部
20 定着装置
21 定着ベルト(ベルト部材)
22 伝熱部材
23 補強部材
24 サーミスタ
25 ヒータ(加熱手段)
25A 中央部加熱ヒータ(第一加熱体)
25B 端部加熱ヒータ(第二加熱体)
26 固定部材
31 加圧ローラ
32 芯金
33 弾性層
34 サーミスタ(温度検知手段)
34A 中央部サーミスタ(第一温度検知手段)
34B 端部サーミスタ(第二温度検知手段)
35 マーカ
36 反射センサ(マーカ読取手段)
51 加圧レバー
51a 支軸
52 偏心カム
53 加圧スプリング
75 帯電部
76 現像部
77 クリーニング部
78 中間転写ベルト
79Y,79M,79C,79K 第1転写バイアスローラ
80 中間転写クリーニング部
82 2次転写バックアップローラ
83 クリーニングバックアップローラ
84 テンションローラ
85 中間転写ユニット
89 2次転写ローラ
97 給紙ローラ
98 レジストローラ対
99 排紙ローラ対
100 スタック部
101 ボトル収容部
102Y,102M,102C,102K トナーボトル
P 記録媒体
T トナー像
特開2010−181468号公報 特開2001−282033号公報 特開2006−184488号公報

Claims (10)

  1. 可撓性を有する無端状のベルト部材と、
    該ベルト部材に圧接しつつ回動する加圧部材と、
    前記ベルト部材の内周面側に配設され、軸方向の加熱領域の異なる2以上の加熱体からなる加熱手段と、
    前記ベルト部材の内周面側に固設されて前記ベルト部材を介して前記加圧部材に圧接する固定部材と、を備え、
    前記加圧部材と前記ベルト部材とのニップ部において、加熱および加圧がなされることで記録媒体上の未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
    前記加圧部材の径に関する情報を取得する径情報取得手段と、
    前記径情報取得手段が取得した前記加圧部材の径に関する情報に基づいて、前記加熱手段を制御して前記ベルト部材の軸方向の温度分布を変化させることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加圧部材は、逆クラウン形状を有する加圧ローラであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加熱手段は、前記ベルト部材の軸方向における中央部側を中心とした加熱領域を有する第一加熱体と、軸方向における端部側を中心とした加熱領域を有する第二加熱体と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. さらに記録媒体の紙種を検知する紙種検知センサを備え、
    前記径情報取得手段は、前記紙種検知センサの検知結果に応じた前記加圧部材の径に関する情報に基づいて、前記加熱手段を制御して前記ベルト部材の軸方向の温度分布を変化させることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記径情報取得手段は、前記加圧部材の表面温度を検知する温度検知手段を有し、
    該温度検知手段が検知した前記加圧部材の表面温度と、前記加圧部材の表面温度とニップ幅との関係性に基づいて、前記加圧部材の径に関する情報を取得することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記加圧部材は、表面にマーカを有し、
    前記径情報取得手段は、前記マーカを読み取るマーカ読取手段を有し、
    該マーカ読取手段による前記マーカの読み取り間隔に基づいて、前記加圧部材の径に関する情報を取得することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記径情報取得手段は、前記加圧部材の中央部の表面温度を検知する第一温度検知手段と、前記加圧部材の端部の表面温度を検知する第二温度検知手段と、を有し、
    前記第一温度検知手段および前記第二温度検知手段が検知した前記加圧部材の中央部、端部での表面温度と、前記加圧部材の表面温度とニップ幅との関係性に基づいて、前記径情報取得を取得することを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の定着装置。
  8. 印刷要求時において、
    前記第一温度検知手段が検知した表面温度が、前記第二温度検知手段が検知した表面温度よりも大きい場合、および/または、
    前記第二温度検知手段が検知した表面温度が、前記第一温度検知手段が検知した表面温度よりも所定温度以上大きい場合に、前記加圧部材の均熱化処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記径情報取得手段が取得した前記加圧部材の径に関する情報に基づいて、前記加熱手段を制御して前記ベルト部材の軸方向の温度分布を変化させる制御は、記録媒体がニップ部を通過する際に行うものであることを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の定着装置。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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